Home > News > This is Charles Burnett - 黒人映画の奥深さ、「チャールズ・バーネット セレクション vol.2」上映決定
今年の3月に上映された「This is Charles Burnett チャールズ・バーネット セレクション」第一弾が好評だったことを受けて、自主上映グループ After School Cinema Clubは、その第2弾として、90年代のバーネットの代表作『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー』を10月に上映する。
『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー』は、中流階級の黒人家庭を舞台にしたホームドラマであると同時に、ダークコメディ、マジックリアリズム、民俗学の要素を取り入れた、カテゴライズすることが困難な作品。
本作が制作された80年代後半のサウスセントラルでは、すでにクラックなどのドラッグによって家庭やコミュニティが破壊されていた。『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー』はそんな時代に作られた、過去と現在を結び つけるための物語だ。
本作に登場する音楽も、前二作に劣らず印象的。オープニング・クレジットで流れるシスター・ロゼッタ・ サープの美しいブルース・ソング“Precious Memories”をはじめ、“Stand By Me”や“See See Rider”、そして物語が終わろうとするまさにその時、 「魂の進歩の指標としてのブルース」が響き渡り、観客の胸を打つ。
はからずともジョーダン・ピールの新作『NOPE/ノープ』が話題のいま、もうひとつの黒人映画の魅力を体験してください。
■This is Charles Burnett
チャールズ・バーネット セレクション vol.2 開催概要
【日程】2022年10月1日(土)
【会場】ユーロライブ(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F) 【タイムテーブル】 13:00 開場 / 13:30 1回目上映 / 15:30 2回目上映 *入替制
【チケット】学生1,500円 / 一般 1,800円 チケットはPass Marketにて9月3日(土) 正午より発売
https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/02f1zj6bu8j21.html
【イベントサイト】 afterschoolcinemaclub.com/charlesburnett/
【主催】 After School Cinema Club
【問合せ】afterschoolcinemaclub2014@gmail.com
*当イベントやチケットに関してユーロライブへのお問い合わせはご遠慮ください。
『トゥ・スリープ・ウィズ・アンガー』
1990年/アメリカ/102分/アメリカンビスタ/カラー/原題:To Sleep With Anger/日本語字幕:加藤初代
【監督・脚本】チャールズ・バーネット
【出演】ダニー・グローヴァー、ポール・バトラー、メアリー・アリス、ボネッタ・マクギー、カール・ランブリー、 リチャード・ブルックス、シェリル・リー・ラルフ、エセル・アイラー
■ストーリー
ロサンゼルスのサウスセントラルで暮らすギデオン(ポール・バトラー)とスージー(メアリー・アリス)夫妻の元に、南部時代の古い友人ハリー・メンション(ダニー・グローヴァー)が訪ねてくる。30年ぶりの再会に驚きながらも、2人は旧友を快く自宅に迎え入れる。陽気で人当たりの良いハリーはすぐに一家に溶け込み、とりわけ夫妻の 末息子ベイブ・ブラザー(リチャード・ブルックス)と親しくなる。そんななか、ギデオンが謎の病に倒れる。いっこうに立ち去る気配のないハリーは、次第に別の顔を見せ始める……。
■チャールズ・バーネット
1944年4月13日、ミシシッピ州ヴィックスバーグ生まれ。幼少期に一家でロサンゼルスのサウス・セントラル(現サウス・ロサンゼルス)に移り住み、南部からの移住者が多く住む貧 困地区ワッツで育つ。カルフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)に進学し、ドキュメン タリー作家バジル・ライトらに師事。学生時代はジュリー・ダッシュ、ハイレ・ゲリマらと共に学び、後に「L.A. Rebellion」と呼ばれることになるインディペンデント映画監督グ ループの一員として、ハリウッド映画とは異なる新しい「黒人映画」を模索した。
1981年、初長編作『キラー・オブ・シープ』(77)がベルリン国際映画祭で国際批評家連 盟賞を受賞。続いて『マイ・ブラザーズ・ウェディング』(83)、『To Sleep with Anger』(90)、『The Glass Shield』(94)を発表。その後は長編映画だけでなくドキュメンタ リーや短編、テレビ映画でも監督を務めた。
バリー・ジェンキンスの『ムーンライト』がアカデミー作品賞を受賞した2017年、長年にわたる映画とアメリカ文化への貢献を讃えられ、名誉オスカーを受賞。
現在も精力的に制作を続けており、ドキュメンタリー『After the Lock Down: Black in LA』(21)を共同で監督したほか、実在した元奴隷ロバート・スモールズの奴隷制からの脱出を題材にしたアマゾン・スタジオ制作の映画『Steal Away』の監督を務めることも決定している。