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interview with GING NANG BOYZ (Mamoru Murai)

interview with GING NANG BOYZ (Mamoru Murai)

銀杏BOYZの世界/銀杏BOYZと世界、のその後

──村井守(ex.銀杏BOYZ)、インタヴュー

   取材:九龍ジョー/写真:寺沢美遊   Jan 24,2014 UP

やっぱり辞めるって言ったら、「村井おつかれ」って言われて、それから「オレはバンド続けていくよ」って。それを聞いたときに救われたと思いましたね。「オレたちが作ってきたことを、ここで終わらせない」っていう言い方も峯田はしていて。

■最終的に辞める意志を伝えたとき、峯田くんから「オレは銀杏BOYZ続けるよ」って言われたそうですけど、どんなことを思いました?

村井:さみしいっていうよりも、救われたって感じですね。最初、峯田は「お前が辞めるなら、オレももう音楽辞めるわ」って言ってて、オレとしてはその一言が重くのしかかったんですよ。でも、オレも自分の気持ちに嘘ついてまでバンドはできないから、やっぱり辞めるって言ったら、「村井おつかれ」って言われて、それから「オレはバンド続けていくよ」って。それを聞いたときに救われたと思いましたね。「オレたちが作ってきたことを、ここで終わらせない」っていう言い方も峯田はしていて。「もっと上手いドラムいれるわー」とか(笑)。

■村井くんはそれこそ山形の高校時代から、上京、GOING STEADY、銀杏BOYZ……と、ずっと“峯田和伸”っていう人を見てきたわけですけど、峯田くんは変わりましたか?

村井:いや、オレの周りでいちばん変わってない人ですね。高校のときは昼休みとかひとりでウォークマンを聴いてるような感じだったから、バンドを組んでみんなの前で演奏しはじめたときはこんなに前に出られる人なんだっていう、そういう状況の変化はありましたけど。基本的な部分はなにも変わってないですよ。まず中心に音楽があって、それで友だちを喜ばせるのが好きな人なんです。オレが通ってた専門学校のグチとか、自分のモラトリアムとかそういうモヤモヤした話をすると、かならずその晩、留守電が入っていて、それが曲だったりするんです。そうやっていつもオレを喜ばせてくれた。そこはいまも変わってないです。バンド・メンバーも喜ばせるし、さらにもっともっと大勢の人も喜ばせる。だからバンドを辞めてまた元の友だちに戻る感じですよね。いままでずっと峯田の背中を見てきたから、これからはいちリスナーとして銀杏BOYZを聴いてみたい。

■でも、まだあの4人以外の銀杏BOYZっていうのは想像できないんですよね。

村井:おそらくアルバムも1年に1枚出ますよ。峯田は上手い人を入れたいって言ってたから、「こんなラクなんだね、バンドって!」ってことになると思います(笑)。

■つくづく過剰なバンドだと思うんですよ。

村井:やってるほうは「こういうもんだろう」と思ってやってますからねえ。ただ一時期、チンくんとあびちゃんが楽器をケースに入れず裸の状態で持って24時間生活しているときがあったじゃないですか。

■ありましたねえ。2007年頃、一緒に大阪行ったときも肌身離さず提げてましたね。

村井:あの頃、チンくんと練習のあと一緒に電車に乗ってたら、酔っ払いのおじさんがいたんですね。そしたらチンくんが「あの人、酔っぱらって電車乗るなんて迷惑だよね!」ってギターを弾きながら言うんですけど、お前のほうがよっぽど迷惑だろ! って(笑)。

■よく肛門の匂いを嗅ぎ合ったりするようなヒドい罰ゲームとかやってましたけど、ああいうノリってその後もずっと続いてたんですか?

村井:続いてましたよ(笑)。2010年頃かな、あびちゃんと飲んでるときに「“カレー味のウンコ”と“ウンコ味のカレー”どっちなら食えるか?」って話で意見が分かれて、酔っ払ったあびちゃんが、「これ究極の問題ですよ。村井さん、そこまで言うんなら、ウンコ食えるんすか?」って。そこも意地の張り合いだから(笑)、「いや、食えるっしょ」ってなって。それから何日かしてスタジオであびちゃんとリズム隊の練習してるときに、いい感じでハイになってきたので、「あびちゃん、オレ、今日だったらウンコ食えるよ」って。で、あびちゃんも1時間ぐらい歩いたらウンコ出るって言うから待ってたら、「いまウンコ出ます!」「やれやれー!」つって、紙皿にウンコして。ま、食うよね。言ったからには。

■食べたんだ。

村井:箸でつまんで(笑)。

■もはや“カレー味”、関係ないじゃないですか(笑)。

村井:たしかにそうだ! そしたら、それを見ていたあびちゃんが吐きながら、「こういう話はもう他でしないでほしい。オレが犯された感じになるんで」って。あびちゃんの方がショック受けちゃって(笑)。

■はははは! かつてはよくビデオカメラを回してましたけど、そういうのは?

村井:ウンコ食ってるのは、木本(健太/映像ディレクター)がたまたま事務所にいたので撮ってますね。「ムリっす、止めます」とか言って(笑)。この話、いろんな人に話してるんですけど、前にミノケン(箕浦建太郎/画家)にもしたんですよ。そしたらミノケン、マジなスイッチが入っちゃって、「そういうの面白いと思って話してるだろうけど、そんなことしてるからアルバム進まねぇんだよ!」って、真剣な顔で言われた(笑)。

■ミノケンは毎日、絵を描いてますからね。

村井:「村井くんって、なんかそういうのも活動のひとつみたいな感じで言うじゃん? だから出ねぇんだよ」って。

■正論ですね(笑)。『光のなかに立っていてね』のデザインにはこれまでもずっと関わってき川島小鳥くんとミノケンの作品が使われてますけど、彼らの仕事としても一段階ステージが上がってるような印象を受けました。

村井:この何年間かで、みんなも動いてるのを感じましたねぇ~。それでまた一緒にできるんだから嬉しいですよ。

■けいくん(坂脇慶/デザイナー)の力も大きいですね。

村井:峯田とすごく気が合うっていうか。ミュージック・ヴィデオのテロップのフォントまで関わってくれてましたからね。

■『光のなかに立っていてね』はパッケージまで含めて、“いまの時代”っていうよりはもっとタイムレスな名盤の薫りがするんですよね。

村井:ただただもうメンバーと向き合い、音と向き合って作ったのがこれで、時代性を意識してっていうのはなかったですからね。暗い洞窟のなかで4人でずっと作ってきて、最後に完成したアルバムを聴いてたら、そりゃいろいろありましたけど、そういういろいろあったことは全部忘れて、音だけがすうっと入ってきたんです。「いいアルバムだな」って思えて。だから、みんな……っていうか“あなた”っていう言い方をしますけど、あなたに聴いてもらいたくて曲を作っていた。それだけがすべてなんですよ。

■峯田くんはアルバムができてからあびちゃんともチンくんとも連絡をとってないって言ってましたけど、村井くんも?

村井:とってないですね。だから打ち上げとかもないんですよね。

■いつかしたい?

村井:うん、できる気がしますね。それでもう一回ウンコ食う! ぜってえ、その話にはなると思うから(笑)。レコーディングして曲ができたときはもう、「オレら無敵だ!」っていうのがすごくあった。その「無敵だ!」っていう念がアルバムには詰まってます。

■銀杏BOYZに影響を受けてバンドをはじめたとか、そういう若い人たちに会ったりしませんか?

村井:ちょうど岡崎にNERVESKADEを観にいったときに、愛知ってわりとグラインドとかハードコアが強いんですけど、革ジャンにモヒカンみたいな子がずっとこっちを睨んでて、歩いてきたから「うわ、いびられんるじゃねぇかこれ」って思ったら、「銀杏BOYZ、大好きなんです。銀杏の影響でいまグラインドやってます」って。びっくりしましたけどね。そういう声はちょくちょく聞きますね。

■脱退が発表されてから、ミュージシャンとして声が掛かったりは?

村井:そんなのあると思います? 『リズム&ドラム・マガジン』からだって、一度も話がきたことないですよ(笑)。チンくんとあびちゃんが抜けるって発表されたとき、ネットに「あれ、村井が残ってどうすんの?」ってコメントがついてましたもん。ナメられてますわ~(笑)。

■新しい人生がはじまるワクワク感はありますか。

村井:それはある! すっごいある。ずっと音楽聴いてなかったのが、上京して峯田とライヴに行くようになり、でバンドをはじめてっていう、そのノリがここまで続いて。次もノリではじめたことがこんなふうに続くのかもなっていう根拠のない自信があります。峯田には「そんな社会は甘くないぞ」って言われてますけど。「なにより音楽やってないお前のこと、奥さんは嫌いだと思うよ」って。ヒドいもんですよ(笑)。

■ホントおつかれさまでした。今後の村井くんの動きも楽しみです。

村井:いや~、ホントありがとうございました!

取材:九龍ジョー(2014年1月24日)

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