「IR」と一致するもの

My Bloody Fuckin' Valentine Mixtape - ele-king

 1937年にリチャード・ロジャース&ロレンツ・ハートが作曲した"マイ・ファニー・ヴァレンタイン"は、チェット・ベイカーやフランク・シナトラからエルヴィス・コステロにいたるまで、幅広く歌われています。また、ザ・ビートルズは「僕が64歳になってもヴァレンタインにチョコをくれる?」と歌いました。
 というわけで、ヴァレンタインに乗りましょう。好きな人に捧げたい、ヴァレンタイン用DJミックステープ! 読んでくださっているみなさんも、どうぞリストをお送りください!


■木津 毅

1 尾崎紀世彦 - ラブ・ミー・トゥナイト
2 Rhye - The Fall
3 Antony and the Johnsons - Crazy in Love
4 Kylie Minogue - The One
5 Pet Shop Boys - Love Comes Quickly
6 Matmos - Semen Song For James Bidgood
7 Gayngs - Cry
8 Perfume Genius - Hood
9 The National - Slow Show
10 Wilco - On and On and On

■斎藤辰也(パブリック娘。)

1 Taken By Trees - My Boy
2 トクマルシューゴ - Decorate
3 Emitt Rhodes - Fresh As A Daisy
4 Knock Note Alien - 雪をとかして
5 Hot Chip - We're Looking For A Lot Of Love
6 AJICO - メリーゴーランド
7 Enon - Kanon
8 About Group - Plastic Man
9 About Group - Married To The Sea (b)
10 Syreeta - Cause We've Ended As Lovers

シークレット
11 The Beach Boys - Time To Get Alone (Acapella)

■中里 友

1 Outkast - Happy Valentine's Day
2 R.Kelly - Step In The Name Of Love(Remix)
3 D'Angelo - Lady (Remix) feat. AZ
4 Drake - Best I Ever Had
5 Breakbot - Baby I'm Yours
6 Best Coast & Wavves - Got Something For You
7 clammbon - sweet swinging
8 s.l.a.c.k. - I Can Take It (Bitchになった気分だぜ)
9 前野健太 - 病 (Yah! My Blues)
10 奇妙礼太郎 - オー・シャンゼリゼ

■野田 努

1 Carl Craig - Goodbye World
2 Chet Baker - My Funny Valentine
3 Beach House - Zebra
4 Ramones - Needles And Pins
5 The Velvet Underground and Nico - I'll Be Your Mirror
6 Scritti Politti - The Sweetest Girl
7 Massive Attack - Protection
8 Marcia Griffiths - The First Time I Saw Your Love
9 The Simths - I Want The One I Can't Have
10 RCサクセション - よごれた顔でこんにちわ
11 The Stylistics - You Make Me Feel Brand New
12 Nina Simone - My Baby Just Cares For Me
13 The Beatles - Here There and Everywhere
14 The Righteous Brothers ? You've Lost That Lovin' Feelin'
15 The Slits- Love and Romance

■橋元優歩

1 Baths - Apologetic Shoulder Blades
2 Airiel - Sugar Crystals
3 Clap Your Hands Say Yeah ? Let the Cool Goddess Rust Away
4 Atlas Sound - Shelia
5 Daedelus - LA Nocturn
6 Grouper - Heavy Water / I'd Rather Be Sleeping
7 Evangelicals - Midnight Vignette
8 Cloud Nothings - Strummin Whadya Wanna Know
9 Me Succeeds - The Screws Holding It Together
10 Our Brother The Native - Well Bred
11 How To Dress Well - Date of Birth
12 Twinsistermoon - Ghost That Was Your Life
13 Rehanna - S & M
14 Sleep ∞ Over - Romantic Streams
15 Jesse Harris - Pixote
16 Candy Claws - In The Deep Time

■DJ MAAR

1 The xx - Sun set
2 Herbert - I miss you
3 Francis Harris - Plays I play
4 Jesse Ware - Swan song
5 Frank Ocean - Thinking about you
6 Lil' Louis - Do you love me
7 Stevie Wonder - As
8 Grace Jones - La vie en rose
9 Edith Piaf - Hymne a l'mour
10 Louis Armstrong - What a wonderful world

■松村正人

A面

1 Barry White's Love Unlimited Orchestra - Love's Theme
2 Dan Penn - The Dark End Of The Street
3 Kevin Ayers - When Your Parents Go To Sleep
4 Red Crayola With Art & Language - If She Loves You
5 Frank Zappa - Harder Than Your Husband
6 Mayo Thompson - Fortune
7 Frank Zappa - Keep It Greasy
8 ゆらゆら帝国 - 貫通

B面

1 The Bryan Ferry Orchestra - Slave To Love
2 林直人 & MA-BOU - Can't Help Falling In Love
3 ZZ Top - Over You
4 Aaron Neville - My True Story
5 勝新太郎 - ヒゲ
6 Serge Gainsbourg - 手切れ(Je suis venu te dire que je m'en vais)
7 割礼 - こめんね女の子
8 Leonard Cohen - Hallelujah
9 Prince - I Wish U Heaven

Sports-Koide - ele-king

2/13(wed) @CAVE246
2/22(fri) @SOUL玉TOKYO 【B.A.D.Psychedelic】
3/16(sat) @GALAXY 【SLOWMOTION】
3/19(tue/祝前日) @EN-SOF TOKYO【Just Do It !】
6/22(sat) @旧グッゲンハイム邸 【SLOWMOTION】

インディポップチャート


1
cero / わたしのすがた (カクバリズム)

2
片想い / 踊る理由 (カクバリズム)
https://www.youtube.com/watch?v=y5LFv5-xWtU

3
藤井洋平&The VERY Sensitive Citizens of TOKYO / ママのおっぱいちゅーちゅーすって、パパのすねをかじっていたい (FUSHA RECORDS)
https://www.youtube.com/watch?v=E81MpqInSxI

4
あだち麗三郎 / ベルリンブルー
https://www.youtube.com/watch?v=f3O9f95SDc4

5
VIDEOTAPEMUSIC / Slumber Party Girl's Diary (ROSE RECORDS)
https://www.youtube.com/watch?v=5xhDysPUVyo

6
伴瀬朝彦 / 田園都市ソウル (MICROPHONE RECORD)
https://www.youtube.com/watch?v=uu3sBbcfUrE

7
倉林哲也 / kit
https://www.youtube.com/watch?v=A_HZ4XzePKM

8
mmm / 無題 (kiti)
https://www.youtube.com/watch?v=Se5WsIt7wzo

9
NRQ / The Indestructible Beat of NRQ (MY BEST! RECORDS)
https://www.youtube.com/watch?v=2ZBR0ssQ334

10
HESSLE AUDIO / 116 & RISING (hessle audio)
https://www.youtube.com/watch?v=7EcTFcr7Ygg

interview with Michael Gira - ele-king


Swans
The Seer

Young God Records

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 およそ22年ぶりの来日となるので、よほどのベテラン・リスナーでもないかぎり、スワンズの来日公演を観た方は、とくにele-kingの若い読者におかれましては、すくないだろう。一介のオッサンである私でさえそうなのだから。
 あのときスワンズは過渡期にあった。82年の結成以来、『Filth』『Cop』の初期作でノーウェイヴと共振し、ジャンク・ロックの旗頭として、ひしゃげた音塊を打ち鳴らし、押しも押されもせぬアンダーグラウンドの王の地位にあったスワンズは『Greed』(86年)以降、しだいにその殺伐とした音響をスローにひきのばし音の伽藍を築くにいたった。その空間で上演する音楽は儀式というより反・祝祭としての祝祭を思わせる昏い輝きを帯びていた。スワンズの名に、いまでも多くのリスナーが抱くイメージはそれだろう。しかしながらスワンズは不変ではなかった。一貫しながら変わり続けた。80年代の終わり、ビル・ラズウェルのプロデュースでメジャーから出した『The Burning World』など、賛否両論ある作品もあるが、それにしても、彼らが音楽を前に進めようとしてきたことの証にほかならない。やがて90年代に入り、スワンズはスローさに拍車がかかり、ブレーキをかけた機関車が重い車体を引きずるように、97年には活動も停止したが、そのとき表舞台にいたのは80年代末のニューヨークのインディ・シーンで彼らと表裏の関係だったソニック・ユースだった。それから10年あまり、スワンズは、というか、マイケル・ジラは眠っていたわけではなかった。エンジェルズ・オブ・ライトとしてスワンズで未消化だった歌もの路線を探求し、〈Young God〉のオーナーとして、デヴェンドラ・バンハート、アクロン/ファミリーからジェームス・ブラックショウといった、フリーフォークないしはウィアード(weird)な、そしてこの閉塞的な世界で反転した反・祝祭とさえなり得る音楽を送り出してきた。
 それらをひとつに集約するように、スワンズは2010年、『My Father Will Guide Me Up A Rope To The Sky』でふたたび活動を開始したが、2011年3月に予定していた来日公演は東日本大震災で中止になった。今回は2年越しの待望の再来日となるが、その間にスワンズは畢竟の大作『The Seer』をリリースしている。「予言者」「先見者」と題したこの黙示録的なアルバムをひっさげ、一夜かぎり(しかも400人限定!)のステージで何をみせるか、このインタヴューがその先触れとなれば。

スワンズの演奏はどこかスピリチュアルな面での影響力があると僕たちは思うし、同じように感じるひとも観客の中にはいるようだね。例えばタントラ・セックスのように、緊張と開放、つまり自己を失うと同時に発見する感覚なんだ。

復活したスワンズは2年前の3月に22年ぶりの来日公演を予定していいましたが、東日本大震災で延期になりました。そのニュースを耳にされたとき、あなたは最初、どう思われましたか?

マイケル・ジラ:誰もがそうであったと思うけれど、ひどくショックを受けた。悲しく、忘れられないできごとだった。僕たちはそのとき、オーストラリアにいて、ちょうど日本へ出発しようとしていたんだ。それでも行きたいとみな思ったけれど、プロモーターからそれはムリだと説明があった。しかもそのときは災害の規模がどれほどのものであったかを知る前だったしね。そう、ニュースを聞いてとても悲しかったよ。いまの日本の状況はどう? 復興作業は進んでいる?

表面的にはいくらかは進んだのでしょうけど、福島の原発の問題をふくめ、復興というにはほど遠いうえに、それを置き去りにして経済を優先することにしたらしいです。ところで、そのとき、私たちには復活したスワンズの音としては『My Father Will Guide Me Up A Rope To The Sky』だけでしたが、昨年の『The Seer』を聴いて、スワンズの音がさらに進化/深化していることに驚きました。この2作の間にバンドに訪れたもっと顕著な変化は何だったのでしょう?

マイケル・ジラ:それは一年間のツアーを経験したことだね。ライヴでの演奏を通して、音が変わっていったんだ。『The Seer』の曲も、演奏を繰り返すうちにずいぶん変化した。

自然に変化していったということですね。

マイケル・ジラ:そう、行ったり来たり。試行錯誤で、僕の場合メンバーをなだめながらやっていく必要もあった。良くも悪くも僕はバンド・リーダーだからね。ときには喜びと怒りでバンドに大声を出すことだってある。まさにライヴの作業だ。そうやって奮闘しているうちに少なくとも僕たちにとっては最高だと感じられるものができて、そのときやっと頂点に辿り着いたと実感できるんだ。

僕はミュージシャンとして正式な訓練を受けたわけでもないし作曲家でもないから、すべて直感で仕事をしている。そして何ごとも恐れず、ひとつの映画を制作するまでの映画作家のように試行錯誤しながら作業をする。

前作『My Father Will Guide Me Up A Rope To The Sky』もそうですが、『The Seer』には何らかの宗教的な主題が込められていると思われます。私たち日本人はからずしもすべての人間がそうであるとはかぎりませんが、宗教的に「曖昧」であり、スワンズの言葉の信仰的および背徳的な面がわかりにくいところもあります。今回、あたなは『The Seer』にどのようなコンセプトをもたせたのか、詳しく教えてください。

マイケル・ジラ:日本人にとって特別わかりがたいとは思わない。僕はあまり言葉のコンテンツについて語るのは好きじゃない。なぜなら誰もが自由にそれぞれの想像力を働かせ、何かを経験する機会を持つべきだと思うから。曲のコンテンツについて語ってしまうと、まるで大学の試験にでも答えるかのように終わってしまう。そういう意味ですべてを解放したままでいたい。音楽のスピリチュアルな面については、僕は特定の宗教に属しているわけではない。けれど、スワンズの演奏はどこかスピリチュアルな面での影響力があると僕たちは思うし、同じように感じるひとも観客の中にはいるようだね。例えばタントラ・セックスのように、緊張と開放、つまり自己を失うと同時に発見する感覚なんだ。それが僕たちが興味をもっていることのひとつ。日本の仏教の禅宗や瞑想にも通じるところがあるんじゃないかな? 自己を深く認識するのと同時に、すべてを解き放す感覚なんだ。

『The Seer』は2枚組2時間におよぶ大作(DVD付き3枚組もある)ですが、音楽作品のトレンドがLPサイズになってきている思しき昨今、このような作品をリリースすることに、レーベル・オーナーとしても、ためらいはありませんでしたか? 私は『The Seer』には一瞬たりとも退屈は瞬間はないと思いましたが。

マイケル・ジラ:(キッパリと)ためらいはまったくなかった。なぜなら僕はもうそういうことを気にしていないから。ひとがどう思おうが関係ないんだ。もちろん僕だって生きていくためにはレコードを売らなくてはいけないけど、僕と僕の仲間は音楽が導くところに迷いなく進もうと決めていた。このレコードの制作を始めたときも色々と録音し、僕がそれらを膨らませたり、アレンジしたりするうちに最初に録音したものが成長していったんだ。その時は4枚くらいのCDで4時間くらいの長さになるかと思っていたよ。結果的に2時間に収まったけれど、別に特別なフォーマットに収めようとムリしたのではなく、たまたま3枚のCD、2つのLPであったということ。とりあえずサウンドが誘導するところへ進んでいき、どうやってリスナーにそれを提供するかは後で考える。すでにもう一枚アルバムを制作できるくらいの素材があるけれど、それがどんな形になるかはまったくわからない。

『The Seer』の"The Seer""A Piece Of The Sky""Apostate"などは組曲的な構成ですが、これらの曲はどのような構想のもと生まれたのでしょう? またレコーディングでは、これらの曲は即興的な要素も含むライヴな手法で録音されたのでしょうか? スコア的なものに基づき、厳密に構成されているのでしょうか?

マイケル・ジラ:直感で構成していく。ほとんどがまずアコーステックギターから始まる。"The Seer" のように規模の大きい、長い曲もそう。バンド・メンバーと仕事をしていくうちに、だんだん成長し、新しい姿が形成されていく。誰かが僕をワクワクさせることをやった瞬間にはそれを追究してみて、それが新しいセクションになったりね。反対に誰かが僕の気に入らないことをすれば、それはカットしようと話す。すべてがそんな感じに育成されていくんだ。核となるミュージシャンたちと基本的な録音が終わった時点で、僕のいわゆるレコード・プロデユーサーという役割がはじまる。曲に何が必要かを想像して、たとえば曲そのものだけではなく、イントロダクションが必要だと判断したりする。"A Piece of the Sky" はまさにそうだった。曲の前半は僕と僕の友人たちが自然に曲を形成、そしてレコーディングして、後半部分に実際のバンド・メンバーが加わったんだ。僕はミュージシャンとして正式な訓練を受けたわけでもないし作曲家でもないから、すべて直感で仕事をしている。そして何ごとも恐れず、ひとつの映画を制作するまでの映画作家のように試行錯誤しながら作業をする。

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もちろんいまも昔もドローンやトーン・クラスターなどに惹かれるけれど、僕にとにかくコード チェンジは気が散ってしょうがないんだ。正直なところ、コードを一回チェンジするのだって気が散ることがある。


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The Seer

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サウンド面についてお訊きします。新生スワンズは通常のロック・バンドのスタイルに加え、ハンマー・ダルシマーやオーケストラ・ベル、ラップ・スティール、そのほか多楽器主義的な編成になっています。スワンズがこのようなスタイルをもつに至った経緯を教えてください。

マイケル・ジラ:友人たちがたまたま演奏している楽器だから取り入れたまでだよ(笑)。でも、特にハンマー・ダルシマーは、開放的な余韻がとても気に入っているし、ベルも同じだよ。どのようにレコードを編成していくかについては、スワンズの基本的なメンバーが演奏を終了してから、その曲が何を必要としているかを想像して、メンバーに声をかけるんだ。ときには楽器ではなくある特定の人物を思い描くこともある。この曲はビル(Bill Rieflin/ビル・リーフリン Honorary Swanとクレジットされているサイド・メンバー。元ミニストリーのマルチ・インストゥルメンタリスト)が必要だ、とかね。僕の親友のビルはこのレコードでおよそ十はくだらない楽器を演奏している。まだ彼がなにも聴いていないうちにスタジオへ飛行機できてもらって、そのときあるがままの曲を聴かせてどう思うかと訪ねてみた。すると彼はじゃあここはピアノの演奏を入れようとか、ここはベースを入れようとか何かしら提案するんだ。でも、すばらしい感受性を持っている彼の存在自体が大切で、僕は彼がどのように演奏しようとかまわなかった。ときには歌ってもくれたしね。

2000年代にアメリカのアンダーグラウンドで盛り上がったドローンはスワンズを雛形にしている部分があると思いました。この意見についてどう思われますか? またドローン、あるいはトーン・クラスター的な音響手法はスワンズにとって重要なものでしょうか?

マイケル・ジラ:たしかに雛形になっている部分はあるかもしれないけれど、審美的、または知的な意味では違う。もちろんいまも昔もドローンやトーン・クラスターなどに惹かれるけれど、僕にとにかくコード チェンジは気が散ってしょうがないんだ。正直なところ、コードを一回チェンジするのだって気が散ることがある。でも、きみが気づいてくれているようにひとつのサウンドは沢山のニュアンスと無限の可能性を秘めている。だからひとつの音をただ持続させているのではなく、僕たちのサウンドには常に動きがある。それは様々な楽器や、モジュレーションを駆使しているからだ。いつも何かが変化している。リズムが変化している。そういう方法をとったほうが効果的に波にのることができると思うんだ。

私はあなたが「The Quietus」というサイトに発表した、13枚のお気に入りのアルバムを拝見しました。ストゥージズ、ドアーズ、ボブ・ディラン、マイルス・デイヴィスらの作品に混じって、そのなかに、ヘンリク・グレツキ、アルヴォ・ペルトというふたりの作曲家の作品をみつけましたが、彼らがともに東欧系であるのは偶然でしょうか? あるいは、たとえば、バルトーク・ベラのような東欧的な作風に何か惹かれるポイントがあるのでしょうか?

マイケル・ジラ:ああ、あれは良いウェブ・サイトだね。そうだな、たぶん惹かれるところがあるんだと思う。昨夜ペンデレツキを聴いていたんだけれど、あれはとてつもない。ああいった感情に極限的なインパクトを与える音楽を好む傾向があるんだろうね。ひとはそれを音楽の暗い面というかもしれないけれど、僕はちっとも暗いと思はない。ただただ感動的だと思う。グレツキの"交響曲第2番"をはじめて聴いたとき、スワンズのサウンドにそっくりだと思ったんだ。でも彼は作曲家だから、もっとサウンドにバリエーションがある。それにあの曲はグレツキの作品の多くがそうであるように、最初はまるで世界の終わりを思い起こさせるようだけど、次第にとても穏やかで美しいものへと流れていく。彼の"交響曲第3番"を聴いたことがあるなら、とても美しい曲だとわかるだろう。あれはなぜか80年代に彼のポップ・ヒットとでもいえるようなものになっていたよね。とにかく、そういったサウンドに惹かれるのはたしかだ。

イスラエルに滞在していたとき、僕のヒッピー仲間が相当な量のハシシを残していった。バカでナイーブだった僕はエルサレムの地元のホステルでそれを売ろうとして、そこを現行犯で警察に捕まって、結果的に3ヶ月半拘留された。

スワンズ、エンジェルズ・オブ・ライト、あなたのソロ名義や〈Young God〉のヴィジュアル・アートワークは印象に残るものが多いのですが、『The Seer』のジャケットを手がけたサイモン・ヘンウッドや過去の作品の多くを手がけたデーリック・トーマスなど、彼らペインターとの関係性と作品に対する思い、またアート・ディレクターとしてのあなたのヴィジュアル・アートワークに対するこだわりを教えてください。

マイケル・ジラ:彼らは僕の友人。サイモンのアートは大好きだよ。ここ数年彼の作品はものすごく成長しているけれど、あらためてなんといったらいいかは......わからないな(笑)。僕は近日行われる彼の結婚式でベストマン(花婿の付添人)を務めるんだから。彼は僕の友人で、彼の仕事が僕は大好きだ。デーリックも僕の良い友だちだけれど、サイモンほどは親しくないかな。彼はちょっとしたアウトサイダーなんだ。アーテイストとして訓練も受けているけれど、アートの世界にはまったく従事していない。彼はブロードモア精神病院で患者にアートを教えているんだ。僕にとって彼はウォルト・デイズニーとヒエロニムス・ボスを組み合わせたような人間だね。

アートワークについてのこだわりはどうでしょう?

マイケル・ジラ:特にこだわりはないよ。でも、良いセンスは持っていると思う。通常イコン的な画像を探すけど、シニカルなことをいうとその作業も一種のブランド化だからね。明確かつ簡潔、即時に目がいくような画像をとにかく中央に配置するようにしている。レーベルとスワンズ両方にとってしっくりくる画像を探すんだ。

ウロおぼえなので勘違いであればお許しください。その昔、あなたのインタヴューで読んだ気がするのですが、あなたがローティーンの頃にヨーロッパをヒッチハイカーとして旅していて最終的にイスラエルでハシシを売った罪で半年も拘留されていたというのは本当ですか? この場をかりてあなたの少年時代の話を是非ともおききしたいです。

マイケル・ジラ:ほぼ本当だよ。子どもころ、家出したんだ。14~15歳だったかな。そのとき僕はドイツにいた。ヒッチハイクしながらヨーロッパを横断し、ユーゴスロビアからギリシャ、そこからトルコに渡った。イスタンブールに何週間か滞在していたんだけれど、お金が底をついてきて、そのころ僕と僕のヒッピー仲間たちが仕事を見つけられるようなところといったらイスラエルだったんだ。だからイスラエルへ彼らと行き、そこでしばらくいっしょに過ごした後、彼らが去って行くときに相当な量のハシシを僕に残していった。バカでナイーブだった僕はエルサレムの地元のホステルでそれを売ろうとして、そこを現行犯で警察に捕まって、結果的に3ヶ月半拘留された。でもイスラエルはトルコと違うし、もちろん恐ろしいことも目撃したし自分の世界観が変わるようなできごともあったけれど、それでもまあイスタンブール刑務所にいれられていたわけじゃないからまだ良かった。拘留されているときに学んだこともある。ひとの行き来が多少あったので独房とまではいかなかったけど、ひとりでいる時間がかなりあって時間というものの大切さと必要性について考えるようになったんだ。機械的な賃金奴隷のような生活に屈服せず、いかに自分の時間を想像力豊かな方法で活用することが大切か分かったんだ。もちろん、僕を含むどんなひとにとってもそうすることが難しいのはある程度は仕方がない。刑務所にいるときは刺激というものがとても制限されるから、とにかくその部屋にいる自分の体に意識が集中して、ときにはためになり、ときには気が狂ってしまいそうだった。ひとつよかったのはたくさん本を読むようになったこと。そういう意味で僕を助けてくれた経験でもあるね。

エンジェルズ・オブ・ライトのリリックはわりと物語的なのに対してスワンズは過去も現在も非常にシンプルな散文詩を唄っているように思われます。その象徴的な言葉を使いはスワンズの名を冠して活動することに対しての重要な要素でしょうか? また、そうであれば過去と現在のスワンズではリリックを書き上げるインスピレーションはどのように変化していますか?

マイケル・ジラ:正直なところ、まだ曲を書けること自体がありがたい。たくさんの曲を書いてきたからかもしれないけど、昔に比べて曲を書くのが難しくなってきた。それにとても忙しくて、刺激になるようなことに費やす時間がない。本を読んだり、映画をみたり、イマジネーションを活性化させる時間がないんだ。でも、スワンズの言葉がどう違うかといえば、断定的ではなくあくまでも一般的に、音楽が襲いかかるように盛り上がってしだいに強くなっていくとき、物語的なリリックを導入するとなんだかがっかりするし、音楽が小さく聴こえてしまうだろう? そういったリリックはなぜか歌い手が中心となってしまうしね。そうではなく、音楽にもう一層積み重ね、聴き手が抱く疑問に答えなくともイマジネーションを活性化させるイメージやフレーズを探すんだ。大きな曲の上に物語を語ろうとすると、音楽が小さく聴こえてしまう。そういう意味でゴスペル音楽に共感するところがある。ゴスペル音楽がどんどん登り詰めていき、最後には同じフレーズを連呼するあの感覚。あれに似たアプローチなんだ。

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もう昔のスワンズの形態には戻りたくないんだ。この新しい形で進んでいきたい。


Swans
The Seer

Young God Records

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私は〈Young God〉Recordsの多くのリリースに魅了されてきたのですが、あなたのプロジェクト以外で今後も新たなバンドのリリースは予定しているでしょうか?

マイケル・ジラ:今のところないな。しばらくはないと思う。スワンズの活動で忙しいから、レーベルの他のアーテイストに時間を費やすことができないし、音楽業界の経済状勢もご存知の通りだからね。残念だけど、あまり有利な仕事とはもういえないかもしれないね。

デヴェンドラ・バンハート、アクロン/ファミリーなどのアーティストから、あなたが影響を受けたことがあるとすれば、それは何ですか?

マイケル・ジラ:特にないな。でも、いろんな意味でインスピレーションを受けた。おもに彼らの魔法のような独創力、それに彼らの若さとやる気にね。いまは彼らも年を取ってしまったからそうでもないかもしれないけれど(笑)、シニカルなところが一切なく、音楽をつくってレコーディングすることを心から愛しているひとたちと仕事をすることは当時とてもインスピレーションを受けた。もちろん、いまあげたアーテイストたちは非常に才能があったし賢い人たちだったから、とても価値ある経験だったよ。

『The Seer』には、前作にひきつづき参加したマーキュリー・レヴのグラスホッパーのほかにも、ヤー・ヤー・ヤーズのカレン・O、ロウのアラン・スパーホウクとミミ・パーカーなどが参加しています。彼らが参加した経緯を教えてください。またスワンズの子どもたちともいえるミュージシャンが活躍する現状を、結成から30年経ったいま、あらためてふりかえって、どう思われますか?

マイケル・ジラ:先ほど話した通り、僕はレコード プロデユーサーなので音楽を客観的に見るように心がけているんだ。自分の作品だからうまくいってないかもしれないけど。スワンズの基本メンバーと僕以外の人材が必要だと思ったときは、彼らを招くようにしている。例えば、僕は"Song For A Warrior"を歌っているとき、自分の声がひどいと思ったんだよ。曲にまったく合っていない。良い曲だと思ったけれど、僕の声ではダメだった。この曲はある意味、僕の6歳半の幼い娘に向けたラヴレターであって、つまり僕が死んだ後娘に聴いてほしい曲なんだ。だから他のひと、あるいはどこか母性的な声の持ち主に歌ってほしかった。ソロで歌っているときのカレンの声は本当に温かくセンシュアル、セクシーではなくてセンシュアルな歌声だと思うんだよ。彼女ならぴったりだと思ったから歌うのをOKしてくれたときはとてもうれしかった。アランやミミもいうまでもなくすばらしい。彼らは造物主との直接的な繋がりがあるんじゃないかと思うほどだよ。アランは何年も知り合いだし、彼は僕が住んでいるここニューヨーク州北部の近所に住んでいるんだ。スワンズの子どもたちについては、彼らが心から愛していることを仕事にし、生活できているのを見るのはとても幸せだよ。おかしいけど、デヴェンドラに初めて逢ったとき、彼は文無しだったんだ。家もない状態だったけれど、一年、一年半経たないうちにミュージシャンとしてある程度の生活を維持できるようになって、それを見ているのはとてもうれしいことだったよ。

ジャーボーは『The Seer』にゲスト参加していますが、ライヴで共演することはないのでしょうか?

マイケル・ジラ:たぶんないな。ゲスト参加してくれたのはうれしかったけれど、もう昔のスワンズの形態には戻りたくないんだ。この新しい形で進んでいきたい。

ジャーボーといって思いだしたのですが、あたなと彼女はかつてスキンというユニットをやってましたよね? 「スキン」というのは、あなたの作品に頻出する単語でもあります。これはある種の身体と境界を意味すると思いますが、あなたはこの言葉に何を託されていますか?

マイケル・ジラ:フハハハ。僕は、Skin は脱ぎさる(脱皮する)ものだと強く信じているんだ。

現在のアメリカ政府の社会保障政策、とくに医療保険改革、銃規制に、あたなは賛成ですか反対ですか?

マイケル・ジラ:僕は(U2の)ボノではないから演説する気はいっさいないけど、個人的な意見としては、われわれは北欧をモデルとした社会主義を目指すべきだと思う。より穏健な世界へ繋がる道は、一種のリベラルな社会主義であると思う。この場でたしかなことはいえないが、(アメリカには)たぶん希望は持てないだろう。われわれは彼らほど聡明でないし、確実に国としての統一性(団結)もないからね。

オリジナルメンバーであるハリー・クロスビー氏に、心よりご冥福をお祈りいたします。何か彼との印象的な思い出があればお聞かせください。

マイケル・ジラ:ハリーには20年もの間逢っていなかったけれど、印象的な思い出といえばこの間ジャーボーも話していたことがある。ハリーはスワンズが活動しはじめたころはものすごい酒飲みで、メンバー全員そうだったけど彼はとくに過激でたくましい人間だった。80年代マンハッタンのアルファベット・シテイと呼ばれていた地域のアパートにいっしょに住んでいたころの話。ジャーボーと僕はベッド・ルームにいたんだけれど、廊下からものすごい音がしたと思うと、ドアが閉まって何かがぶつかる音がしたんだ。そのころ、近所には焼き尽くされた車があちらこちら路上に乗り捨てられていて、酔っぱらったハリーは笑いながら車の前方を取り外し、頭の上に持ち上げたままそれをアパートに持ってきて自分の部屋に放り投げたんだ。その後彼は酔いつぶれて、次の日目が覚めると「あれはなんだ?」と。ハリーは怪力だったから、なんだかムシャクシャしていたのかわからないけれど、あるとき酔っぱらって道路のマンホールカバーを持ち上げて窓に放り投げたこともあったよ。しかし同時に彼はとても知的なヤツで、賢いとても頭が切れて話し上手だった。よく移動中のバンの中でみんなでワード・ゲームをしたんだけれど、いつも彼が勝ってたのを憶えているよ。

あたながいまもっとも大切だと思うもの/ことは何ですか?

マイケル・ジラ:それはちょっと個人的な質問だけど、もちろん音楽と僕の子どもたちだよ。

2月19日の日本公演を楽しみにしております。来日公演にかける意気込みをお聞かせください。

マイケル・ジラ:日本に行くのがとても楽しみだ。最後に訪れたのはたしか20年前だったかな? ショウは独自の命をもっているから、あえて日本に合わせられるかはわからないけど、演奏する僕らと同じように、観客のみんなも純粋に心を動かされるショウになることを願っているよ。(了)

工藤キキのTHE EVE - ele-king

 「ニューヨークはみんなが半分遊んでいる街だよ......」と言ってくれた長くNYに住む友だちの言葉で、人生はじめての大きな引っ越しの不安は多少和らいだと思う。世界はインターネットでつながっていて、さほどどの都市も変らないともいわれているけど、実際に住んでみるといままでとは別次元を生きている感じで、言語も習慣も違うと、寂しい、不安だ、英語わかんない、などにマジメに向き合えないほど、とにかく驚いてばかりの日々も1年が過ぎた。だけど良かったと思うのは、大人になってから来たので、すでに自分の好きなものを知っているから闇雲に何にでも手を出さなくてもいい。だって、あれもこれも、というぐらいNYは月曜から日曜まで毎日どこかでパーティがある。
 そんななかでもハーレム育ちのドミニカン・フィメールDJ(......というかアーティストと言った方がいいかも)のVenus Xと'HOOD BY AIR'というファッション・ブランドのデザイナーでもあり彼女の幼なじみの$HAYNEでオーガナイズしているパーティGHE20G0TH1K(ゲトーゴシック)は、フリークドアウトできるパーティのひとつだ。

 ダウンタウンやブルックリンのヤング・ジェネレーションが集まるパーティには案外ミュージック・ナードが少ない。サウンドシステムにうるさい人もあまりいない。'グッドミュージック'を楽しもうとするよりも、ウイード吸ってハイになって、MDMAやマッシュルームでどれだけ踊り狂えるか、フリークドアウトできるのか......というような音楽の楽しみ方をしている若い子が多いと思う。だからほんとストレス発散には最高だし、そして最近のMDMAは翌日のディプレスもない......!  
 とはいえ、GHE20G0TH1Kにはもちろんグッド・ミュージックで踊るために行っているんだけど、そのパワフルな動きを一緒につくっているのが、FADE TO MINDのKingdomやNguzunguzu、MikeQ、Fatima Al QadiriそしてPhysical Therapy、Dutch E Germ、 Brenmar、Total Freedom(この人は最高!)など、同時代にタイミングよくメンツが揃っているのも、このシーンを強いものにしていると思う。

 フロアでかっている曲は、シカゴのジュークやグライム、レゲトンやラテン・ハウス、ハード・ハウス、ローカル・アンダーグラウンドや南部のゴス・ラップ、テクノ、R&Bにアルジャジーラの放送や、メイクアップに倒錯したアメリカのティーンのYoutubeをかぶせたり、ニルバーナの"スメルズ・ライク・ティーン・スピリット"を激重くチョップド&スクリュードしたり......さらに初音ミク的なものも。そうだ、ゲストに元Three 6 MafiaのGangsta Booや地元ハーレムの仲間としてA$APも登場したこともある、かなりラジカルでクレイジーなパーティ。
 客層もゲイ・ピープル、フェミニスト、アーティスト、ミュージシャン(というかNYで出会った人の80%はアーティストまたはミュージシャンと名乗る人ばかりだけど......)。ファッション系はNYのオールドスクール「V」や「W」 ではなく、まさにGHE20G0TH1Kと同時期にスタートした、ニュースクールのファッション・サイト『DIS MAGAZINE』や、そのフォロアー。
 ハッキリ言ってNYの若い子は東京やロンドンに比べたら全員がとびきりオシャレではない、と思う。パーティに集まる若い子も、90'Sのレイヴの独自の解釈? Tumbler的なインターネットに転がっているゴミをかき混ぜたような......ファッショントレンドというよりも、DIYで混ぜこぜにしたイメージを楽しんでいる。そして、どれだけパーティのブッ飛び要素になれるか......。

 GHE20G0TH1Kも最初は小さいバーからスタートして、2010年にはそれを面白いと思ったMoMA PS1のキュレーターが毎夏開催しているWarm UpというシリーズのパーティにGHE20G0TH1Kを抜擢、その後はブッシュウイックのトルティーヤ工場などのウエアハウスのパーティで知られるようになって、2011年には『NY Magazine』や『Village Voice』のベスト・パーティに選ばれ、さらに2012年にはガゴシアン・ギャラリーでのダミアン・ハースト展のアフター・パーティ、Gang Gang Danceのフロント・アクトとして一緒にツアーを周り、ファッションウイークのDJ、そしてマイアミのアートバーゼルにも呼ばれてと......。'アメリカンドリーム'じゃないけど、新しい動きには必ずフックアップする人たちがいて'次へのステップ'が用意されているのも興味深い。しかも、そういったヤングのアンダーグラウンドのトレンドをファッションよりもアートが先に眼を付けるのが、アートマーケットが確立しているNYならではだ。
 GHE20G0TH1Kって名前もそうだけど、NYはヴェルヴェット・アンダーグラウンドしかりヒップホップしかり昔から、ラリー・レヴァンさながらダンス・ミュージックを'言葉'でつなぐようなリリカルなものに反応するDNAがある街だと思う。Venusたちにもパーティのフライヤーには'Mind Fuck'や、いつもアナーキーなパンチラインがあり、それこそエジプトのデモがあった時のアルジャジーラの放送をビートにのせるような、わけのわからないサウンドを生み出しているけど、それが狂乱の夜にがっちりとハマる。まさに言葉で煽るというNYのダンス・ミュージックの伝統を継承しているニュースクールだ。
 最初は一緒にパーティに行く友だちも少なくて、あのパーティ行ってみたいけど......ひとりだと嫌だなーと見逃したこともたくさんあったけど、開き直ってひとりでも遊びに行くうちにだんだん、いつものメンツがいたりして、東京にいた時もそう思っていたけど、一緒に酔っぱらったり踊っているうちに仲良くなるって世界共通なんだよね

〈StarFes.2013〉に期待できること! - ele-king

斎藤:僕が怪獣エレキングだぞー、ガオー! エレレレレレレレ! チュドーン!

菊地:もう1月も終わってしまったのに、なに言ってんだよ斎藤くん!

斎藤:いやいや、盟友・菊池くん! 僕は昨年のトラックスマン来日公演でクラブ遊びしたとき信じられないほど楽しかったのが衝撃的で、それ以降も友だちとイヴェントで踊ったり遊んだりする楽しさもあらためて体感できたから、いろいろ音楽の鳴る方へガオーっと出没できたらなって思ってるんだよ。

菊地:それだったらさ、この〈StarFes.2013〉(https://star-fes.net)っていうイヴェント知ってる? 

斎藤:いやー、まったく知らなかったな。昨年からやってる新しめのイヴェントなのか。自分でイヴェント企画をしたり、いまもいろんなライヴ会場で手伝いをしている菊地くんから、おすすめポイントを教えてくれよ。

菊地:実は僕も〈StarFes.2013〉のことを知らなかったんだけど、3月23日(土)に、神奈川県の川崎市にある東扇島東公園で開催されるイヴェントらしいんだ。

斎藤:ああ! その公園って、僕が第0回目の〈フリードミューン〉でアルバイトしたところじゃないか! 実はあの日、現場の公園にいたんだ。本当に大変な荒天で中止になっちゃったけど、ロケーションがとてもいい公園(☆1)だったことを鮮明に覚えてるよ。高い建造物も周りになくて、空が広いんだ。海を臨んでいて、地面も原っぱで、コンクリートの道もあって会場はほどよい広さだから移動もしやすいし。あそこでフェスが開かれるなんて、最高に気持ちよさそう。あの場所で音楽浴びながらビール飲みたい!

菊地:そうそう、野外なんだよね!

斎藤:あのきもちよい野外で10時開場/11時開演か。 最高だな! 土曜の朝から公園でビール飲めるなんて! バイト先のチーフがたまに「幸福ってなんだっけー」って歌い出すんだけど、幸福とは休日の午前から飲むビールでしょ(☆2)!

菊地:それ推すね(笑)。そういえば僕も去年、相模湖で開催された〈XLAND FESTIVAL〉に遊びに行ったんだけど、神奈川県ってそもそも音楽のイヴェントが開催されるようなイメージがなかったから、まずそれだけで新鮮だと思ったし、興味が湧いたんだよね。単純にどんな場所でやるんだろうっていうかさ。

斎藤:そうなのか。近すぎて盲点だったのかもしれないね。

菊地:っで、実際に行って感じたのは、新潟みたいな大自然ではないけれど、ローカル過ぎないし、そのバランスがとにかく素晴らしかった。神奈川っていうのは、実はすごくフェスに適した良い場所なのかもって思ったね。〈StarFes.2013〉も神奈川県だし、そういう環境に適したイヴェントを期待したいな!

斎藤:「都市型音楽フェス」と謳っているだけあって、東京やその周辺からなかなか遠出しづらい人たちといかにフェスを作り上げていくかを考えているみたいだね。おまけに今回の会場最寄駅の川崎駅は、品川駅から約10分前後で行けちゃうようなところだから、都心からのアクセスのしやすさといったら半端じゃないよ(☆3)。駅から会場の公園までは無料シャトルバスも出るみたいだし。

菊地:そもそもフェスっていろんな楽しみ方を自由に選択できる場所なんだけど、いわゆる、有名な大型のフェスって良くも悪くも詰まってるというか、余韻に浸る隙間があまりない気もするのよ。出演するアーティストがたくさんだから、疲れちゃうけど観なきゃっていうかさ。

斎藤:それは本当に言えるね。疲れを乗り越えたり無理をしてこそフェスっていうわけでもないし、ほどよく楽しみたい人がちゃんと満喫できるイヴェントがこうしてあるのはいいことだよ。会場も広すぎないし。なおかつ、“日本一早い夏フェス”っていうのも、つまりはその解放感を打ち出していきたいっていう意識なのかな。開催日は立派に春だから、暖かいといいなー。ビール、ビ--ル!

菊地:〈XLAND FESTIVAL〉はステージが少ないぶん、ポイントが分かりやすかった。だから昼から遊びに行っても全然疲れなかったもんねー。同じくらいの規模だし、そういうの期待しちゃうなー。

斎藤:アクセスが良くて、野外の公園で昼からきもちよくビール飲めて、ライヴやDJが観れて、申し分ないね。都心からのアクセスのよさもあるし、昼から遊んで土曜の夜遅すぎない時間に帰ることもできるだろうから(☆4)、次の日に負担がかかったりしないのはありがたいね。終わった後ゆったり余韻に浸ることもできれば、そのままどこかまた遊びに行ったりもできるじゃん! 僕は友だちといっしょに気軽に遊びに行きたいかな。パーティーをハシゴできるー! HoooooooooooooOOOOOO!!!!!!!!!!!!

菊地:ちなみにさ、前売り券の値段いくらだと思う?

斎藤:いやー、気になるのはそこだけだよ、マジで。ラインナップは有名どころ多いし、海外のアーティストもけっこう来てくれるみたいだし、安くて7000円とか、そのくらいなんでしょ。お金のことは考えないようにしてここまで会話が弾んでたのに......。

菊地:なんと前売3500円なんだって! これってクラブと同じくらいの値段でフェスに参加できる(☆5)ってことだよ、つまり!

斎藤:マジかよ! 安いな、おい。 普段の小さなライヴとかクラブと変わらない入場料でフェスが楽しめるのか! しかも出演アーティストは大物揃い(☆6)じゃん! ジャザノヴァとか、渋いとこ押さえてるよなー。 Pヴァインから昨年に出たポール・ランドルフのアルバムは部屋でひとり笑っちゃったほど気持ちよかったし。セオ・パリッシュも昨年の来日公演が観れなかったから楽しみだよ。

菊地:斎藤くんからみて、他にも気になるアーティストってなんだろう?

斎藤:日本のアーティストも有名どころが出るよね。regaやmouse on the keysのようなインストロック勢だったり、AFRAとDaichiのヒューマンビートボクサーとしての競い合いにも期待できるかな。DE DE MOUSEDJ KENTAROのようなエレクトロニック/ダンスの趣もあるし、昨年のロンドン五輪の公式イヴェントでヘッドライナーにもなったフレンドリー・ファイアーズが日本でのDJでなにをかけるか楽しみだな。あとは、HIFANAを観たい! 僕がいっしょにラップをやってる友だちもHIFANAのサンプラー演奏を観てヒップホップを作りたくなったって言ってたし、いまどんな衝撃を与えてくれるかが楽しみ。昨年開催された、〈StarFes.2013〉出場権をかけたコンテスト・イヴェント〈StarExhibition.2012〉を見事勝ち抜いたregaとDaichiの2組も楽しみだね。若手(Next Star)枠として出場するわけだけど、大御所に囲まれるなかでどう勝負に出るのかってのも見所だろうね。電気グルーヴ昨年のエレグラでも人が多すぎてフロアに入れなかったから、ちゃんと観たい!
 ふだん小さいイヴェントにしか行かない僕みたいな人間は、有名なアーティストの音楽とかライヴって実は知らなかったりするから、ぜひこの機会に楽しみたいな。

菊地:本当にこういうフェスこそ、まだフェスっていうものに行ったことがない人に是非参加してもらいたい(☆7)。

斎藤:いやー、いいこというね。菊地くんもいっしょに音楽浴びながら昼からビール飲もうよ。

菊地:ねえ、斎藤くん、それ言いたいだけでしょ!

斎藤:夜は川崎の隣駅、飲み屋がたくさんの蒲田で食って飲もう。あるいはハシゴでクラブでもいいよ! 僕はギャングスタだぞー、ガオー!


☆1:会場が野外の公園で、ロケーションが快適。

☆2:土曜の昼前から音楽とお酒がたのしめる。

☆3:都心から驚くほど近くて、アクセスがよい。無料シャトルバスもあり。

☆4:土曜の昼にはじまり、夜遅すぎない時間に帰れるので、祭りのあとのほどよい余白がある。

☆5:前売り券が3500円ととても良心的。普段のライヴやクラブと変わらない値段でフェスに参加できる。

☆6:出演は有名どころ多数。海外のアーティストもおもしろいところを押さえてある。

☆7:フェスをふだん敬遠しがちなひとも気軽に参加できそう。初心者にもおすすめ。



出演アーティスト紹介

■The Orb
1993年、英国のグラストンベリー・フェスティヴァルの土曜日のトリがジ・オーブだった。数万人をいちどにトランスさせたそのときのライヴは、伝説となっている。さて、ジ・オーブことアレックス・パターソンは、説明するまでもなく、アンビエント・ハウスのオリジネイターで、テクノの大ベテランとして長きにわたってシーンに君臨している......君臨? いや、仰々しいと思われかもしれないが、もうそう言って良いだろう。初期の2枚のアルバムはリマスリングされ、再発され、昨年はリー・ペリーとの共作でも話題になった。ダンスのビートとダブの空間、トランシーで色とりどりの電子音。ある意味では、ジ・オーブこそ野外に相応しいと言えるだろう。ソロ・アーティストとしても人気の、トーマス・フェルマンももちろん参加。つまり、完璧なジ・オーブである。(野田努) 

■電気グルーヴ
彼らは、変な話だが、アウェイ感のある場にいくと力を発揮すると言われている。昨年のエレクトラグライドが良い例である。そういう意味では、今回は、どっちなんだろうか......、アウェイというよりもホームに近い、よりホームに近いアウェイと言えるのだろうか。ともかく、今年は新作を出すんじゃないかと期待されている日本のテクノ・シーンの、いまだ主役をはっている電気グルーヴの出演は心強い。大きな会場でのパフォーマンスも保証済み。ナンセンスと笑いと、そして昨年のエレグラではイタロ・ディスコめいた(ジョルジオ・モロダーめいた)ビートで会場を100メートル押し上げている。今回のフェスでもみんなを満足させる請け合いである。(野田努)

■FRIENDLY FIRES
2007年のシングル『パリス』の衝撃は、2000年代のリアルなインディ・ロック・リスナーには深く記憶されていることだろう。ダンス・オリエンティッドなロック・バンドの最新鋭としてマーキュリー・プライズにノミネートまでされたUKの3ピース。ニューレイヴと呼んで親しまれた多くのバンドのなかでもひときわ輝く存在だったが、とくに彼らのバレアリックなフィーリングはセカンド・アルバムにおいてさらに突き詰められ、シカゴ・ハウス・リヴァイヴァルの気運へもつながっていくこととなった。DJセットには、ミックス・アルバム・シリーズ『Bugged Out!』で見せたような正統的なダンス色に加え、もともとのロック的な出自が反映されることもぜひ期待したい。 (橋元優歩)

■JAZZANOVA feat. PAUL RANDOLPH
ベルリンのクラブ・ジャズの大ベテラン・チームで、昨2012年は、久しぶりのアルバムを発表。健在ぶりを証明している。ヴォーカルとベースで参加するポール・ランドルフは、年季の入ったアーティストで、ムーディーマンのレーベルからも作品を出している。ソウルフルなグルーヴで、会場を温めること請け合いだ。(野田努)

■Theo Parrish
もっとも影響力の高いデトロイト・ハウスのDJ/プロデューサー。それがどれほどのものかといえば、フォー・テットやカリブーに影響を与えているほど。ハウス・ミュージックといっても極めて実験性が高く、エディットから音響加工まで、ほとんどサイケデリックな領域で語ってもいいほどのインパクトを持っている(ゆえに、ロック・リスナーにもファンが多い)。彼の黒いグルーヴを体験しよう。(野田努)

■80KIDZ
東京のクラブ・シーンを大いに盛り上げてきた80KIDZが堂々のスター・フェス 2013出演決定! 笑みを浮かべずにはいられない、まるで魔法のようなユーフォリック・ハートブレイクなメロディーや、刺激的でヴァリエーションに富んだリズム・パターンは、僕やアナタを惹き付け、時間を忘れさせてくれること間違いなし! 年内4枚目のアルバム・リリースを控えている彼らに今一度注目だ! 80KIDZで踊りましょう!(菊地佑樹) 

■DJ KENTARO
 13才頃からDJを始めて、その7年後にはバトルDJの世界大会(DMC WORLD FINAL)でアジア人として初の1位を獲る......人の活躍に年齢は関係ないとはいえど、それはたとえばDJケンタロウのように実際活躍している人がいてこそ説得力をもつ言葉だろう。ヒップホップを根っこに持つ英国の〈ニンジャ・チューン〉から昨年もアルバムをリリースし、海外をツアーしている。日本国内のシーンを俯瞰できる確かな認識を本誌インタヴューでも語ってくれていたが、昨年におけるダンス・カルチャーの盛り上がりを経て、この2013年の春にどういった展開への導きを披露するのか。(斎藤辰也)

■DE DE MOUSE
サンプリング・ヴォイスが、キャッチーで明快かつ重層的なシンセリフと重なり、煌びやかな演出が神奈川の会場を包んだとき、僕らは夢を見るだろう。DE DE MOUSEが作り出すユーフォリックなサウンドには、どんな深い孤独も、まばゆい光に変えてしまう希望がある。そう、あとはビートにあわせて踊るだけ。感情を解き放った君にはきっと最高の体験が待ってるはず。日本で一番早い夏フェスで、日本で一番早い感動を!(菊地佑樹)

■HIFANA
 ハイファナのふたりを観て、少年が自分でもビートを作りだす。ポスト・モダンだとかシーンの細分化とはいっても、原体験としての衝撃を与えうるにふさわしいほどハイファナの提示する姿はシンプルだ。そこにあるのはMPCだけ、でもないが、スクラッチ/パーカッションの演奏/ノブを回す......なかでも、やはりMPCのパットを叩く光景は、楽器が最高のおもちゃであることを教えてくれる。ユーモアあふれる映像へのこだわりも、自分たちのあまりにもシンプルな姿のライヴをいかにショーとして、観客を楽しませるか、そしていかにより自分たちも楽しむかを考えてのものだろう。このいい循環しか生まないサービス精神をもつユニットも、デビューから10年経つ。(斎藤辰也)

■AFRA
 ケンタロウのターンテーブルもハイファナのMPCも、それはヒップホップの姿として非常にシンプルなものだが、やはりこのヒューマンビートボックスという形態以上にシンプルな姿はないだろう。それは広くビートを持つ音楽のなかでも最もシンプルだ。人がいるだけなのだから。2004年、アフラがテレビに登場した時の衝撃は、やはり忘れられがたいものがある。ヒューマンビートボックスを日本に驚きをもって認知させた彼は、昨年、曽我部恵一とも手を組み、ヒューマンビートボックスの繊細な息遣いを打ち出している(なかでも、はっぴいえんどの“春らんまん”での逆回転はナイスなアイディアだろう)。フェスティヴァルのなか、どんなステージをつくるのだろうか。(斎藤辰也)

StarFes.2013
開催日 2013年3月23日(土)
時間  OPEN:10:00 START:11:00
会場  東扇島東公園(神奈川県 川崎市)
出演
*第三弾発表アーティスト
THE ORB / 電気グルーヴ / Theo Parrish / 80KIDZ / [Champagne]

*第二弾発表アーティスト
FRIENDLY FIRES -DJ SET- / JAZZANOVA feat. PAUL RANDOLPH / DJ KENTARO / DE DE MOUSE

*第一弾発表アーティスト
mouseon the keys / HIFANA / AFRA / rega / Daichi  and more !!

料金 
前売:3,500円(税込)
・イープラス
https://eplus.jp/starfes2013
・チケットぴあ
https://pia.jp/t/starfes/
・ローソンチケット
https://l-tike.com/starfes/

お問合せ:Zeppライブエンタテインメント 03-5575-5170 (平日13時~17時)

主催:StarFes実行委員会
企画:Zeppライブエンタテインメント
制作:インフュージョンデザイン / turquoise / TOW
特別協力:YME事務局
後 援:「音楽のまち・かわさき」推進協議会/公益社団法人 川崎港振興協会/川崎港運協会

注意事項
※当イベントは、20歳未満の方のご入場は一切お断りさせていただいております。
チケットご購入の際は十分にご注意ください。
※当日、入場の際に全ての方にIDチェックをさせていただきますので、運転免許証・パスポート・住民基本台帳カード(写真付きのみ)・外国人登録証のいずれか(コピー不可)をご持参ください。
※出演アーティストの変更等による払い戻しは行いません。
※雨天決行・荒天中止
※会場に駐車場はありません。川崎駅からの無料シャトルバスでご来場ください。

 ありそうでなかった。とはこういうときの言葉だ。フリーペーパーにライヴハウスのスケジュールが並んでいるのは目にするけれど、ライヴハウスに行こうというときにフリーペーパーを開いていることはあまりないだろう。だいたい、そういったフリーペーパーをパラっと開くときはだいたいがライヴハウスにいるときだし、持ち帰らないし......。
 「DIY/ALTERNATIVE TEAM(組合)」を標榜する〈DUM-DUM LLP〉が、「LIVEHOUSE N.O.W.」の正式版を2月8日(金)に開設する! ベータ版である厳選された数か所のライヴハウスの週毎のスケジュールを集約し、一覧にしてとても見やすく紹介してくれている。点在したライヴ情報を集約しているので、「ライヴハウスにでも行こうかと思うけど、今週はどこでなにが観れるかな」という気分のときに重宝できるだろう。実際、そうした気分を掬ってくれるサービスとして貴重なものだ。

 2月8日の正式版オープンを記念したイヴェントが、同日夜の18:00から渋谷クアトロで開催される。
 出演者は、デビュー・アルバムも噂されているTHE OTOGIBANASHI'Sから、トイプードル(岡村靖幸)とのタッグOL KILLERでも知られる=DJ WILDPARTY、快速東京のフロントマン・福田哲丸がギターを弾いているらしいカタコト、最近たて続けにアルバムをリリースをしたどついたるねん、奇をてらいながらボトムも頼もしい演奏をするFat Fox Fanclubなどなど。ヒップホップ色のあるユニークなメンツだ。

■LIVEHOUSE N.O.W. | DUM-DUM MAGAZINE
https://magazine.dum-dum.tv/livehouse-n-o-w

■DUM-DUM LLP weblog - DUM-DUM通信 LIVEHOUSE N.O.W.正式版完成(2/8 Open)
https://dum-dum.tv/blog/?p=852


今回DUM-DUM LLP監修のライブハウス情報一覧サイト「LIVEHOUSE N.O.W!」の正式版完成記念してライブハウス自由化計画イベント開催します!

ポップミュージックの世界では再結成の流れも顕著で元気な大人が人気ですが、これは若者の椅子が次々とられていく流れでも確かにある。

若者は若者らしく、 先人を敬わず、大人はわかってくれない、或いはDon't trust over 30のスタンスで、形骸化したこの業界に切り込んで欲しいと切に願います。

大人が眉をひそめ、躊躇することを若者が本能的に平然とやってのける!その瞬間に私たちは痺れています!

「N.O.W!-Don't trust over 30-」
2013年2月8日(金)@渋谷クラブクアトロ
OPEN/START:18:00
Charge :Free !!!!(Drink charge 別)
Lineup :
THE OTOGIBANASHI'S
told
DJ WILDPARTY(Maltine Records)
アンダーボーイズ
どついたるねん
カタコト
GAGAOSA(GAGAKIRISE+MARUOSA)
POLTA
Fat Fox Fanclub

司会進行:キクリン(ele-king / DUM-DUM)×210yen(ele-king / パブリック娘。)

問い合わせ:
LIVEHOUSE N.O.W.
https://magazine.dum-dum.tv/livehouse-n-o-w

Gabby & Lopez, Dustin Wong, tickles - ele-king

 2月11日、3連休の最後の日。場所は青山のCAY。楽しい連休のフィナーレを心地よい音楽とともに締めくくってみませんか? ほっこりと幸せな気分になるナイスなアーティストを集めたイヴェント〈BUILD〉が開催されます。
 注目はなんといってもギャビー&ロペスのライヴです。なにせ、この人たちはめったにライヴをやりませんから。昨年は5年半振りに素晴らしいアルバム『Twilight For 9th Street』(ele-kingにて栄誉ある"E王"も獲得)をリリースしたにも関わらず、その後、ライヴを披露したのは2回だけ。今回はむちゃくちゃ貴重なライヴになります(しかもバンド・セットでパフォーマンス!)。え、そもそもギャビー&ロペスを知らないって? たしかにアルバムは5年半振りだし、ライヴもほとんどやっていませんから、知らないという方がいても不思議じゃないでしょう。ギャビー&ロペスはナチュラル・カラミティやウマウマで知られる森俊二とティカの石井マサユキというふたりのベテラン・ギタリストによるプロジェクトで、マーク・マグワイヤとか、マニュエル・ゲッチング、あるいはドゥルッティ・コラムあたりのサウンドが好きな人ならば、もうこりゃ堪らんといった感じの音だと思います。トミー・ゲレロやレイ・バービーみたいなフィーリングもあるので、その手の音が好きな人にもオススメです。まあとにかく聴いていると、綺麗な星空の下、誰もいない浜辺で穏やかな波の音を聴いているような......、なんともおおらかで、心地よくて、ちょっと素敵な気分にさせてくれる音楽なんですね。彼女や大事な人と一緒に聴きたくなる感じです。伝わるかな、この感じ?
 共演するアーティストたちも素晴らしいです。ビーチ・ハウスやダーティー・プロジェクターズのUSツアー、ジャパン・ツアーに出演し、いま日本でもファンが急増中のダスティン・ウォン。多数のエフェクターを足元に並べ、ディレイやループなどを駆使し、様々な音像を作り、重ねていく彼のパフォーマンスは、まさに"エフェクターの魔術師"という異名の通り。まるでオーロラのようなその美しさといったら......、かつてライヴ会場では、手を合わせ、祈っている人がいたほどです。
 またCDの帯につけた「線路は続くよ どこまでも」という名キャッチ・コピーこそ野田編集長にダメだしされたものの、その音楽性においては非常に高い評価を得た〈MOTION±〉のティックルズも出演。聴いていると胸がグッと熱くなる魔法のようなメロディ、エレクトロニクスと生楽器をブレンドした温かみのあるサウンドは、いつまでもずーっと聴いていたくなる心地よさです。そんなほんわかしたサウンドを作っていながらも、バックボーンはゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラー、エンヴィ、トータスだったりもするので、その辺も記憶の片隅に置きつつ彼のパフォーマンスを見ると、またいっそうグッとくるものがありますよ。
 さらにDJとして、山崎真央(gm projects / AKICHI RECORDS)、鶴谷聡平(NEWPORT)、青野賢一(BEAMS RECORDS)によるDJユニット「真っ青」も参戦。ディープな音もお洒落な音も知り尽くした3人によるスリリングなバック・トゥ・バックに注目です!
 DJスタートは早めの16時、ライブは17時から。美味しいお酒でも飲みながら、心地よい夕刻のひと時を一緒に過ごしましょう!
(加藤直宏)


MOTION± presents BUILD
2013年2月11日(月・祝日)
CAY(スパイラルB1F)
OPEN / START 16:00 *ライブ・スタート 17:00

出演: Gabby & Lopez / Dustin Wong / tickles
DJ: 真っ青

料金: 前売り ¥2,800 / 当日 ¥3,300
- チケットの取り扱い: 1月11日より発売開始
≪プレイガイド≫ ローソンチケット 0570-084-003 [Lコード: 76209]
- 前売チケットのご予約: 1月11日より受付開始
≪電話予約≫ CAY 03-3498-5790
≪メール予約≫ CAY 申し込みフォーム
 
企画・制作: MOTION±
お問い合わせ先: MOTION± 03-3793-5671 / motionpm@music-airport.com
CAY 03-3498-5790
MORE INFO: https://motion-pm.com/?p=2439

 カラフルな音色とともに、絶妙の浮遊感と叙情感を紡ぎ出す3アーティストによる待望の共演が実現。コンポージングではなくインプロヴィゼーションを繰り返して楽曲を制作し、ライヴではさらにインプロ度合いの増したスリリングな演奏をみせるGabby & Lopez。
 一方、緻密にコンポーズされた楽曲を、足元にならべた多数のエフェクターを駆使し、ミニマルでカラフルなレイヤーを描き出し再構築していくDustin Wong。そしてエレクトロニクスとリアル・タイム・サンプリングを駆使した、胸打つメロディを幾重にも重ねていくライヴ・スタイルが高い評価を得ているtickles。
 さらにはクラブのみならず、ファッションショーやホテル、ショップ、カフェなど、およそ音楽と触れ合うことが出来る空間すべてに良質な選曲を提供してきた、山崎真央(gm projects / AKICHI RECORDS)、鶴谷聡平(NEWPORT)、青野賢一(BEAMS RECORDS)の3人の頭文字を並べて命名されたユニット「真っ青」がDJで参加。
 ドリーミーで心地よくも極めて刺激的な、めくるめく音の共演に酔いしれて頂ける一夜になること必至。是非ご自身で体感して下さい。

Gabby & Lopez
森俊二(Natural Calamity)と石井マサユキ(Tica)の二人によって2000年に結成されたギター・インストゥルメンタル・ユニット。2004年にファースト・アルバム『Straw Hat, 30 Seeds』を発表。続いて2006年に発表したセカンド・アルバム『Nicky's Dream』はその年のベスト・アルバムとして多くのメディアで取り上げられた。同アルバムからの楽曲は、様々なコンピレーションや映画『ホノカアボーイ』のサウンドトラックにも収録。2012年4月には渾身のサード・アルバム『Twilight For 9th Street』をリリースした。また、トリップ感溢れるライヴ・パフォーマンスも各方面で絶賛され、これまでにFUJI ROCK FESTIVAL、GREENROOM FESTIVAL、Sense of Wonder、SUNSET LIVEなどの大型フェスへも出演を果たしている。

Dustin Wong
ハワイで生を受け、2歳の時に日本へと移住。中高時代はパンクやオルタナに開眼し、ハイティーンの頃には友人のユタカ、Delawareの点、そして立花ハジメとLow Powersのメンバーでもあったエリと、携帯電話の着信音をオケに使用し歌うというユニークなバンド、The Japaneseを結成し活動した。そしてボルティモアに渡った後、マット・パピッチとエクスタティック・サンシャインの活動を始める。同時に彼は通っていた美術大学のクラスメート達と共にポニーテイルを結成。カオティックなサウンドと怒濤のライヴ・パフォーマンスは瞬く間に話題となる。また、エクスタティック・サンシャインとしても〈カーパーク〉からデビュー・アルバムをリリースし、多方面から高評価を得るもののダスティンは脱退する。ポニーテイルもさらなるブレイクを期待されていたが突然活動休止を発表(2011/9/22に解散を発表)。そしてダスティンは〈スリル・ジョッキー〉と契約し、サード・ソロ・アルバムをリリースした。多数のエフェクターを足元にならべ、ディレイ、ループ等を駆使し、ミニマルでカラフルなレイヤーを描き出していくギター・パフォーマンスは注目を集めている。2012年通算4作目となるアルバムをリリースし、4月にはレコード発売記念の日本ツアーも敢行。NHKライヴ・ビートへの出演も果たす。7月にはNYで行われたダーティー・プロジェクターズの最新作のリリース記念ライヴのオープニングに抜擢され、10月の日本ツアーでも全公演オープニングを務めた。9月から10月前半にかけてビーチ・ハウスとのUSツアーを行った後、朝霧JAM2012にも出演を果たした。

tickles(MOTION± / madagascar)
エレクトロニクスと生楽器を絶妙なバランスで調和させ、力強さと繊細さを自然体で同居させる。湘南・藤沢を拠点に活動を続け、人間味溢れる温かいサウンドを志向するアーティスト、鎌田裕樹による電子音楽団tickles(ティックルズ)。2006年発売のファースト・アルバム『a cinema for ears』リリース後から続けてきたバルセロナやローマ、韓国などを巡ったライブ・ツアーでは、人力の生演奏を取り入れたスリリングでドラマチックなライブ・パフォーマンスで大きな賞賛を得た。そんな数々の経験を経て紡がれた珠玉の楽曲をたっぷりと詰め込んだ待望のセカンド・アルバム『today the sky is blue and has a spectacular view』(2008年)は自身のレーベル〈madagascar(マダガスカル)〉よりリリースされ、TOWER RECORDS、iTunesを中心にセールスを伸ばし、高い評価を得た。2011年、次なるステップへと進むべく〈MOTION±〉と契約。ピアノ、シンセサイザー、フェンダー・ローズ、ピアニカ、オルガン、鉄琴、オルゴール、ギター、ベースなど、様々な楽器を駆使しながら感情的なメロディーと心地良いリズムを生み出していくスタイルに更なる磨きをかけ、2012年4月にニュー・アルバム『on an endless railway track』をリリース。6月にはSchool of Seven Bells来日公演のサポート・アクトを務めるなど、リリース後はエレクトロニクスとリアルタイム・サンプリングを駆使するライブ活動を精力的に展開。柔らかいビートの上で胸を震わせる旋律が幾重にも重なり合い、交錯していく夢幻のサウンドスケープは、聴く者の心を捉えて離さない。

真っ青
クラブのみならず、ファッションショーやホテル、ショップ、カフェなど、およそ音楽と触れ合うことが出来る空間すべてに良質な選曲を提供してきた山崎真央(gm projects / AKICHI RECORDS)、鶴谷聡平(NEWPORT)、青野賢一(BEAMS RECORDS)の3人の頭文字を並べて命名されたユニット「真っ青」。20年以上のDJキャリアに裏付けされたスキル、レコード・CDショップのバイヤー経験がもたらす豊潤な音楽的バックグラウンド、そしてアート、文学、映画などにも精通する卓越したセンスから生まれるそのサウンドは、過去、現在、未来に連なる様々な心情を呼び起こし、聴くものの目前に景色を描き出すものである。リミックスを手掛けた「中島ノブユキ/Thinking Of You (真っ青Remix)」 はまさに青いサウンドスケープ。

DOWN NORTH CAMP / REFUGEE MARKET in シモキタ - ele-king

 アーバンとジャンクのいけない好配合、多色迷彩のヴァリエーションで飾るDOWN NORTH CAMPがシモキタに2daysポップアップ出店したREFUGEE MARKET。
 当日の写真とDJのプレイリストのみで構成したイヴェント・レポートをどうぞ。まずは写真を見ながら下にあるプレイリストを楽しんで下さい。

photo by Keita Sakai , and ele-king

photo by DNC(SORA/DJ49/CENJU/KATEETO/K.K.K.K.K./YK_VENOM/CHANGYUU/YAHIKO/and... 順不同)

Refugee market DJ playlist

BUDAMUNK
Redman "Funkorama (Double Green Remix) featuring Erick Sermon"



CHANGYUU
Jackie Mittoo / Ghetto Organ



febb
Barbara Mason/ You did not stay last night



Gatcha
RLP - Kler



GONZ
Jay-Z /Girls, Girls, Girls



K.K.K.K.K.
Dennis Brown / Here I Come



KID FRESINO
Ruc Da Jackel & Challace / I'm good



PUNPEE
Snow world×Guess who's back(mush up)/Gapper×Scarface


MASS-HOLE
L.V./Gangsta's Boogie (Barr 9 Version)



WOLF24
John Holt / Lonely Girl



Yodel
2chainz / I'm different (mighty mi&slugworth trap mix)



49
DOWN NORTH CAMP / ooamp


total coordinate by SORA,CHANGYUU (DNC)
DOGEAR RECORDS https://www.dogearrecordsxxxxxxxx.com
booking downnorthcamp@gmail.com

二木信、日本半縦断トーク・ツアー! - ele-king

 さて、みなさんはもうお読みになられましたでしょうか? 2013年をファンキーに生きる手引書『しくじるなよ、ルーディ』を刊行した二木信があなたの街へお邪魔します! お迎えするゲストも豪華! 動く二木信を見て癒されちゃってください。

 00年代以降の日本のヒップホップ/ラップをドキュメントした単行本『しくじるなよ、ルーディ』を刊行したばかりのファンキー・ライター二木信のトークイベントが、渋谷、京都、大阪、新宿、福岡で連続開催!!!

 ヒップホップのみならずさまざまなアーティストとのコラボが印象的なラッパー環ROY、大阪ディープサウス秘史を圧倒的密度で描いた著書『通天閣 新・日本資本主義発達史』がサントリー学芸賞を受賞した社会学者・酒井隆史などなど、土地毎に異なる対談者を迎えてヒップホップに始まる音楽論は勿論、風土風俗について、アングラ文化についての筋書きの無いクロス・トークに是非とも注目いただきたい!!!

■2月2日(土)東京 タワーレコード渋谷店

1/18に発売された『しくじるなよ、ルーディ』の発売を記念して、タワーレコード渋谷店4Fにてインストアイベントを開催!
著者である二木信の対談相手はなんと環ROYに決定!これは見逃せない!

出演: 二木信、環ROY
日時: 2013年2月2日(土) 18:00~
会場: タワーレコード渋谷店4F
参加方法: 観覧フリー

《ご注意》
※ご予約のお客様には優先的にサイン&特典引換券を確保し、商品購入時に引換券を差し上げます。
※アーティストの都合により、内容等の変更・イベント中止となる場合がございますので予めご了承ください。

タワーレコード・イベントインフォ:https://tower.jp/store/event/2013/01/003046
環ROY HP:https://www.tamakiroy.com/
Pヴァイン HP : https://p-vine.jp/artists/shin-futatsugi


■2月10日(日)京都 100000t アローントコ

『しくじるなよ、ルーディ』 刊行記念 二木信トークショー!
「日本のラップのことば――その多様性とファンクネス」

 類い稀なるバイタリティで、日本のヒップホップの人と現場と背景を取材し続けてきた音楽ライター、二木信氏の初の単著『しくじるなよ、ルーディ』が刊行されました。それを記念して開催するこのトークショーでは、「日本のラップにおけるファンクネスとはなにか?」という問いからスタートし、芸能・民俗・大衆文化・都市空間といった論点も含め、現在の「ことば」の可能性について思考する切り口について、二木氏自身に自由に語っていただこうと思います。ヒップホップ・リスナーに限らず、「ことば」に何かを見出そうとしている方々のご来場を、心よりお待ちしております

トークゲスト:二木 信(Shin Futatsugi|音楽ライター)
聞き手:村上 潔(Kiyoshi Murakami|現代女性思想・運動史研究)
日時:2013年2月10日(日曜)19:00~21:00〔18:45開場〕
会場:100000t アローントコ(京都市中京区寺町御池上ル 上本能寺前町485 モーリスビル2F)
https://100000t.blog24.fc2.com/
参加方法:入場料:500円

*事前申込不要(入場者が定員に達した場合、ご入場をお断りする場合があります。
あらかじめご了承ください。)
*終了後、会場近くで、ゲストを交えた簡単な交流会を行なう予定です。

●村上 潔(Kiyoshi Murakami)
1976年、横浜市生まれ。2002年~2006年まで、『remix』誌ほかで音楽/映画ライターとして活動。現代女性思想・運動史研究。立命館大学大学院非常勤講師。著書に『主婦と労働のもつれ――その争点と運動』(洛北出版)など。


■2月11日(祝・月)大阪 スタンダードブックストア心斎橋店

『しくじるなよ、ルーディ』刊行記念トークイベント

 大阪ディープサウス秘史を圧倒的密度で描いた『通天閣 新・日本資本主義発達史』(青土社)で第34回サントリー学芸賞を受賞したヒップホップ第一世代の気鋭の社会学者・酒井隆史とのスペシャル・トークショー開催!! 街にうごめく人びとの逞しく、猥雑な生き様に魅了されてきた2人が、"People Make The World Go Round"をテーマに、街と人と音楽について縦横無尽に語りあう!!

日時:2013年2月11日(月)※祝日 開場11:15 開演12:00
出演:二木信、酒井隆史
開場:スタンダードブックストア心斎橋店 https://www.standardbookstore.com
参加方法:入場料1,000円(ワンドリンク付き)

※当日のご入場はチケット番号順です。
※チケット番号は予約順ではなく、ご入金順になります。
※チケット引換が遅くなりますと立ち見になる場合がございます。
※ご予約数によって当日券の発売を中止する場合がございます。

【予約方法】
お電話(06-6484-2239)
ご来店(スタンダードブックストア心斎橋BFレジカウンターへお越しください)
メール ご対応可能です、詳細はこちらまで
https://www.standardbookstore.com/archives/66094747.html


★2月23日(土)東京・新宿★

詳細、近日アップ!!


★2月24日(日)福岡★

詳細 近日アップ!!

You'll Never Get To Heaven - ele-king

 Head of Chezzetcook......という言葉をそのままコピペして画像検索する。〈ディヴォース〉すなわち「離婚/別離」を意味する言葉を名前としたレーベルは、カナダと言ってもずっと東、出島のように北米大陸から大西洋に突き出ているノヴァ・スコアシア州の海外沿いの小さな村、シェゼットコックにある。ダーシーは海でサーフィンするかたわら1993年からレーベルを運営しているらしい。昨年はマイ・キャット・イズ・アン・エイリアンのようなイタリアの電子音楽デュオのアルバムや、母国カナダのディーオンのカセットも出している。基本的にはエクスペリメンタルな方向性を好んでいる。昨年末にリリースしたユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・へヴンのデビュー・アルバムは、このレーベルにとってポップにアプローチした数少ない1枚となったわけだが、これが日本でかなりの数売れた。と、ダーシーからメールが来た。

 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・へヴン=バート・バカラックの作曲したなかでもよく知られる1曲だ。60年代の、ディオンヌ・ワーウィックが歌っているヴァージョンが有名だが、ジム・オルークのカヴァー・アルバムにも当然収録されている。
 ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・へヴン(YNGTH)は、シェゼットコックとは反対側の、モントリオールを越えて、トロントも越えて、そしてデトロイト方向に向かって進んでいくとある、ロンドンという町を拠点とする男女ふたり組だ。バカラックの曲名を引用していることから、レトロないまどきのドリーム・ポップを予想されることと思うが、それはたぶん正解で、たぶん間違っている。この、繭のなかのようなくぐもった音響とチリノイズとの協奏曲は、ザ・ケアテイカーを彷彿させる......ところもあり、同時にコクトー・ツインズめいたゴシックなニュアンスも含んでいる。
 近代社会の完成に抗うようにネオゴシックも際だったという論を読んだことがあるが、ローファイやリヴァーブというよりも、この"籠もった感覚"が昨今のDIY電子音楽の多くに共通しているもののひとつだ。そしてこの感覚は、3月上旬に発売予定の粉川哲夫と三田格の共著『無縁のメディア』で解明されていることかもしれない。

 先日、ある雑誌社から「渋谷」についてのエッセイを依頼された。僕は、90年代後半を渋谷と代官山のちょうど中間にあった集合住宅で暮らしていたので、渋谷、代官山、恵比寿あたりは散歩コースだったのだけれど、しかし、そこは、現在の渋谷、代官山、恵比寿あたりとはまるで別の町だった。景観も、住人も、家賃も、空気も、そして町というトポスの意味においても。僕が渋谷を歩かなくなったのではなく、僕が歩く渋谷がなくなったのだということをあらためて感じながら、YNGTHのぬるいダウンテンポを聴き続けた。この作品が日本で売れたのは、必然だったと言えよう。歩く町を失った人たちが彷徨う場所は......たとえ天国に行けなくても。

 それにしてもカナダの音楽シーンは、この10年素晴らしい。GY!BEやアーケイド・ファイヤー、グライムスばかりではない。ゲイリー・ウォーグルーパーUSガールズ、ブラック・ダイスのエリック・コープランドもカナダのアンダーグラウンド・シーンと深く関わっている。詳しくは『Weird Canada』をチェック。

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