「UR」と一致するもの

Main Source - ele-king

 今年2023年はヒップホップ誕生50周年。ということでグラミーはじめ各所でそれにまつわる試みが為されているが、これまたアニヴァーサリーにふさわしい驚きのニュースの到着だ。
 トロント出身の兄弟DJ=K・カット&サー・スクラッチと、クイーンズのラッパー/プロデューサー=ラージ・プロフェッサーによって結成されたヒップホップ・グループ、メイン・ソース。その幻のアルバムがオフィシャル・リリースされる。ヒップホップ史に残る金字塔『Breaking Atoms』(ちなみにシカゴのRP・ブーも自分を形作った1枚に選んでいる)で知られる彼らには、お蔵入りとなってしまったアルバム『The Science』があった。ラージ・プロフェッサー在籍時に制作されたそれが30年以上の時を経て、ついに正式に日の目を見る、と。CD、カセットとデジタル版は7月5日に、アナログ盤は11月15日にリリース。これはスルーできない案件です。

ラージ・プロフェッサー、K・カット、サー・スクラッチによる伝説的なヒップホップ・グループ、メイン・ソースの
お蔵入りになっていた幻のアルバム『The Science』が30年以上の時を経て、ついに奇跡のオフィシャル・リリース! 歴史的な発掘となる完全未発表音源も収録!

ラージ・プロフェッサー、K・カット、サー・スクラッチによる伝説的なヒップホップ・グループ、メイン・ソースは1991年に名門ワイルド・ピッチから名盤の誉れ高きファースト・アルバム『Breaking Atoms』をリリースしてデビュー。
翌1992年には映画「White Men Can't Jump」のサントラのスピンオフ盤『White Men Can't Rap』収録の"Fakin' The Funk"やブラン・ニュー・ヘヴィーズ作品へ客演した"BonafideFunk"をリリースし、セカンド・アルバム『The Science』のリリースへ向けて順調に活動。米THE SOURCE誌などでは『The Science』のリリース告知も掲載されている最中にメインラッパーだったラージ・プロフェッサーが脱退。
グループは新たなラッパーとしてマイキー・Dを迎えたことで『The Science』は完全にお蔵入りしてしまうことに……。(その時期の楽曲"How My Man Went Down In TheGame"は93年発表のコンピ『Wild Pitch Classics』に収録。)

そのラージ・プロフェッサー在籍時のメイン・ソースが制作した幻のセカンド『The Science』は、ヒップホップ・バブルに沸いた1990年代に数多く生まれてしまったお蔵入り作品の中でもレア中のレアなブツであり90sヒップホップ最高峰のお宝お蔵入りアルバムとして語り継がれており、これまでにその断片がごく少量のアナログ盤やブートレグなどでリリースされてきましたが、まとまった形のアルバムとしての正式なリリースを待っているファンも世界中に多く存在するはず。そして2023年、当初のリリースの報から30年以上の時を経て、ついに奇跡のオフィシャル・リリース!

『Breaking Atoms』以降に制作・発表された上記の"Fakin' The Funk"や"How My Man Went DownIn The Game"等の名曲やコアなファンならばご存知なはずの"Time"、"Hellavision"、"RaiseUp"、"Bootlegging"といった楽曲が収録となり、そして! 完全未発表となる"Fakin' The Funk [Unreleased]"(ヒップホップ・ファンならば誰もが知る名サンプリング・ソースESG"UFO"を使用したヴァージョン!)やドープなインタルード群も収録! これはヒップホップ史を揺るがす発掘となる!

[商品情報]
アーティスト: MAIN SOURCE(メイン・ソース)
タイトル: THE SCIENCE(ザ・サイエンス)
レーベル: P-VINE, Inc.
仕様: CD / カセット / デジタル / 帯付きLP(完全限定生産)/ 帯付きLP+7EP(完全限定生産)
発売日:
 ・CD / カセット / デジタル 2023年7月5日(水)
 ・帯付きLP(完全限定生産)/ 帯付きLP+7EP(完全限定生産) 2023年11月15日(水)
品番:
 ・CD / PCD-94144
 ・カセット / PCT-25
 ・帯付きLP(完全限定生産) / PLP-7970
 ・帯付きLP+7EP(完全限定生産) / P7LP-9/10
定価:
 ・CD / 2,640円(税抜2,400円)
 ・カセット / 2,530円(税抜2,300円)
 ・帯付きLP(完全限定生産) / 4,378円(税抜3,980円)
 ・帯付きLP+7EP(完全限定生産) / 6,050円(税抜5,500円)

*予約ページ
https://anywherestore.p-vine.jp/collections/main-source-_the-science

[トラックリスト(CD / デジタル)]
01. Time Pt. 2
02. Interlude one
03. How My Man Went Down In The Game
04. Interlude two
05. Hellavision
06. Interlude three
07. Raise Up
08. Interlude four
09. Looking At The Front Door [Uncut]
10. Interlude five
11. Fakin' The Funk [Unreleased]
12. Interlude six
13. Bootlegging
14. Time
15. Outro Interlude
- Bonus Track -
16. Fakin' The Funk [Sound Track Version]

[トラックリスト(カセット / 帯付きLP)]
SIDE-A
1. Time Pt. 2
2. Interlude one
3. How My Man Went Down In The Game
4. Interlude two
5. Hellavision
6. Interlude three
7. Raise Up
8. Interlude four

SIDE-B
1. Looking At The Front Door [Uncut]
2. Interlude five
3. Fakin' The Funk [Unreleased]
4. Interlude six
5. Bootlegging
6. Time
7. Outro Interlude
- Bonus Track -
8. Fakin' The Funk [Sound Track Version]

[トラックリスト(7EP)]
SIDE-A
1. Fakin' The Funk [Unreleased]
SIDE-B
1. Time

interview with James Ellis Ford - ele-king


 ジェームス・フォードのことを優れた裏方として認識しているポップ・ミュージック・リスナーは多いだろう。エレクトロ・デュオのシミアン・モバイル・ディスコの片割れとしてニュー・レイヴの時期に台頭し(ニュー・レイヴを象徴する1枚であるクラクソンズ『Myths of the Near Future』(07)のプロデュースを担当している)、アークティック・モンキーズやフローレンス・アンド・ザ・マシーンといった人気アーティストの作品を手がけることで名プロデューサーとしての知名度を高めてきたフォードは、ある意味70~90年代にブライアン・イーノがポップなフィールドでデヴィッド・ボウイやU2に対して担ってきたことを現在請け負っているようなところがある。シミアン・モバイル・ディスコもまたニュー・レイヴ、ニュー・エレクトロの狂騒を離れて地道に作品をリリースするなかでよりストイックなテクノへと向かったわけで、きわめて職人的な立場を徹底してきたのがジェームス・フォードなのである。最近もデペッシュ・モードの新作やペット・ショップ・ボーイズの次作といった大御所とのコラボレーションが続いているが、そこでも彼は縁の下の力持ちの役割をまっとうするのだろう。

 だから、〈Warp〉からのリリースとなるジェームス・エリス・フォード名義の初ソロ・アルバムが、彼本人のパーソナリティを強く感じさせる内容に仕上がったのは嬉しい驚きだ。シミアン・モバイル・ディスコのパートナーであるジェス・ショウが病気になったことで活動休止を余儀なくされたことから生まれた作品だが、そのことでフォードは自分自身にフォーカスすることとなった。その結果、マルチ・インストゥルメンタリストとしてフルートやバスクラリネットやチェロといった管弦楽器も含めたすべての楽器を演奏して自身の手でミキシングしているのはもちろんのこと、公の場で歌ったことのないという彼が控えめながらはじめて歌声を披露しているのだ。そして、そのことがアルバムの人懐こい空気感を決定づけているところがある。
 音楽的にはオープニングのアンビエント “Tape Loop#7” に始まり、チェンバー・ポップ、サイケ・ロック、プログレ、ファンクなどをゆるくミックスした雑食的でストレンジなポップ作で、とりわけロバート・ワイアットの諸作のようなカンタベリー・ロックからの影響を強く感じさせる。イーノの『Another Green World』(75)を意識することもあったようだ。少なくともシミアン・モバイル・ディスコのようなテクノやエレクトロからは離れており、内省的でメランコリックだが同時にユーモラスで牧歌的なムードは、どこか懐かしいブリティッシュ・ポップを彷彿させる。派手さはないがそこここに遊びと工夫があり、パレスチナ音楽を取り入れるなど発想もオープンで、気取ったところがまるでない。ガチャガチャした音を方々で鳴らしながらゆるいグルーヴを立ち上げるリード・シングル “I Never Wanted Anything” は、フォードの遠慮がちだが落ち着いた歌声も含めて本作のチャーミングさを象徴する一曲だ。

 その “I Never Wanted Anything” では若さゆえの野心を失っていることをむしろ心地良く感じている心境を歌っているように、フォードがここで主題にしているのは年を取ること、もっと言えば「老い」だ。未熟なままで親になることなど、そこには不安や憂鬱もたしかにあるのだが、そのすべてをゆるやかに受容しようという感覚が貫かれていて、このアルバムの柔らかな響きと通じている。以下のインタヴューでフォードが語っているように、10代のときにあまり興味がなかった父親のレコード・コレクションの良さが年を取るとともにわかってきたというのもいい話だ。人気者たちを輝かせるために裏方として地道に働いてきたジェームス・エリス・フォードはいま、ささやかな人生の面白さや豊かさをじわじわと感じさせる愛すべきレコードを作り上げたのだ。

自分の音楽はいつも後回しにしてきたというか。「また今度やればいいか」っていう。でも「今度」って絶対ないんだよね。


『The Hum』を聴きました。ユニークで実験的であると同時に、フレンドリーでもある素敵な作品だと感じました。ただ、今日はプロデューサーとしての側面もお伺いしたいと思っているので、これまでのキャリアについても、まず少し聞かせてください。

 あなたは多くのミュージシャンのプロデュースを務めてきましたが、そのときにご自身のパーソナリティを極力出さないようにしているのでしょうか? それとも、ある程度あなた自身のキャラクターを出すようにしていますか? というのも、基本的にはプロデューサーはアーティストの作品にエゴは出さないと思うのですが、著名なプロデューサーが関わった作品を聴くと、彼らそれぞれの個性やキャラクターも作品に反映されていると思うんです。

ジェームス・エリス・フォード(以下JEF):前者かな。僕はつねに、誰かのヴィジョンを実現する手助けをするのが自分の仕事だと考えているから、必要とされているものを提供しようとしているし、ときにはそれが演奏だったり作曲だったり、ときにはシンプルに音的なことだったり、あるいは制作過程のガイド役的なことだったりする。僕にとって、それは彼らのレコードであり、自分はつねに手助けする立場であって……なんというか、あまり好きではないんだよ……もちろん例外はあって、ティンバランドやネプチューンズは大ファンだし、彼らの場合は自分の音楽をほかのひとのために作っているという意味合いが強いけどね。ただ、それってポップ・ミュージック寄りの慣習かもしれない。でも自分の領域では、プロデューサーのサウンドが立ちすぎているものはあまり好きじゃないかな。もちろん自分が下す判断によって自分っぽいサウンドになるとは思うけどね。でも誰かの音楽に自分のサウンドを押しつけるつもりはないんだ。

プロデューサーの仕事において、あなたがとくに重要だと考えていることは何ですか?

JEF:これまでやってきて学んだおもなことは、柔軟でいることと、平静でいること。制作過程ではいろんな意味で不安要素やストレスが多い場合もあるから。だからそうだね、着実に前に進んでいくことがもっとも重要だと思う。そして様々な状況における様々なひとのニーズを理解して、親切に対応することを心がける。僕がどう貢献するかという点では、ときには制作プロセスの終盤に入っていってミキシング的な作業をする場合もあれば、あるいはリック・ルービン流にドンと構えて自分は手を出さないこともある。そして正直なところ、これまで作った多くのレコードでは何でも屋で、曲を書いて楽器も全部演奏してそれを自分で録音して。なんというか、ピッチをシフトさせ、ギャップを埋めながら、いいレコードを作るために必要なことをするという感じかな。

シミアン・モバイル・ディスコのファースト・アルバム『Attack Decay Sustain Release』のタイトルが象徴的だと思うのですが、そもそもあなたは音楽制作において、音のパラメータの調整やサウンド・プロダクションに手を入れる作業にもっとも快感を覚えるタイプですか?

JEF:もちろん好きだよ。それって音楽の遊びの部分というか、ものすごく大事なものだと思う。音楽を作る過程にはいくつかの段階があるけど、まずは遊んだり、とにかくいじってみるというところから作り始めるわけだよね。そしてプロジェクトの終盤においては、細部にまでこだわるという部分でもある。EQやコンプレッションのパラメータ、技術的な部分はどこまでも深くいけるし、興味は尽きない。ただし細部に寄りすぎたら引くことを忘れずにいないといけない。「この部分にこだわる価値はあるか?」という。全体像を見失わないということも細部と同じく重要で。そのふたつのちょうどいいバランスを見つけるのが難しい場合もあるんだよね。

シミアン・モバイル・ディスコの活動が休止したことでソロを制作することになったそうですが、それ以前から、いつかソロ作品を作りたい気持ちはあったのでしょうか?

JEF:そうだな……僕はアーティストになりたいという気持ちはあまりないけれど、音楽を作りたいという欲望はつねにあるんだよ。それで、いろいろなひとといっしょに制作したり演奏したり曲を書いたりすることで、創作面の満足感を得られている。コラボレーションは大好きだからね。シミアン・モバイル・ディスコもすごく好きだったし。それでいくつかのきっかけがあって──まず、いま自宅のスタジオがあって、ドラムキットとかシンセサイザーとかたくさん機材が置いてあって。自分のスタジオを持つのがはじめてで、これができたことによって、夜だったり息抜きの時間に遊んだりいろいろ試したりできるようになったんだ。それから知っての通り、ジェスが病気になりいっしょにスタジオに入ることができなくなったこともあって。それからパンデミックが起こった。そういうわけで自分ひとりで作ることが増えて、それまでずっとスマホやパソコンにちょっとしたアイデアやスケッチを書き溜めていて、本当にしばらくぶりにそういったスケッチを開いて、自分ひとりでそこから先へと進めてみることにしたんだ。そしたら楽しくなってきて、気づくとアルバムができていた。どうしていままでやらなかったんだろうと思うけど、僕はいつも忙しくて、それはとてもラッキーなことだったんだよね。つねに次のプロジェクトが控えていて、次はこのひとと、次はあのひとと、という感じでオファーがあるから。いろんなひとと音楽を作るのは楽しいしさ。だから自分の音楽はいつも後回しにしてきたというか。「また今度やればいいか」っていう。でも「今度」って絶対ないんだよね。



ロバート・ワイアットやケヴィン・エアーズといった70年代前半のイギリスのプログレッシヴ・ロックなんかも大好きで。もちろんブライアン・イーノのソロ作も好きで、僕が趣味で聴くのはそういう感じのものなんだ。

あなたのように多岐にわたる音楽的知識や技術を持っていると、音楽性をフォーカスするのがかえって難しい側面があると思うのですが、『The Hum』の音楽面においてもっとも重要な課題は何でしたか?

JEF:たしかに僕はこれまで様々なタイプの音楽を作ってきた。今回もアンビエンドのレコードを作ることもできたし、メロディックなインストゥルメンタル・レコードにしてもよかったかもしれないし、もっと曲っぽい感じのレコードにすることもできたかもしれない。実際このアルバムのなかだけでも、すでにかなり多様なんだ。でもとにかく課題としては、作り続けて完成させることだったかな。あと僕にとっての一番のチャレンジは歌うことだったと思う。いや、歌うのはそうでもなかったけど、歌詞を書くことだったかもしれない。そもそも自分はプロデューサーであってシンガーではないしっていう頭があったんだよね。それで曲を作っているときもヴォーカルのメロディを書いて誰かに歌ってもらうかな、なんて考えていた。でも作っていくうちに「なぜ自分で歌わないんだ?」となってきて、頭のなかで自分を押しこめる枠を作っていたことに気がついた。だからその枠にとらわれず、自分自身に挑戦すべく歌ってみることにしたわけなんだ。そうやって新しい領域に自分を追いこんでみるという発想にすごくワクワクしたし、歌詞を書くというのは僕にとってまったく新しいことで、書く過程はとても楽しかった。やっぱり不安だけどね、とくにこれからライヴをやらなくちゃならないわけだし、歌詞について話さなきゃいけなくなるから。でも自分で安全地帯の外に出て、これは自分がやりたかったことなんだと自分に言い聞かせるんだ。

シミアン・モバイル・ディスコとはまったく違うことをやりたいという気持ちはありましたか?

JEF:一番の望みは、正真正銘これが自分だというものを作ることだったと思う。自分の音楽の趣味、これまで聴いてきたものだったり散歩のときに聴くもの、つまりは楽しみとして聴くものはかなり深遠だったり、かなり静かなものが多くて。ロバート・ワイアットやケヴィン・エアーズといった70年代前半のイギリスのプログレッシヴ・ロックなんかも大好きで。もちろんブライアン・イーノのソロ作も好きで、僕が趣味で聴くのはそういう感じのものなんだ。もともと僕の父がそういったサウンドに傾倒していて、それで僕もそれを聴いて育ったようなところがあるんだよ。DNAに組みこまれているというか。僕はこれまで作ってきた音楽はテクノ、ハウス、ポップ、フォーク、ロックと、あらゆるものが混ざっている。だから今回は本当にただ、自分自身の旗を立てて、これが僕の作る音楽だ、ということを示したかったんだ。

楽器の演奏も歌もエンジニアリングもほとんどあなたでコントロールしていますが、『The Hum』において「すべて自分で作る」のがなぜ重要だったのでしょうか?

JEF:ある意味コラボレーションしないという実験だったんだよね。なぜならコラボレーションは毎日のようにやっているから。それはそれですごく恵まれていて、とても楽しいものだけどね。でも、だからコラボレーションしなかったら何が起こるのかを知りたくなったのかもしれない。自分以外の人間が誰も関わらなかった場合に何が出てくるのか。幸い楽器もいろいろあるし、自分で演奏できるしね。それにおそらく15年前には自信がなかったかもしれないけれど、いまだったら前に進んでいけるという自信もあった。それにもともとはただこの小さな空間で実験しようとしていただけで、誰かに聴かせるつもりもなかったんだ。


[[SplitPage]]


コラボレーションしないという実験だったんだよね。なぜならコラボレーションは毎日のようにやっているから。何が起こるのかを知りたくなったのかもしれない。自分以外の人間が誰も関わらなかった場合に何が出てくるのか。

『The Hum』は多楽器による音色の多彩さが魅力です。あれだけ多くの楽器を演奏できるようになるのは大変だと思うのですが、ほかのプレイヤーに頼るのではなく、自分自身で楽器を弾けるようになりたいというモチベーションはどこから来るのでしょうか?

JEF:新しい楽器を演奏するのが大好きなんだ。じつはバスクラリネットをeBayでかなり安く買ったことがきっかけでこのアルバムが始まったんだ。子どもの頃フルートを習っていたから多少は知っていたし。とにかくバスクラリネットの音が大好きだから取りあえず買ってみようと。クラシックのコンサートで素晴らしい演奏ができるわけではないけれど、メロディを奏でることならできるから。すごく刺激になるんだ。このスタジオには日本のシンセもあって、もちろん全部僕が理解できない言葉で書かれていて音階もちょっと違ったりするけれど、そういうちょっと違うものだったり、少し難しかったりするものが大好きなんだ。たぶんモジュラーシンセが好きなのもそれが理由だと思う。そのチャレンジにおいては普段やらないようなことをしたり、通常とは異なる判断をしたり、いつもとは違う場所へと追いこまれたりする。それはアイデアを生み出し、音楽に対する熱意や興奮を呼び覚ますのにいいと思う。パソコンで音楽を作ろうとすることもあるけれど、あまりにも簡単にできてしまったりするから、面白くするためには難しくする必要があるんだよ。

先ほどもお話しにありましたが、『The Hum』はいろいろな音楽的要素があるなかで、ロバート・ワイアットなどのいわゆるカンタベリー・ロックの要素をわたしは強く感じました。音楽家として、カンタベリー・ロックからの影響はもともと強かったのでしょうか?

JEF:そうなんだよ。父がそういったレコードを大量に持っていて……ジェントル・ジャイアント、キャラヴァンといったバンドがひと通りあって、それを聴いて育ったという背景がまずあった。10代の頃はあまり好きじゃなかったけど、年を取るにつれてある意味父親の趣味に回帰するというか。

そのカンタベリー・ロックもそうですが、雑食的な要素からブリティッシュ・ポップの系譜を感じさせるアルバムだとわたしは感じました。このようにくくることには語弊があるかもしれませんが、ポップ・ミュージックにおけるいわゆる「ブリティッシュネス」というか、英国から生まれる音楽の特色について考えることはありますか? そうだとすると、あなたの視点でポップスにおける「ブリティッシュネス」をどのようにとらえていますか?

JEF:僕も「ブリティッシュネス」が好きだよ。たとえばロバート・ワイアットの声は僕にとって非常にブリティッシュで、ほかのどこからも出てきようがないものだと思う。説明が難しいけれど、簡素というか何というか、若干控えめな感じというか、そこが本当に好きだね。それが不思議なほどエモーショナルなものに感じられるというか。過剰に歌いあげず、ドラマチックになりすぎない。僕はアイヴァー・カトラーの大ファンで、まあ彼はスコットランド人だけど、それと少し似ていて、そういうすごく独特な静かさが大好きなんだよね。とにかく僕もイギリス人だし、今作にも間違いなくブリティッシュネスはあると思う。

いっぽうで、“The Yips” でのパレスチナの音楽の要素も面白いですね。パレスチナの音楽のどのようなところに魅力を感じますか?

JEF:ロックダウン直前に旅行でパレスチナへ行ったんだ。もともと非西欧音楽はすごく好きで、日本にも素晴らしいものがたくさんあるし、いわゆる民謡と呼ばれるもの、インドの民謡やアラビア音楽だったり、その多くが西洋の12音階からは少し外れた音階やチューニングなんだよね。そこにものすごく惹かれるんだ。パレスチナに行ったとき、幸運にも現地のミュージシャンたちに会うことができて、オーケストラの演奏を聴きに行ったんだけど、その演奏に本当に胸が熱くなったし信じられないくらい素晴らしかった。だからたぶんそれも自分のなかに残っていたし、それから僕が大好きな〈Habibi Funk〉というレーベル(註:ベルリン拠点のアラブ音楽を発掘するレーベル)があって、そこは60年代、70年代の音楽を扱っていて、あの辺の地域の人びとがたとえばジェイムズ・ブラウンを真似していたり、でも音階が奇妙だったり、荒削りだったりするっていう。その辺のものが大好きなんだよ。あの曲を作りながら僕の頭にあったのはそういう感じのもの。

パソコンで音楽を作ろうとすることもあるけれど、あまりにも簡単にできてしまったりするから、面白くするためには難しくする必要があるんだよ。


『The Hum』の親しみやすさには、サウンドのユーモラスな感覚によるところも大きいように感じます。“Emptiness” のようなややビターな曲でもどこかファニーな感性があるように思うのですが、だとすると、あなたのユーモア感覚はどのようなものから影響を受けたものですか?

JEF:昔から少しユーモアがあるものが好きだったし、ユーモアと音楽には奇妙な関係があると思う。あまりにもシリアスすぎるものは好きじゃないかな。まあバランスが大事だと思う。同じように、あまりに綺麗すぎたりハッピーすぎるっていうのもね。僕にとっては最高の曲ってどれもメランコリックで、そこに悲しさがあり、明るさもあるというもので。そのふたつの間のバランスというのが興味深い部分なんだよ。さっき言ったアイヴァー・カトラーもそうで、彼の楽曲って僕的には本当に面白くて、完全にシュールで笑えて、ああいったユーモアが大好きだね。それから偉大な作詞家の多く、たとえばレナード・コーエンなんかもそうだけど、彼らの歌詞の下には、つねに小さなユーモアの輝きがあるんだ。

『The Hum』というアルバムで、ミュージシャンとしてあなたが達成した最大のことは何でしょうか?

JEF:これを作ったこと、完成させたこと自体が、もうそうかな。自分自身を乗り越えるというか。僕はこれまでプロデューサーとして、たくさんのひとにたくさんのことを要求したり、自分自身をさらけ出すように言ってきた。だから自分の作品を完成させること、ひとつのプロジェクトを終わらせること、全部が達成だよ。とくにひとりの場合は、誰かが知恵を貸してくれるわけでも背中を押してくれるわけでもないから大変なんだ。自分自身の意思の力で、自信を持って、何かを終わらせて世に送り出すこと自体が大きなチャレンジだったね。でも、常日頃自分がほかのひとにそういうことをやれって言ってることに気づけてよかったよ(笑)。だからやっぱり一番誇りに思うのはそこだね、作ったぞっていうさ。

Field Records presents “Floating World” - ele-king

 アムステルダムの〈Field Records〉は注目すべきレーベルだ。もともとはダブ・テクノから出発、その後幅を広げ、近年では日本のSUGAI KENなどもリリースしている彼ら(5月23日にはモノレイクのファーストをリイシュー)は今年、設立15周年を迎える。それを記念しアジア・ツアーを敢行、締めくくりの公演が6月2日、下北沢SPREADにて開催されることとなった。創設者のAHPRに加え、〈Delsin〉などから作品を発表しているオランダのデュオ=Artefakt、札幌を拠点とするOCCAが出演。貴重な機会を見逃さないようにしたい。

Field Records presents “Floating World”
15t anniversary global label tour - 2023

オランダはアムステルダムを拠点とし、世界各国の多彩なアーティストによる、高貴な本質を追求した電子音楽作品をリリースし続けるField Recordsが、15周年という節目を迎えアジアツアーを敢行。記念すべき本ツアーの締め括りとなる東京公演が、ゲストにアムステルダム・ベルリンを拠点に活動するデュオArtefakt、北海道よりOCCAを迎え下北沢SPREADで開催される。本日より前売りチケットが枚数限定で販売開始。

“Floating World”と題した本ツアーは、日本・東京はSPREAD、香港Minh、韓国・ソウルVurt、ベトナム・ハノイSavage等を跨いで行われる。ツアーファイナルとなるSPREADでの公演は、Acronym、Imaginary Softwoods、Monolake、国内からはIORI、ENA、SUGAI KENらの作品を発掘し、長きに渡り周縁的かつ実験的なサウンドの発信に尽力し続けるレーベル創設者のAHPRが、アンビエントやトランスをバックボーンとしたクラシカルなサウンドでField Recordsの歴史を体現する。

メインゲストとして、同レーベルや〈Prologue〉、〈Delsin〉からリリース、Field Recordsと共にアジアツアーを併走するArtefaktが出演。メランコリック、ヒプノティックなサウンドとブードゥーミュージックを好み、的確なアプローチでテクノをアートとして取り入れ、ダンスフロアの1歩先をゆく作品を追求し続ける彼らはハードウェアを用いたライブセットを披露。ヒプノティックかつフロアのグルーヴをキープするバランス感で、歴史的な境目となるこの一夜を祝うに相応しい時間と空間を生み出してくれるに違いない。

国内からは、北海道・札幌Precious Hallをホームとし、<Rainbow Disco Club>や<Future Terror>といった国内主要パーティへの出演を控え、更なる活動の飛躍を見せるOCCAが招聘された。OCCAもまた、テクノ、トランスを軸とし、広義かつ多角的にテクノを解釈、彼ならではのインテリジェンスとストーリーを垣間見せながら能動的にミックスする。実験的な姿勢で果敢にダンスフロアに対して挑戦し続ける彼ならではのsetは、Field Recordsの新たな門出を予感させてくれるだろう。

“Field Records presents ‘Floating World’ 15th anniversary global label tour-2023”

【DATE】
2023/06/02 FRI. 11PM OPEN
【TICKET】
EARLY BIRD. ¥1,800 | ADV. ¥2,500 | DOOR. ¥3,000 | U23 / Before 12AM ¥2,000(ALL+1D)
TICKET LINK: https://t.livepocket.jp/e/tvi3t

【LINE UP】
AHPR
Artefakt
OCCA

- 再入場可 *再入場毎にドリンク代頂きます / A drink ticket fee charged at every re-entry

【SPREAD Official Website】https://spread.tokyo/
【SPREAD Instagram】https://instagram.com/spread_kitazawa
【SPREAD Twitter】https://twitter.com/_spread_

 あるバルのほんの目先にあるひとつの切り株。それは地上から数センチのところで切断され、チェーンソーで深く十字が切り込まれていた。悲惨な光景だ。人間によって、この場所で「生きるな」というメッセージを強く刻印されたひとつの有機的な植物の前に私は立ち尽くした。その木の近くにあるバルは俳句バルだ。季語という魔法のようなアウラを与えられている植物とは一切交わらず、なんの木かもはやわからないそのような木が現実にあった。私はまずそれを記しておきたい。
 最近、領域横断の気鋭の研究者、桑田学さんによる、19世紀中葉~20世紀前半の英国における〈経済〉と〈生態〉を同時に考える思考の思想史をまとめた『人新世の経済思想史 生・自然・ポリティカル・エコノミー』という本が出た。ジョン・ラスキン(1819–1900、美術・建築・社会批評)、パトリック・ゲデス(1854–1932、植物学・動物学)、フレデリック・ソディ(1877–1956、物理化学)などの当時の学問の分野をまたがる思想家たちが、産業革命以後、どのように、〈生命―富―自然〉の関係を問い直し、著述してきたか、世に喚起してきたかをとても精緻に追っている。人間の暮らしの艶と経済を取り戻そうという、言ってみれば「美と経済」への展望を描いた一冊だ。空を毎日のように観察して記録をつけていたラスキンや、ダーウィンの進化論とは異なり競争とは異なる共同や相互依存を提示したゲデスや、植物だけが光合成で太陽から無生物エネルギーの流れを生命力へと変換しうると強調し、「自国と植民地双方でエネルギーの生命利用の条件を破壊しながら膨張する帝国主義的経済の末路をエネルギー論的な次元から分析」するソディ(彼の分析は戦争へも及ぶ)など、植物、地層、大気推しの議論がたくさん出てくる。上野でやっている「恐竜博2023」もすごかったがこの本も自然、本当の意味での科学、太古へのロマンがすごい。読み終えると壮大な科学ロマンを読んだようだ。もちろん最近の大気のウイルスにも一文で言及し、現代への警鐘もある。

 先に挙げた思想家同様、桑田さんは、生命を支える「富」は葉などの植物的な腐食・散逸・劣化に向けた絶えざる「流れ」のなかにあり、貨幣/信用・負債の増殖・成長・蓄積のロジックとは根本的に異質なものであると看破する。それは、動物的ではない、植物的な生命観だ。昔話で葉っぱがかわいらしくいたずら好きのたぬきやきつねの頭の上でどろんと金に化ける、そんな話は、おそらく現代でも流用しなくてはならない挿話なのではないかという気がする。それは、人間の生命原理における、失われた植物の優位性・先端性を示唆しているのではないか。そう考えると、人間が死んだとき、遺骨として残されるのもなんだかおかしい。エジプト、中国、日本でも、残そうとしてくる。以前、小さな子どもと古墳に訪れたことがあった。古墳跡は草原のようになっている。そこに吹き抜ける風に、ひとりの子どもがみなぎる自分のパワーとシンクロしたようでとても喜んでいた。もちろん、『アラビアン・ナイト』の話のように、財宝が墓に一緒に埋められているというロマンもやはり捨てがたいが。でもそれは、増殖・成長・蓄積のロジックではない。ある価値変換をされたロマンという信用だ。もちろん、負債の富、「虚構の富」とは異なる、絶えざる散逸、劣化、崩壊、分解に向けた流れを本質としている富もある。まあそれは物語の中や海賊や探検家や投資家にまかせておくとして、現代人の生が、魂の「流れ」が滞っていて蘇りにくいのは19世紀から理由があるよということをこの本が教えてくれた。

 少し長くなるが、とてもかっこいいので、桑田さんの本からラスキンの言葉と桑田さんの言葉をいくつか引用する。(この本は抜き書きしたくなるような文章が異様に多い。読むのが本当に楽しい)

 内在的価値とは生命を維持するためのモノの絶対的な力である。(…)人がそれらを拒絶しようが、軽蔑しようが、小麦や空気や花の内在的価値には少しも影響することはない。使用しようが、されまいが、それ自身の力はそれらのもののうちにあって、その特異な力は他のなにもののなかにも存在しない。(117)

このような声明を基底とした富の定義から、経済学のさまざまなカテゴリーが論じなおされていく。たとえば労働である。富の価値が、それが人間の生に対して有用であるか否かによって決まるのと同様に、「労働には生の要素を多く含むか少なく含むかにおうじて高低の順」があり、創造的で享楽的でさえある「プラスの労働」(opera)はそれ自体が、感覚を鍛え思考の自由を高め、生を増進させるが、「破壊的」な「マイナスの労働」(labour)はひたすらに生を消耗させ、「死を生ずる」という。(119)

経済学の対象とする富・有用性が、究極において自然界からもたらされるエネルギーと物質(いわゆる低エントロピー源)に由来する、という事実であった。あらゆる純正産物は、物質とエネルギーの支出に伴う「自然によって支払われる利子」と理解されなければならない。とくにフィジオクラートがすでに洞察していたとおり、太陽エネルギーを光合成のはたらきによって人間を含む動物(微生物も含め)にとって利用可能なエネルギーへと変換している植物界こそがあらゆる生き物にとってもっとも根源的な富の純生産者というにふさわしい。大気、水、光、土壌、森林といった自然の保存こそは真の意味での富の貯蓄であり、そこに産業改革が準拠すべきひとつの原則がある。ダンディー大学で行われた最終講義「生物学とその社会的意味──植物学者はいかに世界を見るのか」において彼はこう述べる。

[植物の]葉は生命の主要な産物であり現象である。この世界はひとつの緑の世界であり、そこに比較的少数の小さな動物たちが棲みついていて、そのすべてが葉に頼って生きているのである。葉によってわれわれは生きるBy leaves we live。

(202-3)

「太陽エネルギーの収入を超えた暮らし」を可能にしたのは、化石燃料の燃焼、すなわち「巨大なエネルギーの資本貯蔵」、「何百年前も以前に地球に到達した太陽光のたくわえを解放する」ことであった。ソディはこの無生物エネルギーinanimate energyの解放──すなわち有機経済から化石経済への転換──がもつ文明論的な意味を繰り返し強調している。ただしこの化石エネルギーの資本ストックは、けっして「われわれ自身の手柄」ではなく、「計り知れないほど古い時代に生じた、われわれにとって好都合な生物学的・地質学的な出来事の連鎖」の所産であって、その起源をたどるならば遠い時代に植物が捕捉し貯蔵した太陽エネルギーにいきつく。生物進化の理論によって、「本当のアダムは動物的であったことが明らかとなった」ように、「エネルギーの教説によって、真の資本家real capitalistは植物であることが明らかとなる」(257-8-3)

 事物や労働の内在的価値と植物のロマンを説いている。私は気象学的な画家ターナーと地質学的な画家セザンヌが好きだ。植物的な画家ゴッホも。なんだかそのような美術には、人の生きる魂や大気(風)・大地(土)・植物と有機的に関わっていた人類の感覚を呼び起こさせている気がする。経済も、「経済の根幹は植物、太陽と土壌と植物、経済がどれだけ進展してもこれはカットできない。経済と生態は分離しない」と桑田さんは言う。ギリシャ語で経済学は、オイコスだ。オイコスは家庭という意味だ。家庭には「庭」と入っている。庭には植物がある。絶対にわたしたちは植物や太陽、土壌と腐敗、そして循環の流れの中で生きている。それが私のようにベランダしかない者でもそうだ。
 トークイベントで、「変人をそうみせないように意識して書いた」と桑田さんが語っていたが、実に「変な人」がたくさん出てくるとてもおもしろい本だ。そしてわたしも変だ。これらの思想家は「階級」という言葉を使わない。思想家たちは、スラムの中にいる人の生活にもう一回美しさを取り戻すか、学校とスラムをどうやってつなげるか、そこにアナキストが入っていくなど、どうやって生活の中に広い意味での芸術を取り戻すかということを考えている。貨幣はチケットのように他者に請求できる。その信用は金属的なもので半永久的にその形が変わらないが、強靭なようでそれにすがるととてももろい。単純交換の原理で腐らず、維持にコストもかからず、永続的な利子をもたらす負債であり、自然を回避しようとする法的手段や契約の性格を帯びるようになる。しかし、紙幣は、もともと葉だ。木だ。生きて腐り、変わっていくものへの敬意、信用、生活における艶、広い意味での「美」の力だ。また、この本も紙(木)からできていた。だけどこれは、電子的なもの、テクノポップ、ポーカーなども好きなわたしの一読書記録だ。20世紀の美術家運動、未来派も機械的なものに魅かれていた。それも含めて、人新世でどう腐るかということに思いを馳せることも、重要なことだ。最近、Official髭男dismの “ミックスナッツ” を聴いた。ピーナッツ、落花生の花言葉は、「仲良し」。「ここに僕が居て あなたが居る」って言葉いいなと思った。

HOUSE definitive 増補改訂版 - ele-king

始めにハウスありき……
全音楽ファンが知っておくべき、
ハウス・ミュージックの名盤900枚以上を紹介!

監修・執筆:西村公輝
編集協力・執筆:猪股恭哉/三田格
執筆:野田努/Nagi/島田嘉孝/DNG/Alex Prat/板谷曜子(mitokon)/Midori Aoyama/Shhhhh/Alixkun/水越真紀/SISI/小林拓音/木津毅

cover photograph by Bill Bernstein
装丁:真壁昂士
A5判/並製/オールカラー/304ページ

contents

改訂版序文 (西村公輝)

CHAPTER 1 Disco 1974–1983
CHAPTER 2 Chicago House 1984–1987
CHAPTER 3 Second Summer Of Love 1988
CHAPTER 4 Deep House 1989–1995
CHAPTER 5 French Touch / Detroit House 1996–2000
CHAPTER 6 Disco Dub / Nu Disco 2001
CHAPTER 7 Translocal 2002–2013
CHAPTER 8 Nu School / Multipolar Of House 2014–2022

INDEX

監修
西村公輝

90年代後半から輸入レコード業界にて働き始める。現在はLighthouse Recordsに所属。DJとしてはDr. NISHIMURAの名前で活動中。悪魔の沼の三分の一。

協力
猪股恭哉

1977年仙台市生まれ青森育ち。90年代中頃よりテクノを聴き始め、99年にディスクユニオンに入社、07年より渋谷クラブミュージックショップで中古買取とバイヤー業務を開始。14年よりハウスのメインバイヤーとして異動。23年現職。

三田格
ライター、編集。監修・編著に『AMBIENT definitive 増補改訂版』『TECHNO definitive 増補改造版』『永遠のフィッシュマンズ』ほか多数。

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club
mibon本の通販(未来屋書店)

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
三省堂書店
丸善/ジュンク堂書店/文教堂/戸田書店/啓林堂書店/ブックスモア
旭屋書店
有隣堂
くまざわ書店
TSUTAYA
未来屋書店/アシーネ

aus - ele-king

 アウス(aus)、約14年ぶりの新作がリリースされた。

 いや、そんな軽いひと言で済ませていい年月ではないだろう。14年はとても長い年月だし、アウスことヤスヒコ・フクゾノにとって辛い出来事を乗り越えていく時間だったのかもしれないのだから。
 だが何にせよ、「ゼロ年代以降のエレクトロニカ」を振り返るときに欠かすことのできない重要なアーティストが復活したのだ。困難を乗り越えてふたたび動き出したのだ。まずはそのことを心から祝福したい。

 そして何より新作アルバム『Everis』が普遍的な音楽性を持った作品だったことを心から喜びたい。どの曲も瑞々しさと音楽的成熟が同居している、そんなアルバムなのだ。
 モダン・クラシカル、ジャズ、フォーク、エレクトロニクスなどが交錯する新作『Everis』は美しくて、魅惑的で、しかし不可思議で多様な「音楽」の結晶体だ。もっと限定的にいうならば、エレクトロニカとモダン・クラシカルの融合、その洗練の極みとでもいうべきかもしれない。

 私が彼の音楽を最初に知ったのはご多聞にもれず2006年にリリースされた『Lang』だった。東京のエレクトロニカ・レーベル〈Preco〉からリリースされたアルバムだ。
 彼は『Lang』以前にも、ベルギーの〈U-Cover〉のサブレーベル〈U-Cover CDr Limited〉から『Kangaroo Note』(2004)と『Crowding』(2005)をリリースしている。加えて『Lang』と同年の2006年にもUSの〈Music Related〉から『Sonorapid』もリリースされている。
 だが、2006年の『Lang』には、「ゼロ年代エレクトロニカ」を象徴するような特別なアウラがあった。透明な電子音、繊細なサウンドスケープ、細やかなリズムの心地良さに惹きつけられたことを記憶している。海辺の陽光と捉えたアートワークも、「あの時代」のエレクトロニカの本質(自分はそれを電子音による日常のサウンドトラックだと思っている)をうまく表現していた。
 翌2007年にはイギリスの〈Moteer〉からコキユがヴォーカルで参加した『Curveland』をリリースする。2008年には〈Preco〉から『Lang』のリミックス盤『Lang Remixed』を発表した。
 そして2009年、ローレンス・イングリッシュの〈room40〉のサブレーベル〈Someone Good〉からザ・ボーツやグリムらと作り上げた『Light In August, Later』と、自身のレーベル〈flau〉からアルバム『After All』をリリースした。
 特に『After All』は重要作だ。シルヴァン・ショヴォー、コキユ、ゲスキア、リミックスにモトロ・ファームらが参加したこのアルバムはさながら00年代末期のエレクトロニカの総括のようなアルバムなのである。
 リリース当時は、どこか悲しみすら感じさせる音楽性に、私は『Lang』の作風との違いを感じて、最初こそ戸惑いはしたものの、これまでにない音楽的な広がりに驚き、結局は愛聴することになったことを覚えている。2013年に〈Plop〉からリミックス・アルバム『ReCollected - aus Selected Remixes』をリリースをして、リリースはいったん途切れることになる。むろん〈FLAU〉のレーベル・オーナーとして継続的に活動を続けていたので「沈黙」していたというわけではまったくない。

 アウスが動き出したのは、2023年に入ってからだ。まず、シングル「Until Then」をリリースし、次いでアルバムとしては約15年ぶりの新作『Everis』を送り出した。『Everis』を聴いてみると、『After All』と対になるような音楽を展開していたことに驚いてしまった。彼は、エレクトロニカを経由した「総合音楽」をずっと追求していたのだ。その間に、あの「空き巣事件」があり、音源データが盗まれるという悲劇に見舞われながらも、彼は彼の音楽をついに完成させた。
 新しいアウスの音楽もまた、これまでと同様に、モダン・クラシカル、ジャズ、フォーク、エレクトロニカなどの音楽が交錯し、聴くものを優しく、しかしエモーショナルな音楽世界へと連れていってくれる。同時に、彼の音楽性はより成熟し、より深みを増していた。
 前作『After All』が「夜」のアルバムとすれば、新作『Everis』は「昼」のアルバムとすべきだろうか。
 「昼」といっても何かと忙しいオンタイムの「昼」ではない。日々の雑事から解放され、ほんのひとときで暖かい陽光の中で日常の美しさを感じるような「昼」だ。その感覚は『Lang』から一貫している。
 じっさい、ストリングス、ピアノ、クラリネット、フルート、ドラム、声、エレクトロニクスが交錯する極上のアンサンブルは、まさに「光」としか言いようがない感覚を発している。もちろん単に明るいだけというわけではない。日常のなかに不意に現れる不思議な感覚のようなものも感じられるのだ(まさにアートワークのように!)。
 ゲストも多彩だ。ヘニング・シュミート、高原久実、ノア(Noah)、ダニー・ノーベリー、エマ・ガトリルなどの〈FLAU〉と縁の深いアーティストが多数参加し、加えてあのグーテフォルク、横手ありさなどの日本人(電子)音楽家、ハルダンゲル・フィドル奏者のベネディクト・モーセス、オーストリアの音響作家グリムというエレクトロニカ、モダン・クラシカルの音楽家たちが多数が参加している点も重要だ(個人的に驚いたのは、英国の即興音楽パトリック・ファーマーがドラムとハーモニウムで参加している点である)。

 全10曲、作曲・編曲・ミックスなどどれも完璧だ。2017年に起きたあの悲しく辛い事件のあと、楽曲データを喪失したアウスは、自身の心の奥にあるストーリーから音楽を作り上げようとしたという。本作がこれまでの作品以上にエモーショナルなのはそこに理由があるのではないかと思う。携帯電話に残っていたさまざまな環境音を用いつつ、過去と現在をつなぐ「記憶」のような音楽を構築したらしい。以下、各曲をみていこう。
 まず1曲目 “Halsar Weiter” では、声のエレメントと透明なカーテンのような持続音が重なり、少しづつ音に厚みがましてくる。やがて細かな環境音がレイヤーされ、ストリングス的な音も折り重なる。記憶を浄化するようなアルバムの入り口でもある。
 続く2曲目 “Landia” は、子どもたちの声のサンプル、シンセのフレーズ、リズム、環境音、横手ありさのコーラスが重なり、モダン・エレクトロニカとでも形容したいようなエレガントな音を展開する。休日の平和な公園のような「微かな多幸感」がたまらない。
 そのままシームレスに3曲目 “Past From” につながる。声のサンプルが流れ、ピアノのリズミカルなリフが奏でられる。やがて浮遊感に満ちたストリングスも鳴りはじめる。まるで「複数の音楽が同時に存在する」ような本作を象徴するようなサウンドだ。曲の終わり近くのストリングスもとても美しい。
 そして4曲目 “Steps” では、Gutevolk(西山豊乃)をヴォーカルに迎えたフォーク/クラシカル/エレクトロニカな楽曲を展開する。透明で澄んだ声とエレクトロニクスなどの音の交錯が素晴らしい。夜道に迷い込んでいくような深淵さもあり、アルバム中、もっともダークなムードを内に秘めている曲といえよう。
 さらに5曲目 “Make Me Me” は、オーストラリアのシンガーのグランド・サルヴォをゲスト・ヴォーカルに迎えたピアノと弦楽器を中心とするヴォーカル・トラック。慈悲深い声が優しく心に染み入る。
 6曲目 “Flo” は、横手ありさの声と静謐なエレクトロニクスが交錯する曲だ。アルバムの「深さ」「深淵さ」「夜」のムードを象徴するような曲ともいえよう。
 アルバムのクライマックスといえる7曲目 “Swim”、8曲目 “Memories”、9曲目 “Further” は、あえて解説を省略したのは、ぜひとも無心に聴いて頂きたいパートだからである。モダン・クラシカルとエレクトロニクスが交錯する圧倒的な音世界がここにはある。
 ラストの10曲目 “Neanic” は、柔らかく静謐なピアノに、ベネディクト・モーセスが奏でるハルダンゲル・フィドルのミニマルなアンサンブルが祈りのように重なっていく。アルバムのラストを飾るのにふさわしい曲だ。
 どの曲も繰り返しの聴取に耐える質の高い曲ばかりである。『Everis』は、リリース直後のみ話題になり、その後は忘れられるというような「消費される音楽」ではない。今後10年、ずっと聴き続けられるアルバムではないかと思う。
 ちなみにリリース・レーベルは英国の老舗レーベル〈Lo Recordings〉とアウス自身が主宰する優良レーベル〈FLAU〉からである。

 『Everis』、この美しい音楽が多くの人の耳に届き、それぞれの暮らしを彩ることを切に願う。それほどまでのアルバムだ。ゼロ年代エレクトロニカ以降の優しい音世界がここにある。

Ryuichi Sakamoto - ele-king

 坂本龍一のソロ楽曲を集めたコンピレーション『Travesía』(英語で「journey」の意)が〈Milan Records〉からリリースされている。〈Milan〉といえば、これまで海外で坂本の『async』や『ASYNC - REMODELS』などをリリースしてきたUSのレーベルだ。
 キュレイターは映画監督のアレハンドロ・イニャリトゥ。『レヴェナント: 蘇えりし者』で共同作業をした際に、今回の選曲を依頼されていたという。当初はイニャリトゥ自身の誕生日のためのコレクションになるはずだったが、坂本の逝去を受け彼の回顧録として公開。収録されているのは下記の20曲。フィジカルでも2CD盤(RZCM-77722A)、2LP盤(RZJM-77720A)が5月3日に発売されている。

Travesía
Tracklist:
01. Thousand Knives
02. The Revenant Main Theme (Alva Noto Remodel) *未発表音源
03. Before Long
04. Nuages
05. LIFE, LIFE
06. Ma Mère l’Oye
07. Rose
08. Tokyo Story
09. Break With
10. Blu
11. Asadoya Yunta
12. Rio
13. Reversing
14. Thatness and Thereness
15. Ngo/bitmix
16. +Pantonal
17. Laménto
18. Diabaram
19. Same Dream, Same Destination
20. Composition 0919

Milan公式サイト:
https://www.milanrecords.com/release/travesia/
commmonsmart:
https://commmonsmart.com/collections/compilations

 そしてもうひとつ、最新情報をお知らせしておこう。坂本龍一のマネージメント・チームにより彼の「最後のプレイリスト」が公開されている。自身の葬儀でかけるために生前、坂本本人が選曲していた33曲のコレクションで、バッハやラヴェル、ドビュッシーといった彼のルーツにあたる曲からデイヴィッド・シルヴィアンアルヴァ・ノトのような彼のコラボレイターたちの曲までをピックアップ。最後はなんとローレル・ヘイローで締められている。同時代の音楽への関心を失わなかった坂本らしいプレイリストだ。

 素晴らしいことに、韓国から250(イオゴン)の来日が決まった。以下、詳細です。

 すごい面子が揃ったものだ。ロンドン発のイヴェント「MODE」が5/25から6/2にかけ東京で開催されることになったのだが、エクスペリメンタルな実力者たちのオールスターといった気配のラインナップとなっている。5/25はイーライ・ケスラーカフカ鼾ジム・オルーク石橋英子山本達久)、パク・ジハ。5/28は伶楽舎。5/30はベアトリス・ディロンルーシー・レイルトンYPY(日野浩志郎)。6/1はメルツバウスティーヴン・オマリー。6/2はFUJI|||||||||||TAと、初来日のカリ・マローン+オマリー+レイルトン。貴重な機会のアーティストも多いので、下記詳細を確認してぜひとも足を運びましょう。

[5月23日追記]
 上記イヴェントにふたつのプログラムが追加されることが決まりました。ひとつは、エイドリアン・コーカー&渡邊琢磨、アキヒラ・サノによるサウンド・インスタレーション(「MODE」の初回プログラム・ディレクターを務めた故・坂本龍一と、デイヴィッド・トゥープによる作品も同時上映されます)。もうひとつは、ポスポス大谷、リキ・ヒダカ、エイドリアン・コーカー&渡邊琢磨ほかが出演する下北沢SPREADでの公演。強力なランナップがさらに堅牢なものとなりました。実験音楽に浸る初夏!

[5/23追加情報]

MODE LISTENING ROOM & POP-UP at DOMICILE TOKYO

Adrian Corker & Takuma Watanabe、Akhira Sanoによるサウンドインスタレーションがドミサイル東京・ギャラリースペースにて発表。

また同会場にて、MODE 初回プログラムディレクターを務めた坂本龍一氏への追悼企画として、Ryuichi Sakamoto & David Toop のパフォーマンス映像(2018)が、NTSとの共同企画により放映される。

詳細:
実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するイベントシリーズ『MODE』 のプログラムの一部として、5月29日~6月3日の期間、原宿のコンセプトストア「DOMICILE」(渋谷区神宮前4-28-9)に併設するギャラリースペースにて「MODE LISTENING ROOM」と題し、Adrian Corker & Takuma Watanabeによる新作インスタレーション『The Impossible Balance』、Akhira Sanoによるサウンドインスタレーション『Magnify Cyte』が発表されます。またストアでは、先行して5月26日より、MODE関連アーティストの音源やTシャツなど限定アイテムを集めたPOP-UPが開催されることが決定しました。

さらには、MODEの初回プログラムディレクターを務めた坂本龍一と、David Toopによる当時のパフォーマンス映像『Ryuichi Sakamoto & David Toop (2018)』をロンドン拠点のラジオプラットフォーム「NTS」との共同企画により放映することが決定いたしました。同企画は先日 逝去された坂本龍一の意志を引き継いだ、氏の所属事務所や家族によって立ち上げられた植樹のためのドネーションプラットフォーム「Trees for Sakamoto」への寄付プロジェクトの一環として開催されます。

【開催日程詳細】

MODE LISTENING ROOM
会期:5月29日(月)- 6月3日(土)12:00‒20:00
会場:DOMICILE TOKYO 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-28-9 チケット料金:入場無料

参加アーティスト:Adrian Corker & Takuma Watanabe (エイドリアン・コーカー & 渡邊琢磨/UK,JP)
Akhira Sano(アキヒラ・サノ/JP)(
上映作品:Ryuichi Sakamoto & David Toop (2018)

------------

実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するイベントシリーズ 『MODE』の追加プログラムが、
5月31日に下北沢SPREADにて開催決定。 Posuposu Otani、Riki Hidaka、Takuma Watanabe & Adrian Corkerが出演。

Posuposu Otani/ Riki Hidaka/
Takuma Watanabe & Adrian Corker ‒ The Impossible Balance
feat. Atsuko Hatano (vn), Naoko Kakutani (va), Ayumi Hashimoto (vc), Tatsuhisa Yamamoto (ds), Takuma Watanabe (cond)

スロートシンガーソングライターで口琴演奏家、倍音印象派のPosuposu Otani(ポスポス大 谷)をはじめ、ギタリストのRiki Hidaka(リキ・ヒダカ)、映画音楽を数 多く手掛け、デイヴィッド・シルヴィアン、フェリシア・アトキンソンらなど海外アーティストと の協業でも知られるTakuma Watanabe(渡邊琢磨)と、音楽家であり、レーベルSN Variations、Constructiveを運営するAdrian Corker(エイドリアン・コーカー)の新プロジェ クトThe Impossible Balanceが発表されます。ライブには、波多野敦子(バイオリン)、角谷奈緒子(ヴィオラ)、橋本歩(チェロ)、山本達久(ドラム)、渡邊琢磨(コンダクト)が出演。

【開催日程詳細】
公演日時:5月31日(水)19:00開場/19:30開演 22:00終演
会場:SPREAD 〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-12-6 リバーストーンビルB1F
チケット料金:前売3,000円 当日3,500円 U23 前売・当日 2,000円[全自由・スタンディング] ※ZAIKOにて販売中

出演者:
Posuposu Otani(ポスポス大谷/JP)
Riki Hidaka(リキ・ヒダカ/JP)
Takuma Watanabe & Adrian Corker (渡邊琢磨&エイドリアン・コーカー/JP, UK)
波多野敦子(バイオリン)、角谷奈緒子(ヴィオラ)、橋本歩(チェロ)、 山本達久(ドラム)、渡邊琢磨(コンダクト)

33-33 x BLISS present MODE TOKYO 2023
2023年5月25日 - 2023年6月2日

実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツをフィーチャーする
ロンドン拠点のイベントシリーズ「MODE」が東京にて開催。初の来日公演となるカリ・マローンはじめ、スティーブン・オマリー、イーライ・ケスラー、ベアトリス・ディロン、カフカ鼾、伶楽舎、FUJI|||||||||||TAなど、全5公演、11組のラインナップを発表。

ロンドンを拠点とする音楽レーベル兼イベントプロダクションの33-33(サーティースリー・サーティースリー)が贈る、実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するイベントシリーズ『MODE』が復活。
2019年ロンドンでの開催以来となる2023年のエディションが、日本を拠点として実験的なアート、音楽のプロジェクトを展開するキュレトリアル・コレクティブBLISSとの共同企画により、東京都内複数の会場にて開催します。世界のアート、音楽シーンで評価を受けているアーティストたちが集結し、9日間にわたって国際的なアートプログラムを実施します。
今回の東京開催の背景には、主宰の33-33と日本の芸術や音楽との長年にわたるコラボレーションがあります。2018年にロンドンで発表された第一回のMODEでは、日本の作曲家、ピアニスト、電子音楽のパイオニアであり、先日3月28日に惜しまれつつ逝去された坂本龍一氏がプログラムキュレーターを担当しました。敬意と追悼の意を込め、MODEは今回のシリーズを氏に捧げます。

※公演チケットは各プログラム限定数での先着販売となっております、追加販売予定はございませんのでお早めにお買い求めください。


【開催日程詳細】

@The Jewels of Aoyama *Co-presented with Bar Nightingale
公演日時:5月25日(木)18:00開場/19:00開演 22:00終演 
チケット料金:前売6,000円[スタンディング]※ZAIKOにて販売中
出演者:Eli Keszler(イーライ・ケスラー/US)、カフカ鼾(Kafka's Ibiki/US, JP)、Park Jiha(パク・ジハ/KR)
会場:The Jewels of Aoyama 〒107-0062 東京都港区南青山5丁目3-2

一連のイベントシリーズの幕を開けるのは、NY拠点のエクスペリメンタル・パーカッショニストEli Keszler。Jim O’Rourke(ジム・オルーク)、石橋英子、山本達久によるトリオ、カフカ鼾。そして初の来日公演となる、韓国の伝統音楽を主軸とした現代音楽家 Park Jihaが出演するプログラム。また、このプログラムは世界中のアーティストらに支持される会員制の実験音楽バー「Bar Nightinegale」との共同企画で開催される。

@四谷区民ホール ※関連プログラム
公演日時:5月28日(日)15:30開場/16:00開演
チケット料金:前売3,000円・当日3,500円[全席自由]
https://reigakusha.com/home/sponsorship/4403 参照
出演者:伶楽舎(Reigakusha/JP)伶楽舎雅楽コンサートno.40 〜芝祐靖作品演奏会その4〜
会場:四谷区民ホール 〒160-8581 新宿区内藤町87番地

1985年に発足した雅楽グループ伶楽舎による『伶楽舎雅楽コンサートno.40 〜芝 祐靖作品演奏会その4〜』をMODE 関連プログラムとして紹介する。伶楽舎は現行の雅楽古典曲だけでなく、現代作品の演奏にも積極的に取り組み、これまでに湯浅譲二、一柳慧、池辺晋一郎、猿谷紀郎、伊左治直、桑原ゆうなど多くの作曲家に新作を委嘱。日本を代表する現代音楽家、武満徹作曲の雅楽作品『秋庭歌一具』の演奏でも複数の賞を受賞。長らく音楽監督を務めた芝祐靖は雅楽の世界に新風を送り続けた人物で、MODEで紹介される現代音楽表現のルーツの一部を体験できるプログラムとなっている。

@WALL & WALL
公演日時:5月30日(火)19:00開場/19:30開演 22:00終演
チケット料金:前売4,000円[スタンディング] ※ZAIKOにて販売中
出演者:Beatrice Dillon(ベアトリス・ディロン/UK)、Lucy Railton(ルーシー・レイルトン/UK)、YPY(ワイ・ピー・ワイ/JP)
会場:WALL & WALL 〒107-0062 東京都港区南青山3丁目18−19フェスタ表参道ビルB1

実験的電子音楽に焦点を当てたこの日のプログラムは、前作『Workaround' (PAN, 2020)』が、The Wire紙によって’Album of the Year’に選ばれた、ロンドン拠点の作曲家・サウンドアーティストのBeatrice Dillonと電子音楽レーベル「NAKID」主宰し、バンド「goat」の中心人物で作曲家・音楽家の日野浩志郎によるソロプロジェクトYPYが共演。イベントのオープニングを飾るのは、先日オランダのフェスティバルRewireにて世界初公開され反響を呼んだ アーティスト・詩人のパティ・スミスによるプロジェクト『Soundwalk Collective & Patti Smith』や、今回初の来日公演となるKali Maloneの作品にも参加する、イギリス人チェリスト・作曲家であるLucy Railtonの日本初公演。

@Shibuya WWW
公演日時:6月1日(木)19:00開場/19:30開演 22:00終演(予定)
チケット料金:前売4,500円[スタンディング] ※ZAIKOにて販売中
出演者:Merzbow(メルツバウ/JP)、Stephen O’Malley(スティーブン・オマリー/US, FR)
会場:WWW 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町13−17 ライズビルB1F

20年以上にわたり、SUNN O)))、 KTL、 Khanateなど数々のドローン/実験的プロジェクトの構想や実行に携わってきたStephen O'Malleyと、説明不要の世界的ノイズ・レジェンドであるMerzbow a.k.a. 秋田昌美によるダブルヘッドライナーショー。

@淀橋教会
公演日時:6月2日(金)18:00開場/19:00開演 21:00終演 
チケット料金:前売6,000円[全席自由] ※ZAIKOにて販売中
出演者:FUJI|||||||||||TA (フジタ/JP)、Kali Malone(カリ・マローン/US, SE) presents: 『Does Spring Hide Its Joy』 feat. Stephen O’Malley(スティーヴン・オマリー/US, FR)& Lucy Railton(ルーシー・レイルトン/UK)
会場:淀橋教会 〒169-0073 東京都新宿区百人町1-17-8

今シリーズのフィナーレは、新宿区大久保の多国籍な街中に位置する淀橋教会にて開催される。パイプオルガンによる作品で知られる作曲家・サウンドアーティストのKali MaloneがStephen O'Malley、Lucy Railtonとともに、国際的に高評価を得て、Billboard Classical Crossover 4位を獲得した最新作品『Does Spring Hide Its Joy (2023)』を日本初公演にて披露する。ダブルヘッドライナーとして、近年日本を拠点にヨーロッパ、アメリカで高い評価を得ている自作のパイプオルガン奏者でサウンドアーティストFUJI|||||||||||TAが登場。

------------

About 33-33:
33−33(サーティースリー・サーティースリー)は、ロンドン拠点のレコードレーベル兼イベントプロダクション。年間を通してイベントプログラムを企画制作するだけでなく、33−33レーベルからのレコードのリリースや、アーティストとともに個別のプロジェクトを制作するなどしている。
33−33は、イースト・ロンドンの教会にて2014年以来開催されているイベント『St John Sessions』を機に発足。過去にはガーナ、東京、ベイルート、カイロでイベントを開催している。2018年には音楽、アート、パフォーマンスを紹介するフェスティバル『MODE』を設立。2018年には坂本龍一氏がキュレーションを行い、2019年にはLaurel Halo(ローレル・ヘイロー)がプログラムを構成した。

About BLISS:
BLISS(ブリス)は、2019年に日本を拠点として設立されたキュレトリアル・コレクティブ。アートと音楽の分野において、実験的な展覧会、イベントなど行う。抽象性が高く、実験的な表現を社会に発表、共有し続けることが可能な環境をつくることを目的としている。主なプロジェクトに、Kelsey Lu at Enoura Observatory (2019)、INTERDIFFUSION A Tribute to Yoshi Wada (2021)など。

Works of BLISS:
Kelsey Lu at Enoura Observatory
INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada

------------

SUPPORTED BY
アーツカウンシル東京
グレイトブリテン・ササカワ財団
大和日英基金

PARTNER
EDSTRÖM OFFICE

DUB INVASION - ele-king

 現行のDub、サウンドシステム・カルチャーを東⻄から盛り上げるDub Meeting Osaka、Tokyo Dub Attack、newdubhallそして eastaudio soundsystemの4者が大阪に集結!

DUB INVASION
Undefined (live) / Bim One Production / Element / Dub kazman / Sak-Dub-I

Sound System by eastaudio
shop by grassroots food by mr.samosa
VENUE : 心斎橋SUNHALL
OPEN/START : 16:00
CHARGE : 超早割 2,500yen / 前売 3,500yen / 当日 4,500yen / under 23 1,000yen
※ 全てD代別
※ 小学生以上チケット必要/未就学児童無料(保護者同伴に限る、ドリンク代不要)
※『under 23 1,000yen』23歳以下は公演当日に身分証をご提示いただければ1000yenでご入場頂けます。
超早割 >> 5/8 (MON) 21:00 on sale (枚数限定、特典付き)
Tokyo Dub Attack Ticket (ZAIKO)
ーーーhttps://tokyodubattack.zaiko.io/e/DUBINVASION

*特典
Dub meeting Osaka監修Zine 「HEAVYWEIGHT」
Tokyo Dub Attack Zaikoチケットページにて、超早割または前売券を購入した先着50名様限定でプレゼント(当日受け渡し)

チケット一般発売 5/15 (MON) 12:00 onsale
チケットぴあ : https://w.pia.jp/t/dubinvasion-o/
ローソンチケット : https://l-tike.com/order/?gLcode=52766 (L-code:52766)
e + : https://eplus.jp/sf/detail/3870130001-P0030001
Tokyo Dub Attack Ticket (ZAIKO) : https://tokyodubattack.zaiko.io/e/DUBINVASION

INFO :
心斎橋SUNHALL 06-6213-7077 https://sunhall.jp/
Tokyo Dub Attack Ticket (ZAIKO) https://tokyodubattack.zaiko.io/e/DUBINVASION

1昨年のStudio Patitta(名村造船所跡地)、昨年の神戶ハーバースタジオにて、脳天まで慄わす完膚なき超低音を轟かしその名を知らしめた eastaudioのサウンドシステムを難波サンホールに導入し、そのシステムを操るセレクターは国内外でのリリースや活動を続ける
Bim One Production (1TA & e-mura)、Sak-Dub-I、Dub Kazman、Element、さらに実験的でミニマルな視点を取り入れ、 先鋭的なDubを表現する2ピース・バンド、Undefinedが盟友のChequeをダブミキサーに迎えてライヴを行う。サウンドシステム・カルチャーを起源とするジャングル等のベース・ミュージックと現行のダンス・ミュージック・シーンの交わりが 盛り上がりを見せるなか、そのルーツから最新鋭まで新旧のDubを体感しよう。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495