「AY」と一致するもの

KEIHIN (ALMADELLA) - ele-king

テクノ以外で最近良くかける曲です。チェックしてみて下さい。で、気になったらパーティーにも是非!!
https://www.facebook.com/djKEIHIN
https://twitter.com/KEIHIN_
https://almadella-keihin.blogspot.com/

ALMADELLA 2012


1
Pinch - Retribution - Swamp 81

2
Shackleton - There Is A Place For Us - Woe To The Septic Heart!

3
Peverelist - Salt Water - Livity Sound

4
2562 - Solitary Sheepbell - When In Doubt

5
Lucy - Milgram Experiment - Stroboscopic Artefacts

6
Kowton - Dub Bisous - Pale Fire

7
Midland & Pariah - SHEWORKS003 - Works The Long Nights

8
Anthone - Destabilize - Weevil Series

9
Alex Coulton - Bounce (Pev Version) - Dnous Ytivil

10
Szare - Rex Desert - Krill Music

第2回:イミグランツ・イン・ザ・UK - ele-king

 五輪閉会式にはあれだけ多くの英国のバンドやミュージシャンが出演していたというのに、うちの息子が最も強烈な印象を受けたのはなぜかエリック・アイドルだったらしく、夏以来、頻繁に『Always Look On The Bright Side Of Life』を歌っているので母親としては困惑する。
 というのも、『Life of Brian』というモンティ・パイソンの名作映画で使われたこの楽曲の歌詞には、「Life is a piece of shit」、すなわち「人生は一片のクソ」というわたしの座右の銘が含まれているからであり、なにげに血の呪いのようなものを感じてしまうからだ。しかも、この曲が英国民を対象とした「自分の葬儀にかけたい曲」調査で上位に選ばれていることを鑑みれば、何も6歳児が葬式用の歌を気に入らなくともいいんじゃないかと思うのだが、どうやら彼が気に入ったのは、歌そのものではなかったらしい。

 「Always look on the bright side of life, dada-dada-dada-dada-dada, で、ここでインド人の人たちが入って来て、だんだんだららら、だだんだんだんって腰振って踊るんだよ」
 と言って、息子はボリウッド風のダンスを真似、きゃらきゃら笑いながら腰を振りはじめる。海外であの演出がどう受け止められたのかはわからないが、あれはロンドンを象徴したものであり、ひいては英国全体を象徴したものだったと言えるだろう。

 モンティ・パイソン。という古い時代を代表する英国人が、金銀原色の衣装に身を包んだボリウッド系ダンサーたちに囲まれて、「What the hell is going on here?」みたいな困惑した表情をするシーン。あれは、ロンドンには英国人が住む家が一軒もないというストリートさえ存在し、インド・パキスタン&バングラデシュ系移民やアフリカ系移民などの台頭が著しい。という現実のメタファーであり、つまり、どんどん外国人に侵食されていく英国の姿を象徴していたのである。
 その侵食している外国人のひとりであるわたしとしては、あんなシーンを作って笑いを取ろうとした制作側や、あれを見て自宅で「ははは」と笑っている英国人の諦念まみれの寛容性というものを改めて思い知らされたのであり、「ファッキン・チンク」と往来でどやされることがある身にしても、その点は認めずにはいられない。
 あれを見て笑っている英国人は自虐的なのではない。
 リアリストなのである。

 んなわけで、この国に暮らしていると、いろんな国からいろんな事情で移住して来た外国人と触れ合うことになるわけだが、わたしにも懇意にしているイラン人の友人がいる。彼女は、ほんの4年前までテヘランの私立のお嬢様学校で小学部教員をしていたそうだが、英国では自国の教員資格が使えないため、とりあえず短期間で取れる保育士の資格を取って労働している。彼女の夫は、政府に睨まれるようなことを書いたジャーナリストだったそうだが、英国では大学院に籍を置く傍ら、バーガーキングでバイトしている。
 ボブ・ディランが大好きだという彼女は、例えば保育コースで配布されるプリントが彼女の席まで届かなかったりすると、「これは私に対する政治的制裁ですか」とブラックジョークを飛ばして周囲を爆笑させるような人で、気が合うのでコメディや音楽の話はよくするが、政治については何故か話したことがない。
 
 わたしはそれが彼女や彼女の夫にとって一番大きなサブジェクトであることを知っている。というか、それが彼らのライフを決定している要因であることを知っている。
 だからこそ、訊けない。物見遊山のわたしには、彼女と政治を語り合うことはできないような気がする。
 そんなわけで、彼女とは一度もイラン情勢について話したことがなかった。が、つい先日、3週間イランに里帰りして来た彼女が、ふと言ったのである。
 「一番おかしいのは、どんなコメディ・スケッチより、自国の庶民だということを再確認した」
 闇雲にそんな言葉を投げられたので沈黙していると、彼女は言う。
 「怒りとか、絶望とかを通り越して、もう笑える。何なんだろう、こいつらは。って」
 「・・・・・」
 「おいしいものを食べて駄弁って盛り上がるのが大好きなの。あの国の人びとは。そして、そういう時間さえ持てれば、後のことはもう見なくていい。何か辛いこととか、不当に扱われているんじゃないかっていう引っかかりがあったとしても、ま、いっかー。みたいな感じでうやむやになる」
 「・・・・・」
 「外側からいくら干渉したところで、人びとの内側からそれがはじまらない限り、あの国は変わらない。でも、それがいま、マジで食えなくなって来ているから、ようやく何かが起きるのかもしれない。もう、そこまで行かないと物を考えないのか、と思うとね、本当に気が抜けるっていうか、ただもう、笑える」
 疲れた笑顔を浮かべて言う彼女に、わたしは意を決して尋ねてみる。
 「......だから、あなたたちは出て来たんでしょ。娘さんのために」
 彼女はすんと澄んだ目でわたしを見て、ため息をつき、頷いた。
 「英国でも、日本でも、わたしたちは政治についてぶーたれる。けど、そこで自分の子供を育てたくないという理由だけのために、素っ裸で外に出て行く人なんて、いない。だから、それを本気でしなきゃならない国。という感覚は、正直言ってわからない」
 わたしが言うと、彼女は学校の先生の顔になって、きりっと言った。
 「ポリティクスというより、ピープルなのよ。自分で物を考えられる人間をつくるのは、インフォメーションとエデュケーションだ。私の国では、一方は遮断されて、もう一方は腐っている」

 テヘランで暮らしていた頃の彼女たちの写真を見れば、祖国では何不自由ないミドルクラスのインテリゲンチャだったのだろうが、何の因果かいまはわたしと薄汚れたマクドナルドでコーヒーをすすりながら、カップホルダーについた特典シールを集めて「やった! 次回のコーヒー無料」などと言っている。
 「イランっていえば、こないだ面白い記事が『ガーディアン』のブログに出てたんだけど」
 「ああ、あのパンク記事でしょ。旦那が翻訳してたわ。彼もああいうの好きだから」
 「Punk's not dead - it just emigrated...」というタイトルのその記事は、パンクは英国では懐古する対象になってしまったが、キューバやイランなどの国では生きている。という論旨の書き物であった。
 「けど、映画監督とか、そういう人間だけを取り上げられてもね。庶民レヴェルでは全然違うもん。あれも外からイランを見ている人の幻想だと思う」
 醒めた口調で彼女は言った。
 「でも、音楽はとても大切。私たちのような国に住む人間にとって、外国の音楽はインフォメーションだ。だから、若い人たちに興味を持ってもらうきっかけになればと思って、旦那はあれを訳してたみたい」
 と言いながら、彼女はコーヒー無料特典シールが6枚貼られたカードを財布に入れた。
 そろそろ彼女もわたしも別々の保育施設に出勤する時間である。
 「ところで、Kは元気にしてる?」
 彼女は椅子から立ち上がりつつ、うちの息子について訊いた。うちの息子は彼女には妙になついていて、時々ベビーシッターになってもらっている。
 「まだエリック・アイドルになって歌ってるよ」
 「いいセンスしてるよ。あの閉会式でリアルだったのは、あの部分だけだったもん」
 彼女はそう言って逞しく笑い、
 「Always walk on the Brighten side of life......」
 というベタな替え歌をからからと歌いながらブライトンの往来を歩くもんだから、すれ違う人びとが振り返って笑っている。きっと母国では、ひょうきんでリベラルな先生だったんだろう。と思う。

 反吐が出るほど母国に絶望していても、彼らはひたすら英文記事を訳して、ブロックされない発信法を模索し、試行錯誤しながら送り続ける。
 愛国者だけが国を愛しているとは限らない。
 愛国者とは違う立場を取りながら、国を思い切れない人たちもいる。
 「イングリッシュという人種が嫌いだからという理由で、あんな歌は書かない。あんな歌を書く理由は、彼らを愛しているからだ」
 ジョン・ライドンは"God Save the Queen"についてそう語ったことがある。ある朝、起き抜けにビーンズ・オン・トーストを食べながら一気に書きあげたのが"God Save the Queen"の歌詞だったそうだが、それをライドンに書かせたものと友人夫婦が捨てきれないものは、それほど違わないように思える。
 国家というアイデンティティを愛する人間と、たまたまそこに住んでいる人びとを愛する人間。それは、幻想を愛するロマンチストと、実存を愛するリアリストと言い換えることもできる。
 結局、ポリティカルな立ち位置というものは、各人の愛のベクトルで決まるのかもしれない。

 きーんと晴れた秋空の下、わたしたちはハグを交わして別れた。
 「いいね、こんな日は、すべてが良い方向に向かうような気がする」
 そう言って背後からサンシャインを浴びていた友人の姿が印象に残ったが、ここはやはり英国なので、5分後にはざばざば大雨が降っていた。
 豪雨が車窓を叩きつけ、遠くで雷まで鳴りはじめた現状を眺めながら、別ルートのバスに乗った友人がやっぱり大笑いしているだろうことをわたしは知っていた。

Chart JET SET 2012.10.01 - ele-king

Shop Chart


1

Zazen Boys - すとーりーず (Matsuri Studio) /
ダンス・ミュージックへと接近した前作『Zazen Boys 4』以来4年ぶり、Leo今井とのプロジェクトKimonosの活動を経て制作された、通算5枚目のフル・アルバム。アルバム全曲+ボーナス・トラック「無口なガール」のmp3ダウンロード・コード付!

2

Flying Lotus - Until The Quiet Comes Collectors edition / (Warp)
『Cosmogramma』から約2年振りのリリースとなる待望の最新作。引き続き参加となるThom Yorke、Niki Randaに加えて、Erykah Baduも参加です!

3

Gaslamp Killer - Breakthrough (Brainfeeder) /
単なるビートの寄せ集めではなく、10年に渡って世界を周り、各地でパフォーマンスを行ってきた自身のすべてを反映させた音楽プロジェクト。もちろんリリース元はFlying Lotus主宰レーベルBrainfeederから!

4

Kuniyuki - Earth Beats Larry Heard Remix / (Mule Musiq)
いまだ名曲として多くのファンの間でも親しまれるKuniyuki氏による傑作"Earth Beats"のライブ・ミックスをはじめ、シカゴハウス界の大ベテランLarry Heardによるリミックスを3曲収録した豪華2x12"仕様で登場!

5

Easy Star All-Stars - Easy Star's Thrillah (Easy Star) /
これまでもカヴァーものでヒットを放っていたEasy Star All-Starsが、遂にマイケルの楽曲を取り上げました。

6

Ta-ku - 50 Days For Dilla Vol.2 (Huh What & Where) /
俄然注目を集めているオーストラリアの俊英、Ta-kuによるビート集の第2弾がこちら。多大なる影響を公言して憚らない、J.Dillaへの追悼の意を込めた全25曲を収録。

7

Seahawks - Aquadisco (Ocean Moon) /
名作の数々を生み出すJon TyeとPete Fowlerによるバレアリック・ユニット、Seahawksによる2012年を代表するマスター・ピースがヴァイナルで待望のリリース!

8

Re:Freshed Orchestra - Re:Encore (Kindred Spirits ) /
大ヒット曲"Show Me What You Got"や、人気曲"Roc Boys", "Encore", Breakestra並みのメドレーカヴァーを披露した楽曲など、ファンク~ヒップホップを繋ぐ圧巻の6トラックを収録!

9

Karriem Riggins - Together (Stones Throw) /
同レーベルのFan Clubシリーズもヒット中のKarriem Rigginsですが、先日リリースのアナログ盤『Alone』に続きコチラもバイナルで登場! mp3ダウンロード・コード付。

10

Woolfy Vs Projections - The Return Of Love (Permanent Vacation) /
ドイツ名門"Permanent Vacation"よりWoolfy & Projectionsの才人タッグによる約4年振りとなる最新アルバム『The Return Of Love』が登場。2010年のインディ・ディスコ・アンセム" Coma Cat" でお馴染みのTensnakeとの合作も収録された要注目作が入荷しました!!

DON LETTS JAPAN TOUR 2012 - ele-king

 ドン・レッツといえば、ロンドン・パンクの時代、セックス・ピストルズやザ・クラッシュ、ザ・スリッツといった連中にもっとも影響を与えたレゲエDJである。彼がキング・タビーをかけなければPiLは違った音になったかもしれないし、彼がホレス・アンディをかけなければアリ・アップは違った道に進んだかもしれない。
 時代の生き証人であり、パンキー・レゲエ・スタイルの体現者。迷うくらいなら行ったほうがいいですよ!

DON LETTS (DUB CARTEL SOUND STSTEM, LONDON)
 ジャマイカ移民の一世としてロンドンに生まれる。'76~77年にロンドン・パンクの拠点となった〈ROXY CLUB〉でDJを務め、集まるパンクスを相手にレゲエをかけていたことから脚光を浴び、パンクとレゲエを繋げた。
 リアルタイムで当時の映像を撮り、'79年に初のパンク・ドキュメンタリー映画『PUNK ROCK MOVIE』を制作。またブラック・パンクの先駆バンドBASEMENT 5の結成に携わり、THE SLITSのマネージャーもつとめる。
 '80年代なかばにはTHE CLASHを脱退したMICK JONESのBIG AUDIO DYNAMITEで活動、さらにBADを脱退後の'80年代末にはSCREAMING TARGET(※BIG YOUTHのアルバムより命名)を結成し、"Who Killed King Tuby?"等をヒットさせる。
 音楽活動と平行して、多くの音楽ヴィデオやBOB MARLEY、GIL SCOTT-HERON、SUN RA、GEORGE CLINTON等のドキュメンタリー・フィルムを制作、2003年にTHE CLASHのドキュメンタリー『WESTWAY TO THE WORLD』でグラミー賞を受賞する。
 '05年にはパンクの核心に迫った『PUNK:ATTITUDE』を制作。
 DUB CARTEL SOUND SYSTEMとしてスタジオワーク/DJを続け、SCIENTISTの"Step It Up"、CARL DOUGLASの"Kung Fu Fighting"等のリミックスがあるほか、〈ROXY CLUB〉期のサウンドトラックとなる『DREAD MEETS PUNK ROCKERS UPTOWN』('01年/Heavenly)、名門TROJAN RECORDSの精髄をコンパイルした『DON LETTS PRESENTS THE MIGHTY TROJAN SOUND』('03年/Trojan)、'81-82年に彼が体験したNY、ブロンクスのヒップホップ・シーンを伝える『DREAD MEETS B-BOYS DOWNTOWN』('04年/Heavenly)の各コンパイルCDを発表している。
 '07年には自伝「CULTURE CLASH-DREAD MEETS PUNK ROCKERS」を出版。BBC RADIO 6 Musicにて毎週月曜日レギュラー番組"Culture Clash Radio"を持つ。2008年にコンパイル・アルバム『Don Letts Presents Dread Meets Greensleeves: a West Side Revolution』がリリース。2010年にメタモルフォーゼ、2011年にはB.A.Dの再結成でオリジナルメンバーとしてフジロックフェスティバルに出演。
https://www.bbc.co.uk/6music/shows/don_letts/

●10/5(金) 福岡 @AIR
TIME:22:00~
PRICE:2,500yen+1drink oder
ACT:DON LETTS
LIVE:CUT/ THE EXPLOSIONS/NEO TONE
DJ: YOSHIZUMI/DJ OEC/CHACKIE MITTOO/DJ KAZUO/DJ KAZUYA
RED I SOUND

●10/6(土)東京 @club asia
TIME:23:00 ~ LATE
PRICE:DOOR--- 3,500yen/1d ADV---2500yen(ex 500yen/1d)
ACT:DON LETTS
THE HEAVYMANNERS、O.N.O(THA BLUE HERB)
DJs: myQR 、Shigeki Tanaka 、Daisuke Kitajima、Satoshi Hayashi 、Y$K、Kazuki Kudo 、KEI 、Kazuhito Takasaki 、Gaku Miyata、anzie、jyakuzure 、NAMBU
VJ: SeeMyDimple 、VJ 45 、CHRISHOLIC
Photo: Yoshihiro Yoshikawa

前売りチケット
◆e+にて販売中!!!
[for PC] [for MOBILE]
◆都内近郊diskunion各店頭でも販売中!!!
https://asia.iflyer.jp/venue/home

●10/7(日)静岡/朝霧JAM
SMASH : 03-3444-6751
HOT STUFF PROMOTION : 03-5720-9999

interview with Ogre You Asshole - ele-king

E王
OGRE YOU ASSHOLE
100年後

バップ

Amazon iTunes

 あのさ、と彼は言った。9月になったら世界恐慌が起きて、日本もギリシャみたいになって、それから......と彼は続けた。医療制度から原発問題にいたるまで、ひと通り。そして9月になって、オウガ・ユー・アスホールの新作『100年後』がリリースされた。
 『100年後』は実に興味深いアルバムだ。これを失敗作と言う人がいても不自然ではないと思えるほど、バンドは、ある意味では、思い切った賭けに出ている。もしここで『homely』をもっとも象徴する曲を"ロープ"のロング・ヴァージョン(12インチ・シングルに収録)だとするなら、『100年後』はあの曲のスペース・ロックめいた恍惚、清々しいまでの残響から自ら離れていったアルバムだ。
 気晴らしに徹することができたらどんなに楽だろう。結局のところ『homely』で最高に気持ちが良いのは、"ロープ"のロング・ヴァージョンの長い長いインストの箇所かもしれない。もうひとつ、『homely』を象徴する曲"フェンスのある家"で歌われている「嘘みたいに居心地が良い場所(comfortable lie)」が具体的にはどこを指しているのかバンドからの説明はないと思われるが、はっきりしているのは、オウガ・ユー・アスホールには離れたい場所があったことだ。
 バンドは音楽的に多様なスタイルを身に付け、ここ数年で、聴覚的な面白味を具現化している。石原洋と中村宗一郎によるそれ自体がアートの領域のようなミキシングを介して生まれる刺激に満ちたサウンドは、『homely』の最大の魅力である。出戸学の歌詞は、ほとんど断片的な言葉で組み合わされている。受け取り方によっては、パラノイアックにも思えるし、アイロニカルで、そして感情的な空想を駆り立てている。それらが一体となったとき、いかにもシャイな青年たちによるオウガ・ユー・アスホールは最高の高揚に達する。「わな?  居心地よく 無害で/笑っていた ここはウソ/飾るためのドア/つかれた彼も/心地よく呑まれていた」"作り物"

 アビヴァレンツなムードが『homely』以上に際立っているのは、『100年後』が異様なほどにリラックスしているからだ。『homely』が"マザー・スカイ"なら今回は『フロー・モーション』とも言えるが、『フロー・モーション』ほどリズムをテーマにしている感じではない。それでも『100年後』には、快適さや楽観性と並列して恐れや懐疑がある。メロウで弛緩しながらも、ところどころでささくれている。その点では『フロー・モーション』的と言えるだろう。
 そして、この面倒な混線のあり方は、たしかにわれわれのいまを表しているのかもしれない。わけわかんないって? しかし、それでは、ガイガーカウンターの音でもサンプリングすればいいのかという話だ。
 オウガ・ユー・アスホールは、彼らの催眠的な演奏を控え目にしながら、多様な思いを、複雑な感情をある種チルアウトな場所へと持ってく。感情の垂れ流しではない。僕は、このアルバムの感覚は、フライング・ロータスの新作やエジプシャン・ヒップホップのアルバム、ないしは今日のアンダーグラウンド・ミュージックにおけるアンビエント志向ともそれほど遠くはないと思う。なんとかして、落ち着きを取り戻しているのだ。ひどく引き裂かれながら......。
 『100年後』はなかばトロピカルなゆるさとともに、こういう歌い出しからはじまる。「これまでの君と/これからの君が/離れていくばかり」"これから"

『homely』がほんとに自分たちでは完成度の高いものができたなと思ってるんで、それに恥じないものを作ろうと思ってました。でもそれの延長上もイヤだったんで。その最初のきっかけがどういうものになるかっていうのがもっとも重要な点でしたね。

『homely』のあとの方向性として、チルアウトな感じっていうかメロウな感じ、もしくはエクストリームな感じか、っていう風には思ってたんですよ。それで、どっちに行くのかな、っていう興味があって。結果を言えば、エクストリームな方向性っていうのをあそこまでライヴで実現しておきながら、捨てたじゃない? すごくもったいないなと思ったんですよね(笑)。

出戸:ああー(笑)。でも、エクストリームな方向に行くと、『homely』の延長上になってしまう気がするんですよね。

もちろん、もちろん。

出戸:そこはまあ、作品の連続性があるなかでも、ベクトルは変えたいなと思って。

ただ、『homely』であれだけ自分たちのサウンドを作ったわけだから、もう1枚ぐらい続けても良かったんじゃないのかなっていう。そういう気持ちは少しぐらいはなかった?

出戸:そういう気持ちも、ほんとに半々でスタート地点でどっちに行こうかっていうので僕も迷ってて。でも最初に作った曲が、1曲目の曲なんですけど。

あ、1曲目の"これから"が最初だったんだ?

出戸:それができたときに、「こっちだな」っていう風に思って。

ああ、なるほど。あのイントロにはたしかにやられました。でも、いや、『homely』の続編を1枚作れば、ひょっとしたらゆらゆら帝国が行けなかった領域に行けたかもしれないのに、と思って。

出戸:そうなんですか(笑)?

ゆらゆら帝国フォロワーって言われるのは自分では抵抗ありますか?

出戸:ありますね。

100パーセント抵抗あるって感じ?

出戸:それはしようがない部分があるのはもちろんわかってるんですけど、僕個人としては、フォロワーっていう気分では作ってないっていうか。それはプロデューサーが同じだから、石原(洋)さんの色とかみたいなもので共通項はあるだろうけど。まあ言ってみればメンバーがひとりカブってるようなものだと思ってるから。フォローをしていくっていうつもりはあんまりなくて。

フォロワーってちょっと僕の言葉が悪かったね。

出戸:影響は受けてると思います。石原さんと一緒にいて、喋る時間とかも長くなってるんで。そういった意味では、あるのかもしれないですけど。

僕はゆらゆら帝国も最近のオウガ・ユー・アスホールも大好きなんですけれど、ゆらゆら帝国とオウガ・ユー・アスホールの違いを僕なりに言うと、ゆらゆら帝国はドライなことをやろうとしていながら自分たちのウェットさから逃れられなかったという感じがするんですね。たとえば"つぎの夜へ"って曲があったじゃないですか。ああいうある種の感傷がばっと出てしまう瞬間があったでしょ。そこが魅力でもあったんだけど、そういうところがオウガにはない。

出戸:ないですね。

今年見たライヴなんかは、そのさばさばしたドライな感じとサイケデリックなトリップ感がものすごくうまくなった感じがあって。とくに"ロープ"のライヴ演奏とかすごかったじゃない。だからあの路線をもう1枚続ければ、ゆらゆら帝国が行けなかった領域に行けたんじゃないかって僕が勝手に思ったんだけどね、すいません(笑)。

出戸:なんですかね、まだどうなるかわからないですけど、自分のなかには構想があるんで(笑)。

そう(笑)。それで、新しいアルバムの『100年後』、出戸君の発言を拾い読みすると、「100年後を想像したときにすごく楽になれた」って話じゃないですか。それっては諸行無常ってことだと思うんだよね。ある種の無常観、つねに物事は終わっていくっていう。だけど『homely』はそういう無常観とは違うものだったよね。ちょっとパンク・ロック的な感覚もあったと思うし。パンクっていうか、100年後を想うことのある意味では対極かもしれないんだけど、たったいまこの瞬間だけを一生懸命生きるっていう感覚が。無常観っていうのもひとを楽にさせるとは思うんだけれども、たったいまこの瞬間のことだけを考えるっていうのも重要なことじゃないですか。

出戸:その熱さみたいなものもの、熱を持ちつつ、一回冷やした状態で曲を作りたかったみたいなのはあって。

それはどうして冷やしたかったの?

出戸:なんだろう、『homely』の続編を作るときに......なんですかね。まあもともの性質でもあるんですけど、僕そんなに「いまを生きる」熱さみたいなものはないのかもしれない。ライヴのときはあるかもしれないですけど。本質的にそんなにガツガツした感じではない(笑)。

それは見てて非常によくわかる(笑)。でも、「いまを生きる」って熱さでも冷たさでもなくてさ、考え方じゃないですか。気持ちのありようっていうか。そういう「いま」の連続性が、音楽でいうとミニマリズムみたいなことかなって思うんですけれど。僕もオウガから熱さは感じないからさ。

出戸:ですよね(笑)。

だからこそ、続けるべきだったんじゃないでしょうかね(笑)。

出戸:えー、今回のは、いまを生きているって感じはないってことですか(笑)?

だって今回は『100年後』だから。

出戸:まあそうですね。

それは何かきっかけがあったの? 今回のコンセプトに行き着くような。

出戸:『homely』の終末観みたいなものは自分のなかではあったんですけど、それが重くなりすぎた感じがして、僕のなかで。『homely』が。

ええ、そうなの。僕は逆になんかね、すごく軽くしたっていう風に思ってたんだけどね(笑)。あれはでも重かった?

出戸:はい。それで次はもっと軽くしたいなっていう。テーマ的にはそんなに変化はないんですけど、もっと軽く表現したいなって思ったんです。

なるほど。そういえば、ぜんぜん話飛んじゃうんだけどさ、レコーディング中にジム・オルークさんが乱入したっていう話を聞いたよ。

出戸:レコーディングっていうかライヴの練習中ですね。練習中に入ってきたんですね。

それは何? スタジオが同じだったの?

出戸:いや、僕らの持ってるスタジオが長野にあるんですけど、そこの近所で石橋(英子)さんたちがレコーディングしてて、そこのスタジオのオーナーが僕の知り合いで、それでたぶん連れてきたんですね。急に「うるさい!」って言って入ってきたんですね(笑)。

はははは。面白いね。

出戸:そのとき石橋さんも一緒にいて、って感じでしたね。

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『homely』の終末観みたいなものは自分のなかではあったんですけど、それが重くなりすぎた感じがして、僕のなかで。『homely』が。それで次はもっと軽くしたいなっていう。テーマ的にはそんなに変化はないんですけど、もっと軽く表現したいなって思ったんです。

E王
OGRE YOU ASSHOLE
100年後

バップ

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なるほどね。なんかね、『100年後』を一聴したとき、すごくリラックスしているアルバムだなと思ったんですね。その感じが僕にはとても良く思えたんですよね。恐怖を煽るような感じじゃなくてさ、腹の括り方というか。それは自然に自分たちから出てきたものなの? それとも、ある程度コントロールしてそういう世界を作ったって感じ?

出戸:そうですね、『homely』が重さとか緊張感とかがあったので、最初にそれとは違うベクトルのものを作っていこうってなったときに、まあ単純にそうなったっていうのもあるし。もともと僕のなかでそういうものが聴きたいっていう欲求もあって。

1曲だけ"黒い窓"ってダウンテンポがあるけど、他は曲のテンポがみんな近いじゃないですか。テンポ的に追えば、アルバムのなかであんま起伏がないっていうか、ある種のフラットな感じもあって、そこは意図した?

出戸:そうですね、意図してますね。

ああ、やっぱ意図的だったんだ。さっきも言ったけど、1曲目のイントロがほんと最高でした。あの何とも言えないメロウなニュアンスっていうのが、自分たちでは今回のアルバムのイントロダクションとして最高に機能できるものだっていう?

出戸:そうですね、はい。1曲目にふさわしいとは思いましたね。あのイントロの音は。

出戸くんは最初に曲を作って後から歌詞を乗せる?

出戸:そうですね、逆のことはまずないです。

じゃあ「100年後」って言葉も後から出てきたんだ?

出戸:いちばん最後、全部ができた後にアルバム・タイトルをつけました。

その「100年後」って言葉には、出戸くんなりのちょっとした諧謔性、ユーモアっていうのもあるの?

出戸:ユーモアっていうか......「なにもない」っていう言葉、いまあるものがない、僕が死んでるとか、そういう終わることを、恐怖心を煽る感じで言いたくないなと思ったときに、100年後っていうのがユーモアではないけど、自分のなかではそういう言葉がハマったっていうか。

なるほど。1曲目で「諦めて/おいで」って言葉が出てくるじゃないですか。その「諦める」っていうのは何を意味してるの?

出戸:うーん......何だと思いますか(笑)?

ははははは(笑)。いろいろと考えちゃうよね(笑)。あのー、出戸くんは歌詞もすごく特徴があって。直接的な言葉やわかりやすい言葉遣いを避けてるじゃない? その理由は何なんでしょう?

出戸:なんかガッツリ音を聴いたときに、こう言葉が入ってくると単純に踊れないとか、そういう音楽を邪魔する部分ってあるじゃないですか。素直に音に入っていけなくて、そっちの文脈に頭が行っちゃって歌詞を追うようになっちゃうっていうので、あんまり入ってこないようにはしたいけど、まったく意味のないものにもしたくないというか。その中間で歌おうとすると、こういう感じになったっていうか。

出戸くんは、表に出さないだけであって、実は苛立ちであったりとかさ、憤りを抱えている人でしょう? ぎゃあぎゃあ言わないだけで。やっぱどこかにささくれだったものを感じるもん。

出戸:苛立ちみたいなものは多かれ少なかれあるとは思うけど、ぎゃあぎゃあ言うのは性に合わないっていうか。友だちとはそういう話はしますけど。歌詞では、わかるひとにはわかるぐらいの発信の仕方っていうか。

どちらかと言うと誤解されてもいいやぐらいの感じじゃない。だっていまの「諦めて」っていうのもさ(笑)。

出戸:(笑)そうですね、でも誤解されてもいい。音楽が......。

語ってくれると。

出戸:そう思うんですけど。

さすがですね。"黒い窓"って曲のなかでさ、「ふつう」って言葉が出てくるんだけど、出戸くんは自分のことを普通だと思う?

出戸:まあ普通になりたいとは、子どもの頃から思ってた。

ここ数年ぐらい普通ってことをすごく強調するひとたちが目につくようになったでしょ?

出戸:そうですか?

「そんなの野田さん普通ですよ!」とか言って(笑)。

出戸:はあ......(笑)。まあその歌詞で言う「ふつう」っていうのは、ちょっと死体のような感じのニュアンスもあるかもしれないですね。どっちかって言うと生気のないひとのことを表しているような気もする。

ああ、なんかそういう感じだよね、あれは。あと、AORっぽい曲で、"すべて大丈夫"って曲があって、あのなかで「似ていく/正しいことも/間違いも」って言葉が耳に残るんですけど、これはどういうことなんですか?

出戸:これはまあ、感覚が麻痺した状態っていう意味で。終わりかけの麻痺感に近いのかな。

あと、今回はポップスってことをすごく意識してるなと思って。"記憶に残らない"って曲なんかはね、変な話、懐メロっていいますかね。

出戸:懐メロですか(笑)。

レトロ・ポップス的な要素を入れてるじゃない。あのコーラスとか。

出戸:はいはい。まあ敢えてって部分もありますね。そのコーラスの部分は。

懐メロっぽいことをやりながら、「記憶に残らない」っていうさ。ある種パラドキシカルな言葉をつけているのも面白いなと思ったんだけれども。

出戸:ああ、でもそれはあんまり意識してなかったですね。たまたまですね。

この「記憶に残らない」っていうのはさ、負の意味で言ったんですか? それとも正の意味で?

出戸:まあどちらでもいいんだけど、負に捉えたほうが面白いかなっていう。

皮肉が含まれてる?

出戸:皮肉っていうか、まあそう素直に思う部分もあって、っていう。でもどっちに取られてもいいような状態にはなってると思いますけどね。

『homely』のときもそう思ったんですけれども、ただ今回のほうがより抽象性は高いと思う。

出戸:そうですかね。

自分ではどう?

出戸:自分では、今回のほうがより焦点がわかりやすくなってるかなと思ったんですね。

ほお。出戸くんは歌詞はスラスラけっこう書けてくほう?

出戸:スラスラ書けるときと、書けなかったら書かないみたいな感じですね。ひとつのテーマが思いついたらけっこう早いっていうか。

音楽性の追求ってことで言えば、インストの曲だってできるバンドだと思うんだけど、やっぱ日本語の歌っていうものに対してこだわりがあるわけでしょう?

出戸:まあこだわりって言ったらあれですけど、でも自分が歌い上げてって言うよりは、やっぱり楽曲のなかでそんなに邪魔でないものであってほしいとは思ってますけどね。

長野で生まれて、名古屋に出てきて、で、また長野に戻って活動しているわけだけど、自分たちが長野の地元にいるってことは、オウガ・ユー・アスホールの創作活動においてどのような影響を与えてると思う?

出戸:うーん......いまのプロモーション期間とかは、ほんと毎週東京に来てて。その距離の問題で、僕に疲れを与えている。

はははは! ......すいません。

出戸:(笑)。

昔よく絶対聞かれたと思うんだけど、自分たちが名古屋の学校を出た後に、そこでまた地元に戻ったっていうのはごく自然な選択だったの?

出戸:みんなで話し合った結果、どうしたいっていう話のなかで、選択肢は名古屋に戻るか、東京行くか、長野に戻るかっていうので。そういういろんな可能性を話した結果、長野ってことになったんですけどね。

長野はどんな場所なの?

出戸:場所は、周りにほとんど家がなくて、森のなかで砂利道をこう、500メートルぐらい舗装道路じゃない道を行ったところにある場所なんですけど。そこでスタジオで音が出せる環境があって、楽器とかも広げたら次のライヴまでそのまま片づけなくていい、みたいな感じで。

牧歌的な感じ?

出戸:牧歌的って言うよりも、なんですかね、夜とかはひとがいなさすぎてちょっと怖い。冬になると「ひとが住む場所じゃないな」みたいな(笑)。

出戸くんの歌詞のなかに出てくるさ、「なにもない」っていう言葉っていうのはそこから来てるのかな?

出戸:でもそこは、牧歌的感とはあんまり結びつけてほしくなくて。もうちょっとこう、追いつめられて気が狂ったひとの歌みたいな気分で、自分は書いてて。

あ、そうなの!?

出戸:で、妙に明るいみたいな。いままで終わりに向かって歌ってたのに、急に妙に明るく「なにもない」って言ってる感じが、自分のなかではちょっと発狂に近いようなニュアンスで書いたつもりなんですけど。

なるほど。心の叫びとも言える?

出戸:心の叫び(笑)。

いや、そんなもんじゃない(笑)。でもやっぱり、暮らしやすいですか?

出戸:いまは夏なんで暮らしやすいですね。夏は標高が1200メートルぐらいあるんで、単純に涼しいっていう意味では暮らしやすいですけど、東京のひとで毎日とか週2~3とかでひとと飲んでてワイワイやってるひとには耐えられない空間だって(笑)。

なんで? 何もないからってこと(笑)?

出戸:ひとと会わないし、あんまり。ひとに会えない。会うときはこっちがよっぽど遠くに行くか、向こうが来てくれるかぐらいなんで。

ちょっと想像しにくい場所だね。

出戸:うーん......。

そういうところはきっとオウガっていうバンドのエッセンスとして関わってるんだろうね。

出戸:うーん、僕らがそこにいるっていうポリシーで作ってる曲はないから、自分としてはそこから何か発想を得てるっていう気はないですけどね。

スタジオって自分たちでお金をかけて作り上げたって感じ?

出戸:多少はお金使ったんですけど、レコーディングはできないんで。

リハーサル・スタジオなんだ?

出戸:リハーサル・スタジオなんで、そんなにお金かけることもなくて。防音と吸音ぐらいで。あと機材、マイクとかスピーカーとかぐらいで、そんなに莫大なお金はかかってないです。

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夜とかはひとがいなさすぎてちょっと怖い。冬になると「ひとが住む場所じゃないな」みたいな(笑)。そこは、牧歌的感とはあんまり結びつけてほしくなくて。もうちょっとこう、追いつめられて気が狂ったひとの歌みたいな気分で、自分は書いてて。

E王
OGRE YOU ASSHOLE
100年後

バップ

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大滝詠一さんが昔の日本の音楽は分母には世界史があったと、しかしその分母がニューミュージックの台頭で内面化されて、どんどん世界が隠蔽されていったという話があって、僕もそうだなと思うんですけど、日本の音楽、とくにロック・バンドとかさ、その多くがなんで音的な視野を狭めちゃったんだと思う?

出戸:まあキャラクター商売だと思ってるひとが多いかなって思いますね。キャラとして確立されれば、音はどうでもいいと思ってるんじゃないかって。

ああなるほど。でも、キャラを売るって昔からずっとあったと思うんだよね、とくにポップ・ミュージックの世界では。

出戸:もしくは、ロック・バンドって、「自由にやることがいい」みたいな。「自分たちの好き勝手にやるのがいい」っていうのが美学になったのが、こう何ですかね、間違って捉えてほんとに自由にやってて、ファンがいいって思うことと自分がいいって思うことが一緒になって混ざっちゃって、っていうのがあるのかもしれない。そこで手綱を引き締める、批評をしなくなるっていうか。

ある1曲がファンから強烈に愛されてしまうと、その曲から自分たち自身が逃れられなくなっちゃうってこと?

出戸:っていうのと、あと自分たちの作品に批評性を持ってない。自由にやるっていうのが、それを持たないで自由にやってる感じがするっていうか。だから「俺、すごい」っていうパターンか、ファンに迎合してるパターンの2パターンっていう風に見える。それで自分に対しての批評を持たずに作品を作ってるひとが大半で。

そういう意味で、同世代だとトクマルシューゴみたいなひとには共感がある?

出戸:トクマルくんが4つか5つぐらい上なんですけど。まあ昔からの知り合いっていうのもあって。

みたいだね、なんかね。

出戸:トクマルくんがツアーに出たとき初めてのツアーが長野で、そのときに対バンで僕らが呼ばれてて。そこで初めて僕らが知って、みたいな。それが6、7年前とかそんな感じなんで。対バンとかはあんまりしてないですけど、プライヴェートではちょこちょこ喋ることがあって。

まあ、トクマルくんもそうだけど、オウガ・ユー・アスホールも理屈っぽい音楽ではないでしょ。かといって感情を思い切り表に出していく感じでもないし......。さっきも訊いたけど、出戸くんはポップっていうことはどんな風に意識している? ポップスというか。

出戸:ポップスとまでは行かないですけど。でも今回は『homely』が持ってたちょっとアヴァンギャルドな感じとかを......

トゲがある部分を。

出戸:トゲがあるもの、その要素も持ちつつもうちょっと歌の存在感はある、みたいな。『homely』のときに歌がそんなにないような感じだったんで。もうちょっと歌を前に出そうかなぐらいは思ったけど、そんなポップスほどまでは考えてなかった。

"記憶に残らない"とかもそうなんだけど、"すべて大丈夫"とか、けっこうオウガ流のポップスみたいなものを考えてるのかなっていうか。"すべて大丈夫"なんてさ、タイトルからしてオウガらしくない無理な感じはあるじゃないですか(笑)。

出戸:まあ敢えてつけてますね。

バンドにとって今回もっとも重要だった点っていうのは何だったんでしょうか。

出戸:『homely』がほんとに自分たちでは完成度の高いものができたなと思ってるんで、それに恥じないものを作ろうと思ってました。でもそれの延長上もイヤだったんで。その最初のきっかけがどういうものになるかっていうのがもっとも重要な点でしたね。違うベクトルであり、『homely』にも恥じないというか、そういうものをどう作ろうっていうのはけっこうありました。

やっぱり前作を超えなければいけないっていうね。

出戸:延長上だと、たぶん『homely』は超えられないんですよね。音楽を作ってる経験上。

なるほど、ストイックだねえ。

出戸:いやあ(笑)。ストイックなんですかね(笑)。

ははははは。やっぱ『homely』的な激しさっていうのは、本来の自分たちの限界を超えたっていうか、ちょっとこう、跳躍してみた感じっていうのがあったんですね?

出戸:そうですね、かなり異次元のものを作ってやろうっていう意気込みが最初にすごくあって。自分たちも捉えられないようなものとか、そういう要素を。レコーディング期間とかもけっこうあったんで、わけわかんないものをとりあえず入れといて、ミックス作業で意外と自分たちのなかではけっこう抑えたというか。ミックスしてみると収まったという感じですかね、どっちかと言うと。だからレコーディングしてるときは「これ成立するのかな」っていうぐらいで作ってたんで。そういった意味では、今回はそういうのはなかったかもしれないですね。でも今回も3、4曲目とかはどうなるかわからないスリルみたいなのはありましたね。

『homely』よりもさわりはゆるい感じですが、今回はより深みはあるっていうかね。またライヴが楽しみです。


「100年後」リリースツアー 10/13 松本ALECX(ワンマン)
日時:2012年10月13日(土)OPEN 18:30/START 19:00
出演:ワンマン
TICKET:
一般発売日:8月18日(土)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:FOB新潟 025-229-5000

10/19 新代田FEVER
日時:2012年10月19日(金)OPEN 18:30/START 19:00
出演:ゲスト、石橋英子
TICKET:
一般発売日:9月9日(日)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:Livemasters Inc. 03-6379-4744

10/21 横浜F.A.D
日時:2012年10月21日(日)OPEN 17:30/START 18:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:9月9日(日)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:Livemasters Inc. 03-6379-4744

10/27 札幌cube garden
日時:2012年10月27日(土)OPEN 17:30/START 18:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:9月9日(日)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:WESS 011-614-9999

11/3 新潟CLUB RIVERST
日時:2012年11月3日(土)OPEN 17:30/START 18:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:9月9日(日)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:FOB新潟 025-229-5000

11/4 仙台MA.CA.NA(ゲスト有)
日時:2012年11月4日(日)OPEN 17:30/START 18:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:9月9日(日)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:G/i/P  022-222-9999

11/9 福岡DRUM Be-1
日時:2012年11月9日(金)OPEN 18:30/START 19:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:9月9日(日)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:BEA 092-712-4221

11/10 広島ナミキジャンクション
日時:2012年11月10日(土)OPEN 17:30/START 18:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:9月9日(日)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:夢番地広島 082-249-3571

11/17 名古屋CLUB QUATTRO
日時:2012年11月17日(土)OPEN 17:30/START 18:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:10月6日(土)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:ジェイルハウス 052-936-6041

11/18 大阪BIGCAT
日時:2012年11月18日(日)OPEN 17:30/START 18:00
出演:ゲストバンド有・後日発表
TICKET:
一般発売日:10月6日(土)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:グリーンズ 06-6882-1224

11/24 「100年後」リリースツアー 渋谷AX
日時:2012年11月24日(土)OPEN 18:00/START 19:00
会場:SHIBUYA-AX
TICKET:
一般発売10月6日(土)
前売¥3,500/当日¥4,000
INFO:Livemasters Inc. 03-6379-4744

TRAXMAN - ele-king

 いまもっとも速くて面白くて、そして、くどいダンス・ミュージック、シカゴのフットワーク/ジュークがいよいよやって来る。今年に入って〈プラネット・ミュー〉からアルバムを出したベテランDJ、トラックスマン! しかもダンサーのA.G.とDJ MANNYを引き連れての来日だ。
 日本のジューク・シーンからもD.J. FulltonoやSTRATUSS、PAISLEY PARKSのライヴ・セットなど、かなり濃いメンツになっている。また、インド~ネパールの山岳地帯で生まれたというスタイル、ゴルジェのプロデューサー、HANALIのライヴまである! 
 このとんでもないイヴェントは10月12日(金)。場所は代官山Unitとサルーン。前売り限定190枚は、ジューク価格の1900円と、素晴らしいです!

2012/10/12(FRI)
@代官山UNIT & SALOON
OPEN/START 23:00
ADVANCE TRAXMAN 来日記念SPECIAL JUKE PRICE ¥1,900( 限定190 枚)
DOOR ¥3,000

※20歳未満の方はご入場できません。また入場時に写真付き身分証を提示いただいております。

DAIKANYAMA UNIT EVENT INFORMATION
MORE INFORMATION : UNIT / TEL 03-5459-8630

https://www.unit-tokyo.com/schedule/2012/10/12/121012_traxman.php


TRAXMAN

A.G.

DJ MANNY

UNIT PRESENTS
TRAXMAN with Red Legends footworkers : A.G. & DJ MANN
Y

TRAXMAN
(Planet Mu, Lit City Trax, Ghetto Teknitianz)
A.G.
(Red Legends, Terra Squad, FootworKINGz)
DJ MANNY
(Red Legends, Take Ova Gang, Ghetto Teknitianz, Lit City Trax)
D.J. FULLTONO (BOOTY TUNE)
PAISLEY PARKS (PAN PACIFIC PLAYA) *LIVE
STRATUSS (D.J.G.O., D.J.Kuroki, D.J.April / BOOTY TUNE)
MOODMAN
COMPUMA
PIPI (HELLPECIAN'S)
HANALI *LIVE
AND MUCH MORE!!



Flying Lotus - ele-king

 チル・ウェイヴが16ビートを取り入れるようになった→ダフト・パンクがブラック・ミュージックに近づく→ジェイ・ポールがソウル・ミュージックの文脈でそれをやったとき、「ジャスミン(デモ)」は2012年のベスト・シングルになることは決まっていた......のではないだろうか。

「ジャスミン(デモ)」はデビュー前から期待されていたシングルだった。昨年、プロモーションで撒かれた「BTSTU」をドレイクがさっさとサンプリングし、タナソーのように『テイク・ケア』を評価したリスナーには彼の名前は早くから浸透していたはずである。僕のようにドレイクはウェットでもうひとつだな......と、オッド・フューチャービッグ・クリットを好んだリスナーにもそれは伝わってきた。もうひとついえば、そんなことは何ひとつ知らなくても、どこからか「ジャスミン(デモ)」が耳に飛び込んできたリスナーにももちろんダイレクトにアピールしたに違いない。プリンスのファンであれば、それはもう、間違いなく。

 ドレイクの名前は意外なところでも目にした。ドミューンでもすっかりお馴染みになったオンラのレーベル、〈キャットブロック〉から「プレイグラウンド」でデビューしたフランスのビート・メイカー、アゼルのデビュー・アルバム『ザ・ロスト・テープス』でも彼はラップを披露している。
 アゼルのビートはどちらかというとデリック・メイを思わせる情熱的なもので、泣きのメロディに沈みたがるドレイクの趣味ではないと思えるものの、すけべの波長でも合ったのだろうか、2曲でさらっとしたフローをキめ、大物気取りのような嫌味は感じさせない(ドレイク以外にはイブラヒムが"ディス・イズ・ドープ"でふわふわと歌うのみ。ストリングスを厚く走らせたり、様々なメロディを細かく絡ませたがるアゼルもドレイク以外にMCを起用する気はさらさらないといった風情である)。

 基本的には淡々とビートが刻まれるだけ。ほかに特記できることはない。"アイズ・イン"でも"シチュエイション"でもデリック・メイを遅くして聴いているようなもので、スローモーションでスウィングしていく感じは古典的なメロウネスにも直結するものがある。それが夏のダレきったムードに合ってしまうことこの上なく、この夏はけっこう重宝した。フランスのヒップホップというと、基本的にはユニオンのような(二木好みの)古くさいファンク趣味や、デラのようなラウンジ系がほとんどで、アゼルのようなタイプは珍しい。そう、フランス文化にはそぐわないストイックな作風は、おそらくフライング・ロータスの影響によるもので、ハウスではシカゴ発のディスコ・リコンストラクションからダフト・パンクがブレイクするまでに4年ぐらいはかかった計算だとすると、ここでもフライング・ロータスがセカンド・アルバム『ロス・アンゼルス』で注目を集めてからも同じく4年が経過し、フランス人が手を出すにはちょうどいい頃合ともいえる。続くフースキースクラッチ・バンディッツ・クルーといった変り種も控えているけれど......(フランス人のヒップホップに興味が湧いた方はぜひ、ドッグ・ブレス・ユー『ゴースツ&フレンズ』のジャケット・デザインもチェック→)。

 世界中のビート・フリークが注目するフライング・ロータスことスティーヴン・エリスンの4作目は、しかし、かなり方向性を修正してきた。『ロス・アンゼルス』から『コスモグランマ』への発展を歓迎した人は腰が引けるかもしれないし、『ロス・アンゼルス』では過剰に封印されていたジャズを前作で解き放ったことの意味が明快になったと感じる人もいるだろう。「静けさが戻るまで」というタイトルから察するに、自分の身に起こったことがいかにも騒々しいことで、自分のペースを取り戻したいという願いから導き出された音楽性なのかもしれないし、「騒々しいこと」を正確に映し出したものとも考えられる。そのときにつくられたものが一大トリップ絵巻のようなストーリーテリングのそれであったことは、やはりレイヴ・カルチャーの渦に呑み込まれた90年代初頭のフランクフルトからスフェン・フェイトが『アクシデント・イン・パラダイス』でチル・アウトを希求したことを思い出させ、ほんの数ヶ月前にシャックルトンがやはり似たような組曲形式のものに『ミュージック・フォー・ザ・クワイエット・アワー』というタイトルを与えていたことを連想させる。いずれにしろ尋常ではないスピードで動いているものがなければ、それとは反対の概念に価値が求められることはない。きっと......嵐の中心は静かだということなのである。

 僕が『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』を聴きながら頻繁に思い出したのは90年代にラウンジ・リヴァイヴァルの先頭に立ったジェントル・ピープルである。オープニングから数曲はそれこそイージー・リスニングじみたフュージョンを思わせるテイストにまみれ、あまりに素直なバリアリック・モードにはしばらく不可知の未来に置き去りにされてしまう。すっかり陽気になり、ときにボトムが弱く、ティンバランドのようにハイハットで手繰り寄せていくビートはオフ・ビートが効きまくったエレクトロニカにも聴こえるし、『コスモグランマ』からの脈絡を重視していると、マジで時間軸を見失いかねない。『パターン+グリッド・ワールド』のスリーヴ・デザインで全開になっていた世界最強のドラッグとされるDMTを扱ったらしき曲はまさにジェントル・ピープルそのままに聴こえてしまうし......(DMTに関してはサイエンティック・アメリカンの副編集長だったジョン・ホーガン著『続・科学の終焉-未知なる心』を読むしかない!)。なぜかトム・ヨークがドラッグのディーラーについて示唆する曲もエアリアル・ピンクやコーラと同じくノスタルジックな意味合いでシクスティーズが裏側にべったりと貼り付いたようなところがあり、ロング・ロストのローラ・ダーリングトンによる艶かしいヴォーカルが聴こえてくる頃には、あたりの景色はすっかり『バーバレラ』のセットに様変わりしている(橋元さんがモバイル・スーツに着替えるタイミングですね)、エンディングはまさしく「空飛ぶ蓮」である。この陶酔感は実に純度が高い(古代ギリシャでは、想像上の植物であるロートスの実を食べると、浮世の苦しみを忘れて楽しい夢を見ると考えられていた)。

 フライング・ロータスの変化のスピード感は、現在のLAの様相をそのまま反映しているのだろう。それは内容的なものと同時に消費の速さでもあり、ムーヴメントの常識として荒廃の予感が押し寄せてくるという時間感覚との闘争でもある。それを単純にどこまで先延ばしにできるか。60年代のビートルズや90年代のジ・オーブに課せられたものと同じものに追いかけられるという幸福感が『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』には漲っている。さらなる飛躍をもたらすかもしれないし、たった1作で崩壊してしまうかもしれないLAの現在。あれが「終わりのはじまりだった」といわれる可能性だってあるし、そのすべてを左右する1作になる可能性は高い。フライング・ロータスは少なくともそれぐらいの冒険はしている。ジミ・ヘンドリクスやジーザス&メリー・チェインはあの後、どうすればよかったのかということでもある。現在のLAからは次から次へと才能が出てくるし、ジェレマイア・ジェイのように〈ブレインフィーダー〉と契約したミュージシャンだけでなく、同じシカゴからアン・アッシュやメデリン・マーキーまでがカリフォルニアに移住してくるなど、全米からミュージシャンが押し寄せているような印象があるなか、そのなかの誰かがフライング・ロータスの位置に取って代わってくれるわけではない。フランクフルトのレイヴ・カルチャーはスフェン・フェイトの失速とともに一度は崩壊している。それでも彼は静けさが回復することを願って、このような作品をつくった。ジェントル・ピープル版『アクシデント・イン・パラダイス』を。そして、それはエミネムがMDMAを摂りはじめたあたりからヒップホップ・サウンドが辿り付くべきものだったのかもしれない。カレンシーもウィズ・カリファも皆、そのための通過点だったと思えてくる。 

 同時期のリリースとなった『マーラ・イン・キューバ』は聴くたびに印象が二転三転した。ダブステップという明確な落としどころがあり、しかもオールドスクールの実験であることに思い至れば難しいことはなかったのだけれど、そのような基本を忘れてしまう仕掛けがあのアルバムには張り巡らされていた。『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』にも同じことがいえる。ヒップホップ・ミュージックで『サージェント・ペパーズ〜』をやろうとしたプロデューサーがいなかったのだから、梯子から落ちやすいのも仕方がないけれど、何よりも重視されているものが「流れ」であり、その強さに負けて、ほかのファクターが頭や耳からは抜け落ちやすい。かつてデイジー・エイジと称揚されたデ・ラ・ソウルにしろ、かのクール・キースにしろ、効果として狙ったものはあったかもしれないけれど、ヒップホップのグラウンド・デザインに深くメスを入れて、ここまでトリップ性を優先させるものはなかった。クリシェに倣っていえば「こんなものはヒップホップじゃない!」し、そう言わせるための作品だとしか思えない。面白いというか、『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』にもっとも似ていると思うのは、LAがまだ「静か」だった時期にダブラブが同地のプレゼンテイションとしてまとめた『エコー・イクスパンション』(07)というエリア・コンピレイションで(09年に曲を増やして再発)、カルロス・ニーニョにはじまり、フライング・ロータスやラス・Gを経て、デイダラス、ディムライトと続く「流れ」はなぜかラウンジ・テイストのものが多く、クートマやテイクを経て、クライマックスはマシューデイヴィッドによる強烈なアンビエント・チューンになっている。フライング・ロータスが考えている「静けさ」がここで展開されているサウンドを想定しているのなら、彼はまさにこの時期に戻りたいと(無意識に)願っていると考えてもいいのかもしれない。
 
 アトム・ハートに背後から膝カックン(=Using your knee to kick someone else in the back of their knee)をやられたようなフライング・ロータスに代わって、かつてのフライロー・サウンドを引き継ぎ、そこにワールド・ミュージックの要素を豊富に放り込んだのがガスランプ・キラーことウイリズム・ベンジャミン・ベンサッセンのデビュー・アルバム『ブレイクスルー』だろう。僕は発売前の音源を法律的に貸与されてレヴューを書くことはあまり好きではないのだけれど、そうはいってられない場合も増えてきて(つーか、そのような制度を採用しているのは日本だけらしいんだけど)、毎月2周目などはそういったものばかり聴かなければならないし......ということはさておき、そのようにして同時に手渡されたフライング・ロータスとガスランプ・キラーの音源がもしも入れ替わっていたら、後者を聴いて前者が『コスモグランマ』から『ロス・アンゼルス』に揺り戻す際にワールド・ミュージックやホラー・テイストを加えたものだと判断したのではないかという可能性がなかなか捨て切れない。ひとつにはフライング・ロータスにはどこか重厚なイメージがあって(多分に「テスタメント」のせい?)、それが『ブレイクスルー』にはあるけれど、『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』にはほとんどなく、どちらも華やかな印象にあふれているのは現在のLAのムードが反映されているからだとは思うけれど、それでも少しは引いた部分が『ブレイクスルー』にはあって、それもフライング・ロータスに(勝手に)投影していたイメージに近いからである。それだけ『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』が飛躍しているということでもあり、かつてのデトロイト・テクノのような通奏低音が現在のLAには流れているということでもあるだろう。

 最初期からロウ・エンド・セオリーのレジデントを務めていたというベンサッセンは、ゴンジャスフィのプロデューサーとして知名度を上げたのもなるほどで、似たようなカップ・アップ・サウンドをやらせても如実に都会的なリー・バノンとは違って、どこかヒッピー的なところである。『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』と同じく、トリップ・ミュージックとして構想されていることは明らかだけど、フライング・ロータスが執拗にシクスティーズをリファレンス・ポイトにしているのとは違って、時間軸はむしろイメージを混乱させるために悪用され、それこそウイリアム・バロウズの「時間旅行で乗り物酔い」を思わせる。アトラクションは次から次へと入れ代わり、デイダラスと組んだ「インパルス」など、いまのはなんだったのだろうとトリックめいた印象を残す曲が多く、『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』のように全体で何か訴えかけるような性格は持たされていない。ディムライトとはトラン・ザム以上バトルズ未満みたいなマス・ロックもどきに仕上がっているし、カルロス・ニーニョ率いるビルド・アン・アークからミゲル・アトウッド-ファーガスンとの"フランジ・フェイス"などはイタリアのホラー映画みたいだし......。

 ただし、サーラ・クリエイティヴからフサインとキースをフィーチャーしたボーナス・トラック「ウィッスル・ブロウアー(=内部告発)」は(紙エレキング6号にも書きましたけれど)国連がサラエボで傭兵のために売春婦を斡旋している組織と裏でつながっていたという史実を扱った映画『トゥルース 闇の告発』の原題と同じだったりするので(主演がレイチェル・ワイスだったにもかかわらず日本未公開。アメリカでも国連が圧力をかけたのかほとんど公開されず)、「サラエボ」とか「内部告発」といった歌詞が断片的に聞き取れたので、それについてのものだということはすぐにわかるし、これは、現在のLAを支配している気分やトリップ・ミュージックとはかなり異質のものである(だから、日本盤のみのボーナス・トラックなのだろう。それとも、これが現在のLAと何か関係のある曲だというなら、ここまで書いてきたことはすべて崩壊するしかない)。

 レイヴ・カルチャーが社会の表面に姿を現した当時、イギリスのマスコミがそれにセカンド・サマー・オブ・ラヴという呼称を与えたことを受けて、それをいうならアメリカで起きていることはセカンド・ロング・ホット・サマーと呼ぶべきではないかと書いたことがある(いまだにひとりも賛同してくれた人はいません~)。つまり、80年代後半のダンス・カルチャーはヨーロッパの白人とアメリカの黒人には正反対とまでは言わないけれど、社会的な意味はけっこう違ったということで(何度も書いたようにボム・ザ・ベースのように連想ゲームのようなことが起きた例もあるし、ア・ガイ・コールド・ジェラルドやチャプター&ザ・ヴァースのように裏目に出た例もある)、しかし、それが、現在のLAでは、白人にも黒人にも少なからず同じ意味を持つ音楽になっているのではないかということを『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』からは感じ取れるのではないかと。マーティン・スコセッシ監督『ヒューゴの不思議な発明』とともにどうしてアカデミー賞を取れなかったのか不思議でしょうがないテイト・テイラー監督『ヘルプ』のような映画を観ると(『ハート・ロッカー』に続いて『アーティスト』の受賞は本当にナゾでしかない)、60年代にもそのような事態は実際には部分的にしか存在しなかったのだろうということも想像はつくけれど、それでもモンタレー・ポップ・フェスティヴァルにはオーティス・レディングが出演し、聴衆に向かって「愛し合ってるかい?」と問いかけたことは、セパレーティスム(分離主義)を掲げていたパブリック・エナミーとは異なるヴァイブレイションの産物だったはずで、そのような融和が少しでも現在のLAには存在しているのではないかということが『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』と、そして、マシューデイヴィッド『アウトマインド』という2枚のトリップ・アルバムによる響き合いのなかから聴き取れるのだと僕は思いたい。そして、その青写真を与えたのはザ・ウェザーの3人だったのではないかと。デイダラス、バスドライヴァー、そして、レイディオインアクティヴの3人がはじめたことがここまで来たのではないかと。

 デイヴィッド・ベニオフの原作に同時多発テロを背景に加えたスパイク・リー監督『25時』はニューヨークを舞台にしながら、最終的にはLAを目指す心性が描かれていた。ブロークン・ウインドウズ理論を振りかざしたジュニアーニによるジェントリフィケイションも少なからず影響はあっただろう。それまでは、アメリカの各州から夢を抱いた若者が出てくる都会といえば、圧倒的ニューヨークだったのに、スティーブ・アンティン監督『バーレスク』でも、デヴィッド・フィンチャー監督『ソシャル・ネットワーク』でも、目指す都会はLAであり(かの『ボラット』も!)、あっという間にエレン・ペイジを過去に押しやったクロエ・グレース・モレッツがついに初主演を演じたデリック・マルティーニ監督『HICK ルリ13歳の旅』も最終目的地はLAに設定されていた。シリコンヴァレーからはじまる物語は音楽文化だけの話ではない。フランク・ダラボン監督『マジェスティック』やガス・ヴァン・サント監督『ミルク』は過去のLAを検証し直し、F・ゲイリー・グレイ監督『ビー・クール』、リサ・チョロデンコ監督『キッズ・オールライト』、アレクサンダー・ペイン監督『サイドウェイ』、中島央監督『Lily』......と様々に夢が語られる。いまさらのように『ランナウェイズ』の伝記映画までつくられ、もちろん、マーク・クラスフェルド監督『ザ・L.A.ライオット・ショー』やジョー・ライト監督『路上のソリスト』のようにダークサイドを描いた作品も力作が多い。

 そんな気運のなか(?)、信じられなかったのは2008年にLAタイムズが発表した「LAを舞台にした映画ベスト25」である。

1位「L.A.コンフィデンシャル」(カーティス・ハンソン監督)
2位「ブギーナイツ」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
3位「ジャッキー・ブラウン」(クエンティン・タランティーノ監督)
4位「ボーイズ'ン・ザ・フッド」(ジョン・シングルトン監督)
5位「ビバリーヒルズ・コップ」(マーティン・ブレスト監督)
6位「ザ・プレイヤー」(ロバート・アルトマン監督)
7位「クルーレス」(エイミー・ヘッカリング監督)
8位「レポマン」(アレックス・コックス監督)
9位「コラテラル」(マイケル・マン監督)
10位「ビッグ・リボウスキ」(ジョエル・コーエン監督)
11位「マルホランド・ドライブ」(デビッド・リンチ監督)
12位「ロジャー・ラビット」(ロバート・ゼメキス監督)
13位「トレーニング・デイ」(アントワーン・フークア監督)
14位「スウィンガーズ」(ダグ・リーマン監督)
15位「青いドレスの女」(カール・フランクリン監督)
16位「friday」(F・ゲイリー・グレイ監督)
17位「スピード」(ヤン・デ・ボン監督)
18位「ヴァレー・ガール」(マーサ・クーリッジ監督)
19位「L.A.大捜査線/狼たちの街」(ウィリアム・フリードキン監督)
20位「L.A.ストーリー/恋が降る街」(ミック・ジャクソン監督)
21位「To Sleep with Anger」(チャールズ・バーネット監督)
22位「レス・ザン・ゼロ」(マレク・カニエフスカ監督)
23位「フレッチ/殺人方程式」(マイケル・リッチー監督)
24位「Mi Vida Loca」(アリソン・アンダース監督)
25位「クラッシュ」(ポール・ハギス監督)

 『サンセット大通り』も『チャイナタウン』も『ブレードランナー』もなければ『エリン・ブロコビッチ』もないし、『モーニング・アフター』も入っていないではないか......。『ハードコアの夜』も『奥さまは魔女』も......どういうことなんだろう......

[Experimental, Psychedelic Rock, Dub] - ele-king

Spacemen 3 / Sun Araw - That's Just Fine / I'm Gonna Cross That River Of Jordan | The Great Pop Supplement

 ロンドンの〈ザ・グレート・ポップ・サプリメント〉レーベルは、アナログ盤とサイケデリック・ロックに並々ならぬ執着を見せているレーベルで、倉本諒も大好きなSilvester Anfangの新作を今年出している。で、そのレーベルからついにというか、サン・アロウとスペースメン3のスプリット盤がリリースされた。当たり前だが、スペースメン3はとっくに解散しているので、再発のときにボーナス・トラックとして収録された初期の曲。
 これ、透明ヴァイナルが赤色で浸食されているというサイケなレコード盤プレスで、ものとしてもフェティッシュな仕上がりとなっている。ま、なんにせよ、新旧のサイケデリック・ロックの出会いというか、いよいよサン・アロウから目がはせなくなった。新作は、自身のレーベル〈サン・アーク・レコーズ〉から、11月にリリースです!  ドリームウェポンのTシャツを着ているサイケデリックなキッズよ、まずはこれを聴いて、旅に出よう。



Tim Hecker & Daniel Lopatin - Uptown Psychedelia | Software

 アンビエントの大物、ティム・ヘッカーと今日のニューエイジ/エクスペリメンタルの先頭を走るOPNとのコラボレーション・アルバム『インストゥルメンタル・ツーリスト』が11月あたりに出るようです。OPNことダニエル・ロパティンのレーベル〈ソフトウェア〉からのリリースになります。"アップタウン・サイケデリア"がアルバムに先駆けてYoutubeにアップされているので、まずはこれ聴いて待ちましょう。
 ほとんどがインプロヴィゼーションになる模様ですが、ティム・ヘッカーのある種の重さとOPNがどのように向き合うのか、注目でしょう!



MiNdToUcHbeaTs - MeMoRieS FRoM THe FuTuRe.

 韓国系アメリカ人女性のビートメイカーと言えばトキモンスタだが、もうひとり、ロサンジェルスのマインドタッチビーツ(MiNdToUcHbeaTs)も多くの人に記憶されるだろう。彼女の新しいシングル「メモリーズ・フロム・ザ・フューチャー(MeMoRieS FRoM THe FuTuRe.)」がフリーダウンロードで発表された。この週末は、彼女のMPC 3000で生まれた10曲、華麗なるヒップホップをぜひお試しあれ。素晴らしいです。

https://mindtouch.bandcamp.com/album/memories-from-the-future

 2010年のアルバム『トゥナイト・アット・ヌーン(ToNight aT NoON)』もまだフリーダウンロードできるので、いまのうちに聴こう。

ALEX FROM TOKYO (Tokyo Black Star, world famous NYC) - ele-king

www.alexfromtokyo.jp

https://soundcloud.com/alexfromtokyo
https://www.facebook.com/pages/Alex-From-Tokyo/
https://soundcloud.com/tokyoblackstar
https://www.facebook.com/pages/Tokyo-Black-Star/
twitter: @alexfromtokyo

9/21 @nublu (NYC)
9/27 Better on Foot @ Red Maple (Baltimore)
10/11-10/22 ヨーロッパ・ツアー
10/30-11/26 日本ツアー

September 2012 indian summer in NYC ecclectic top 10


1
Adrian Sherwood-Survival & resistance LP [On U-Sound]
この夏からずっと家でループで聴いてる素晴らしいダブ・アルバムです!

2
Lindstrom-Ra-ako-st (smalltown supersound)
Lindstromの新アルバムからの久々のダンス・フロアー・キラー!

3
Bing Ji Ling & Alex from Tokyo-Not my day [unreleased]
7月の日本ツアーからずっとプレイしているNYCで一緒に制作したTommy Guerreroバンドの一員でもあるNYC在住のミュージシャンBing Ji Lingとのコラボ作です。

4
Junior Boys- I guess you never been loney (Moody remix) [white label]
Junior BoysとMoodymanによる最強コンビによる不思議でたまらないディ-プな世界です!

5
Hot Chip-How do you do (Todd Terje remix) [domino]
勢いが止まらないTodd Terjeによるまたもやのユーロ・クラブ・アンスムです!

6
Bobby Womack-Love is gonna lift you up (Julio Bashmore remix) [XL]
伝説のソウル・シンガーBobby Womackの黒いヴォーカルをブリストルの話題のUK nu houseの新星Julio Bashmoreがモダンでエレクトロニックにアップリフトしたダンスフロアー・キラーです!

7
Kaoru Inoue-Groundrhythm (The Backwoods remix) [ene records]
日本の野外パーティを思い出してくれる大好きな日本人クリエーターの2人がお届けする最高に気持いいオリエンタルでトリーミーな空間ハウスです!

8
Mitchbal & Larry Williams-Jack the house (Frankie Knuckles remix) [still music]
あのシカゴ・ハウスの名曲のFrankie Knucklesによる幻の未発表リミックスが何と再発として12"カット! これぞHouse Musicです!!

9
Ry & Frank Wiedeman-Howling (Innervisions)
AmeのFrankとLA在住の作曲家&歌手Ryによる今っぽい非常に個性的であるフォーキでロック色の暖かいエレクトロニック・ソウル・ハウス・アンセムです! この間FrankとAmsterdamのクラブTROUWとプレイした時にFrankがライヴのラストで演奏した時にとても盛り上がって鳥肌が立ちました! 次のInnervisionsの新作は何とIan Pooley「Compurhythm」です。

10
Michael Kiwanuka - Tell me a tale (Polydor)
話題のロンドンの若手新世代天才ギタリストーMichael Kiwanukaによる素晴らしい曲です! まさにロンドンを思わせる傑作で、ここ最近の新譜で一番心に来たライヴ演奏曲です。昨日のNYCでの初公演のライヴもとても素晴らしかったです。Jimi Hendrixの"Waterfalls"のカヴァーも感動的でした!

弓J (S) - ele-king

音攻めパーティ「S」@KOARAを不定期開催でオーガナイズ。次回は12/30に年末SP。
奇数月第3火曜「SUPER DRY!」@KOARA、偶数月第1水曜「Radical Simplicity」@bar Jamにレギュラー参加。
その他、都内各所にて活動中。

twitter | S blog

S chart


1
Dense & Pika - Bad Ink - Dense & Pika

2
Frak - 888 - Kontra Musik

3
Rhadoo - Cum oare(intoarcese) - Understand

4
Adam Beyer & Alan Fitzpatrick - Tor - Drumcode

5
Tommy Four Seven - Sevals(Terence Fixmer Mental Drive Remix) - Create Learn Realize

6
Sutekh - Ubu Rex - Orac

7
Jacob Korn - It(Original Mix) - Mild Pitch

8
Planetary Assault Systems - Gt(P.A.S Drone Sector Remix) - Mote Evolver

9
Roger Gerressen - Inked Jester - Wolfskull Limited

10
Alex Cortex - Emergence - Pomelo
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