「IR」と一致するもの

Fly Anakin - ele-king

  フライ・アナキンは……というか、どうしてぼくが二回も続けてUSラップものをレヴューすることになったのかを話すのが先だろう。ある意味個人的な事情ではあるのだが、ひとりの音楽好きとして言っておく必要がある。
  自分の信条と反するカタチで、すっかりストリーミングやbandcamp、ときにはyoutubeなど、いかにもな21世紀のリスニング・スタイルで聴いていると、アルゴリズムによってぼくの好きそうな音源を推薦され続ける。誰に? いや、だからその、ハイテック産業がまんまと波及させた便利なプログラムに、だ。周知のように、スマホで性的なニュースを見てしまうと、その後、あれよあれよと性的な見出しが多数並ぶ、あれと同じことが音楽リスニングでもここ何年もあいだ起きている。そうすると、あたかも世界は好色な方向に向かっているという虚構がひとつの現実になる、というほどではないが、ハイテック産業に管理されている気分は避けられない。ましてや、こうしたアルゴリズムは作為的に操作できるという説もあるので、ぼくは反旗を翻すべく、アルゴリズムが自分に薦めてはこないであろう音楽作品を探索し、壁の外側から面白いモノを選んでいるのだ。
  ハイテック産業が旧来のリスニング文化のエコシステムを破壊するまでは、クソのようなことはたくさんあったにせよ、基本的に音楽産業は音楽好きの連中によって成り立っていた。spotifyやハイテック産業でむかつくのは、彼らにとって重要なのは必ずしも音楽でないということだ。ゆえに、たとえそれが巨大戦艦に竹槍で挑むようなものだとしても、自分のスマホやコンピュータの画面を信用しないことにしているという、自分で言うのもなんだが化石のような態度でいる。
 リスニング文化紀元前においては、 話は簡単だった。レコード店に行けば、そのときイケているテクノもヒップホップもロックもみんな目に入ったし、並んでいるレコードはそういった音楽を愛好しているスタッフの耳によって推薦されていた。アンダーグラウンドの才人フライ・アナキンと、アンダーグラウンドの奇人ピンク・シーフとの共作に共感を覚えた理由のひとつもそこだ。あのアルバムのコンセプトはレコ屋で、レコ屋好きにはたまらない内容で、レコ屋はいまやディズニーが配給する映画に出てきても不自然ではないファンタジーなのだ。
 しかし、ピンクとアナキンは3Dのコンピュータ・グラフィックで描かれた人畜無害な黒人ではなかった。つまり虚構ではなかった。その証拠に、ピンク・シーフはムーア・マザーのラップ・アルバム『Black Encyclopedia Of The Air』にフィーチャーされたし、フライ・アナキンはこんなにも良いアルバムを完成させている。
 
 ラップをずっと熱心に聴き続けている人からすると、なにをいまさら言ってやがんだ、という感じもあるらしい。俺らはずっと前から、ヒップホップ不毛の地バージニア州リッチモンドで、アナキンがミュータント・アカデミー(という地元のヒップホップ集団かつレーベル)の一員として活動していた頃からチェックしているんだぞ、と。じっさい27歳のアナキンにはすでに10年のキャリアがある。「彼こそアンダーグラウンド・ヒップホップの新しいヒーローだ」とピッチフォークが讃えたりしたことも、彼らの自尊心を刺激したかもしれないが、どうか許して欲しい。アルゴリズムがなければ、ピッチフォーク(いわく「アンダーグラウンドの新ヒーロー」)もWIRE(いわく「アナキンは絶好調」)もクワイエタス(いわく「今年もっとも重要なヒップホップのレコード」)も、そしてエレキングもこんなに遠回りをすることはなかったのだ……と思いたい。
 
 フライ・アナキンのソロ・アルバム『フランク』は、言うまでもなくエイミー・ワインハウスのデビュー・アルバムと同名である。わかっていて、そうしたらしい。なるほど、ワインハウスとアナキンをつなげるキーワードはたしかにある。古いソウル、古いジャズだ。ぼくがよく聴いていた頃のヒップホップでは当たり前のサウンドを、ハイテック産業以降ではブーンバップと呼んでいるが、この名称にいまだ抵抗を覚えるのは、ぼくが紀元前の化石だからだろう。ま、それが長い年月を生きるってことなのだから仕方ないとして、とにかくぼくはこういうサウンドが好きだったし、いまでも好きだ。ソウルやファンクやジャズをサンプリングしてループしたこれが。ウータン・クランやスラム・ヴィレッジ、ムーディーマンやアンドレスなんかとも共通する、大胆で、洗練されたソウルフルなグルーヴ。昔のソウルのヴォーカルのパートをルーピングしている曲なんかはとくに格好良くて、泣けてくる。
 マッドリブが1曲提供している。アンダーグランド・ヒップホップの巨匠の参加は、アンダーグラウンド・ヒップホップのニュー・ヒーローにとっての初の単独名義のアルバムにサウンド以上の意味、この音楽の血統を示しているが、アナキンの剃刀のようなラップは、間違っても後ろ向きではない。(ぼくにはリリックのことはわからない。わかる人のなかには、アール・スウェットシャート並の実験性があるということを書いている人もいる)

 アナキンは自分を変人のように見せているが、じつは数年前まで働きながら音楽を続けてきた苦労人で、ケンドリック・ラマーの『good kid, m.A.A.d. city』を6ヶ月間毎日車のなかで聴きこんでいたような過去を持っている。「俺はずっとリッチモンドでドラマとドラッグに囲まれて生きてきた」とアナキンはあるインタヴューで語っている。「売ろうが吸おうが、俺はその隣の部屋で韻を踏んできたんだ」。そして「地球上でみんなを楽しませる」ためにミュータント・アカデミーが生まれ、いま『フランク』が生まれた。街のイカつい不良の風情ではないし、内省的な詩人な感じでもない、ぼくはラップの専門家ではないけれど、普通にすごく良いラッパーのように思える。
 それにしても〈Warp〉傘下にはじまった〈Lex〉レーベル、愛のある良い仕事をしているなぁ。

(*)なお、本稿でアルゴリズムの観点からストリーミング系と並列されているbandcampだが、言うまでもなくそれは現状ではDIYアーティストたちにとっての良きプラットフォームであり、また、アナログ盤文化再燃の一助にもなっている。ミュージシャンたちからの度々の苦悩の叫びを浴びているspotifyと一緒にすべできはないだろう。
(**)渡部君の話によれば、Rainbow Disco Clubで来日したムーディーマンがア・トライブ・コールド・クエストやギャング・スターをかけたそうだが、つまり、そこにフライ・アナキンが混ざっていてもなんら不思議はない、ということ。

interview with Shuya Okino (KYOTO JAZZ SEXTET) - ele-king


KYOTO JAZZ SEXTET feat. 森山威男
SUCCESSION

Blue Note / ユニバーサル ミュージック

Jazz

Amazon Tower HMV disk union

 DJ/プロデューサー/作曲家/クラブ運営者として四半世紀にわたりワールドワイドな活躍を続けてきた沖野修也。その活動母体とも言うべき Kyoto Jazz Massive と並行し、彼は2015年にアコースティック・ジャズ・バンド Kyoto Jazz Sextet も始動させ、これまでに2枚のアルバム『MISSION』(2015)、『UNITY』(2017年)を発表してきた。そして先日、待望の3作目『SUCCESSION』がリリースされたのだが、アーティスト名義は “KYOTO JAZZ SEXTET feat. TAKEO MORIYAMA”。そう、山下洋輔トリオなどで60年代から日本のジャズ・シーンを牽引してきた、あのドラム・モンスター森山威男(1945年生まれ)が、Kyoto Jazz Sextet のドラマー天倉正敬に代わり全曲で叩きまくっているのだ。

 森山ファンにはお馴染みの “サンライズ” や “渡良瀬” といった名曲に沖野が書下ろした “ファーザー・フォレスト” を加えた計7曲には、沖野がずっと掲げてきた「踊れるジャズ」というテーマから逸脱せんとするポジティヴな意志が溢れ、コロナ禍によって変わりつつある世界の今現在のジャズとしての新たなヴィジョンが提示されている。もちろん、これまでの作品のようにクラブでDJが客を踊るせることもできるだろう。が、同時に、自宅のソファに身を沈めてじっくりと聴き浸ることもできる。「匠の技」とも言うべきその微妙なバランス感、匙加減に、DJ/プロデューサーとして沖野が積み上げてきた経験の豊饒さ、感覚のリアルさを改めて思い知らされよう。

 何はともあれ、破格のパワーとグルーヴを堪能すべし。過去から現在、そして未来へとジャズが「継承(SUCCESSION)」されてゆく瞬間を体験できる、格調高い作品である。

僕がやってきた踊れるジャズをベースに、どうやって森山さんを引き入れるか。いったん踊れることを実現させた上で、どうやって逸脱していくか。踊らせたいけど同時に聴かせたい曲をどこに着地させるか。そこの格闘はなかなか痺れるものがありました。

森山威男さんは昨年11月20日の《Tokyo Crossover/Jazz Festival 2021》にゲスト参加し、それと前後してこのアルバム『SUCCESSION』の録音にも参加したわけですが、あのイヴェントに森山さんが参加した経緯から話していただけますか。

沖野:新木場の STUDIO COAST の閉館に伴い、クラブ・イヴェント《ageHa》もなくなるということで、昨年7年ぶりに《Tokyo Crossover/Jazz Festival 2021》の開催が決定したのですが、コロナ禍で海外勢は呼べる状況ではない。でも、日本人の出演者だけでやる以上、海外のファンが絶対うらやましがるようなラインナップにしたいと思いました。それで、目玉となるヘッドライナーを誰にするか考えた時に思い浮かんだのが森山さんでした。誰もが知っているジャズ・レジェンドであり、近年はイギリスのレーベル〈BBE〉から『East Plants』(83年)も再発されたし。あと、KYOTO JAZZ SEXTET のトランペットの類家心平が、以前森山さんのバンドでも吹いていた。これはもう森山さんしかいないなと。「KYOTO JAZZ SEXTET featuring 森山威男」にすれば、海外のジャズ系リスナーやクラブ・ミュージック好きはきっと注目してくれると思っていました。

マーク・ジュリアナとか、ここ近年のドラマー・ブームみたいなのも関係あったのかなと思ったんですけど。

沖野:まさにご指摘の通りで。ロバート・グラスパー周りとか、今、ドラムがジャズのイニシアティヴを握っているというイメージが世界的に広がりつつあるじゃないですか。「打ち込みを生で再生しているドラマー、すげー」みたいな。日本でも若いリスナーが「新しいジャズはドラマーだ!」みたいに言ってて(笑)。もちろん僕もそういった側面を否定しないです。でも、ベース・ラインとかコード進行とか、ドラマー以外のミュージシャンが醸し出す現代性や革新性も僕は常に意識しているし、プロデューサーやヴォーカリストも含めて、総合的に進化していると思っているわけで。そういった状況下で、レジェンドのドラマーを引っ張り出すのって、言わば逆の発想ですよね。KYOTO JAZZ SEXTET の上物というか、コード楽器や管楽器がオーセンティックなジャズで、ドラマーが今っぽい若手という選択肢もありましたが、それは他の人がやっているから、あえて逆にレジェンドを起用して、更に強烈な現代感覚を僕らは表現できるんですよ、というトライだったわけです。

なるほど。

沖野:やる前は、ひょっとすると森山さんワールドに僕らが持っていかれて、いわゆるメイン・ストリームのジャズになる可能性もあったし、はたまたフリー・ジャズになってダンス・ミュージックと完全に乖離してしまうという可能性もあった。どうやってジャズの現代性を表現するか、どうやって KYOTO JAZZ SEXTET らしさを出せるか、それは僕にとっても挑戦ではありました。

今、「ダンス・ミュージックと乖離する」とおっしゃいましたが、ということは沖野さんとしては今でもやはり根底には、自分達は踊れるジャズ、ダンス・ミュージックをやっているという意識があるんですね?

沖野:ベースとしてダンス・ミュージックはありますけど、今はむしろそこから離れてみたいという思いに駆られています。特に KYOTO JAZZ SEXTET はその方向性が強いですね。KYOTO JAZZ MASSIVE はやっぱりダンスありきですけど。KYOTO JAZZ SEXTET はむしろ踊れなくてもいい、もしくは踊れない方向にどんどん踏み出していきたいという気持ちが強いです。

権力との闘争なのか、メーカーとの闘争なのか、ミュージシャン同士の闘争なのか、わかりませんが、そういうぶつかる感じは若い世代のジャズ・ミュージシャンにはない。サラッとしてるというか、スマートというか。

実際に去年11月に初めて森山さんと共演した時の素朴な感想、印象を聞かせてください。

沖野:そうですね……初めてスタジオでお会いした時、僕が思っていたのと違って、森山さん、慎ましいというか、とても遠慮がちで(笑)。コロナ禍でライヴが2年間なく、全然叩いてなかったので、引退も考えられたそうなんですよ。もちろんカリスマ性というか、レジェンドに会ったという感動はありましたが、レコードでのプレイから感じていたエネルギーみたいなものは、お会いした瞬間はなかった。小柄で、とても寡黙な方だし。ところが、ドラム・ブースに入って叩き始めた瞬間に僕らの懸念は一気に吹き飛びました。リハーサル段階からものすごい音量、ものすごい手数で。音の洪水というか。アート・ブレイキーのドラムがナイアガラの滝に例えられますけど、本当に滝が流れ落ちるような状態で。メンバー全員で滝に打たれる修行、みたいな(笑)。

滝行(笑)

沖野:びっくりしましたね。2年間叩いてないって嘘でしょ、と。とにかく音がすごかった。1音目からすごかったです。

今回のアルバムでも、いきなり1曲目 “Forest Mode” の、特に後半なんてすごいですよね。

沖野:そうなんですよ。録音にもそのまま入っていますが、レコーディング中に雄叫びを上げて。あの小さな体から、これだけのパワーがどうやって出てくるのかな、と。衝撃でした。多分いつも一緒に演奏している方は、それが森山さんだという認識があるんでしょうけど。

ライヴやレコーディングでの森山さんの反応はどうでした?

沖野:ご自分でも仰ってましたが、本当に対等の目線でセクステットのメンバーと真剣勝負してくださって。ワンテイクの曲もいくつかありましたが、曲によっては森山さんが全くOKを出さず、これは違うと言って何度かやり直したんです。実はセクステットの過去2枚のアルバムでは採用テイクは全部ファースト・テイクでしたが、今回の3枚目では初めて、ファースト・テイクが採用されなかった曲がいくつもあります。

具体的には?

沖野:ワンテイクでOKだったのは⑤ “サンライズ” と⑥ “渡良瀬”、⑦ “見上げてごらん夜の星を” の3曲だけで、それ以外は森山さんが納得いくまでやりました。たとえば④ “ノー・モア・アップル” では、納得するリズム、納得するテンポが見つからないと森山さんが言って。あと、メンバーとのコンビネーションの問題とか。これじゃダメ、これじゃダメと何度も仰って。体力的に大丈夫なのかなとか、こっちはいらぬ心配をしましたが、森山さんが妥協されることはなかったですね。これでどうでしょう? と言っても、いやー違う、正解が出てない、と。

沖野さん以下メンバーの方では、どこがまずいのかな、と戸惑う感じですか?

沖野:いや、しっかりコミュニケーションをとりました。森山さんがノレるテンポとかグルーヴ、考えているアレンジと、メンバーが一番実力を発揮できるテンポなりリズムなりグルーヴなりの接点をどうやって探すかという。もう一回音を出してなんとなくやりましょう、ではなくて、問題点が速度のことなのかリズムのことなのか、誰かの演奏なのか等々をとことん話し合った上で次のテイクに臨むという感じで。

じゃあ、レコーディングはけっこう苦労されたんですか?

沖野:とはいっても、《ageHa》の本番前の2日間で録ったので、想定内です。森山さんが加わっての僕なりのクラブDJ的グルーヴ感というか理想の照らし合わせというか、森山さん曰く「激突」みたいな部分では、苦労したというより非常に興味深かったです。だって僕は元々森山さんの曲をDJでかけていたんですから。僕がやってきた踊れるジャズをベースに、どうやって森山さんを引き入れるか。いったん踊れることを実現させた上で、どうやって逸脱していくか。踊らせたいけど同時に聴かせたい曲をどこに着地させるか。そこの格闘はなかなか痺れるものがありました。

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KYOTO JAZZ SEXTET feat. 森山威男
SUCCESSION

Blue Note / ユニバーサル ミュージック

Jazz

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日本のジャズ・ミュージシャンは、50~60年代からやってる人たちと今現在の若手では感覚もノリも気質もかなり違う気がしますが、いかがですか?

沖野:あくまで僕の主観ですが、上の世代のジャズの人って、それこそアメリカと日本とか、メジャーとマイナーとか、闘争の歴史から音を紡ぎ出していたと思うんです。でも僕らの時代って、そういうカウンター精神はあまりない。若いジャズの子たちもスルッとメジャーに行ってブレイクしたりする。闘うことの是非はともかく、あまりないのかなというのは感じます。権力との闘争なのか、メーカーとの闘争なのか、ミュージシャン同士の闘争なのか、わかりませんが、そういうぶつかる感じは若い世代のジャズ・ミュージシャンにはない。サラッとしてるというか、スマートというか。

ですよね。端的に言うとあの世代の日本のジャズ・ミュージシャンは、全てが喧嘩という感じがするんですよ。話しててもそうだし、音聴いてもそうだし。つまり、喧嘩にこそ意義があるというか、まず喧嘩しなくちゃ始まらないというか。それがまた面白さでもあるんだけど。そういった根本的な感覚のズレみたいなものは今回はなかったですか?

沖野:いや、僕が知っているジャズ・レジェンドの中では森山さんは人間的にかなり柔和だし。ただ演奏は完全に喧嘩でしたよ。《ageHa》のライヴDVDを観ていただくとわかりますが、お互いがかなりやり合っていて。特にフリー・ジャズ・パートでは、それこそ僕もカウベルやウィンドチャイムを叩きまくり、シンセサイザーの効果音で森山さんを煽りまくって。普段、僕のようなDJ/プロデューサーがライヴに絡むのは難しいのですが、本当に喧嘩状態でした(笑)。とにかく森山さんは、予定調和はダメだとずっと仰っていました。僕らもどうやって森山さんに仕掛けていくかというのが、メンバー間のミッションでしたね。

77歳でこのオファーをもらい、《ageHa》でやれて、生きててよかったよ」という森山さんの言葉を聞いて、20年後の自分にだって生きててよかったと思う可能性があるはずだという気持ちになりましたし。本当に今回は、ミュージシャンとしてだけでなく人間として森山さんからは影響を受けました。

沖野さん自身は、森山さん世代のそういった「出会い頭の即興的な喧嘩」というものに憧れがあったりしますか?

沖野:ありますね。僕は多分、ジャズDJと呼ばれる人たちの中でもそこに一番憧れがある一人だと思います。後でリミックスしやすいようにクリックを鳴らして安定したテンポで録りたがるプロデューサーもいますし、インプロは踊れないからとカットしてテーマだけでつなぐジャズDJもいる。でも僕はやっぱりインプロがあってなんぼの世界だと思うし、想像もしなかった録音が実現した時の喜びも何回も体験してきたわけで。森山さんが今まで感じてきたことや積み上げてきたこと、森山さんだけが見てきた景色が絶対あるはずです。そういった経験から僕たちに投げかけられる疑問や挑戦や挑発は、他では絶対に味わえないものでしょう。50~60年代からやってきた人たちの出す音の説得力や迫力ってやっぱり違うと思うんですよね。技術だけでなく、ここでそういくか!?  という想像を超えた表現力はレジェンド・クラスになると別格ですね。

今のコメントがこのアルバムのタイトル『SUCCESSION』(継承)をそのまま表現してるような気がします。

沖野:そうなんですよ。うちのメンバーだけではこういう作品にならなかったと思います。僕たちが知っているつもりで実は知らなかった表現方法とか、ジャズとは何かという、音による説得力をこのレコーディングとライヴでは学びましたし、それを更に僕らが継承して次の世代に伝えていかなくてはと思いました。あと、「77歳でこのオファーをもらい、《ageHa》でやれて、生きててよかったよ」という森山さんの言葉を聞いて、20年後の自分にだって生きててよかったと思う可能性があるはずだという気持ちになりましたし。本当に今回は、ミュージシャンとしてだけでなく人間として森山さんからは影響を受けました。

近年は海外でも日本の様々な音楽が注目されています。60~70年代の日本のジャズの人気も高まっていますよね。

沖野:元々、日本のフュージョンやジャズは、海外のマニアの間では人気があったんです。僕だって最初は、ジャイルズ・ピーターソンを含むロンドンの友人やDJ、ディストリビューターなどから教えてもらって日本のジャズの魅力に気づいた人間ですし。

それはいつ頃のことですか?

沖野:25歳くらいだから、今から30年ほど前です。でも、ここ数年の盛り上がりはちょっと違いますね。層が変わってきたというか。ロバート・グラスパー人気やサウス・ロンドンのジャズの盛り上がりとかもあって、若い世代のジャズ・リスナーの規模全体も大きくなっているし。お父さんがディスコのDJで生まれた時からレコードがいっぱい家にあったとか、お母さんがアシッド・ジャズ大好きで子供の頃からブラン・ニュー・ヘヴィーズを聴いてましたとか、そういう20代のジャズ・ミュージシャンやDJもヨーロッパ中にたくさんいます。今の若い子たちにとっては、トム・ミッシュクルアンビンサンダーキャットなどが、僕らが若かった30年前のジャミロクワイやブラン・ニュー・ヘヴィーズなわけです。で、トム・ミッシュやサンダーキャットなどは、多分僕らがかけてきた音楽、僕らがやってきた音楽を好きだと思う。つまり、今は二重のレイヤー、昔からのリスナーと若いリスナーが混在し、層が分厚くなっているんです。今はその両方の層に日本のジャズが受け入れられているんじゃないかな、というのが僕の分析です。

アメリカ大統領の娘さんが KYOTO JAZZ MASSIVE とか KYOTO JAZZ SEXTET のファンだったとしたら、「お父さん、日本に核兵器落とさないで、私の好きなシューヤ・オキノがいるから」みたいになるかもしれないじゃないですか。極端な例ですけど(笑)。

昔の日本のジャズのどういった点に面白さを感じるのか、そのポイントは、外国人と日本人では微妙に違うと思いますが、沖野さん自身は、日本の当時のジャズの、欧米ジャズと比べた場合の面白さ、特殊性についてどのように考えていますか。

沖野:まずは、メロディーの独自性ですね。論理的説明は難しいのですが、民謡とか童謡などのエッセンスが作曲家の潜在意識の中にあると思います。あと、使用楽器によるエキゾチシズムというのもあるんじゃないかな。60~70年代には和楽器を導入する実験も盛んにおこなわれていたし。海外のDJからも、メロディーのことはよく言われます。すごく日本ぽいと。日本のメロディーはシンプルでわかりやすいんだと。それはきっと、母音が連なる日本語の特性とも関係していると思いますね。あと、演奏テクニックが素晴らしいというのもよく言われます。それはフュージョン系の作品を指していると思いますが。

昨年(2021年)暮れに KYOTO JAZZ MASSIVE の久しぶりのアルバム『Message From A New Dawn』も出ましたが、ここで改めて KYOTO JAZZ MASSIVE と KYOTO JAZZ SEXTET の立ち位置の違いを簡単に説明してもらえますか?

沖野:KYOTO JAZZ MASSIVE は、僕と弟(沖野好洋)の合議制によるダンス・バンド。演奏の中にジャズもフュージョンもテクノもファンクもソウルも入った、よりハイブリッドなダンス・バンドです。KYOTO JAZZ SEXTET は、僕のプロデュースのジャズ・バンドで、踊れることは特に目的にはしていません。

今日のインタヴューでも何度か「踊れるジャズ」「踊ることを目的としないジャズ」という対比がありましたが、踊れない/踊らないというのは、この2年間のコロナ禍の状況も関係あるのかしら?

沖野:関係あると思います。僕自身のことも含め、この2年間家にいて、リスニング体験を楽しむ人が劇的に増えたと思います。アルバムの中から踊れる曲を1~2曲ピックアップして繋いでいくDJの僕ですら、家ではアルバム1枚かけっぱなしです。踊れる踊れないに関わらず、自分が好きな作品を通して聴くという風にリスニング・スタイルが劇的に変化した。KYOTO JAZZ SEXTET のこの新作がこの内容、構成になったのも、家で日本のジャズのアルバムを針置きっぱなしで聴き続けたことが影響していると思います。だからひょっとすると、コロナ前に森山さんとやっていたら、全編踊れるジャズになっていたかもしれない。でもコロナ禍を経て、踊れる曲ですら、聴いて楽しんでもらえるんじゃないかな、という期待もあります。同時に、僕が踊れないと思った収録曲も別のDJがダンス・ミュージックとして再発見してくれるんじゃないかという楽しみもある。今までの KYOTO JAZZ SEXTET 以上に、リスナーにとっての音楽聴取の自由度を上げる作品になったんじゃないかなと。僕自身、解き放たれた感じなんです。

沖野さんは文筆家でもあるし、Twitter でも積極的に発言されています。普段から政治意識、社会意識が強い方ですよね。社会の中でのDJ/音楽プロデューサーとしての自分の役割をどのように考えてますか?

沖野:やっぱり世代と国境を越える、というのが自分のミッションだと思っていて。

それは最近に限らず、以前からずっと?

沖野:そうです。自分の音楽を違う国の人に聴いてほしいし、上の世代とも若い世代ともコラボレートしていきたいと思ってきました。そういう気持ち、そういう音楽は偏見や憎悪から人の意識を解放する働きがあると思うんですよ。60~66年の〈ブルーノート〉作品のカヴァー・ワークだった1stアルバム『Mission』(2015年)は、アメリカと日本のジャズの関係というのが自分のテーマでしたが、僕のオリジナル曲で構成された2作目『Unity』(2017年)は、平和とか調和とか、結構ポリティカルなことを自分なりに表現したんですよ。だからヴォーカリストにも、歌詞はそういう趣旨で発注しました。世代、国籍、人種を超えるというメッセージを音楽で発信して、この世界がより良くなることに少しでも貢献できたらいいかなとは考えています。

実際に今まで活動してきて、多少なりとも実効力があったと思いますか?

沖野:日本人に対するイメージの変化に、微力ながらも貢献できたかなとは思います。もちろん坂本龍一さんとか北野武さんとか、サッカー選手や野球選手の活躍ありきですよ(笑)。ありきだけど、実際僕がDJとして行くことで、様々な国の人が一か所に集まったりした。音楽大使と言うとおおげさですが、世界平和への貢献実績はゼロではないと思います。時々冗談で言うんですが、アメリカ大統領の娘さんが KYOTO JAZZ MASSIVE とか KYOTO JAZZ SEXTET のファンだったとしたら、「お父さん、日本に核兵器落とさないで、私の好きなシューヤ・オキノがいるから」みたいになるかもしれないじゃないですか。極端な例ですけど(笑)。音楽とか文化が持っている力は侮れないと僕はずっと思ってきました。微力ではあるけど、これからも世代と人種と国境を越えることをテーマに音楽を作り続けていきたいですし、世界を旅していきたいです。

 

[LIVE INFORMATION]

KYOTO JAZZ SEXTET feat. 森山威男
~New Album “SUCCESSION” Release Live

2022年5月26日(木)ブルーノート東京
www.bluenote.co.jp/jp/artists/kyoto-jazz-sextet

FUJI ROCK FESTIVAL’22 出演
2022年7月30日(土)新潟県 湯沢町 苗場スキー場
https://www.fujirockfestival.com/

[RELEASE INFORMATION]

沖野修也率いる精鋭たちとレジェンダリー・ドラマーの劇的な出会い。
日本ジャズの過去と現在を繋ぎ、その延長線上にある明日を照らし出す。

●ワールドワイドな活動を展開するDJ/楽プロデューサー・ユニット、Kyoto Jazz Massive の沖野修也が2015年に始動させたアコースティック・ジャズ・ユニット、KYOTO JAZZ SEXTET。単なる懐古趣味にとどまらず、“ジャズの現在” を表現することをコンセプトとし、これまでに『MISSION』(2015年)、『UNITY』(2017年)という2枚のアルバムを発表しました。
●5年ぶりの新作では、ジャパニーズ・ジャズ・ドラムの最高峰、森山威男を全面フィーチャー。両者は2021年11月20日に新木場ageHa@STUDIO COAST にて開催された Tokyo Crossover/Jazz Festival 2021 にヘッドライナーとして出演し初共演。世代を超えた気迫みなぎるコラボレーションで、オーディエンスを圧倒しました。
●アルバムには、クラブ・ジャズ・リスナーにも人気の森山の代表的レパートリーに加え、沖野修也書き下ろしの新曲「ファーザー・フォレスト」を収録。オール・アナログ録音による骨太でダイナミックなサウンドも魅力です。

artist: KYOTO JAZZ SEXTET feat. 森山威男
title: SUCCESSION
label: Blue Note / ユニバーサル ミュージック

KYOTO JAZZ SEXTET
類家心平 trumpet
栗原 健 tenor saxophone
平戸祐介 piano
小泉P克人 bass
沖野修也(vision, sound effect on 渡良瀬)
featuring
森山威男 drums

Produced by 沖野修也 (Kyoto Jazz Massive)
Recorded, Mixed and Mastered by 吉川昭仁 (STUDIO Dedé)

tracklist:
1. フォレスト・モード
2. 風
3. ファーザー・フォレスト
4. ノー・モア・アップル
5. サンライズ
6. 渡良瀬
7. 見上げてごらん夜の星を

クラウトロック大全 増補改訂版 - ele-king

ドイツ・ロックの決定版ディスクガイドが復活!
70年代クラウトロックから80年代ノイエ・ドイチェ・ヴェレまでの主要作品を網羅

約40ページ増加、新たにタイトルを追加し合計868タイトルを掲載、
旧記載部分も大幅に差し替えや加筆修正を施した増補改訂版

A5判/オールカラー/304頁

[著者]
小柳カヲル
1967年新潟県生まれ。大学時代は高校の理科教員を目指していたが、卒業後は化学エンジニアとして数年間のサラリーマン生活を経験。
1996年より Captain Trip Records で勤務し、クラウトロックをはじめとする数々のリリース企画を担当。
2011年よりスタジオ兼レーベルの Suezan Studio として独立。独自の視線や考察、あまたのミュージシャンとのコネクションは、ごく一部から熱狂的な支持を受けている。
現在は新潟に住み、クラウトロックだけでなく新潟県と近県の過去の音楽シーンにも目を向け、編纂と記録を続けている。


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Caterina Barbieri - ele-king

 〈Editions Mego〉からリリースされた2019年の前々作『Ecstatic Computation』が高い評価を獲得したミラノのプロデューサー、カテリーナ・バルビエリ。ロックダウン中に録音されたという新作『Spirit Exit』が7月8日にリリースされる。なんでも詩や哲学にインスパイアされたそうで、バルビエリ本人のコメントによれば「世界の終わり、もしくはテレパシーのいち形態へのラヴ・ソング」だという。最終曲 “The Landscape Listens” は、イーノの人気曲 “An Ending (Ascent)” のような上品さと穏やかさで死にアプローチしている曲らしい。現在 “Broken Melody” が先行公開中です。


artist: Caterina Barbieri
title: Spirit Exit
label: light-years
format: digital / 2LP / CD
release: July 8, 2022

tracklist:
01. At Your Gamut
02. Transfixed
03. Canticle of Cryo
04. Knot of Spirit (Synth Version)
05. Broken Melody 04:26
06. Life at Altitude
07. Terminal Clock
08. The Landscape Listens

Soccer Mommy - ele-king

 グラミーにもノミネイトされたことのあるUSのシンガーソングライター、ソフィー・アリソンによるプロジェクト=サッカー・マミーが6月24日に新アルバム『Sometimes, Forever』を発売する。プロデューサーは意外なことに、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー。ポップなロック・サウンドと10年代を代表するエレクトロニック・プロデューサーの組み合わせ、どんな化学反応が起きるのか注目です。

米シンガー・ソングライター、サッカー・マミーがワンオートリックス・ポイント・ネヴァーをプロデューサーに起用した新アルバムから2ndシングルをリリース!
米シンガー・ソングライター、サッカー・マミーが6月24日にリリースする新アルバム『Sometimes, Forever』からの2ndシングル「Unholy Affliction」をリリースしました。この曲は、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのダニエル・ロパティンをプロデューサーに起用し、サッカー・マミーことソフィー・アリソンが持っている美しいテクスチャーと不穏な雰囲気を同時に表現しています。

ソフィーはシングル「Unholy」について「スタジオでのレコーディングは当初思い描いていたものとは全く違って本当に楽しかった。ダンがデモ・ボーカルでとてもクールなシークエンスを作ってくれて、それが曲の大部分になったの。2つの異なるバージョンの曲が混ざり合っているのも気に入っている」とコメントしています。

“悲しみも幸せも永遠ではない” というアルバムのコンセプトを掲げ、『Sometimes, Forever』は、レトロなサウンド、個人的な動揺、現代社会から影響される障害など、様々なアイディアを統合してオリジナルな作品に仕上げています。アルバム・タイトルの『Sometimes, Forever』は、良い感情も悪い感情も循環しているという考え方にちなんでいます。「悲しみや虚しさは過ぎ去りますが、喜びと同じように必ず戻ってくるのです」とソフィー・アリソンはコメントしています。

ニューウェーブやゴスといったシンセ系のサブジャンルを巧みに取り入れた今作で、ソフィーは彼女のビジョンをサポートするために、プロデューサーにワンオートリックス・ポイント・ネヴァーのダニエル・ロパティンを起用しました。この組み合わせは意外に思われるかもしれませんが、実際に聴いてみると、2人のアーティストが同じような創造性を持っていることがわかります。アルバムでダニエル・ロパティンは無数のシンセサイザーと緻密なアレンジを駆使し、ソフィーが行った素晴らしいライブ・テイクを卓越したスタジオ技術でミックスし壮大な作品に仕上げています。新アルバムは、これまでで最も大胆で冒険的な作品であり、現代のロック・シーンの中で最も才能あるソングライターの一人としてのソフィー・アリソンの地位を確固たるものにするでしょう。

サッカー・マミーは、2020年にグラミー賞にノミネートされ、高い評価を受けた2ndアルバム『color theory』をリリース。このアルバムのリリース後、アリソンはバーニー・サンダースのオープニングを務めるなどして大絶賛を浴び、グラストンベリーなどの大型フェスティバルに出演。『color theory』は、ビルボードチャート「トップ・ニュー・アーティスト・アルバム」と「オルタナティブ・ニュー・アーティスト・アルバム」の2部門で1位を獲得しています。

先行シングル「Shotgun」のMVはこちら
https://youtu.be/I1xOoqD8jkI

[アルバム情報]

アーティスト:Soccer Mommy (サッカー・マミー)
アルバム:Sometimes, Forever (サムタイムス、フォーエヴァー)
レーベル:Loma Vista Recordings
発売日:2022年6月24日(金)

トラックリスト
01 Bones
02 With U
03 Unholy Affliction
04 Shotgun
05 newdemo
06 Darkness Forever
07 Don’t Ask Me
08 Fire in the Driveway
09 Following Eyes
10 Feel It All The Time
11 Still

ストリーミング・リンク:https://found.ee/pGb6O

バイオグラフィー

アメリカ、ナッシュビル育ち、ソフィー・アリソンによるソロ・プロジェクト、サッカー・マミー。Tascamのデジタル・レコーダーを買ってレコーディングした楽曲がBandcamp内でバズが起き始め、いくつかのライブか決定、最終的にはレコードの発売契約とともに、2017年賞賛の声を集めたベッドルーム・レコーディングのコンピレーションへの参加を果たした。その後、ベッドルームを飛び出しフルバンドを率いて、初のスタジオ・アルバム『クリーン』を2018年にリリース。2019年には初来日を果たす。2020年にセカンド・アルバム『color theory』をリリース、ビルボード「トップ・ニュー・アーティスト・アルバム」と「オルタナティブ・ニュー・アーティスト・アルバム」の2部門で1位を獲得。第64グラミー賞「最優秀ボックスセット/スペシャル・リミテッド・エディション・パッケージ」にノミネート。今までスティーヴン・マルクマス、ミツキ、フィービー・ブリジャーズ、ケイシー・マスグレイヴスなどと共にツアーを周っている。

Raw Poetic - ele-king

 流行のスラングを使わない、ポップ・ミュージックを参照しない。そんなヒップホップがあってもいいだろう。小学校の先生をやりながら、子ども向けの本を執筆し、音楽も続ける、そんなラッパー、いるに越したことはない。で、ここにいる。ワシントンD.C.のロウ・ポエティック、2年前に叔父のアーチー・シェップと一緒に1枚の、傑出したジャズ・ラップ・アルバムを発表した男だ。いま聴いても、収録曲の“チューリップ”はすごいと思う。

 本人はそれを強調されたくないだろうけれど、60年代〜70年代のブラック・パワーの時代に活躍したジャズのリジェンドが親戚にいるというのは、まあ、インパクトはある。しかもそのカタログのなかの1枚でコーラスを担当した元ブラックパンサー党員が母親だったりして、きっとロウ・ポエティクスは幼き頃から良き教えを受けたのだろう。鷹は飢えても穂を摘まずではないが、彼にとってのプライドはメインストリームとは別の方角に向いている。
 だからといって、ロウ・ポエティックの通算6枚目のソロ・アルバムは、マニア向けの取っつきにくいものではない。むしろその逆で、聴きやすく親密でさえある。ここにはア・トライブ・コールド・クエストやデ・ラ・ソウルの成分があるし、古典主義的なのだが、クリシェに収まらないフリーキーさがあって、そのコンセプトはちょっとムーディーマンなんかとも近い。
 でもね、これはなんと言ってもリズムが格好いいんだ。ジャズ・ファンク、生ドラムと打ち込み、オールドスクール流のスクラッチ、ドラムンベース風のリズムだってある。とくにすごいのはベース。でしゃばったりしないし、あくまで黒子なのだけれど、ゴムのように音符に絡んではシンコペートし見事なうねりを生んでいる。調べてみたらムーア・マザーと一緒にジャズ・コレクティヴのイリヴァジブル・エンタングルメント(Irreversible Entanglements)をやっている人だった。
 
 とにかく、シェップとの『Ocean Bridges』によってさらにその知名度を上げたロウ・ポエティック(といっても彼にはすでに15年以上のキャリアがあり、ゼロ年代はジャジー・ヒップホップ・グループ、パナセアのメンバーでもあった)は、同作を作った主要メンバー──旧友でありトラックメイカーのダム・ザ・ファッジマンク、そしてIEからベースのルーク・スチュワート、ギターのパトリック・フリッツ──とのセッションにおけるリズムを継承した。その結果が本作『ラミネイテッド・スカイズ』というわけだ。UKのレーベルからのリリースとあって注目されているし、賞賛を集めてもいる。『Ocean Bridges』ほどジャズ全開ではないが、叙情的で、曲の細部にまで手が込んでいるがアルバムとしてのまとまりは良く、全体的に清らかで聴いていて気分が良い。この暗澹たる時代、カラフルな意匠をまとった、グルーヴィーで微笑ましいレコードが歓迎されないはずがない。

 黒人の社会的立場の不条理を描いたラルフ・エリソンの小説『見えない人間』にインスパイアされた曲もあるが、ぼくが気に入っているのはアルバム中盤の3曲。ストリングスがこってり入った“Intertwined”、そのエレガントな叙情詩を引き受けながらロウ・ポエティクスのメロディアスなラップが歌へと移行する“Sunny Water”、そしてジャズ・ファンクの大作“Hey Autumn”。リズムを基軸に、シンセサイザー、ギターとヴィブラフォン、パーカッションやスクラッチで構成されるこの曲には、本作の良いところが凝縮されている。みんなでジャムっているライヴ感覚があって、ファンキーかつスペイシーで、しかも緻密で温かい。1曲だけ選ぶなら迷わずこれ。

 ラップをしながらいつの間に歌っているというのがロウ・ポエティックのひとつの芸風で、それはそれでメロディアスだったりするのだが、彼の本作におけるいちばんの功績は、このコレクティヴをまとめ上げたことだろう。そして、繰り返すが、このアルバムのもうひとりの主役はルーク・スチュワートだ。彼のベースとダム・ザ・ファッジマンクのビートによる相乗効果こそ本作の肝である。
 アルバム制作はコロナ前の2019年からはじめたというが、周知のように世界ではそれからいろんな大きなことが次から次へと起きている。時間はあったが、ロウ・ポエティックは当初のメッセージを変更しなかった。『What's Going On』を改変する必要がないように、その必要がないものを目指していたからだと彼はある取材で話している。アルバムを締めるラヴリーな“Cadillac ”には、パートナーへの愛情表現に混じって、教室で子供に九九を教える際に使ったフレーズも入っているそうだが、たしかにそれなら戦争が起きようと変える必要はないよね。

Sote - ele-king

 いま聴いても名作だと思う。ソテことアタ・エブテカールの前々作『並行ペルシア(Parallel Persia)』は、2010年代末期の見過ごせないリリースのひとつだ。パウウェルの〈Diagonal〉から送り出されたそれは当時、ホーリー・ハーンダンなどと並ぶエレクトロニック・ミュージックの最新型の1枚として注目を集め、高い評価を獲得するに至った。リミキサーにラシャド・ベッカーマーク・フェルのようなヴェテランが配されたことも、同作がどのような流れで受容されたのかをよく物語っている。
 複雑な構造を持つソテの音楽についてはこれまで、クセナキスオウテカフロリアン・ヘッカーロレンツォ・センニなどが引き合いに出されてきた。あまりドラム音を用いず高音部で展開を進めていくところは、たしかに似ているかもしれない(が、シングル曲などではしっかりキックを入れていたりもする)。ちょうど20年前、〈Warp〉からドリルンベース~ブレイクコアのフォロワーとして登場してきた彼は、2010年代、よりハイブロウに寄った電子音楽の領域で再浮上を果たしたのだった(まあオウテカはちょっと文脈が異なるけれど)。

 ただしこれはあくまで彼のいち側面のみを強調した描写にすぎない。ことはそう単純ではない。テヘラン在住の音楽家たるソテ最大の特徴は、それら現代エレクトロニック・ミュージックの尖鋭性をイランの伝統音楽とぶつけるところにある。おもに欧米で発展を遂げた電子音楽と、西アジアの伝統音楽とのあいだで折りあいをつけること──そこにはふたつの対話が潜んでいる。ひとつは「中心」と「周縁」との水平的・地政学的な対話。もうひとつは「現在」と「過去」との垂直的・歴史的なそれだ。
 会合は穏便には済まされず、むしろ爆撃機が去ったあとのような混沌を生み出している。イランの伝統音楽についてぼくはまったくの無知だけれど、その衝突のすさまじさにいつも強く惹きつけられてしまう。彼は無難な異国情緒、雰囲気としての東洋には訴えない。ソテは西洋とアジアを、最新テクノロジーと伝統を喧嘩させてみせる。そこで飛び散った火花の美しい集積が『並行ペルシア』だった。
 混沌は、彼がイランの電子音楽家の第二世代に属することに由来している。テヘラン在住の建築と音楽の研究家、カームヤール・サラヴァティが『The Quietus』に記しているところによれば、旋律やリズム、コンセプトなどを古典音楽にもとめていたのが第一世代で、逆に国際的なネットワークにこそ居場所を見出し、古典音楽からは切り離されているのが第三世代だという(https://thequietus.com/articles/31219-sote-majestic-noise-made-in-beautiful-rotten-iran-review)。どちらか一方に振り切れるのではなく、伝統にも最尖端にもアプローチすること。それが第二世代たるソテのやり方だ。〈Mego〉の故ピタに捧げられた今回の新作『美しくも腐りきったイラン産の厳かなるノイズ』はどうか。

 まず注目しておくべきは最初の2曲だろう。“いないことにされている(Forced Absence)” ではきれいなハープのような音が、容赦なく降り注ぐ弾丸の嵐から逃亡を図っている。つづく “やってはいるんだけど、親父、連絡がつかないんだよ(I'm trying but I can't reach you father)” も過激だ。ミニマルな電子音の反復をバックに、声や笛のような音の断片が全力で駆け抜けていく。どうしようもない切迫感。これら2曲を聴くとやはり「戦争」の二文字を思い浮かべてしまうが、他方それらはどこかヴィデオ・ゲーム的でもある。もしくはネット越しに眺める戦争?
 なんにせよ激しいのはここまでで、3曲め “暮らし/人生(Life)” はメロディにフォーカスし、さびしげではあるもののどこか生を肯定するようなポジティヴな音世界を演出していく。似た情景を出現させる4曲め “不可解な存在(Arcane Existence)” も、もの悲しさのうちに力強さを携えている。本作の制作過程は「自己療法」でもあったという。攻撃的な曲と私的な記憶を喚起させる曲との同居から推すに、これはエイフェックスでいうところの『Drukqs』にあたるアルバムなのかもしれない。
 が、アルバムは中盤以降また異なる表情を見せていく。サイレンのような高音部がやり場のない遠吠えのごとく轟く5曲め “イヌども(Dogs)” や、ベースが不安感を煽りながら昇降する7曲め “苦悶の弦(Strings of Agony)” など、まるでひとつのことばで整理されることを拒むかのような構成だ。この混沌こそ彼の本懐だろう。ソテの音楽は、わかりやすい整理をこそ拒んでいる。
 そもタイトルからしてアンビヴァレントだ。ノイズなのに、威厳に満ちている。美しいのに、腐ってる。今回ソテはあからさまにイランの伝統的な要素を導入しているわけではない。にもかかわらず本作は、西洋やブラックの文脈からはけっして出てこないだろう、特異な電子音楽を打ち鳴らしている。

 革命後のイランでは音楽、とりわけロックが規制されてきた。禁止されているわけではないものの、許可が必要なのだ。やっていい音楽と、ダメな音楽がある。エレクトロニック・ミュージックはどうか? おそらくはその抽象性ゆえだろう、意外なことにほぼ検閲を気にしなくていい状況にあるらしい。先述のサラヴァティによれば、むしろフェスが開催されたり賞が設けられたり、活況を呈しているという。
 とはいえ大学の協力を得て実践されるそれは十中八九、アンダーグラウンドなレイヴとはまた別次元にあるエレクトロニック・ミュージックに違いない。当初ジャングルのリズムを用いてデビューしてきたソテは、そのことについてどう考えているのだろう。ダンスが規制される地で音楽をやるためには、うまくハイ・カルチャーに順応しなければならない? ここにもまた単純な図式からは見えてこない、複雑な事情が横たわっている。
 あるいはこんな話もある。つい最近ロシアに追い抜かれるまで、国際社会からもっとも制裁を食らっていたのはイランだったらしい。二か月前、いったいだれがそんな事実を気にとめただろう? それに、制裁のあおりを受け苦しむのはいつの世も一般人、とりわけ貧者と相場が決まっている。「いないことにされている」ものはたくさんある。
 政治上さまざまな問題を抱えるイランではあるが、ソテの音楽は「正義対悪」のような単純化から百万光年離れている。『美しくも腐りきったイラン産の厳かなるノイズ』が響かせるサウンドの冒険は、世界の難しさをそのまま呈示しようとしているかのようだ。

マーベル映画最新作『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』の監督サム・ライミのすべてがわかる日本で初めての本!

『死霊のはらわた』で一躍80年代ホラーを代表するカルト監督に。『スパイダーマン』3部作など成功をおさめつつもプロデューサーとして若手ホラー作家のフックアップを続けてきた名匠、サム・ライミ。

2022年には9年ぶりとなる新作としてマーベル映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』発表。そんなライミの全貌に迫った日本ではじめての一冊!

ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス
Interview サム・ライミ監督インタヴュー
鼎談 サム・ライミとは何者なのか (柳下毅一郎・高橋ヨシキ・てらさわホーク)

Biography
アイディアとそれを実現する力──サム・ライミはいかにして映画監督となったか (高橋ヨシキ)

イラストエッセイ『死霊のはらわた』シリーズ (児嶋都)

Filmography
クロス・レヴュー『死霊のはらわた』
 80年代スプラッター・ブームの起爆剤となった伝説のデビュー作 (伊東美和)
 〈スプラッター資本主義〉のはらわた──四肢切断はメッセージ (後藤護)
不遇なスラップスティック・コメディの佳作──『XYZマーダーズ』 (森本在臣)
起死回生の勝負作──『死霊のはらわたⅡ』 (山崎圭司)
闇に生きる──『ダークマン』 (柳下毅一郎)
ライミの深奥に潜むもの 視覚的快楽の結晶『死霊のはらわたⅢ キャプテン・スーパーマーケット』 (ヒロシニコフ)
「アメリカ人によるマカロニ・ウェスタン」の先がけ──『クイック&デッド』 (長谷川町蔵)
白いフィルム・ノワール──『シンプル・プラン』 (真魚八重子)
ダンス・ウィズ・ケヴィン・コスナー──『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』 (木津毅)
喪失と再生の物語──『ギフト』 (児玉美月)
マーベル映画の「リアル」と「キャンプ」──『スパイダーマン』 (てらさわホーク)
ライミ映画およびアメコミ映画のひとつの到達点──『スパイダーマン2』 (森本在臣)
絵空事が現実に負けた第三作──『スパイダーマン3』 (中沢俊介)
コンテンポラリーなホラー映画が浮き彫りにした絶望──『スペル』 (高橋ヨシキ)
〈エメラルド神智主義〉──神智学とショー・ウィンドーと『オズ』の関係──『オズ はじまりの戦い』 (後藤護)
アッシュが30年ぶりに帰ってきた!──『死霊のはらわた リターンズ』 (森本在臣)

Interview 清水崇

論考・コラム
ゴーストハウス・ピクチャーズ (山崎圭司)
『死霊のはらわた』という発明 (ヒロシニコフ)
ライミ映画のマンガ性 (てらさわホーク)
サム・ライミ映画のアメコミ展開~アッシュの奇妙な冒険~ (中沢俊介)

ライミの周辺人物たち
ブルース・キャンベル(長谷川町蔵)/スコット・スピーゲル(ヒロシニコフ)/コーエン兄弟(長谷川町蔵)/ダニー・エルフマン(長谷川町蔵)/テッド&アイヴァン(森本在臣)

対談
アフター・ライミ~ライミ以降の映画作家たち (山崎圭司・ヒロシニコフ)

資料
ライミ関連作品リスト

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!!! (Chk Chk Chk) - ele-king

 まもなく新作『Let It Be Blue』のリリースを控えるチック・チック・チックから嬉しいお知らせの到着だ。9月3日(土)と9月4日(日)の2日間にわたって横浜赤レンガ地区野外特設会場で開催されるフェス《LOCAL GREEN FESTIVAL’22》への出演が決定したとのこと。パワフルなライヴで知られる彼ら、パンデミックを経ていったいどんなパフォーマンスを披露してくれるのか。いまから楽しみだ。

史上最狂のディスコ・パンク・バンド
チック・チック・チックが LOCAL GREEN FESTIVAL’22出演決定!!!

待望の最新作『LET IT BE BLUE』は4月29日(金)日本先行発売!!!
数量限定のオリジナルTシャツ付セットや日本語帯付ヴァイナルも発売決定!!!

4月29日(金)に9枚目となる待望の最新アルバム『Let it Be Blue』のリリースを控える史上最狂のディスコ・パンク・バンド、チック・チック・チックが、2022年9月3日(土)、9月4日(日)の2日間に渡り、横浜赤レンガ地区野外特設会場にて開催する「Local Green Festival’22」に出演決定!

アルバムからはこれまでに “Storm Around The World (ft. Maria Uzor)” と “Here's What I Need To Know” の2曲が公開されている。

Storm Around The World (ft. Maria Uzor)
https://youtu.be/PVYddYDjBMc

Here's What I Need To Know (Official Video)
https://youtu.be/k3oKGyATLx4


Local Green Festival’22
開催日程:2022年9月3日(土)、 9月4日(日)
開催場所:横浜赤レンガ地区野外特設会場
主催:ローカルグリーンフェスティバル実行委員会
後援:横浜市文化観光局/スペースシャワーTV/J-WAVE
WEB : https://localgreen.jp/

ダンス・カルチャーを規制したニューヨーク市長に中指を立てた名曲 “Me And Giuliani Down By The School Yard (A True Story)” や、フジロックやソニックマニアを含め世界中の音楽フェスを熱狂させてきた “Must Be The Moon” “One Girl/One Boy” といった大ヒット・アンセム、そして他の追随を許さないパワフルなライヴ・パフォーマンスで知られる彼ら。芸術を作るということにおいて大切なのは、まず自らを奮い立たせ楽しむために、自らを改革し、常に挑戦し続けること。常に挑戦者の気持ちで自分自身の最高傑作を更新すること。チック・チック・チックの歩みを振り返れば、彼らは実に25年にもわたってその姿勢を貫いてきたことがわかるだろう。バンドの9枚目のアルバム『Let it Be Blue』は、その絶え間ない変化の感覚を、未開拓の新たな領域へと導いている。大音量でかけて人々を解放へ導くダンス・ミュージック、そういった類の音楽だ。

長年のコラボレーターであるパトリック・フォードがプロデューサーを務めた本作は、未来のダンスフロアを夢見て、2年間に渡って温められてきたという。その結果生まれた楽曲は、バンドがかつてないほど制作に力を注いだ作品となった。サブベースとドラムビートにあふれ、ダンス~パーティ・ミュージックをゴッタ煮したチック・チック・チック独自のグルーヴが表現されているが、これまでと比べて隙間のある作品となっている。それはバンドにとってエキサイティングな挑戦だった。ニック・オファーが「7、8人のバンドとしてスタートして、これまでは全員ですべてを詰め込んで、できるだけ多くのパーツをはめ込もうとしていた」と語るように、初期作品では音数の多さとある種の複雑さが魅力の一つだったが、今作はより洗練されたプロダクションとなっている。しかし、ミニマルなアプローチだからといって、代名詞のカオティックなエネルギーはまったく失われていないどころかむしろ熱量を増している。レゲトン、アシッド・ハウス、エイサップ・ファーグ、〈Kompakt Records〉作品、スーサイド、アコースティック……といった様々な要素が散りばめられたパンドラの箱のような作品だ。また、このアルバムには、ブルーでメランコリックな一面と希望的な感覚を同時に持ち合わせている。それはアルバム・タイトルにも反映されている。“Let It Be” という悟りではなく、“Let It Be Blue” というのはこれから待ち受ける様々なことを受け入れるという意味が込められている。憂鬱や悲劇は一時的なものであり、物事は過ぎ去る。しかし、何より本作『Let it Be Blue』は、これまで以上に踊り出したくなる作品だ。

チック・チック・チック待望の最新アルバム『Let it Be Blue』は、CDとLPが4月29日に日本先行で発売され、5月6日にデジタル/ストリーミング配信でリリースされる。国内盤CDにはボーナストラック “Fuck It, I'm Done” が収録され、歌詞対訳・解説が封入される。LPはブラック・ヴァイナルの通常盤と、日本語帯・解説書付の限定盤(ブルー・ヴァイナル)で発売される。また国内盤CDと日本語帯付限定盤LPは、オリジナルTシャツ付セットも発売される。

label: Warp Records / Beat Records
artist: !!! (Chk Chk Chk)
title: Let it Be Blue
release: 2022.04.29 FRI ON SALE
2022.05.06 (Digital)

国内盤CD BRC697 ¥2,200+税
解説+歌詞対訳冊子/ボーナストラック追加収録
国内盤CD+Tシャツセット BRC697T ¥6,000+税

帯付限定輸入盤1LP(ブルー・ヴァイナル)
WARPLP339BR
帯付限定輸入盤1LP(ブルー・ヴァイナル)+Tシャツセット
WARPLP339BRT

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12382

TRACK LIST
01. Normal People
02. A Little Bit (More)
03. Storm Around The World (feat. Maria Uzor)
04. Un Puente (feat. Angelica Garcia)
05. Here's What I Need To Know
06. Panama Canal (feat. Meah Pace)
07. Man On The Moon (feat. Meah Pace)
08. Let It Be Blue
09. It's Grey, It's Grey (It's Grey)
10. Crazy Talk
11. This Is Pop 2
12. Fuck It, I'm Done *Bonus Track

Monkey Timers - ele-king

 結成13年、すでにDJ/プロデューサーとして大きなキャリアを有するユニット、来る RAINBOW DISCO CLUB への出演も決まっている Monkey Timers が初のフル・アルバム『KLUBB LONELY』をリリースする。Take と Hisashi から成るこのデュオはDJハーヴィイジャット・ボーイズといったハウス~ディスコ・ダブを音楽的背景に持ち、Force of Nature や瀧見憲司、Keita Sano らの系譜に連なる活動を展開している。
 その記念すべきファースト・アルバムでは、ミックスとマスタリングをチック・チック・チックやアウト・ハッドの創設メンバーとしても知られ、レーベル〈My Rules〉を主宰するジャスティン・ヴァンダーヴォルゲンが担当、アートワークは〈C.E〉の Sk8Thing が手掛けている。アナログ2枚組、発売は4月20日。
 現在、アルバムに先がけリード曲 “That’s The Kind Of Love I’ve Got for You” (ダスティ・スプリングフィールドのカヴァー)が配信中。また、収録曲 “Less” のMVも公開されている。日本産ディスコ・ダブの現在を聴こう。

Monkey Timers が待望のデビュー・アルバム『KLUBB LONELY』を4月20日にリリース! リード・シングル「That’s The Kind Of Love I’ve Got for You featuring Lisa Tomlins」を先行配信。

DJ Harvey~Idjut Boys などが先陣を切ったニューハウス~ディスコ・ダブを源流とするアンダーグラウンド・カルチャーをバックグラウンドに、ダンス・ミュージック・シーンのネクスト・フェイズを切り開くDJ/プロダクション・ユニットとして国内外で支持を集める Monkey Timers が、結成13年目にして待望のフル・アルバム『KLUBB LONELY』を、〈DISKO KLUBB〉と〈Sound Of Vast〉とのコラボレーションによる2枚組アナログ/全世界500枚限定セットでリリース。
Lord Echo や Recloose 作品のヴォーカルでお馴染みの Lisa Tomlins をヴォーカルにフィーチャリングした Dusty Springfield「That’s The Kind Of Love I’ve Got for You」のカヴァーをはじめ、ベルリンを拠点にヨーロッパのシーンをリードする才人 Mr. Ties、ワールドワイドな注目を集める岡山の才能 Keith
Sano、日系アメリカ人の新鋭ヒップホップ・ユニット MIRRROR、DJ Sammo Hung Kam-Bo(思い出野郎Aチーム)、cero、KIRINJI などのサポート・メンバーとして活躍するマリンバ奏者角銅真実など、国内外のヴォーカリスト/プロデューサー/ミュージシャンとのコラボレーションを展開。
ミキシング/マスタリングは Justin Van Der Volgen(MY RULES)。ジャケット・デザインはC.E デザイナー Sk8Thing が手がけている。
Monkey Timers 自身が主宰を務める〈DISKO KLUBB〉とアムステルダム発の日本人主宰レコード・レーベルとして世界中から信頼を集める〈Sound Of Vast〉とのコラボレーション・プロダクトとして限定リリースとなります。

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アルバム発売に先んじて、1978年にリリースされた Dusty Springfield の名曲 “That’s The Kind Of Love I’ve Got for You” のオフィシャル・カヴァー曲を各種サブスクリプション・サーヴィスで先行配信! Lord Echo や Recloose 作品のヴォーカルでお馴染みの Lisa Tomlins をフィーチャリング。

Monkey Timers - That’s The Kind Of Love I’ve Got for You featuring Lisa Tomlins
Link:
https://music.apple.com/jp/album/thats-the-kind-of-love-ive-got-for-you-single/1614239008
https://open.spotify.com/album/3g8eWm4zAhT2OjbV0x3sev?si=b_nZfsQ_TIGgsptCw09XYA

アーティスト: Monkey Timers
タイトル: KLUBB LONELY (Limited Double Vinyl Edition)
レーベル: DISKO KLUBB / Sound Of Vast
フォーマット: 2LP (フルカラーアートワーク / 500枚限定)
税込価格: ¥4,950
発売予定日: 2022年4月20日(水)
Mixing & Mastering by Justin Van Der Volgen (MY RULES)
Artwork by Sk8Thing (C.E)

Track List
A1. Ventura
A2. Less featuring Mr. Ties
A3. Night Clubbing
B1. Hometown featuring Keita Sano
B2. Monk Episode 2
C1. Sick Boy
C2. That’s The Kind Of Love I’ve Got for You featuring Lisa Tomlins
C3. Cold Days, Warm Heart featuring DJ Sammo Hung Kam-Bo & Manami Kakudo
D1. Call Me featuring MiRRROR
D2. Long Vacation
D3. Disko (not Disko)

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