「TT」と一致するもの

KARAN! & TToten - ele-king

 ブラジル発祥のマッシヴかつハードなダンス・ミュージック、バイレファンキ(ファンキ)の勢いが止まらない。首都リオ・デ・ジャネイロの深部であるスラム街、ファヴェーラにて誕生したゲットー・ミュージックはその熱量と音圧、独特のリズムが00年代に大きな注目を集め、さまざまなアーティストやリスナーに刺激を与えた。その後も2020年代の現在に至るまで、無数のジャンルを飲み込みながら独自の方向性に進化を遂げている。

 そんなバイレファンキは今日の日本でも人気を博していて、たとえばハイパーポップ世代のラウドな音像を得意とするビートメイカー、hirihiriや、その名のとおりバイレファンキを軸としたハイ・エナジーなセレクトで絶大な信頼を誇るDJ、バイレファンキかけ子などが、ブラジリアン・ダンス・ミュージックを主としたDJセットやバイレファンキ由来のトラック・メイキングを通じ、日本各地を盛り上げている。

 そして2024年、ついに最新のブラジリアン・サウンドを手がけるブラジル本国のアーティスト、KARAN!とTTotenの両名を迎えた初のジャパン・ツアーが東名阪3会場にて5月に開催決定。両名ともファンキを土台にベース・ミュージックの柔軟性を吸収した “ファベーラ・ベース” なるジャンルを提唱しており、現地でのリアルな肌感覚をもとに同ジャンルのさらなるアップデートを試みている。

 KARAN!とTTotenのジャパン・ツアーは、全日程をバイレファンキかけ子が帯同しつつ5月22日(水)よりスタート。ポスト・コロナ以降のハイヴリッドな感性を持つアーティスト、cyber milkちゃんとDJ/スタイリストとして活動するALTF4によるイベント〈shampoo〉が手がける大阪COMPASSでのデイ・パーティにはじまり、5月24日(金)には栄のローカル・シーンを支えるヴェニュー、club Good Weatherを舞台に名古屋公演をオールナイト開催、そして5月25日には渋谷、CIRCUS TOKYOでのツアー・ファイナルが開催決定している。
 とくに東京公演にはokadada、坂田律子をはじめとした中南米のダンス・ミュージックにも精通した実力者が名を連ね、ライヴ・アクトとして日本でいち早くバイレファンキ✕サンプリング・ミュージックの可能性をナードな感性とともに探った2danimeghettoのMPCを用いた即興演奏が披露されるなど、現在の日本におけるバイレファンキの受容を総括したようなラインナップとなっている。
 ファンキ・ラヴァーのための特別な一夜を各会場で体感し、バイレファンキの現在形とブラジリアン・ダンス・ミュージックへの深い愛情を存分に楽しんでいこう。

KARAN! + TToten JapanTour!!

大阪公演
会場: CONPASS OSAKA
日時: 5/22(水)
START 18:00 CLOSE 22:30
前売: ¥2000 当日: ¥2500
TICKET : https://forms.gle/4HMPLiA8oNufeJT18

DJ:
KARAN! (from Brazil)
TToten (from Brazil)
バイレファンキかけ子
ALTF4
cyber milkちゃん
Junya Hirano(environment 0g/remodel)

名古屋公演 (To Be Announced)
会場: club GOODWEATHER
日時: 5/24(金) midnight

DJ:
KARAN! (from Brazil)
TToten (from Brazil)
バイレファンキかけ子
and more

東京公演
会場: CIRCUS TOKYO
日時: 5/25(土) START 23:00
前売: ¥2500 当日: ¥3000 学生: ¥2000
TICKET : https://circus.zaiko.io/e/karanttoten

Live:
2danimeghetto

DJ:
KARAN! (from Brazil)
TToten (from Brazil)
AXELERATOR
バイレファンキかけ子
hirihiri
okadada
pìccolo
坂田律子

KRM & KMRU - ele-king

 ザ・バグ名義で知られるケヴィン・リチャード・マーティン(KRM)と、ケニア出身ベルリン拠点のアンビエント作家、〈Editions Mego〉からの作品で注目を集めたジョセフ・カマル(KMRU)とのコラボレイションが実現することになった。アルバム『Disconnect』はブライトンの〈Phantom Limb〉より6月14日にリリース。その後にはおなじセッションから生まれたEP「Otherness」も予定されているとのこと。興味深い組み合わせに注目です。

artist: KRM & KMRU
title: Disconnect
label: Phantom Limb
release: 14th June 2024
tracklist:

01. Differences
02. Arkives
03. Difference
04. Ark
05. Differ
06. Arcs

Tashi Wada - ele-king

 フルクサスとも関わった作曲家ヨシ・ワダの息子にして、ジュリア・ホルターのコラボレイターでもあるLAのタシ・ワダ。自身のレーベル〈Saltern〉や〈RVNG Intl.〉などで実験的な試みをつづけてきた彼のニュー・アルバムが6月7日にリリースされる。題して『What Is Not Strange?』、父の死から娘の誕生までの期間に制作された作品だという。現在、ジュリア・ホルターを迎えた新曲が先行公開中だが、いやこれはアルバムも大いに期待できそうです。収益の一部は国境なき医師団に寄付されるとのこと。

Tashi Wadaのニュー・アルバム『What Is Not Strange?』がRVNG Intl.から6/7にリリース決定。
Julia Holterをフィーチャーした新曲「Grand Trine」をリリース&Dicky Bahtoが手がけたMV公開。

フルクサスの中心人物でもあった故Yoshi Wada氏のご子息でもあるロサンゼルスを拠点とするコンポーザーTashi Wadaのニュー・アルバム『What Is Not Strange?』がRVNG Intl.から6月7日にリリース決定。
先行ファースト・シングルとして長年のコラボレーターでありパートナーでもあるJulia Holter(昨年12月には共に来日)をフィーチャーした「Grand Trine」をリリース。
この曲は当時生まれたばかりだったTashi WadaとJulia Holterの娘の星図に存在する、正三角形を形成する惑星の占星術的な配置にその名前が由来している。Tashi Wadaのきらめくリチューンされたハープシコード・サウンドが、Julia Holterの伸びやかなヴォーカル、Ezra BuchlaとDevin Hoffの流線形のストリングス、Corey Fogelのラウンチングでパワフルなドラムによって高められていく。まるで惑星間の宮廷音楽のようであり、生命のサイクルに対する野心的な賛歌である。

合わせてTashiとJuliaの長年のコラボレーターであるDicky Bahtoが手がけた印象派的な同曲のミュージック・ビデオも公開されました。

Tashi Wada new single “Grand Trine” out now

Artist: Tashi Wada
Title: Grand Trine
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Format: Digital Single
Listen/Buy: https://orcd.co/glwqb41

Tashi Wada – Grand Trine [Official Video]
YouTube: https://www.youtube.com/watch?v=fIbkbwliaOU

Directed by Dicky Bahto

Tashi Wada new album “What Is Not Strange?” out on June 7

Artist: Tashi Wada
Title: What Is Not Strange?
Label: PLANCHA / RVNG Intl.
Cat#: ARTPL-216
Format: CD / Digital

※解説付き予定

Release Date: 2024.06.07
Price (CD): 2,200 yen + tax

“ドリーム・ミュージック” ロサンゼルスを拠点に活動する作曲家Tashi Wadaのニュー・アルバムであり、これまでで最も遠大で情熱的な音楽で構成されている作品が完成。父親Yoshi Wadaの死から娘の誕生までを含む期間にわたって書かれ、録音されたこのアルバムでは、ワダが新しい様式の恍惚とした歌をベースにした新しい表現方法を通して、「生きていること」、「死」、「自分の居場所を見つけること」といった広範な物語を探求するため、内面を見つめ直した作品となっている。濃密なフォルム、峻烈なコントラスト、明白な超現実性は、最小限の手段で知覚的効果を引き出した彼の初期の作品とは異なる重みを持っているかもしれないが、『What Is Not Strange?’』の核心は依然として実験と予期せぬ結果にある。

ワダは『What Is Not Strange?』をドリーム・ミュージックと呼び、”特定するのが難しい感情状態”と”瞬間から瞬間への変容”を宿している。自己の体験的知識によって生得的な真理を探求することは、ワダがアメリカのシュルレアリスムの詩人フィリップ・ラマンティアの著作に没頭していたことに影響されている。アルバムのタイトルをラマンティアの詩から取ったことに加え、彼は、私たちはまさに同じ世界の反映であるため、世界の秘密は私たちの中にあるという先見の明のある詩人の信念に触発された。しかし、このアルバムの基本的な前提は、そこに「そこ」は存在しないという感覚である。足元の地面さえ不確かなのだ。この内面性があるように見える『What Is Not Strange?』の理念と音楽は安易なカテゴライズを拒み、過去、現在、未来のビジョンのように展開する。

ミニマリズム音楽と、父Yoshi Wadaが中心人物であったフルクサス芸術運動の不朽の遺産を肌で感じながら育ったワダは、父の偉大な貢献によるインサイダーとして、また2人の移民の息子として、アジア系アメリカ人としてのアウトサイダーとして、アカデミーと90年代以降のアメリカのアンダーグラウンドを渡り歩いてきた。本作で彼は、この系譜を再文脈化し、推定される信条を無視し、より大きく、より複雑なアレンジメントで最大主義的アプローチを主張する。

既知の量の不安定性は、「What Is Not Strange?」の方法論に反映されている。ワダはキーボード演奏を自由にするために独自のパラメータを設定し、フランスの作曲家で音楽理論家のJean-Philippe Rameauが提案した18世紀初頭の音律に基づいたシステムにProphetとOberheimのシンセをチューニングした。「そこから、耳と感触で音楽を浮かび上がらせました」と振り返り、「チューニングの不規則なハーモニーと重なり合うキーボードの馴染みのある感触とその引きが私の演奏を導き、最終的にアルバムのサウンドとハーモニーの世界を形作りました。」と語っている。
『What Is Not Strange?』の参加メンバーは、実験音楽、ポップス、ジャズ、エレクトロニック・ミュージックなど、様々な分野のロサンゼルスのミュージシャンからなる結束の固いコミュニティから集められている。長年のコラボレーターでありパートナーでもあるJulia Holterは、彼女の特徴である高らかなヴォーカルでワダの作曲を高めている。パーカッショニストのCorey Fogelは 、パワフルでありながら繊細なオーケストラ・プレイでアルバム全体に貢献し、ヴィオラ奏者のEzra BuchlaとベーシストのDevin Hoffは 、拡散する弦楽器のテクスチャーとメロディックなインタープレイを提供している。このアルバムは、Chris Cohenが南カリフォルニアの様々なスタジオで録音し、Stephan Mathieuがミキシングとマスタリングを担当した。「この音楽はかなり直感的に書かれたもので、近年、家族や友人とライブ・グループを結成し、ツアーを数多くこなしてきたことに起因しています」とワダは言う。

オープニングのタイトル・トラックでは、立ち上がるシンセのパルスが、不穏でありながら吉兆なムードを醸し出し、バンドをフォーメイションへと誘う。アルバムの目玉である「Grand Trine」は、これまでの作品の中で最も輝かしい音楽である。ワダの重厚なハープシコードとJulia Holterの紛れもない声が組み合わさり、惑星間の宮廷音楽のように感じられる。タイトルは、ワダとホルターの娘の星座図にある正三角形を形成する3つの惑星の配置にちなんでいる。バンドは「Flame of Perfect Form」で原始的なサイケデリアへと融合し、トリオ編成の「Subaru」では、フォークと日本のシンセ・ポップが楽観的にブレンドされ、星に手を伸ばす。最後から2番目のトラック「Plume」では、彼のこれまでの音楽に存在していた哀愁漂うドローンが、楽しげでやんちゃなキーボード・ソロと一気に絡み合う。

ワダは『What Is Not Strange?(何がおかしくないか)』で、野性的な実験の基盤を確立し、決定的な声明を作り上げ、彼の身近な、そして拡大した音楽的ファミリーの助けを借りて、広がりのある新しい音世界を形作った。ルーツは深まり、増殖する。本作は、アーティストがコントロールを放棄し、得体の知れないものに語りかけるサウンドである。ワダが回想する:「まだ泳ぎに自信がない頃、海に入って、足の指先が地面につかなくなり、ゆっくりと浮き上がった幼い頃の記憶がある。恐怖と爽快感でいっぱいだった。底が抜けて、深いところに出て、広々とした開放感の中で、自分と、上空の空と下界の海の底知れなさを感じるんだ」。

Tashi WadaとRVNG Intl.を代表して、このリリースの収益の一部は、紛争、伝染病、災害、または医療から排除された影響を受けている人々に人道的医療支援を提供する非政府組織「国境なき医師団」に寄付されます。

TRACK LIST:

01. What Is Not Strange?
02. Grand Trine
03. Revealed Night
04. Asleep to the World
05. Flame of Perfect Form
06. Under the Earth
07. Subaru
08. Time of Birds
09. Calling
10. Plume
11. This World’s Beauty

Jlin - ele-king

 フットワークのすごいところは、この音楽がダンスのためにあり、ダンスという行為から自発的に生まれる創造性に対応すべく進化した点にある。踊っている側が、バトルのためにより複雑な動きを必要とし、音楽がそれに応えたのだ。つまり、あの平均値80bpmのハーフタイムのリズムと160bpmのオフビートでのクラップとハットの高速反復、初期のそれにはいかがわしいヴォーカル・サンプルも追加されるという(その点ではヴェイパーウェイヴとの並列関係にあった)、ああしたフットワークのスタイルは、アートを目指して生まれたものではない。踊るために機能するサウンドとして生まれ、磨かれたということだ。RPブーもDJラシャドもDJスピンも、みんな元々はダンサーである。いや、その源流にあたるゲットー・ハウスの王様、DJファンクだってダンスからはじまっている。「ファック・アート、レッツ・ダンス」とは初期レイヴの有名なスローガンだが、シカゴはそれを一時期の流行ではなく、世界がシカゴに注目しなくなった90年代後半においてもずっと継続していたのだった(デトロイトのゲットーテックとともに、ダンス・ミュージックにおけるダーティな側面の追求)。きっと、いまでもそうなんだと思う。

 ジェイリンは、シカゴのフットワークをインターネットを通じて知ったその外部者のひとりで、インディアナ州ゲイリーを拠点としている。現場とは直接関わっていなかったがゆえにダンサーたちの要求に応える必要もなく、自由な発想ができる立場にいた彼女は、それでも最初は現場の手ほどきを受け、そして自分のアイデアを加えてフットワークを拡張した。そのみごとな成果は、すでに『Dark Energy』や『Black Origami』といった作品として知られている。とくに後者はオウテカの領域にも近づいており、その4次元的なリズム宇宙とテックライフ系のフロアとの架け橋をしているようなアルバムだった。もっともジェイリンのシカゴの現場へのリスペクトにはたいへんなものがあって、彼女はフットワークのAFXにはならないし、彼女の音楽から「レッツ・ダンス」の要素はなくならない。それは今回のアルバムにおいてもっとも話題となったフィリップ・グラスとの共作“The Precision Of Infinity”も証明している。
 この曲で驚くべきは彼女のリズム・トラックだ。もちろん、いままでもそうだったように、単純な反復ではない。フットワークにおけるハーフタイムの構造を活かし、曲は複数回にわたって別のリズムへと展開する。複雑な構造だが、複雑には聴こえないし、ゲットー・ハウスに聴こえる瞬間すらある。ダンス・ミュージックにおけるもっともダーティな側面(からの進化形)とグラスが、どんな経緯があろうとも結果、共鳴しあっているかと思うと、ぼくはついつい微笑んでしまうのだが、良い曲だと思う。クロノス・クァルテットとの共作“Sodalite”も、同じように彼らの旋律の変化に合わせてリズムも変わる。ちなみにジェイリンは、バージニア・ウルフの小説を下地にした映画『めぐりあう時間たち』のサウンドトラックでグラスを好きになったという話だ。
 
 ビョークとの共作は、ジェイリンがすでにホーリー・ハーンドンとの共作を出していることを思えば驚くに値しない。その曲“Borealis”も、グラスとの共作同様にシームレスなリズムの変化が魅力で、これまでの作風がどちらかと言えばヴァーティカル(垂直的)な傾向(つまり、いつどこで聴いてもその曲の魅力はわかる構造)にあったことを思えば、今回はそこにリズムの展開を加えること(つまり、最初から通しで聴いた方がその魅力がわかる構造)が大きなコンセプトになっていると言えそうだ。それから、まあこれは以前からもあった要素だが、“Challenge ”や“Eye Am”など、パーカッシヴな響きの多彩な見せ方も今作の特徴になっている。野心作としてはほかにも、ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器の音をパーカッシヴに使った、抽象的だがリズミックな“Summon”があるが、この実験においてもフットワークの影響が残っている。そう、だから、シカゴではアートではないからこそアートになりえるという逆説が成り立っていると、ジェイリンはそのことをよく理解していた。フットワークとはリズムの音楽で、その可能性/横断性は限りない。というわけで、さあ、レッツ・アート、レッツ・ダンス!

Loraine James / Whatever The Weather - ele-king

 歓喜とはこのこと。2022年のすばらしいライヴをおぼえているだろうか。いまもっとも重要なエレクトロニック・ミュージシャンのひとり、ロレイン・ジェイムズの再来日が決定している。嬉しいことに、今回もロレイン・ジェイムズ名義とワットエヴァー・ザ・ウェザー名義の2公演。しかも、ジェイムズが敬愛しているという aus蓮沼執太がそれぞれの公演をサポートする。いやこれ組み合わせもナイスでしょう。
 ワットエヴァー・ザ・ウェザー&ausは5/15に、ロレイン・ジェイムズ&蓮沼執太は5/17に、いずれもCIRCUS Tokyoに登場。なお、ジェイムズはその後STAR FESTIVALにも両名義で出演します。ゴールデンウィーク後はしっかり予定を空けておくべし。

LORAINE JAMES // WHATEVER THE WEATHER JAPAN TOUR 2024
2022年の初来日公演が各所で絶賛され、2023年にLoraine James名義でHyperdubからリリースした最新作『Gentle Confrontation』が様々なメディアの年間ベスト・アルバムにも名を連らね、現代のエレクトロニック・ミュージック・シーンにおける再注目の存在であるLoraine James // Whatever The Weatherの再来日が決定致しました!
Loraine JamesとWhatever The Weatherでそれぞれ東京公演を行い、京都のSTAR FESTIVALにも両名義で出演致します。
また、東京公演のサポート・アクトにはLoraineが敬愛するaus(5/15公演)と蓮沼執太(5/17公演)が出演致します。
ausはハイブリッドなDJ+ライブセットを、蓮沼執太はソロセットを披露致します。

イベント・ページ:
https://www.artuniongroup.co.jp/plancha/top/news/loraine-james-2024/

Loraine James // Whatever The Weather
Japan Tour 2024

Whatever The Weather 東京公演
Ghostly International 25th Anniversary in Japan vol.1

日程:5/15(水)
会場:CIRCUS Tokyo
時間:OPEN 19:00 / START 20:00
料金:ADV ¥4,500 / DOOR ¥5,000 *別途1ドリンク代金700円必要

出演:
Whatever The Weather
aus

チケット:
イープラス https://circus.zaiko.io/e/whatever
ZAIKO https://eplus.jp/sf/detail/4082320001-P0030001

Loraine James 東京公演
日程:5/17(金)
会場:CIRCUS Tokyo
時間:OPEN 18:30 START 19:30
料金:ADV ¥4,500 / DOOR ¥5,000 *別途1ドリンク代金700円必要

出演:
Loraine James
Shuta Hasunuma

チケット:
イープラス https://circus.zaiko.io/e/lorain
ZAIKO https://eplus.jp/sf/detail/4082290001-P0030001

STAR FESTIVAL
日程:2024年5月18日(土)〜19日(日)
会場:府民の森ひよし 京都府南丹市日吉町天若上ノ所25 Google Map forest-hiyoshi.jp
時間:2024年5月18日(土)10:00開場 〜 19日(日)17:00閉場
Loraine James, Whatever The Weatherは両名義とも5/18に出演

料金:
前売入場券(ADV TICKET) ¥13,000
グループ割引入場券(4枚):¥46,000(1枚11,500円)
駐車券(PARKING TICKET) ¥3,000(オートキャンプA ¥20,000 / オートキャンプB ¥16,000 / オートキャンプC ¥6,000)

出演:
Craig Richards
DJ Marky
DJ Masda
Fumiya Tanaka
Loraine James
Whatever The Weather
Zip
and more…

チケット:
イープラス https://eplus.jp/starfestival2024/
ZAIKO https://thestarfestival.zaiko.io/e/2024MAY
楽天チケット http://r-t.jp/tsf

オフィシャルサイト:https://thestarfestival.com/

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主催・企画制作:CIRCUS / PLANCHA
協力:BEATINK


Photo by Ivor Alice

Loraine James // Whatever The Weather:

ロレイン・ジェイムス(Loraine James)はノース・ロンドン出身のエレクトロニッック・ミュージック・プロデューサー。エンフィールドの高層住宅アルマ・エステートで生まれ育ち、母親がヘヴィ・メタルからカリプソまで、あらゆる音楽に夢中になっていたおかげで、エレクトロニカ、UKドリル、ジャズなど幼少期から様々な音楽に触れることとなる。10代でピアノを習い、エモ、ポップ、マス・ロックのライヴに頻繁に通い(彼女は日本のマスロックの大ファンである)、その後MIDIキーボードとラップトップで電子音楽制作を独学で学び始める。自宅のささやかなスタジオで、ロレインは幅広い興味をパーソナルなサウンドに注ぎ込み、やがてそのスタイルは独自なものへと進化していった。
スクエアプッシャーやテレフォン・テル・アヴィヴといった様々なアーティストやバンドに影響を受けながら、エレクトロニカ、マスロック、ジャズをスムースにブレンドし、アンビエントな歪んだビートからヴォーカル・サンプル主導のテクノまで、独自のサウンドを作り上げた。
彼女は2017年にデビュー・アルバム『Detail』をリリースし、DJ/プロデューサーであるobject blueの耳に留まった。彼女はロレインの才能を高く評価し、自身のRinse FMの番組にゲストとして招き、Hyperdubのオーナーであるスティーヴ・グッドマン(別名:Kode 9)にリプライ・ツイートをして、Hyperdubと契約するように促した。それが功を奏し、Hyperdubは2019年に彼女独特のIDMにアヴァンギャルドな美学と感性に自由なアプローチを加えたアルバム『For You and I』をリリースし、各所で絶賛されブレイク作となった。その後『Nothing EP』、リミックス、コラボレーションをコンスタントにリリースし、2021年に同様に誠実で多彩なフルレングス『Reflection』を発表。さらなる評価とリスナーを獲得した。2022年には1990年に惜しくも他界したものの近年再評価が著しい才人、Julius Eastmanの楽曲を独自の感性で再解釈・再創造した『Building Something Beautiful For Me』をPhantom Limbからリリースし、初来日ツアーも行った。そして2023年には自身にとっての新しい章を開く作品『Gentle Confrontation』をHyperdubから発表。これまで以上に多くのゲストを起用しエレクトロニック・ミュージックの新たな地平を開く、彼女にとって現時点での最高傑作として様々なメディアの年間ベスト・アルバムにも名を連ねた。

そしてロレインは本名名義での活動と並行して、別名義プロジェクトWhatever The Weatherを2022年に始動した。パンデミック以降の激動のこの2年間をアートを通じて駆け抜けてきた彼女はNTSラジオでマンスリーのショーを始め、Bandcampでいくつかのプロジェクトを共有し、前述のHyperdubから『Nothing EP』と『Reflection』の2作のリリースした。そして同時に自身が10代の頃に持っていた未知の創造的な領域へと回帰し、この別名義プロジェクトの発足へと至る。Whatever The Weather名義ではクラブ・ミュージックとは対照的に、キーボードの即興演奏とヴォーカルの実験が行われ、パーカッシヴな構造を捨ててアトモスフィアと音色の形成が優先されている。
そしてデビュー作となるセイム・タイトル・アルバム『Whatever The Weather』が自身が長年ファンだったというGhoslty Internationalから2022年4月にリリースされた。ロレインは本アルバムのマスタリングを依頼したテレフォン・テル・アヴィヴをはじめ、HTRK(メンバーのJonnine StandishはロレインのEPに参加)、Lusine(ロレインがリミックスを手がけた)など、アンビエントと親和性の高いGhostly Internationalのアーティスト達のファンである。
「天気がどうであれ」というタイトルにもちなんで、曲名は全て温度数で示されている。周期的、季節的、そして予測不可能に展開されるアンビエント~IDMを横断するサウンドで、20年代エレクトロニカの傑作(ele-king booksの『AMBIENT definitive 増補改訂版』にも掲載)として幅広いリスナーから支持を得ている。


aus:

東京出身のミュージシャン。10代の頃から実験映像作品の音楽を手がける。長らく自身の音楽活動は休止していたが、昨年1月Seb Wildblood主宰All My Thoughtsより久々となるシングル”Until Then”のリリースを皮切りに、4月にはイギリスの老舗レーベルLo Recordingsより15年ぶりのニューアルバム”Everis”をリリース。同作のリミックス・アルバムにはJohn Beltran、Li Yileiらが参加した。Craig Armstrong、Seahawksほかリミックス・ワークも多数。当公演はDJ+ライブセットでの出演となる。


Shuta Hasunuma (蓮沼執太):

1983年、東京都生まれ。蓮沼執太フィルを組織して、国内外での音楽公演をはじめ、多数の音楽制作を行う。また「作曲」という手法を応用し物質的な表現を用いて、彫刻、映像、インスタレーション、パフォーマンスなどを制作する。主な個展に「Compositions」(Pioneer Works 、ニューヨーク/ 2018)、「 ~ ing」(資生堂ギャラリー、東京 / 2018)などがある。また、近年のプロジェクトやグループ展に「Someone’s public and private / Something’s public and private」(Tompkins Square Park 、ニューヨーク/ 2019)、「FACES」(SCAI PIRAMIDE、東京 / 2021)など。最新アルバムに『unpeople』(2023)。第69回芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞。

web: https://linktr.ee/shutahasunuma
Instagram: https://www.instagram.com/shuta_hasunuma/

読む人の数だけ物語がある。
人生を揺さぶる「読書という体験」とは。20人の表現者が描く、本にまつわる濃厚なエッセイを収録。

永井玲衣 スズキナオ 川内有緒 牧野伊三夫 島田潤一郎 磯部涼 古賀及子 大平一枝 今井真実 鳥羽和久 五所純子 後藤護 岡崎武志 浅生ハルミン 森岡督行 嵯峨景子 野中モモ 前田エマ かげはら史帆 星野概念

哲学者、画家、ノンフィクション作家、モデル、翻訳者、精神科医、書店主など20人が選んだ本

「日常が変わるほど刺激的な本」
「この本があるから今の自分がある」
「きっとこれから大事になる本」

目次

はじめに

カツ丼の秘密を解くのに三〇年もかかってしまった 川内有緒
絵が一片の詩であると知る 牧野伊三夫
解釈や理解をすり抜けるものの話 星野概念
小さな物語などありえない 五所純子
残された文章を読めば、いつでも「植草さん」が立ち現れる 岡崎武志
読書の敵、読書のよろこび 島田潤一郎
わくわくしないはずがない 浅生ハルミン
代表作を、あえて 大平一枝
どこを読んでも面白いのです 森岡督行
“何も起こらない小説” ではなく スズキナオ
自分のままで生きていくために 今井真実
衝撃を受けてなお、私は読書に目覚めなかった 古賀及子
それが絶望だったとしても 前田エマ
そして新しい扉は開かれた 嵯峨景子
本嫌い(ビブリオフォーブ)を本狂い(ビブリオマニア)に変えた一冊 後藤護
私の “昨日” の世界 かげはら史帆
意味などぶっ飛ばす爆音の先に 磯部涼
誰もが、深く傷ついていた 永井玲衣
人生最大の読解力を使い切った 鳥羽和久
モモのいる世界で半世紀 野中モモ

執筆者一覧

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
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Rakuten ブックス
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Speed Dealer Moms - ele-king

 レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテは電子音楽好きの一面ももっていて、トリックフィンガー名義で作品を発表したりしている(インタヴューはこちら)。そんな彼とブレイクコアの代表格、ヴェネチアン・スネアズ(※英語では「ヴェニシャン・スネアズ」)ことアーロン・ファンクによるプロジェクトがスピード・ディーラー・マムズだ。
 これまで2010年と2021年に12インチを送り出している彼ら、当時はクリス・マクドナルドもメンバーだったが、今回フルシアンテとファンクのふたりによって再始動される。新作12インチ「Birth Control Pill」は〈Evar Records〉より5月10日にリリース。

artist: Speed Dealer Moms
title: Birth Control Pill
label: Evar Records
release: 10th May 2024
tracklist:
Side A - Birth Control Pill
Side B - Benakis

Chihei Hatakeyama & Shun Ishiwaka - ele-king

 これは興味深い組み合わせだ。アンビエント/ドローン・アーティストの畠山地平と、近年多方面で活躍をみせるジャズ・ドラマー、石若駿によるコラボ・アルバム『Magnificent Little Dudes』がリリースされる。2部作だそうで、まずはその「vol.1」が5月24日にリリース。事前準備なしでおこなわれた即興演奏が収録されるという。日本先行発売。いったいどんな化学反応が起こっているのか、注目です。

Chihei Hatakeyama & Shun Ishiwaka
Magnificent Little Dudues Vol.1
2024年5月22日(水)日本先行発売!

日本を代表するアンビエント/ドローン·ミュージック・シーンを牽引する存在となったChihei Hatakeyamaこと畠山地平が、この度ジャズ・ドラマーの石若駿とのコラボレーションを発表した。

ラジオ番組の収録で出会って以来、ライヴ活動などでステージを共にすることはあった2人だが、作品を発表するのは今回が初めて。『Magnificent Little Dudes』と名付けられた今作は、2部作となっており、2024年5月にヴォリューム1が、同夏にヴォリューム2がリリース予定となっている。

「その場、その日、季節、天気などからインスピレーションを得て演奏すること」をコンセプトに、あえて事前に準備することはせず、あくまでも即興演奏を収録。ファースト・シングル「M4」には日本人ヴォーカリストHatis Noitをゲストに迎えた。ギター・ドローンの演奏をしているとその音色が女性ヴォーカルのように聞こえる瞬間があることから、いつか女性ヴォーカルとのコラボレーションをしたいと思っていた畠山。「今回の石若駿との録音でその時が来たように感じたので、即興レコーディングの演奏中、いつもは使っている音域やスペースを空けてギターを演奏しました。ちょうどこのレコーディングの3週間くらい前に彼女のライヴ観ていたので、Hatis Noitさんの声をイメージしてギターを演奏しました」と話す。

世界を股にかけて活動する日本人アーティスト3組のコラボレーションが実現した『Magnificent Little Dudes Vol.1』は、日本国内外で話題となること間違い無いだろう。

アルバムはCD、2LP(140g)、デジタルの3フォーマットでリリースされる。

本日、収録曲の「M4」がファースト・シングルとして配信スタートした。

Chihei Hatakeyama & Shun Ishiwaka - M4 (feat. Hatis Noit)

[トラックリスト]
(CD)
1. M0
2. M1.1
3. M1.2
4. M4 (feat. Hatis Noit)
5. M7

(LP)
Side-A
1. M0
Side-B
1. M1.1
Side-C
1. M1.2
Side-D
1. M4 (feat. Hatis Noit)
2. M7

アーティスト名:Chihei Hatakeyama & Shun Ishiwaka(畠山地平&石若駿)
タイトル名:Magnificent Little Dudes Vol.1(マグニィフィセント・リトル・デューズ・ヴォリューム 1)
発売日:2024年5月24日(水)
レーベル:Gearbox Records
品番:CD: GB1594CD / 2LP: GB1594

※日本特別仕様盤特典:日本先行発売、帯付き予定

アルバム『Magnificent Little Dudes Vol.1』予約受付中!
https://bfan.link/magnificent-little-dudes-volume-01

シングル「M4」配信中:
https://bfan.link/m4

バイオグラフィー

[Chihei Hatakeyama / 畠山地平]
2006年に前衛音楽専門レーベルとして定評のあるアメリカの〈Kranky〉より、ファースト・アルバムをリリース。以後、オーストラリア〈Room40〉、ルクセンブルク〈Own Records〉、イギリス〈Under The Spire〉、〈hibernate〉、日本〈Home Normal〉など、国内外のレーベルから現在にいたるまで多数の作品を発表している。デジタルとアナログの機材を駆使したサウンドが構築する、美しいアンビエント・ドローン作品を特徴としており、主に海外での人気が高く、Spotifyの2017年「海外で最も再生された国内アーティスト」ではトップ10にランクインした。2021年4月、イギリス〈Gearbox Records〉からの第一弾リリースとなるアルバム『Late Spring』を発表。その後、2023年5月にはドキュメンタリー映画 『ライフ・イズ・クライミング!』の劇中音楽集もリリース。映画音楽では他にも、松村浩行監督作品『TOCHKA』の環境音を使用したCD作品『The Secret distance of TOCHKA』を発表。第86回アカデミー賞<長編ドキュメンタリー部門>にノミネートされた篠原有司男を描いたザカリー・ハインザーリング監督作品『キューティー&ボクサー』(2013年)でも楽曲が使用された。また、NHKアニメワールド:プチプチ・アニメ『エんエんニコリ』の音楽を担当している。2010年以来、世界中でツアーを精力的に行なっており、2022年には全米15箇所に及ぶUS ツアーを、2023年は2回に渡りヨーロッパ・ツアーを敢行した。2024年5月、ジャズ・ドラマーの石若駿とのコラボレーション作品『Magnificent Little Dudes Vol.1』をリリース。

[Shun Ishiwaka / 石若駿]
1992年北海道生まれ。東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校打楽器専攻を経て、同大学を卒業。卒業時にアカンサス音楽賞、同声会賞を受賞。2006年、日野皓正special quintetのメンバーとして札幌にてライヴを行なう。2012年、アニメ『坂道のアポロン』 の川渕千太郎役ドラム演奏、モーションを担当。2015年には初のリーダー作となるアルバム「Cleanup」を発表した。また同世代の仲間である小西遼、小田朋美らとCRCK/LCKSも結成。さらに2016年からは「うた」をテーマにしたプロジェクト「Songbook」も始動させている。近年はゲスト・ミュージシャンとしても評価が高く、くるりやKID FRESINOなど幅広いジャンルの作品やライヴに参加している。2019年には新たなプロジェクトAnswer To Rememberをスタートさせた。2023年公開の劇場アニメ『BLUE GIANT』では、登場人物の玉田俊二が作中で担当するドラムパートの実演奏を手がけた。2024年5月、日本を代表するアンビエント/ドローン·ミュージシャン、畠山地平とのコラボレーション作品『Magnificent Little Dudes Vol.1』をリリース。

 春が来た。なにかが一新されたようなこの感覚が錯覚であることはわかりきっていても、やはり嬉しいものは嬉しい。幸い花粉症に悩まされるのは(個人的には)まだまだ先のことみたいだから、外をフラフラしながら街の香気や陽の光をのびのびと楽しんでいる。
 音楽と結びついている自分の記憶のなかの春っぽさは、快晴の軽やかさではなくむしろ曇天のようにまとわりつく気だるさだ。どこかに逃げたいな……という気持ちでかつて縋った音楽は、春には似つかわしくない陰気なものがどちらかといえば多かったような気がする。

 日が落ちると肌寒くなったり、自身を取り巻く環境が一変したり、理想と現実のギャップに気が滅入ったり。調子が狂いやすくなるこの季節、普段なら心地よく感じられるはずの陽気をついうっとうしく感じてしまうこともあるでしょう。そんな感情の移ろいをケアするための、日本のユースによる「ポスト・クラウド・ラップ」とでも形容すべきダルくて美しいトラックをいくつか取り上げてみようと思います。


tmjclub - #tmjclub vol.1

 2021年前後にtrash angelsというコレクティヴがSoundCloud上で瞬間的に誕生し、メンバーであるokudakun、lazydoll、AssToro、Amuxax、vo僕(vq)、siyuneetの6人それぞれがデジコア──ハイパーポップをトラップ的に先鋭化させた、デジタル・ネイティヴ世代のヒップホップ──を日本に持ち込み、ラップもビートメイクもトータル的に担いつつ、独自のものとしてローカライズさせていった。
 2021年というとつい先日のことのように感じられるが、彼らユースにとっては3年弱前のことなんかはるか遠い昔の話だろう。trash angelsは2022年ごろには実質的に解散した。そして2024年の年明けごろ、SNS上に @tmjclubarchive というアカウントが突如現れた。そこにはVlog風のショート動画やなんてことのないセルフィーが、いずれも劣化したデジタル・データのような質感でシェアされていた。
 そう、このtmjclubこそ当時のtrash angelsに近いメンバーが別の形で再集結した新たなミーム的コレクティヴなのだ。突然公開されたミックステープ『#tmjclub vol.1』には上述したlazydoll、okudakun、AssToroに加え、日本のヨン・リーンとでもいうべき才能aeoxve、ウェブ・アンダーグラウンドの深奥に潜むHannibal Anger(=dp)やNumber Collecterといった、同じSoundCloudという土地に根ざしつつもけっして前述のデジコア的表現に当てはまらない、よりダークでダウナーなラップを披露していた面々が合流。日本におけるクラウド・ラップの発展と進化、そして今後の深化を感じさせる記念碑的な必聴盤として大推薦したい。ここには未来がある。


vq - 肌

 SoundCloudで育まれるユースの才能には大人が手を伸ばした瞬間に消えゆく不安定さがあり、その反発こそがすべてをアーカイヴできるはずのインターネット上にある種の謎を残している、と僕は考えている。情報過多の時代のカウンターとして、だれもがミスフィケーションという演出を選択している、とも言い換えられる。
 とくに、前述したtrash angelsでもいくつかのトラックに参加していたvq(fka vo僕)はその色が強く、過去発表してきた数枚のEPはいずれも配信プラットフォームから抹消されており、現在視聴可能なのはこの2曲入の最新シングル『肌』のみである。
 がしかし、彼がミスフィケーションしようとしているのはあくまでも自身のパーソナリティのみで、音楽それ自体に対する作為的な演出はまるでない。むしろあまりにイノセントで、あまりに剥き出しの純真さをもって音楽に向き合っていて、そこにはヒップホップという文化を下支えするキャラクター性、つまりはスターであるための虚飾的な要素を解体し、ただただ透明であり続けたいという切実な思いが込められているように思える。
 あえて形容するなら “グリッチ・アコースティック” とでもいうべき不定形なビートに乗せられる、まっすぐな言葉による心情の吐露。削除された過去作をここで紹介できないことが悔しい。原液のような濃度を持ったこの表現者のことを、より多くの人に、痛みを抱えたあらゆる人に見聞きしてほしい。


qquq - lost

 以上のように取り上げた、trash angelsに端を発する日本のデジコア・シーンは猛烈なスピードで動きつづけていて、はやくも彼/彼女たちに影響を受けた次世代が誕生しはじめている。そのひとりが、qquqという日本のどこかに潜む若きラッパーだ。
 おそらくはゼロ年代以降の生まれだろうと(電子の海での)立ち振る舞いから推察できるものの、自身のパーソナリティはほとんど公にせずSoundCloudへダーク・ウェブ以降の質感を纏ったトラックを粛々と投稿する、という「いま」がありありと現れているスタイルも込みでフレッシュな才能だ。クラウド・ラップやヴェイパーウェイヴが下地にありつつもデジコアの荒々しさがブレンドされる初期衝動的なラフさもあれど、決してアイデアにあぐらをかかず、自分だけの表現を勝ち取ろうともがいているようにも見える。彼の孵化がいまは楽しみだ。


松永拓馬 - Epoch

 神奈川県・相模原を拠点とするベッドルーム・ラッパー、松永拓馬の最新作。2021年にはEP「SAGAMI」をリリースし、2022年には1stアルバム『ちがうなにか』を発表するとともにいまを羽ばたくトランス・カルト〈みんなのきもち〉とリリース・レイヴを敢行するなどアクティヴに活動をしていた彼が、1年半に及ぶ沈黙のなか、Miru Shinoda(yahyel)によるプロデュースのもと生み出した力作だ。
 アナログ・シンセサイザーによってゼロから作成されたトラックには、昨今の潤沢かつ利便性に富むDAW環境では探し当てることのできないクリティカルな音の粒が立っており、そのすべてがユースのプロパーな表現手法とは一線を画している。リリックには男性性を脱構築したかのような新しいスワッグさも漂う特異なバランス感覚があり、エレクトロニカ~IDM的な領域へと移行しつつありながらも、やはりバックボーンにはクラウド・ラップ以降の繊細なヒップホップ・センスが横たわっている。ドレイン・ギャングの面々やヨン・リーンなどを輩出したストックホルムの〈YEAR0001〉が提示する美学に対する、日本からの解答がようやく出るのかもしれない。まだ始まったばかり、これからの話だけれど。



rowbai - naïve

 バイオグラフィをチェックしようとした我々を突き刺す、プロフィール写真の鋭い眼光。「過剰さ」が共通項である2020sの新たな表現とは異なる、プレーンでエッジの効いた、ソリッドなミニマリズムを感じさせるSSW・rowbaiの2年2ヶ月ぶりとなるこの作品を、あえてクラウド・ラップというテーマになぞらえて取り上げたい。
 前作『Dukkha』では「弱さの克服」をモチーフとしていた彼女が今回願ったのは「弱さの受容」とのこと。朴訥としたフロウから送り出されるリリックには、足りない、聞こえない、見えない、止まれない……そうしたアンコントローラブルな不能感が随所に織り込まれつつも、歌いたい、誰も邪魔できない、光が見たい、ここにいたっていい……そうした自身を鼓舞しながら聴き手をエンパワメントする意志が交わり、暗くも明るい、痛みに寄り添ったケアとしての表現、慈愛が感じられる。トラックはエレクトロニックとアコースティックを折衷した有機的なデジタル・サウンドでヴァラエティに富んでおり、まっすぐなポップ・センスで真正面から表現と向き合っている切実な印象を作品全体に与えている。それでありながら、歌唱に振り切ることはなくあくまでもフロウとしての歌がある。現代のポップスがラップ・ミュージックといかに強く結びついているかを改めて考えさせられてしまった。

interview with Mount Kimbie - ele-king

 またひと組、ロンドンで新たなインディ・ロック・バンドが誕生した――そう言ってしまいたくなるほど、マウント・キンビーは大きな変化を遂げている。
 2009年から10年にかけ、ジェイムズ・ブレイクとともにポスト・ダブステップを担う重要アクトとして登場してきたマウント・キンビー。ファースト『Crooks & Lovers』(2010)は時代の転換期にあたる当時のモードのひとつを記録する名盤だが、その延長線上にバンド・サウンドも組み入れたセカンド『Cold Spring Fault Less Youth』(2013)や、より本格的にバンド編成を追求した『Love What Survives』(2017)は、1枚目の焼き直しを期待していたファンにとっては驚きだったかもしれない。ブレイクがどんどんシンガー・ソングライターに転身していく──マーク・フィッシャーはそれを「幽霊がだんだんと物質的な形式を身にまとっていく」ようだと形容した──のと並走するかのように、マウント・キンビーはどんどんロック・バンド色を強めていった。クラウトロックやポスト・パンクからの影響を濃くにじませる3枚目はとくに、その後ロンドンからつぎつぎと若手バンドたちが登場してきたことを踏まえるなら先駆的だったといえるかもしれない。
 ブレイク同様LAに暮らし、貪欲にUSのメジャーなサウンドを吸収するドミニク・メイカー。デトロイト・テクノに傾倒しロンドンでDJ活動に邁進するカイ・カンポス(2022年12月のVENTでの来日公演もおおむねその路線だった)。それぞれのソロ作をカップリングした3.5枚目『MK 3.5: Die Cuts | City Planning』(2022)という変則的なアルバムを経て送り出された新作『The Sunset Violent』は、長年の協力者たるアンドレア・バレンシー=ベアーンとマーク・ペルを正式にメンバーとして迎え入れている。マウント・キンビーはついに、名実ともに4ピース・バンドになったのだ。サードの目立つ参照項がクラウトロックとポスト・パンクだったとしたら、今回はより時代をくだり、随所でオルタナティヴ・ロック、グランジ、シューゲイズなどを想起させる音づくりが為されている。強烈なギター・サウンドといい意味でチープなドラム・マシン、夢の世界へと誘うようなヴォーカルの組み合わせは本作の大きな魅力だろう。みごと転生を果たした彼らはいま、なにを考えているのか。

楽器をプレイするのは魅力的だったんだ。シークエンスすることのできない、もっとこう、ある意味有機的な作曲プロセスを経なくてはならないもの、というのは。(カンポス)

先行シングル「Dumb Guitar」が出たとき、アンドレア・バレンシー=ベアーンとマーク・ペルがマウント・キンビーの正式メンバーになったことが発表されました。マウント・キンビーはバンドになったということですよね。まずはそれぞれの役割分担、担当楽器などを教えてください。アンドレアはキーボード、マークはドラムスでしょうが、具体的にどんなことをやっているのでしょう?

ドミニク・メイカー(以下DM):うん、ふたりは本当に、ぼくたちと関わってもらうことにした最初の瞬間から──当初はとにかく、自分たちの初期の曲を再現しようとしていただけなんだ。つまりライヴでそれらをプレイする方法を見極めようとしていた、と。ところが、マークとアンドレアのバンドへの貢献は実際それをはるかに越えるものだ、というのがかなり明白になってね。ふたりともじつに音楽的だし、彼ら自身の音楽活動もやっている。アンドレアはコンポジションを数多く手がけ、音楽/作曲の勉強も続けていて。マークは、言うまでもなくめちゃファンタスティックなドラマーだし、ぼくたちが最高に好きなバンドのいくつかでプレイしたこともある。だから彼らに参加してもらい、関与してもらうのは素晴らしかった。思うに時間が経つにつれ、両者に創作過程の一部になってもらいたい、ぼくたちもそう思っているのがはっきりしたんじゃないかと。で、彼らは非常に、そのプロセスに欠かせない存在なんだ。ぼくたちは本当に、彼らのスキルを活用したいと感じたし、ふたりともあれだけ才能のあるひとたちだから、それをやるのは納得だよね。それにアンドレアのこのレコードへの関与は、もう「フィーチャー・アーティスト」の枠を越えている。曲作りの面でも本当に助けてもらって……うん、ぼくたちは本当に、あのふたりととても強いつながりを感じている。それにいずれにせよ、ライヴでプレイし一緒に世界をまわることを通じてじつに数多くの体験をシェアしてきた仲だし、だから彼らを作曲面にも含めることは、ものすごくすんなりと楽だった。

通訳:なるほど。アンドレアはヴォーカルもこなしていますが、マークはどうですか? 彼もバッキング・コーラス等は担当するのでしょうか?

DM:ライヴでは、ぼくたちは彼の声をかなりたくさん使っている。実際、もっと使いたいと思っていて。でも、マークはものすごく多忙でね……いや、っていうかふたりとも忙しいし、だからこのレコード作りの終わりあたりでアンドレアが実際にぼくたちに加わり、メロディのいくつかなどなどでヘルプしてもらえたのは本当にラッキーだった。でも、うん、マークの声はもっと使えたらいいなと思っているよ(笑)!

新作の成立過程についてお伺いします。前回の特殊な作品、「3.5枚目」のアルバムと呼ばれていた『MK 3.5: Die Cuts | City Planning』が出たころ(2022年11月)にはもう今回の新作にとりかかっていたのでしょうか?

DM:いや、さいわい、前作とのオーヴァーラップはなかった。『MK 3.5』に収録したそれぞれのアルバムをフィニッシュしたところで──ふたりで一緒にあの作品を聴いたのはじっさい、新作向けの軽い作曲作業に着手すべく、砂漠〔訳注:ユッカ・ヴァレー。ジョシュア・トゥリー国立公園にも近い〕に向かう車中だった。だから、あの時初めて互いのつくったものを聴いた、あのレコード全体をとおしてすべて聴いたわけ。でも……うん、前作との被りはいっさいなかった。ただ、とにかく新しいというか、なにもかも自分ひとりでやる状態から踏み出すのは、本当にエキサイティングに感じられたね。というのも、あの2枚のアルバムはそれぞれべつの作品であって、どちらもこう、「ひとりでお産する」みたいなシチュエーションだったから(苦笑)。ふたたびいつもの状態に戻れたのは最高だった。終始自主的にモチヴェーションを掻き立てるのではなく、外部からもエネルギーをもらえるようになったからね。

カイ・カンポス(以下KC):うん、制作プロセスが本当に大違いだったから、前作と新作を同時にやる、というのは無理だったんじゃないかな。ぼくたちはあの、奇妙なソロ・レコード2枚をつくるのに全力投球しなくてはいけなかったし、その上で……あの作業が終わるやいなや──まあ、それほど長くギャップが空いたわけではないにせよ──あの2枚は「完了」にする必要があったね、今回の新作に向けて進むには。

通訳:なるほど。『MK 3.5』の2枚を個々で作り、世に出したからこそ『The Sunset Violent』を作ることができた、というか?

KC:うん。あの2枚のレコードは、自分たちにはどんな風にレコードをまとめることができるかうんぬん、そうした意味でちょっと実験的だったけれども……ただ明らかに、タイトルからして『3.5』なわけで、そもそも「マウント・キンビーの次作」として想定されたものではなかったんだよ。

自分が若かったころ、十代初期くらいによく聴いた音楽を遡って聴いていた。ザ・ストロークスやピクシーズあたり。で、これら2バンドのどこが好きかと言えば、彼らのメロディ、リード・シンガー/ヴォイスだと思う。(メイカー)

おふたりでカリフォルニアのユッカ・ヴァレーという田舎で制作をはじめて、その後バレンシー=ベアーン、ペル、共同プロデューサーのディリップ・ハリスとともにロンドンで完成させた、という流れで合っていますか? カリフォルニアで作曲し、ロンドンで演奏、録音をしたということでしょうか?

DM:うん、大体そんなところ。プロセス全体がやや分割気味だったというかな、移動の問題だのなんだののせいで。とにかくこう、ぼくが足止めを食らって合流できない、そういうケースが多かったし、一方でカイとマークとアンドレアはスタジオ入りしていて、ディリップとともに作業に取り組んでいたり。うん、あれはかなりバラバラなプロセスだったけれども、でもじつのところ、そのぶん多くの意味で、とても集中力の高いものになったんだ。というのも、じっさいに全員集合できたときは、その貴重な時間をマジにフル活用しなくちゃならなかったから。

新作はとにかくギターのエフェクター、音色が強烈で、スタイル的には異なりますがシューゲイズさえも想起させます。これほどまでにギターを歪ませたり、あるいはディレイをかけたのには、どんな効果を狙ってのことでしょう?

KC:当初の自分はただこう、ギターを作曲の主要ツールとして使いたかった、という。ぼくのつくった前のレコード、あれは非常にスタジオ作業とシークエンサーが基盤の内容だったわけだし、あの作品を抜け出したところで、楽器をプレイするのは魅力的だったんだ。シークエンスすることのできない、もっとこう、ある意味有機的な作曲プロセスを経なくてはならないもの、というのは。で……うーん、どうなんだろう? まあ、ぼくの好きなギター・ミュージックのほとんどは、たぶんなんらかのディストーションをフィーチャーしている、そう言っていいと思う。ディストーションのかかったギターのサウンドやフィードバックが自分はずっと好きだった、というか。ああ、あと、ディストーション・ペダルというのは、テクに秀でていないプレイヤーにとっての一種の「避難場所」でもあるだろうね。それにまあ、とにかくディストーションがかかったほうがいい響きになるし(笑)、そこではいろんなことが起きるし、倍音もたくさんあって……。それに、今回のギター・サウンドにかんしては、実際的な面もあった。ふたりでデモを切っていたとき、ぼくは作業場にアンプまで持っていきたくなくてね。だからかなりドライな、非常にこう、ミックスの前面に出てくる類いのサウンドになった。空間性があまりないサウンドというか、ある意味とても人工的なギター・サウンドだね。すべてダイレクト・インプットだから、演奏した空間の響きが含まれない。

通訳:なるほど。

KC:というわけで、ことのはじまりはアンプがないという現実的な話だったのが、いつのまにか選択になっていた、サウンドの一部になった、という。

通訳:それってある意味、70年代のロック・レコードによくあったギター・サウンドですよね? あまり空間を感じない、パンチのあるダイレクトな響きというのは。

KC:ああ、うん。

Love What Survives』がクラウトロック&ポスト・パンクだとすると、今回はUSのオルタナティヴ・ロック~グランジの雰囲気が強めに出ているようにも感じました。制作中はどんな音楽を聴いていたのですか?

KC:そうだな、その質問にマッチしそうなもので、聴き返した音楽はいくつかあった。まず、ディーヴォ。それからポリロックに、ラッシュ(Lush)、ザ・フォール、それにガイデッド・バイ・ヴォイシズもよく聴いたし……NRBQも聴いたな。

通訳:(笑)わぁ、興味深いです!

KC:(笑)

通訳:いや、NRBQって、ぶっちゃけイギリスじゃほとんど知られてないバンドなので意外で……。

KC:(苦笑)うんうん、そうだよね。でも、本当に彼らの歌は好きなんだ。素晴らしい歌がいくつかあるよ。それから……ザ・ザ。

通訳:マット・ジョンソンですね。

KC:そう。ほかにもいろいろあるな、えーと、ザ・フォールはもう挙げたっけ……ああ、クリーナーズ・フロム・ヴィーナスも。

通訳:マジですか!

KC:(苦笑)うん。

DM:(笑)

通訳:いやー、それはなんとも……かなり主流から逸れたセレクションだと思います。

KC:だね、フハッハッハッハッハッ! ただまあ、そうした音楽はどれも「ギターへの影響」みたいな話であって、もちろんそれ以外にもあれこれ持ち込まれてこの作品ができたと思う。というのも、いま挙げたような音楽だけを参照点にしてどうにかぼくにレコードを1枚作れたとしても、それはきっと本当に退屈なものになるだろうし。だから、ヴォーカルなどにかんして、ドム〔訳注:ドミニクの愛称〕がもっとずっとコンテンポラリーな影響を携えてそこにやってきたところで、エキサイティングになったんだと思う。そのふたつの面の出会い/合流点こそ、この作品を、やっていて興奮させられるものにしてくれたんじゃないかな。

通訳:ドムはいかがですか? 特にハマっていた音楽はありますか?

DM:どうだろう? 自分にとってはつねに、そこらへんよりもフィーリングが大事、というか。ぼくはそんなに……だから、ひとりで音楽に取り組むことも多かったし、とくに「これ」といったサウンドを影響として絞り込むことはあまりなくて、おもにフィーリングを重視した。ぼくはロサンジェルスにいたし、カイがあれらのインストゥルメンタル部を構築していた場所とはまったくちがう世界なわけで。だから思うに、ある種の……そうだな、「あまりシリアスに捉えすぎない」って感覚を注入する、みたいなことだったんじゃない?

通訳:(笑)ほう。

DM:(笑)たぶんね。とはいえ個人的には、自分が若かったころ、十代初期くらいによく聴いた音楽を遡って聴いていた。ザ・ストロークスやピクシーズあたり。で、これら2バンドのどこが好きかと言えば、彼らのメロディ、リード・シンガー/ヴォイスだと思う。で、とにかくどのメロディもとことんキャッチーにしようと努力する、そこは今回のレコードをつくっていたときにぼくが執着した点のひとつだった、みたいな。それにそのサウンドの多くにしても、さっき話に出たように、もっとダイレクトだ。かなりクリーンなヴォーカル・サウンドだし、とばりで覆うというより、メロディをしっかり補強していると思う。もうちょっとあらわになったというか。以前のぼくたちの作品の一部では、ヴォーカルのとばりでメロディを覆うところが少しあった。ところが今回は、よし、前面中央に押し出そう、と。それはぼくたちにはとても新鮮な、まるっきり新たな経験だった。

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ここのところデトロイト全般、デトロイト・テクノのサウンドからものすごく影響を受けてきてね。だからローランド606、そしてタンズバーというドイツ産ドラム・マシンをとても重視してきた。(カンポス)

通訳:すみません、脱線しますが、ひとつ訊いていいですか? ドムのいま着ているスウェットは、もしかしてバウハウス?〔訳注:ドムの着ていた薄いグレーのスウェットにバウハウスのエンブレムっぽいグラフィックがプリントされていた。同校のエンブレムはオスカー・シュレンマーのデザインで、バンドのバウハウスもジャケットほかに利用〕

DM:えっ? あー、そうかも?

通訳:バンドのほうのバウハウスのマーチャンかな? と、つい好奇心がそそられまして。

DM:これ、アメリカのリサイクル・ショップで買っただけなんだ(笑)。だから……

通訳:(笑)じゃあ、関係ないですね。失礼しました。

DM:いやいや、たぶんそんなところなんじゃない? でも、たんにイメージが気に入って買っただけだし(苦笑)、べつに深い意味はないよ!

KC:(笑)

シンプルなドラム・マシンも印象的です。資料によると1980年代のドラム・マシンのみを使用したそうですが、そのこだわりの理由を教えてください。

KC:そうだなぁ、ぼくはつねに……以前と比較するとして、ここ数年でなにが起こったかと言えば、とにかくここのところデトロイト全般、デトロイト・テクノのサウンドからものすごく影響を受けてきてね。だからローランド606、そしてタンズバー〔MFB Tanzbär〕というドイツ産ドラム・マシンをとても重視してきた。どちらも非常にシンセティックな響きというか、「ドラム・キットの再現」を追求してはいない。で、それと同じ時期に、ぼくはアレックス・キャメロンのレコード〔『Oxy Music』(2022)〕のミキシングも手がけたんだ。そうして彼の作品に少し関わったわけだけど、彼はすべてのデモをリンドラムで、ぼくたちも今作で使ったドラム・マシンを使ってつくっていた。だから、しばらく前になるけど、彼がこっちに滞在していた間、スタジオにリンドラムがあったわけ。で。あれは本当に優れたマシンでね。というのも、リンドラムでは素晴らしいサンプル音源が録れるし、なんというか、そのままの響きが出せるっていう。でも、あのマシンのプログラミング機能はとても制約が多くてやれることに限界があるし、プログラムするのにやや手を焼かされるんだけど、そのぶん、あのでかいリンドラムを使ってグルーヴを出せると、かなり満足感がある。あれはほんと、80年代の古典だね。で、ありものをしっかり活用することをこちらに強いるマシンというか、あれを使ってこちらに歌をつくらせるところがあって。あのドラム・マシンから音が出てくるところには、なにかしらマジカルなところがある。で、ぼくたちも要は一台欲しかったんだけど、あれはいまやとても高額でね。このアルバム用にレンタルして、かなり長い間借りていたから、いっそのこと購入してもたぶんおなじだったかもしれないけど……だからあれはほとんどもう、非常に貴重な骨董品に近いってこと。それでも人びとがあの機材を愛しているのは、あのマシンから直接出てくるサウンド、あれにはほかとはちがうなにかがあるからじゃないかと思う。で、80年代当時は、あれはナチュラルなドラム・キットの再現を目指していたんだろうね──そうは言っても、ぜんぜん自然じゃないんだけど。

通訳:(笑)

KC:(笑)フラットすぎるし、だれかがドラムを叩いているようには聞こえない。でもそこに、その人工性に、興味深いところがあると思う。で、自分が今回はかなり大胆な、色をざっくりブロック分けした、フラットなサウンドのレコードをつくろうという選択をしたところで、あのマシンがフィットしたっていう。

彼(キング・クルール)もぼくたちと同様、南ロンドンにある、ステレオラブのドラマーのアンディ・ラムジーのスタジオを使うんだ。だからほんと、アーチーとはスタジオ時間の取り合いになったっていうか(苦笑)(メイカー)

おなじみのキング・クルールことアーチー・マーシャルが今回も2曲で参加しています。おそらくおふたりと世代は異なるかと思いますが、彼の音楽家としての最大の魅力はどこにあると思いますか?

KC:彼とぼくたちは、ある意味音楽界で一緒に育ってきたというか。ほんと、彼のことを「自分たちよりかなり歳下」ってふうには見ていないんだ、じっさいはそうなんだけど。キャリアという意味では同い年というのかな、だいたいおなじころに浮上していったわけで。だから当然のごとく、どちらも互いがなにをやっているかに興味を抱きがちだし……要は友情関係、そして好奇心に由来しているんだけど。で、ぼくたちがレコードをつくろうと思うと、なんというか、一定期間をブロックで確保し、ぼくとドムとバンドの面々と一緒に、集中してスタジオ作業に取り組む傾向があってね。それをやっているあいだに毎回、アーチーはスタジオに顔を出してぼくたちがなにをやっているかチェックしにくる。べつに飛び入り参加するわけじゃなく、ただこちらの作業に耳を傾け、スタジオでぶらぶらしているだけ、というのもしばしばだね。一方で、彼にアイディアが浮かんだり、あるいはぼくたちが作業中になにか思いついて彼に素材を送り、一緒にレコーディングするためにスタジオに来てもらうこともある。彼とやっていてぼくたちがエンジョイするのは、彼の非常に直観的なところだろうね。というのもぼくたちが出てきた音楽の世界――ぼくたちが初期にやっていた、アーチーと初めて出会ったころにつくっていたタイプの音楽は熟慮されたものだったし、非常に慎重に考え抜いてやっていたと思う。ところがアーチーがスタジオに来たとき、彼は自然に生じる即興性と本能的な資質を持ち込んでくれたし、おかげでぼくたちのやっていたこともぐっと向上した。おそらく、ぼくたちを前進させてくれたんだろうね。で、そこはいまだに変わっていないと思う。彼はいまも自分自身のアイディアをかなり信頼しているし、レコーディング・プロセスにあの、一種衝動的なエネルギーをもたらしてくれる。

DM:ぼくたちの世界も狭いしね。彼もぼくたちと同様、南ロンドンにある、ステレオラブのドラマーのアンディ・ラムジーのスタジオ〔Press Play Studios〕を使うんだ。だからほんと、アーチーとはスタジオ時間の取り合いになったっていうか(苦笑)

KC:(笑)そうそう!

通訳:(笑)

DM:ぼくたちが1週間使っていて、その次の週にアーチーが入る予定になっていると、こっちは「ダメ! それは無理だって彼に伝えてくれ。ぼくたちが使うんだから!」と(笑)。ある意味ディリップが両陣営の橋渡し、媒介役をやってくれたっていう。

KC:(笑)

DM:だからあのスタジオで作業していたあいだ、彼とはとても近接している感じがした。ぼくたちみんな、あのスタジオ、〈プレス・プレイ〉内で、お互い得るものがあった。あの空間で、みんな気持ちよく過ごせる。

リリックにかんしては、バレンシー=ベアーンとキング・クルールに一任したのでしょうか? それともあなたたちが書いたのですか?

DM:いや、“Yucca Tree” の歌詞はアンドレアが書いた。アーチー参加曲にかんしては、彼が自分で担当した。で、ヴォーカル部のすべてにかんして、ぼくとカイとアンドレアの3人でハーモニーなどなどをどうするか見極めていって。そうだな……だからこう、その場の流れで進んでいく、みたいなものだった。

通訳:では、とくに全体的な歌詞のコンセプト、アルバムを通してのスレッドみたいなものはなかった、ということでしょうか?

KC:ドムの書いたリリックが、アルバムを流れていくイメージの主要な焦点だったね。大半はドムの歌詞だけれど、もちろんリード・ヴォーカルをほかのひとに担当してもらう場合、たとえばアーチーが歌った曲や “Yucca Tree” でアンドレアがやったように、それらの作詞はいわば彼らのものになる。だからそれらすべてが作品にフィットする、なんらかの形でリンクしてくれることを願うわけだね。もっとも、だれもが互いからインスピレーションを受けている、といった面はあるにせよ。そうだな、レコードをとおして流れるメインとなるイメージ、それはドムの書いた歌詞だろうね。

DM:でもじっさい、アーチーについて考えると、ぼくは彼にとてもインスパイアされた。彼が歌詞で「絵」を描くやり方とか、さまざまなものごとを一種幻想的な手法で語るところ……それになんというか、彼は非常に陳腐でありきたりになりかねないようなものごとをとりあげ、それをひねり、歪めることで、かなりコミカルに、あるいは美しい、ときにダークなものにしてしまう。その「現実にちょっとひねりを加える」というのは、これまでもずっと、自分が執筆行為全般にかんして好きなところだ。ひとつのイメージ、あるいは場面やパーソナルな物体に集中し、そのシチュエーションの表層の下にしっかりもぐり込もうとする、という。そのうえで、それを耳で聴いても文字で読んでも出来のいいものにするわけ。

『The Sunset Violent』というタイトルにはどのような意味がこめられているのでしょう? 美しいものと目をそむけたくなるもの、正反対のものの組み合わせですよね。

KC:ぼくたちがアルバムをまとめてきたやり方、それはつねに──まず音楽がつくられる環境をクリエイトし、そして音楽が完成したところで、そのストーリーを具体化しようとする、というものなんだ。最初に強力なコンセプトを据えて、それに向けて音楽を書いていくのではなくてね。ぼくたちからすれば、作業を進めていくうちに浮上してくるものがなにかを見守る方が、もっとエキサイティングだしポテンシャルを感じる。で、音楽的には「大まかにこんな感じで」という前提はあったにせよ、実際、作品になんらかの形を与えることができたのは最後でだったんだ、「ああ、これらの楽曲からなんとなくテーマが姿を現してきたな」と。そこにかんしては、制作過程の最終段階になるまで考えなかった。ぼくはとにかく、ドムが歌詞で書いていたものにはとても興味深いイメージがたくさんあると思ったし、それらを読んでいき、心に残ったものをいくつか選んで書き留めていった。そんななかのひとつ、「the sunset violent」は “Dumb Guitar” に登場するフレーズなんだけど、ぼくたちは本能的に、「これはこの作品を提示するのにいいぞ」とひらめいたというか。そんなわけで、ぼくたちにとってはとくに「これ」というひとつの意味をもつフレーズではないんだけど、と同時に、このどこか対立的で相反するタイトルが、このアルバムの部分的なテーマであり、かつバンドとしてのぼくたちのテーマの一部だ、というのは事実だよ。まあ、いろいろな見方をしてもらっていいんだけど。

いまの若い世代の連中は概してもっとこう、違反/反逆型とされるタイプのエレクトロニック・ミュージックに入れ込んでる気がする。(カンポス)

2022年12月の来日公演はカイ・カンポスさんおひとりでしたが、「City Planning」との連続性を感じさせるテクノのDJセットだったように記憶しています。ロンドンのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックのシーンでも、やはりいまだテクノは根強いですか?

KC:ん〜、まあなんというか、テクノはつねに──っていうか正直、商業面で言えば、これまででもっとも成功してるんじゃない? とはいえぼくなら、テクノが主要な勢力だとは言わないな……ロンドンのシーンを、ちょっとこう、「おっさんのジャンル」として見ているところがあるっていうか? つまり、いまの若い世代の連中は概してもっとこう、違反/反逆型とされるタイプのエレクトロニック・ミュージックに入れ込んでる気がするし。もちろん、これは一般論だけどね。テクノが好きなひとたちだってまだたくさんいるし、ぼく自身の好みはかなりクラシックなんだと思う。だから、とても若いオーディエンスが大半を占める、そういうギグでプレイするとたまに軋轢が生じることもあって。いまいちばんイケてるテイストだの、トレンドだのに、ぼくのプレイは必ずしもフィットしないから。それに、ひとくちに「テクノ」と言ってもひとそれぞれで、その解釈はかなり違うわけだし。

通訳:ですよね。

KC:でも、現状で盛んにプッシュされている類いのエレクトロニック・ミュージックに較べると、テクノを耳にする機会はそれほど多くないんじゃないかな。

『MK 3.5』はおふたりのソロ作のカップリングでした。今回の新作は、『Love What Survives』とは連続性がありますが、『MK 3.5』の2枚の盤とはまったく異なります。おふたりがそれぞれ好きな音楽は「マウント・キンビー」というバンドには反映しないというスタンスなのでしょうか?

DM:だからまあ、前作『MK 3.5』はおもに、当時自分たちのいた状況から生まれたものだったんだよ。

通訳:なるほど。

DM:つまり、なにもぼくたちのなかに「これらのレコードをどうしてもつくりたい!」っていう、燃える欲望(苦笑)がたぎっていたわけではない、と。

通訳:(笑)はい。

DM:それより、たんにもっとこう……目的意識があるのはいいことだ、みたいなノリだったし(笑)、その側面を個々に追求するのにいいタイミングだな、と。ぼくはプロダクション仕事をたくさんやっていたし、カイはDJ業で忙しく、エレクトロニックな面にもっと興味を抱くようになっていた。とにかく、当時あれらのレコードはある意味、ほとんど趣味に近いものに思えた、みたいな(笑)? で、あれらの事柄を集めて記録するのは大事だと思うし、ぼくからすればあの過程で最高だったことのひとつは、タイロン&フランクのルボン兄弟と、ヴィジュアル面で再び恊働できたことだった。それであの作品のぼくのサイドのレコードに素晴らしい映像がつくことになったし、またフランク経由で、カイの作品向けにみごとなスカルプチャーも生まれた。そうやって、またべつのアートをインスパイアすることができたのは最高だった。だから、あれはほんと、状況の産物だったけれども、じっさいとてもクールな結果になったというか? というのも、さっき話したように、離ればなれの時期ができ、あれらのまったく異なる作品に取り組むことになったし、それを「バンドとしてのマウント・キンビー」でやりたくなかったんだ。ただ、それによってぼくたちも再活性化してこの制作プロセスに入っていけたし、そこで「おおっ、今回はギターを使って音楽をつくることになったか!」ということになり、アンドレアもマークも参加して……そのコントラストをもてるのは抜群だった。あれらのプロジェクトをまとめるのにはかなり時間がかかったし、本当にひょっこり転がり込んできた幸運だった。しかもうまくいった、というね。

2013年の『Cold Spring Fault Less Youth』でバンド・サウンドをとりいれ、2017年の『Love What Survives』ではそれをさらに大きく解放し、独自のポスト・パンクとクラウトロックを響かせました。その後、2018~19年ごろからUKでポスト・パンクやクラウトロックを独自に咀嚼したブラック・ミディやスクイッドのような若いインディ・バンドが擡頭してきたことを考えると、あなたたちの試みは先駆的だったのではないかと思うのですが、ご自身ではどう思いますか?

KC:(照れ笑い)んー、まあ、それでぼくたちがオアシスみたいな「シーンの顔」的存在になれたらいいだろうけどね!

通訳:(笑)

DM:(笑)

KC:(笑)。でも、ぼくにもわからないなぁ……ほんと、べつに……いやだから、影響を与えるうんぬんの話って、たまたまいいタイミングで適切な場所にいた、ということだし、運が大きくものを言うわけで。と同時に、ぼくたちはたしかに若いアクト──いや、彼らももう「若く」はないだろうけど──に影響を与えたと思うけど、それは自分たちがそれだけ長く活動を続けてきたということであって。いまの時代で考えればかなり長いキャリアを積んできたし、そうすればやっぱり、「あなたたちから影響を受けました」と声をかけられるようになるもので。だから……自分にもよくわからない。その質問はたぶん、将来だれかさんが書いてくれるであろう、ぼくたちの「大々的回顧記事」向けのものじゃないかな?

DM:(爆笑)

近年のロンドンまたはUKの若手バンドで、お気に入りはいますか?

KC:うん、スティル・ハウス・プランツは2回くらいライヴを観たことがある。若くエキサイティングなバンドで、たぶん彼らも、ぼくのギターへの興味を再燃させてくれた一組だろうね。最近作品を出しているかどうかわからないけど、今作に着手する前の時期に、彼らの音楽はよく聴いた。

DM:イギリスではないけど、アメリカのアトランタ発のスウォード・トゥー〔Sword II〕ってバンドがいる。彼らは最高。ぼくは活動をフォローしているし、そういえば少し前にレコードを出したばかりで、あれは素晴らしい。あと、LAを発つ3週間前にズールー〔ZULU〕って名前のハードコア・パンク・バンドを観たんだけど、あれはほんと、自分が観たなかでもっともクレイジーなショウ、ってくらいスゴかった(笑)! うん、ぼくの最近のお気に入りと言ったらその2組だね。

ダブステップやテクノなどのいわゆるエレクトロニック・ミュージックにはなくて、ロックがもつ、とりわけバンド・サウンドがもつ魅力とはなんだと思いますか?

KC:やっぱり、人びとだよね。コラボレーションと、ソロ作品をやるときのちがいはじつに大きいし……音楽づくりに取り組む最大の喜びのひとつって、「そこからなにが出てくるか?」にまつわるサプライズの感覚だと思う。それがあると、自分は本当に、活気のあるフレッシュなことをやっているな、という気持ちになる。だからある程度までは、創作プロセスに人間をもっと加えれば、そのぶん驚きも増す。たとえばマークとアンドレアが加入してくれたときのように。で、ぼくたちがソロのレコードをつくり、そして今作に至った流れを考えると、場合によっては「あの2枚のレコードが、両者がそれぞれマウント・キンビーに持ち込むものを象徴している」と捉えるひともいると思う。でも、じっさいはまったくそうじゃないんだ。というのも、ふたりの人間が同じ空間に入り、一緒に音楽を書くのって──なにも、ぼくのやることの50パーセントとドムの側の50パーセント、そのふたつを単純にバシン! とくっつけあわせる、ということではないから。

DM:(笑)

KC:コラボする側面なしには生まれえない、そういうスペースとものごとをつくり出しているんだよ。だから、生演奏の、アコースティックな楽器を使った音楽ではそれはしょっちゅう起きるし、もちろんその対極として、シークエンス/スタジオ作業がベースの音楽もあって……でも、そこにはまた独自のよさがあるし、バンドではそれを再現しえない。エレクトロニック・アクトがそれをやろうとすると、しばしば、そのエレクトロニック/シークエンス面のもつよさを失う結果になるよね。というわけでぼくたちとしては、シークエンスされた音楽をもっとライヴっぽい響きに仕立てようとするのではなく、逆の方向をもっと掘り下げていったというか。ひとりでつくるエレクトロニック・ミュージックにも、それにふさわしい時と場所はあるんだよ。ただ、それ以上にエキサイティングに思えたのは、自然に発生する驚き、そして真の意味でのコラボをやり、そのサプライズが起きる新たな場をクリエイトすることだった、ということじゃないかな。スタジオであれ、ライヴの場であれ。

4月からヨーロッパとUSでのツアーがはじまりますが、今後のご予定をお聞かせください。

KC:ああ、夏にはおもにヨーロッパのフェスをいくつかまわる予定だよ。で、自分たちが本当に望んでいるのは、夏のフェス・シーズンが終わったら、それ以外の世界各地にも出ていけたらいいな、と。いろいろな交渉が進んでいるところだけど、ぼくたちはしばらくツアーをやっていなかったし、作品が出るのもひさびさだから……

通訳:(笑)「ぼくたち、まだちゃんと活動してますよ!」とアピールする、というか。

KC:(笑)そうそう! まあ、日本は間違いないけど、アジア各地にも、今年の終わりまでには行けたらいいね。それが希望。

通訳:そうなるといいですね。ちなみに音源という意味ではいかがですか? べつの類いのプロジェクト、たとえばサントラなどなどに取り組んでいる、なんてことはありますか?

DM:今回でやったようなソングライティングをこのままもっと続けていきたい、その欲求はとても大きいね。いや、ぼくたちはいつもなら、レコードをひとつ仕上げると「オーケイ、ひとつ深呼吸。作品はできあがったし、あとはライヴに集中」というノリなんだけど、今回は本当にエネルギーがあり余っているというか、このレコードのつくり方にたいする昂奮がバンドのなかにまだたくさん残ってる、みたいな? だから、ぼくはこのやり方は続けていくべきだと思うし、もっともっと音源を発表したい。だから願わくは今年の終わり、もしくは来年の頭までに、なにか新しい音楽を発表できたら最高だろうな。とにかく、このエネルギーを維持していくよ。

通訳:了解です。新音源の登場を楽しみにしますね。というわけで、質問は以上です。今日はお時間いただき、本当にありがとうございました。

DM & KC:ありがとう。バーイ!

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