「Nothing」と一致するもの

Horace Andy - ele-king

 この春〈On-U〉よりリリースされた新作『Midnight Rocker』が高い評価を獲得しているホレス・アンディ。たとえば英『ガーディアン』のレヴューでは五つ星を獲得、同紙が選ぶ2022年の上半期ベストにも選出され、いちばん最初に掲げられている。
 そして朗報だ。同作の続編にあたる新作『Midnight Scorchers』が9月16日に発売されることになった。『Midnight Rocker』のオリジナル・セッションをエイドリアン・シャーウッドの「サウンドシステム」が引き継いだもので、近年の例でいえば2019年のリー・ペリー『Rainford』にたいする『Heavy Rain』のような立ち位置の作品である。現在、収録曲 “Feverish” のMVが公開中。オビつきLPやTシャツつきセットも販売されるとのことなので、早めに予約しておこう。

Horace Andy

新たなるホレス・アンディの名盤、『Midnight Rocker』の続編として、“サウンドシステム” 版となる『Midnight Scorchers』が9/16リリース!

収録曲 “Feverish” をMVと共に先行解禁!
数量限定で日本語帯付きLPやTシャツ・セットも発売!

音楽というのは素晴らしいものだ、なぜなら人に刺激を与えられるからだ。薄っぺらい音楽ではそうはいかない。心血を注ぎ、全精力を込めてこそ、スピーカーから襲い掛かってくるようなものができるんだ。そして、その時に爽快感を覚えたなら、何かが達成できたっていうことだ ──Adrian Sherwood

70年代、80年代に〈Studio One〉や〈Wackies〉などのレーベルで制作した「Skylarking」、「Money Money」他、数々の名作によって、世界中のレゲエファンから愛される存在となった伝説的シンガー、ホレス・アンディ。90年代以降はマッシヴ・アタックの作品に参加したことでレゲエ以外のシーンに衝撃を与え、彼らの全てのスタジオ・アルバムに参加、更に常に彼らのツアーを支える主要メンバーとして活躍しており、より幅広い音楽ファンを虜にし続けている。そんな彼が、エイドリアン・シャーウッドをプロデューサーにむかえて〈On-U Sound〉よりリリースした『Midnight Rocker』は新たなるホレス・アンディの名盤としてメディア、ファンから受け入れられたが、この度その「サウンドシステム」版となる『Midnight Scorchers』が9月16日にリリースされることが明らかとなった。現在、収録曲 “Feverish” がMVと共に先行解禁されている。

Horace Andy - Feverish (Official Video)
https://youtu.be/JxtGxugS4-8

ホレス・アンディは50年を越える音楽キャリアを通じて、みなに愛され続けてきた存在だが、プロデューサーのエイドリアン・シャーウッドとホレスが数年をかけて丹念に組み上げたアルバム『Midnight Rocker』は、2022年初めにリリースされ、この偉大なシンガーを現役アーティストとして第一線のど真ん中へと復帰させた。リリース以来、各方面から絶賛されてきたこの作品を、ガーディアン紙は現時点における年間アルバムのトップに挙げており、「円熟期の傑作」と激賞している。

アルバム『Midnight Scorchers』はダブ・プレート・スタイルのリラブ(ローン・レンジャーとダディー・フレディーもヴォーカルとして参加)で物語をさらにその先へと推し進めたものだ。『Rockers』のシークエンスではしっくりこなかったけれどもこの新たなセットにおいて輝くチャンスを与えられた曲、そして鮮烈なアレンジメントをリズミカルな空の旅へと離陸させてくれるフレッシュなミックスなどが含まれている。楽曲が再構築されたのと同様に、アートワークも受賞歴のあるアニメーター、ラフマーシー(ゴリラズ、アール・スウェットシャツ、トム・ヨーク)を起用し、ストリートスタイル・グラフィティ風に再構築された。ファースト・シングルの「Feverish」では、彼のサイケでカラフルな画が際立っており、ホレス・アンディの〈Studio One〉時代の名曲が鮮烈に刷新されている。

ハードコアなレゲエ・ファンは無論のこと、全音楽愛好家必聴の作品『Midnight Scorchers』は9月16日にCD、数量限定のCD/LP+Tシャツセット、LP、デジタルでリリース! 国内盤CDには解説が封入され、ボーナストラックが収録される。LPは日本語帯付き仕様の限定盤(クリア・オレンジ)に加え、通常盤(ブラック・ヴァイナル)でのリリースが予定されている。また、長らく在庫切れとなっていた『Midnight Rocker』の新カラーとしてゴールド・ヴァイナルも9月16日に発売されることが発表されている。

label: On-U Sound
artist: Horace Andy
title: Midnight Scorchers
release: 2022.09.16
BEATINK.COM: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12905

tracklist:
01. Come After Midnight
02. Midnight Scorcher
03. Away With The Gun And Knife
04. Dirty Money Business
05. Sleepy’s Night Cap
06. Feverish
07. Ain’t No Love In The Heart Of The City
08. Dub Guidance
09. More Bassy
10. Hell And Back
11. Carefully (Bonus Track)


CD


ブラック・ヴァイナル


クリア・オレンジ


CD+Tシャツ


LP+Tシャツ


label: On-U Sound
artist: Horace Andy
title: Midnight Rocker (Gold Vinyl)
release: 2022.09.16
BEATINK.COM: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12906

tracklist
A1. This Must Be Hell
A2. Easy Money
A3. Safe From Harm
A4. Watch Over Them
A5. Materialist
B1. Today Is Right Here
B2. Try Love
B3. Rock To Sleep
B4. Careful
B5. Mr Bassie

METAFIVE - ele-king

 METAFIVE──すなわち高橋幸宏、小山田圭吾、砂原良徳、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ、LEO今井からなるスーパー・グループのセカンドにしてラストとなるアルバム『METAATEM(メタアーテム)』が9月14日にリリースされることになった。
 当初は昨年の8月に発売される予定だったものだが、ようやく一般にもお披露目されることになったのは喜ばしい。今回ボーナス・ディスクとして『「WINTER LIVE 2016」@Zepp DiverCity公演』も付属するとのこと。現在、収録曲 “Wife” のMVが公開中だ。

METAFIVE
ラストアルバム「METAATEM」を9月14日(水)に発売決定
BONUS DISCには「WINTER LIVE 2016」@Zepp DiverCity公演を収録

METAFIVE(高橋幸宏×小山田圭吾×砂原良徳×TOWA TEI×ゴンドウトモヒコ×LEO今井)が、バンドとして最後のスタジオレコーディング作品となる2nd ALBUM「METAATEM」を9月14日に発売することが決定した。

この作品は昨年末に行われた配信ライブ「METALIVE 2021」の鑑賞チケットに付属という形で一部のファンに届けられていたが、今回は更に2016年12月3日に開催された「WINTER LIVE 2016」のZepp DiverCity TOKYO公演を収録したBlu-rayを加えた2枚組作品「METAATEM (Deluxe Edition)」という形で遂に一般発売される。

そして同時にアナログ盤は昨年末発売時と変わらぬ収録内容で一般発売。CDのみの形態もMETAFIVE OFFICIAL SHOPにて発売となる。

なお、「METAATEM」の収録曲「Wife (Short Edit)」のミュージック・ビデオが本日公開された。

このMVは田島一成による作品で、ストロボを使って撮影した写真が徐々に変形していくモーフィング・エフェクトとそのデジタル・バグを利用して編集。楽曲の世界観とともにお楽しみいただきたい。

「Wife (Short Edit)」 MUSIC VIDEO
https://youtu.be/vHTvitTM76c
Creative director+Photography / Tajima Kazunali (mild inc.)
Director / Kanagawa Shinichiro (WHITE Co.)

「The Paramedics」 MUSIC VIDEO
https://youtu.be/TRQMwFS0ZU0
Directed by METAFIVE
Edited by Terutada Murao
This music video is made up of excerpts from the films of Takashi Ito.

「METAATEM」予約購入URL
https://metafive.lnk.to/metaatem

METAFIVE ラストアルバム「METAATEM (Deluxe Edition)」
タイトル:METAATEM(読み:メタアーテム)
発売日:2022年9月14日

DISC1 (CD) 収録曲
01. Full Metallisch
02. The Paramedics
03. By The End Of The World
04. Ain’t No Fun
05. 環境と心理
06. May Day
07. Wife
08. The Haunted
09. In Sorrow
10. Snappy
11. Communicator
12. See You Again

DISC2 (Blu-ray) 収録内容
「WINTER LIVE 2016」@Zepp DiverCity Tokyo公演

CD品番・価格:WPZL-31992・¥4,950(税込)
VINYL (2LP) 品番・価格:WPJL-10136/7・¥4,950(税込)
予約購入URL:https://metafive.lnk.to/metaatem

[先着購入特典決定]
以下の対象CDショップで「METAATEM (Deluxe Edition)」・「METAATEM」(VINYL)をお買い上げの方に先着で、特典をプレゼントいたします。在庫がなくなり次第終了となりますので、お早めにご予約・ご購入ください!

■amazon:メガジャケ(24㎝×24㎝のジャケット)
■セブンネット:モバイルスタンドキーホルダー

[METAFIVE OFFICIAL SHOP]
https://store.wmg.jp/collections/metafive

[METAFIVE OFFICIAL SNS]
Twitter:https://twitter.com/metafive_news
Instagram:https://www.instagram.com/metafive_news/
Facebook: https://www.facebook.com/METAFIVE/

Kazufumi Kodama & Undefined - ele-king

 こだま和文と、気鋭のダブ・ユニット Undefined による初のフルレングスが9月21日にリリースされる。
 両者は以前も共作10インチ「New Culture Days」(2018)を送り出しているが、Undefined は人気レーベル〈ZamZam Sounds〉などからリリースを重ねる、近年の日本のダブ・シーンにおける重要アーティストのひと組だ。メンバーは元 HEAVYMANNERS のサハラと SOUL DIMENSION のオオクマ。つい最近、ファースト・アルバムを発表したばかり。
 今回の共作は、Undefined によるリディムにこだま和文のトランペットをフィーチャーした『2 Years』と、そのアンビエント版『2 Years in Silence』から構成されている。「2年」と言われて思い浮かぶのはやはりパンデミックだろう。はたしてどんな想いがこめられているのか……強力なタッグが響かせるダブ+アンビエントに注目したい。

Kazufumi Kodama & Undefined
2 Years / 2 Years in Silence

こだま和文とダブ・ユニットUndefinedのフル・アルバム、遂に完成!! オリジナル+アンビエントで構成されたジャパニーズ・ダブが生んだ最高の一枚

『2 Years / 2 Years in Silence』の音源を受け取ったとき、オリジナルとアンビエントの対比の中から現れてきたものは、僕にとってはレゲエでも、ダブでも、ミニマル・ダブでもないものだった。いや、その全てが確かに染み込んではいるのだけれど、この音楽は少しだけ違う場所にも連れていってくれるように感じたからだ。それはとてもパーソナルな空間と、濃密なセッション空間の間で揺れ動いているようだった。つまり、この上なく魅力的な音楽だったのだ。(原 雅明)

2018年に10インチでリリースされた『New Culture Days』がワールドワイドな反響を呼んだ、こだま和文とダブ・ユニットUndefinedのフル・アルバム『2 Years / 2 Years in Silence』が遂にリリースとなる。

パンデミックの中断を挟んで、2021年末に完成した音源は、当初オリジナルとダブを交互で収録するショーケース・スタイルでのリリースが予定されていた。しかし、ダブの代わりにアンビエントの方向性が浮かび上がり、オリジナルの『2 Years』とアンビエントの『2 Years in Silence』の2作品が仕上がった。

オリジナル・サイドは、Undefinedが作り込んだリディム(トラック)にこだま和文のトランペットが加わるシンプルで研ぎ澄まされた構成で、10インチの世界観をさらにスケールアップした。アンビエント・サイドは、こだま和文とUndefinedがアンビエントの方向性/コンセプトを見つける作業から始まり、二組の音楽性をより深く、静かに伝える作品となった。そして、美しいバランスの取れた作品が完成した。レコードも今冬リリース予定。

Artist : Kazufumi Kodama & Undefined
Title : 2 Years / 2 Years in Silence
Release : 2022/09/21

価格 : 2,600円+税​
レーベル : rings
品番:RINC93
​フォーマット : CD​
解説:河村 祐介 / 原 雅明

Tracklist :

1. New Culture Days
2. Pale Purple Flower
3. Puddle
4. 2 Years

5. New Silent Days
6. Flowers
7. A Puddle
8. 2 Years in Silence

Track 1-4 : 2 Years (produced by Undefined)
composed & arranged by Kazufumi Kodama & Undefined

Track 5-8 : 2 Years in Silence (produced & arranged by Kazufumi Kodama & Sahara)
composed by Kazufumi Kodama & Undefined

recorded by Taichi at Andy's Studio mixed and mastered by E-Mura at Murasta

https://bit.ly/3AZjOwq

ダブ・パトロール - ele-king

 昨年末の紙のele-kingの年間ベストにおける「ダブ」の続きという感じであります。うだるような夏にぴったりのヌケ成分多めの2022年上半期にリリースされたダブ系のリリースから10枚お送りいたしましょう(1枚昨年リリースでした)。なんだか振り返ってみると国産ダブものが異常に豊作だったイメージで、国産レーベルはもちろん、海外からのリリース(〈ZamZam〉傘下からUndefined)さらには海外勢とのコラボにはダッピー・ガンとエレメント、ちょいと別項で紹介する予定のミスティカ・トライブとまさかのダッチ・エレクトロのベテラン、レゴヴェルトとのコラボ=Noda & Wolfersなんてのも出ておりますがそちらは別途単体のレヴューにて近日。


Om Unit - Acid Dub Versions Self-released

 まずはベース・ミュージック方面から、ブリストルのドラムンベース~ダブステップのベテランのリミックス・シングル。サウンドそのままな身も蓋もないタイトルで、ザ最高な2021年のアルバム『Acid Dub Studies』を素材としてリミックス・シングル。本作との間に共作シングル「Root, Stalk, Leaf and Bloom」(こちらも最高です)をリリースしているデッドビート、ブリストルのニュールーツ・ユニット、ダブカズム、〈ボケ・ヴァージョンズ〉などからのリリースで知られる、シーカース・インターナショナル、そしてミニマル・ダブのベテラン、エコースケープの片割れ、ステファン・ヒッチェルがCV313とヴァリアント名義で解体。ローファイ・ダブなシーカース・インターナショナル、ステッパーなダブカズム、アップデートされたミニマル・ダブ~ダブ・アンビエントのデッドビートとエコスケープ方面と、ある意味でさまざまな方向に拡散している、現在のエレクトロニック・ミュージックのダブの解釈が楽しめる1枚。


Undefined - Defined Riddim Khaliphonic


ZamZam Sounds · UNDEFINED "Defined Riddim" LP + 7" Khaliphonic 15 vinyl blend

 こだま和文との10インチに度肝を抜かれた国内のダブ・デュオが、かねてからアナウンスされていた〈ZamZam〉系列の〈Khaliphonic〉(前者7インチ専科、こちらは10インチやLPなどそれ以外)からLPがリリース。ポール・セント・ヒラーレ、ヤング・エコーライダー・シャフィーク(参加楽曲は〈ZamZam〉から先行7インチでリリース)、さらにLPに付属するボーナス7インチには、日本人ルーツ・レゲエ・シンガー、故ラス・ダッシャーが参加。エレトロニックと生ドラムの編成で、ミニマル・ダブやアンビエントなどの手法を取り入れつつも、やはりルーツ・ダブのうまみを極限の引き算でむき出しにするソリッドなダブ・アルバム。彼らのなかでもオーセンティックなサウンドのボーナス7インチも、アルバムとの対比でおもしろい。


Duppy Gun × Element - Andromeda EP Bokeh Versions / Riddim Chango

 UK〈ボケ・ヴァージョンズ〉と日本の〈リディム・チャンゴ〉による共同リリース。〈リディム・チャンゴ〉を1TA(Bim One Prduction)と運営するタカクラヒロシことエレメントのプロダクションによる3リディムとダッピー・ガンのMC陣。タカクラが件のレーベルからリリースした「Freedom EP」(フィーチャリングされていたダブ・ポエッター、Nazambaは先日残念なことに急逝)は、ニュールーツ色強めでしたが、こちらはダンスホール方面というかダビーなグライムというか。最近「その手の音」といった感じで定式化してしまった感のあるテクノ方面などのダンスホールですが、こちらはそのグライム感の強さなど、くっきりとオリジナル。リディム解釈の角度の違いを聴かせている。


KEN KEN, ICHIHASHI DUBWISE, asuka ando - AMAI HIT KOUCHIE E.P. ARRROUND Wicked Sound Maker

https://arrround.thebase.in/items/55899471

 最近新たな勢いを見せている国内のラヴァーズ・ロック・レゲエ。ある意味で2010年代後半でその動きの突端を作ったとも言えるaska ando。彼女の『あまいひとくち』より、表題曲のニュー・ヴァージョニングでリカットとなる10インチがNoolio主宰の〈ARRROUND WICKED SOUND MAKER〉より。ヴィン・ゴーデン+リー・ペリーのトロンボーン・ダブ “5 Cardiff Crescent”(『Musical Bones』)を下地にした楽曲だったんですが、さらに先日坂本慎太郎物語のように』にも参加のトロンボニスト、KEN KEN(KEN2D SPECIAL / URBAN VOLCANO SOUNDS)がほっこりホーン・カヴァー、またKEN2D SPECIALのICHIHASHI DUBWISEがズブズブにダブワイズ、幾重にも重なるレゲエ・ヴァージョニングの妙味が味わえる1枚。スピーカーからは温泉気分の熱風が。そしてオマケのミックスCDがまた……ツッテッツテッテ。


Chakra & Ichiro feat. Tamaking Kozy / Chakra & Ichiro Dub Mix Hav - Rasta Woman / Rasta Woman (Chakura Dub) SF Recordings

https://drumandbass-rec.com/products/226434chakra-and-ichiro-feat-tamaking-kozy-ch

日本のダブということでいえばコチラは事件。2000年代の大阪ダブ・シーンを象徴するソウル・ファイヤーの〈SF Recordings〉がおそらく15年ぶりぐらいに突如シングルをドロップ。目を疑いました。詳細は不明ながらダブ・ミックスに〈SF〉のドン、HAVを迎えた体制のキラー・ルーツ。色っぽいダブル・ミーニングで、ある意味でスラックネスな歌詞ですがキラーなサウンドはレーベルの往年と変わらず。そしてB面は同オケにて、まさかのヴォーカロイド、初音ミクの音声をフィーチャーしたこれまたキラーなダブ。


MaL - Primal Dub HOODISH

 冷房効果もありそうなチルアウトなダブを。PART2STYLEとして欧州のベース・ミュージック・シーンにも食い込み、そして最近ではMACKA-CHIN、J.A.K.A.M.(JUZU a.k.a. MOOCHY)とのZEN RYDAZとしてのリリースも活発なMalのソロ。2021年に全治9か月の足の大怪我で、2か月半もの間、入院。そんな入院のさなかにラップトップで制作が進められたというアルバム。これが生活に溶け込むような滑らかにチルアウトなエレクトロニック・ダブ・サウンド。レーベルは彼が拠点にしている高田場馬にある九州料理店「九州珠(KUSUDAMA)」のレーベル〈HOODISH〉より。「Night on the Sidewalk」あたりは、なんというか高田場馬からDJパイソンへの回答というか。詳しくは大石始氏のnoteにて(https://note.com/oishihajime/n/n93d6ab00e9f2)。


Tapes meets Nikolaienko - Sunda School II Porridge Bullet

 エストニアのレーベルより、ここ数年のローファイなエレクトロニック・ダブの旗手とも言えるテープス、そしてヤン・イェリネックのレーベル〈Faitiche〉などからのリリースで知られるウクライナのドミトリー・ニコライエンコのコラボ・シングル。モコモコしたループ・サウンドがまどろみながらエコーに消えていく、チャーミングでローファイなダブ・アンビエント。どこかザ・ケアテイカー的なノスタルジーも。


Nocturnal Emissions - In Dub Holuzam

 インダストリアルのベテランがダブ・アルバムをリリースというか、2010年代よりスタートしていたというダブ・シリーズCDRをコンパイルしたもののよう(オリジナルは自身のBandcampで入手可能)。リリースはリスボンのレコードショップ〈Flur〉のスタッフ、マーシオ・マトスが運営する〈Holuzam〉(姉妹レーベルにDJニガ・フォックスなどをリリースする〈Príncipe〉がある)。初期ダンスホールをスローダウンしたというか、どこかメビウス&プランクの『Rastakraut Pasta』を電化ダブ化したような、決してグルーヴィーとは言えないチャカポコとしたドラムマシンのチープな響き、そしてカットアップされる電子音やらノイズやらギターやらが飛び交うサイケデリックなダブ・アルバム。マスタリングはニュールーツのマスター・エンジニア、〈コンシャス・サウンド〉のダギーが担当とのこと。


FROID DUB An iceberg crusing the Jamaican coastline DELODIO

 オブスキュアなエレクトロやインダストリアルをリリースしているフランスはパリのレーベルより、主宰ふたりによるロックダウン下に作られたダブ・アルバム。大阪は〈naminohana records〉のウェブショップで知り速攻で購入。実は2021年の作品ですがLPがやっと再発されたようです(A4インフォ・シートっぽい+レコード盤面風の印刷のジャケットが最高ですね)。内容は、これまた上記で紹介したノクターナル・エミッションズの作品にも通じるチープな脱力系エレクトロニック・ダブ・サウンドということでチャカポコとしたドラムの上を、電子音やらスクリューなヴォーカルやらがエコーでいったりきたり、DAF『Allest Ist Gut』をあたりを適当かつ無理矢理レゲエ・カヴァーしたらこんな音になるのではないでしょうか、とかいろいろ妄想が広がります。さらにダブ色を強めた『DUBS & BEATS FROM 'AN ICEBERG CRUISING THE JAMAICAN COASTLINE'』もあり。リー・ペリー “Dub Revolution” (アルバムではなく楽曲の方)を始祖としそうな、オールドスクールなドラムマシンっぽいサウンドのローファイなエレクトロ・ダブを、最近勝手にドンカマ・ダブと呼んでいるんですが、まさにそっち系の音。最近流行っているような気がするんですよね。冒頭で書いたNoda & Wolfersもまさにという音で。


Best Available Technology - Fixing Until Broke Accidental Meetings

 イギリス・ブライトンのレーベル〈Accidental Meetings〉より、テープでリリースされたオレゴンのアーティストのダブ・ダウンテンポ。これまたローファイ系なダウンテンポですが、本当に1人の怠惰な時間のために脳を揺らす音楽というか、ニューエイジだとリラックスできない自分としては、トリップホップ時代のフィーリングありなブレイクビーツとかもあったりで、これは世代的には抗えないんですよね。

『セックス・ピストルズ』 - ele-king

 たまたまぼくに限った話かもしれないし、近年の御大ジョン・ライドンの言動も少なからず影響を与えているのだろうけれど、セックス・ピストルズに思春期入り口のどんぴしゃリアルタイムで魅了されてしまったぼくが、リアルタイムにはかすりもしなかった世代の音楽好き(しかもシリアスに音楽を追究している人たち)とセックス・ピストルズに関して話したりすると、ここ数年はほぼ100%に近い確率で、PiLは素晴らしいという結論で逃げられる。いや、PiLは(とくに最初の3枚は)もちろん素晴らしい、で、セックス・ピストルズは? 
 セックス・ピストルズが文化的に重要だったことは認めるけれどサウンドは騒ぐほどではないし、端的に言えば、マネージャーの戦略でのし上がった、スキャンダラスで、ある意味茶番めいたバンドだったという表層的な見解が、ぼくよりずっと年下の一部リスナーのなかにはあるようなのだ。ダニー・ボイルの『セックス・ピストルズ(原題:Pistol)』は、その印象を上塗りするかもしれない。この高名なイギリスの映画監督は、しかもそれを、なかば感傷的なパンク・ロック・バンドの青春物語として再構築している。出会いと別れ、野心と恋、友情と喧嘩、セックスとドラッグ、成功と失態……などなどといった青春メロドラマのクリシェのオンパレードで、ライドンいわく「中産階級のファンタジー」においては、アナーキーもデストロイも、ナチスもヘロインも、流血も死も、漫画的であるがゆえにインパクトや深刻さを訴えない。だからこれは、ボイルの職人的な演出によって構成された、全6話にわたって配信される娯楽ドラマとして、軽い気持ちで楽しめると言えば、まあ楽しめる。なんだかんだでぼくは一気に見てしまったわけだし。

 周知のように、物語のベースはスティーヴ・ジョーンズの自伝『ロンリー・ボーイ』、ぼくはその本(評判は概して良い)を読んでいないので比較しようがないのだけれど、『セックス・ピストルズ』の中心人物はたしかにスティーヴ・ジョーンズで、もうひとり挙げるとしたら、これは意外なことにクリッシー・ハインドだ。ひとつの歴史的な出来事も、それに関わった人間それぞれの見え方があるのは当然であって、しかもこれはシリーズドラマ。そのため脚色をされているし事実と異なっている箇所もいくつかある。要するに実話に基づいたボイル解釈の“セックス・ピストルズ”というわけだ。独自な視点はいくつもある。たとえば全体のバランスを考えると“ボディーズ”に関するエピソードが大きく扱われているし、ニック・ケント(あの時代によくいたロックンローラー気取りのロック・ライター)の出番がやけに目立つ。ボイルらしい人間味を感じるところを言えば、1977年のクリスマスに、失業者を親に持つ14歳以下500人の子どもたちの前で演奏するという微笑ましいエピソードが重要なシーンとして用意されていることが挙げられる(*)。そして映画よりも実際のセックス・ピストルズのほうが男前だったという事実はさておき、うーん、しかし言わせて欲しい、猫背のネズミ男のように描かれているジョン・ライドンだが、実物はもっと美しい若者だった。
 サウンドについて言えば、彼らのそれがパンクの基準となってしまったがゆえにある時期から普通になってしまったが、1977年の時点では、あのサウンドは突出していたのではないか。スピード感は圧倒的だったし、ラモーンズよりも荒々しくラウドに聞こえたことは、当時「シーナはパンクロッカー」の7インチ日本盤を買った中学生の自分が、このバンドに魅了された理由のひとつだった。演奏の未熟さが誇張されてしまい、ともすればサウンド的には二流バンド扱いだが、それは違っている。
 それから、やはり、バンドにとって最後のライヴとなったウィンターランドでの幕引きにおけるライドンの、歴史的に有名なあの虚ろさが表現さていないことも、うるさいことを言うようだが気になってしまった。“ベルゼン・ワズ・ア・ガス”〜“アナーキー・イン・ザ・USA”をやり終えて、アンコールに応えて演奏した“ノー・ファン”のあとのライドンの言葉──「Ever get the feeling you've been cheated?」、日本では「これまで騙されていたって感じたことはあるかい?」などと訳されてきているが、ディズニー版の日本語字幕では「裏切られたと感じたことは?」になっている。前者のほうが、この言葉がのちのち政治的な文脈においても引用されていることの汎用性の高さに合っていると思うのだが、マネージャーへの個人的な憎しみを印象づけるにはこのほうがわかりやすかったのだろう。
 そもそもこれはインサイドストーリーであって、文化革命としてのパンクとその衝撃、町中から子どもという子どもを誘い出すハーメルンの笛吹き男のごとき影響力を描こうとしている作品ではないし、ぼくが残念だったのもそのことではない。ボイル版『セックス・ピストルズ』が、ひとつの完結した過去の世界の出来事として固まってしまっていることだ。何も知らない若者がこれを見たら、へー、ピストルズってそういうバンドだったのね、ふむふむ、で終わるだろう。あれだけ引き出せる要素の多いバンドの物語にしては、どこか別の世界に繋がる回路が用意されていない。しかしまあ、それを望むのはお門違いなのだろう。全話見終わってから風呂に入っていろいろ考えてみたが、やはりこれは、このバンドについての知識があって、それなりに愛情を注いでいる人たちに向けたおとぎ話なのだ。なにせデヴィッド・ボウイにはじまり、花火で終わる。
 だからという訳じゃないが、ぼくなりに面白かったところはいくつかあった。ひとつは、ブティック〈SEX〉の動く広告塔ことジョーダン──ジョン・サヴェージにいわく「最初のセックス・ピストルズ」──が印象的に描かれていること。〈SEX〉の店内の様子とヴィヴィアン・ウェストウッドの存在感。女性の活躍がしっかり描かれている点においては現代的なドラマとなっている。で、もうひとつ、これは極めつけにセンチメンタルなシーンなのだが、テムズ川での騒動後、慰めを求めて部屋にやって来たスティーヴ・ジョーンズを突き放すクリッシー・ハインドが、ジョーンズの去ったあとにギターで“キッド”を弾き語るシーン。ぼくは我慢できずにレコード棚からプリテンダーズのファースト(日本盤)を取り出して、歌詞カードを読みながらその曲を繰り返した。セックス・ピストルズではなく。 

(*)この日のライヴが英国での最後のライヴとなった。ちなみにそのときのフライヤーは、中央にディケンズの『オリバー・ツイスト』の原書のイラストを使用し、裏表にわたってマルコムの手書きによるオリバー・ツイスト署名の“ティーンエイジ・アナーキー”なメッセージ付きだった。

DMBQ - ele-king

 2020年のパンデミックにより一時ライヴを休止していたDMBQは2021年、ライヴ再開にあたり新企画「DMBQと○○」を始動。DMBQと他のバンドによる対バンのシリーズなのだけれど、今年もめでたく開催される運びとなった。9月19日から10月3日にかけ広島・名古屋・梅田・渋谷を巡回、それぞれEASTERN YOUTH、羊文学、ZAZEN BOYS、+後日発表の1組を加えた計4組が出演する。じつに強力なラインナップだ。さらに、このツアーの直前には札幌と岡山で単独公演も開催。これは楽しみだ。

DMBQ 渋・梅・名・広・クアトロ4箇所でシリーズライブ「DMBQと~」を今年も開催。
札幌、岡山でのライブも

昨年国内クアトロ全4箇所で開催されたDMBQ主催のシリーズライブ「DMBQと~」が、今年も豪華な対バンを迎えて開催される。

今回のラインナップは以下の通り:
広島クアトロ 9月19日(月祝) DMBQとEASTERN YOUTH
名古屋クアトロ 9月28日(水) DMBQと羊文学
梅田クアトロ 9月29日(木) DMBQとZAZEN BOYS
渋谷クアトロ 10月3日(月) DMBQとTBA(後日発表) 

また、9月2日(金)には札幌BESSIE HALL、9月18日(日)には岡山PEPPER LANDでもDMBQ単独公演を開催。
このツアーの後の10月半ばからは、DMBQでのイギリスのフェス&英国ツアーを予定している。

問い合わせは各会場まで。

HASE-T - ele-king

 日本のレゲエ・シーンを支えてきたディージェイ/プロデューサー、HASE-T(ハセ・ティー)が、プロデューサーとして活動20周年を迎える。記念すべきこのタイミングに、新作アルバムがリリースされることになった。タイトルはストレートに『TWENTY』、8月3日にCDとデジタルで発売。
 すでにMVが公開済みのスチャダラパー&PUSHIMを迎えた “夕暮れサマー” に加え、新曲 “Born To Be Free” のリリック・ビデオも公開。歌詞にも注目したい1曲です。

“ジャパレゲ” シーンを黎明期よりリードしてきた “HASE-T” プロデュース活動20周年を記念して、スチャダラパー、PUSHIM、RYO the SKYWALKER、前嶋貫太郎とジャンルやスタイル、そして世代を越えたアーティストをフィーチャリングした最新アルバムがリリース決定! 参加アーティストからのコメントも到着!

[順不同・敬称略]

30年前以上前に観た時から変わらない、クリアで聞き取りやすい声と、長いキャリアで磨き上げたサウンド。一般の人たちとは少し離れた世界を生き続けてきた大人としてのメッセージが、素直な言葉で刺さってくる。プロデュース業20周年おめでとう。誘ってくれてありがとう。──Bose(スチャダラパー)
HASE-Tのアルバム『TWENTY』はとてもいいアルバムだなと思った。ゲストが参加してる曲もいいけど、HASE-T本人が歌ってる曲がとにかくいい。その昔、HASE-Tと知り合った頃は、HASE-Tもプロデューサーというより、レゲエ歌手という感じで、その頃からHASE-Tの唄うスタイルのファンだったので、時を経ても、好きだったHASE-Tのあの感じが曲に出ててよかったです。こんなアルバムに参加できて光栄です。 ──ANI(スチャダラパー)
アルバムを通じて感じられる腰の座った(ポジィティブな)HASE-Tヴァイブスにベテランの凄みを感じました。 ──SHINCO(スチャダラパー)
HASE-T先輩、リリースおめでとうございます。 この度、スチャダラパーの皆さんとの共演の機会を頂き感謝しております。 HASE-T氏とレゲエミュージックで繋がり25年程。 昔も今もこれからも、ずっと私たちの音楽のTeacherでいて下さい。 ──PUSHIM
HASE先生、20周年おめでとうございます。自分がレゲエをやり出したころにすでに若きベテランとしてマイクを握り、楽曲プロデュースをおこなっていた先生と一緒に曲を作るとは、その頃は想像もしていませんでした。その後自分の代表曲とも言える “IKO-IKO” をはじめ、何度かご一緒させていただきましたが、今回何年かぶりに制作した “BLACK SWAN” は、新たな2022年の扉を開くフレッシュな一作になったと思います。自分もまだまだがんばります。今後ともよろしくお願い致します。 ──RYO the SKYWALKER
HASEさん、20周年おめでとうございます。 常に新しい音や物事に真摯に向き合う探究心と歴史を忘れない姿勢に毎度勉強させて頂いております。 近くで作業をさせてもらっている自分は幸運だなと、感謝しております。 いつかまた、一緒Thailandに行ける日を楽しみにしてます。 ──前嶋貫太郎

80年代後半から東京のクラブ・シーンに関わり、レゲエ Deejay やトラック・メーカーとして自身のアーティスト活動はもちろんのこと、レゲエ・コンピレーションシリーズの監修、さらにはレゲエ以外のアーティストへの楽曲提供やRemixワークまでこなしてきたHASE-T。HASE-Tの “T” はTeacher(=センセイ)の略で、その膨大な音楽知識や固定概念にとらわれないスタイルで、レゲエのみならず幅広いシーンに影響を与えてきたまさに伝道師ともいうべき彼の集大成がついに完成! 本場ジャマイカで100曲を越えるミックスダウンをこなし、そして多岐に渡るプロデュース・ワークで培ったサウンドは、本格的でありながらも決してリスナーを拒まないエンターテイメント性も備え、また歌い手としてのスキルも健在で日常的な言葉に込めた社会的、普遍的なメッセージはレゲエ Deejay としての真骨頂が伺えるだろう。さらに本作にはスチャダラパー、PUSHIM、RYO the SKYWALKER、前嶋貫太郎といったジャンルやスタイル、世代を越えたアーティストがゲスト参加! 各アーティストの特性がHASE-Tによるトラック・メイキングと絶妙にクロスオーヴァーしたサウンドに仕上がっている。CD盤のみ、J-REXXXや釈迦楽などこれまでにHASE-Tが手がけてきた楽曲の最新MIX/REMIXを追加収録したスペシャル限定仕様でリリース!

HASE-T “Born To Be Free”(Official Lyric Video)
https://youtu.be/x5RS498UF_A

HASE-T “夕暮れサマーfeat. スチャダラパー&PUSHIM” (Official Music Video)
https://youtu.be/VxsN8U7Vd0I


アーティスト:HASE-T
タイトル:TWENTY
フォーマット:CD/Digital
発売日:2022.8.3
品番:PCD-25348
価格:¥2,750(税抜¥2,500)
レーベル:P-VINE

-Track List-
01. 夕暮れサマー(45 Disco Mix) feat.スチャダラパー&PUSHIM
02. Born To Be Free
03. Tokyo
04. いいわけないよ
05. Black Swan feat. RYO the SKYWALKER
06. Balance feat.前嶋貫太郎
07. 深海魚
08. Get Over (Album Version)
09. Walk On By
10. Go Around (Album Version)
11. Sunrise Again/J-REXXX (2022 Mix)
12. Dance Hall Anthem/釈迦楽 (2022 Remix)
13. 幸せの日々/Domino Kat (2022 Remix)
14. My Friends/Micky Rich (2022 mix)
15. Road Creator/貫太郎(2022 Drum'n'bass Remix)
■M11-15(CD限定ボーナストラック)

Cover Art by : Bass (Tweeter Art / TAXI Hi-Fi)
@taxi_bass


[HASE-T(ハセ・ティー)]
日本を代表するレゲエ・プロデューサー、トラックメーカー。 80年代後半、東京クラブミュージックの夜明けと共に音楽活動を開始し、レゲエDJ(歌い手)としてCLUBを中心に活躍。次第に自身の作品をリリースするようになる。2001年からプロデュース活動を本格化。レゲエのDJの登竜門的コンピシリーズ、「Dance Hall Premier / VA」シリーズをスタートさせ、トラックメーカーのみならず、プロデューサーとしても認知されるようになる。その後現在に至るまで通算10枚以上のコンピシリーズをリリース。その他に、レゲエ内、レゲエ外、プロデュースワークス、Remixもやっており、和田アキ子、吉川晃司、JUJU、加藤ミリヤ、Lisa、遊助(上地雄輔)、MOOMIN、RYO the SKYWALKER、PAPA Bなど幅広く作品を提供中。

-HASE-T Official-
Official HP : https://www.rhythmslounge.net/
Twitter : https://twitter.com/HASE_T
instagram : https://www.instagram.com/hase_t_original
TiKToK : https://www.tiktok.com/@hase_t_original

Matmos - ele-king

 マトモスの親しみやすさはどこから来るのだろう。多くの場合それは突飛なコンセプトであり、外科手術(『A Chance to Cut Is a Chance to Cure』)だったりテレパシー(『The Marriage of True Minds』)だったり洗濯機(『Ultimate Care II』)だったりが音楽になることの驚きと興奮によるものだ。自分の場合、ときとしてクィア・カルチャーの重層性や奇妙さを示すこと(『The Rose Has Teeth in the Mouth of a Beast』)が直截的なメッセージよりも強力なものになる、と素っ頓狂なやり方で教えてくれたのがマトモスだった。ユーモアとアイデア。それらはつねに、彼らの「実験音楽」を愉快なものにしている。
 だからこそ、マトモスの音楽それ自体の面白さは忘れがちだ。ふたりが生み出すエレクトロニック・ミュージックではヘンな音がヘンな方法で鳴っているのだが、それはあくまで強烈なコンセプト由来であると捉えられがちなのだ。そういう意味では、外部から来た「企画もの」である本作こそが、マトモスの音楽そのもののチャーミングなエキセントリシティをストレートに伝えていると言えるかもしれない。

『Regards / Ukłony dla Bogusław Schaeffer』は、第二次大戦後から1960年代のポーランド・アヴァンギャルド・シーンをひとつのピークとし、亡くなる2019年の直前まで活躍した先鋭的な音楽家で、同国ではじめて電子音楽を制作したひとりとされるボグスワフ・シェッフェルの録音音源を自由に使用し、再構築したアルバムである。ポーランド文化を海外に紹介するための公的機関〈Instytutu Adama Mickiewicza〉が持ちこんだアイデアだったそうで、マトモスはシェッフェルのことを詳しくは知らなかったという。シェッフェルは作曲家・演奏家でありつつ、劇作家、画家、教師、学者でもあったということなので、いつものマトモスなら彼の特異な経歴や人生をコンセプトに取りこみそうなものだが、ここではあくまで残した音源にフォーカスしているようだ。そしてそれが、おそらく本作では功を奏している。
 神経質な電子音が行き交うなかで不穏なメロディが立ち上がるオープニングの “Resemblage / Parasamblaż” からマトモスらしいめくるめくエレクトロニカが展開されるし、続く “Cobra Wages Shuffle / Off! Schable w gurę!” は妙にファンキーなリズムが繰り広げられつつグリッチやジャズの断片が聞こえてくるおかしなトラックだ(曲名にはポーランド語の対訳がついている)。アナログのA面にあたる頭5曲はリズミックでポップなトラックが並べられていて、1曲のなかの展開も多い。残り3曲はやや長尺となり、ダーク・アンビエント的なムードも取り込みながら、おどろおどろしさとエレガントさを同時に立ち上げてみせる。音色の多さ、要素の多さはマトモスならではだが、それにしてもせわしない。40分少しのアルバムからこれだけたくさんのものが聞こえてくるというのは、シェッフェルの音楽の多様な要素に由来するものだろうか。本作では題材とマトモスの音楽的なボキャブラリーの豊富さとが合致し、奇怪でユーモラスなサウンド・コラージュが繰り広げられるのだ。サウンドのとめどない動きと変容を楽しむアルバムである。

 ニコラス・ジャーが20世紀後半の前衛音楽/実験音楽をまとめたコンピレーションをリリースしたニュース(https://www.ele-king.net/news/008676/)もあったが、いま、東ヨーロッパのエッジーな表現に対する注目度が高まっているのは国際情勢の影響もあるのかもしれない。〈連帯〉のレフ・ヴァウェンサが登場する以前の独裁政権下のポーランドでアヴァンギャルドな音楽に取り組んでいたボグスワフ・シェッフェルは、なるほど現代にも何かヒントを与えうる存在として再訪されているのだろう。それを小難しいものとしてではなく、風変りだが親しみやすく、彼らならではの「知的なダンス・ミュージック」──トラックによってはダンサブルなのだ──へと調理するマトモスは、実験の面白さそのものを体現する伝道師であり続けている。

Cosey Fanni Tutti - ele-king

 コージー・ファニ・トゥッティが新作をリリースする。2020年の短篇ドキュメンタリー映画『Delia Derbyshire: The Myths And The Legendary Tapes(デリア・ダービーシャー──神話と伝説のテープ)』(監督:キャロライン・キャッツ)のサウンドトラックだ。トゥッティ本人の主宰するレーベル〈Conspiracy International〉から、9月16日に発売。
 デリア・ダービーシャーとは60年代にBBCレディオフォニック・ワークショップの一員として活躍した先駆的な電子音楽家で、SFドラマ『ドクター・フー』のテーマ曲で知られている。〈Rephlex〉が2003年に編んだBBCレディオフォニック・ワークショップのコンピでも、彼女は大きくフィーチャーされていた。
 トゥッティは今回、ダービシャーの死後に発見されたテープをサンプルしサウンドトラックを制作。声明によれば、残されたダービシャーの音源や作曲ノートなどを研究し、尊敬と愛を注入することで、ダービシャーのスタイルとトゥッティ自身のアプローチを総合したものになっているとのこと(大意)。

 なおトゥッティは、2017年の自伝『アート セックス ミュージック』につづく著書として、8月18日にフェイバー&フェイバー社より『Re-Sisters: The Lives and Recordings Of Delia Derbyshire, Margery Kempe & Cosey Fanni Tutti(リ・シスターズ──デリア・ダービーシャー、マージェリー・ケンプ、コージー・ファニ・トゥッティの人生と録音物)』なる本を上梓する予定。ダービシャーと15世紀の神秘家マージェリー・ケンプ(英語で初めて自伝を書いた人物とされる)、そしてトゥッティ自身の関係を探る1冊になっているようだ。あわせてチェックしておきたい。

Dry Cleaning - ele-king

 昨年の『New Long Leg』が高い評価を得たロンドンのバンド、ドライ・クリーニング。エレキングでも年間ベストの4位に選出しましたが、先日セカンド・アルバムのリリースがアナウンスされています。発売はCD・ヴァイナルともに10月21日、現在 “Don't Press Me” が公開中です。

Dry Cleaning
大注目の新世代バンド、ドライ・クリーニング
最新アルバム『Stumpwork』を10月21日に発売!

ロンドンを拠点に活動するバンド、ドライ・クリーニングが、10月21日にセカンド・アルバム『Stumpwork』を発売することを発表した。合わせてリード・シングル「Don't Press Me」のMVを公開した。デビュー・アルバム『New Long Leg』は、全英アルバム・チャートで4位を獲得、2021年のベスト・アルバムの一つとしても選定され高い評価を得ている。(The New York Times、Pitchfork、SPIN、The Atlantic、The Ringerが、その年のトップ10アルバムに選出)ここ日本でも音楽専門誌からファション誌まで幅広いメディアに取り上げられ、絶賛された。

公開された「Don't Press Me」は、ゲームをする快感と、強烈だが短命な、罪悪感のない体験の楽しさについて歌っている。ヴォーカルのフローレンス・ショウは、次のように語っている。「コーラスの言葉は、自分の脳みそに向かって歌う曲を書こうとして生まれたの。『あなたはいつも私と敵対している/あなたはいつも私にストレスを与えている』ってね。」アニメーションによるオフィシャル・ビデオは、ピーター・ミラードが手がけたもので、ナイーブに描かれたバンドの姿が、曲のフックとリフに完璧にマッチしている。

Dry Cleaning - Don't Press Me
https://www.youtube.com/watch?v=gjVc8lYIaUM

アルバム『Stumpwork』は、2021年末にウェールズの田園地帯に戻り、再びジョン・パリッシュとエンジニアのジョー・ジョーンズとタッグを組み製作された。同じスタジオで、同じチームと信頼関係を築いたことで、インポスター症候群(*自分の能力や実績を認められない状態)と不安感は、自由へと変換され、すでに豊かだった彼らの音のパレットをさらに探求し、自分たちのクリエイティブなビジョンにさらなる自信をつけることができた。新作は様々な出来事や概念、政治的混乱からインスピレーションを受けている。今回もシュールな歌詞が前面に押し出されているが、家族や、金、政治、自虐、官能といったテーマに対する感受性も新作では高まっている。作品全体に渡り、激しいオルタナ・ロックのアンセムがジャングル・ポップやアンビエント・ノイズと融合し、バンドが受けてきた影響の豊かさと彼らの音楽に対する深い造詣として表れている。

アルバムとシングルのアートワークは、他分野で活躍するアーティスト・デュオであるロッティングディーン・バザール(Rottingdean Bazaar)と写真家のアニー・コリンジ(Annie Collinge)によって考案・制作された。本作の日本盤CDには解説および歌詞対訳が封入され、ボーナス・トラックを追加収録される。なお、限定ブラック・ヴァイナルには購入者先着特典としてシングル「Don't Press Me」とアルバム未収録曲をカップリングした特典7インチ(レッド・ヴァイナル)をプレゼント。通常アナログ盤はホワイト・ヴァイナル仕様でのリリースとなる。6月15日より各店にて随時予約がスタートする。

label: 4AD / Beat Records
artist: Dry Cleaning
title: Stumpwork
release: 2022.10.21 FRI ON SALE

国内盤CD:4AD0504CDJP ¥2,200+税
解説+歌詞対訳冊子/ボーナストラック追加収録

CD 輸入盤:4AD0504CD
¥1,850+税

LP 限定盤:4AD0504LPE(限定ブラック/先着特典7インチ)
¥3,850+税

LP 輸入盤:4AD0504LP(通常ホワイト)
¥3,850+税

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12859

TRACKLISTING
01. Anna Calls From The Arctic
02. Kwenchy Kups
03. Gary Ashby
04. Driver's Story
05. Hot Penny Day
06. Stumpwork
07. No Decent Shoes For Rain
08. Don't Press Me
09. Conservative Hell
10. Liberty Log
11. Icebergs
12. Sombre Two *Bonus Track for Japan
13. Swampy *Bonus Track for Japan

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