Home > News > RIP > R.I.P. Yoshi Wada
去る5月18日、ヨシ・ワダとして知られる作曲家が77歳で永眠した。1945年生まれのヨシ・ワダ(本名・和田義正)の本格的な音楽活動は、京都の芸術大学卒業後の1960年代の後半、ニューヨークでフルクサスと関わったことにはじまっている。ワダはラ・モンテ・ヤングに共鳴し、そしてヤング&マリアン・ザジーラの作品で知られるプラン・ナートに作曲を学んだ。
ミニマル/ドローン・ミュージックの始祖のひとりであるワダは、70年代には配管工の仕事をしながらその仕事で手に入れたオブジェを楽器に改造して使用していたという。その後もアメリカに在住し活動を続けていたためか、日本には多くの情報が入ってこなかったようだが、〈FMP〉や〈EM Records〉、東京の〈Edition Omega Point〉などといったレーベルから作品を出している。
また、2000年代からは息子であるTashiとのコラボレーションもやっており、ジュリア・ホルターもメンバーだったTashi Wada With Yoshi Wada And Friendsとしては、アルバム『Nue』を2018年に〈Rvng Intl.〉からリリースしている(ちなみに同作品の2曲はローレル・ヘイローとジュリア・ホルターによってリミックスされている)。
現在はTashiのレーベル〈Saltern〉からはBandcampを通じてヨシ・ワダの主要アルバムを聴くことができる(https://yoshiwada.bandcamp.com/)。ドローンのオリジネイターのひとりであり、ラ・モンテ・ヤングからジュリア・ホルターにまで繫がっているという意味でもすごいし、彼のアートがより広く評価されるのはこれからかもしれない。何はともあれ、偉大な先駆者が残した素晴らしいドローン・ミュージックをぜひとも聴いて欲しい。
野田努