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Home >  Interviews > interview with Wild Nothing (Jack Tatum) - 眠れぬ夜の11の歌

interview with Wild Nothing (Jack Tatum)

interview with Wild Nothing (Jack Tatum)

眠れぬ夜の11の歌

──ワイルド・ナッシング、インタヴュー

橋元優歩    通訳:萩原 麻理  写真:Shawn Brackbill   Sep 11,2012 UP

Wild Nothing
Nocturne

Captured Tracks/よしもとアール・アンド・シー

TOWER RECORDS

 デビュー・フル『ジェミニ』がしずかに、しかしつよい支持をもってシーンに迎え入れられたのは、ここ数年にわたるエイティーズ・ブームのもうひとつの側面を象徴していたと言えるかもしれない。シンセ/エレクトロ・ポップなどがふたたび参照され、さらなる先鋭化がほどこされている状況は多くのリスナーの知るところであるし、インディ・ダンス・シーンも同様である。あのマーク・マッガイアですらがライヴでディスコをかけてしまうほど80年代色は強烈に機能してきた。
 ワイルド・ナッシングやそのリリース元である〈キャプチャード・トラックス〉は、そうしたものと共鳴しながらも、よりポスト・パンクやギター・ポップ、シューゲイザーといったUK寄りの音に新しい息を吹き込んだ存在だ。より内向的な音楽性を特徴として、UKインディの美しい遺産を掘り当ててきた。いま、そうしたトレンド自体は徐々に次のフェイズへと移りゆこうとしているが、変わらぬものをいとおしむように――ポップスとしての普遍性を取り出して研磨するように――、ジャック・テイタムはセカンド・アルバム『ノクターン』を完成させた。ソングライターとしての才と、レコード・コレクターとしての愛情や探求心がこぼれそうにたたえられた作品である。眠れぬ夜を相手に紡ぎだされたというそれぞれの曲には、以下の回答に明瞭に示されるとおり、彼の繊細で真面目な性質までもが陰影ゆたかに彫り込まれている。

ぼく自身はあのプロダクションにすごく惹かれるんだよね。あと、あの時代の音楽には、すごく純粋な感触がある気がする。ある意味すっごくシリアスなんだけど、同時にシリアスでもないっていう。

■好きなアーティストとしてザ・スミスなどの名が挙がっていますが、まわりの同世代もザ・スミスを聴いていたりするのですか?

ジャック:別に周りが聴いてたわけじゃないな。ぼくはつねに音楽を探して、レコードを買ってるような人間のひとりなんだよ。つねに音楽をリサーチして。いまでもそう。レコード屋に毎日通って、何時間もいて、あるバンドに繋がる別のバンドを発見していって。そういうのってオブセッションになったりもするしね。

■〈キャプチャード・トラックス〉には、あなたの他にもミンクスやクラフト・スペルズなど、〈クリエイション〉や〈サラ〉、〈ファクトリー〉といった80年代UKのギター・ポップ、あるいはニュー・ロマンティクスと呼ばれたようなバンドの影響が感じられます。ミンクスもクラフト・スペルズもあなたも、みなアメリカのアーティストであるということがおもしろいのですが、あなたからは80年代のUKや音楽はどのように見えますか?

ジャック:ぼく自身はあのプロダクションにすごく惹かれるんだよね。あと、あの時代の音楽には、すごく純粋な感触がある気がする。ある意味すっごくシリアスなんだけど、同時にシリアスでもないっていう。ソングライターとして、キュアーにしてもスミスにしても、何故かぼくにとってはすごくコネクトできるんだ。ぼくの音楽を好きな人も、ああいう音楽を聴いてる人、聴いたことがある人が多いと思う。だって......いい音楽だから(笑)。

■〈キャプチャード・トラックス〉が埋もれていたシューゲイザー・バンドの発掘を行っている点などからみると、あなたがたは自然に集まってきたというよりは、主宰者であるマイク・スナイパーによって招き入れられたという感じなのでしょうか?

ジャック:その通り。全部マイクのアイデアなんだよね。ぼくの場合、マイクがぼくをインターネットで見つけてきた。いくつか自分の曲をアップしてたんだけど、それを聴いたマイクが「もっと聴きたい」って連絡してきて。最初はもっと曖昧な関係で、ぼくは彼のことをあんまり知らなかったし、レーベルのこともよく知らなかったんだ。その頃はまだ〈キャプチャード・トラックス〉も7インチしか出してなかったし。でもニューヨークに行って、彼に会うことになって......今ではしょっちゅう会ってるし、レーベルの全員と仲がいいんだ。ある意味ファミリーなんだよね。音楽的なアイデンティティをシェアしてるし、みんな音楽のファンで、80年代UKの音楽に参照点があるのも同じだから。

■MTVに象徴されるような、アメリカの80年代の音楽へのあこがれやシンパシーはありますか?

ジャック:そういうのってないかも。コンテンポラリーなポップ・ミュージックについていくのって、僕にとってはすごく疲れちゃうんだよね。ラジオも聴かないし、テレビもあんまり観ないし、ラジオから流行ってる曲が流れるたびにびっくりしちゃうんだ。それが何か全然わからないから(笑)。遅れてるんだよ。

取材:橋元優歩(2012年9月11日)

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