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ele-king vol.34

ele-king vol.34

——エレキング年末号は、ジェフ・ミルズの予言通りの「ミニマリズム」特集です

Dec 23,2024 UP

 1994年、テリー・ライリーがサンフランシスコのテープ・ミュージック・センターにて “In C” を初演してから30年、ジェフ・ミルズは「サイクル30」という究極のミニマル・テクノ作品をリリースした。それから30年後の2024年、ミニマリズムの30周期説に則して同シングルはリイシューされ、テリー・ライリーの“In C” も60周年の記念盤『In C‐ 60thバースデー・フルムーン・セレブレーション・アット・清水寺』を出したばかり。2024年、エレキングが「ミニマリズム」特集をやらない理由はなかったのです。
 もっとも時代のトレンドは「マキシマリズム(てんこ盛り音楽)」であるという主張が、2010年代にはあった。火付け役はカニエ・ウェスト(2010年の『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』)というのが定説になっている。ぼくはアニマル・コレクティヴがビーチ・ボーイズ(『ペット・サウンズ』と『スマイル』)にアクセスしたときだと考えるが、まあとにかく、それからいっきに、いちぶのインディ・ロックにもいちぶのエレクトロニック・ミュージックにもその傾向は受け継がれていったと。近年のUKインディとかOPNとか、ね。
 しかしながら、だからといって「ミニマリズム(引き算の音楽)」がなくなったわけではない。いや、むしろオルタナティヴなインディペンデントなシーンでは、そぎ落としているサウンドが輝いている。たとえば、もしいま「アンビエント」がブームだとしたら、その音楽は「ミニマリズム」に基づいていなければならない。2024年は、ジャズとポスト・パンクとが接続したようなサウンドもひとつの傾向として見られたが、それも「ミニマリズム」に基づいている。「ダブ」は基本、「引き算」から来ている——。

 とまあ、そんなことを思いながら「サイクル30」に則した「ミニマリズム」特集を企画した次第です。自分で言うのもなんですが、面白いですよ。たとえば、テリー・ライリーのインタヴュー記事は過去にいろいろありますが、今回はひとつ、かなり良い話を引き出せたと思います。それは読んでのお楽しみ。
 もちろん、年末号なので「年間ベスト・アルバム」特集です。アルバム30枚をはじめ、ジャンル別ベスト/ライター・チャートがあります。そして毎回お願いしているのですが、どうかこれを「ドネーション(寄付金)」だと思って買っていただけたら幸いに存じます。 レコード店ではすでに発売中、書店発売は25日です(地域によって遅れることもあります)。それでは皆々様、よきクリスマスを。

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特集:テリー・ライリーの“In C”、そして、ミニマリズムの冒険

マキシマリズム時代のミニマリズム(野田努)

インタヴュー テリー・ライリーを訪ねて——“In C”誕生60年(高橋智子)
『In C - 60th バースデー・フルムーン・セレブレーション・アット・清水寺』制作話を今作のプロデューサー、中村周市氏に訊く

テリー・ライリー、60年を越えるその歩み——“In C”以外の重要作品(杉田元一)
アメリカン・ミニマリズムの系譜——テリー・ジェニングス、スティーヴ・ライヒ、フィリップ・グラス(杉田元一)
ラ・モンテ・ヤング——永遠に鳴り続ける始原としてのドローン(松山晋也)
アフロ・ミニマリズム——ブルースにおける反復の文化(緊那羅:デジ・ラ)
「ファンク」は魔法、地球を支配したウィルス(野田努)
カン——いまなお世界中に広がり続けるミニマル・ロックの地下茎(松山晋也)
アンビエントのはじまりにミニマルあり──ブライアン・イーノの呼び水(杉田元一)
パンク・ミニマリズムの究極の境地——ワイアーの探求(イアン・F・マーティン/青木絵美)
サン・ラーの“Rocket Number Nine”に見るミニマルな高揚(野田努)
アシッド・ハウスが切り開いた「ミニマリズム」の行方(野田努)
ヨーロッパの旅——クラフトワークからポスト・パンクを経由してミカ・ヴァイニオへ(野田努)
もうひとつの行き先——マラリア!からカラ‐リス・カヴァーデイルへ(三田格)
ひとかけらの永遠、ヒップホップのミニマリズム──DJプレミア、J・ディラ、アルケミスト(吉田雅史)
アフリカン・ドラムを初めて西欧世界に聞かせたババトゥンデ・オラトゥンジ(三田格)
リスニング術——グリッチからアンビエント/ドリーム・ポップへ(野田努)
Minimal Nation——ミニマリズムのさらなる冒険のご案内(野田努)

非ポストモダン的ミニマリズムに向けて(仲山ひふみ)

2024年ベスト・アルバム30選
2024年ベスト・リイシュー23選
ジャンル別ベスト——テクノ(猪股恭哉)/インディ・ロック(天野龍太郎)/ジャズ(小川充)/ ヒップホップ(高橋芳朗)/ハウス(猪股恭哉)/エクスペリメンタル(ジェイムズ・ハッドフィールド/青木絵美)/ポスト・ハイパーポップ(松島広人) /レゲエ/ダブ(河村祐介)/アンビエント(三田格)

2024年わたしのお気に入りベスト10——24名による個人チャート(青木絵美、天野龍太郎、小川充、小山田米呂、Casanova.S、河村祐介、木津毅、緊那羅:Desi La、篠田ミル、柴崎祐二、杉田元一、高橋智子、髙橋勇人、つやちゃん、デンシノオト、橋本徹、ジェイムズ・ハッドフィールド、二木信、ジリアン・マーシャル、Mars89、イアン・F・マーティン、松島広人、三田格、吉田雅史)

VINYL GOES AROUND PRESENTS そこにレコードがあるから 第5回 「THE CHANGING SAME」レーベルの節目とレコード文化の未来(水谷聡男×山崎真央)
 

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