Home > News > ブルース研究の第一人者/P-VINE創業者、日暮泰文氏が逝去
日本におけるブルース研究の第一人者にて、我らが拠点〈P-VINE〉の創業者である日暮泰文氏が、去る5月30日に75歳にて永眠した。
氏は、大学在学中の1968年にブルース&ソウル・ミュージック愛好会を鈴木啓志氏らと設立、1969年から『ニュー・ミュージック・マガジン』に寄稿、ブルースおよびブラック・ミュージックついての原稿を多数発表した。氏は、中村とうよう氏らと並んで、日本においてブルースを研究し、論じてきた第一人者だった。
幸いなことに、ele-king booksからは、美文家だった氏の、なかば詩的なブルース・エッセイ集『ブルース百歌一望』をはじめ、70年代に氏が立ち上げ編集長を務めていた雑誌『ザ・ブルース』時代からのパートナーである、高地明氏との共同監修のもと、日本においてブルースがどのように輸入され、どのように紹介/語られてきたのかをまとめた大作『ニッポン人のブルース受容史』、そして氏が愛してやまなかったB.B.キングに関する翻訳本『キング・オブ・ザ・ブルース登場-B.B.キング』を刊行させていただけた。また、おそらくは、氏がもっとも深く研究したであろうロバート・ジョンソンに関しては、『RL-ロバート・ジョンスンを読む アメリカ南部が生んだブルース超人』というすばらしい力作がある。
謹んで、ご冥福をお祈りいたします。