「PAN」と一致するもの

interview with Lorenzo Senni - ele-king

 EDMにビッグ・ルームというジャンルがある。く○らない音楽である。これにフレンチ・タッチの変わり種であるミスター・オワゾが新進気鋭のラッパー、ロメオ・エルヴィスとタッグを組んで新風を吹き込んだ。同じジャンルとは思えないほど批評的な視点を加えた“Pharmacist(薬剤師)”である。この曲はあきらかに今年前半のハイライトをなす1曲である。同じことは8年前に『Quantum Jelly』でトランスを一変させてしまったロレンツォ・センニにもいえる。センニはネオ・トランスというジャンルを生み出したにもかかわらず、そのフォロワーたちがやっていることは彼の曲とは似ても似つかず、いまではセンニがつくる曲だけがネオ・トランスには属していないかのようになってしまった。ジャンルというのは「型」であり、それを守るもよし、遊ぶもよし、はみ出すのもよしだと思うけれど、モノマネに追いつかれもしなければ、マネにもなっていないというのはなかなかにスゴい(言葉だけがひとり歩きした例ということだろうけれど)。センニの独走はそして、2014年の『Superimpositions』から、さらに、新作の『Scacco Matto』へと続く。〈ワープ〉からは初のアルバム・リリースである。

 ロレンツォ・センニが暮らし、活動の拠点としているのはイタリア北部のロンバルディア州で、新型コロナウイルスが世界で最初に感染爆発を起こしたミラノである。外出禁止令が出されたミラノの様子もよくわからないし、新作について聞くだけでは済まないと思った僕はとりあえず彼のツイッターを開いてみた。そこには「みんながバルコニーで歌っている時に自分は新作のプロモーション中」という投稿がなされたばかりだった。なんとなく冷ややかな印象である。ロック・ダウンが宣言された直後、イタリアの人々はバルコニーで歌い、励ましあっていたというニュースが流れたことは記憶に新しい。それらの映像がユーチューブに投稿されると、彼らが歌っていたのはケイティ・ペリー“Roar”やマドンナ”I Rise”などで、自分の曲が歌われていると知ったセレブたちは「私たちはひとつ」「みんなで立ち上がろう」などと熱いメッセージを添えて勤しんでリツイートしていた。しかし、これらはすべてフェイク動画で、実際にイタリア人が歌っていたのは国歌だったのである。そう、「みんながバルコニーで歌っている時に自分は新作のプロモーション中」とは、政治的な集団感染には距離を置いたロレンツォ・センニの小さな抵抗だったのである。

「クラブで唯一のシラフ」って言われるぐらい(笑)。まあ、こういうシーンでは珍しいかもしれないけど、僕は音楽を研究したいだけなんだよ。だから僕自身では、自分のことを「レイヴ・シーンの覗き屋(Rave Voyeur)」だと思っているけど。

こんにちは。『Scacco Matto』というアルバム・タイトルはチェスでいう「チェックメイト」の意ですよね。まるで封鎖されたロンバルディア州やミラノのことみたいですけれど、預言者の気分じゃないですか? ジャケット・デザインも窓から見た外の景色だし、イタリア政府が住民に要請している「State a casa(家にいろ)」と、悪い意味でイメージがダブってしまいます。

ロレンツォ・センニ(以下、LS):こんな悲劇は誰も予想していなかったよ。ジャケットのアートワークのようなモチーフを使うことになったきっかけは、15年前に大学で音楽理論を学んでいた時に遡るんだ。当時、僕は実家で暮らしていたんだけど、ある有名な写真家が隣の家に住んでいた。彼の名前はグイド・グイディ(Guido Guidi)。彼の作品を色々と調べていくなかで、別な写真家、ジョン・ディボラ(John Divol)の77年のある作品に出会った。その写真が15年間忘れられなくて、たびたび眺めていたんだ。それを今回のアートワークに使うことにしたんだよ。ディボラには自分で連絡をして使用の許可をもらった。窓から外を見る構図が気に入っているんだ。いまは春で、昼の景色も夕暮れの景色も綺麗だから、この写真みたいな色合いが見られるよね。『Scacco Matto』は、チェックメイトっていう意味で、「どこかに閉じ込められる」という意味合いも持っているから、いまのイタリアの状況を表しているように思えるかもしれないけど、そうではなくて、僕の音楽に対する意識の話なんだ。

〈ワープ〉からのデビューEP「Persona」(16)のジャケット・デザインも盗撮に由来するものでしたが、閉ざされた世界から外の世界を覗くことに興味があるのでしょうか?

LS:そうだね。僕のなかでは「閉ざされた世界」というのは「しきたり」のことだけどね。

ああ。

LS:現状の打破を暗示しているような。トランスやエレクトロをやるとき、僕は外に目を向けるようにしている。『Scacco Matto』と「Persona」のアートワークが同じアイディアであることは、事前に計画していたことではないけれど、結果的にそうなったことは嬉しい。僕はアルバムごとに方向性を変えるタイプのアーティストではないけれど、少しずつ成長はしていきたいと思っているから。それを反映しているようなものになったから良かったよ。

暗い音楽が多かった2010年代と違って『Scacco Matto』には明るい音楽が多くていいなと思っていたのですが、パンデミックの影響でストレートに楽しめない雰囲気になってしまいました。やはりつくった時とは気分が変わってしまいましたか?

LS:『Quantum Jelly』(2012)や『Superimpositions』(2014)をつくっているときは、いまと比べて音楽に自分の感情を入れることにあまり関心がなかった。音楽をつくる過程の方に興味があってね。それと比べると最近の曲はもっとメロディー志向になっている。メロディーが果たす役割が大きくなってきているんだ。その理由を考えたことはないけれど、僕は根本的に歌が好きで、最近は特に歌ものを聴くことが多い。それが関係しているとは思うよ。以前はもっとコンセプチュアルな音楽が好きだったからね。さっきも言ったみたいに、音楽の構成とか製作過程の方に興味があったから。僕はその時々の世情に左右されるタイプのアーティストではないから、曲調の移り変わりはイタリアの情勢とは関係ない。毎日、ほとんどの時間は地下のスタジオにいるので、そもそも左右されようがないしね。それに、そもそも自分の感情が音楽にどう影響しているかとか、全然、考えたことがないから答えるのは難しいな。

僕があなたの音楽を知ったきっかけはワン・サークル(One Circle)のEPでした。イタリアでグライムをやっている人がいるのかと思って聴いたんです。そこから遡っていくと最初にあなたは実験音楽をやっていて、その後、ダンス・ミュージックに興味を持ったという流れになるのでしょうか? 昨年はロック・バンド、スターゲイトとしてソナー・フェスティヴァルにも出演しているようですが。

LS:ワン・サークルより前に2枚のアルバムを出しているんだ。1枚目は僕にとって初めてのアルバム『Early Works』(08)。アンビエントでトリッピーな感じの作品だ。その後に『Dunno』(10)をリリースした。これも実験音楽で、抽象的なコンピューター・ミュージックだね。その後に、フランチェスコ・フランチーニとダニエレ・マナと3人でワン・サークルを始めた。それまではダンス・ミュージックに手を出したことはなかったんだ。いまでもダンス・ミュージックをつくっているとは言いたくない気持ちがあるんだけど(笑)。「踊れる」曲をつくるというのは僕にとっては難しいからね。まあ、とにかく、ワン・サークルでつくった音楽はダンス・ミュージックと位置づけられるもので、クラブのダンスフロアでかけられるような音楽だ。だからこそ、僕の中ではワン・サークルの楽曲には納得がいっていない。僕の出自はドラマーだから、音楽の中にグルーヴィーな解答を見つけたい。僕の音楽をかけてみんなが踊ることは、僕にとっては不本意なんだ。でもワン・サークルでは、結果的にそうなってしまった。

そこまで言いますか。

LS:僕がダンス・ミュージックを出すのは、あれが最初で最後になるね。ライヴに来てくれる観客は、自由に聴いてくれていいと思ってるけど。前の2列の人たちが踊ってたりするのがステージから見えるし、それは気にならない。ドラムのビートやキックが入ってなくても、みんなが踊っていて面白いなと思うよ。うしろの方には、ただ立って聴いているだけの人もいるしね。僕の音楽には色々な要素があって「踊れる」と受け取られる要素もあるだろうし、聴く側からしたら理解できない面も含まれている。だけど、クラブでプレイする時は、いつも場違いな気持ちになるよ。僕としては「踊れる」曲だと思っていないから。でも、着席型のコンサート会場で演奏するときも観客たちはきっと動きたいだろうなと考えてしまう。だから僕の音楽は、中間にあるんだと思う。こうやって考えると面白いけど、音楽としては破綻しているかもね(笑)。

はは。ワン・サークルのダニエレ・マナが〈ハイパーダブ〉から昨年リリースしたアルバム『Seven Steps Behind』は感情の起伏のない落ち着いた内容だったので、ワン・サークルではダニエレ・マナとあなたのセンスが拮抗していたことがよくわかります。ワン・サークルからダニエレ・マナを引き算すると派手で感情豊か、時にはギミックを駆使することもいとわないのがあなたの資質なのかなと?

LS:ワン・サークルでは自然と役割分担ができていて、プロジェクトとしてはいいものだったと思っているんだ。3人それぞれがきっちり別々の役割を果たしていたからね。僕は作曲担当だった。僕がメロディーをつくるのが得意だというのは、話し合わなくても全員が了解していたことだったから。そして、ダニエレがビートをコントロールしていて、アレンジメントも彼が担当していた。フランチェスコはクラシック音楽を学んでいたミュージシャンだから、音程やコード進行を見て、その曲の方向性を音楽的に正しい方向に導いてくれる存在だった。そんな風に、それぞれの経歴やスキルがうまく作用していたね。

僕はその時々の世情に左右されるタイプのアーティストではないから、曲調の移り変わりはイタリアの情勢とは関係ない。毎日、ほとんどの時間は地下のスタジオにいるので、そもそも左右されようがないしね。

あなたの音楽はなぜドラムを入れないのですか? OPNにも感じることですけれど、ベースもあまり重くせず、中?高音域で曲を完結させる意図は? あなたの曲をリミックスしているDJスティングレイなどとはあまりに対照的です。

LS:ドラムは好きだよ。いまでも、家の中でさえスティックを持ち歩いてるぐらいだからね(そばに置いてあったスティックを見せながら)。いまだにたくさん練習するし、そもそもドラムは僕の恩人のような存在だ。ドラムに規律というものを学ばせてもらったから。ただ、エレクトロ・ミュージックを独学で始めた当時、僕が勉強のために聴いていた音楽にはドラムがなかった。『Quantum Jelly』をリリースしてくれた〈エディション?メゴ〉から出ている音楽を主に聴いていたんだけど、バックビートもベースラインもないし、シンセのメロディーもなかった。すごく抽象的なエレクトロニック・ミュージックばかりだったんだ。僕はもともとロック・ミュージック出身で、そもそもドラムン・ベースにも親しみはなかったし、エイフェックス・ツインを知ったのも遅かったからね。そういうことで、僕にとってはエレクトロのクレイジーな要素をかき集めて、ドラムビートやベースラインについては考えずにそのままエディットするのが自然な流れだったんだ。それに、その方が自由を感じられた。その影響で最初のアルバムはすごく抽象的な音楽で、トリッピーな要素もあったから、ドラムは使わなかった。その後、トランス・ミュージックやクラブ・ミュージックの方に移ってもドラムの要素を入れないことで制約が生まれて、そのおかげでコンセプチュアルな音楽を作ることができた。ドラムなしでグルーヴィーな音楽をつくるという、挑戦にもなっているね。結果的に、僕の音楽のシグネチャー的なものになったと思っている。ドラムを入れることももちろんできるし、今後やるとしても、それはサイド・プロジェクトになるだろうね。

『Quantum Jelly』や『Superimpositions』はネオ・トランス(もしくはポインティリスティック・トランス)というジャンルを生み出しました。僕には最初、オウテカがトランスをやっているように聞こえましたが、あなたの音楽はダンス・カルチャーに対して批評的で、ダンス・ミュージックを現代音楽の材料として使っているという感触もあります。ご自分ではどうですか?

LS:「オウテカがトランスをやっている」っていうのはすごい褒め言葉だけど、自分ではわからないな(笑)。ダンス・ミュージックを参照することはあるけれど、そもそも関心があるジャンルではないからね。10代のころに僕が住んでいたイタリアの街ではトランス・ミュージックがすごく流行っていた。当時、僕自身はハードコア・パンクのバンドをやったりしていたんだけど、トランスのカルチャーにはずっと触れてきたし、トランスがかかっているクラブにも行ったことがある。その時は自分でそれをプレイしようとは思わなかったけどね。そういう背景があって、2010年か2011年になって、自分のなかでトランス・ミュージックを再発見したんだ。当時、一緒にトランスに触れていた友だちから情報収集したりして、トランスを研究し始めた。それで、トランスが自分が探し求めていた音楽だと気づいたんだ。ブレイクダウンからビートへの繰り返しの構造が、音楽的にとても面白いと思った。ビートで音楽的表現をするという形態自体がね。ビートを軸に、アーティストによってはとにかくアグレッシヴなトラックをつくっていたり、ちゃんと音楽理論を学んだアーティストのトラックだったら、すごく練られた構成になっていたり、色々なアプローチがなされていることを知って、すごく興味が湧いたんだ。ありとあらゆるトランス・ミュージックのトラックを何千回と聴いて、トランスとは一体何なのかを追求した。僕は「トランス・エキスパート」なんて呼ばれているけど、特別なことは何もしていない。何千ものトラックを漁って、自分で地道に研究しただけ。さっきも言ったみたいに、実は10代の頃からトランスには触れていたけど、僕はこうした音楽シーンにいても酒もドラッグもやらないから。「クラブで唯一のシラフ」って言われるぐらい(笑)。まあ、こういうシーンでは珍しいかもしれないけど、僕は音楽を研究したいだけなんだよ。だから僕自身では、自分のことを「レイヴ・シーンの覗き屋(Rave Voyeur)」だと思っているけど。

ああ、また覗きですね(笑)。あなたの音楽におけるアレグロ(パッセージの速さ)や、ひきつったような音色にはジュークやソフィー(Sophie)との共通点も多く感じました。『Quantum Jelly』とはほぼ同時期でしたけど、シカゴのジュークやイギリスで起きたバブルガム・ベースの動きには興味を持ちましたか?

LS:その質問への答えは「ノー」だね。つまり、当時そのあたりの音楽や、僕の音楽に関心があった人たちと同じ方向性での関心を持っていたわけではない。ジュークやバブルガム・ベースのシーンと繋げて考えられる理由はわかるけどね。たとえばソフィーと僕のバックグラウンドには親しいものがあって、音楽的にとても似ているとも思っているから。

トレンドを先導するかのようなタイトルをつけた“The Shape Of Trance To Come”(17)がはっきりと酩酊感を排除していたのとは裏腹に、その後のネオ・トランスはサム・バーカー(Barker名義)「Debiasing」でもバッチ(butch)“countach (k?lsch remix)”でも昔ながらのトリップに馴染むフォーマットに揺り戻しています。逆にいうとシリアスにあなたの真似をしている人はいないということにもなりますが、そうしたなか、『Scacco Matto』はアルバム全体をネオ・トランスで固めず、“XBreakingEdgeX”ではレゲエを取り入れたりと、今後の多様な方向性を予感させます。自分ではどこへ向かっていると思いますか?

LS:面白い質問だね。自分がどこへ向かっているかは、次の作品をつくっている最中にしかわからないことだと思っている。なぜ、今回のアルバムに『Scacco Matto』というタイトルをつけたかというと、音楽をつくるというのは自分のなかで、ひとつのゲームでもあるからなんだ。パワフルな音楽とのバトルのような。音楽の抽象的な側面と自分のアイディアを戦わせて、両者のバランスを見つけていくゲーム。まさに、頭のなかでチェスのゲームをしているような感覚だね。『Scacco Matto』では特に、抽象的な音と具体的な音の中立点を見つけたかった。だから全体として歌的で、メロディックなものに仕上がっている。『Quantum Jelly』や『Superimpositions』をつくっていたときの感覚に近いね。次の作品についてはまだわからないけど、ヴォーカルを入れたいとは思っているんだ。実は今回もヴォーカルを試したんだけど、最終的に気に入るものができなくて諦めた。でも、必ずまた挑戦したい。普段からヴォーカル曲はよく聴くから、それを自分の音楽に落とし込みたいんだ。その一方で、アブストラクトな長編もつくりたいなと思っているし。だから自分の方向性は色々だね。僕は自分の音楽をつくるとき、最初に音楽的なルールやリミットを決めて、そのなかでどれだけのことをやれるかを試す。可能性を広げすぎないようにするんだ。今後、どういう方向に進んでいくかを事前に考えたり決めたりすることはしないから、自分の今後の方向性についてはその時にならないと分からないな。

ちなみにあなたの運営する〈プレスト!?〉では実験音楽のリリースが多いなか、ジェイムズ・ブレイクのダンスホール・ヴァージョンといえるパルミストリー(Palmistry)の「Lil Gem」(14)をリリースしていることが目を引きます。彼の作品はどんな経緯でリリースすることになったのですか?

LS:パルミストリーとは、2012年かそれよりも前にオンラインで知り合ったんだ。「Lil Gem」は混沌としていて、異色だよね。だけどすごく良いトラックだ。〈プレスト!?〉はすごく小さなレコード・レーベルだけど、〈プレスト!?〉の仕事は気に入っているんだ。リリースする楽曲はどんなにアブストラクトで混沌としたものだとしても、そこにポップなアプローチをかけてソウルな要素を入れるようにしている。だから、ベンジャミン(パルミストリーの本名)にも、どんなにクレイジーな楽曲でも大丈夫だからEPをリリースしようと伝えた。「君の音楽は形にして残す必要がある」とね。「Lil Gem」を出した当時はまだデジタル・リリースのみというのがそんなにちゃんと一般的じゃなくてフィジカルもリリースするのが主流だったからフィジカル盤もプレスしたし。「Lil Gem」をつくった当時のベンジャミンは僕の音楽に影響を受けているから、曲にもそれが表われている。シンセ・ラインがすごく目立っていてね。だからあのEPには、僕たちが近い距離で一緒に曲づくりをしていた様子が表われていると思うよ。いまでもそうだけどね。〈プレスト!?〉からリリースした、トライアード・ゴッド(Triad God)というアーティストの作品のプロデュースをしてもらったりだとか。パルミストリーのことは誇りに思っているよ。「Lil Gem」のあとにも〈ミックスパック〉からデビュー・アルバムをリリースしたり、ディプロともコラボしたりしているしね。

 〈プレスト!?〉からは日本のファッション・ブランド、TOGAの音楽を手掛けるTasho Ishiのアルバムンドもリリースされていて、ほかにもいくつか聞きたいことがあったのだけれど、時間がなくなってきたということで、これ以上は追求できす。「プレスト」というのは、ちなみに「短時間」という意味の音楽用語で、セニの曲がせわしないこととも関係があるのかなーとか(?)。

国歌を歌ってこの状況を美化しようとする様子は僕にとってはいただけない。だけど、これを議論しすぎるのも大変だから、自分のアルバムのプロモーションと絡めてツイートすれば、シニカルで面白いかなと思ってね。

『Scacco Matto』に戻ります。“Discipline of Enthusiasm”はスタッカートを強調したピアノ曲を思わせます。マイケル・パラディナス(?-Ziq)の曲にも聞こえる”Canone Infinito”もカノンというタイトル通り声楽に発想を求めた曲かなと思うのですが、あなたにはクラシックの素養があるんでしょうか。ちなみに“Canone Infinito”はもうちょっと長く聴いていたかったです。

LS:イエスでもありノーでもある。「プレスト」という言葉はそもそもテンポを指示するクラシックの音楽用語で、(〈ワープ〉からリリースしたシングル)“XAllegroX”だってそう(=アレグロという音楽用語)だしね。自分のことをロッシーニのような作曲家だというつもりはさらさらないけれど、僕は自分の小さな世界のなかで、トラックのアレンジメントをとても大切にしている。イタリア人だから、クラシック音楽が僕の血に流れている可能性はあるね。

そろそろ、最後の質問ですね。パオロ・ソレンティーノ(Paolo Sorrentino)監督の映画『ローロ』はご覧になったでしょうか。この映画は日本人にはわかりませんが、イタリア人が観るとベルルスコーニ以前に戻ることができないイタリア人の悲しさが伝わってくるという評を読みました。それは隙間産業のようなことしかできない現状に対する不満を背景にしたもので、まさに、最後の曲のタイトルでもある“THINK BIG”という考え方がベルルスコーニの長期政権を支えたという解釈でもありました。シュプリームスをモチーフとした”THINK BIG”という曲のタイトルに込めた思いはそれに通じるものがありますか? ちなみにベルルスコーニが病院の数を半分に減らしてしまったことがイタリアで医療崩壊が起きた原因のひとつだそうです。

LS:映画は観てないし、その質問への答えは「ノー」だけど、ベルルスコー二との関連を考えると面白いね。ほとんどの人が認めたくないだろうけど、僕たちベルルスコー二・ジェネレーションはテレビ世代でもあって、常にテレビ番組とコマーシャルを目にして育ってきた。コンピュータ世代ではないんだ。テレビをずっと観てきた。子どもの頃からそうやって育ってきたから、いまでもパソコンで作業している最中もテレビをつけっぱなしにしていてガールフレンドに怒られるほどだよ。だけどそれはベルルスコーニの影響でもあるんだ。彼はすべてのテレビ局を所有していて、自分の政策を推し進める手段としてメディアを使っていたからね。たくさんの理由から、僕の音楽がベルルスコーニと関連しているとは言いたくないけれど(笑)。現状よりも高い場所に到達できると信じる”THINK BIG”という考え方、そして、ベルルスコーニが持っていたような物事に対する強い執念は目標達成のためには欠かせないものだ。その点に関しては、必要な姿勢だと思っているよ。ただ、彼がやっていたことはまったく尊敬できない(笑)。マフィアと関わりあったり、汚職にまみれたりね。

未成年と関係したりね(笑)。パンデミックの早い収束を願って、これで最後の質問です。イタリアの国民がバルコニーで国家を歌っていることに冷ややかとも取れるツイートをしていましたけれど、これに関しては批判的ということですか? 曲が差し替えられている映像が出回ったりして、文化と政治が入り乱れた現象と化しているようですが。

LS:そうだね。深く考えていないように思えたから。先週は国政について寄ってたかって批判していたのに、次の週には国歌を歌うなんてね。外出禁止や都市封鎖を美化しようとしているように思える。自分の人生についてゆっくり考えたり、本を読んだりできるから、それはいい点かもしれないけど、仕方なく外に出られないだけだからね。命の危険がある問題なわけだし。経済状況も大変なことになっている。だから、国歌を歌ってこの状況を美化しようとする様子は僕にとってはいただけない。だけど、これを議論しすぎるのも大変だから、自分のアルバムのプロモーションと絡めてツイートすれば、シニカルで面白いかなと思ってね。

ああ、そこまで考えて。まんまと乗ってしまいましたね(笑)。

私たちのシーンを助けよう - ele-king

 COVID-19による営業自粛を受けて、全国のクラブが存続の危機に瀕している。政府の対応には絶望しかないが、すでに全国のいろんなクラブが独自にクラウドファンディングをはじめている。自分がよく遊んでいるクラブ、地元のクラブ、個人経営のアットホームなクラブ、昔世話になったクラブ……いろんなクラブがあって、いろんな愛着がある。支援したい人は決して少なくない。
 DJのA.Mochiが今のこんな状況を見て、友人のオーガナイザーから情報を集めつつ、自発的に自分のホームページ内に支援先のリンクをまとめたサイトを作りました。オンラインイベント情報もあり。ぜひチェックしてみてください。

https://amochi.jp/afpan/

インディ・シーン団結しようぜ! - ele-king

 いま音楽にできることは何だろう? ことインディと呼ばれるシーンにできることは……どんなに小さくとも、そこに人が複数いればシーンだ。小さいシーンほど政府がアテにできないのはもうわかっている。だからといって白旗を揚げるのは冗談じゃない。自分たちのコミュニティが破壊されようとしているんだから。おたがい支え合うことがまず重要だ。
 これまで多くの刺戟的なアクトを輩出してきたイアン・F・マーティン主宰のレーベル〈Call And Response Records〉が、新型コロナウイルスの影響で危機に瀕している地元のシーンを支援すべく、日々サウンドクラウドなどに動画や音源をアップ、高円寺の音楽スポットを支援するための寄付金を募っている。
 日本のインディ・シーンはこのように無数の小規模なスペースや有志たちの手によって成り立っているもので、そのような全国のスポットにびっくりするくらい足を運んでいる猛者がイアンであり、この国のインディの状況をもっともよく理解している者のひとりである。彼による声明はわたしたちにとって大きなヒントを含んでいるので、以下に掲げておくが、これは現時点でのひとつの解ともいえるアクションではないだろうか。
 そもそも音楽がどういうところから生まれてくるものなのか──すでに被害が甚大な欧米の『ガーディアン』などメディアでは、来年秋頃まですっきりしない感じが長引くのではないかとも言われている現在、それを思い出しておくのはたいせつなことだろう。政府に補償を要求するのもたいせつなことだけれど、DIY精神やコミュニティへの眼差しを忘れずに行動していくことも、とっても重要なことである。(それは高円寺だろうが静岡だろうが京都だろうが)
 インディ・シーン、団結しようぜ!

キャンペーン・ページ:https://callandresponse.jimdofree.com/help-our-local-music-spots-地元の音楽スポットに救いを/
キャンペーン・ステイトメント:https://callandresponse.jimdofree.com/help-our-local-music-spots-地元の音楽スポットに救いを/campaign-statement/

地元のインディー音楽スポットに救いの手を!
(ENGLISH TEXT BELOW)
イアン・マーティン(Call And Response Records)

突如世界的なパンデミックが巻き起こり、世界中の多くの人々は現状を受け止めることが困難な状況にあります。いま私にできることは、微力ながらも自分のコミュニティのために何ができるかを考えることです。

Call And Response Records は、東京のライブミュージックシーン、その中の高円寺周辺から生まれました。高円寺は私たちのホームです。日本でコロナウイルス危機の対応が遅れさらに悪化するにつれて、ミュージックバーやライブ会場はますます困難な立場に置かれています。

私は幸運にも家に居ることができ、自分の部屋から執筆作業をすることができます。しかし、東京の独立した小さな音楽スポットのオーナーにとって、補償がないのでこれは簡単なことではありません。彼らは自分たちの生計を立てるために残され、皆にとっては恐ろしくて不安定な状況です。現状は誰もサポートをしないので、彼らの力になりたいです。店を開ければ批判と個人への誹謗中傷に直面し、店を閉めれば生計を立てられなくなり倒産へ追いやられてしまいます。

この危機を乗り越える為に正式な支援を求める運動をして居る方々がいらっしゃるので、今後少なくとも政府はこの問題を認識することを願います。取り急ぎ、できる限り早く、少なくとも Call And Response Records を支援してくれたいくつかの小さな会場・お店を助けたいと思います。

今、世界は混乱しており、おそらくあなた自身も問題を抱えているでしょう。Call And Response は、それを理解しています。しかし、これまで音楽に関わる活動を楽しんできた皆さんのために、私たちのコミュニティが集い、成長させる場所を与えてくれた、私たちの周りの音楽会場や音楽スポットについて考えてみてください。

また、ライブビデオと無料DL音源をこのページに集めて、人々が自由楽しめるようにする予定です。

そしてもし可能なら、少しのお金を支払うことで彼らを助けてください。

地元のインディー音楽スポットに救いの手を!

募金の寄付先については以下の3つのライブ会場、バーです。レーベルと私たちのコミュニティにとって、ここ最近で重要な場所となっている3つの小さなインディースポットにフォーカスしました。今後状況を見て、このページも随時アップデートしていきます。

Help us support our local independent music spots

By Ian Martin (Call And Response)

Seeing the massive devastation the global pandemic is causing to so many people’s lives around the world is overwhelming and difficult to process. The only way I can get through each day is by thinking small and thinking about what I can do for my own community.

Call And Response Records was born out of the live music scene in Tokyo, and the neighbourhood of Koenji in particular. It’s our home. But as Japan’s experience of the Coronavirus crisis drags on and gets worse, music bars and live venues are increasingly in a difficult position.

I am lucky enough that I can stay at home and do writing work from my room. But without support, that isn’t so easy yet for the owners of small, independent music spots in Tokyo. They have been left to fend for themselves, trying to stop their livelihoods falling apart in a situation that’s scary and uncertain for everyone. They face criticism and personal danger if they open, bankruptcy and the end of their livelihoods if they close.

There are people campaigning for formal support to help the music scene get through the crisis, so at least the government is being made aware of the problem. In the meantime, though, I want to at least help some of the places that have helped Call And Response Records if I can.

The world is in a mess right now, and you probably have your own problems. We at Call And Response understand that. But for those of you who enjoy what we do, just take a moment to think about the venues and music spots around us that have given us a place to gather and grow our community. We plan to upload live videos and free downloads, gathering them all on this page for people to take and enjoy freely. And if you can, please drop a bit of money to help.

With any donations we receive on this page, we’re focusing for now on three small, independent spots that have become important places to the label and the community around us in recent years. We will keep an eye on the situation as it changes and make any of our own changes if they seem appropriate (updates posted here).

KURANAKA & 秋本 “HEAVY” 武士 × O.N.O - ele-king

 今年でなんと25周年(!)を迎える KURANAKA a.k.a 1945 主催のパーティ《Zettai-Mu》が、4月25日(土)にストリーミングにてライヴ配信を敢行する。題して「Zettai-At-Ho-Mu」。もともと24日に開催される予定だった NOON でのパーティに代わって開催されるもので、秋本 “HEAVY” 武士 と O.N.O によるスペシャル・セッションもあり。これはすばらしい一夜になること間違いなしでしょう。なお視聴は無料の予定とのことだが、投げ銭のような仕組みも試験的に導入されるそうなので、アーティストや運営・製作に携わる人たちをサポートしよう。

[4月23日追記]
 上記の「Zettai-At-Ho-Mu」ですが、開催が5月23日(土)に延期となりました。詳しくはこちらをご確認ください。

いまは深い意味をもって聞こえてしまう“新世紀のゴスペル”、しかし、イヴ・トゥモアの新作には、危険な時代を生きていくうえでの重要項目も表現されているのではないだろうか。脱線しながら、久しぶりの音楽談義をしてみました。

木津:イヴ・トゥモアの〈Warp〉2作めの最新作『Heaven To A Tortured Mind』、ぼくはかなり驚きました。前作『Safe In The Hands Of Love』ですでに大きく舵を切っていたとはいえ、ここまでポップに振りきれるのか、と。 サウンド的にエレクトロ、IDMもあるもののかなり後退して、ロック・アルバムと言っていいも内容です。 コンボ・スタイルのトラックも多いし。前回の対談で野田さんがすでに指摘されていましたが、グラム全開ですよね。

野田:しかしそれはちょっと前までの、人類がCOVID-19の危険に晒される前の時代のモードでもある。カニエ・ウェストとレディ・ガガとイヴ・トゥモアにも共通する感覚、グラムだったね、グラム、だからあのときあれほどグラムだって言っただろうが!

木津:はい(笑)。しかしだとしたら、なぜグラムを時代が要請したのでしょう? グラムということはパンク以前の、70年代前半のけばけばしい装飾性であるとか、いかがわしさ とか、ナルシシズムとか、ジェンダー規範を外れていく感じとか……そういったものが参照されるムードがあったということですよね。

野田:カニエ・ウェストとレディ・ガガ、あるいはグライムスなんかにも共通するのはナルシズムだけど、まあ90年代は自然志向や匿名性の時代だったし、自意識やナルシズムの類は悪しきモノと解されていたから、そうした前時代への反動もあったんだろうね。ディーン・ブラントは鋭かった。「ナルシズム」というキーワードをちゃんと出していた。クイーンだってグラムなわけだけど、イヴはボウイやマーク・ボラン的なグラムの本質に迫っているんじゃないのかな。スタイルと言うよりはコンセプトとしてのグラム。たとえば、もともとIDMファンを唸らせていたイヴが〈PAN〉から出したセカンドでいきなり我が姿をさらしたところに象徴されたよね。以前までIDMといえばテクノのコアな志向を内包していて、つまり顔よりも音だった。しかし、イヴやアルカみたいな人たちは、オウテカが死んでもやらないことをやったよね。

木津:そこはやっぱり、2010年代のアンダーグラウンドのクィア・ラップ・シーンやドラァグ・ボールが果たしたことが大きいんだと思います。アルカもイヴもその辺りとすごく密接に関わっていますからね。異物であればあるほど輝ける場所。ナルシスティックでナンボという世界。それはある意味では戦略であり、同時に本人たちにとって切実なものでもある。イヴはミッキー・ブランコ周りから出てきたひとで、いまに至るまですごくファッショナブルな打ち出しをしていますね。ただそこに、ちゃんと説得力がある。

野田:たったいま現在(4月10日)はなかなかナルシズムなんて言ってられない状況だから、これはほんの1か月前までの感覚で言うけど、クィアであれ何であれ、自分を晒す、まあ素顔は晒さないけど装飾的に自分を晒すということは、SNSの匿名文化が一般化した時代のひとつの面白いアンサーとも言える。ちなみにイヴは昔チルウェイヴのバンドに関わっていたんでしょ? 

木津:そうですね。ティームズ名義で出した『Dxys Xff』という作品は2012年に橋元優歩さんが「チルウェイヴのその後」とレヴューしていますよ。チルウェイヴ期は00年代末から10年代頭なので、まあ時代的にも合致してますよね。イヴ・トゥモア名義としては〈PAN〉からはIDM寄りの作品を出しているけど、セルフ・リリースの『Experiencing The Deposit Of Faith』はアンビエント。ほかにも名義がいろいろあって、ハウスっぽいことをしていたり、もっとエクスペリメンタル・ヒップホップっぽいものもあったり、〈Warp〉とサインする以前はとくに、とっ散らかっていてよくわからないところもあったんですけど。

野田:チルウェイヴというのは、のちに分析されているように、911ないしはリーマンショックという現実を前にした反応であり逃避主義の表れで、まさにこれがヴェイパーウェイヴにも繋がるわけで、テン年代の音楽における重要な水脈の起点、OPNもヴェイパーウェイヴもやっているけどチルウェイヴのEP出しているし、現在のインディのひとつの起点だよね。ラップがインディおたくと結びついたのもクラウド・ラップが大きかったでしょ。で、イヴがチルウェイヴにリンクしてたことはすごく重要で、それは今作の魅力にも大きく関係しているんだけど、夢見ること、ファンタジーの復権というかね。

木津:なるほど。チルウェイヴはインディ・ロックとIDMの距離を近づけたという意味合いも大きかったと思うんですけど、ヴェイパーウェイヴほどインターネットの匿名性に潜っていかない方向性を選んだ一派は、パフォーマンス性の問題にぶつかったと思うんですよ。たとえばトロ・イ・モワなんかはよりダンサブルな方向に行って、けっこうファンキーなバンドでライヴをやっていたりする。逆にウォッシュト・アウトはそれがあまりうまくいかなかったのかもしれない。とにかく、ベッドルームの夢――いまの野田さんの言葉で言うとファンタジーですよね――をどういう風に肉体性を持たせて再現するかという問題が、イヴの場合は70年代ロックを参照することで昇華されたのかな、と。

野田:グラム・ロックというのは、ロックンロールそのものをやるんじゃなくて、ロックンロールをやることとはどういうことなのかをやる、ソウルそのものをやるんじゃなくて、ソウルをやることとはどういうことなのかをやるという、メタな視点がある音楽だったんだよね。それがイヴにはあると思う。人気作の『Serpent Music』にしても。いまエレクトロニック・ミュージックをやることとはどういうことなのかという視点があるし、いま聴くと意外とチルウェイヴやインディっぽかったりもするんだよね。OPNと併走している感がありながら、OPNにグラムはないからさ。〈蛇の音楽〉という隠喩は、やっぱいろいろ想像を掻き立てるよね。たとえば、異形の者たちの音楽であるとか、ね。気味悪くて美しいとかね。そしていまエレクトロニック・ミュージックに耽溺するのは、そういう者たちであると。これは、やっぱそれ以前のエレクトロニック・ミュージックにはなかった。RDJはそれを逆手にとってたけど。

木津:ふむ。セルフ・イメージのメタ化という意味でも、RDJはたしかにそうですね。いっぽうでイヴは、グラムのサウンドや表層以上に哲学や精神性でリーチしていると。しかし、いまエレクトロニック・ミュージックに耽溺する者たちは、はみ出し者なんだという視点はおもしろいですね。その感覚は野田さんも共有するところなんですか?

野田:残念ながら、ぼくはもう年齢的にそこまでナイーヴになれないんだろう。っていうか、いや、いまはそんなこと言ってられないかも(笑)。そもそもエレクトロニック・ミュージックの世界は、人種やジェンダーから解放された世界でもあるからね。だからイヴの自分の見せ方も、アンドロジニアス的じゃない? 日本語の訳詞が女性言葉になっているのがどうも自分にはしっくりこないんだけど、まあ、敢えて「ボク」でもいいんじゃないかと思う感じかな、ぼくがイヴから感じる感覚は。

木津:日本語はジェンダーの縛りが強い言語ですから、そこは難しいですよね。「女性言葉」というのももう時代遅れなのかもしれない。でも、イヴに ある種の少年性が感じられるというのはすごくわかります。この場合ジェンダーで分けないほうが望ましいので、思春期性というほうがいいかな。それと、野田さんの言うアンドロジニアス的なところ――いまの言葉でいうとノンバイナリー的なところは、スロッビング・グリッスルの存在も大きかったんでしょうね。この間亡くなってしまったジェネシス・P・オリッジはそうした点でも先駆的な存在だったわけですけれど、イヴは音楽を始めたきっかけがそもそもTGですから。インダストリアルはイヴの音楽にかなり入っていますけど、TGからの影響もサウンドの問題に留まっていない。定型や規範を逸脱していくことに自由や美、快楽を見出すという。

野田:へー、TGがきっかけなんだぁ。ドゥリュー・ダニエルもTGだし、TGって、確実にある人たちを勇気づけてるよな。TGもメタ的な音楽だった。イタロ・ディスコそのものをやるのではなく、イタロ・ディスコとはなんなのかをやるというね。小林君とか三田さんみたいに〈PAN〉時代の作品が好きな人は〈Warp〉になってロック色が強くなったことにがっかりしているのかもね。たしかに初期のあのちょっと感傷的で、繊細なエレクトロニック・サウンドはいまでも魅力だし、正直ぼくのなかにもイヴは“Limerence”を越えられているのかという疑問はあるんだけど、そういう感覚はティラノザウルス・レックス時代が良いと言っているファンに近いのかもなとも思う。とにかく彼はいままで言ってきたように音楽へのアプローチがグラム的、つまりメタ的で、だからIDMもやるし、ロックもやるし、R&Bもやるし、ってことだと思う。

木津:なるほど、そう繋がるんですね。ただ、いまでこそメインストリームもジャンル・ミックスの時代だと言われていますけど、イヴの音楽のキメラ的なまでの雑食性や奇形性に、ぼくはもっと切実なものも感じるんですよね 。いまの野田さんのメタの話は納得なんですけど。それこそ、この間三田さんがレヴューを書いていたンナムディもポストロックっぽいことやエクスペリメンタル・ヒップホップっぽいことを同時にやっていてユニークですけど、彼も二重のマイノリティであるブラック・クィアとしての複層的なアイデンティティが音楽性と結びついているようなところがある。自分の存在を特定の音楽では定義できないという。いずれにせよ、イヴの『Heaven To A Tortured Mind』もたんに今回はロックをやりましたっていうことじゃなくて、インダストリアル、チルウェイヴ、IDMといったものを、精神性も踏まえて経由してきたからこそたどり着いた作品だということは言えると思います。あともうひとつ重要な影響元として、ニルヴァーナやクイーンズ・オブ・ストーン・エイジみたいなオルタナティヴ・ロックもあるみたいですね。前作以降とくにそうした部分も出ていますけど、それは自分のナイーヴさやイノセントな部分をさらに隠さなくなったということだと思う。

野田:グラムって、松岡正剛さん的に言うと「もどき」ってことだと思うんだけど、そのものではない永遠の近似性、つまり「にせもの」、しかし、デヴィッド・ボウイがそうだったように、「にせもの」だからこそ「本質」を語れる。ロックンロールもどきだからロックンロールの本質を突いたんだ。「自殺者」というメタファーでね。それからマーク・ボラン的にいえば「スライドする」ということ、つまり「ずらすこと」、「ずらすこと」で見えるモノ、あるいは「にせもの」であり「ずらすこと」で得ることのできる自由、「ずらすこと」で見えるファンタジー、、こうした感覚がイヴにはあって、それは彼のジェンダーにも関わっているのかもしれないけど、それが彼のいう「ロマンス主義」じゃないかと。チルウェイヴってまさにベッドルーム音楽で、逃避的だったし、ヒプナゴジックかつドリーミーであったわけだけど、イヴはそれを生き方にまでしようとしている感じがする、というかそういう迫力が1曲目から感じられる。ま、これはイントロが最高に格好良くて、イントロの勝利。“20thセンチュリー・ボーイ”を意識しているのかもだけど(笑)。

木津:“Gospel For A New Century” 、シンプルなリズムなんだけどブレイクが絶妙で、文字通りのグラマラスなロック・アンセムですよね。イヴって歌のうまさで聴かせるタイプじゃないけれど、だからこそ妖しい魅力が炸裂してる。初期のロキシー・ミュージックがよく引き合いに出されていて、たしかに連想する部分もあるかなと。とにかく新しいアルバムはこのモードで行くんだっていう気概がこの曲に表れてますね。文字通りデモニッシュなミュージック・ヴィデオもカッコいい。Youtubeで再生しようとすると「この動画は、一部のユーザーに適さない可能性があります」と警告が入りますが、危険な香りのする華やかさがあります。

野田:ぼくのなかで初期のロキシーはそれこそ超一流の「もどき」、サイモン・レイノルズは「実現不可能な理想とありえない欲望」って表現していたけど、とにかくロキシーはいわゆる知能犯であってね。アートワークやファッションも含めてコンセプチュアルだし、イヴの華やかさとは違うんじゃないのかな。言いたいことはわかるけどね。イヴはもっとエモーショナルだと思う。切ないところがあるし、ブライアン・フェリーの「決して手に入らないモノをしかし切望し続ける」という感覚はあるのかもしれないけど。ところで、グラムの原点って何かというと、オスカー・ワイルドとJ・R・R・トールキンと言われているんだよ。

木津:へえ! ワイルドはなるほどという感じですが、トールキンはちょっと意外かも。

野田:ワイルドは、わかるよね、「自然ほど退屈なモノはない」ってことだよ。モリッシーも歌っているね、「君はイェイツだけど、ぼくにはワイルドがある」。もっともいまワイルドがどれほど意味があるのかぼくにはわからないけど。で、トールキンはぼくも向こうの記事で読んで「なるほどー」って思ったんだけど、もちろんファンタジーであり、それは大人ではなく「子どもたち」にむけたってことだよね。さっき木津君がイヴには少年性があるって言ったけど、イヴの表現に重層性があるのは、こうしたいろんなことがリンクしているからだと思う。それはそうと、今作は前作以上にロック、ポップ色が強く、とはいえ曲の作りはより凝縮されているんだけど、すべて短い曲だし……サンダーキャットの新作も短い曲ばかりだったね、で、同時にそのなかで歌メロをどれだけ作れるかってことにも挑戦していると思うんだけど、木津君的に面白かった曲って何?

木津:ぼくがまず挙げたいのは“Kerosene!”ですね。甘いソウル・チューンなんですけど、途中暑苦しいギター・ソロが入ってきますよね。クレジット見たら、これ、ユーライア・ヒープの“Weep in Silence”からの引用らしくて。イギリスのハードロックですよね。少なくとも僕はほとんど聴いてこなかったものだし、パンク世代の野田さん的にも苦手としたところなんじゃないですか(笑)? 何にせよ、こういうところもパンク以前の70年代が入っていて、ハードロックの鬱陶しいエモーショナルさが妙にマッチしているというか、イヴらしいチャレンジングな接続で意外とありだなと、この曲よく聴いてしまいます。同じ意味で、“Supar Star”もいいですね。これぐらいエモーショナルに振りきれているナンバーが、このアルバムでは光っているかなと。 “Romanticist” から“Dream Palette”へと短いナンバーが間髪いれずに続く烈しさもハイライトですね。

野田:ぼくも木津君と同様、最初に聴いたときに「こりゃすごいな」と思った。グラム・IDM・ロックというか、じつは1曲1曲がよく作り込まれているし、まずは“Identity Trade”“Kerosene!”“Hasdallen Lights”の並びがいいよね。“Supar Star”もそうとうクセになるメロディがあって、ロマンティストのぼくとしてはやっぱ“ Romanticist”かな。ファンタジーってさ、要するに想像世界であって、とにかく全力で〈想う〉ことじゃない? 誰もが望まない今日の状況下で、このファンタジーがリリースされたことは、ある意味では難しいんだけど、でもこれだけキツイ状況のなかで、よき世界を想うことは超重要だしさ、文化がいかにユートピアを描けるかってこともポイントだよね。だからさ、しっかしこのタイミングでのリリースっていうのは、人びとの価値観が揺れているときだから、“Gospel For A New Century”がなにか別の意味に聴こえてしまわない? まさに、それが良きモノか悪しきモノかは見えないけれど、〈新世紀〉になってしまいそうだし。

木津:たしかに……。このアルバムには、象徴的に「ゴスペル」と「ブルース」って言葉が曲名に入っていますからね。公的なものと私的なもののせめぎ合い。あと今回は、とにかく熱烈なラヴ・ソング集ですよね。このコロナ・ショックで外出できない状況が続いていて、人恋しくなるタイプとひたすら孤独に浸るタイプに分かれているような気がするんですけど、ぼくはそれでいうと前者で(笑)、この激しいフィーリングにいますごくグッと来てしまいます。オープニングから「あなたのすべてになってあげる、ねえベイビー」ですから。ただイヴの場合、前作までにあったようなダークな感じももちろんあって、後半ノイズ・ロック的な展開になっていく“Medicine Burn”は、前作から続くディプレッションのモチーフがたぶん入っている。アルバム・タイトル通りの「A Tortured Mind」=「拷問された心」というマインドが基調にある。だから、異形の者たちのラヴ・ソングというのを徹底したアルバムで、ぼくはこのひたむきさはいますごく求められていると思います。

野田:「拷問された心」というのは、これまた暗示的な言葉。どれだけ我々の内面は痛めつけられているかってことだろうね。で、ありながら、ここまでキラキラしているっていうのがすごい。俺がいま20代だったら、ああいうグラマラスな格好していただろうな、似合っているかどうかはともかく。木津君もグラマラスでいこうぜ。もっとカラフルな服を着るんだよ!

木津:小林くんと違って、ぼくは派手な色もよく着ますよ。 柄物はちょっとハードル高いですけど……。でもたしかに、イヴはすごくファッショナブルな存在でもありますよね。今回のアルバムで大きくフィーチャーされているシンガーのヒラキッシュ(Hirakish)はモデルですし……画像検索してみてほしいんですけど、ヒラキッシュのヴィジュアルもすごく危うげでカッコいい。あと、ブランドMOWALOLAとのコレボレーションでショート・フィルム『SILENT MADNESS』を発表していましたけど、前回の対談で野田さんが言っていたようなゴスな感じがキマってる。野田さんはフランク・オーシャンやジェイムス・ブレイクを聴いているような繊細な若い子に聴いてほしいっておっしゃってたじゃないですか? ぼくもそこはほんとに同意で、イヴはそういう子たちを熱狂させるようなアイコン性もありますよね。当世風のロックスター像というか。そこも、メタ的な意味でのロックスターということですけど。ポップ/ロック・アイコンというものの功罪を踏まえた上での、あのヴィジュアルの打ち出しなのかな、と。

野田:しかもちょっとパロディぽいっていうか、面白がってるっていうか、どこか遊び心があるのっていいよね。COVID-19によって、ワクチンが普及するまでほとんどの人は危険に晒されているわけで、そうなると心の余裕もなくなってくる。毎日のニュースにうんざりしながら、メンタルも追い詰められそうになる。そんなときは、こういうイヴもそうだし、ンナムディもそうだし、シリアスさとふざけている感が混じっているのが良いよね。家にいるあいだ友だちとスカイプしながら飲んで聴くにはいいですよ。ちょっと気持ちがあがるかも。で、ここには愛と自由がある。愛をもって語る、愛をもって行動すると。自分のなかの愛の力を増幅しよう。ってことで、待ってるよ、木津君。

木津:ぼくはいつも愛と自由のことしか考えてないですよ。愛を政治利用させないこと。音楽やアートのなかで解き放たれること。だからこの苦しい時期にこそ『Heaven To A Tortured Mind』を聴いて、また街に出られるようになったら、きっとグラマラスなファッションにも挑戦して、野田さんに会いに行きますよ。

野田:おいおい、参ったなぁ。。。

(2020年4月10日)

第1回 奪われた余韻と電動シェーバー - ele-king

“また、おまえの中では、立琴をひく者、歌を歌う者、笛を吹く者、ラッパを吹き鳴らす者の楽の音は全く聞かれず、あらゆる仕事の職人たちも全く姿を消し、また、ひきうすの音も、全く聞かれない” - ヨハネの黙示録18章22節

 雨が降っている。
 屋根を叩く雨の音がスピーカーから流れる Throbbing Gristle の乾いたサウンドに潤いを与えている。飯島直樹Genesis P-OrridgeGabi Delgado が立て続けにこの世を去り、私の精神からは渇きも潤いも少しだが確実に失われた。巨人たちの喪失に加え出演予定だったイベントは立て続けにキャンセルになり、先の見通しが全く立たたない中で私は日々精神をすり減らしていた。そんな中、ele-king編集部から連絡をもらい、このコラムを始めることにした。タイトルは宇川さんの言葉を借りて「Post-Pandemic Memories」に。月に一度ぐらいのペースで書くことを目指そうと思う。このコラムはパンデミック後の世界を生きる一人のミュージシャンの手記となるだろう。

 今日は2020年の4月1日。自主隔離に入ってからおおよそひと月が経過した。もともと自主隔離のような時間を好む性格だった私は日々の過ごし方について大して心配はしていなかったが、いまは友人の存在や、大音量の音楽に包まれるという事、そしてそれらが完備されたパーティーという場のことを思い出しては、それが日常から失われたことに憂鬱になる日々を送っている。なぜかウエルベックの『ある島の可能性』の世界が頭をよぎってそんな気分に拍車をかける。ダニエル並みに寝起きは悪い。ベッド脇に情調オルガンがあるリックが羨ましい。毎朝とりあえず NTS をつけて、ロンドンから届いた音楽が身体にベッドから離れるための推進力を与えるのを待っている。(Sade が流れてきた! 最高だ。起きよう!)そして巨大サウンドシステムでステッパーをかけてオーディエンスの体毛や眼球を震わせる白昼夢を見ながら周りに転がる雑多な仕事を片付けている。

 その白昼夢を再び現実のものとするべく、私は有志数名と共に #SaveOurSpace という運動を始めた。COVID-19 の感染拡大を防いでなるべく早く収束させるために全ての人が集まる場所を閉鎖し、クラスタとなるのを防ぐために助成金を求めるアクションだ。助成金がなければ閉鎖の先には経済的な死が待っていて、閉鎖しなければバッシングと感染リスクが待っている。助成金が出れば経済的な死も、感染リスクになることも防ぐことができ、多くの命が救われる。先週末にこれを始めてから5日。本当にめまぐるしい日々だった。結果的に30万人を超える署名が集まり、現在の文化施設が置かれている状態に危機感を感じている人が多数いることが可視化された。しかし、情報は伝播すればするほど子細な部分が失われ意図が伝わらなくなってしまう。メディアが切り取るという声をよく聞くが、それ以上に人は文章を読まない。案の定、広がりに比例して誹謗中傷の数も増えていった。
 安倍のことを呼び捨てにするような人がやってるからダメだ。というようなコメントも送られてきた。キリストもニーチェも呼び捨てにしている私が安倍を呼び捨てにしない理由はない。まあ私の地元では芋に敬称をつけるが。ここで Slowthai の “Nothing Great About Britain” の歌詞から次の一節を送ろうと思う。

“I'd tell you how it is, I will treat you with the utmost respect. Only if you respect me a little bit, Elizabeth, you cunt.”

 Elizabeth のところを適当な名前に変えて読んでもらいたい。私のこういうアグレッシブな性格が褒められたものではない事はわかっているし、#SaveOurSpace で動いている他の人たちの中にこんなクソ野郎はいないハズだから安心してほしい。

 そういえば今日はエイプリルフールだった。
 今日に限った話じゃないが世間に目を向ければ悪い冗談としか思えないようなことで溢れている。思わず頭脳警察の “ふざけるんじゃねえよ” を再生したが、再生後に流れる広告がこの虚無感をより一層深いものにしてしまった。ふざけるんじゃねえよ。この奪われた余韻とブラウンの電動シェーバーのCMは全く釣り合わない。

 アカウントの性別や年齢と紐づいたターゲティング広告だろうが、私はこのターゲティング広告というものが反吐が出るほど嫌いだ。ターゲティング広告によって人々は選択の自由を奪われ、放棄し、肥え太った巨大資本に餌をやり続けている。無意識のうちに選択の幅を限定され誘導されてゆく事はとても恐ろしい。しかし、思考し選択する行為そのものを放棄する事で楽になれるのもまた確かだ。その安楽死を求める人は多いだろう。
 そしていまこのウイルスの恐怖に包まれた世界で、その安楽死を選択する人々は確実に増えている。権力が恐怖を利用し、人々が思考することを放棄した時、そこに広がるのがどういう世界なのか、私たちは歴史から学んで警戒し続けなければならない。

 ラップトップに向かってこのコラムを書いているうちに随分と体温が下がってきてしまった。体が冷えている。これは窓を打つ雨のせいだけではないだろう。そしてこの精神的に隔離された日々を凍えながら過ごしているのは私だけではないだろう。大音量でお気に入りの音楽をかけろ。鍋いっぱいに湯を沸かせ。パスタを茹でてソースを温めろ。食後にはお茶かコーヒーをつけろ。心と身体を養え。君/私という存在をかけた戦いのフロントラインに君/私は立っている。


interview with Thundercat - ele-king

 ロサンゼルスのジャズ・シーンで活躍し、それだけでなくヒップホップやビート・シーン、R&Bからロックと幅広い舞台でセッションしてきたサンダーキャットことステファン(スティーヴ)・ブルーナー。2017年にリリースされたアルバム『ドランク』は、それまで見せてきたベースやギターの超絶プレイを披露するだけではなく、シンガー・ソングライターとしての魅力にも大きく踏み込んでおり、それによってAOR調の “ショウ・ユー・ザ・ウェイ” をはじめ、ポップな側面を見せる場面もあった。ケンドリック・ラマー、ファレル、ウィズ・カリファらから、ケニー・ロギンス、マイケル・マクドナルドに至る多彩なゲストも話題を呼んで、世界中のさまざまなメディアから絶賛される大ヒット・アルバムとなった。

 しかしサンダーキャット自身はそれに浮かれたりすることなく、何よりも自分は常に前に進んでいる存在でありたいと、2018年8月末に〈ブレインフィーダー〉のイベントで来日した際におこなったインタヴューで語っていた(『別冊ele-king フライング・ロータスとLAビートの革命』に掲載)。そんな変化と前進を好むサンダーキャットが、ニュー・アルバム『イット・イズ・ワット・イット・イズ』を携えて帰ってきた。今回のアルバムはスペイシーなフュージョン/ジャズあり、AOR系の歌ものあり、『ドランク』を引き継いでいるところは見られるが、後半に見られる内省的でアコースティックな世界が特に印象深い。2018年におこなったインタヴューからほんの数日後、盟友でいろいろ共演してきたラッパーのマック・ミラーの突然の死があった。それ以前にもピアニストで友人のオースティン・ペラルタが亡くなり、2013年の『アポカリプス』では彼を追悼した曲を捧げたことがあったサンダーキャットだが、『イット・イズ・ワット・イット・イズ』にはそうした友をなくした悲しみや、それに伴うさまざまな感情、いま共に生きる家族や友だち、そして生と死をはじめとした人生観が織り込まれている。そうしたものが、特にアルバムの後半には表れているようだ。

 前回のインタヴューのときに比べてだいぶスリムになった印象だが、『北斗の拳』のTシャツを着て、ピカチュウのキーホルダーをリュックに付けてという、いつもの彼らしい出で立ちで表われたサンダーキャット。早速ニュー・アルバムについて話を訊いた。


苦痛ってのはときにいままで味わったことのない新しい感覚を呼び覚ますことがあって、受け入れがたい、耐えられないって思うこともあるけれど、でも人生ってそんなものなんだ。苦痛を乗り越えて進んでいくこと、それは誰しもが経験せざるを得ないことなのさ。

前回のインタヴューで、「今後の作品ではどんなことにチャレンジしたいと思っていますか?」と質問したところ、「ファスター・アンド・ベターさ。より速く、より進化したいと思っている。いつもそうだけど、ひとつのところに固まっていようとは思わないんだ」と回答していました。それを踏まえたうえで新作『イット・イズ・ワット・イット・イズ』はどんなアルバムになっていますか?

サンダーキャット(Thundercat、以下TC):実際にはスロウワー・アンド・サッダー(よりゆっくりでより悲しいもの)になってしまったね(笑)。何だろう、わかんないけど前とは違ったものになったのは確かだ。

レコーディングはいつ頃おこなったのでしょうか? 前回のインタヴューではまだ具体的に制作の話はしていなかったので、その後になるかと思いますが。

TC:ここ2年くらいかけてだね。

アルバム・タイトルの『イット・イズ・ワット・イット・イズ』に込めた意味は何でしょうか? アメリカのスラングでは人生の諦観を意味するフレーズにも用いられるのですが。

TC:そうだね、苦痛ってのはときにいままで味わったことのない新しい感覚を呼び覚ますことがあって、自分では受け入れがたい、耐えられないって思うこともあるけれど、でも人生ってそんなものなんだ。そして苦痛を乗り越えてまた進んでいくこと、それは誰しもが経験せざるを得ないことなのさ。だから人生の喜びも悲しみも受け入れよう、それが俺の言いたかったことだよ。

そこには何か個人的な体験も込められているのでしょうか?

TC:うん、常にそうだよ。

『ドランク』から約3年ぶりのアルバムとなりますが、そのとき同様にフライング・ロータスカマシ・ワシントンブランドン・コールマン、テイラー・グレイヴズ、ミゲル・アトウッド・ファーガソン、ルイス・コール、チャールズ・ディッカーソン(モノ/ポリー)、マーク・スピアーズ(サウンウェイヴ)などあなたの仲間のミュージシャンやプロデューサーが参加しています。デニス・ハムも前作同様に参加していますが、今回のアルバムでは彼の役割が高まっているように感じます。ルイス・コールとも共演する彼ですが、あなたから見て彼はどんなキーボーディストですか?

TC:デニスは本当に重要な存在だよ。レコーディングとか音楽に限らず、自分にとって彼は大切な存在なんだ。以前オースティン・ペラルタが亡くなって落ち込んでたとき(2012年11月没)、デニスは俺のそばにいていろいろと助けてくれたんだ。人間としてもそうした優しさがある人物であることを知って、そうした人から音楽へもたらされるものの素晴らしさも俺はすごく理解しているから、彼が重要だと言えるんだ。デニスの場合は音を作り出すときに生まれるスピリチュアルな雰囲気がとても刺激的で、そんな彼と一緒にやりながら感じるフィーリング、チャレンジングな気持ちは俺にとって本当の楽しみなんだよね。

オープニングの “ロスト・イン・スペース/グレート・スコット/22-26” はスコット・キンゼイとの共作です。彼はウェザー・リポートのジョー・ザヴィヌルに捧げた作品も作っていますが、今回もジョー・ザヴィヌルとかウェザー・リポートからの影響が感じられる演奏となっていますか?

TC:もちろんスコットがどんな人かは知っているけれど、今回は特に彼のそうした部分を求めてのコラボというわけではなかった。インストゥルメンタリスト同士で何かやりたいなと思っていて、そうしたときにスコットが浮かんできたんだ。以前も彼とはいろいろコラボをやったことがあるけれど、今回のコラボのスペシャルな点は楽曲への想いがとても強いものだったこと。ふたりが心を込めて書いた曲があまりに素晴らしいもので、はじめはインストのつもりだったけれど、ついついその素晴らしさにつられて歌詞も書いてしまったんだ。俺たちの演奏の中から、おのずと宇宙がテーマになった歌詞が生まれてきた。

ルイス・コールについては今回 “アイ・ラヴ・ルイス・コール” という曲を作って彼をフィーチャーしていますが、この曲はどんないきさつから生まれたのですか?

TC:これはルイスが作った曲なんだ。基本は彼がやっていて、それに俺がベースを乗っけて歌ってる感じさ。本当のところ、ルイスはひとりで何でもできるから、ほかのミュージシャンが入る必要はないんだけどね(笑)。一緒にやって気持ちのよさを共有できる奴だから、アルバムの制作に入る前から何か共演できればと話をしていて、それでこの曲を提供してくれたんだよ。俺から見たルイスはいつも頭がグルグル回転していて、何か新しいやり方はないか、変わった方法はないかと考えている感じなんだ。そうした人と一緒にやるにあたって向こうから曲を委ねてくれたということ、とってもスペシャルな曲を作ってアルバムで使わせてくれて、さらに歌まで歌わせてくれたということはとても感謝している。決して単純な小曲というわけではなくて、コード・チェンジをみても複雑で、しかもこれだけ大掛かりなストリングスを使っていて、そんな曲をルイスが任せてくれたのは本当にすごいことなんだ。

そのストリングスですが、どのようなイメージで使ったんですかね?

TC:ルイスがフェイスタイムでレコーディングしている様子を見せてくれて、ストリングスをやってるミュージシャンたちが皆で俺に「ハロー」って言ってたりしたけどね(笑)……俺の想像するにこうした大掛かりなストリングスのスコアを書いてアレンジして、大人数のミュージシャンを指揮してレコーディングするっていうことが、ルイスにとってのひとつのチャレンジだったんじゃないかな。もちろん彼にとってこうしたことは初めての経験ではないだろうけど、この曲はルイスがそうやってひとりで作ってお膳立てて、俺に渡してくれたんだ。

“ミゲルズ・ハッピー・ダンス” はミゲル・アトウッド・ファーガソンのことを歌った曲と思いますが、今回のアルバムは共演者がモチーフとなった曲が多いですね?

TC:ああ、確かにそうかもね。これは偶然かどうかわからないけど、マック・ミラーが亡くなった後(2018年9月没)に友だちのありがたみをすごく感じるようになって、音楽を通して友だちに語りかけるようなことが増えていったんじゃないかなと思うよ。

この曲ではフライング・ロータスはドラムを担当していますね。彼は今回のアルバムも共同プロデュースしていますが、彼とはどんなアルバムにしようとかミーティングしましたか?

TC:ドラムは演奏ではなくてプログラミングなんだけど、フライローとはいつも話はしていて、今回のアルバムのために特別に、ということではないんだ。彼と出会ったときからずっとそうだけど、日常の会話の中でどんなことがしたいとかいつも話をしているからね。

“ブラック・クォールズ” では元スレイヴのスティーヴ・アーリントン、ジ・インターネットスティーヴ・レイシー、チャイルディッシュ・ガンビーノと共演しています。スティーヴ・アーリントンは以前デイム・ファンクとの共演も話題となった伝説的なシンガーですが、今回はどのような経緯で共演したのでしょうか?

TC:スティーヴ・アーリントンと初めて出会ったきっかけは、まさにそのデイム・ファンクを介してなんだ。前からいろいろと紹介されてはいたけれど、実際に会ってきちんと話をしたのは初めてで、彼が俺のことを知っていてくれたことだけでも十分嬉しかったことを覚えてるよ。それで誰と会ってもそうなんだけど、何か一緒にやろうよという話になってね。でも、そのときはまさかそれが数年後に実現するとは思ってなかったよ。で、この曲は最初にスティーヴ・レイシーと一緒にやっていたんだけど、もうひとり加えて3人のスティーヴでやったら面白いねということになって、それでアーリントンに声をかけたんだ。スティーヴ・アーリントンがこの申し出に賛同してくれたのは、曲だけじゃなくそうした絵柄にも理解を示してくれたからじゃないかな。そうして彼が俺たちの世界に入ってきてくれて、でき上がったものはまさに俺が聴きたかったアーリントンの世界そのもので、本当に素晴らし過ぎて言葉にならないくらいだよ。


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一度やっつけたのに生き返らせて、ただ戦いたいがためにまた戦かったりしてね(笑)。大体惑星ひとつ潰して戦いが終わるよね。「いい戦いだった」と言って終わるけど、周りは皆死んでてっていうパターン(笑)。どこがいい戦いなんだろう(笑)。

“ハウ・スウェイ” ではあなたらしいベースの早弾きもフィーチャーされています。こうした曲を聴くと、最近ニュー・アルバムの『ビー・アップ・ア・ハロー』を出したスクエアプッシャーのことも想起するのですが、彼のことを意識したことはありますか?

TC:もちろんさ、彼も俺と同じベース・プレイヤーだしね。すごいミュージシャンだと思うし、彼の音楽も好きだよ。

じゃあ、いつか共演してみたいとか?

TC:うん、俺はやりたいね。

いつかそんなチャンスがあるといいですね。一方で “ファニー・シング” や “オーヴァーシーズ” に代表されるように、『ドランク』からさらにあなたのヴォーカルにスポットが当たっている曲もあります。シンガーとしては『イット・イズ・ワット・イット・イズ』についてどのように取り組みましたか?

TC:シンガーとしてはまだ成長の途中かな(笑)。すごく苦労するときもあるし。ファルセットで歌うときがそうかな、もともとの地声は低いほうだからね。まさに「イット・イズ・ワット・イット・イズ」で、それは仕方ないと自分では諦めているよ。でも、やるに従ってだんだん慣れてはきているね。

何か新しい歌い方にも挑戦したりしているのですか?

TC:うん、“ブラック・クォールズ” がそうかな。いつもとは違う声域を使って声を出してるよ。“オーヴァーシーズ” でも裏声というか、変わった声の出し方をしている。

“ドラゴンボール・ドゥーラグ” はあなたの好きな『ドラゴンボール』がモチーフとなった曲です。具体的にどのキャラクターをイメージしたとかありますか?

TC:ベジータだね! 『ドラゴンボール』に限らず、日本の漫画やアニメには好きなキャラが一杯さ。今日着ているTシャツの『北斗の拳』のケンシロウもそうだよ(笑)。『ドラゴンボール』だとブロリーも好きなキャラだね。

ベジータはどんなところが好きなんですか?

TC:悟空よりうまく人間であることを学んでるからかな。悟空は何ていうか、もっとクレイジーな奴だね。子供の頃の悟空はとってもクールなんだけど。まあ、あの主要キャラの5人は馬鹿な奴らではあるね。彼らは十分強いけれど、さらに強い奴を探して戦いを挑んで、一度やっつけたのに生き返らせて、ただ戦いたいがためにまた戦かったりしてね(笑)。『ドラゴンボール』ってその繰り返しで、「え、何で?」って思うことがあるよ(笑)。みんな思ってるんじゃないかな、「ホワイ、ベジータ」「ホワイ、ブロリー」「ホワイ、ゴクウ」って(笑)。キャラたちは「もっと、もっと強くならなきゃ」って戦って、で大体惑星ひとつ潰して戦いが終わるよね。「いい戦いだった」と言って終わるけど、周りは皆死んでてっていうパターン(笑)。どこがいい戦いなんだろう、まるでいまの戦争と同じだよね(笑)。

何だか漫画の話をしているときがいちばん生き生きしてますね(笑)。話は変わりますが、“キング・オブ・ザ・ヒル” は〈ブレインフィーダー〉の10周年記念コンピ『ブレインフィーダー・X』(2018年)にも収録された曲で、バッドバッドナットグッドと共演しています。彼らとの共演はいかがでしたか?

TC:すごく楽しかったね。彼らはミュージシャンズ・ミュージシャンというか、ミュージシャン好みの音楽を作ってる人たちなんだ。彼らの演奏を聴くと、ソフト・マシーンとかアジムスを思い出すよ。豊かな音楽の土壌があって、可能性に満ち溢れているんだ。一緒にやることができて、本当に嬉しかったね。コラボっていうのは相手を信頼して、任せるってことだから、今回のように相手がいいとよ言ってくれて、一緒にできることにはとても感謝しているんだ。

“フェア・チャンス” にはタイ・ダラー・サインやリル・Bがフィーチャーされています。さまざまなラッパーと共演するあなたですが、あまり彼ら自身がやらないタイプの曲に起用することが多くて、それが彼らの新たな魅力を引き出すことにもなっているのではないかと思いますが、いかがでしょう?

TC:うん、確かにそうかもね。でも、ああいうラッパーの連中の中にも、こういった変わったことをやっている奴がいたりするんだよね。一般的な人気が出る曲ではないから、普通の曲の中に埋もれちゃって、あまり知られていないんだけど。

この曲や “イグジステンシャル・ドレッド” など、アルバムの後半はメロウで内省的な曲が続きます。この流れには『ドランク』とはまた違ったあなたの魅力が詰まっていると思いますが、いかがですか?

TC:それはありがたい意見だし、そう思ってくれて素直に嬉しいよ。

“イット・イズ・ワット・イット・イズ” では弟のロナルド・ブルーナーのほか、ブラジルのギタリストのペドロ・マルチンスが演奏しています。彼はカート・ローゼンウィンケルなどとも共演する才能溢れるプレイヤーですが、一緒に演奏していかがでしたか?

TC:うん、カートと一緒にやってるのは『カイピ』(カート・ローゼンウィンケル作、2017年)のことだね。俺も大好きなアルバムさ。今回はペドロと一緒に曲を書いて、一緒にスタジオに入って演奏したんだ。彼がスタジオに残っている間に歌入れもして、彼としてはもっとこうしたら、ああしたらとアイデアがあったみたいだけど、ひとまずこれで完成したんだ。でも、ほかにも何曲か一緒に書いたから、いつかまた共演できたらと思う。彼も一緒にやることができて嬉しかったミュージシャンだし、今回の共演は光栄に思っているよ。

日本盤のボーナス・トラックにはマイケル・マクドナルドと再共演した “バイ・フォー・ナウ” が収録されます。『ドランク』の “ショウ・ユー・ザ・ウェイ” で共演して以降、彼との交流がいろいろと続いているんですか?

TC:うん、ずっと連絡を取り合っていて、ショウにゲストで呼んで出てもらったりしているよ。たまに会うと音楽のこと、人生のこと、いろいろ話をしているんだ。俺にとってマイケルは本当に偉大な存在で、ただ挨拶できるだけでも嬉しいというのに。マイケルの音楽に対する精神性というのか、取り組み方や愛情は本当に素晴らしいもので、いつまでも音楽に関わっていたいという人なんだ。そんなマイケルと共演できるのはとても嬉しいことだよ。この曲はマイケルを想定して書いた曲なんだけど、仮の歌入れで俺がヴォーカルをやったんだ。マイケルを真似して歌ったんだけど、彼にそのテープを聴かせたら「からかってるのか、お前」と言われて、それで素直に「そうです」って謝ってね(笑)。遊び半分だけど、俺はマイケルみたいにずっとなりたいって思ってたから、その思いも込めて歌ったんだけどね。まあ、その気持ちが伝わったのか、マイケルがあの声でああいう歌を歌ってくれて。俺もスタジオで立ち会って、本当に嬉しかったよ。いまのところ日本盤にしか入らないみたいだけど、俺としてはもっと世界中のたくさんの人に聴いてもらいたいところだね。歌詞の内容も理解してくれたのか、たぶんマイケルも俺と同じようなことを体験してきたんだろうなっていうのが歌から伝わってくる。

その歌詞の内容はどんなものなんですか?

TC:愛する人を失うことについてさ。

それは例えばマック・ミラーのことだったりするんですか?

TC:そうだよ。

そうしたことを踏まえて聴くと、またさらに味わいが深くなると思います。最後に『イット・イズ・ワット・イット・イズ』について、日本のファンへメッセージをいただけますか?

TC:まず、このアルバムを楽しんでもらえたらいいなと思うよ。そして、このアルバムがどんなところから生まれたのか、そうしたものが伝わったらいいなと思う。

どんなところというのは?

TC:俺の内面の傷心と、それによって一歩引いたところから物事を見るようになったことだね。

今回のアルバムは割とセンチメンタルなところから生まれているわけですね。

TC:うん、でもそれだけじゃない。センチメンタルな感情がダウンだとすれば、その反対のアップなところもある。人生は浮き沈みがあるもので、そうしたアップ・アンド・ダウンが『イット・イズ・ワット・イット・イズ』ってことだよね。


Thundercat - ele-king

 やりました。延期になっていたサンダーキャットの来日ツアーですが、無事振替の日程が決定しました。少し先になりますが、来年2021年の1月27日・28日・29日に、東京・大阪・名古屋を巡回します。チケットの販売や、日程変更にともなう払い戻しなどの詳細については、下記をご確認ください。
 そして本日4月3日は、待望の新作『It Is What It Is』の発売日。これを祝し、過去作3タイトルの廉価盤も登場します。持っていないアルバムがある方はぜひこの機会に。

待望の最新アルバム『IT IS WHAT IT IS』本日発売!
延期となっていた来日ツアーの新日程が決定!

サンダーキャットの最新アルバム『It Is What It Is』が本日ついに発売! 2017年の傑作『Drunk』で、超絶技巧のベーシストから正真正銘の世界的アーティストとしてブレイクを果たした以降も、フライング・ロータスやトラヴィス・スコット、故マック・ミラーらの作品に参加し、ここ日本でもフジロック、サマーソニックへの出演や、渡辺信一郎が監督を務めたアニメ『キャロル&チューズデイ』への楽曲提供を通し人気を獲得、またアニメやゲームなど日本のカルチャーにも精通するなど、その人柄も愛されているサンダーキャット。最近では YouTube チャンネル「ニートtokyo」に登場した際、ケンドリック・ラマーの次回作に参加していることを明かし、それが海外メディアにまで取り上げられた一方、NHK・Eテレの人気子供番組「シャキーン!」に出演したことも大きな話題となっている。

4月に予定され、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響を受けて延期となっていた来日ツアーの振替日程が決定! 東京、大阪、名古屋にて来年一月に開催される。前売チケットの販売再開は5月9日(金)から。

*日程変更による払戻し等の詳細は、BEATINK 公式サイトにてご確認ください。
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10824

THUNDERCAT JAPAN TOUR
2021/ 1/27 (水) 東京 GARDEN HALL
2021/ 1/28 (木) 大阪 BIGCAT
2021/ 1/29 (金) 名古屋 CLUB QUATTRO

TICKETS : ADV. ¥6,800+1D
OPEN 18:00 / START 19:00
※未就学児童入場不可

東京公演:
2021/1/27 (水) THE GARDEN HALL

主催: シブヤテレビジョン INFO: BEATINK 03 5768 1277 [www.beatink.com]
TICKET発売:
5月9日(土)より:イープラス、チケットぴあ(177-137)、ローソンチケット(73722)、BEATINK 他

大阪公演:
2021/1/28 (木) BIGCAT

INFO: SMASH WEST 06-6536-5569 / [https://smash-jpn.com] [https://smash-mobile.com]
TICKET発売:
5月9日(土)より:イープラス、チケットぴあ(183-835) *English available、ローソンチケット(55574)、BEATINK 他

名古屋公演:
2021/1/29 (金) 名古屋 CLUB QUATTRO

TICKET発売:
5月9日(土)より:イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット、LINE TICKET、クアトロ店頭、BEATINK 他
INFO:名古屋クラブクアトロ 052-264-8211 [https://www.club-quattro.com/]

盟友フライング・ロータスとサンダーキャット自身による共同プロデュースで完成した最新作『It Is What It Is』には、スティーヴ・レイシー、スティーヴ・アーリントン(Slave)、チャイルディッシュ・ガンビーノ、カマシ・ワシントン、リル・B、タイ・ダラー・サイン、バッドバッドノットグッド、ルイス・コール、ザック・フォックスら、超豪華アーティストが勢揃い! 国内盤CDには、前作の大ヒット・シングル “Show You The Way” でも共演したマイケル・マクドナルド参加のボーナストラック “Bye For Now” も追加収録され、歌詞対訳と解説書が封入される。また数量限定でTシャツ付きセットも発売。アナログ盤は、レッド・ヴァイナル仕様、クリーム・ヴァイナル仕様、特殊パッケージ入りクリア・ヴァイナル仕様、特殊パッケージ入りピクチャーディスク仕様の4種類が発売される。
さらに、本日より『Drunk』、『Apocalypse』、『The Golden Age of Apocalypse』3タイトルの国内盤CDと iTunes のアルバム・ダウンロードがディスカウント・プライスにて発売開始!

label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: Thundercat
title: It Is What It Is
release date: 2020/04/03 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-631 ¥2,200+税
国内盤CD+Tシャツ BRC-631T ¥5,500+税
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説書・歌詞対訳封入

TRACKLISTING
01. Lost In Space / Great Scott / 22-26
02. Innerstellar Love
03. I Love Louis Cole (feat. Louis Cole)
04. Black Qualls (feat. Steve Lacy, Steve Arrington, & Childish Gambino)
05. Miguel’s Happy Dance
06. How Sway
07. Funny Thing
08. Overseas (feat. Zack Fox)
09. Dragonball Durag
10. How I Feel
11. King Of The Hill
12. Unrequited Love
13. Fair Chance (feat. Ty Dolla $ign & Lil B)
14. Existential Dread
It Is What It Is (feat. Pedro Martins)
16. Bye For Now (feat. Michael McDonald) *Japanese Bonus Track

期間限定スペシャルプライス盤!

label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: Thundercat
title: Drunk
release date: 2020/04/03 FRI ON SALE

国内盤スペシャルプライスCD BRC-542Z
¥1,500+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=2757

label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: Thundercat
title: Apocalypse
release date: 2020/04/03 FRI ON SALE

国内盤スペシャルプライスCD BRC-383Z
¥1,500+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=1599

label: BEAT RECORDS / BRAINFEEDER
artist: Thundercat
title: The Golden Age Of Apocalypse
release date: 2020/04/03 FRI ON SALE

国内盤スペシャルプライスCD BRC-443Z
¥1,500+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=3745

PANICSMILE - ele-king

 私はパニックスマイルの中心人物というよりバンドそのものというべき吉田肇が拠点を地元福岡に移すと耳にはさんだとき、東京のオルタナティヴ・ミュージック界の損失の大きさに嘆息を禁じえなかったが、よく考えると(考えんでも)、んなもんは東京偏重の感傷主義にすぎないのであって、現に吉田が地元に戻ってからもパニックスマイルは活動を継続し、こうして7年ぶり9作目のアルバムをとどけてくれた、そのタイトルを『Real Life』という、11曲入りのコンパクトディスクは1990年代後半以降の日本のアンダーグラウンド・シーンがいかなる変遷を経て2020年代初頭にかくあるかの証言である。なんとなれば私にはパニックスマイルの音はつねに現在を意味する、いまこの場を指さしている。
 昨年刊行した『ele-king』24号の特集「オルタナティヴ日本!」のランキングには選出されたものの、ウェブ媒体には初登場だろうから簡単に来歴をご紹介すると、パニックスマイルは90年代初頭に福岡で活動を開始し、向井秀徳、ミスカズアキと共同で運営にあたったレーベル〈HeadacheSounds〉などでの自主活動を経て、98年同レーベルよりファースト『E.F.Y.L』を世に問うとともにメンバー全員で上京。翌年の2作目『We Cannot Tell You Truth, Again.』はホッピー神山の個人レーベル〈God Mountain〉がリリース元だった。余談になるが、〈ゴッド・マウンテン〉はホッピー神山と大友良英、フリクションのレックとデッドエンドの湊雅史によるオプティカル8を筆頭に、今堀恒雄と外山明、菊地成孔らのティポグラフィカ、内橋和久とナスノミツルと芳垣安洋のアルタード・ステイツや竹久圏と早川俊介のキリヒトなど、ジャンル無用で強度重視な展開をみせ、管見によれば、勝井祐二と鬼怒無月のまぼろしの世界とともに90年代オルタナティヴを代表する名個人レーベルであり、そのラインナップに念願叶って名を連ねた当のパニックスマイルは、しかしリズム隊のふたりがあいついで脱退するという憂き目をみていた。メンバー4人のうちふたりがあいついでバンドを去ったのである。のこった吉田はギターの保田憲一をベースにコンバートし、所属していたバンドを辞めた直後の石橋英子をドラムに誘い、ほどなくジェイソン・シャルトンがギターで加入し、それにより現時点でパニックスマイル史上最長となる陣容が整った。2001年の3作目『10songs, 10cities』こそ過渡期の記録の面持ちだったが、次作『Grasshoppers Sun』(2002年)で格段の飛躍を遂げた彼らはパニックスマイルのスタイルというべきものを確立する。その内実を簡便に要約するのは至難の業だが、ポストパンクのサウンドテクスチャとオルタナのリズムコンストラクションの複合的曲解からくる不協和音や変拍子が材料なのにそれでつくった建物は存外しっかりしているというか、とくに4作目は保田と石橋のリズム陣がたがいちがいの方向にすすもうとする2本のギターを接着し、さらに石橋英子のヴォーカルが全体を衣のように包みこむ新たな語法への確信がサウンドに宿っていた。
 やがてパニックスマイルは水を得た魚になった。5作目の『Miniatures』は前作で彼らの表現を知悉したBOAT~NATSUMENのAxSxEの音づくりも奏功し、前作よりハードな質感で凝縮した音の塊が飛び交う快作となった。私が彼らのライヴに接するようになったのもこのあたりだったか。当時は『Miniatures』1曲目の “101 Be Twisted” がしばしば幕開けを飾っており、イントロのカッティングから一気呵成に雪崩れこむパニックスマイルの合奏風景はいまも瞼の裏に焼きついて離れない。おりしも2000年代なかごろ、インターネット前後の聴取環境の変化で音楽状況も地殻変動をきたしており、バンドという活動形態はむろんのこと、ロックなる形式もその中身もひとしく問い直しに迫られていた。オルタナティヴとは「もう一方」を意味する対向概念だが、それが形容する文言を完全に否定するのでなく、形式の潜在性を炙り出し次の道筋を提案する。すなわちオルタナティヴのあとにロックとつづけば、ここでいうロックとはロックのかたちをした新しいなにかであり、なにが飛び出すかわからなくてわくわくするシロモノを意味していた、すくなくとも1990年代なかばくらいまではそうだった(はずだ)が、いかに堅牢な概念やコミュニティといえども季節とともに移ろうのは世の理(ことわり)であるとみなすのは、しかし時代の趨勢になびかなかったものの存在をみえにくくする。
 シーンの牽引車にして孤塁の守り手──などといわれてもありがた迷惑にちがいないが、2000年代後半のパニックスマイルにはそのことばがあたらずとも遠からずのたたずまいがあった。アンサンブルは成熟し曲の書き方もこなれていった。石橋英子の歌と多彩さは新しい武器だったが、それが生み出した可能性の余白が吉田肇のソングライティングセンスをひきだしてもいた。保田とジェイソンは異能の両輪であり、それらのパートが噛み合ったのが6作目の『Best Education』である。本作を『ele-king』24号が選出したことはすでに述べたが、執筆者のイアン・マーティンは選評で本作の魅力をバランス感覚にもとめている。つづめると「聴きやすいポストパンク版のキャプテン・ビーフハート」となる評言はおそらくこのアルバムの吉田とジェイソンのギターのからみに1969年のマジック・バンドの面影をみるからだろうが、本作の魅力は細部の記号性のみならず、聴きやすさ、親しみやすさ、ぶっきらぼうなポップさとでもいいたくなるものを総体で全力であらわす点にもあった。4曲目の “Pop Song (We Can Write)” はそのような姿勢への韜晦とも諧謔ともつかない内容だが、作中でくりかえす「ポップソング」の「ング」の歌いまわしに吉田肇の歌い手としてのクセになる魅力を再発見したのも本作だった。その点で『Best Education』の名は体をもあらわしており、ライヴもひきつづき充実していたが、3年後の『A Girl Supernova』でこのラインナップは幕引きを迎えることになるのである。メンバーの個人的な事情もからんだ決断だったと記憶しているが、コンセプトを練り編曲に凝った『A Girl Supernova』(2009年)を聴き直すと4人でできることはやり尽くしたのが実情だったのではないか。
 おりしも2000年代も終わりにさしかかったあたり。同時多発テロ、イラク戦争、リーマンショックとつづいたあの10年のあいだ世界は翻弄されっぱなしだった。では音楽はどうだったのか。ことにオルタナティヴな音楽は。インターネットで聴き方は変わったが、アーカイヴへのショートカットは懐古趣味を亢進させはしても、オルタナティヴな音楽を志向するものにはヒントの糸口になるどころか、還流する無限とも有限ともつかない情報をもてあますばかり。バンドという形態の機動性よりロックなるフォーマットの受動性に焦点があたったのもこの時期だったか。つまるところオルタナティヴ・ロックもオルタナという型に嵌まった、と。
 吉田肇にそのような反問や煩悶ともつかないものがあったかは知らない。とまれ2010年が転機だったのはまちがいない。彼らはその年の早春、渋谷 O-Nest、秋葉原グッドマンにつづく3月28日の下北沢シェルターの自主企画をもって2000年代をしめくくった。さらに3年後、パニックスマイルは吉田とともにバンドにのこったベースの保田がギターにまわり、松石ゲルとDJミステイクをリズム隊に加えた新ラインナップで8作目『Informed Consent』を世に問うた。お家芸といえる変拍子と複合リズムはプリミティヴさを増し、とらえようではバンド史上もっともビーフハート度の高いこのアルバムで心機一転、反転攻勢に出るかと思われたパニックスマイルだったが、ここから彼らは短くない期間口を噤んでしまう。初期には1~2年のスパンだったアルバムのリリースはこの時点で3~4年と間遠になっていたものの、『Informed Consent』から本作までは7年かかっている。むろん手をこまねいていたのではない。吉田とドラムの松石がのこり、新たにギターで中西伸暢が、ベースには元イースタンユースの二宮友和が加わりラインナップは一新、それにより体質も刷新した。具体的には幾多のリフレインでモザイク模様を組み上げる従来の手法から個々メンバーの資質を活かす方向性に舵をきったというか。特筆すべきはベースの存在感で、奏法や音色の多彩さは音楽性の幅を生み、作品の厚みにつながっている。他方、吉田の手になる楽曲のオブセッシヴな歌詞や緊張感の高さは据え置きで、彼ら一流のぶっきらぼうなポップセンスはいくぶんかまろやかに仕上がっている。収録曲に目を転じると、トシちゃんのヒット曲をもじった “Hattoshite Bad” にはじまり、ポエトリーリーディング風の “Hands Free”、ギターのフレーズも印象的な “Best Hit Kiyokawa” ときて、全員が明後日の方向に走り出すかのごとき “I Wanna Be Strong” などは自家薬籠中のものの趣だが、幕引きの “Living In Wonderland” では4管を客演に迎え新領域に踏みこんでいる。パニックスマイルはかつて石橋英子の在籍時に彼女の演奏するフルートをとりいれたこともあったが、今回の管の間欠的なフレーズに耳を傾けると、その執拗な反復は装飾的効果よりむしろ構造を志向しているのがわかる。基本形をふまえながら新機軸を打ち出すこのやり方は結成当初からほとんどゆらがないが、表層的な飛躍より歩幅を確認できる前進を好む彼らのスタンスは煽情的なジャーナリズムの見出しよりむしろ、ことばの真の意味でのオルタナティヴに奉仕しつづける。すなわち音楽のありうべき場所(オルタナティヴ)をさししめすのである。

COM.A - ele-king

 絶妙なタイミングというべきか、あるいはこれこそが素晴らしき未来への道筋なのかもしれない。1999年にジョセフ・ナッシングとの ROM=PARI の1人として登場、00年代を通じて〈Fat Cat〉や〈ROMZ〉などから精力的にソロ名義でのリリースを重ね、キッド606 の〈Tigerbeat6〉ともリンク、エイフェックス・ツイン不在の時代に強烈なブレイクビーツで世界を震撼させたIDMの異端児、パンクの精神でこよなくメタルを愛する COM.A が、じつに13年ぶりの新作を発表する。
 夢なんかくそくらえ、希望を殺せ──もちろん2001年の『Dream and Hope』を踏まえているわけだが、昨今の世の状況を考えるとなんともタイムリーな(??)タイトルだ。あの痙攣したビートがさらなる進化を遂げているだろうことは想像にかたくない。とあるシュルレアリストによれば、美とは痙攣である。すなわち COM.A こそ美である。発売は6月3日。打ち震えよ。

パンク・ミーツ・IDM! 日本におけるオウテカやエイフェックス・ツインへの反応として一世を風靡した “COM.A (コーマ)” 13年振りの最新作リリース決定!

2000年、UKの名門〈FAT CAT〉からデビューしてブレイクコア・ブームを先導、その後のデ・デ・マウスらの登場をうながした奇才、“COM.A (コーマ)”。前作『Coming of Age』から13年、1st アルバム『Dream and Hope』から早20年、長らく昏睡状態に陥っていたコーマが導き出したのが、アンビエントやジャジーなセンスも注入しながらも、しかし、あの痙攣したビートと遊び心はさらに進化、そして混迷する現代への痛烈なメッセージも含んだ怪作『Fuck Dream and Kill Hope』だ!

気がつけば、自分の脳内も把握できず、コントロールすることすら怪しいこの時代、相も変わらず出口の見えない状態が続いている。コーマも多分に漏れず、自分を制御できずに混乱と迷走を繰り返している、そうした日々の集大成が今回のアルバムとなった。あなたはこの楽曲をどう受け取るか、判断するか。2020年、新しいディケイドのはじまりに、夢と希望を壊された頭で、是非ご確認いただきたい。

COM.A『Fuck Dream and Kill Hope』Teaser
https://youtu.be/UXCLqG1Iv28

COM.Aが復活した!
なんとも言い難い復活タイミングですね。
普段は人がゴミのような街でもゴミないと寂しいもんだから、
イヤホンでこれ爆音で歩くとかつて見た未来のようで楽しくなる。
夢の国も休業中。だったら頭に中に夢の国作っちゃおう。

あの頃からお互い変わらない部分と進化した部分、歳食った部分あるよね。
と50年後も同じこと言ってロボットスーツでハグし合い酒を酌み交わし、
酔っ払ってステージから飛び、また骨折りたいね。
まあ、お互い生き残ってたらね。 ──world’s end girlfriend (Virgin Babylon Records)

新型コロナウィルスに東京オリンピック延期、日々更新され加速してゆくディストピアな状況。COM.A くんからもらったニューアルバムを聴きながら夜の首都高を走る。街はいつも通り動いている。2000年代に『dream and hope』を初めて聴いた時に感じたチープな終末感とそれを笑い飛ばすジョークのようなクライマックスな気分。そしてこんな混沌とした2020年にこのアルバムが聴けるなんてね、めちゃくちゃ最高。 ──Have a Nice Day! 浅見北斗

沈んだ日本。暗い世界。先のない地球。こんな時に COM.A が昏睡状態から覚めるとは。玉手箱を開けると次から次へとパワフルな音楽が。ぜんぜん空気、読めてません草。 ──三田格

みごとなパラドックス。夢と希望の電子音楽のオンパレード。 ──野田努(ele-king)

十年どころか三年前がひと昔前のさっこん、干支がひとまわりしておつりがくる十三年ぶりの新作とは、開いた口も耳もふさがらないが、そこに流れこむ音響はかつての異形の美から美の異形へ、軽やかに翻っている。タイトルからは想像もつかない楽想のポップさと印象深いメロディ、それらが重なる縦の線の動かし方がとても秀逸。二〇二〇年のサウンドトラックとでももうしましょうか。 ──松村正人(『前衛音楽入門』の著者)

[アルバム情報]
タイトル: Fuck Dream and Kill Hope / ファック・ドリーム・アンド・キル・ホープ
アーティスト: COM.A / コーマ
レーベル: P-VINE
品番: PCD-24941
定価: ¥2,400+税
発売日: 2020年6月3日(水)

[収録曲]
01. Unintelligent Life Forms
02. Another D
03. Signs
04. Fortuitous Blood
05. Rife
06. Liar’s hand
07. Let us be thankful and be happy
08. You know who you are
09. False Repentance
10. Vanished Sprout
11. Centillionaire

COM.A (コーマ)
イギリス生まれ、香港、アメリカ、日本育ち。メタル、テクノ、エレクトロニカ、ブレイクコア等の要素をタイトで強烈なダンス・トラックに仕立て上げるスキルとセンスは、国内外問わず大きな評価を獲得し、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストリア、ベルギー、中国などからアルバム、シングル、リミックスをリリース。00年に〈fatcat〉からのスプリットシリーズを皮切りに、Shiro The Goodman とともに主催の〈ROMZ〉から4枚のアルバムをリリース。同アルバムは kid606 主催の〈tigerbeat6〉、ブレイクコアレーベルの〈zod〉、中国の〈Shanshui〉からライセンスされた。00~10年まで国内外のライブ、フェスに参加後、10年間ライブ活動を休止し、CM音楽や映画、アニメ音楽等、作家業をメインに活動。2020年、新しいディケイドの始まりに 5th album 『Fuck Dream and Kill Hope』をリリース。

-Official Website-
https://geeky2200.wixsite.com/com-a

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