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NaBaBaの洋ゲー・レヴュー超教条主義

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vol.4 『Fez』

――錯視の世界はインディーズ・ゲームの黄金比を描く

NaBaBa Oct 26,2012 UP

 みなさんこんにちは。連載もあっという間に4回めですが、今回は前回の予告通り今年発売されたインディーズのゲームから1本、『Fez』をご紹介したいと思います。

 『Fez』はカナダのインディーズ・スタジオ〈Polytron〉が開発で、今年4月にXbox Live Arcadeで発売されたアクション・パズルゲームです。このゲームは内容的にも業界内の立ち位置的にも、いろいろな意味で現代のインディーズ・ゲームを体現している作品で、本連載でもインディーズ・ゲーム紹介の第1号としてこの上なく適任だと判断しました。

 まずそもそもインディーズ・ゲームとは何かという説明からはじめると、その業態は音楽におけるインディーズ・シーンと似たようなものだと考えてもらっておおむね間違いないでしょう。メジャーの流通や資本に頼らず、小規模な体制で自主制作的に開発・販売が行われるゲームを指します。

 2000年代中頃からゲーム業界では既存の流通にかわりダウンロード販売が台頭しはじめ、それによって後ろ盾のない個人でも、容易に自作のゲームを販売できる手段として注目されるようになりました。インディーズでもゲームを世界規模で販売できる時代がやってきたのです。

 現代のインディーズ・ゲームのほとんどはパッケージとして店頭販売されることはありません。しかし〈Steam〉や〈GOG〉、〈Xbox Live Arcade〉等のゲームのダウンロード販売サービスを見ると、インディーズ・ゲームはメジャー作品たちと並んで確たる市場を形成しているのが見てとれるでしょう。


ダウンロード販売サービス最大手の〈Steam〉では、毎日のようにインディーズの新作が発売されている。

 『Fez』はこうした近年勢いを増すインディーズ・ゲーム業界内で、ひとつの象徴としてかねてから注目を集めつづけていた作品です。2007年の開発開始から5年という長い歳月をかけて作られた本作は、その斬新なアイディアが発売前から高く評価され、インディーズ・ゲームの一大祭典、IGF(Indie Game Festival) での08年の受賞をはじめ、各方面で多くの賞を獲得しています。

 また今年公開されたインディーズ・ゲームの開発現場にスポットを当てたドキュメンタリー映画、『Indie Game: The Movie』で中心的に取り上げられていたことも記憶に新しいでしょう。

『Fez』以外にも『Super Meat Boy』や『Braid』といった数々のヒット作の舞台裏が描かれている。

 本作のディレクターで〈Polytron〉代表のPhil Fish氏もなにかと話題になることが多い人物です。彼は過激な言動で知られており、今年のGDC(Game Developer Conference)では最近の日本のゲームはひどいという趣旨の発言をしたり、ゲームのパッチの配信の際には〈Xbox Live Arcade〉のオーナーであるMicrosoftと規約の件で揉めることもありました。その姿勢は常識知らずとも呼べれば、勇敢とも言えるでしょう。とにかく彼は業界の慣習やタブーに臆しません。

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CGイラストからアナログ絵画、パフォーマンスや文章執筆までマルチにこなす、本業は駆け出しのゲームデザイナー。三度の飯よりゲーム好き。座右の銘は高杉晋作の「おもしろき こともなき世に おもしろく」。

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