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As/SS/gZ、WHITE HOSPITAL

As/SS/gZ、WHITE HOSPITAL

録音鬼特別盤 ROKUONKI EXTRA! Live Aktion4.18

TASTE

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大久保潤   Oct 26,2015 UP

 90年代、バンド・ブームの狂騒の後1、2年置いた頃。ソニック・ユース、ダイナソーJr.のメジャー移籍、ニルヴァーナの大ブレイクといったアメリカの動きに呼応するかのような形で日本でもUSインディの影響を受けたラウドなオルタナティヴ・ロックを演奏するバンドが現れた。

 そんな中でも、当時としては破格の爆音と、アンセインあたりを思わせる血塗れのイメージで独特の存在感を放っていたのがCo/SS/gZ(「コーパス・グラインダーズ」と読む。初期には「COPASS GRINDERZ」と表記)だ。
 21世紀に入ってからはほとんど動きがなかった彼らが昨年、唐突に活動を再開。その背景にはメンバーのひとりだったbloodthirsty buthchersの吉村秀樹の急死があったと思われる。
 2014年春の復活ライヴと前後して、butchersトリビュート・アルバム『Yes, We Love butchers 〜Tribute to bloodthirsty butchers〜』への参加、音圧を強烈に強化した旧譜のリマスター(「音圧鬼盤」と謳われている)、そして復活ライヴの模様を収めたCD+DVD『Co/SS/gZ "LIVE AKTION DOCUMENT5.25! "+FUCKING LIVE ARCHIVES! 』のリリースなどを経て、その後は年に2、3回程度のペースでライヴ活動を展開中。2015年4月に行われたCo/SS/gZ主催のライヴを収録したのが本作『録音鬼特別盤 ROKUONKI EXTRA!Live Aktion4.18 Live』である。

 今回はCD2枚組で、この日に出演した2組のバンド/ユニットが収録されている。1枚目は★As/SS/gZ★、2枚目はWhite Hospitalだが、当日の出演順に沿ってまずは2枚目を紹介していこう。

 White Hospitalは80年代に短期間活動したインダストリアル・バンドである。当時の主要メンバーは、現在GrimとVasiliskという2バンドに分かれて活動を続けている。Co/SS/gZのメンバーであるギタリストの名越由貴夫がかつて参加していたという縁があっての共演だったと思われる。
 シンセにベース、メタルパーカッション、ドラムという編成による反復リズムに呪術的な雰囲気で呻き叫ぶヴォーカルが乗るというシンプルな構成だが、このゴツゴツした金属音こそ「インダストリアル」と呼ばれるに相応しい。ライブ後半ではヴォーカルの小長谷淳はフロアに突入し、ほぼ終始客席を徘徊しながら叫び続けることで、ある種の宗教的とも思える祝祭感を強めていった。

 ディスク1収録の★As/SS/gZ★は「アストロ・グラインダーズ」と読む。Co/SS/gZの4人に加え、C.C.C.C.の長谷川洋とRohcoによるノイズ・デュオのASTRO、そしてマスコットの★GrinderS★ことMIKOという7人編成の合体ユニットである。
 当日はフロアにASTROの機材がセットされ、まずは二人だけのノイズ演奏からスタート。そこにツイン・ドラムが加わるところからしてもう鳥肌ものの格好よさである。ツイン・ドラムの魅力というと、dCprGのような複雑に絡むポリリズムがある一方で、このCo/SS/gZやかつてのボアダムスのようにミディアム・テンポのシンプルなリズム・パターンをユニゾン気味に叩き出す気持ちよさというのがあると思う。
 ASTROの演奏も、「ロックバンドとノイズバンドの合体」みたいなのをやる時にありがちな垂れ流しではなく、曲の展開によって緩急をつけたかなり緻密なものだ。筆者はこの時ASTROをかなり間近で見ていたのだが、細かく曲の構成をメモしたものを手元に置いて演奏しているのが印象的だった。そもそも曲が終わるとちゃんとノイズも止まるというのが意外と新鮮だったり(笑)。

 代表曲に新曲、ASTROのソロ演奏にアンコールで演奏された衝撃のカヴァー「ラジオスターの悲劇」、そして2度目のアンコールではヴォーカルのZEROによる「アストロ・ホワイト・グラインダーズ!!!!」という絶叫に呼び込まれる形でWhite Hospitalのメンバーも加えた「COBRA」へと雪崩れ込む大団円までたっぷり全16曲70分。

 ただでさえやかましいCo/SS/gZの演奏にASTROが加わることで、もうとにかく滅多矢鱈とやかましいのだが、特筆すべきは音がダマにならず極めてクリアーに録られている点だろう。彼らの場合、リフとか楽曲自体は意外とオーソドックスなロックだと思うのだが、それを他とは違うものにしているのが、その「計算された爆音」なのだ。

大久保潤