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Co La

Co La

Daydream Repeater

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野田 努   Dec 01,2011 UP

 リスナーが音楽のなかに快楽とユーモアを求めているなら、通学や通勤のときのげんなりした気持ちを鼓膜を通じてupしたいのなら、本作『デイドリーム・リピーター(夢想中毒者)』を推薦しよう。コ・ラ(Co La)......コカ・コーラ(Coca-Cola)からカ・コ(ca-co)を削除した名義のこれは、バルチモアのドローン/ノイズのバンド、エクスタティック・サンシャインのメンバー、マット・パピッチによるプロジェクトで、そして『夢想中毒者』はそのデビュー作となる。
 『夢想中毒者』は、ある意味ではダブ・アルバムである。しかしこのダブは、キングストンはもとより、ダブステップの重さともベーシック・チャンネルのミニマリズムとも、あるいはハイプ・ウィリアムスの深い酩酊とも、〈ジャータリ〉のロービットともまったく異なっている。ディレイにエコーといったダブのクリシェを多用しながらも、そのドライなポップ・アート的なセンスにおいて過去にあるどんなダブとも一線を画している。キング・タビーのサウンドシステムを地中海に移動して、そしてハウス・ミュージックとフィル・スペクターがミックスされるとしたら......それが『夢想中毒者』のいち部分である。
 ダブでありながらベースが軽いという点も、コ・ラの想像力の豊かさを物語っている。"ビー・マイ・ベイビー"を使ったくだんの曲"ウォナ・セイ・フォー"、あるいはグレイス・ジョーンズの"マイ・ジャマイカン・ガイ"を使った"マイ・ジャマイカ"のように、あるいはザ・グレディエイターズの"ミュージック・メイカーズ・フロム・ジャマイカ"を使った"円滑な団結"なる曲のように、既製品を再利用したループの編集という点ではOPNと同じで、間違いなくレゲエのリスナーよりもOPNないしはジェームス・フェラーロのファンのほうがシンパシーを抱くだろう。いわばベッドルームのポストモダン・ポップ、と同時にアルバム・タイトルが言うように、ポスト・チルウェイヴ/ポスト・スクリューでもある。"カクテル""ストックホルムで燃えているもの""エジプトの桃""ベルギーの枕""グリーンのシャム人"などといった人を食ったような曲名が並んでいる。皮肉っぽいユーモアが込められたアートワークも秀逸で、充分に人目を引くものだ。そして、それはまったくアーシーではない。自動的にダビーなニュアンスを想起させたりはしない。が、しかし、それでもこのアルバムは聴覚的に言って、ダブなのだ。

 バーモント州のカナダとの国境沿いの街、バーリントンを拠点とするカセット・レーベル〈NNA・テープス〉から、ヴァイナルと配信のみのリリース。

野田 努