「IR」と一致するもの

Rian Treanor - ele-king

 数年前に〈The Death Of Rave〉からの12インチでデビューを飾り、昨年は復活した〈Arcola〉からの「Contraposition」(別エレ〈Warp〉号94頁参照)や、行松陽介がよくかけていたというホワイト盤エディット集「RAVEDIT」(紙エレ23号38頁参照)で注目を集め、今年は〈Planet Mu〉より強烈なファースト・アルバム『Ataxia』を送り出した新世代プロデューサーのライアン・トレナーが、なんと、早くも初来日を果たす! 迎え撃つのは、日本初のゴム・パーティ・クルーたる TYO GQOM の5人。いやいや、これは行くしかないっしょ。

Local X8 World Rian Treanor VS TYO GQOM

大陸を超える未来のハイパーIDM、Autechre や Mark Fell を継承するUKの新星 Rian Treanor 初来日!

ゴム、シンゲリ、ハウス、テクノ等を交え現行のアフリカン・ミュージックを東京にて追随するクルー〈TYO GQOM〉を迎えた、ウガンダの新興フェス〈Nyege Nyege〉とも共振する新感覚のアフロ・エレクトロニック/レイヴ・ナイト。

Local X8 World Rian Treanor VS TYO GQOM
2019/12/06 fri at WWWβ
OPEN / START 24:30
ADV ¥1,800@RA | DOOR ¥2,500 | U23 ¥1,500

Rian Treanor - LIVE [Planet Mu / UK]

[TYO GQOM]
- KΣITO
- mitokon
- Hiro "BINGO" N'waternbee
- DJ MORO
- K8

詳細: https://www-shibuya.jp/schedule/011898.php
前売: https://jp.residentadvisor.net/events/1348973

※ You must be 20 or over with Photo ID to enter.

■ Rian Treanor [Planet Mu / UK]

Rian Treanor は、クラブ・カルチャー、実験芸術、コンピューター・ミュージックの交差点を再考し、解体された要素と連動する要素の洞察に満ちた新しい音楽の世界を提示する。2015年にファースト12”「Rational Tangle」と〈The Death of Rave〉のセカンドEP「Pattern Damage」で鮮やかなデビューを果たし、〈WARP〉のサブ・レーベル〈Arcola〉は2018年に彼のシングル「Contraposition」でリニューアルしました。〈Planet Mu〉のデビュー・アルバム『ATAXIA』はハイパー・クロマチックなUKガレージと点描のフットワークを再配線し、UKアンダーグラウンド・クラブ・ミュージックの破壊的で不可欠な新しいサウンドとして確立される。2019年は故郷のシェフィールドの No Bounds Festival のレジデント、最近のライブでは Nyege Nyege Festival (UG)、GES-2 (RU)、Serralves (PT)、Irish Museum of Modern Art (IRL)、Berghain (DE)、OHM (DE)、Cafe Oto (UK)、グラスゴー現代美術センター(UK)、Empty Gallery (HK)、Summerhall (UK)に出演。香港の yU + co [lab] やインドでの Counterflows 2016-2017 のアーティスト・レジデンスへ参加。

英国で最も刺激的な新しいプロデューサーの1人 ──FACT

シェフィールドの音楽史を参照しながら、まったく新しい方向性を提示した ──WIRE

音楽の好奇心に火をつけると同時に体も持って行かれてしまう。ダンス・ミュージックはこれ以上面白くなることはないであろう ──MixMag

https://soundcloud.com/rian-treanor

■ TYO GQOM [Tokyo]

南アフリカ・ダーバンで生まれたダンス・ミュージック「GQOM(ゴム)」を軸に現行のアフリカン・ミュージックをプレイする日本初の GQOM パーティー・クルー。GQOM が注目され始めた初期から自身のプレイや楽曲に取り入れてきたメンバーやアフリカの現行音楽に特化したメンバーを KΣITO が招集し、KΣITO、K8、mitokon、Hiro "BINGO" N'waternbee、DJ MORO の5人のDJにより発足。GQOM に留まらず、タンザニアの高速ダンス・ミュージック「シンゲリ」やアフロハウス、テクノなどを交えた5人それぞれの個性溢れるプレイと踊らずにはいられないグルーヴ、熱気を帯びた新感覚のパーティーは各地で話題を呼び、ホームである幡ヶ谷 forestlimit で定期的に開催される本編の他、様々なパーティーにも招かれるなど今熱い視線を集めているクルーである。

https://twitter.com/tyogqom

Yves Tumor - ele-king

 どこまで続くんだー! 盛り上がりまくりの〈Warp〉30周年、プラッドナイトメアズ・オン・ワックスの次はイヴ・トゥモアだって! 昨年、アルバム『Safe In The Hands Of Love』発表後のじつに適切なタイミングで初来日を果たしたイヴだけれど、今回は東京のDJ、speedy lee genesis が主催する《Neoplasia3》にジョイントするかたち。こりゃほんとうに年末まで気が抜けませんな(ちなみに今日は『WXAXRXP Sessions』の発売日ですよ~)。

YVES TUMOR
30周年を迎えた〈Warp〉新世代のカリスマ、イヴ・トゥモアの来日が決定!
12/14(土)、渋谷WWW にて一夜限りのライヴ・パフォーマンスを披露。

フライング・ロータス、!!!(チック・チック・チック)、バトルスの単独公演/ツアー、さらにスクエアプッシャー、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、ビビオが集結したスペシャル・パーティー『WXAXRXP DJS (ワープサーティーディージェイズ)』の開催など、『WXAXRXP (ワープサーティー)』をキーワードに、様々なイベントを行なっている〈WARP〉より、新世代のカリスマ、イヴ・トゥモアの来日が決定! 2018年の『Pitchfork』最高得点を獲得したアルバム『Safe In The Hands of Love』をひっさげての初来日公演はソールドアウト。衝撃のパフォーマンスが話題となった。それ以来1年ぶりとなる今回は、渋谷WWW にて熱狂を生んできた謎のパーティー「Neoplasia3」にジョイントし、一夜限りのライヴ・パフォーマンスを披露する。

12月14日(土)
WWW, WWWβ: Neoplasia3 - Yves Tumor -

Line up:
Yves Tumor [WARP]
and more...

OPEN / START 24:00
Early Bird@RA ¥2,000+1D
ADV ¥2,800+1D | DOOR ¥3,500+1D | U25 ¥2,500+1D
Ticket Outlet: e+ / Resident Advisor

イヴ・トゥモアは2010年頃より Teams、Bekelé Berhanu など、様々な形態の活動を行なってきたショーン・ボウイという人物の物語である。2016年9月、Bill Kouligas が運営する〈PAN〉より幻惑的でノイジーなサイバーR&Bアルバム『Serpent Music』を発表。イヴ・トゥモアというショーン・ボウイの現在のメイン・プロジェクト人格が広く知られることとなった。さらに翌2017年9月には『Experiencing The Deposit Of Faith』というコンピレーション・アルバムをセルフリリースするなど、インディペンデントな活動を行いつつ、今年30周年を迎えたエレクトロニック・ミュージックにおける最もグローバルなレーベルのひとつ〈Warp Records〉へサインした。そして2018年9月にリリースした『Safe In The Hands of Love』は、その年の『Pitchfork』最高得点9.1を獲得した。

『Safe in the Hands of Love』は、抑圧された監禁状態を知覚し、自由への衝動を暴走させる音楽 ──Pitchfork

ここには、Frank Ocean と James Blake が探ってきたものの手がかりが確かに存在するが、何よりも Yves Tumor は黒人の Radiohead という装いが、自分に合うかどうかってことを試して遊んでいるのかもしれない ──The Wire

『Safe in the Hands of Love』を聴くと、大量のロービット音を積み重ねまくった、救済の祈りで塗りたくられたような、Yves Tumor の深くムーディーな循環型の愛を受け取ることが可能だ ──Tiny Mix Tapes

祈りを思わせる霊性とグロテスクで凶暴な獣性。二重性のらせんをポップへと昇華する音楽が大爆発し、2010年代を代表する傑作との評価を得た『Safe In The Hands of Love』。ジェネラルな集合意識を弄ぶかのような、反人間的、非ルーツ的なニュー・ヴィジュアルは混乱と共感を産み出した。

2019年のイヴ・トゥモアは、クラシックなロック・ミュージックのフォーマット、とりわけグラム・ロック的なアプローチを前進させた。9月にリリースされた新曲“Applaud”において、さらにその様相は強まっている。ニューオーリンズ出身で HBA のモデルとしても知られたミステリアス・ロックンローラーで、近年のライヴのコラボレーターでもある Hirakish とLAの才人 Napolian を召喚し、ラフでハードな側面がアップデートされた。

Yves Tumor - Applaud ft. Hirakish & Napolian (Official Video)
https://youtu.be/eeQZ93f2qNw

“Applaud”のミュージック・ビデオはフランシス・F・コッポラの孫、ジア・コッポラによってディレクションされている。円環、渦をモチーフに展開される、パーティーの混乱を収めたこのビデオは、ポスター・ヴィジュアルとともに Yves Tumor 流の古典へのルネサンス的感覚を映し出した。

母体となるのは、東京地下で暗躍するDJ、speedy lee genesis が主催する Neoplasia3。また、通算20回目を迎える WWW のレジデント・シリーズ〈Local World〉がイベント・プロモーションを務める。過去に前述の Hirakish を招聘したパーティーを敢行するなど、Yves Tumor との共感覚、親和性も見逃せない。同イベントは「Prelude 2020 Version」と題した特別編として WWW と WWWβ 両フロアを解放し深夜開催される。Yves Tumor に拮抗する注目の国内アクトの発表は後日。

label: WARP RECORDS
artist: Yves Tumor
title: Safe In The Hands Of Love
release date: NOW ON SALE

国内盤CD BRC-584 ¥2,400
国内盤特典:ボーナストラック追加収録/解説・歌詞対訳冊子

TRACKLISTING
01. Faith In Nothing Except In Salvation
02. Economy of Freedom
03. Honesty
04. Noid
05. Licking an Orchid ft James K
06. Lifetime
07. Hope in Suffering (Escaping Oblivion & Overcoming Powerlessness) ft. Oxhy, Puce Mary
08. Recognizing the Enemy
09. All The Love We Have Now
10. Let The Lioness In You Flow Freely
11. Applaud (Bonus Track for Japan)

〈WARP〉30周年 WXAXRXP 特設サイトにて WXAXRXP DJS で即完したロゴTシャツ&パーカーの期間限定受注販売開始!
受付は11月30日まで。商品の発送は注文後約2週間後を予定している。また会場で販売されたアーティスト・グッズのオンライン販売 も同時スタート! 数量が限られているため、この機会をお見逃しなく。
https://www.beatink.com/wxaxrxp/

Yatta - ele-king

 やっぱり画期だったんだろう。こういうのは少し時間が経過してみないとわからないものだけど、ムーア・マザークラインといったアーティストの登場は、10年後に振り返ってみたときに、エレクトロニック・ミュージックの大いなる転換点として如実に浮かび上がってくるにちがいない。あるいはそこにアースイーターの名を加えてもいい。それぞれサウンドは異なっているが、彼女たちはみなおなじ暗い時代の空気を吸いながら、おのおのに実験を突きつめ、既存のスタイルとは異なる道筋を示そうと果敢に闘いを続けている。みずからを「digipoet(デジタル詩人)」と規定するヤッタも、その戦線に加わる者のひとりだ。
 ヤッタ・ゾーカー(Yatta Zoker)はヒューストン出身で、現在はブルックリンを拠点に活動する、シエラレオネ系のアーティストである。ムーア・マザーとおなじく2016年にファースト・アルバム『Spirit Said Yes!』を自主で発表しており、翌2017年には彼女といっしょにNYのアート・ギャラリーのイヴェントに出演。2018年にはブルックリンのバンド、アヴァ・ルナのリーダーたるカルロス・ヘルナンデスのソロ作でヴォーカルを披露する一方、やはりムーア・マザーがキュレイターを務めるケンブリッジのフェスティヴァル《ワイジング・ポリフォニック》にも参加している。どうやらふたりは深い絆で結ばれているようで、ムーア・マザーは今年8月のNTSラジオのライヴでも、アリサ・フランクリンアート・アンサンブル・オブ・シカゴ、バーリントン・リーヴィやラス・Gといったビッグ・ネームたちとともに、ヤッタの楽曲をピックアップしている。
 かくして届けられたのがこのセカンド・アルバム『Wahala』ということになるわけだが、本作ではとにかく、ひたすら、えんえん、声の実験が続いていく。 まずはポエトリーや合成音声、チベットの聲明などがせわしなく駆け抜ける冒頭“A Lie”を聴いていただきたいが、アルバム全体をとおしてじつにさまざまな音声が狂宴を繰り広げている。背後でコラージュされる種々の電子音や生楽器、具体音も聴きどころで、アースイーターの参加する“Rollin”や聖俗入り乱れる“Shine”など、すばらしい音響を聞かせてくれる。

 タイトルの「Wahala」は、シエラレオネのクリオ語で「困難」や「問題」を意味する。このアルバムの制作はまず、躁や鬱について詩を書くことからはじめられたそうで、そんなふうにメンタル・イルネスが主題のひとつになっているところなんかは、きわめて今日的である。たとえば“Blues”では「わたしはブルーズをうまく歌う/そうする必要があるから/ここは地獄だから」と歌われているが、忘れてはならないのはそれが性や人種の問題と結びついている点だ。レーベルのインフォに掲げられている「ブラックであること、トランスであること、そして異邦の地でアフリカンであること」というヤッタのことばは、個人のメンタル・イルネスが社会的、歴史的、政治的なファクターに起因するものであることをほのめかしている。日本では精神疾患や鬱が個人の問題として処理されてしまうきらいがあるけれども、じっさいのところ「地獄」はむしろ、当人の外部からこそもたらされるのだ。
 もっとも注目すべきは、シングル化された“Cowboys”だろう。例によってさまざまな音声がコラージュされていくなかで、ヤッタはずばり、「カウボーイはブラックだ」と歌っている。ようするに同郷のソランジュや、あるいは今年尋常じゃないバズり方をみせている“Old Town Road”のリル・ナズ・X同様、ブラックがカウボーイの姿に扮する「イーハー・アジェンダ(Yeehaw Agenda)」のムーヴメントに乗っかっているわけだけど、それ以上に重要なのは後続のフレーズで、ヤッタは抑制を効かせながら「テクノもそう、テクノも、テクノも」と声をしぼり出していく。ここでデトロイトが念頭に置かれているのはほぼ間違いない。じっさい後半の“Galaxies”や、ムーア・マザーがラジオでとりあげた“Underwater, Now”といった曲のタイトルは、いやでも G2G やドレクシアを想起させる。
 鬱やカウボーイといったポップ・ミュージックのトレンドに反応しつつも、ヤッタは、けっして資本のど真ん中を狙ったり、ネットでウケるためにあれこれ画策したりしない。むしろ、徹底的にアンダーグラウンドを志向している。それはやはり根底に、「黒いテクノ」にたいするリスペクトが横たわっているからではないだろうか。

 ところで『The Wire』のインタヴューによれば、ヤッタは本作に着手したのとおなじころ、カントリー歌手シャナイア・トゥエインのヒット・ソング(彼氏の浮気に悶々とする内容で、MVには白人のカウボーイが多数登場)を聴き返したことで、みずからのマスキュリニティを無視できなくなってしまい、そこで自分がノンバイナリであることを理解したらしい。「ヤッタ」と繰り返すことでなんとかここまで回避してきたけれど、単数形の「they」って日本語でどう表現したらいいんだろう?

FKA Twigs - ele-king

 2010年にデビューし、ブライアン・イーノパティ・スミス以来の逸材と絶賛されたアンナ・カルヴィは、4年後、「EP2」に収録されていたFKAトゥイッグスの“Papi Pacify”(https://www.youtube.com/watch?v=OydK91JjFOw)をカヴァーしている。カルヴィはなるほどパティ・スミスを思わせる堂々とした歌いっぷりで、カントリー色が強く、“Papi Pacify”もスケール感を持たせた仕上がりとなっている(https://www.youtube.com/watch?v=ljI6eLcGyzw)。トゥイッグスとカルヴィの“Papi Pacify”を聴き比べてみると、その違いは歴然で、密室的な響きを重視するトゥイッグスにはヨーロッパ的な美と官能が横溢し、カルヴィのそれは対照的にドライでパワフル、それこそアメリカ的な解放感そのものである。そこは見事に変換されている(トゥイッグスをアメリカ的な空間概念に放り込んだスパイク・ジョーンズのCM「ホームパッド」はまるでわかってねーなー)。「Pacify」には「宥める」という意味があり、トゥイッグスが触感でそれを達成しようとするのに対し、カルヴィにはまったく色気がなく、風に吹かれるなど自然の摂理として同じ効果を期待させているといえばいいだろうか(“Papi Pacify”のカヴァーが収録されたEP「Strange Weather」にはデヴィッド・ボウイとのデュエットやカヴァーも)。

 FKAトゥイッグスの美と官能は何に由来するのか。ひとつには彼女の音楽的バックボーンがインダストリアル・ミュージックと近しいことにあるだろう。これまで僕がトゥイッグスについて書いたことを簡単にまとめると、それは「スクリュードされた賛美歌」だということで、何度も書いてきたことだけれど、ショスターコヴィッチがインダストリアル・ミュージックの元祖だと思っている僕にとってインダストリアル・ミュージックもモダン・クラシカルもポピュラー・ミュージックの場面では大差なく(ポスト・クラシカルと呼ぶのは日本だけ)、大きくいえば拘束の美学に貫かれ、とくにインダストリアル・ミュージックは機械文明のなかで疎外された肉体を誇張して表現してきた歴史があり、官能性はまさにその中心をなす理念といえる。トゥイッグスのヴィデオから音を消してデムダイク・ステアエンプティセットを流してもまったく違和感がなく、トゥイッグスのヴィジュアル表現がインダストリアル・ミュージックそのものだということはすぐに理解できるだろう。インダストリアル・ミュージックが前衛や回顧も含めて2017年にピークに達したということはスロッビン・グリッスルの再発評でも書いた通りで、明らかに2010年代の音楽的な屋台骨をなし、様々に分岐していった一本の小枝がトゥイッグスだったのである(なんて)。とくにアルカとの関係は興味深く、アルカのサウンドを覆う表面的なインダストリアル・テイストではなく、その根底にあるアーサー・ラッセルのスタティックな音楽性はトゥイッグスとアルカをこれ以上ないというほど強く結びつけた感がある。『MAGDALENE』ではアルカはブルガリアン・ヴォイスをサンプリングした“Holy Terrain”のヴォーカルをいじり、プログラムを手掛けた以上の関係ではないけれど、『LP1』(14)で構築されたモードから大きく逸脱することはないという意味で、やはりアルカが与えた指標には大きなものがあるだろう。『MAGDALENE』をつくっていた時期にトゥイッグスがアーサー・ラッセルばかり聴いていたというのもアルカの向こう側にあるものに興味を持ったからではないかと僕は邪推する。“Holy Terrain”はまた、プロデュースでスクリレックスが関わっていることにも驚かされる。

 とはいえ、『MAGDALENE』を生み出す大きな立役者となったのはニコラス・ジャーだという。全体をコントロールしているのはトゥイッグスだけれど、彼女のなかにあったものを引っ張り出してくれたのはジャーの手腕によるところが大きいとトゥイッグスはオフィシャル・インタヴューで強調している。ジャーが関わっていないのは前出の“Holy Terrain”とダニエル・ロパティン(OPN)&モーション・グラフィックスとの“Daybed”だけで、プロデュースに参加していない曲でもジャーはドラムやパーカッションを叩くなど、なんらかのかたちでほとんどの曲に関わっている。ジャーによる2016年のサード・アルバム『Sirens』にはどことなく賛美歌めいた曲もあり、官能性からはほど遠いものの、「Pacify」という感覚を敷衍するという意味でモダン・クラシカルの文脈を共有することができたということなのだろう。ジャーにしても『MAGDALENE』は大きな飛躍を意味したに違いない。それはモダン・クラシカルが主に再生産している18世紀のロマン主義における両義性というものだったのでははないだろうか──彼の新作を聴いてみなければわからないけれど(“Papi Pacify”のカヴァーを含むアンナ・カルヴィのEP「Strange Weather」にはスーサイド“Ghost Rider”のカヴァーが収録され、『Sirens』にもこれに通じるような“Three Sides of Nazaret”だったり、なぜかロックンロールの痕跡が散りばめられている)。

 オフィシャル・インタヴューでトゥイッグスは気になることを語っている。18世紀のドレスとストリート・ファッションのミックスに興味があるというのである(これを聞いてのけぞらないパンク世代はいないだろう。パンク以降、ヴィヴィアン・ウエストウッドとマルカム・マクラーレンはバック・トゥー・ヴィクトリアに向かった前者とBボーイ・ファッションに入れ込んだ後者に分かれて敵対し、ウエストウッドは「Bボーイ・ファッションは低脳」とまで罵っていたのだから)。18世紀のドレスとモダン・クラシカルが掘り起こす18世紀のロマン主義。それらをヨーロッパにおける伝統回帰の範疇として捉え直すと、2010年代のもう一方のトレンドであるワールド・ミュージックの掘り起こしとは、ある意味、同じことを並行してやっているという印象を持ってしまう。ヨーロッパの伝統とアフリカの伝統。どちらにもアイデンティティが契機としてあり、悪くすれば移民排斥の原動力にもなりかねない(南アフリカでは周辺国からの移民が殺される事件が相次ぎ、移民が引き揚げていく現象が起きている)。それぞれの回帰作業を横断してしまうこと。これがトゥイッグスの音楽を特別なものにしているのではないだろうか。「スクリュードされた賛美歌」というのはそういう意味である。ボディ・ミュージックをファンクでねじ伏せたジェフ・ミルズと大枠でやっていることは同じというか。

 ロマン主義とはまた、神の不在が意識された時代でもある。タイトルの由来となった「マグダラのマリア」についてトゥイッグスは、これまで「罪深い女」だとされてきたマグダラのマリアの評価が変わってきたことをあげている。マグダラのマリアには子どもの頃から興味があり、とくに「罪深い女」であり「聖女」でもあるという二面性に惹かれてきたと彼女は続けている。これと同じことをマーティン・スコセッシが1988年に映画化した『最後の誘惑』の原作者ニコス・カザンザキスもイエス・キリストについて述べている。「極めて人間的なものと超人間的なものの両面性を持っていた。キリストのこの二元性は私にとって以前から尽きぬ謎であった」(映画字幕より)。『最後の誘惑』はそして、キリストが磔にならず、マグダラのマリアと結婚して幸せな家庭を営みかけるというアナザー・ストーリーを構築する。そうでなくともキリストを当時、イスラエルにはごろごろいた革命家のひとりとして荒くれ者のように描いた同作は、キリスト教右翼が勢力を伸ばしていたアメリカ各地でボイコットに会い、上映禁止に追い込まれてしまうものの、『聖書』にはマリアとイエスが「結婚していない」という記述は見つからず、少なからずの支持者を得た考え方となり、キリストとその信者の結びつきを考える上ではユニークなアプローチをなしていることは否めない。マグダラのマリアが同じように評価を変えているとしたら、例えば僕にはコージー・ファニ・トゥッティがストリップをやっていたことについて自伝で肯定的に語っていることや、チッチョリーナやサーシャ・グレイといったストリッパーたちが広い意味で文化的に、あるいは政治的にも活躍してきた時代背景との関連を考えずにはいられない。コージー・ファニ・トゥッティもそうだし、マドンナが『ワンダーラスト』(08)でポール・ダンスに寄せていた思いはとても複雑なものに感じられ、“Cellophane”のヴィデオ(https://www.youtube.com/watch?v=YkLjqFpBh84)でトゥイッグスがポール・ダンスを題材に選んだことは(彼女にはマドンナやムツミ・カナモリが性を売って乗り越えなければならなかったハードルはなかったはずだけれど)、そうした歴史の延長上にある表現だったといえるだろう。ジミー・ファロンの「レイト・ナイト・ショー」でトゥイッグスが踊るポール・ダンス(https://www.youtube.com/watch?v=yRyrvdB_3lQ)はまさに息を呑むような美しさであった(それにしても相当な腕の力ですよね、これは)。

 インダストリアル・ミュージックがダンスホールと結びつき、トゥイッグスの横断性に習ったのが2016年。あれから3年が経ち、イキノックスと結びついたロウ・ジャックがヴァチカン・シャドウにもダブをやらせてしまった(https://www.youtube.com/watch?v=BqiRpPZU7V4)。これをファッション・トレンドと呼ばずして何を?

Adrian Sherwood, Roots Of Beat & Exotico De Lago - ele-king

 いよいよ来週末に迫ったエイドリアン・シャーウッドの来日公演、その詳細が発表されました。いや、これがびっくりするほど濃い内容なのです。オーディオ・アクティヴおよびドライ&ヘヴィのメンバーからなる一夜限りのバンド ROOTS OF BEAT と、エイドリアンが惚れこんでいるという長久保寛之率いるバンド、エキゾティコ・デ・ラゴの出演が決定、彼らのライヴをその場でエイドリアンがダブ・ミックスします。エイドリアン本人はというと、リー・ペリーの素晴らしい新作およびこれまでの数々の名作をダブ・ミックス。こりゃもう最初から最後までずっとステージに張りつくしかないですな。11月22日、渋谷 WWW は深い深いダブの海へと沈む……!!

[11月14日追記]
 エイドリアン・シャーウッドが、今年4月にリリースされたリー・“スクラッチ”・ペリーのアルバム『Rainford』収録の“Makumba Rock”を、マルチトラック音源を用いて自身のスタジオでダブ・ミックス。その様子を捉えた映像がユーチューブで公開されています。ライヴではどんな感じになるのやら、楽しみですね。

ADRIAN SHERWOOD来日公演

ON-U SOUND、UKアンダーグラウンド・シーンの首領エイドリアン・シャーウッド来日公演開催間近!
オーディオ・アクティブ、ドライ&ヘビーのメンバーを中心に集結した一夜限りのスペシャルバンド “ROOTS OF BEAT” の出演も決定!
リー・スクラッチ・ペリーの名曲群をセッション&エイドリアンの生ダブMIX!!
狂気の音像を大爆音で体感せよ!

刺激的なダブミックスを武器にそのレフトフィールドなサウンドで、音楽シーンに多大な影響を及ぼして来た伝説的プロデューサー、エイドリアン・シャーウッドの来日公演がいよいよ来週金曜日、11月22日に迫る!

『Time Boom X The Upsetter Dub Sessions』と名付けられた今回のイベントでは、UKダブのゴッドファーザー:エイドリアン・シャーウッドが、オリジナルのマルチトラックやマスター音源を用いて、エイドリアンとリー・ペリーとの名盤『Time Boom X De Devil Dead』『From The Secret Laboratory』から『The Mighty Upsetter』『Dubsetter』『Rainford』 そして最新作『Heavy Rain』、さらにはリー・ペリーの伝説のスタジオ〈Upsetter Productions〉や〈Black Ark〉のアーカイブにまで潜り込み、ライブ・ダブ・ミックスを行う。さらに、エイドリアン自らの指名で、長久保寛之を中心にヴィンテージな質感とレイドバックした空気感、そして、ストレンジでムーディーなサウンドを展開するバンド、エキゾティコ・デ・ラゴも出演し、エイドリアンによるダブ・ミックスが行われることが決定している。そして新たに、〈ON-U SOUND〉の遺伝子を受け継ぎ日本のレゲエ/ダブ・シーンを牽引してきたオーディオ・アクティブ、ドライ&ヘビーのメンバーを中心に今回のために集結したスペシャル・バンド “ROOTS OF BEAT” の出演も決定! 珠玉のリー・ペリー・クラシックを生演奏し、エイドリアンがダブ・ミックスするという特別セットを披露!!

ダブに浸り、目の前で繰り広げられる仰天の神業ダブミックスに圧倒される夜。見逃せない体験となるだろう。来場者には、特典として、エイドリアン・シャーウッドが今回のために録り下ろした特典 MIX CD をプレゼント!

同日には今年4月にリリースされ各所から大絶賛されているリー・スクラッチ・ペリーのアルバム『Rainford』にブライアン・イーノやヴィン・ゴードンらゲストが加わり、エイドリアン・シャーウッドがダブ・ヴァージョンに再構築した『Heavy Rain』が日本先行リリース!

神業仰天生ダブMIX3本勝負!!

MIX 1 - EXOTICO DE LAGO - Live Dub Mixed by ADRIAN SHERWOOD
エイドリアンのお気に入り邦バンド、エキゾティコ・デ・ラゴの奇妙でムーディーなライブをダブミックス!

MIX 2 - ADRIAN SHERWOOD: Diving into Original Multi-Tracks
エイドリアンとリー・ペリーとの大名盤『Time Boom X De Devil Dead』『From The Secret Laboratory』から『The Mighty Upsetter』『Dubsetter』『Rainford』 そして最新作『Heavy Rain』まで、エイドリアンが手掛けた数々のリー・ペリー作品をマルチトラック音源を用いてダブミックス!

MIX 3 - ROOTS OF BEAT plays LEE ‘SCRATCH' PERRY Classics - Live Dub Mixed by ADRIAN SHERWOOD
オーディオ・アクティブやドライ&ヘビーのメンバーを中心に ROOTS OF BEAT としてこの日のためにスペシャル・バンドを結成! 珠玉のリー・ペリー・クラシックを、生演奏で再現! そしてエイドリアンのダブミックスが炸裂!
参加メンバー:七尾茂大、河西裕之、外池満広、Master PATA、ANNA OZAWA、ASSAN、Inatch

ADRIAN SHERWOOD
Time Boom X The Upsetter Dub Sessions

MIX 1 - EXOTICO DE LAGO - Live Dub Mixed by ADRIAN SHERWOOD
MIX 2 - ADRIAN SHERWOOD: Diving into Original Multi-Tracks
MIX 3 - ROOTS OF BEAT plays LEE ‘SCRATCH' PERRY Classics - Live Dub Mixed by ADRIAN SHERWOOD

2019.11.22 Fri WWW X
Ticket Adv.:¥5,800
Open 18:00 / Start 18:30

ADRIAN SHERWOOD
ポストパンク、ダブ、インダストリアル、パンキー・レゲエ、ファンク、エレクトロ……80年代から90年代にかけて確立したそのレフトフィールドなサウンドを通して、後の音楽史に多大な影響を及ぼした伝説的プロデューサー。マーク・スチュワート、ザ・スリッツ、マキシマム・ジョイ、ザ・フォール、アフリカン・ヘッド・チャージ、プライマル・スクリーム、ナイン・インチ・ネイルズ、ニュー・エイジ・ステッパーズ、デペッシュ・モード等々……時代やジャンルを跨ぎ様々なアーティストたちの楽曲を手掛け、同時にイギリスでもっとも先鋭的なレゲエ〜ダブを送り出してきたレーベル〈ON-U SOUND〉の総帥としてUKダブ・シーンを常に牽引、近年では〈Tectonic〉を主宰するピンチとのユニット、シャーウッド&ピンチとしても空間芸術と称されるサウンドを進化させている。

EXOTICO DE LAGO
2012年にアルバム『ROCKS "EXOTICA" STEADY』を発表した長久保寛之。その長久保を中心に、彼が選び抜いたメンバーと共に活動を開始したエキゾチカ・バンド。ヴィンテージな質感とレイドバックした空気感、そして、ストレンジでムーディーなサウンドで「ここではないどこか」を探し続ける音楽家たちが“EXOTICA”をキーワードに様々な音楽を飲み込んでゆく。

label: On-U Sound / Beat Records
artist: Lee "Scratch" Perry
title: Heavy Rain
release date: 2019.11.22 FRI ON SALE
日本先行リリース!

国内盤CD BRC-620 ¥2,400+税
国内盤CD+Tシャツ BRC-620T ¥5,500+税
限定盤LP(シルバーディスク) ONULP145X

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=10538

TRACKLIST
01. Intro - Music Shall Echo
02. Here Come The Warm Dreads
03. Rattling Bones And Crowns
04. Mindworker
05. Enlightened
06. Hooligan Hank
07. Crickets In Moonlight
08. Space Craft
09. Dreams Come True
10. Above And Beyond
11. Heavy Rainford
12. Outro - Wisdom
13. Drown Satan (Bonus Track for Japan)

label: On-U Sound / Beat Records
artist: Lee "Scratch" Perry
title: Rainford
release date: 2019.04.26 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-596 ¥2,400+税
国内盤CD+Tシャツ BRC-596T ¥5,500+税
限定盤LP(ゴールドディスク) ONULP144X ¥OPEN

TRACKLISTING
01. Cricket on the Moon
02. Run Evil Spirit
03. Let it Rain
04. House Of Angels
05. Makumba Rock
06. African Starship
07. Kill Them Dreams Money Worshippers
08. Children Of The Light
09. Heaven and Hell (Bonus Track for Japan)
10. Autobiography Of The Upsetter

Hair Stylistics - ele-king

 祝15周年ということでしょう、2004年に細野晴臣の〈daisyworld discs〉からリリースされたヘア・スタイリスティックスのファースト・アルバム『Custom Cock Confused Death』(タイトルを略すと「CCCD」)が、なんと、初めてヴァイナルでリリースされます。紙エレ夏号の「エレキングが選ぶ邦楽100枚のアルバム」にも選出した名作ですが(同号には中原昌也のインタヴューも掲載)、今回アートワークも刷新され、グレイ・ヴァイナル&ゲイトフォールドという豪華な仕様になっている模様。発売は12月13日です。

Hair Stylistics による2004年の名作が、15年越しに数量限定で初アナログ化!

中原昌也(ex.暴力温泉芸者)によるソロ・ユニット Hair Stylistics のファースト・アルバム『Custom Cock Confused Death』がアートワークを一新し、グレイ・ヴァイナル、ゲートフォールド・ジャケットの豪華仕様で2LP化です!

2004年に細野晴臣主宰のレーベル〈daisyworld discs〉よりリリースされた、日本のアンダーグラウンド・シーンを象徴する怪盤が、15年の時を経てついにアナログ化です。

不穏なSEと呻き声に潰れたブギーなベースラインが絡む、“Juicy Fruit”を闇鍋で煮詰めたようなアブストラクト・サイケ・ダブ“UNDERHAIR WORLD”。野太く凶悪なブリブリのシンセ・ベースに動物の鳴き声や雑音が挿入される、熱帯雨林を抜けスラムに迷い込んだかのようなスカム/ミニマル・アシッド“KILL THE ANIMALS PROJECT”。チープなリズム・マシーンに反復するベースライン、脳髄に浸食するようなクニュクニュと鳴るシンセ、時折差し込まれるジャジーなギターが不思議とレイドバックした感覚を起こさせる、ルードでアヴァンギャルドなチル・ナンバー“TIRED”など、全21曲を収録。

ノイズ、アヴァンギャルド、ヒップホップ、ダブ、テクノなどあらゆる音楽的要素を溶解させ、猥雑かつ緻密に再構築した、クラブ・ミュージック的視点でも再評価されるべき名作です。今回のアナログ化にあたりアートワークを一新、国内外で活躍する写真家、赤木楠平が手掛けています。

■リリース情報
Hair Stylistics
Custom Cock Confused Death』(2LP)
発売日:2019年12月13日(金)
価格:3,900円+税
レーベル:TANG DENG Co.
品番:TDLP3993
形態:2LP

収録曲:

Side-A
1. THE EXCITING INTRODUCTION
2. UNDERHAIR WORLD
3. 3
4. DOOMED LOVE PARADE
5. ORGANIC ORGASM

Side-B
1. 6
2. WOMAN
3. 8
4. THE SPECIAL
5. 11

Side-C
1. 10
2. 12
3. SPANISH 808
4. 14
5. I LIKE PERCUSSION
6. 16

Side-D
1. KILL THE ANIMALS PROJECT
2. THE PERFECT BONGO SESSIONS
3. A TRAGEDY OF THE ESPRESSO MACHINE
4. 20
5. TIRED

■JET SET Online Shop にて予約受付中
https://www.jetsetrecords.net/814005682359/

Danny Brown - ele-king

 11月22日にリリースされるニュー・アルバム『uknowhatimsayin¿』の話題で持ちきりのダニー・ブラウンが、同作より新曲“Best Life”のMVを公開。トラックのプロデューサーは、アルバム全体のエグゼクティヴ・プロデューサーを務めるQティップで、ヴィデオのほうは映像作家のオーガスティン・ヴィータが手がけている。アルバムの詳細は下記より。

[11月14日追記]
 ダニー・ブラウンが上述“Best Life”をアメリカの人気TV番組『The Tonight Show with Jimmy Fallon』で披露しています。ユーチューブにて映像が公開中です。

[2020年2月4日追記]
 好評のアルバム『uknowhatimsayin¿』から、新たに“3 Tearz”のMVが公開されました。監督は、レディオヘッドやバトルズのMVを手がけるコリン・リード。ファンたちが撮影した映像をじつにスタイリッシュに仕上げ直しています。ちなみにフィーチャーされているのは、なぜか日本ではぜんぜん評価されていないラン・ザ・ジュエルズ。彼らの功績の一部についてはこちらの対談をぜひお読みください。また、ダニー・ブラウン新作のレヴューはこちらから。

DANNY BROWN
待望のNEWアルバム 『UKNOWHATIMSAYIN¿』から
Qティップ・プロデュース曲“BEST LIFE”の最新MVを公開!

異彩を放ち続ける人気ラッパー、ダニー・ブラウンが、11月22日発売の最新アルバム『uknowhatimsayin¿』から、アルバムのエグゼクティヴ・プロデューサーも務めるア・トライブ・コールド・クエストのQティップが手がけた楽曲“Best Life”のミュージック・ビデオが新たに解禁された。今やデトロイトのアイコンとなったダニー・ブラウンの魅力が詰まったビデオは、映像作家オーガスティン・ヴィータが手がけている。

Danny Brown - Best Life (Official Video)
https://youtu.be/Ov_0M5OxbZM

この10年で最も革新的なラップ・スタイルを確立させ、アグレッシヴで実験的なヨーロッパ寄りのダンス・ミュージックと、顔面をガツンとやられるようなUSのストリート・ラップを橋渡しできる唯一無二の存在として、ビートメイキングには人一倍こだわりを持つダニー・ブラウン。今作では超大物Qティップとタッグを組んでいる他、外部プロデューサーとして、フライング・ロータス、ジェイペグマフィア、スタンディング・オン・ザ・コーナー、そして長年のパートナーでもあるポール・ホワイトが名を連ねている。またゲストとしてラン・ザ・ジュエルズ、オーボンジェイアー、ジェイペグマフィア、ブラッド・オレンジがフィーチャーされるなど、今年最も注目を集めているヒップホップ作品として賞賛を浴びている。

ダニー・ブラウン待望の最新アルバム『uknowhatimsayin¿』は11月22日(金)にリリース! 国内盤には歌詞解説と解説書が封入される。また数量限定でオリジナルTシャツとのセット販売も決定。

『uknowhatimsayin¿』は、ブラウンのルーツに基づくヒーロー的存在感とドキュメンタリー作家としての繊細な感覚、悲劇と喜劇、虚勢と自己嘲笑の高度なバランス感覚を保つことに成功している。本作は彼の過去作品よりも短いが、誰もが真似できない領域に達している。5枚目のアルバムをリリースした今でも、少ない言葉で素晴らしいストーリーを語ることのできる類まれな存在であることを証明し続けている。 ──ROLLING STONE

ダニー・ブラウンは、この10年で最も偉大なラッパーの一人であり続け、彼の冒険的な耳と狂気に満ちたユーモアは、4枚のアルバムと参加曲で証明されてきた。彼の最新アルバムは、馴染みのテーマをまったく新しいアプローチで表現した傑作だ。 ──VIBE

今作は作家性の強いアルバムだ。刺激的なフレーズと、ゾッとする一瞬、そして最高に笑える瞬間に満ち溢れている。 ──WALL STREET JOURNAL

『uknowhatimsayin¿』はダニー・ブラウン史上最高のラップ作品だ。 ──COMPLEX

才能溢れるラッパーがどうでもいい話をし、ストーリーを語り、自身の才能を見せびらかしている。つまり、くだらない冗談のために、複雑に織り合わさったサウンドを追求し、ラップのサウンドスケープを誰よりも形作ってきた男による最高のラップ作品なのだ。 ──STEREOGUM

5枚目となるこのアルバムで、Qティップをエグゼクティヴ・プロデューサーに招き、ヒップホップの伝統を継承しつつ、今最も発明的で多角的なラッパーであることを証明している。 ──PITCHFORK

label: Warp Records / Beat Records
artist: Danny Brown
title: uknowhatimsayin¿
release date: 2019.11.22 FRI ON SALE

国内盤CD BRC-617 ¥2,200+税
国内盤特典:歌詞対訳/解説書封入

国内盤CD+Tシャツ BRC-617T ¥5,500+税

TRACKLIST
01. Change Up
02. Theme Song
03. Dirty Laundry
04. 3 Tearz (feat. Run The Jewels)
05. Belly of The Beast (feat. Obongjayar)
06. Savage Nomad
07. Best Life
08. uknowhatimsayin¿ (feat. Obongjayar)
09. Negro Spiritual (feat. JPEGMAFIA)
10. Shine (feat. Blood Orange)
11. Combat

〈WARP〉30周年 WXAXRXP 特設サイトにて WXAXRXP DJS で即完したロゴTシャツ&パーカーの期間限定受注販売開始!
受付は11月30日まで。商品の発送は注文後約2週間後を予定している。また会場で販売されたアーティストグッズのオンライン販売も同時スタート!数量が限られているため、この機会をお見逃しなく。
https://www.beatink.com/wxaxrxp/

NITRODAY × betcover!! - ele-king

 昨年ファースト・アルバム『マシン・ザ・ヤング』をリリースし、去る10月にミニ・アルバム『少年たちの予感』を発売したばかりの新世代オルタナティヴ・ロック・バンド、ニトロデイが盟友 betcover!! とともにリリース・ツアーを開催。最終日となる11月21日(木)渋谷 WWW 公演には、『少年たちの予感』収録曲“ブラックホール”にフィーチャーされていた ninoheon がゲストとして参加する。平均年齢20歳だというニトロデイ、そのフレッシュな息吹を思うぞんぶん体感しよう。

Local X9 World Hyperdub 15th - ele-king

 いろんな“周年”企画がひしめく2019年ですが、UKアンダーグラウンドの雄〈Hyperdub〉も今年で15周年を迎えます。つねに尖った試みを続けている同レーベルがなんと、これまた尖ったパーティを企画し続けている渋谷 WWW の《Local World》と手を組み、12月に来日ショウケースを開催します!
 ボスのコード9はもちろんのこと、彼とともに昨年ロンドンで加速主義がテーマのインスタレイションを展開したローレンス・レック(髙橋勇人による論考が『現代思想』6月号に掲載)、まもなく新作がリリースされるドゥーン・カンダことジェシー・カンダに、こちらもまもなく新作EPがリリースされるナザール(ベリアルとコード9のミックスにも収録されていましたね)など、計6組が一気にやってきます。これはスルー厳禁な案件です。

 なお、先日お伝えしたベリアルのコンピレイションですが、めでたく日本盤もリリースされることになりました。くわしくは下記より。

[11月27日追記]
 本日、同イヴェントのフル・ラインナップが発表されました。すでに決定していた6人に加え、日本から Quarta 330、Foodman、DJ Fulltono、Mars89 の4人が参加します。これは最高の面子です。ヤヴァい夜になりそうですね。

Hyperdub

Kode9 率いる〈Hyperdub〉の15周年パーティーが "Local X9 World Hyperdub 15th" として WWW にて12月7日(土)に開催決定!
また、孤高の天才 Burial が歩んだテン年代を網羅したコレクション・アルバムが国内流通仕様盤CDとして12月6日(金)に発売決定!

00年代初期よりサウス・ロンドン発祥のダブステップ/グライムに始まり、サウンドシステム・カルチャーに根付くUKベース・ミュージックの核“ダブ”を拡張し、オルタナティブなストリート・ミュージックを提案し続けて来た Kode9 主宰のロンドンのレーベル〈Hyperdub〉。本年15周年を迎える〈Hyperdub〉は、これまでに Burial、Laurel Halo、DJ Rashad らのヒット作を含む数々の作品をリリースし、今日のエレクトロニック・ミュージック・シーンの指標であり、同時に先鋭として飽くなき探求を続けるカッティング・エッジなレーベルとして健在している。今回のショーケースでもこれまでと同様に新世代のアーティストがラインナップされ、東京にて共振する WWW のレジデント・シリーズ〈Local World〉と共に2020年代へ向け多様な知性と肉体を宿した新たなるハイパー(越境)の領域へと踏み入れる。

Local X9 World Hyperdub 15th

2019/12/07 sat at WWW / WWWβ
OPEN / START 23:30
Early Bird ¥2,000@RA
ADV ¥2,800@RA / DOOR ¥3,500 / U23 ¥2,500

Kode9 x Lawrence Lek
Doon Kanda
Nazar
Shannen SP
Silvia Kastel

Quarta 330 [11/27追記]
Foodman [11/27追記]
DJ Fulltono [11/27追記]
Mars89 [11/27追記]

今回のショーケースでは、Kode9 がDJに加えシミュレーション・アーティスト Lawrence Lek とのコラボレーションとなる日本初のA/Vライブ・セットを披露。そして最新アルバム『Labyrinth』が11月下旬にリリースを控える Doon Kanda、デビュー・アルバムが来年初頭にリリース予定のアンゴラのアーティスト Nazar、そしてNTSラジオにて番組をホストする〈Hyperdub〉のレジデント Shannen SP とその友人でもあるイタリア人アーティスト Silvia Kastel の計6人が出演する。

BURIAL 『TUNES 2011-2019』

Burial の久しぶりのCDリリースとなる『TUNES 2011-2019』が帯・解説付きの国内流通仕様盤CDとしてイベント前日の12月6日にリリース決定!

2006年のデビュー・アルバム『Burial』、翌年のセカンド・アルバム『Untrue』というふたつの金字塔を打ち立て、未だにその正体や素性が不明ながらも、その圧倒的なまでにオリジナルなサウンドでUKガラージ、ダブステップ、ひいてはクラブ・ミュージックの範疇を超えてゼロ年代を代表するアーティストのひとりとして大きなインパクトを残したBurial。

沈黙を続けた天才は新たなディケイドに突入すると2011年にEP作品『Street Halo』で復活を果たし、サード・アルバム発表への期待が高まるもその後はEPやシングルのリリースを突発的に続け、『Untrue』以降の新たな表現を模索し続けた。本作はテン年代にブリアルが〈Hyperdub〉に残した足取りを網羅したコレクション・アルバムで、自ら築き上げたポスト・ダブステップの解体、トラックの尺や展開からの解放を求め、リスナーとともに未体験ゾーンへと歩を進めた初CD化音源6曲を含む全17曲150分を2枚組CDに収録。

性急な4/4ビートでディープなハウス・モードを提示した“Street Halo”や“Loner”から、自らの世界観をセルフ・コラージュした11分にも及ぶ“Kindred”、よりビートに縛られないエモーショナルなス トーリーを展開する“Rival Dealer”、史上屈指の陽光アンビエンスが降り注ぐ“Truant”、テン年代のブリアルを代表する人気曲“Come Down To Us”、そして最新シングル“State Forest”に代表される近年の埋葬系アンビエント・トラックまで孤高の天才による神出鬼没のピース達は意図ある曲順に並べ替えられ、ひとつの大きな抒情詩としてここに完結する。

label: BEAT RECORDS / HYPERDUB
artist: Burial
title: Tunes 2011-2019
release date: 2019.12.6 FRI

Tracklisting

Disc 1
01. State Forest
02. Beachfires
03. Subtemple
04. Young Death
05. Nightmarket
06. Hiders
07. Come Down To Us
08. Claustro
09. Rival Dealer

Disc 2
01. Kindred
02. Loner
03. Ashtray Wasp
04. Rough Sleeper
05. Truant
06. Street Halo
07. Stolen Dog
08. NYC

interview with BBHF - ele-king

 2008年デビュー、2010年にはメジャーからのミニ・アルバム・リリースを経て、見る見る間に若手人気バンドとなっていったGalileo Galilei (ガリレオ・ガリレイ)。10代で登場した彼らは、地元北海道を拠点に活動を繰り広げ、同時期に国外で勃興していたインディー・ロックからの刺激を縦横に吸収し、予てより定評のあったポップネスと高い演奏力/歌唱力で、2016年には武道館公演を成功させるまでに至ったのだった。
 惜しくもそのコンサートを最期に解散した彼らだが、その後中心人物の尾崎雄貴は、ソロ・プロジェクト「warbear」としての活動と並行し、Galileo Galilei のオリジナル・メンバーとサポート・メンバーからなる新たなバンド Bird Bear Hare and Fish を結成、これまでに 1st フル・アルバムを含むリリースやライヴなどを活発に展開してきた。
 また、この7月にはバンド名を「BBHF」と改め、配信限定EP「Mirror Mirror」をリリースし、これまで以上に巧みなソングライティングとエレクトロニクス使いで、既存ファンに留まらない新たなファン層も開拓したのだった。そして来る11/13、そのEPと対となる 2nd EP、その名も「Family」がリリースされる(同発で、バンド初となる2枚のアナログ7インチ「なにもしらない」と「涙の階段」もリリース)。
 湧き出る創作意欲を反映するかのように充実のリリースを続ける彼らだが、その情熱はいったいどこからやってくるのか。これまでのバンドの変遷や音楽的興味、そしていまの時代においてフィジカルでオープンな表現をおこなうことの意義などを交えながら、リーダー尾崎雄貴にじっくりと話を訊いた。

楽器を持つ前に言葉でなんやかんやと説明しようとする人間になりかけていたんです。で、あるとき、それはよくないと思って。一種の恐怖のような気持ちです。

7月にバンド名が「BBHF」に変更されましたが、これはどういう意図があったのでしょうか?

尾崎雄貴(以下、尾崎):元の Bird Bear Hare and Fish という名義も個人的にはとても気に入っていたんですけど、単純に「長くない?」っていう意見がメンバー含めて周りにたくさんあって(笑)。

そうだったんですね(笑)。元々、各メンバーひとりひとりの愛称を並べたものなんですよね。

尾崎:はい。だから、頭文字を取っただけで意味合いは変わっていないんです。例えばクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングを、CSNY って表記するみたいなイメージですね(笑)。

元々はスティーヴン・キングの小説からバンド名を取ったと伺いました。それはどんな作品なんでしょう?

尾崎:『ダーク・タワー』っていう全7部に渡る長編小説で、彼の作品に登場する悪役全ての根源を倒しにいくっていう、トールキンの『ロード・オブ・ザ・リング』的なダーク・ファンタジーですね。彼の全モダン・ホラー作品全てと繋がっている壮大な世界観で。その作中に出てくる呪文のようなものがあるんですが、そこからバンド名を取りました。

バンド名変更と同じタイミングでメジャーを離れて、前作EPからは新たな環境でのリリースとなりました。何かそのことによる変化を実感することはありますか?

尾崎:Galileo Galilei として10代でデビューして、いろいろな活動をおこなってきたわけですけど、バンドの音楽的な姿が変化しすぎて、レーベル側も自由な活動をさせてくれていたような気はします。好きなことを勝手にできたというのもあるとは思うんですが、そのままではよくないとはもちろん思っていて。その結果、新しいスタッフとの出会いもあって、こういった形での活動に発展していった感じですね。

バンドの変化というのはどんなものだったんでしょうか? 単純に「大人になっていった」的な……?

尾崎:そうですね……それもあると思うけど、なんというか僕ら自身、バンドマンであることへのこだわりとか、バンドをひとつの形で存続させていくってことに情熱がめちゃめちゃあるわけじゃなくて。ただ「バンド」っていうものが好き、という気持ち。まあお互いが友達であり、音楽仲間として普通に好きな奴らって感じでやってきたので(笑)、その分音楽面でもコロコロと変化してきたんだと思います。

なるほど。

尾崎:そういうところがベースにありつつも、Galileo Galilei を続けていくうちに、「自分は音楽を生業にするプロなんだ」っていう覚悟と責任感を過度に背負い込んじゃうようになっていったんだと思います。そこに固執して、「これから先はバンドをこうしていかなければならない」とか、ああだこうだとインタヴューでも語っていたんですけど……いまはそこから抜け出せたなって思います。
今回のEPのリード曲“なにもしらない”の中でも歌っているんですけど、僕らはデビューが早かったこともあって、失敗もすれば成功もして、嫌な思いもすれば良い思いもたくさんしてきたという思いがあって。多分そういう経験のせいもあって、楽器を持つ前に言葉でなんやかんやと説明しようとする人間になりかけていたんです。で、あるとき、それはよくないと思って。一種の恐怖のような気持ちです。

じゃあいまは純粋に音楽を奏でるのが楽しいという感覚が戻ってきた?

尾崎:そう、単純に楽しいです。本当に喜びに満ち溢れていますよ。

そんな中、デジタル・オンリーでリリースされた前作EP「Mirror Mirror」を経て本作「Family」の制作に入っていった訳ですが……

尾崎:あ、実をいうと曲自体は今回の「Family」のものの方が、「Mirror Mirror」より先にできていたんです。

あ、そうなんですね。

尾崎:北海道で共同生活できる場所の旭川で一軒家を借りて、僕が持参したデモを元に1週間ちょっとでセッションをしながら作っていったのが「Family」なんです。で、そのあと家に帰ってからすぐ僕ひとりで作ったのが「Mirror Mirror」。だから、「Family」の方がいろんな人が関わっている分外に向いている作品と言えるかも。

かなり短期間のうちに近い時期で作られた2枚のEPなんですね。「Mirror Mirror」の特徴としてはやはりエレクトロニックな質感を全面に押し出したということですよね。それに比して「Family」はよりフィジカルで生演奏の比重が大きい。こういったコンセプト分けをおこなった理由は?

尾崎:まず、単純にバンドとして音楽的にやりたいことがとても多くて。ミュージシャンによっては、自分が好きな音楽と実際にやっていることとがセパレートされている場合もあると思うんですけど、僕らの場合は好きなものを全部詰め込みたくなってしまう(笑)。だから、アウトプット先がひとつしかないと、ぎゅっとしすぎて消化不良を起こしてしまうんです。実際これまでそういうことも多々あったんだけど、アウトプットの出口をふたつにすることで、音楽的な風通しを良くしたかったんです。

なるほど。

尾崎:今後、BBHFは必ず同時にふたつのコンセプト立てて表現するバンドになるのはどうだろう、とメンバーと話をしたんです。今回のように何か対になるものを出してもいいし、一枚の中で全く別の世界がふたつあるというアルバムを作ってもいいし。単純にそういう作業はやりがいがあって楽しい。お互いの作品がお互いの存在を前提に成り立っているような感じですね。

では、今回における2枚の対比的な関係性はどんなものなんでしょう?

尾崎:「Mirror Mirror」は虚無感を表現したかったんです。スマホなどを通した現代のコミュニケーションと生活の変化をテーマとして……。それこそ自分も当たり前のものとして日々使っているわけだし、よくあるようにそういう状況を批判的に攻撃するんじゃなくて、冷静に眺めてみたかったんです。

「Family」の方は?

尾崎:コンセプチュアルに導き出したっていうよりフィーリング的なものなんですが、「Family」については、デジタル的なものを通じた関係ではなくて、いまこうやって実際に話し合っているような肉体的なコミュニケーションとか、そこから生まれる感情を描いてみようと思ったんです。

そういったふたつのテーマの帰結として、サウンドもデジタル的なものと生のバンド・サウンド的なものに分かれたんでしょうか?

尾崎:うーん、ハッキリとその差を表現したくてそうなったっていうよりも……例えば「Mirror Mirror」の方でいえば、自分の中にある虚無のイメージが、音数の少ないリズムマシンの音だったり、そこに漂う寒々とした空気を連想させるものだったということなのかもしれません。

リリース・メディアにおいても対照的ですよね。片や配信のみ、片やCDという有体物。これもそれぞれの内容を反映した結果?

尾崎:そうです。「Mirror Mirror」の方は形を持たないものであってほしかったから。そういう部分もひっくるめて聴いてきくれた人に伝わればいいな、と思って。

そして7インチ・シングル2枚も「Family」と同時にリリースされますよね。様々なメディア形態を駆使するという部分も自身でディレクションしているんでしょうか?

尾崎:そうですね。でも、最初アナログについてのアイデアはレーベルから貰ったんですよ。

それは珍しい。アナログって一応ブームにはなっているけど、レーベル業的にはそんなに儲からないですからね……

尾崎:ははは。まあ、僕らも「アナログってかっこいいから出したいよね」とかではないんですよね。でも、レコードって存在自体は単純に素敵なものだと思うし、やっぱりミュージシャンとしても自分たちのできる限りで素敵な文化を継承していったほうが良いと思っていて。実を言うと、7インチを出すって話が決まったとき、正直「大丈夫かな……」って思ったんです。まず、僕等のファン層的に、アナログまでちゃんと買ってくれる人がいるのかな、とか。でもありがたいことにかなり反応は良いみたいで。みんなレコード・プレイヤーは持ってないけどとりあえず手に入れるぞ! とか思ってくれているのかもしれないですよね。これをきっかけにプレイヤーを買う人が出てきたら嬉しいです。

いま、ミュージシャンの多くが、プレイヤーではなくてプロデューサー的な存在になりたがっている状況があると思っていて。ただアコギをボンって渡されて「おまえいまなんかやれ」って言われたとき、一体何ができるのか考えたんです。

先程「Family」は旭川の一軒家共同生活の中で録音したとおっしゃっていましたが、具体的にはどんな環境だったんでしょうか? いわゆるレコーディング合宿的な……?

尾崎:「録るぞー」っていう合宿っていうよりは、「何ができるかわからないけどとりあえず行ってみて、デモを聴きながらみんなでやってみよう」みたいな感じでしたね。仕事っぽいノリじゃなくて、どうも気乗りしなければ「じゃあ今日はニンテンドースイッチでもやりますか」、みたいな(笑)。設備的にも、いかにもレコーディング・スタジオっていうより、倉庫をぶち抜いた撮影スタジオみたいなところで。広い部屋に何個かベッドがドドドって並んでいるような面白い空間でした。人里離れた場所にあるので、時間を気にせず音を出すことができたのも良かったですね。

じゃあ作業が終わったら毎日酒盛り?(笑)

尾崎:かなり飲みました(笑)。メンバーみんなお酒が大好きなんですよ。飲みながらお互い最近聴いている曲を紹介し合ったりするのが最高に楽しくて。

予算と時間が決まっているスタジオでは、なかなかそうはいかないですよね。都市部では難しい制作法かもしれません。

尾崎:そうだと思います。僕も以前東京に1年間住んでいたので分かりますが、都会って、きらびやかで自分のテンションを高めてくれそうな場所がたくさんあるじゃないですか。そこにいることによって、自分も大きくなったように感じさせてくれる場所。でも、北海道だと、そこから冷静に距離を置いて自分ひとりだけになるっていうのがすぐにできるんです。それが北海道のすごく好きな部分かな。今回のスタジオは特に静かなロケーションでしたね。

そうするとバンド内でのコミュニケーションもより濃いものになりそうですね。

尾崎:そうですね。すごくよく覚えているんですが、ある夜ベースの(佐孝)仁司がめちゃ僕にブチ切れてきたことがあって。僕が酔っ払ってみんなにいろんな音楽を聴かせながら理想論を語っていたんですよ。「こういう良質なものをもっと世の中に伝えるべきだ」みたいな話をしていたら、彼が、「俺らは確かにこれを良いと思うけど、世の中の多くの人は雄貴が期待しているみたいに理解してくれないよ!」って、それで僕も「お、おう」って(笑)。

熱い議論。

尾崎:多分、彼自身期待を持って失望するということを繰り返してきたから、俺に対して爆発したんだろうな、と。それがちょうど「これから具体的に曲を作っていこう」って日の前日だったんです。でもそういうやりとりがあったことはすごく良かったんです。僕もそれで考えを少し改めたところがあったし。

尾崎さんのデモからアレンジを発展させていく作業はどんな形で進められたんでしょうか?

尾崎:基本的には僕がデモを元に指示しながらバンドで合わせていくのが多いですね。それに対して、「もうちょっとこうしてみよう」とか、逆に「いまのはデモと全然違ったけど面白いからそれで行こう」とか言っていく。僕の中のイメージがみんなで演奏する中で変わっていく感じですね。僕が描いていた通りになってしまうと面白くないものができてしまうことが多くて。僕が驚くようなことをメンバーが演奏したときのほうが面白いものになったりするんです。今回の旭川の作業ではそういったことがかなりありましたね。

まさに「Mirror Mirror」と違って、メンバー感のやりとりによって生まれたアンサンブルなんですね。

尾崎:そうですね。

いま、世界的な趨勢として、ロックを含め様々なジャンルの音楽がエレクトロニックなものに接近していく流れがあると思うんです。あえていうなら、BBHFとしてもそういった路線の方へよりディープに突き進むこともできたのではないかと思っていて。

尾崎:うんうん。

さっき話してくれた「ふたつのコンセプトを立てる」ということも理由として大きかったとは思うんですが、全体的な方向としてエレクトロニックな手法を突き詰めてみる、ということに行かなかったのはなぜなんでしょう?

尾崎:これは別の取材で話していて気付いたことでもあるんですけど、いま、ミュージシャンの多くが、プレイヤーではなくてプロデューサー的な存在になりたがっている状況があると思っていて。

あ~、わかります。

尾崎:実際に僕もそうなりかけていたんですけど、あるタイミングで、さっき言った「言葉で考え過ぎている」ということと同じように、恐怖を感じたんです。本来僕はプレイヤーでありヴォーカリストであるはずなのに、どこか全体をまとめようとばかりして、むしろ演奏よりそこに喜びを見出しはじめているな、と。それは違うと思ったんです。
楽器のプレイだったり、音程をうまく取りながら歌えるようになることの重要性に立ち戻ったと言うか……。パソコンを取られてしまって、いままでやってきたバンドやキャリアもなしに、ただアコギをボンって渡されて「おまえいまなんかやれ」って言われたとき、一体何ができるのか考えたんです。そこで何もできないとなると、今後音楽家として生きていけないと……。

プリミティヴな生演奏志向に回帰するような感覚……?。

尾崎:そうですね。洋楽邦楽関係なく、パッとロックの世界を見渡したとき、ピンと来るバンドがどんどん減ってきていて、みんなプロデュース的な部分ばかりがとても上手になっている気がしていて。もっと本来いちばん胸に来るところ……そういう肉体的な感覚がすごく薄くなってきているんじゃないかと思っていて。自分たちも一時はそちらに行っていた気がするので、余計に実感として思うんです。

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家族って繋がりでもあり、癒やしでもあると同時に、縛りでもあって、ときには自分を傷つけるものでもあったりと、いろいろと形を変えるものだと思うんです。

胸に来る音楽というと、例えばどんな?

尾崎:やっぱり太く感情の芯が通っている音楽がすごく好きなんですけど、例えばブルース・スプリングスティーンは本当に素晴らしいと思う。ぱっと聴きだと彼の音楽からは伝わりづらいかもしれないけど、確実に悲しさもあって……。うーん、僕は悲しげなマッチョイズムが好きなのかも(笑)。

確かにボスはわかりやすい例ですね。

尾崎:音楽が根源的なところで持っているパワーみたいなもの、ロックで言えばヴォーカリストの喉のパワーとかを伝えていくために磨き上げていかないとダメだと思ったんです。本当はそういう身体のほとばしりみたいなことが楽しくて音楽をはじめたはずなのに、いろんな経験を通してそうじゃないことばかりにシフトしはじめてたから、ここで自制をしなきゃ、って。

いまは、評論側も聴き手側もいわゆるサウンド・クリエイター的な部分に着目しがちですしね。

尾崎:マイク選びにしても、データやスペックとか、レジェンドがこれを使っていたからとか、そういうことじゃなくて自分の耳がいいと思うかどうかだけで決めよう、と。エンジニアリング的な技術以前に、やっぱり単純に演奏の良し悪しが前提だろう、と思いますし。

「Mirror Mirror」では自身で録音とミックスをされていましたが、今回は外部スタッフにも依頼していますね。

尾崎:はい。もちろんセルフ・レコーディングも楽しいし好きなんですけど、やっぱり僕らの役割としては、曲を書いて、それをアレンジして演奏するっていう部分までであって、残りは音作りのプロに任せたいと思っているんです。
「Mirror Mirror」の場合は、さっき言った通り虚無を表現したかったので、宅録とセルフミックスをすることで音がちょっとベタッと張り付いた感じになって、その小さくまとまった感じが却ってちょうど良かったんです。でも「Family」は、ドラムも旭川とは別にデカいスタジオを借りて録ったりして。

たしかに、全体的に開放感や空間的広がりを感じました。

尾崎:そうですよね。そういうのってプラグインとかではどうしようもないものなので。最近のミュージシャンはどうしても「自分たちのスタジオでやってしまおう」となりがちだと思うんですが、僕らの場合はやっぱりなるべく大きな音を録りたいから、今後もなるべく大きなスタジオで作業をしたいなというのはありますね。お金のこともあるし、なかなか大変ではあるんですが。

今回、ミックス・エンジニアのマイク・クロッシーとクリス・チュウとはどんなやりとりをしたんでしょうか?

尾崎:データを送る段階で「こうしてほしい」というメモと、参考として僕らなりのミックス・イメージを送りました。

Galileo Galilei 時代を含め、これまで彼らに仕事を依頼してきた理由というのは何なんでしょうか?

尾崎:限定的な話になってしまいますが、僕は最終的なドラムの音でそのエンジニアの腕を判断するんです。これは暴論かもしれないですが、日本人ドラマーでただの8ビートをちゃんと味わい深く叩ける人ってあまり見たことがなくて……。でもなぜか、ドラムはじめたばかりの高校生が叩いても、海外のプレイヤーには特有の重みがあるような気がしていて。ドラムって、ゾクゾク来るくらい面白い楽器だし、しかも楽曲の軸となって歌といちばん近い部分にいるからいちばん重要だと思っているんです。だから、少しでもドラムへの意識が明確で実際に良いサウンドにしてくれる人じゃないとお願いできないなと思っているんです。その点でいうと、マイク・クロッシーは、ドラムの音が素晴らしい。キックの処理とか、確実に僕らにはわからない匠の技を効かせていると思うんです。楽曲のムードが実際にそれでガラッと変わりますからね。欧米人と我々とのリズムに対しての考え方の根本的な違いだったりするのかもしれないな、と思ったりしますね。

エンジニアリングからもそうですが、そもそもアンサンブル面でドラム・プレイはじめリズムに対してすごくシャープな意識を持っている印象を受けました。一見ポップにサラッと聴けてしまうんだけど……。

尾崎:それは僕らの軸にフリートウッド・マックの音楽があるからかもしれないですね。メンバーみんなすごく好きなんですよ。

へえ! 『噂』(1977作)とかの時期ですか? この10年くらいで急速に再評価されましたよね。

尾崎:そう。ブルース・バンドじゃなくなって以降のフリートウッド・マック。彼らはドラムの音がマジよくて。ミック・フリートウッドの巨体から叩き出される音だというのもあるし、やっぱり8ビートをおしゃれに胸に響く美味しそうなサウンドで鳴らすことができるっていうのは凄いことで。うちのバンドも、自分でまだできていないのを分かりながらも弟の和樹が苦しみつついろいろやっているんですけど。

なるほど、そう言われてみるとフリートウッド・マック的な要素、分かる気がするなあ。

尾崎:もちろん彼らはドラムだけじゃなくソングライティングやアンサンブルの面でも素晴らしいですよね。後年発売された当時のデモ音源とかも持っているんですけど、どうやって曲を書いているのかも含めてすごく参考になります。ロックやポップスど真ん中の素晴らしさが、あくまでモダンな形で僕ら世代にも分かる形でたくさん詰まっているのがフリートウッド・マックの音楽だと思っていて。元々彼らの音楽を教えてくれたのも POP ETC のクリスなんです。

悲しみを与える力っていうのも一種の力強いパワーだと思うんです。僕自身は悲しみだったり痛みだったり、もちろん歓びもぶち当てていきたい。人の顔に。それこそスプリングスティーンのように……。

今回の制作にあたって、他にこういうものを参考にした、という音楽があれば教えて下さい。

尾崎:実際に音作りの参考にしたというより、その議論の流れが影響を与えてくれたものとしては、ヒップホップをどう捉えるか、ということかもしれません。それこそいまヒップホップとロックの垣根が取っ払われてきているし、「インディー・ロック」っていう音楽的形態も溶けてなくなってしまった……。一時期はそういう流れに僕らも乗っかろうとしていたんですよ。ヒップホップそのものというより、ヒップホップの根っこにある情熱的な部分だったりブルースからの影響が好きだったし。でも、別にヒップホップで育ったわけじゃないし、リリックの世界観に共感できるというわけでもなくて。
で、それこそ旭川でのある夜にベースの仁司が言い出したんですけど、僕がヒップホップを最近盛んに聴きはじめて自分たちの音楽に果敢に取り入れようとしているのを見て、「ん?」と思っていたらしくて、「ヒップホップのサウンド・アプローチを要素としてある程度取り入れるのはいいけど、その前にそもそもお前がヒップホップじゃないじゃん」って言われて(笑)。

言いにくそうなことをズバッと(笑)。

尾崎:ははは。そういうところも含めてメンバーのことはすごく信頼してます。で、僕自身も「そうだよな」と思って。僕らの音楽を「インディー・ロック」的と自分でくくるのもイヤではあるんですが、やっぱり僕はインディー・ロックで育った世代なので……大好きなんですよね。2000年代後半から僕等と同じくらい若いバンドが続々と出てきたときのあの感じ。中でも、ボンベイ・バイシクル・クラブとか、レイト・オブ・ザ・ピアとか、何をルーツにしているのかよくわからないけど、なにかとても面白いことがはじまろうとしている感覚。みんなスタート地点が違って、実際サウンド的にもみんな違っていた。でもいまって、多くのアーティストが同じところに向かってしまっている気がして。

それこそ最新のヒップホップを取り入れる的な……。

尾崎:そう。そうやって時代に合わせてきた人がギリギリ残っている感じか、あるいは、ずっとブレずに我が道を突き進んできたバンド、それももちろん素晴らしい音楽ではあるんだけど、例えばザ・ナショナルのような人たちがいま評価されていたり。そういう二分的な状況って面白くないよなと思っていて。

ザ・1975はどうですか? トレンドを追いすぎるわけでもなく、かといってもちろん職人芸的になるわけでもない、という。

尾崎:ああ、確かに彼らは面白いですよね。

それこそザ・1975を手掛けたマイク・クロッシーがいま BBHF に絡んでいるのも納得というか。

尾崎:そうですね。

今作の「Family」というタイトルについて。「ファミリー」って、名詞としていろんな意味を持ちうるし、かなり強い言葉だと思うんです。

尾崎:はい。

これって、バンド自体のこととも取れるし、リスナーとのコミュニケーションの在り方なのかもしれないし、もしくはもっと広く社会全体への目線もあるのかもしれないな、と。どういった意味が込められているんでしょうか?

尾崎:いま挙がった中だと、社会全体についてですね。ただ、「人類皆家族です」的に風呂敷を広げているわけじゃなくて、いま僕らを社会的に取り囲んでいるもの全てという意味です。音楽の情熱を与えてくれているアイデアだったり、その原動力を与えてくれている世界全てに対しての視線を、「ファミリー」という言葉で捉えているんです。だから、必ずしもポジティヴな側面だけ、ということでもない。
たくさんの人が知っていると思いますが、家族って繋がりでもあり、癒やしでもあると同時に、縛りでもあって、ときには自分を傷つけるものでもあったりと、いろいろと形を変えるものだと思うんです。これもフィーリングを元につけたタイトルなんです。筋道立てて考えていたわけではなく、なんかピンときて。この「ファミリー」って言葉がいま最も僕らの状況を表すのにふさわしいな、と。

それでもやはり「Mirror Mirror」に比べると、明るさとか希望とか、そういったものを感じます。僕ら文化に携わっているものからすると、自由な表現などを含めていまいろんなレベルで切り崩しが起こってきている実感があって。

尾崎:そうですね。

そういう中で前向きで開かれた姿勢で自らの表現をおこなうって、なかなか胆力が必要だろうなって思ってしまうんです。

尾崎:うーん、なんだろう、僕は元来「孤独に憂う」みたいな表現をやりたくないんだと思います。そういう音楽ももちろん好きなんですけどね。でも自分はそういう人間ではなくて、やっぱりこれまで音楽を通して胸が踊る体験を与えられたので、同じことをやれたらいいなと思っています。
もしかしたらそれは歓びと同時に悲しみを与えることでもあるかも知れないけど。でも、悲しみを与える力っていうのも一種の力強いパワーだと思うんです。僕自身は悲しみだったり痛みだったり、もちろん歓びもぶち当てていきたい。人の顔に。それこそスプリングスティーンのように……。

悲しい歌詞なのに、どこか奮い立たせてくれるものがある“ボーン・イン・ザ・USA”のような……。

尾崎:まさにそうですね。

今後もふたつコンセプトを両輪にしながら活動していく予定ですか?

尾崎:はい。もしかしたらアルバムっていう作品の形じゃない部分で実践していくかもしれません。例えばライヴでも、ふたつの違ったコンセプトの公演はできると思うし、それ以外にもいろいろ面白いことをやれないかなと考えているところです。

アルバムを出して、ツアーをして、また出してツアーして、というルーティーンから離れた何か……?

尾崎:そうですね。やっぱりライヴをするにしても、もうただのレコ発ツアーっていうものはやりたくなくて。必ず僕ら自身がそのときに表現したいことの根本に沿ったライヴをやっていきたいですね。例えば、「Mirror Mirror」のツアーではジャケットに合わせて照明含めカラーを全てピンクに統一したんです。「数あるライヴの中の一回に行ったな」ってことじゃなくて、「ピンクの世界の中にいたな」っていう記憶がお客さんの脳裏に残ってくれれば、それは僕らにとってもすごく嬉しいことですね。

作品の世界としっかり繋がった経験になっていく……。

尾崎:はい。そういうことをいろんな面でやっていきたいなと思っています。

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