「IR」と一致するもの

Ghostly Kisses - ele-king

 フランス系カナダ人歌手/マルチ・インストゥルメンタリストであるマルゴー・ソヴェによるプロジェクト「ゴーストリー・キシズ」の新作アルバム『Heaven, Wait』が本年リリースされた。短調のメロデイが印象的なヴォーカル曲集である。モダン・クラシカルの可憐なミニマリズムをエレガントなエレクトロニック・ポップ・ミュージックに落とし込んだ宝石のようなアルバムだ。

 『Heaven, Wait』はケベックの自宅でマルゴー・ソヴェとミニマル/モダン・クラシカル系の作曲家ルイ=エティエンヌ・サンテ(Louis-Etienne Santais)によって録音されたという。
 プロデューサーにはスフィアン・スティーヴンスセイント・ヴィンセントを手掛け、モダン・クラシカル作曲家ニコ・マーリーとのコラボレーション作品『Peter Pears: Balinese Ceremonial Music』でも知られるニューヨークを拠点とする才人トーマス・バートレット(ダヴマン)と、イギリスからザ・ヴァーヴ、ロンドン・グラマーなどを手掛けてきた敏腕ティム・ブランらが招かれた。リリースはヘンリー・グリーンなどで知られるロンドンのレーベル〈Akira Records〉からである。

 ここでゴーストリー・キシズの軌跡を簡単に振り返っておこう。マルゴー・ソヴェは5歳のときにヴァイオリンをはじめ、数年前に曲を書き、歌いはじめた。「ゴーストリー・キシズ」という名は、ウィリアム・フォークナーの詩「Une ballade des dames perdues」を読んでインスピレーションを受けて付けたという。
 まず、ゴーストリー・キシズとしては2015年にファースト・シングル「Never Know」をセルフ・リリースした。2017年にはサンフランシスコのインディ・レーベル〈Turntable Kitchen〉からEP「What You See」を、2018年になるとふたたびセルフ・リリースでEP「The City Holds My Heart」をおくりだした。そして2019年にカナダの〈Return To Analog〉からファースト・アルバム『Ghostly Kisses』を発表する。
 2020年になると〈Akira Records〉からEP「Never Let Me Go」を、2021年には〈Return To Analog〉からアコースティック演奏のEP「Alone Together」をリリースした。
 ちなみに『Heaven, Wait』の共同制作者であるルイ=エティエンヌ・サンテの『Reflection I』(2020)もお勧めしたいモダン・クラシカル・アルバムだ。ミニマルかつ抒情的な旋律が麗しく、まるでシューベルトがミニマル化したようなアルバムである。モダン・クラシカル好きの方は機会があればぜひとも聴いていただきたい。

 このような幾多の楽曲を経て制作された『Heaven, Wait』は、ゴーストリー・キシズの集大成のようなアルバムだ。エレクトロニックでダウンテンポなビートにエレガントなトラックが交錯する美しい楽曲が全10曲収録されている。
 トラックを彩るクラシカルなピアノ、エレガントなストリングス、美麗なエレクトロニクスが、繊細に、緻密に、マルゴーのシルキーな歌声に寄り添うように展開する。何よりアルバムの多くを占めるマイナーコードのメロディがとても胸に迫るのである。
 アルバムは全曲素晴らしいのだが(こんなことはなかなかない!)、初めて聴く方におすすめしたいのは、ティム・ブランがプロデュースを手掛けた “Heartbeat”、“Heaven, Wait”、トーマス・バートレットが手掛けた “A Different Kind Of Love” あたりだろうか。まるで心を沈静する甘く苦いチョコレートのような曲たちだ。また “Blackbirds” もヴォーカルとストリングスの交錯が実に見事である(とここまでで前半5曲すべてになってしまった!)。

 ほんの少しだけ悲しみが満ちているとき、かすかに嬉しいとき、小さな宝石のような美しさに震えたいとき、微細な喪失感を感じているとき、このアルバムの楽曲たちは、あなたの心に潤いを与えてくれるだろう。そして薄明かりがさすような仄かな輝きを放つアルバム最終曲 “Your Heart is Gold” に至ったとき、あなたの心にささやかな救済が訪れるのではないかと思う。そして自然と冒頭の “Heartbeat” をまた聴きたくなるのではないか。
 夜の都市の情景をさりげなく染み込む全10曲は繰り返し聴くことで、日々の暮らしのなかにかすかな憂いや美を与えてくれるに違いない。季節や時間を選ばないモダン・クラシカル/エレクトロニカ・ヴォーカル・アルバムである。

Thundercat - ele-king

 昨日、ついにスタートしたサンダーキャットの来日公演。ドラマーとして同じ〈ブレインフィーダー〉仲間、ルイス・コールが参加するという嬉しい事前告知も手伝って、会場は大いに活気に包まれていた。序盤から全開で炸裂する、驚異的なベースとドラムのコンビネーション。ただただ圧巻のひと言につきます。その恵比寿 The Garden Hall でおこなわれたショウのレポートが早くも到着。
 今夜は大阪、明日は名古屋だ。これを読んで備えましょう。

サンダーキャット、2022年の海外アーティストの
ツアーの幕開けを告げる熱狂のライブ!
この2年を超えて、集まったファン・日本に
最大限の愛を与えた一夜!
抽選で出演者全員のサイン入りポスターをプレゼント!

昨夜The Garden Hallで行われ、称賛の嵐と共に幕を閉じたサンダーキャットの記念すべき日本公演の最速ライブレポートが到着!
今夜の大阪公演、明日の名古屋公演もソールドアウト。この衝撃は見逃し厳禁!!!

Thundercat 2022, May 16 (1st set)
恵比寿The Garden Hall

 今われわれはとんでもないものを見て聴いて体感している。ステージの上にいるのは3人の超人(スーパーサイヤ人)たちなのかもしれない。何度もそう思った。
 サンダーキャットの、本来2020年4月に予定されていた来日公演は、世界中で猛威をふるいはじめた新型コロナウィルスによりあえなく延期され、2021年に再度アナウンスがされたが外国からの入国制限 が厳しく再度延期。今日(2022年5月16日、恵比寿The Garden Hall)で行われているのは再振替公演だ。すべてをいったん白紙に戻しての来日じゃない、“再延期”を経ての実現なのだと謳う気持ちには、サンダーキャットの日本カルチャー、日本のファンへの愛が何の偽りもなく込められていた。
 その熱意が実を結んでのジャパン・ツアー。コロナ禍が沈静したとは言えないまでも、細心の注意を払いつつようやくこうしてライブが叶った。2022年の海外アーティストのツアーとしてはこれが皮切りになるだろうし、東京、名古屋、大阪で連日2回公演を敢行するタフなスケジュールにも「やりたい/見たい」の需要と供給が幸福な関係で成立していると感じた。
 また、この“再再延期”によってもたらされた興奮のなかでも、思いがけないボーナスとなったのが、ツアー・ドラマーとしてルイス・コールの参加がアナウンスされたこと。事実上、サンダーキャット&ルイス・コールによる〈Brainfeeder〉スペシャル・バンドとしての来日が叶ったと言っていい。
 僕が見たのはファースト・セット。先日までのスタンディングでは1メートル間隔で仕切り線が引かれていたフロアも、今日は50センチ間隔。ぎゅうぎゅうとまではいかないが、満員の光景として遜色がない。開演前のBGMは小さめで、マスク越しとはいえ伝わる客席の静かなざわざわのほうがむしろ興奮を高める役割を果たしていたように思う。

 客電が落ち、ステージ後ろのカーテンにサンダーキャットのアイコンが映し出された。バンドはサンダーキャット、ルイス・コール、キーボードにデニス・ハム。待ち望み、待ち望まれていた時間が幕を開ける。
 まだ名古屋(17日)、大阪公演(18日)が残されているのでセットリストの詳細についてはなるべく記述を避けたいが、1曲演奏を終えて感極まるようにサンダーキャットがしゃべった言葉については書いてもいいだろう。
 「俺がどれほど日本に戻ってきたかったかわかるかい。本当にすごく好きなんだ」
 それにしても、このトリオの演奏はすさまじい。ルイス・コールが参加すると聞いたとき、近年のサンダーキャットのヴォーカル・ナンバーの充実を後押しするような感じになるのかなと予想していたが、このトリオでのルイス・コールの役割はスーパー・ドラマーだった。
 僕の立ち位置がステージ右側(ルイス・コール側)だったこともあり、背筋をしゃんと伸ばした上半身は微動だにせず、肘と膝、手首のスナップを最大限効果的に活かして、スネア、ハイハット、キックを驚異的な手数足数で連打しながら、涼しい顔つきでステディにビートを刻むテクニックがとてもよく見えた。
 ジャズ・ミュージシャンとしてのマインドを刺激されたかのようにサンダーキャットもデニスも動きまくる。この3人のインプロなら永遠に見ていられる。しかも、それでいて3人でハモるコーラスもびっくりするほど美しいんだから最高すぎて困った(ファーストセットではほんの一瞬だったので、もっと聴きたかった)。サンダーキャット以外の2人はかなり寡黙というコントラストもばっちりで、演奏面だけでなく人間味としてもシャイネスと超絶の間を自由に行き来する。まさしく現代のインタープレイとはこういうことだ。
 誰もが必ず演奏されると確信していた「I Love Luis Cole」の前には、サンダーキャットとルイスの出会いは、2012年に22歳の若さで世を去ったオースティン・ペラルタの引き合わせだったエピソードが語られた。オースティンから「楽器を持ってきてくれ」と呼び出されたサンダーキャットがLAのクラブに来てみると、そこにフレディ・クルーガー(『13日の金曜日』の)みたいな顔つきでルイスがいて、実はオースティンが最初から2人をセッションさせるつもりで仕組んだというくだり。だから、ルイス・コールと一緒に「I Love Luis Cole」をこうして演奏することは、オースティン・ペラルタへのトリビュートでもあるのだ。
 こういうところが、サンダーキャットが愛される理由のひとつだと実感する。超絶なベース・プレイヤーで、最高にスウィートなソウル・シンガーで、変態的だがメロウなコンポーザーで、日本のアニメやゲームカルチャーに没入した“OTAKU”であり、そんな自分に正直で親しみやすいキャラクターというそれぞれの側面に独自のフックはあるが、根本にあるのは自分の愛を惜しまずに誰かに与えること。彼の愛し方が、音楽ジャンルを超えて人を自由にする。

 英語の“tribute”は今では“影響を受けた曲をカヴァーすること”と同義語のように扱われている。それだと“もらう”とか“借りる”みたいな印象を持ってしまうが、本来は“与える”という由来の語源を持つ。
 オースティン・ペラルタ、マック・ミラー、MF ドゥーム、ジャコ・パストリアス、チック・コリア、そしてコロナ禍で亡くなった友人たちにも。故人ではなくとも自分を育てたアニメ/ゲーム・カルチャーの担い手である渡辺信一郎や中村正人、実兄でドラマーのロナルド・ブルーナー・ジュニア(兄弟が少年時代にテレビ争いでケンカしていたエピソードはかわいかった)にも、自分のやり方で愛を。そして、大変な状況だったこの2年を超えて、ここに集まったファンにも最大限の愛を。
 サンダーキャットはまさに“愛を与える人”だと心から思った一夜だった。

text by 松永良平


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なお、現在BEATINKオフィシャルサイトにてサンダーキャット最新グッズを受注受付中!

THUNDERCAT JAPAN TOUR 2022 T-SHIRT
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自転車界の常識を覆す
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新版にて再登場!

自転車乗りにとっての
本当に必要な装備と知識とは何か
実は不要なモノとは、
フェイクな情報とは何か
アメリカ西海岸発のちょっと過激でユーモラスで、
魅力たっぷりの文章で書かれた自転車入門のベストセラー

アメリカで、人気自転車コラムニストであり、自転車ブランドのリヴェンデルを主宰する米自転車界のカリスマ、グラント・ピーターソンによる、自転車界の常識を覆す、自転車入門ガイド。
自転車の乗り方、必要な装備 (必要だと言われているが、実は不要な装備)、安全性の考え方、健康とフィットネスにおいて自転車はどこまで有効なのか、必要なアクセサリーとは何か、より安く効率的な洗車の仕方、そして自転車哲学まで。自転車界で言われている常識を覆しながら、実践的な知恵や情報を惜しみなく提案する。
私たち、レーサーでもない趣味の自転車乗りは、レーサーよりももっと自由に、もっとお洒落に自転車を楽しめるという特権がある。自転車に関する間違った知識を払拭し、自転車がボロボロになるまで乗りこなそう!

グラント・ピーターセン Grant Petersen
サンフランシスコの自転車メーカー、リヴェンデル(Rivendell)の設立者。ライターとしては『Bicycling』、『Outside』、『Men's Journal』など、多くのメジャーなアウトドア雑誌/自転車雑誌に寄稿。著書に『Eat Bacon, Don't Jog: Get Strong. Get Lean. No Bullshit.』(2014年)がある。

沼崎敦子 Atsuko Numasaki
上智大学新聞学科卒。主な訳書に『R.E.M.ストーリー』、『ガンズ・アンド・ローゼズ』、『プリンス A POP LIFE』、『自伝 裸のジョージ・マイケル』、『トゥルー・カラーズ シンディ・ローパー自伝』、『トータル・パフォーマー ローリー・アンダーソン』など多数。ちなみに本人はバイクライダーでなくジョガー。

BLUE LUG
東京に3店舗構える自転車屋。Rivendell の取り扱いは2014 年から。著者であるグラントから直接教えを乞い、技術はもとより、思想を学ぶ。自転車屋としての日々の修理・メンテナンス業務のかたわら、Just Ride な考え方の普及に尽力。もちろん Rivendell の自転車の購入も可能。https://bluelug.com/

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
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Rakuten ブックス
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紀伊國屋書店
honto
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mibon本の通販(未来屋書店)

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三省堂書店
丸善/ジュンク堂書店/文教堂/戸田書店/啓林堂書店/ブックスモア
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有隣堂
TSUTAYA
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* 追ってリンク先を追加予定。

訂正
このたび は弊社商品をご購入いただきまして誠にありがとうございます。
『新版ジャスト・ライド——ラディカルで実践的な自転車入門』において、
13ページの13行目の(約3,500キロ)は(約35.000キロ)の誤りです。
謹んで訂正いたしますとともに、
お客様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

Ron Trent - ele-king

 彼が16歳のときに発表した “Altered States” は、いまなお色褪せぬエレクトロニック・ミュージックのクラシックだ。シカゴ・ディープ・ハウスの重要人物、ロン・トレントがなんと11年ぶりに新作『What Do The Stars Say To You』をリリースする。新名義「ウォーム(WARM)」の名のもと放たれる同作では、トレント自身によってプレイされたドラムやキーボード、ギターがエレクトロニクスと融合されているという。ゲストも豪華で、クルアンビンアジムスのふたり、ジャン=リュック・ポンティ、ジジ・マシンと、そうそうたる顔ぶれだ。さらにはフランソワ・ケヴォーキアンによってミックスされてもいるらしい。生ける伝説の現在を、この耳でたしかめたい。

Ron Trent, Francois Kevorkian
「ハウス・ミュージックの伝説」として第一線で活躍を続けるロン・トレント
11年ぶりの最新作を発表!!!
CDはフランソワ・ケヴォーキアンによる超スペシャル・ミックス音源!!!

クルアンビン、イヴァン・コンチ(アジムス)、
アレックス・マリェイロス(アジムス)、ジャン=リュック・ポンティ、
そしてジジ・マシンら超豪華ゲストが参加!!!

アーティストが監修を務めるオリジナル・コンピレーション・シリーズで人気を博す〈Late Night Tales〉から派生した姉妹レーベルで、第一弾アーティストのクルアンビンがいきなり世界的ブレイクを果たし、その独特の美学が評価を高めているレーベル〈Night Time Stories〉より「ハウス・ミュージックの伝説」として、さらには超一流のミュージシャン/ソングライター/プロデューサーとして第一線で活躍を続ける、ロン・トレントの最新アルバム『RON TRENT PRESENTS WARM: What do the stars say to you』が6/17にリリース! 現在、アルバムからクルアンビン参加の新曲のMVとアルバム・サンプラーが公開されている。

Ron Trent presents WARM - Flos Potentia (Sugar, Cotton, Tabacco) feat. Khruangbin (Official Video)
https://youtu.be/8dXR5B8GDuA

Ron Trent presents WARM - What do the stars say to you (Album Sampler)
https://youtu.be/0fU31j2S4hc

アルバムの参加ゲストとしては前述のクルアンビンに加えて、ブラジルの伝説的バンド、アジムスのドラマー、イヴァン・コンチとベーシストのアレックス・マリェイロス、フランスのジャズ/フュージョン界のスター、ジャン=リュック・ポンティ、そしてアンビエントのパイオニア、ジジ・マシンといった面々が名を連ねており、マスタリングはフランソワ・ケヴォーキアンが手がけた超豪華なコラボレーション作品となっている。

また、作品中ドラム、パーカッション、鍵盤、シンセ、ピアノ、ギターなどをロン自身が奏でており、生楽器とエレクトロニクスの調和がディープで陶酔的なサウンドを生み出している。ジャズ・ファンク、ポップ、ニュー・エイジ、ニューウェーブ、コズミック、バレアリック、サンバ、アフロビート、ラテンロック他……彼の飽くなき探究心で培われた音楽的豊かさが詰め込まれたキャリア最高傑作がここに誕生している。

本作はCDとLPで6/17にリリースされ、CDはフランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源となっており、5曲のボーナス・トラックが収録、更に国内流通仕様盤CDには解説が封入される。
また、LPにはアンミックス音源が収録され、通常のブラック・ヴァイナルと限定のホワイト・ヴァイナルで発売され、フランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源とアンミックス音源、両方のDLコードが付属する。

label: Night Time Stories / Beat Records
artist: Ron Trent, Francois Kevorkian
title: RON TRENT PRESENTS WARM: What do the stars say to you
release date: 2022.06.17

国内流通仕様盤CD BRALN68 定価 ¥2,100+税(税込 ¥2,310)
国内盤特典:解説封入

ご予約はこちら:
BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12808

TRACKLISTING


CD tracklist
フランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源、5曲のボーナス・トラック入り
*がボーナストラック

01 Melt into you feat. Alex Malheiros (Azymuth)
02 Cool Water feat. Ivan Conti (Azymuth) and Lars Bartkuhn
03 Flos Potentia (Sugar, Cotton, Tabacco) feat. Khruangbin
04 The ride*
05 Cycle of Many
06 In the summer when we were young*
07 Flowers feat. Venecia
08 Sphere feat. Jean-Luc Ponty
09 Admira feat. Gigi Masin
10 Endless Love*
11 Rocking You*
12 WARM
13 On my way home
14 What do the stars say to you
15 Cool Water Interlude*


Vinyl tracklist
フランソワ・ケヴォーキアンによるミックス音源とアンミックス音源、両方のDLコードが付属

A1. Cool Water feat. Ivan Conti (Azymuth) and Lars Bartkuhn
A2. Cycle of Many
A3. Admira feat. Gigi Masin
A4. Flowers feat. Venecia
A5. Melt into you feat. Alex Malheiros (Azymuth)
B1. Flos Potentia (Sugar, Cotton, Tabacco) feat. Khruangbin
B2. Sphere feat. Jean-Luc Ponty
B3. WARM
B4. On my way home
B5. What do the stars say to you

black midi - ele-king

 昨年意欲的なセカンド・アルバム『Cavalcade』を送り出したロンドンのバンド、ブラック・ミディ紙エレ最新号のインタヴューで「新しい実験をいくつかやってみた」「ポップな感じの曲を作って、その極論まで突き詰めてみた」「いままでで最高の作品になる」と次の作品について語っていた彼らだが、ついにそのサード・アルバムのリリースがアナウンスされた。題して『Hellfire』、7月15日発売。

 そしてさらに喜ぼう。コロナにより延期となっていた来日公演が、ようやく実現することになった。12月4日東京 SHIBUYA O-EAST、5日大阪 UMEDA CLUB QUATTRO、6日名古屋 NAGOYA THE BOTTOM LINE。前売券をお持ちの方など、詳しくは下記をご確認ください。

black midi
地獄の業火、環状高速道路M25、燃え盛る炎、27個の謎
一体我々はどこへ辿り着くのか.....
ブラック・ミディ最新アルバム『Hellfire』堂々完成。
延期となっていた来日公演も遂に実現!!

『Cavalcade』がドラマだとしたら、『Hellfire』は壮大なアクション映画のようだ - ジョーディ・グリープ

圧巻の演奏スキルと爆発的イマジネーションで次世代UKロック・シーンの中でも突出した存在感を放つカリスマ、ブラック・ミディが衝撃のセカンド・アルバム『Cavalcade』に続く最新アルバム『Hellfire』を7/15にリリース。同作からのリード・シングル「Welcome To Hell」が公開された。戦争の恐怖から闇堕ちした兵士を歌った楽曲はファンキーなギター・リフと破壊力抜群のホーン・セクションが目まぐるしく展開していくブラック・ミディらしいハードコアなプログレッシヴ・ロックで、オフィシャルMVは「Slow」のビデオも監督したグスタフ・ホルテナスが手掛けている。

black midi - Welcome To Hell
https://www.youtube.com/watch?v=Efmq_uXt1Rk

『Cavalcade』リリース後、ロックダウンが続くロンドンで制作されたアルバムは前作のメロディやハーモニーを踏襲しながら、1stアルバム『Schlagenheim』にあった性急で凶暴なバンド・アンサンブルが復活し、希薄になっていく現代社会の道徳を炙り出す様々なストーリーが一人称で語られていく一貫したコンセプトが敷かれている。またプロデュースはバンドの新たな代表曲としてリスナーに熱烈な支持を集めた「John L」を手掛けたマルタ・サローニを迎え、これまでにないほどブラック・ミディの音楽の領域の広さや力強さ、強力なプロダクションを見せつけている。

2022年7月15日(金)に世界同時発売される本作の日本盤CDおよびTシャツ付限定盤には解説および歌詞対訳が封入され、ボーナス・トラックとしてステューヴ・アルビニ録音によるライヴ音源を追加収録。アナログは通常/限定盤ともに初回生産分にはアルバム・アートワークを手がけたデヴィッド・ラドニックによる日本語帯付仕様でのリリースとなる。本日より各店にて随時予約がスタートする。


待望の来日公演の振替日程が決定!

black midi JAPAN TOUR 新日程
2022/12/4 (SUN) 東京 SHIBUYA O-EAST (1st SHOW / 2nd SHOW)
2022/12/5 (MON) 大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
2022/12/6 (TUE) 名古屋 NAGOYA THE BOTTOM LINE

昨年9月に予定しており新規入国禁止措置により延期となっていたブラック・ミディのジャパンツアーの振替公演の日程が下記の通り確定しました。ご協力いただいた関係各位、とりわけ前売チケットをご購入いただき、振替日程の発表を長期間お待ちいただきましたお客様には厚く御礼申し上げます。

既にお持ちのチケットは対応する各都市の振替公演にそのまま有効となります。大切に保管していただくようお願い申し上げます。

新しい公演日程に都合がつかないお客様には、お買い求めになられたプレイガイドより払戻しいたします。払戻数が確定後、キャパ制限などの状況に応じた枚数の前売チケットの販売を再開する予定です。チケット購入を希望される方は新たな発表をお待ちください。
※チケット紛失等に関しましては対応致しかねますのでご注意下さい。

詳細はこちらから:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11891


label: BEAT RECORDS / ROUGH TRADE
artist: black midi
title: Hellfire
release date: 2022/07/15 FRI ON SALE

国内盤CD
解説書・歌詞対訳封入
RT0321CDJP ¥2,200+税


国内盤1CD+Tシャツ付き
サイズS・M・L・XL
¥6,200+税


輸入盤LP(限定レッド/初回限定日本語帯付仕様)
RT0321LPE 2,850+税


輸入盤LP(初回限定日本語帯付仕様)
RT0321LP 2,850+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12794

Tower Records: https://tower.jp/artist/discography/2729064

TRACKLISTING
01. Hellfire
02. Sugar/Tzu
03. Eat Men Eat
04. Welcome To Hell
05. Still
06. The Race Is About To Begin
07. Dangerous Liaisons
08. The Defence
09. 27 Questions
10. Sugar/Tzu (Live at Electrical Audio, Recorded by Steve Albini) *Bonus Track for Japan
11. Still (Live at Electrical Audio, Recorded by Steve Albini)
*Bonus Track for Japan

Syd - ele-king

 想像してみてほしい。このミュージシャンは2017年にソロ・デビュー作『Fin』で称賛を浴び、母体であるジ・インターネットでは翌年『Hive Mind』をリリース。バンドでのツアーを成功のうちに終わらせ、評価を盤石のものとした。さて、2作目のソロ・アルバムの制作に着手しよう。情熱的な恋愛、自らが渦中にいるその恍惚としたクリエイティヴィティを作品にも投影するのだ。アルバム・タイトルは『In Love』でどうだろう。いかにも愛に満ちた作品ができ上がるはずだ。

 しかし、状況は一変する。2020年にパンデミックがはじまる。突如として大失恋を経験する。さて、制作は道半ば、『In Love』どころではない。この絶望のなかでどうやって創作活動に打ち込めばよいのだろう。もう投げ出したい。癒されたい。仕方ないので読書をしよう。エクササイズに打ち込もう。少しずつ、前に進んでいこう。そうやって、音楽をまた生み出していこう──。

 これはシドの身に降りかかった事実としての出来事であり、いかに今回の作品がパーソナルな苦しみのなかで感情のアップダウンに振り回されながらもなんとか完成を迎えた、苦難の末の産物かがわかるだろう。結局今作は『Broken Hearts Club』というタイトルに落ち着き、失恋にどっぷりと浸かったリリックやヴォーカルが随所で感じられる。けれども今作が興味深いのは、ただ内省に向かうだけでないその一歩先までもが表現されている点だ。つまり、シドは吹っ切れているのである。

 『Fin』で披露されたスタイリッシュでドープなトラップ~モダンR&Bの手つきは、今作ではあまり顔を覗かせることはない。戦略的にジ・インターネットとは異なるスタンスが宣言された前作と比較し、『Broken Hearts Club』ではもっとオーガニックで飾らないシドのグルーヴを聴くことができる。開き直ったとも言うべきこのパフォーマンスは、リスナーの期待を良い意味で裏切るだろう。実際、私も一聴してやや動揺し、その後すぐさま大笑いしてしまったのだ。R&Bシンガーにしては “歌い上げる” ことに禁欲的であり、渋く抑制された歌唱にそのアイデンティティを認識していた者も多いだろうに、今作ではとにかく感情の揺れが激しい。“CYBAH” のド派手にエコーするドラム──プリンスのような官能的なファンク・トラック!──へと絡みつく心地良くアトモスフィリックな歌。“Tie the Knot” のミニマルなビートにさりげなく添えられる控えめなフロウ。“Fast Car” の刻まれるダンサンブルなリズムに乗る爽やかな声。しかも、この曲は終盤に大仰なエレキギター・ソロが炸裂し、80’s モードが極まる。前作では絶対に聴けなかったであろう、ベタでストレートな芸当だ。

 ロドニー・ジャーキンスがプロデュースに入った “Control” はまさしくアリーヤやブランディを彷彿とさせるし、“Getting Late” は不穏な固いベースが敷かれたホラー・タッチを匂わせる。“Out Loud” の牧歌的でヘルシーな空気感はケラーニとの良き関係性が伝わってくるようだ。特筆すべきは “Goodbye My Love” で、「泣かずに歌えるようになるまで時間がかかった」と本人が述べるこの曲はもはや「歌が感情に乗っている」と称してよいくらいにエモーションが渦巻いている。

 散漫といえば散漫なのだが、それら激しい起伏を “アリ” にしてしまうシドの等身大の息づかいが作品全体を包みこみ、不思議な統率力を発揮している。技術やトレンドといった前作に投影されていた要素から一歩進み、キャラクターから醸し出される人間味が立っているからだろう。ゆえに、プロデューサー/シンガーとしてこれまでシドに抱かれていたエッジィなパブリック・イメージは、恐らく良い意味で更新/拡張されるに違いない。“Goodbye My Love” で「We had too put ourselves first for once(=私たちは一度だけ自分自身を優先しなければならなかった)」と歌うシドは、これまでで最も “自らのために” 『Broken Hearts Club』を作り上げ、歌っている。その身軽さは創作行為において尊ばれるものであり、事実 “Fast Car” で鳴る豪快なギター・ソロも、“Goodbye My Love” で音の波に耽溺する繊細な歌唱も全てがシドそのものであって、彼女はもう演じることを必要としていない。この素朴さこそがいまのシドの魅力なのだ。

 グループの中枢を担うこの人物の前進は、恐らくジ・インターネットにも新たなヴァイブスを与えるに違いない。難しい顔をして頭で考えて聴くよりも、音に身をゆだね、陽射しを浴びながら聴くべき作品であろう。将来ディスコグラフィを振り返った際に重要な分岐点になっているに違いない注目すべき新たな一手、その幸福で柔らかな揺らぎをつかむべく──。

[参考]
https://www.wmagazine.com/culture/syd-internet-broken-hearts-club-new-album-interview
https://uproxx.com/music/syd-interview-broken-hearts-club/

Undefined - ele-king

 こだま和文との共作10インチ「New Culture Days」(2018)や、ヤング・エコーライダー・シャフィークを迎えた「Three」(2019)などでじわじわと注目を集めてきた気鋭のダブ・ユニット、Undefined が初のフルレングスをリリースしている。
 元 HEAVYMANNERS で〈Newdubhall〉を運営するサハラと SOUL DIMENSION のオオクマから成るこのユニットは、オーセンティックなルーツ・サウンドもデジタル・サウンドも、さらにはテクノ以降のミニマル・ダブも踏まえたうえで新たなスタイルを探求しているチャレンジャーだ。
 待望のファースト・アルバムは8曲収録のLPに2曲入りの7インチが付属する仕様で、ポートランドの人気レーベル〈ZamZam Sounds〉傘下の〈Khaliphonic〉からのリリース。2022年、押さえておきたいダブ作品の筆頭になること間違いなしです。チェックしておきましょう。


artist : Undefined
title : Defined Riddim
label: ZamZam Sounds / Khaliphonic

[tracklist]

LP:
A1 Victims feat. Paul St. Hilaire
A2 Array
A3 After Effect
A4 Second Floor
B1 Mango Step
B2 Tech In Black
B3 Three feat. Rider Shafique
B4 Untitled

7”:
A Into The Light feat. Ras Dasher
B Into The Dub

B.B. King - ele-king

 〈Pヴァイン〉の「VINYL GOES AROUND」シリーズ、次なる新作はなんとブルースの王者、B・B・キング。1957年のファースト・アルバム『Singin' The Blues』と1960年作『The Great B.B.King』がオビ付きの180g重量盤としてリイシューされる。さらに、同2枚をモティーフにしたTシャツも限定販売。LPとのセットもあり。これまた見逃せないアイテムの登場だ。詳細は下記をチェック。

B.B.KINGのクラウン時代の人気作『Singin' The Blues』『The Great B.B.King』が帯付き重量盤仕様で待望のリイシュー! VINYL GOES AROUNDにてTシャツの限定販売も決定!

言わずと知れたブルースの王者、B.B.KING。彼がCrown Recordsに残したアルバムから、ファースト・アルバムにしてR&Bチャート5週連続1位に輝いたブルース史上最高の名盤の1つである『Singin' The Blues』と、傑作「Sweet Sixteen」を筆頭に脂ののった彼の演奏が詰まった『The Great B.B.King』を帯付き重量盤仕様でリイシューします。

そしてその2作品のジャケット・デザインを使用したTシャツをVINYL GOES AROUNDにて限定販売することも決定しました。

ブルースの神髄が存分に堪能できるB.B.の名作とその魂を込めたTシャツ、是非この機会にチェックしてください。

B.B.KING『Singin' The Blues』『The Great B.B.King』LP,T-Shirts 予約ページ
https://vga.p-vine.jp/exclusive/

[商品情報①]
アーティスト:B.B. KING
タイトル:Singin' The Blues
品番:PLP-7824
フォーマット:LP(180g重量盤)
価格:¥4,400(税込)(税抜:¥4,000)
発売日:2022年6月8日(水)
レーベル:P-VINE
★初回限定生産 ★帯付き

■トラックリスト
A1. Please Love Me
A2. You Upset Me Baby
A3. Every Day I Have The Blues
A4. Bad Luck
A5. 3 O'clock Blues
A6. Blind Love
B1. Woke Up This Morning
B2. You Know I Love You
B3. Sweet Little Angel
B4. Ten Long Years
B5. Did You Ever Love A Woman
B6. Crying Won't Help You

[商品情報②]
アーティスト:B.B. KING
タイトル:The Great B.B.King
品番:PLP-7825
フォーマット:LP(180g重量盤)
価格:¥4,400(税込)(税抜:¥4,000)
発売日:2022年6月8日(水)
レーベル:P-VINE
★初回限定生産 ★帯付き

■トラックリスト
A1. Sweet Sixteen (Pts 1&2)
A2. (I'm Gonna) Quit My Baby
A3. I Was Blind
A4. Just Sing The Blues (aka What Can I Do)
A5. Someday Baby (aka Some Day Somewhere)
B1. Sneakin' Around
B2. I Had A Woman (aka Ten Long Years)
B3. Be Careful With A Fool
B4. Whole Lotta' Love (aka Whole Lot Of Lovin')
B5. Days Of Old

[商品情報③]
アーティスト:B.B. KING
タイトル:Singin' The Blues Original T-Shirts
品番:VGA-1025
フォーマット:Tシャツ
カラー:BLACK / WHITE / SKY
サイズ:S M L XL 2XL
価格:¥5,280(税込)(税抜:¥4,800)
期間限定受注生産(~5月30日まで)

※受注期間が終了しましたら各デザイン一色のみの販売となります。
※商品の発送は 2022年7月上旬ごろを予定しています。
※限定品につき無くなり次第終了となりますのでご了承ください。
※Tシャツのボディはギルダン 2000 6.0オンス ウルトラコットン Tシャツになります。

[商品情報④]
アーティスト:B.B. KING
タイトル:Singin' The Blues Original T-Shirts + LP
品番:VGA-1026
フォーマット:Tシャツ+LP
Tシャツカラー:BLACK / WHITE / SKY
Tシャツサイズ:S M L XL 2XL
価格:¥9,350(税込)(税抜:¥8,500)
期間限定受注生産(~5月30日まで)

※Tシャツは受注期間が終了しましたら各デザイン一色のみの販売となります。
※商品の発送は2022年7月上旬ごろを予定しています。
※限定品につき無くなり次第終了となりますのでご了承ください。
※Tシャツのボディはギルダン 2000 6.0オンス ウルトラコットン Tシャツになります。

[商品情報⑤]
アーティスト:B.B. KING
タイトル:The Great B.B.King Original T-Shirts
品番:VGA-1027
フォーマット:Tシャツ
カラー:BLACK / NATURAL / SPORT GRAY
サイズ:S M L XL 2XL
価格:¥5,280(税込)(税抜:¥4,800)
期間限定受注生産(~5月30日まで)

※受注期間が終了しましたら各デザイン一色のみの販売となります。
※商品の発送は2022年7月上旬ごろを予定しています。
※限定品につき無くなり次第終了となりますのでご了承ください。
※Tシャツのボディはギルダン 2000 6.0オンス ウルトラコットン Tシャツになります。

[商品情報⑥]
アーティスト:B.B. KING
タイトル:The Great B.B.King Original T-Shirts + LP
品番:VGA-1028
フォーマット:Tシャツ+LP
Tシャツカラー: BLACK / NATURAL / SPORT GRAY
Tシャツサイズ:S M L XL 2XL
価格:¥9,350(税込)(税抜:¥8,500)
期間限定受注生産(〜5月30日まで)

※Tシャツは受注期間が終了しましたら各デザイン一色のみの販売となります。
※商品の発送は 2022年7月上旬ごろを予定しています。
※限定品につき無くなり次第終了となりますのでご了承ください。
※Tシャツのボディはギルダン 2000 6.0オンス ウルトラコットン Tシャツになります。

インフル病みのペトロフ家 - ele-king

 作中の現在時は2004年、ロシア連邦中部の大都市エカテリンブルクを舞台に、トロリーバスの通路中央に主人公ペトロフがたたずむ場面で幕をあける。自動車工のペトロフは目の下にクマをつくった生気のない表情でつねに咳きこんでおり、みかねた女性客が席をゆずろうと「ガン患者なのか」と声をかけると「インフルエンザだ」とかえす。女のもうしでを断ったペトロフがふらふらと車内前方に歩をすすめるとやおらバスは停車し、プロレスの覆面をかぶったテロリスト風の男が彼を車外につれだし銃を押しつけたかと思うと、目隠しのうえ両手を縛られた政治犯と思しき男女数名の銃殺刑の片棒をかつがされる、その一部始終を無表情の乗客がトロリーバスの熱でくもった窓ごしにながめている──ここで「Петровы в гриппе」なるロシア語のタイトルバック、英語では「Petrovs in The Flu」すなわち『インフル病みのペトロフ家』である。

 ここまで開始から5分もない。熱に浮かされたような矢継ぎ早の展開に観るものは眩暈をおぼえるが、語り口は場面転換しながら別々の空間を描くのではなく、時間と空間の継起をおりこんでいるので混乱をきたすほどではない。そのため作品全体を表層とは裏腹の明晰さが一貫するが、明晰夢なる用語が存在するように夢の夢たるはただ夢の切迫感に由来するのではなく、夢みていることを知りながらみる夢もある。『インフル病みのペトロフ家』をみるとはそのような状態であり、全体はいくつかの部分にわかれるのだが、それらは分節化し併存するというよりは、階層化したがいに嵌入しながらハレーションを生み出していく。
 監督は本作が2018年の『LETO ‒レト‒』以来となるキリル・セレブレンニコフ。ユダヤ人の父とウクライナ人の母をもち、モスクワの北東部ロストフに生まれたセレブレンニコフははじめ演劇分野で頭角をあらわし映画に進出したのは前世紀末。爾来演出家兼映画監督として活動するなかで10本ちかい作品を世におくりだしているが、2017年には国からの演劇予算の不正流用の疑いで自宅軟禁状態になった。一説によると、セレブレンニコフがロシアのジョージア、クリミアへの侵攻やLGBTへの抑圧を批判した咎ともいうが、『インフル病みのペトロフ家』はそのような状況下でアレクセイ・サリニコフの小説をもとに脚本を書きすすめることからはじまったのだという。

 先に述べたとおり、現在時は2004年である。そこに1976年と1990年代というふたつの時制が混入する。76年は1917年のロシア革命から60年の節目の年を目前にひかえた年であり90年代──というだけで具体的な設定はあきらかにされていない──はソヴィエト連邦が崩壊する十年紀である。主人公ペトロフは76年の時点で4歳なので72年生まれの私の同級生だが、それはさておき、日本では72年の2月に浅間山荘事件がおこり5月15日には沖縄が本土に復帰している、そのような時代背景のもと、76年のエカテリンブルクでは年の瀬の風物詩ヨールカ祭り──正教会の新年祭、もみの木を飾りつけ、サンタクロースを思わせるマロースおじいさんと雪むすめが子どもたちへ贈りものをとどける──が盛大に催されつつあり、お祭りにでかける内気な4歳のペトロフと母(父とともに家のなかではなぜか全裸)と、ヨールカ祭には欠かせないおじいさんや雪むすめやクマや雪だるまに扮した若い役者たちの人間模様と、おそらく当人たちの記憶にものこらないであろう、一瞬の交錯が76年の世界の主題となる。
 セレブレンニコフは4歳のペトロフと、主要人物のひとりである雪むすめ役のマリーナをきりかえすように描くなかで出来事の立体化をはかるのだが、そのさい各自の主観ショットに仕掛けをほどこし性格を描きわけている。たとえば4歳のペトロフの主観はローポジションの視点そのものに純化する(ペトロフの身体は消失する)が、マリーナの場合、視界に入る男性はなぜだか全裸になるといった具合に。ただし本作ではこれらの内面描写がなにを意味するか、説明らしい説明はない。ただそのようなものとして視覚化する。そのように考えると、ペトロフの両親ともに家のなかでつねに全裸なのはペトロフの目に映る影像として現象していただけなのかもしれない。そのような主観の歪みは妄想や狂気、ときにはオイディプス的な解釈も可能だろうし、事実彼らはそのようにふるまうが、おかしいのは人物だけではない。すべてが狂っており、狂気に染まった空気はあたかも感染するかのように、70年代、90年代、2000年代の時制の隔たりを浸食し『ペトロフ家』のすみずみに満ち満ちていく。
 たとえば2004年の世界におけるペトロフの離婚した元妻ペトロワは女性を抑圧する男性への暴力衝動がおさえられず、攻撃はときに殺人にエスカレートする。他方でペトロフ家の一粒種のセリョージャは口うるさい図書館司書の母よりも、マンガを描くのが趣味の父になついており、離婚したのちも父の訪問を心待ちにしている。ちなみに息子の名であるセリョージャは1990年代の世界で、偉大な作家の列に加わるべく、ペトロフの手により念願かなってピストル自殺を遂げる作家志望の友人の名をとっているので、父子関係はペトロフの幼少期ばかりか90年代をも反復している。当の息子は本作では数少ない穏当なキャラクターだが、ペトロフ家という空間に内在するかぎりその象徴体系は狂気におびやかされつづけるであろう。

 いうなれば『ペトロフ家』はイデオロギーと経済と軍事において異質さを無意識のように潜在させるロシア的空間における、その最小の構成単位である家族の物語であり、いかにハチャメチャであろうとも、というよりむしろ荒唐無稽であればあるほど、家族という閉域特有の切迫感が逆説的にうかびあがる。むろん映像表現でそれをなしえるのはメカニカルな撮影技法であり、なかでも長回し──90年代のパートでは複雑な場面転換と動きのあるまるまる18分を撮りきっている──移動ショットあるいはアクションなどは場面の転換と連結を担い、その滑らかさが『ペトロフ家』におけるイメージの跳躍台となっている。むろんミニチュアなどの小道具やアニメーションやロケーションや音楽も虚構のリアリティを下支えする重要な要素である。ことに前作となる2018年の『Leto-レト-』では80年代のソ連でTレックスやツェッペリンやデヴィッド・ボウイにいれあげる若者たちを描いたセレブレンニコフだけあって音楽の使い方ひとつとっても芸が細かい。一例をあげると、哲学者ヴィーチャ宅で友人イーゴリとペトロフとが酒盛りをする場面(時制は2004年)、政治や宗教に悪態をつきつづけるヴィーチャが手にしたカセットを小ぶりなデッキに入れてボタンを押すとニック・ケイヴとバッド・シーズの “Tupelo” がおごそかにながれはじめる。
 この曲は85年のセカンド『The Firstborn Is Dead』(〈Mute〉)の1曲目で、作中の会話でオーストラリアが話題になる(そしてそれは物語の重要な伏線となる)ことから豪州出身のニック・ケイヴを連想したと思しいが、ケイヴはじっさい旧共産圏で、ストーンズやヴェルヴェッツといったビッグネームにおとらぬ人気を誇っていた。いささか牽強付会だが、先日レヴューしたソニック・ユースがさきごろ Bandcamp に発表したライヴ音源『Live In Kyiv, Ukraine 1989』によせたコメントで、ウクライナ出身で多国籍ジプシー・パンクバンド「ゴーゴル・ボールデロ」をひきいるユージン・ハッツは以下のように述懐している。すなわち「ニック・ケイヴ、ノイバウテン、ピストルズ、ディスチャージにはなれっこだったけど、ソニック・ユースこそ僕らが必要としていた新しいビタミン剤だった」
 いうまでもなく1989年、ウクライナはいまだソヴィエト連邦に属していた。SYは前年にリリースした『Daydream Nation』の成功を受け、やはりまだソ連だった現リトアニアのヴィリニュスからレニングラード~モスクワを経てウクライナのキーウをめぐるツアーに出た。上の発言の主であるユージン・ハッツが足を運んだのは地元キーウの回でいかにペレストロイカ体制下だったとはいえ、殺気にちかい熱気に満ちた音源を耳にすればSYへの期待が尋常ならざるものなのがわかる。この時点でSYはすでにアングラの帝王というよりオルタナのモーセであり、同年ボン・ジョヴィらヘアメタル勢が大挙しておしよせたモスクワ・ミュージック・ピース・フェスティヴァルに共産圏における文化親善大使の座は奪われたものの、リスナーにもたらした影響において比較にならないほどの深度だった(なにせ、ハッツはSYのライヴをみてニューヨーク行きを決意したというのだから)。

 80年代前半のニック・ケイヴもおそらく似たような役割を担っていた。むろんそのような存在もやがてノスタルジーの対象にならないともかぎらない。事実『ペトロフ家』の字幕翻訳を担当した守屋愛がセレブレンニコフの発言を引くかたちで指摘するように本作をみた「ロシアの観客の感想は、昔を懐かしんでノスタルジーにひたり、共感するものがほとんど」だったという。彼らの感想はリアリティの傍証でもあるが、セレブレンニコフの語りはむろんまっとうなノスタルジーにとどまらない。ソクーロフ的長回しに、ブニュエル風の飛躍、クストリッツァ的群衆性、咳つながりで『ヴァンダの部屋』ならぬ『ペトロフ家』などといいだしたら、そいつの額に手をあて熱をたしかめたほうがよさそうだが、どんな妄言や妄想もトロリーバスさながら乗っけてしまう『インフル病みのペトロフ家』のバフチン的な、すなわちきわめてロシア的なカーニヴァル性はコロナが世界を覆い尽くしロシアがウクライナに侵攻した2022年を戯画化する娯楽作となった。

アンビエント・ミュージックの発案者
ポップと実験音楽を横断する希代の芸術家
巨匠ブライアン・イーノの全音楽キャリアを俯瞰する保存版

全音楽キャリアを俯瞰するディスクガイド、一挙60枚レヴュー!

非音楽家の誕生/オブスキュアの革命/サティ、ケージ、ライヒからイーノへ/ボウイのベルリン三部作/クラウトロックとのつながり/アンビエントの発案/トーキング・ヘッズとの蜜月/『No New York』の衝撃/ドゥーワップからヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ドナ・サマーまで/ポスト・パンク時代の門下生たち/ジョン・ハッセルとの絆/アフリカ音楽への熱狂/スターたちのプロデューサー/政治的アクティヴィストとして/ほか

執筆:野田努、小林拓音、松村正人、三田格、坂本麻里子、高橋智子、イアン・F・マーティン(Ian F. Martin)、ジェイムズ・ハッドフィールド(James Hadfield)、松山晋也、北中正和、篠原雅武、徳井直生、廣瀬豊、毛利嘉孝
翻訳:江口理恵
装丁:鈴木聖
菊判220×148mm/アジロ並製/256ページ

★6/3~8/21 京都にてブライアン・イーノによる音と光のインスタレーション展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」開催!
https://ambientkyoto.com/

目次

■review
全キャリアを俯瞰するディスクガイド
──アルバムほか60枚一挙レヴュー

執筆:野田努、小林拓音、松村正人、坂本麻里子、三田格、高橋智子、イアン・F・マーティン、ジェイムズ・ハッドフィールド
翻訳:江口理恵

■column
私たちは遥か彼方へと進む船を夢見る、1000マイルもの彼方へ──蜘蛛と私、ブライアン・イーノ (イアン・F・マーティン/江口理恵訳)

非音楽家の誕生 (松村正人)
ロキシー・ミュージックという通過点 (野田努)
ワイアットとイーノ──その出会い、分離、そして再会 (野田努)
プログレッシヴ・ロックとのかかわり (松村正人)
イーノとジョン・ケイル (松村正人)
オブリーク・ストラテジーズとは (野田努)
オブスキュア・レコーズ (松山晋也)
サティ、ケージ、ライヒからイーノへ──アンビエント音楽への道のり (高橋智子)
ボウイのベルリン三部作 (野田努)
イーノとニューウェイヴ (三田格)
イーノと女性アーティストたち (三田格)
トーキング・ヘッズとの三部作──イーノがNYにいたことの歴史的重要性 (野田努)
『No New York』の衝撃とアート・リンゼイ (松村正人)
イーノが愛した大衆音楽──賛美歌からVU、ドゥーワップからPファンク、ドナ・サマーからベリアルまで (野田努)
ポスト・パンクとイーノの影響、その門下生たち (野田努)
イーノとジョン・ハッセル (松山晋也)
イーノとアフリカ音楽 (北中正和)
私のなかのイーノ、1973―1983 (廣瀬豊)
スターたちのプロデューサー──U2、ジェイムズ、コールドプレイらとの仕事 (ジェイムズ・ハッドフィールド/江口理恵訳)
ヴィデオ・アーティストとしてのイーノ (小林拓音)
テクノロジーがジェネレイティヴを実現する──ピーター・チルヴァースとの共同作業 (小林拓音)
日常の音楽、反意識の音楽 (三田格)
政治的アクティヴィストとしてのイーノ (毛利嘉孝)
ティモシー・モートンの思考におけるアンビエンスの二面性──穏やかさと空しさ (篠原雅武)

■interview
インスタレーション・アーティストとしてのイーノの魅力
──6月開催の「AMBIENT KYOTO」に向けて (徳井直生)

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
PayPayモール
dショッピング
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club
mibon本の通販(未来屋書店)

P-VINE OFFICIAL SHOP
SPECIAL DELIVERY

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
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丸善/ジュンク堂書店/文教堂/戸田書店/啓林堂書店/ブックスモア
旭屋書店
有隣堂
TSUTAYA
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