「W K」と一致するもの

MADCHESTER - ele-king

 1988年から1992年までのUKインディ・ロックのディスク・ガイドとその概略を紹介する、横田勇司による『マッドチェスターの光芒: ニュー・オーダーからザ・ストーン・ロ ーゼズへ MADCHESTER 1988-1992』が刊行された。マンチェスターのみならずこの時代のUKのインディ・シーンを網羅した本で、リアルタイム世代には懐かしく、後追い世代には良き案内書になることだろう。かなりの情報量で、ジョニー・マーとグレアム・マッセイのこの本のための貴重なインタヴューが掲載されているのも嬉しい。レコ店か書店に行ってチェックしましょう。

著者: 横田勇司
書名:マッドチェスターの光芒: ニュー・オーダーからザ・ストーン・ロ ーゼズへ MADCHESTER 1988-1992
出版社: スローガン
ページ数: 368
ISBN: 978-4-909856-12-8
C コード: 0073
価格: ¥3,900+税【関連 T シャツ¥5,500+税、T シャツ付エディション ¥8,000+税も同時発売】
https://www.slogan.co.jp/madchester/

7月のジャズ - ele-king

 先月は南アフリカ共和国から生み出されたジャズ・アルバムを2枚紹介したが、リンダ・シカカネも南アフリカのダーバン近郊のウムラジ・タウンシップ出身のサックス奏者。


Linda Sikhakhane
iLadi

Blue Note / Universal Music South Africa

 10歳の頃から音楽スクールに通い、大学入学後は音楽理論や作曲などについても習得してきた。南アフリカのミュージシャンや訪れたミュージシャンたちとの共演を経て、2016年には海外留学の奨学金を獲得。2017年にニューヨークのニュースクール大学に入学し、ビリー・ハーパー、デヴィッド・シュニッター、レジー・ワークマン、チャールズ・トリヴァーに師事している。ビリー・ハーパー、デヴィッド・シュニッターは1970年代を代表する名サックス奏者で、特にハーパーはジョン・コルトレーンの後継者的な奏者として注目を浴びた。彼のファースト・アルバムはチャールズ・トリヴァーとスタンリー・カウエルが創設した〈ストラタ・イースト〉からリリースされ、そのときのベースはレジー・ワークマンだった。そうした面々の教えを受けたリンダ・シカカネもコルトレーンの系譜に繋がるサックス奏者と言える。
 同年にはファースト・アルバムの『Two Sides, One Mirror』を自主制作で発表するが、このプロデューサーは先月紹介したンドゥドゥゾ・マカティーニである。そして、ニュースクールの卒業リサイタルの模様を収録したライヴ録音の『An Open Dialogue』(2020年)にも、マカティーニはヴォーカルで参加。マカティーニ以外にもニューヨークで活動する南アフリカ出身のミュージシャンがサポートしていた。

 プロとなってからの第1作『Isambulo』(2022年)もマカティーニによる共同プロデュースで、リンダ・シカカネにとって彼は欠かせないミュージシャンというか、一種のメンター的な存在なのだろう。呪術師や祈祷師でもあるマカティーニから、音楽以外にも宗教や哲学などの影響を多大に受けているようだ。南アフリカのズールー族によるズールー語で啓示という意味の『Isambulo』について、シカカネ自身も「スピリチュアルな体験」と述べている。
 それから2年後の新作『Iladi』もマカティーニがプロデュースとピアノを担当する。シカカネは『Iladi』について、ズールー族の伝統や彼の生い立ちから導かれた儀式であり、アフリカのさまざまな文化的知識に裏付けされたものであると述べる。このアルバムはその儀式を音で表現したもので、彼が人生の旅において得てきたもの、学んできたことに対する感謝の意を表したものであると。マカティーニの端正なピアノをバックに、シカカネのテナー・サックスが魂の奥底からブロウするスピリチュアル・ジャズの “Influential Moments”、ダークなトーンで深く潜行していくようなミステリアスなモーダル・ジャズの “iGosa”、アラビックな旋律のポスト・コルトレーン的なナンバーの “Ukukhushulwa” と、マカティーニの『Unomkhubulwane』と対で聴きたいアルバムだ。


Forest Law
Zero

Les Disques Bongo Joe / Total Refreshment Centre

 フォレスト・ロウことアレックス・バークは、エセックス出身でロンドンを拠点に活動するマルチ・アーティスト。DJ/プロデューサーのエサ・ウィリアムズ率いるアフロ・シンセ・バンドというブラジリアン・ブギー・バンドや、ハハ・サウンズ・コレクティヴというポップ・ロック・バンドでも活動している。最初はジャイルス・ピーターソンのコンピ・シリーズ『Future Bublers』に収録されたことで注目され、〈ブラウンズウッド・レコーディングス〉からデビューEPの「Forest Law」を2020年にリリース。このEPにはエサ・ウィリアムズも参加していて、アフリカ、ブラジル、ラテン系のプリミティヴなサウンドと、ニューウェイヴやポスト・パンクを通過したディスコ・ダブをミックスしたユニークな作品となっていた。
 それから数年を経て、突如登場したのがデビュー・アルバムの『Zero』である。この数年、フォレスト・ロウはロンドンのトータル・リフレシュメント・センターでライヴやセッションなどをやってきたようで、この『Zero』のリリース元にも絡んでいる。YouTubeではトータル・リフレシュメント・センターでのライヴ・セッションの様子を見ることができるのだが、バンド・メンバーはギターとヴォーカルのフォレスト・ロウ以下、アーサー・サハス(フルート、パーカッション、シンセ、エレクトロニクス)、アンジー・プラサンティ(ベース)、イーノ・インワン(パーカッション、エレクトロニクス)、モモコ・ジル(ドラムス)というラインナップで、ほぼこのメンバーで『Zero』も録音しているようだ。

 先行シングルとなった “Ooo, I” はEPでもやっていたアフロ・ブラジリアン系のディスコ・ダブで、エサ・ウィリアムズ・アフロ・シンセ・バンドにも共通するテイスト(エサ・ウィリアムズ・アフロ・シンセ・バンドやハハ・サウンズ・コレクティヴもメンバー的には被る部分もある)。オランダのニック・マウスコヴィッチ・ダンス・バンドあたりに通じるところもあるが、全体的にはフォレスト・ロウの方がよりバレアリックな雰囲気が強い。ボヘミアのジプシー音楽的なダンス・グルーヴの “Niceties”、フルートとコーラスがミステリアスな雰囲気を誘うアフロ・ブラジリアンの “Difficulties”、土着的なアフロ・ブラジリアンとブロークンビーツをミックスしたような “Parece” など、世界各地の民俗音楽や伝承音楽をポップ・ミュージックと巧みに融合した世界を展開している。


Bryony Jarman-Pinto
Below Dawn

Tru Thoughts

 シンガー・ソングライターのブライオニー・ジャーマン・ピントは、ロンドン生まれで幼少期は英国北西部のカンブリア州で育った。ケルティック・バンドのバカ・ビヨンドなどで活動したベーシストのマーカス・ピントを父に持ち、ケルト音楽や英国トラッドから派生したブリティッシュ・フォークと、ソウルやジャズがミックスした音楽性を持つ。ソロ・デビュー前はマシュー・ハルソールとゴンドワナ・オーケストラや、トム・リアのヴェルカなど、マンチェスター方面でも客演してきた。トム・リアとはカンブリア州のペンリスにあるブルージャム・アーツという音楽スクールで共に学んできた仲間だ。ファースト・アルバムは2019年の『Cage And Aviary』で、これまで数々のコラボをしてきたトム・リアが共同プロデュースを担当。ムーンチャイルドのようなジャジーなネオ・ソウルのマナーを取り入れつつも、UK独自のソウルやクラブ・サウンドのエッセンスも取り入れ、何よりもそのアコースティックな肌触りはリアン・ラ・ハヴァスあたりに共通するものだった。

 その後、ジャイルス・ピーターソン主催の「ウィ・アウト・ヒア・フェスティヴァル」への出演があり、待望のセカンド・アルバム『Below Dawn』がリリースされた。パンデミック初期に制作がスタートしたというアルバムで、そうした社会の変化の中で自身も妊娠・出産を体験し、母となった。夜明け前を意味するタイトル『Below Dawn』についてブライオニーは、「このアルバムは、私が出産し、新しい世界に踏み出す直前の自分自身について語っている」と述べている。そして、プロデュースがノスタルジア77のベン・ラムディンが手掛けることもあり、サウンド的には前作以上にジャズの要素が増している。演奏メンバーもそのノスタルジア77のロス・スタンレー(キーボード)ほか、現代のロンドン・ジャズのキーパーソンのひとりであるトム・ハーバート(ベース)、アフロ・ジャズ・バンドのワージュのメンバーであるタル・ジョーンズ(ギター)などが参加。かつてのリチャード・エヴァンスを思わせるベン・ラムディンのストリングス・アレンジが冴える “Moving Forward” がその代表で、中間部のトランペット・ソロも含めて、ブライオニーの歌と共にバックの演奏も聴きどころが多い。“Deep” でのロス・スタンレーのエレピ演奏もそのひとつ。ルタ・シポラによるミステリアスなフルートがフィーチャーされた “Willow” は、ジャズ・スタンダードである “Willow Weep For Me” を下敷きとしている。ジャズ・シンガーとしてのブライオニーの艶やかさ、気品が伝わってくるナンバーだ。 そして、“Leap” でのジャジーなスキャット、“O” でのフルートと結びついた情感に満ちた歌、フォーキーなムードの “Feel Those Things” でのアーシーな力強さをまとった歌と、さまざまな表情を見せてくれるアルバムだ。


Ahmed Malek
Musique Originale De Films: Deuxième Tome

Habibi Funk

 最後に復刻物を紹介したい。アルジェリア出身の作曲家/ミュージシャンで、1970年代から1980年代にかけて数々のサントラを残したアーメド・マレック。アルジェリア放送局でテレビやラジオの音楽を制作し、映画やドキュメンタリーなどにも彼の音楽は用いられた。伝統的なアルジェリアの音楽と、西洋のジャズやファンクを融合し、またシンセをはじめとした新しい楽器やテクノロジーを取り込むことにも貪欲だったマレックは、アルジェリアのエンニオ・モリコーネとも呼ばれた。キューバやフランスでおこなわれた音楽祭にも参加するなど国際交流にも積極的で、2008年の没後以降は再評価が進み、2019年と2021年はアルジェ国立現代美術館で回顧展が開催された。彼のサントラやレコードはアルジェリア国内のみの流通で、また非英語圏の音楽であるためにこれまでほとんど聴く機会はなかったが、2016年頃よりドイツの〈ハビビ・ファンク〉が彼の作品のアーカイヴ化を進めている。『Musique Originale De Films: Deuxième Tome』もそうした1枚だ。

 “La La La” はブラックスプロイテーション風のジャズ・ファンクで、年代的には1970年代中盤頃の作品だろう。スリリングなリズム・セクションとワウ・ギターはブラックスプロイテーションの定番だが、どこかアラビックなムードがアルジェリア音楽ならではである。そして、フルートのような音色のモーグ・シンセが用いられ、当時の先端技術を駆使した作品であることも読み取れる。

Seerkesinternational - ele-king

 そう、時代はDUB。先日、すばらしいアルバム『KINTSUGI SOUL STEPPERS』をリリースしたseekersinternationalが来日。東京公演ではMars89がTemple Ov Subsonic Youth名義でのライヴも披露。さらに先日USの〈Digital Sting〉より強力なアルバムをリリースしたばかりのG Version III、イベントを主催する〈Riddim Chango〉の1TA、Elementも出演。ぜひ、現在進行形のダブを体験して欲しい。

2024.08.10 FRI
OPEN/START23:30
Over 20 only・Photo ID required
20未満入場不可・要顔写真付ID

Riddim Chango presents GHOST DANCE

LINE UP>>>
LIVE:
Papa Cool Breeze from Seerkesinternational
Temple Ov Subsonic Youth a.k.a. Mars89

DJ:
G Version III
Element
1TA

artwork: Boram Momo Lee

ADV./DOORU23 ¥2,500 / ADV ¥3,000 / DOOR ¥3,500
TICKET: https://t.livepocket.jp/e/20240810wwwb

詳細: https://www-shibuya.jp/schedule/018076.php

Riddim Chango
https://riddimchango.bandcamp.com/
https://www.youtube.com/@riddimchango


nmnhn sp vol.4
8月13日(火曜日)
場所 SOCORE FACTORY
開演 19:00~

出演者
Papa Cool Breeze from Seekersinternational
1729
Element
yudayajazz
Nakam

ADV 3,000 (1D)
DOOR 3,000 (+1D)

https://socorefactory.com/schedule/2024/08/13/nmnhn-sp-vol-4/

水谷:そろそろVGA(VINYL GOES AROUND)でコンピレーションでも作ろうという話になったのって去年(2023年)の秋くらいでしたね。

山崎:VGAはレアグルーヴのイメージが強いという事もあって、いろいろ案を出しあった結果、「アンビエント・ブームへのレアグルーヴからの回答」というコンセプトができて取りかからせて頂きました。

水谷:一概には言えないのですが直球の70年代ソウルが今の時代にフィットしないような感覚があり、また思った以上にスピリチュアル・ジャズが盛り上がっている背景もあったので、その辺にカテゴライズされているものを中心に静かな楽曲をアンビエント的な解釈でコンパイルするのは面白いかもねというのが当初の話でした。そもそもアンビエントの定義とは何なのでしょうか?

山崎:ブライアン・イーノが提唱した「環境に溶け込む、興味深くかつ無視できる音楽」というのが定説ですが、境界線は曖昧ですね。90年代に流行したヒップホップやR&B、アシッドジャズのルーツにはレアグルーヴ的なサウンドがあったのに対し、テクノやハウスのルーツにはアンビエントやニュー・ウェイヴ、プログレッシヴ・ロックがあって、当時のレコード店にはテクノと同じ棚にアンビエント系も並んだりしていました。僕はそのあたりからアンビエントに興味を持ち始めました。

水谷:近年のアンビエント・ブームはどのような経緯で生まれたのでしょうか?

山崎: 今の世界的なアンビエント・ブームは80年代の日本の環境音楽やニューエイジが中心となっています。日本ではハウス系の文脈からバレアリックやイタロ/コズミック系に流れた人たちが2010年以降に開拓していったように思いますが、しかし90年代は、クラブミュージック界隈では誰もこの辺に興味を持っていなかったように思います。時代とともに価値観が逆転した感じですね。

水谷:今回のコンピレーションはその流れとも少し外れているように思いましたが、具体的にはどのような意図で選曲をしていったのですか?

山崎:まずコンピレーションの意義みたいなものを考えてイメージを膨らませました。僕が20代の頃(80〜90年代)によく聴いていたのは主に70年代のソウルやファンク、ジャズのいわゆるレアグルーヴ系のコンピレーションで、当時は知らなかった曲の発見に加えて、収録曲の完成度が高くてリスニング体験がとても豊かでした。でも2000年代を過ぎたあたりから発掘ネタも出尽くしてきて、様々なコンピレーションが重箱の隅を突くようになりどんどんクオリティーも下がっていきました。

水谷:レアグルーヴの視点でいうと欧米の主要な楽曲の発掘は2000年代で枯渇したように思われます。2000年代中盤に差し掛かると収録ネタのターゲットは辺境系にいきました。購買層もどんどんマニアックな人たちになっていき、それはコア層にとっては新鮮でしたが、いま、2024年に振り返ってみても一般的なスタンダードにならなかった曲が多かった気がします。

山崎:一方、同時期にレアグルーヴ系以外でよく聴いていたコンピレーションは、1994年にリリースされた『Café Del Mar』や1996年にリリースされた『Ocean Of Sound』で、前者は当時、イビザ島のカフェをテーマにしていてそこでレギュラーDJをしていたホセ・パディーヤが選曲をしているもの。後者はブライアン・イーノが設立したレーベル、Obscureからもアルバムをリリースするアンビエント/エクスペリメンタル・シーンのパイオニア、 デヴィッド・トゥープによるものなのですが、どちらもジャンルの深掘りというよりは、ジャンルも年代も広い範囲で捉えられていて、テーマにそって演出された選曲が斬新でした。

 それで散々アンビエント系のコンピレーションが出ている今、若いアナログ購入者層に向けるべきなのは、レアな曲を中心にセレクトするのではなく、定番もおさえた上でサブスクのプレイリストでは感じることのできないアナログの体験ができるようなコンピレーションではないか思いまして、また80年代アンビエント発掘系のMUSIC FROM MEMORYや、LITAの『環境音楽』とも違った方向性にしたかったので、『Café Del Mar』や『Ocean Of Sound』を意識し、テーマを決めて様々なカテゴリーから選曲する方向へとシフトしました。テーマは夜の部屋から望む月です。

水谷:どうして月なのでしょうか?

山崎:単純な理由なのですが去年、たまたまストロベリー・ムーン(毎年6月に見られる赤い満月のこと)に遭遇したんですね。海の水平線上に、これまで見たことのないくらい赤くて異様な感じで妖艶な光を放っていました。その時に撮った写真をジャケットにしたいという思いがありまして、実際に使わせていただきました。

水谷:このジャケットは秀逸ですね。なんとも言えない存在感を感じます。それとこの三角の帯、『ORIGAMI』もいい感じになりましたね。

山崎:この帯は水谷さんと一緒に考案させていただきましたが、通常の縦の帯はジャケットのアートワークの大事な部分を隠してしまうこともある。この帯はそんな時にいいですね。

水谷:ただ日本盤の帯って良くできていて、縦にドーンっとカタカナが入っている感じは外国人も好きですし、あの存在感が購買意欲に直結する感じもあります。なので『ORIGAMI』は今後もケースバイケースで使っていきたいなと考えています。

山崎:では曲を追っていきたいと思います。

水谷:1曲目はP-VINEのアーティスト、yanacoですね。最近はマイアミのシンガーソングライター、カミラ・カベロにサンプリングされたり、配信サービスのチャート常連になっている新進気鋭の日本人アーティストです。

山崎:この「Arriving」は最初に聴いたとき、ピアノのフレーズが綺麗で心に染みる感じがアルバムの導入にふさわしいと思い、すぐに1曲目にさせてもらおうと決めました。

水谷:yanacoはデモテープをP-VINEに送ってきてくれたアーティストの一人なのですが、アンビエント作品のデモテープって今、とても多いんですよ。語弊を恐れずに言うとアンビエントっぽい曲って簡単に作れてしまう。そういう事情もあってなのか、たくさんアンビエントのデモが送られてくるのですが、yanacoには他のアーティストとは明らかな違いを感じたんです。その違い何だったのか明確にはわからないのですが、アンビエントって冷たい曲が多い中、yanacoには不思議な温かみを感じたのも理由の一つで、彼が唯一リリースに繋がったアーティストです。

山崎:直感に触れてくるような親しみのある感じはとても良いですね。適度な緊張感を保っているので自然体で聴けます。今回、ジャンル特有の難解さはあえて避けましたのでフィットしました。
続いて2曲目にはフランスの黒人ピアニスト、Chassolの「Wersailles (Planeur)」です。

水谷:ピアノの流れが続きますが、遠い景観をイメージするようなゆったりしたyanacoの曲から疾走感のあるこの曲への繋がりがまるで映画のシーンが変わるようですね。

山崎:実際、この曲は『わたしは最悪。』という2021年のフランス映画で使われていて、主人公の女性が明け方に街を彷徨するシーンにマッチしていました。この映画では他にもArmad JamalやCymandeが使用されていて監督に同世代感を感じました。調べたらそのヨアキム・トリアー監督は1974年生まれでした。

水谷:ピアノがエモくていいですね。情景が浮かびます。Chassolはどういうアーティストなのでしょうか?

山崎:2015年に恵比寿のリキッドルームでモントルー・ジャズ・フェスティバルが開催されてそこでLIVEを初めて観ました。映像を使ったライブをする人なのですが、鳥のさえずりや人の会話の映像に演奏をかぶせていき、ピアノやドラムと映像がどんどんシンクロしいていってそれが少しずつ音楽に変わっていく。今まで観たことがない貴重な体験でした。その後、すっかりChassolのファンになってレコードを買うようになりました。良い曲が多いので今回、候補曲を絞るのが難しかったです。
次の3曲目はBrian Bennett & Alan Hawkshaw の「Alto Glide」です。

水谷:これはUK老舗のKPMというライブラリー音源ですね。やっぱりヨーロッパな感じがします。いつもUSの真っ黒な曲ばっかり聴いていても疲れちゃいますから、たまにはこういう洒落た曲を聴きたくなるので、僕も昔はフランスのEditions Montparnasse 2000とかをよく集めました。この「Alto Glide」は跳ねた感じのビートと浮遊感のあるシンセサイザーが気持ち良いですね。片割れのBrian Bennett の『Voyage』というライブラリー・アルバムを知っていますが、そこに収録の「Solstice」も、 ドープでゆったりとしたシンセ・ファンクでいい曲です。

山崎:KPMのライブラリー音源はイタリア系よりも70年代臭すぎず洗練された曲が多いです。John Cameronの「Half Forgotten Daydreams」とかKeith Mansfield「Morning Broadway」などは有名なレア・グルーヴ・クラシックでもあります。

水谷:今回、100%アンビエントにこだわっていないとは思いますが、これはビートが強いのでアンビエントとは言えない感じですね。

山崎:すでに3曲目でアンビエント色から外れてしまうというのもどうかとは思いましたが、緩急をつけることで曲それぞれが生きてくる感じを前半から作りたかったです。そして次につなげる橋渡し的な役割でもありました。

水谷:で、次がSven WunderのLP未収録の7インチ・オンリーの曲「Harmonica and....」ですね。

山崎:Sven Wunderは近年、人気が急上昇しています。この曲は彼の楽曲の中でも人気の高い曲で、7インチは最近では2万円くらいまで上がっています。また先日も、タイラー・ザ・クリエイターのアパレル・ブランドle FLEURのPV挿入曲としても使われていました。今回のコンピレーションの中ではある意味いちばん華やかな曲ですね。

水谷:しっかりとした音ですよね。こういうビートに豪華なストリングスが入るとDavid Axelrodを思い出しますが、その現代版と言ってもいいかもしれません。

山崎:David Axelrodは当時の最高峰のレコーディング環境とスタジオ・ミュージシャンを使っていますからね。で、あのサウンドをあの時代にやっていた。僕らにとってはもう神のような存在ですが、Sven Wunderもそこに追走していてかなり頑張っていると思います。

水谷:次はテキサスのアンビエント作家、Dittoです。ここで初めて80年代ニューエイジ・サウンド的なシンセサイザーの音色がでてきました。

山崎:なぜテキサスでこういう音楽をやっていたのかが謎な人です。これはビートがしっかり入っているので選曲しました。僕はWally Badarouが昔から好きで、この人はアンビエント的な曲を手がける黒人キーボーディストなのですが、アフリカンなビートにDX-7などの80年代シンセサイザーが特徴で、クラブ・クラシックな曲が多くあります。このDittoの「Pop」はシンセの音色と変拍子のリズムがWally Badarouにも通じる感じがしました。でも本人は白人でイーノやクラスターに影響を受けているらしいです。

水谷:次の曲は日本人ですね。

山崎:新津章夫さんはまさに80年代の日本のニューエイジ音楽家です。最近、ギター中心の一人多重録音で作られたアルバム『I/O(イ・オ)』(1978)がアナログで再発されました。自宅の物置をスタジオに改造して音楽制作をされていたらしいですが、工夫を凝らした作風で評価が高いです。この曲は1981年に発表された曲ですが、ゆっくり弾いたギターの再生スピードを上げてメロディーを奏でているところが特徴的で、この手法はホルガー・シュウカイもペルシアン・ラヴで使っています。

水谷:確かにペルシアン・ラヴに通じる曲ですね。

山崎:このような職人気質なニューエイジ/環境音楽家が80年代の日本にはたくさんいて今、それが世界で再評価されています。この辺の作家はYMOの影響下にある人も少なくないと思います。YMOが海外での評価が高かったことから日本の環境音楽シーンも海外を視野に入れて制作をされていたのではないでしょうか。今、ここにきてそれが実を結んだというのはいいですね。

水谷:次はLemon Quartetの「Hyper for Love」ですね。ここでアンビエント系からジャズに戻りました。どういうグループなのですか?

山崎:オハイオの現行ジャズ・グループですね。アルバムを2020年代に2枚リリースしています。全体的にECMにも通じるような作風で、最近のアンビエント系のファンから人気が高いです。今、ECMの中古レコードって以前に比べて高くなっているんですよ。

水谷:そうなんですね。昔は1000円以内で買えるイメージでしたが。

山崎:ECMはアンビエントとは呼ばれないですが、設立当初(アンビエントという定義ができる前)から「The Most Beautiful Sound Next To Silence (沈黙の次に美しい音)」というサウンド・コンセプトを示してきたレーベルなので、今また評価が上がっているのはアンビエント人気の延長にあると思います。

水谷:これを聴いて思うのはやはりスピリチュアル・ジャズとは違ってピアノが軽いですよね。スピリチュアル・ジャズのピアノは美しさと同時に重みがある。これはジャズなのにアンビエントとしても聴けるのはこの軽さが理由だと思います。このサウンドは今の時代を表しているように感じますね。

山崎:今回のコンピレーションで示したかったのはアンビエントをテーマにしながらもアンビエントではないジャンルの横断なので、この曲の良い意味で軽めな表現はコンセプトに合いました。

水谷:続いてはGigi Masin の「Clouds」です。よくできた曲ですね。古くからサンプリング・ネタとしても多くの人から使われています。

山崎:この曲は2016年に我が社で12インチをカットしていますがその時の世の中の反響はどうだったのですか?

水谷:日本ではちょっとしたGigi Masinブームが起こっていましたね。レコードも売れましたし、舐達麻の「FLOATIN’」でもその後サンプリングもされました。

山崎:この曲は美しいピアノが印象的ですが、バックのシンセサイザーのループが秀逸ですね。

水谷:このループ感がサンプリングネタになりやすい所以だと思いますが、アンビエントでも僕らのようなジャンルの人が聴ける重要な部分はこのループ感という気がします。ここにグルーヴを見出すことができる。

山崎:おっしゃる通りですね。ビートが無くても感じられるグルーヴの一つに、同じフレーズの反復があると思います。今回の選曲はこのグルーヴ感を重視しています。これがレアグルーヴからの回答なのかなと。

水谷:次はJohanna Billingの「This Is How We Walk On The Moon」ですね。アーサー・ラッセルのカバー曲です。アーサー・ラッセルって僕が最初にアンビエントを意識した人ですね。アンビエントからディスコ/ガラージ系、ニュー・ウェーブなど多方面で活動されていましたが、いろいろな層から高い評価をされるクロスオーバーな人の象徴のようなイメージです。

山崎:90年代はアーサー・ラッセルからのサンプリングって、ハウスでは結構ありますが、調べるとヒップホップでもカニエ・ウエストが2016年にサンプリングしているのである意味レアグルーヴな人だと思います。

水谷:このJohanna Billingという方はどのようなアーティストなのでしょうか?

山崎:スウェーデンで活動する女性のメディア・アーティストで、映像で多くの作品を発表しています。この「This Is How We Walk On The Moon」も彼女が2007年に発表した同名のショート・ムーヴィー(邦題『私たちの月面の歩き方』)のサウンドトラックで、当時は恵比寿映像際というアート・フェスでも出展されていたみたいですね。この作品は観ていないですが、彼女は主に即興とドキュメンタリーを掛け合わせたような作風らしいです。

水谷:チェロの感じはアーサー・ラッセルっぽいですが、パーカッシヴなトラックとしばらく歌が出てこないアレンジがいいですね。

山崎:原曲がいい曲っていうのもあるかもしれませんが、アート系の作家による音楽にしてはすごく良くできているアレンジだと思います。あとこの曲は歌詞がいいんですよ。翻訳を見たらとてもポジティブな内容で感銘を受けました。それもあって本作のタイトルはここから引用させていただきました。

水谷:続いてはWeldon Irvineの「Morning Sunrise」です。今、めちゃくちゃ人気のある曲ですが、僕たちがこんなことを言ってはいけないですが、「え?なんで?」って感じもありますよね。

山崎:1998年リリースの未発表アルバムに収録されていました。このアルバムは僕もリアルタイムで買いましたが、どちらかというと失敗したなと思った買い物でしたね。当時の周囲の評判もすごく悪かった。それが後にこの曲が跳ねるとは思いもしなかったです。

水谷:これもサンプリングされて人気が上がった曲ですね。Weldon Irvineの歌モノの代表曲といえば僕らの時代は「I Love You」っていう印象が強いのですが、今はどちらかといえばこの「Morning Sunrise」の方が代表的になっている気がします。

山崎:コンピレーションの終盤に夜明けをテーマにした曲を持って来れたのはちょうど良かったですし、他にソウルフルな楽曲が無かったのでうまくバランスが取れました。またあらためて聴くとやっぱりいい曲だなとも思いました。

水谷:そしてLPの最後はセキトオ・シゲオさんの「The Word II」。これもマック・デマルコによる引用で今や大人気の楽曲ですね。

山崎:そうですね。さすがに有名曲すぎるとも思いましたが、僕たちの界隈を外れたところでは意外と知らない人も多いので収録させていただきました。このオリジナルのレコードはエレクトーンの教則的なシリーズですね。日本人でもなかなかディグしないであろう曲をカナダ人のマック・デマルコが引用するなんて最初はびっくりしましたが、ネットの力はすごいというか、YouTubeの出現によって日本の古い音楽が世界に広まった代表的な事例の一つではないでしょうか。

水谷:LP収録曲をひと通り説明いたしましたがCDには井上鑑さんの「湖のピアノ」が追加収録されています。

山崎:この曲が収録されていたアルバム、『カルサヴィーナ』はもともとカセット・ブックのシリーズでリリースされています。井上鑑さんは多作すぎてすべてを聴いているわけではないですが、アンビエントを手掛けている作品は珍しいと思います。

水谷:日本で高い人気を誇る作編曲家だけあって音が鋭く響きわたりますね。

山崎:背景に鳴っているフィールド・レコーディングのような音とピアノにかかっているエコーやリヴァーブも効果的で美しいです。

水谷:吉村弘さんを筆頭に今、流行っているアンビエントって先ほどのDittoのようなサウンドなのかなって思うのですが、井上鑑さんのこの曲はそれとは全く別の音楽に感じます。アンビエントの中でもカテゴリーの枝分かれってあるのですか?

山崎:Dittoはシンセサイザー・ミュージックだと思います。井上鑑さんのこの曲は現代音楽よりでしょうか。この辺をひっくるめてニューエイジ・ミュージックと言うのだと思いますが、ニューエイジって瞑想のための音楽や音楽療法に使われるものだったりする宗教的イメージが強いので、先にも書きましたが昔は一般的には人気のある音楽ではなかったです。ただ現代からあらためて振り返ると、80年代のこの辺のサウンドって90年代以降に生まれたIDM系やダウンテンポに近いサウンドをそれよりも先に具体化していたように思います。ここに因果関係があるのかどうかは全くわからないですが、再評価されているのはそういうことではないかと勝手に思っています。

水谷:あとは80年代ディグの延長ですよね。このムーブメントは80年代ディグの最終地点かもしれません。

山崎:たしかに巷ではそろそろ90年代ディグに入ってきてますからね。

水谷:さて、今回、あらためてこの『How We Walk On The Moon』を通して聴きましたが、バランスよく上手くまとまっているんじゃないでしょうか。

山崎:そう言って頂けて安心しました。最後に伝えたいのですが、今回のLPはとても音がいいです。プレスは我が社の『VINYL GOES AROUND PRESSING』(VGAP)なので、非常に手前味噌で恐縮ですが、選曲を考えている間ずっとデジタル音源でこれらの曲を聴いていたんですよ。それでテスト・プレスが上がってきて初めてレコードに針を落とした時に、久しぶりにアナログというものの素晴らしさを感じました。あの感動は忘れられないですね。暖かみがあって奥行きがあって、解像度はデジタルの方が良いはずなのですが、すぐそこで楽器を鳴らしているようなリアルさも感じまして。で、やっぱりレコードって良い音なんだなぁとあらためて思いました。

水谷:うちの宣伝になってしまうようで申し訳ないですが、実際にVGAPのプレスの音は外からの評判もとてもいいんですよ。非常にありがたいお話ですが。

山崎:一般受注も開始しましたし、国内のレコード生産が今まで以上に活発になるといいですね。

VINYL GOES AROUND Presents
V.A. / ハウ・ウィー・ウォーク・オン・ザ・ムーン
V.A. – How We Walk on the Moon

CD:発売中
LP : PLP-7443 / Release: 2024年8月7日

LP収録曲
SIDE A
1. yanaco - Arriving
2. Chassol - Wersailles (Planeur)
3. Brian Bennett & Alan Hawkshaw - Alto Glide
4. Sven Wunder - Harmonica and…
5. Ditto – Pop
6. 新津章夫 – リヨン

SIDE B
1. Lemon Quartet - Hyper for Love
2. Gigi Masin – Clouds
3. Johanna Billing - This Is How We Walk On The Moon (It's Clearing Up Again, Radio Edit)
4. Weldon Irvine - Morning Sunrise
5. Shigeo Sekito – The Word Ⅱ

https://vgap.jp

interview with xiexie - ele-king

 オルタナティヴ・ロック・バンド、xiexie(シエシエ)が1stアルバム『wellwell』をリリースする。
 2020年1月に東京で結成。2021年2月に1stデジタルEP「XIEXIE」でデビュー。以降、EPとシングルを続々とリリースし、ライヴ・シーンで存在感を示してきた。活動期間は4年を超えるが、今回が初めてのフル・アルバムとなる。
 USインディ、ドリーム・ポップ、サイケといったフレーズで説明されることの多いこのバンドは、日本のみならず、アジア諸外国で評価が高まっている特異な存在だ。
 なかでも台湾でのあるエピソードはちょっと、興奮なしには語れない。まるでバンドをはじめたばかりの少年少女が思い描く夢物語。映画や漫画のような光景を実現してしまったのだ。

 2023年秋、台湾の音楽フェス「浪人祭」に出演することになったxiexie。この時点でのxiexieは現地のオーディエンスにとってまったくの無名と言っていい「外国のバンド」だ。
 開演時刻を迎えても会場はガラガラ。しかし演奏を続けるうち、目を輝かせたオーディエンスが続々と引き寄せられてくる。
 ステージ間の移動中、たまたま耳に入ったxiexieのサウンドに心を掴まれた人びとが集まってきたのだ。彼らが惹かれたのはネーム・ヴァリューでも物珍しさでも奇抜なパフォーマンスでもない。純粋にその音楽をもっと聴きたいという思いが足を運ばせた。その夜は結局、超満員のオーディエンスからの大歓声を浴びながら終演を迎え、翌々日の同地でのワンマンはソールドアウト。
 「音楽が大衆に見つかるときはこうあってほしい」と界隈の人間が願う理想そのもののような体験を得て帰国した。

 台湾の落日飛車/Sunset Rollercoaster(サンセットローラーコースター)をはじめとして、韓国やタイなどのアジアの国と地域には、USインディやその周辺ジャンルの影響を感じさせるバンドが数多く存在し、またそうしたバンドが支持される土壌が豊かにある。xiexieの台湾での反響はそうした背景からくるものといえるだろう。ただ、音楽性の近い他のバンド同様、xiexieにはxiexie独自の持ち味、特異性がある。今回のインタヴューでは、メンバーたちとの対話を通してその特異性の一端の言語化を試みる。
 その過程で、バンドの成り立ち、メンバーそれぞれの音楽的ルーツ、最新アルバムの聴きどころ、今後の展望など、包括的に話を聞いた。

作ってる側としてはドリーム・ポップと思ってないんですよ。そう思われるのが不服ってわけじゃないんですけど、なんでドリーミーとか言われるんだろう? って不思議ではあって。(幸田)

バンド結成の経緯はどういったものだったんでしょうか。

飛田興一:僕がこのバンドの発起人です。ビッグ・シーフリアル・エステートが好きで、それくらいの時期のUSインディ的なサウンドのバンドをやりたいなっていうコンセプトでメンバーを集めました。

幸田大和:僕はもともと飛田さんと別のバンドを組んでたんですけど、その頃はいまとぜんぜん違う音楽性でした。

「USインディ」以外だと、「ドリーム・ポップ」もxiexieの音楽を表現するうえでよく使われるフレーズです。

幸田:僕がバンドのメイン・コンポーザーなんですけど、作ってる側としてはドリーム・ポップと思ってないんですよ。そう思われるのが不服ってわけじゃないんですけど、なんでドリーミーとか言われるんだろう? って不思議ではあって。

皆さんの自認としてはオルタナ(オルタナティヴ・ロック)?

Meari:そうですね。

飛田:こういう音楽性ではあるんですけど、似たような音楽が好きな人たちのなかでちょっと浮いてるかもと思うこともあって。僕個人としてはですけどね、こう、アングラなコミュニティに居心地のよさを感じるわけではないんですよね。割と陽気な方で。

開輝之:陽気(笑)。

飛田:だから売れなくていいとはまったく思ってなくて、xiexieとしても「どうすればこういう音楽をオーヴァーグラウンドに持っていけるか?」って意識は共有してます。
 そもそも、USインディ的だと言われるような音楽性ってポップでキャッチーだと思ってるんですよね。

Meari:本当にね。

開:それはあるよね。

抽象的な話になってしまうんですが、かつてのUSインディ系のバンドと、近年のそういった傾向のバンドとを比較して、思うことがあります。ダンス・ミュージック的というか、ファンクネスが感じられることが増えたように思うんです。

Meari:あー、そうかもしれない。

もともと私は踊りたいほうというか、踊るのが好きですね。(Meari)

チャートにおけるいわゆるブラック・ミュージックの存在感が一段強まって以降の世代というのも関係するのか。断定的なことは何も言えないのですが、その点でいうとxiexieはなかでもかなり “踊れる” タイプのUSインディ・サウンドだなと。

Meari:実際、私がギター置いてタンバリン振って踊る曲ありますよ。今回のアルバムに入ってる “City” って曲です。もともと私は踊りたいほうというか、踊るのが好きですね。

開:言われてみると確かにって思いましたね。意識してたわけではないけど。

飛田:僕もブラック・ミュージック寄りだけど、幸田くんなんてもともとモロにそっち側の人じゃない?

幸田:カッティングしかしてなかった時期あります。カッティングで右に出るものはいねえぜと。

ナイル(・ロジャース)よりも。

幸田:ああもう全然。俺(のほうが上)ですね(笑)。

飛田:個人的には、ブラック・ミュージック寄りな音楽で自分にできることは前のバンドでやりきった感じがあって。そういう要素を持ちつつ、それだけじゃないことをやりたくてはじめたのがこのバンド。
 それで言うと、xiexieをはじめるときに開くんを誘おうと思ったのは、ブラック・ミュージック寄りな音楽と縦のノリの音楽、どっちをやっても説得力があるんですよね。
 彼を尊敬しているところなんですけど、どっちをやってもグルーヴのクオリティが変わらない人ってなかなかいないと僕は感じてるので、彼とリズム隊をやりたいなと思ったんです。

開:そうだったんだ。いま初めて聞きました(笑)。

いろんな要素を内包しているのもあり、皆さんとしては「オルタナ」くらい抽象度の高い括りが居心地いい、というところなんでしょうか。

幸田:オルタナティヴ・ダンス・ロック・ポップ・バンドでいいんじゃない?

Meari:ダンスとポップ入れたくないなあ……。

幸田:オルタナティヴ・ロック・バンドでいきます。

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ヴェルヴェット・アンダーグラウンドを知って、いろいろ聴き漁るようになりました。ジャズとか〈モータウン〉とか。(開)

ここからは最新アルバム『wellwell』について1曲ずつ伺っていきます。まずはM1 “please me” から。

幸田:このリフが聴こえてきたら「あの曲だ!」ってわっと反応が来るような曲が欲しかったのと、「アルバムの1曲目」としてどんな曲がいいかというのを考えて作った曲です。
 そもそも、これまでxiexieにはリフからはじまる曲がなかったんですよね。

飛田:うちらのなかではかなりエッジィな曲だよね。

幸田:今回のアルバムはかなりライヴを意識して作ってるんですけど、なかでもアンセム的なものになるといいなと思って書いたものです。

飛田:xiexieでは僕がミックスをやってるのでちょっとエンジニア的な話もしちゃうんですけど、ドラム・ソロのところにMeariの声が重なって入ってて。

Meari:うにゃうにゃうにゃ~って。

飛田:そこが聴きどころです。

あの声があることで浮遊感が一層増した感があります。

Meari:2曲目は “UMA”。シングルですね。

開:僕はこれけっこうベースライン気に入ってる。

飛田:何パターンか弾いたなかで、これがいちばん少年たちが弾きたくなるような音だったんですよね。

開:レコーディングのときにそう言われて確かにと思って。それで好きになりました(笑)。

開さんもルーツとしてはファンク寄りなんでしょうか?

開:いや、そういうわけではないですね。最初の頃聴いていたのはギター・ポップ、ネオアコ辺り。初期のカーディガンズ、シンバルズ、アドバンテージ・ルーシーとか。上京してからレッド・ツェッペリンとかサンタナとか、60~70年代ハード・ロックを聴くようになったんですけど。
 そのあとヴェルヴェット・アンダーグラウンドを知って、いろいろ聴き漁るようになりました。ジャズとか〈モータウン〉とか。

いわゆるブラック・ミュージックを聴くようになるまでにいろいろと下地があったんですね。

開:そうですね。そこからはもう雑食です。

飛田:僕が彼と初めて会ったときはボサノヴァのバンドやってました。

Meari:飛田さんだってもともとはV系でしょ。

そうなんですね!

飛田:少年の頃、BUCK-TICKやSOFT BALLETから入ってヴィジュアル系を聴いてましたね。そこからテクノに行って、ジャズを演奏していた時期もあります。でも、いちばんコアになってるのはアシッド・ジャズ、なかでもイギリスの人たちが解釈したものが肌に合うんです。
マザー・アース、ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、コーデュロイ。インコグニートやジャミロクワイももちろん好きです。

『wellwell』でそういったファンクネスが感じられる曲というとどの辺りでしょうか。

幸田:今回はアルバム全体かなりファンク要素が強いです。なかでも “Nile” はかなりファンクっぽい曲ですね。僕が歌わされた曲です。

Meari:歌わされたって(笑)。

幸田:ただxiexieはがっつりのファンクをやるバンドではないので、バランスを調整するのに苦労しました。

開:ベースもかなりファンキー。今回は1枚目のEPでやったことを土台にかなり幅広くやれた。

幸田:1枚目の頃にも僕の手元にはファンキーな曲があったんですけど、アルバムに入れなかったんです。いまならいいかと思って。そしたら歌わされた。

飛田:幸田くんの活躍する曲でいうと、今作でわたくしがいちばん好きな曲が “calm sea”。彼が初めてデモを弾いたときに、改めて「いや~いい曲書くな」と。

幸田:デモ時点ではxiexieにしてはポップで、作り方難しいなと思ってたんですけど、飛田さんが作ったトラックがよかったんでいい感じにまとめられたなと。もともとあったBメロを抜いたのもよかった。

洋楽的な構成になってポップさが抑えられたと。幸田さんのルーツとしてはやはりファンクネスを感じるようなジャンル?

幸田:ええと、僕はもともと父親が銀座でジャズ・バーをやってて。

Meari:そうなんだ。

メンバーも知らなかったんだ……。

Meari:案外あんまり家族のこととか話さないかも。

幸田:子どもの頃から聴いてたんで、やっぱりジャズに馴染みはあります。父親はその後、田町でラーメン屋さんをはじめるんですけど。

Meari:そうなんだ(笑)!?

幸田:そうなのそうなの。で、ラーメン屋さんでもジャズかけてましたね。

いい店……。

幸田:その影響で僕は久保田利伸とかいいなあと思うような子どもで。ギターは中学を卒業する頃にはじめたんですけど、エレキじゃなくアコースティック・ギターが好きだったんです。
 xiexieの前に飛田さんとバンドやってた頃もアコギにしか興味なかったです。いろいろ聴くようになったのは本格的に曲を作るようになってからですね。曲を作るうえで必要を感じて新しいものを聴いて取り入れるような感じで。女性ヴォーカルの音楽を意識的に聴くようになったのもxiexieをはじめてから。

飛田:今回のアルバムでアコギ期の幸田くんを感じられるのが “my time” です。僕は最初にデモを聴いたとき「幸田ってこういう奴だったなあ」ってなんかうれしくなっちゃったんですよね。

幸田:自分としてもこれはやりたいことをやったというか、「イメージ通りやれた」って感じです。

飛田:アコギとガットギターと、ピアノも幸田くんが弾いてるんですよ。

Meari:ヴォーカルはいままででいちばん低くて、ギリギリ出ないくらいの音域。キーを上げるか悩んだんですけど、いろいろ試してみてこれがいちばんいいキーだなって思ったので挑戦してみました。こういうこと、1stのEPの頃にはできなかったなって思います。声の変化もあるし、マインド的にも。

いちばんコアになってるのはアシッド・ジャズ、なかでもイギリスの人たちが解釈したものが肌に合うんです。マザー・アース、ブラン・ニュー・ヘヴィーズ、コーデュロイ。インコグニートやジャミロクワイももちろん好きです。(飛田)

Meariさんの持ち味が全面に出た曲というとやはり踊りながら歌うという “City” でしょうか。

Meari:“City”はバンドの初期の頃からある曲で、ライヴで必ずやってるって言ってもいいくらい。

開:お客さんからの人気も高いよね。

Meari:私はダンスありきの音楽が好きで。音楽を聴きはじめたのも、最初はミュージカル・ソングだったんです。子どもの頃からショー的なものに触れてた影響は大きいです。マドンナとか、歌いながらダンスする人に夢中になってました。

ショー的なものが身近だったのはどういった背景で?

Meari:母がシンガーなんです。ミュージカルに出たり、テクノ・ポップを歌ったりしていた人で。
 あと父親がドラマーで、バンド・サウンドも子どもの頃から浴びてました。小さいうちからライヴ・ハウスによく行ってて。(ローリング・)ストーンズ、ビートルズ、ラモーンズ、ブロンディなんかが馴染み深いです。

なるほど、どちらの影響も現在に結実していますね。ところで “City” ですが、初期からあるけれど音源化は今回初めてなんですね。

飛田:お客さんからはずっと音源化してくれって声があったんですけど、3人はしたくなかったんだよね。

開:したくないというか、ライヴでやってこそのグルーヴだから。うーんって。

Meari:ライヴの場の熱量でやっている曲というか、タンバリン振って踊りながら歌ってるムードを音源に落とし込むってなったときに、どうしてもイメージが湧かなかった。

それが今回音源化に至ったのはどういった経緯で?

飛田:またエンジニア方面の話になるんですけど、僕がずっと欲しかったWARM AUDIOっていうメーカーのプリアンプをたまたま開くんが持ってるってことを知って、「それがあれば “City” 録れるんじゃないか?」となって、やってみたらメンバーも受け入れてくれたんです。

開:これなら出せるなって。

Meari:ね。

現状打破のきっかけが機材というのが非常にリアルな制作の裏側ですね。ちなみに、他にも今回のアルバムに昔からある曲が収録されていたり?

幸田:昔からあるのとはちょっと違いますけど、“alien II” って曲は1stに収録されてる “alien” って曲の続編ですね。

連作なんですね。

飛田:THE 虎舞竜の「ロード」みたいな感じでね。

幸田:alienシリーズではほとんど同じリフをヴァージョン違いみたいな感じで使っていくつもりで、歌詞にはストーリーを持たせてて。全8部作を考えてます。今後バンドの公式ファンクラブを発足するつもりなんですけど、会員限定でalien 3.5とか、オフィシャルにリリースされてる曲の合間のスピンオフ的な曲も聴けるようにしていく予定です。

飛田:我々にとってかなり大事な曲です。決してシングルにするような曲ではないんですけどね。

幸田:これがあるから心がチューニングできるなっていう曲ですね。いろいろとこれまでにない作風にチャレンジしても、alienシリーズを作るとxiexieに戻ってこられるというか。

開:元来こういう感じのサウンドをやりたかったんだよなっていうのが再確認できるんだよね。

うれしかったのが、本当に音楽だけで人が集まってくれたんですよね。ネーム・ヴァリューはほぼゼロの状態だし、人目を引くような奇抜な見た目ってわけでもないですし、本当に純粋に音楽だけ。それが大きかったと思います。(飛田)

ここまでお話を伺ってきて改めて、USインディの系譜にある同時代のバンドのなかでも特に強いファンクネスやダンスの要素がxiexie独自の味になっているのかなという印象を受けました。
 また、ドリーム・ポップやシューゲイズなどのジャンルを自覚的に踏襲しようとしているわけではないというスタンスも、作るもののおもしろさに繋がっているように思います。

飛田:そんな気がします。でも振り返ると、1st EPの頃はもっとこう、違ったよね。

Meari:そうだね。

飛田:1st EPの頃は「オルタナ・バンドってこうだ!」っていうのにこだわってたんですよ。よりオルタナらしくしようって思って作ってた。オルタナのマナーに則ってというか。
 もっとメロディアスにしたい気もするけど、いやここは最初から最後まで暗くいこう、なんなら単調すぎるくらいでいい、なんて。「これしかできないんだろうなこいつら」と思われるようなもののほうがいいだろうと。

ある種こう、ナメられないためのカマしみたいなところがあったんですね。そういう頑なさが今作では和らいだ?

飛田:そうですねえ。ファンクっぽい曲が増えました。幸田くんがヴォーカルをとるっていうのもいまだからできたよね。

開:今作はベースもかなりファンキー。1枚目ではこういうことできなかったなというのは僕も思います。

Meari:今回なんでやろうって思ったんだろうね?

自己分析してみるとどんな要因が考えられるでしょうか?

飛田:でもやっぱり、台湾で音楽を評価されたことなのかなと思います。それで憑き物が落ちたというか。

アジアのバンドを追っている人にとっては有名人ですが、台湾には落日飛車/Sunset Rollercoaster(サンセットローラーコースター)がいて、他にも打倒三明治(だとうサンドイッチ)など、xiexieと親和性の高いバンドが支持を得ていますよね。

飛田:そうですね。我々自身、もともとそういったシーン事情を知っていたわけではないんですけど。xiexieの活動を続けていくなかで、似た感じのバンドがけっこういるってわかって、それから聴くようになりましたね。

韓国にもHYUKOH(ヒョゴ)やSE SO NEON(セソニョン)がいて、アジア諸外国にはインディ系の音楽の土壌が豊かな場所が少なくないといえます。

飛田:そういえば台湾に行ったとき、現地でお客さんが評価してくれたポイントがこう、アカデミックだったんですよね。「あなたのゴーストノートが最高!」とか、高校生くらいの子に言ってもらったりして。

評価を得やすい場所で順当に評価されたというか。自分たちの作るものが大勢の人に響くのを目の当たりにしたのが今、皆さんにとてもいい変化をもたらしているんですね。

飛田:幸田くんもね、台湾のギタリストたちがペダルボードを覗きに来たりして。

幸田:ベリンガー(プロがあまり使用しない安価なブランド)とか、知り合いのおじさんが自主的に作ってるやつとか使ってるんで、参考にはならなかったと思うんですけどね。

飛田:うれしかったのが、本当に音楽だけで人が集まってくれたんですよね。ネーム・ヴァリューはほぼゼロの状態だし、人目を引くような奇抜な見た目ってわけでもないですし、本当に純粋に音楽だけ。それが大きかったと思います。
 それを経て、いまはもっとリアルに自分たちがやりたいことをやろうってモードになってますね。

[xiexieツアー情報]

xiexie wellwell Tour Tokyo
2024年8月2日(金)
東京・青山・月見ル君想フ
Guest Act : Living Rita
open:18:00 / start:18:30
料金:adv. ¥3,850+1D
Ticket:https://eplus.jp/sf/detail/4105580001-P0030001P021001?P1=1221

xiexie wellwell Tour Kyoto
2024 8月10日(土)
京都・UrBANGUILD(アバンギルド)
Guest Act : Summer Whales
open:17:30 / start:18:00
チケット料金:adv. ¥3,850+1D
Ticket:https://eplus.jp/sf/detail/4106330001?P6=001&P1=0402&P59=1

xiexie wellwell Tour Nagoya
2024 8月12日(月・祝)
名古屋・KDハポン
open:17:30 / start:18:00
チケット料金:adv ¥3,850+1D
Ticket:https://t.livepocket.jp/e/u5wp_

VINYL GOES AROUND PRESSING - ele-king

 来年設立50周年を迎えるPヴァイン。そこでアナログ・レコードにまつわるさまざまな試みを続けているのがVINYL GOES AROUNDチームだ。彼らが手がけるアナログ・レコードのプレス工場「VINYL GOES AROUND PRESSING」がいよいよ本格稼働、受注や生産を開始していくことになった。国内4か所目とのことで、これまでの限られたレコード生産状況を打破する一石となりそうだ。いや、これはインディ・シーンやクラブ・カルチャーにとっても朗報にちがいない。
 というわけで工場の雰囲気がつかめる動画、“King Of Diggin'” ことMUROとのコラボによる特別映像のエディット・ ヴァージョンが公開されている。フル・ヴァージョンはオフィシャルサイトにて。

アナログ・レコード・プレス工場「VINYL GOES AROUND PRESSING」が本格稼働、受注・生産を開始いたします

設立50周年を迎えるレコード会社Pヴァインが、アナログ・レコード・プレス工場としては国内4箇所目となる『VINYL GOES AROUND PRESSING』を立ち上げ、受注・生産を開始いたします。

日本におけるインディーズ音楽シーンの草分け的存在である株式会社Pヴァイン(1975年設立 本社:東京都渋谷区 代表取締役社長 水谷聡男 以下Pヴァイン)は、アナログ・レコードのプレス工場VINYL GOES AROUND PRESSING(ヴァイナル・ゴーズ・アラウンド・プレッシング 以下VGAP)を2024年3月に埼玉県川口市に竣工いたしました。
この度、VGAPはお客様からの受注、お問い合わせの受付、生産を開始いたします。
「VINYL GOES AROUND PRESSING」OFFICIAL SITE
https://vgap.jp/

VGAPは、Pヴァインが立ち上げたアナログ・レコードにまつわる様々な試みをする「VINYL GOES AROUND」チームの新たなプロジェクトとして立ち上げました。サブスク全盛の一方で近年の急激なレコードブームの中、国内のレコード生産工場は限られているためアーティストがリリースをしたくてもタイムリーにリリースすることができない状況が続いております。
そのような状況を変えるため、誰もがシンプルかつスピーディーにレコードを作れるようになり、より多くの作品をレコードにして世界中に届けたいという願いを込めレコード・プレス工場を立ち上げました。

VGAPは、Pヴァインが50年間で培ったレコードに関するあらゆる知識や経験を存分に活かしながら、国内外のアーティストやレーベルからプレス製造を請け負っていきます。
レコードならではのダイナミックかつ、深みのあるサウンドを日々追及し、スピーディーに、そして適正な価格でお客様に提供し続けられるよう進化してまいります。

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Pヴァインの設立45周年に45回転のレコードを45タイトルリリースしたVINYLマラソンに続き、この度、P-VINE設立50周年のプロジェクトの一環としてアナログ・レコードのプレス工場『VINYL GOES AROUND PRESSING』を竣工いたしました。

1975年の設立以来、社員一同、常にヴァイナルにコミットし、膨大なコレクションを有し、そして数々のタイトルをリリースしてきたPヴァインがこの50年で培ったレコードに関する全てをこのプロジェクトに注ぎ込みました。
VINYL GOES AROUND PRESSINGは世界中からプレスのオーダーを受け付け、レコードを作りたいアーティストやレーベルの皆様の期待に応えてまいります。

先日、ご逝去された弊社の設立者である日暮泰文氏の最期の仕事になりましたB.B. KINGのベスト盤を皮切りにレコードのプレスを開始しており、アーティストや評論家の皆様からもVINYL GOES AROUND PRESSINGのレコードは音が良いとのコメントを頂いております。ただし、まだ始まったばかりであり、もっともっと良くなると思っております。
世界中のレコードを愛する皆様に素晴らしいヴァイナルをお届けすべく日々努力をしていく所存です。

Pヴァイン設立50周年にあたり、本プロジェクトを皮切りに来年にかけてたくさんのヴァイナルに関するエキサイティングなプロジェクト(P-VINYL 50 PROJECT)を企画しておりますので楽しみにして頂けたらと思います。

我々Pヴァインは、時代は変われどもそして手段は変われども、世界中の魅力的な音楽とカルチャーをあらゆるお客様のもとへ届けることを使命とし、「THE CHANGING SAME ~変わりゆく、変わらないもの~」を大切にしながら新たな領域へチャレンジいたします。

株式会社Pヴァイン 代表取締役社長 水谷聡男

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本件に関するお問い合わせ先
VINYL GOES AROUND PRESSING
Mail: info@vgap.jp
TEL: 048-229-5350
FAX: 048-229-5354

Loula Yorke - ele-king

 「好きなもの 苺 珈琲 花美人 懐手して宇宙見物」——これは物理学者の寺田寅彦が1934年に詠んだとされる有名な、そしていまでも人気ある俳句だ。寺田の時代では、苺にしろコーヒーにしろ一部の文化人や特権階級のものだったはずで、だからまあ、ずいぶん気取った言葉なのだろう。そのエリート視点はともかく、「宇宙見物」という言葉がぼくは長いこと好きだった。が、近年ではその「宇宙見物」をめぐる様相もずいぶん変わってきている。
 2016年『ガーディアン』が報じた、SpaceX社を創設したイーロン・マスクの言葉によれば、いま人類にはふたつの選択肢があるそうだ。「ひとつは永遠に地球に留まり、そして不可避な絶滅イベントを迎えること」「もうひとつは宇宙を航行する文明を得て、複数の惑星に住む種族になること」。ほかにも、2021年、11分間の外気圏への旅から戻ったジェフ・ベゾスのBlue Origi社という例がある。また、中華人民共和国もこの宇宙開発競争に加わっていることを忘れてはならない。星を眺めることが想像力豊かな現実逃避になった牧歌的な時代はどんどん過去のものになってきている。
 (もちろんサン・ラーの「宇宙」はさらに再注目されている。なぜならラーの宇宙は反植民地主義、反帝国主義のメタファーなのだから。惑星間移住計画のすべてがそうとは限らないが、ただ、昨年グレッグ・テイトの本を編集している際に、もっとも多く目にした言葉「新世界(New World)」はいま夜空の向こうに広がっていると、そう思っている人がいても不思議ではない)

 近い将来、おそらくは数十年後には人類(極々いちぶの人類だろうけれど)がインターステラー種族になる可能性が高いなか、今年の1月、『クワイエタス』ではあのローラ・キャネルによるルーラ・ヨークのインタヴュー記事、「宇宙で渦巻く:ヨークの『Volta』におけるコズミック・ハーモニー」が公開された。キャネルは「循環(ループ)」をコンセプトとしたその作品のなかに、ピタゴラスが提唱した天空の音楽論、すなわち太陽、月、すべての惑星の公転周期に基づいたハミング、そして17世紀初頭の天文学者ヨハネス・ケプラーの音楽観を見出している。キャネルはアルバムの曲中に爆発する小さな星や遠い宇宙の花火を幻視し、英国サフォーク在住のシンセサイザー奏者によるその作品を普遍的な引力があると賛辞を惜しまない。彼女は自分では書いていないが、ヨークのその作品にはキャネルの音楽作品とも共通する、自然と向き合うことのある種の恍惚があるようにぼくは思う。

 宇宙見物は、じつはたんなる現実逃避でもない。そこは知恵の宝庫で、人類は夜空の星々からじつにいろんなことを導き出してきた。中国で天文学が進んだのも天(宇宙)を知る者こそが「天下」を支配できると信じられていたからだし、周知のように西欧では、紀元前より、さまざまな起源物語、神話、詩学を引き出してきている。ときには彗星や日食に特別な意味を読み取り、もちろんその他方では、宇宙見物によって時間と空間の理解における科学的思考を進展させている。また、キャネルが言うように、人は宇宙からは「Harmonia Mundi (ハルモニア・ムンディ=調和の音楽)」を観てきている。ルーラ・ヨークによる循環する音楽は新世界の「開拓」ではなく、現代版コズミッシェであり、癒やしと修復(さもなければ瞑想)に向かっている。

 もっともヨークによれば『Volta』は「ローリー・シュピーゲルとオウテカの出会い」だそうで、シンセサイザー奏者という点ではカテリーナ・バルビエリにも近い。ほかにもヨークは、ケイトリン・オーレリア・スミスやスザンヌ・チアーニら女性エレクロニック・ミュージシャンに共感を抱いているようだ。つい先頃、新たにリリースされたアルバム『speak, thou vast and venerable head』で、彼女は『Volta』の作風をさらに発展させた、多彩な曲調を展開している。短いフィールド・レコーディングからはじまり、コズミッシェやドローンがあり、詩的かつサイケデリックで、没入観のある曲を配列させている。なかには、一般相対性理論の時空の歪みに思いを馳せたであろう“matter tells spacetime how to curve”なんていう曲もある。クローサー・トラックの“lie dreaming, dreaming still”の夢幻的なドローンはみごとで、この美しさには彼女がもともとはパンク/レイヴから来ているアーティストであることも大いに関係しているのだろう。ぜひみなさんの耳で、この叙情性がたんなる反動なのかどうか、あるいは、宇宙開発競争と絶滅だけが未来ではないと言っているかどうかをおたしかめください。なんにせよ、宇宙はときに壮大な映画館で、ときに自己意識の反映で、ときに居場所であり、そしていまもなお、ご覧のように何かを学べるところなのだ。

Brian Eno - ele-king

 観るたびに内容が変わる映画、二度とおなじ上映を体験することができない映画──ゲイリー・ハストウィット監督によるドキュメンタリー映画『ENO』にはブライアン・イーノのジェネレイティヴ思想が貫かれている。50年におよぶキャリアをたどる同作のサウンドトラックには、74年のセカンド『Taking Tiger Mountain』収録曲から22年の最新オリジナル・アルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』収録曲まで、さまざまな時代の楽曲が収録されているのだけれど、注目しておきたい曲のひとつに “Stiff” がある。91年にリリース予定だったもののお蔵入りとなってしまった幻のアルバム『My Squelchy Life』(15年に公式発売)に収められていた、なんともポップで軽快な1曲だ。昨日、そのMVが初めて公開されている。ここに含まれるイーノの映像は90年代初頭に撮影されたもので、今回の映画制作の過程で発掘されたものだという。
 なお同サウンドトラックには弟ロジャーと演奏した “By This River” のライヴ音源など、未発表曲も収録されている。チェックしておこう。

BRIAN ENO
ブライアン・イーノのジェネレイティブ・ドキュメンタリー映画『ENO』
公式サウンドトラックから、未公開のビンテージ映像が使用された
新作ミュージック・ビデオ「Stiff」が本日公開。
公式サウンドトラックのレコード/CDも発売中!

本日、今まで世に出たことのないイーノの映像を盛り込んだ新しいミュージック・ビデオ「Stiff」が公開された。

Brian Eno - Stiff
https://youtu.be/z-dnmHpUdFw

「Stiff」はヴィンテージ版イーノだ。不遜な歌詞、ユーモア、そしてユニークなサウンドを持つこの曲は、元々は非常に捉えどころのないアルバム『My Squelchy Life』に収録されていた。1991年にリリースされる予定だったこのアルバムは、スケジュールの遅れなどでリリースされず、2015年にやっと日の目を見ることになる。なおこのビデオのディレクターは日本人ジュン・ハナモト・ハーンが手がけている。

『My Squelchy Life』に収録された音源の一部は最終的に『Nerve Net』に発展したが、何故か「Stiff」は収録されないことになった。ビデオに収録されているイーノの映像は、90年代初頭に撮影されたもので、ゲイリー・ハストウィットが『ENO』の映画制作でようやく再発見したものだ。この曲は映画と公式サウンドトラック・アルバムの両方に収録されている。

OSTには新曲「All I Remember」(LISTEN / WATCH) が収録されている。ドキュメンタリーのエンディング曲でもあるこの曲は、このために特別に書き下ろされたもので、イーノが初期に影響を受けたものや経験について言及した、瞑想的で内省的なヴォーカル・トラックである。この他、アルバムには2曲の未発表曲、「Lighthouse #429」(LISTEN / WATCH)と「By This River(Live at The Acropolis) (LISTEN / WATCH)」も収録されている。前者は、イーノがSonos Radioで公開しているラジオ番組「The Lighthouse」から抜粋。「By This River (Live at The Acropolis)」は、2021年8月にアテネのアクロポリスでブライアンと弟のロジャー・イーノによって演奏されたファンに人気の曲である。

どの時代においても明確なビジョンを提示してきたミュージシャン、アーティスト、そして活動家であるイーノについての決定的なドキュメンタリー『ENO』は、二度と同じ上映にならない、画期的なジェネレイティブ映画である。米英の各地にて先週金曜日から公開されていて、詳細のスケジュールはこちらで確認できる:https://www.hustwit.com/events

この画期的な映画と連携するOSTは、イーノの豊かなキャリアに触れる音の旅に連れ出してくれる。フィジカル・アルバムに収録されている17曲は、『Taking Tiger Mountain』のような初期のソロ作品から、デヴィッド・バーン、ジョン・ケイル、クラスター、そして最近ではフレッド・アゲイン.. とのコラボレーションから最新アルバム『FOREVERANDEVERNOMORE』までを収録。

過去50年にわたるイーノの作品を完全に網羅するには、アルバム長尺のアンビエント作品や様々なコラボレーション、〈All Saints〉、〈Warp〉、〈Opal〉の時代も含め、非常に大規模なボックス・セットが必要となる。このサウンドトラックは、そんなアーティストの並外れたキャリアを、タイムリーに思い出させてくれる役割を担っている。

2024年ゲイリー・ハストウィット監督によるジェネレイティブ映画『ENO』のオフィシャル・サウンドトラックは、Universal Music RecordingsからレコードとCDでリリース中。2LPのリサイクル・ブラック盤と2LPのピンク&ホワイト盤(d2cのみ)、そして73分のCDには、エレガントなポートレートのイラスト入り16ページ・ブックレットが付いている。

アルバムのDolby Atmos特別編集版はApple Music、Amazon Music でストリーミング中。
https://brianeno.lnk.to/EnoOSTAtmos

彼の作品がいかに機知に富み、色彩豊かであるかを物語っている ──THE TIMES ****

イーノによる50年のエッセンスを1枚のCD/2枚組LPに収めようという魅力的な試み ──RECORD COLLECTOR - *****

イーノは過去半世紀の音楽界で最も重要な人物の一人であり、彼の影響は今後何世紀にもわたって続くだろう。このアルバムは、長年にわたって作ってきた彼の素晴らしい音楽と、彼がなぜこれほどまでに重要な存在なのかを少しだけ教えてくれる ──SPILL MAGAZINE - 4.5 stars

ゲイリー・ハストウィットの同名ドキュメンタリーのサウンドトラックは、ブライアン・イーノの多才な才能を思い出させてくれる......長く多様なキャリアを一枚にまとめるのは当然不可能ではあるが、イーノの音楽的戦略を知る上で必要不可欠となる作品 ──Electronic Sound

Tracklist:
Brian Eno - All I Remember *Previously Unreleased*
Brian Eno with Daniel Lanois and Roger Eno - The Secret Place
Brian Eno & Fred Again - Cmon
Brian Eno & Cluster - Ho Renomo
Brian Eno - Sky Saw
Brian Eno & John Cale - Spinning Away
Brian Eno & Tom Rogerson - Motion In Field
Brian Eno - There Were Bells
Brian Eno - Third Uncle
Brian Eno & David Byrne - Everything That Happens
Brian Eno - Stiff
Brian Eno with Leo Abrahams and Jon Hopkins - Emerald & Lime
Brian Eno - Hardly Me
Brian Eno & David Byrne - Regiment
Brian Eno - Fractal Zoom
Brian Eno - Lighthouse #429 *Previously Unreleased*
Brian Eno & Roger Eno - By This River (Live At The Acropolis) *Previously Unreleased*

https://www.universal-music.co.jp/brian-eno/

Overmono - ele-king

 10月に来日公演が決定しているオーヴァーモノ。昨日、新曲 “Gem Lingo (ovr now)” がリリースされています。彼らが2月にフレッド・アゲイン‥&リル・ヨッティとともにNYのラジオ「The Lot Radio」に出演した際に初公開されていた曲で、相変わらずカッコいいです。これを聴きながら3か月後を楽しみに待っておきましょう。

OVERMONO
時代の寵児、オーヴァーモノ、待望の単独公演は10月!
来日への期待高まる中、新曲「Gem Lingo (ovr now)」を公開!

UKベースやブレイクビーツ、テクノの最前線に立つテセラことエド・ラッセルとトラスことトム・ラッセルの兄弟による時代の寵児、オーヴァーモノ。昨年待望のデビューアルバム『Good Lies』を〈XL Recordings〉よりリリースし、フジロックフェスティバル '23のレッドマーキー・ステージでのライブセットでも会場を最高潮に沸かせ、東京と大阪にて単独公演が決定したこのデュオ。今、最も勢いに乗っているアーティストと言っても過言ではない彼らが、〈Paul Institute〉をジェイ・ポールと創設したラスヴェン(Ruthven)をフィーチャーした新曲「Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven」をリリースした。

Overmono - Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven
配信リンク >>> https://overmono.x-l.co/gemlingo

フレッド・アゲイン...とリル・ヨッティとのコラボ・シングル「stayinit」のリリースを記念したオーヴァーモノの@TheLotRadioのセット@TheLotRadio setで初めてプレイされて以来、このニューシングル「Gem Lingo (ovr now) feat. Ruthven」はファンを虜にした。YouTubeや SoundCloudにアップされたこの曲の再生回数は30万回を超えた。オーヴァーモノはこの夏をアクティブに活動を続けている。先月のパリ・ファッション・ウィークでは、人気デザイナーのマシュー・ウィリアムズとともに、1017 ALYX 9SMのローンチをキュレーションし、昨年のGivenchyの秋冬ショー2023 Givenchy Fall/Winter show以来2度目のコラボレーションを果たした。

彼らは大阪、東京の他にも、ブルックリン、トロント、ロンドンで最大のヘッドライン公演を行う「2024 Pure Devotion World Tour」の一環として、Pure Devotion BristolとマンチェスターのWarehouse Projectという2つのオール・デイ・イベントを発表し、即完売させた。その一方で、世界中のトップ・フェスティバルでのパフォーマンスも続けている。大絶賛を浴びたデビュー・アルバム『Good Lies』から1年、オーヴァーモノは期待を打ち砕き続け、エレクトロニック・ミュージックの景観を再構築し続け、「UKの次なる大物ダンス・デュオ」という地位を確固たるものにしている。

【OVERMONO Japan Tour 2024】

2024.10.16 (WED)
梅田 CLUB QUATTRO
OPEN : 18:00 / START : 19:00
お問い合わせ:SMASH WEST (TEL:06-6535-5569)

2024.10.18 (FRI)
渋谷 Spotify O-EAST
OPEN : 18:00 / START : 19:00
お問い合わせ:SMASH (TEL:03-3444-6751)

【TICKETS】
前売 ¥7,800(税込/オールスタンディング) ※別途1ドリンク代 ※未就学児童入場不可
●イープラス [https://eplus.jp/overmono/]
●チケットぴあ [https://w.pia.jp/t/overmono/]
●ローソンチケット [https://l-tike.com/overmono/]

主催 SMASH
SMASH INFO:https://www.smash-jpn.com/

label: XL Recordings / Beat Records
artist: Overmono
title: Good Lies
release date: Now On Sale

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13234

tracklist
01. Feelings Plain
02. Arla Fearn
03. Good Lies
04. Walk Thru Water
05. Cold Blooded
06. Skulled
07. Sugarrushhh
08. Calon
09. Is U
10. Vermonly
11. So U Kno
12. Calling Out
13. Dampha *Bonus Track For Japan

Kim Gordon and YoshimiO Duo - ele-king

 近年はソロ・アーティストとして2枚のアルバム『No Home Record』『The Collective』を発表、最近は「テイラー・スウィフトはあまり好きではない」「ポップ・アイコンならビリー・アイリッシュを選ぶ」との発言で注目を集めたキム・ゴードン。ソニック・ユース時代から進行を深めてきたボアダムズ/OOIOOのYoshimiOとのデュオ・ライヴが開催されることになった。イヴェント/フェスティヴァル《FRUE》の一環で、特別ゲストとして山本精一の出演も決定している。この強力かつ貴重な組み合わせは見逃せないでしょう。7月30日(火)南青山BAROOMにて。

エレクトロニックビートやヒップホップ、ノイズロックの要素も取り入れた新作『The Collective』をリリースしたキム・ゴードンと、OOIOOとしてエクスペリメンタルな表現を続けるYoshimiOとのデュオ・ライヴが実現!
また、スペシャルゲストとして、山本精一がソロパフォーマンスも行います!

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FRUE presents Kg + Yo
日付|Date:7月30日(火)・Tuesday, July 30
時間|Time:OPEN 18:30・START 19:30
会場|Venue:BAROOM [バールーム]
出演者|LINEUP:
Kim Gordon and YoshimiO Duo
山本精一

チケット|Tickets
advance:¥9,800[限定100名]  
door:¥12,000
*全席指定 / 1ドリンク別
*受付にて1ドリンク代(¥1,000)を別途お支払いいただきます。
 1ドリンクは終演後はご利用いただけませんので、お時間に余裕を持ってご来場ください。
*お座席はご購入順に事前に配席され、当日開場時間より受付にて座席指定券をお渡しいたします。
*開演時間に遅れた場合は曲間までロビーにてお待ちいただき、指定の座席とは異なる座席又は立ち見でのご案内となります。
*会場内にクロークはございません。
*前売チケットが完売の場合、当日券の販売はございません。
*お客様都合によるチケット代の返金/キャンセルは承っておりません。予めご了承ください。
https://shop.frue.jp/

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