「Lea Lea」と一致するもの

 UKの新しいDubレーベル〈Dub Junction〉よりサウンドシステム・ミュージック界の重鎮、Vibronicsとその盟友、ルーツ・レゲエ・シンガーのParavezとの共作による新曲「Healing Of The Nation」がリリースされる。記念すべき第一発目となるこの作品には、今日の日本でサウンドシステム文化を啓蒙するBim One ProductionがリミックスとそのDubミックスで参加。
 こちらは180g重量盤12インチ (400枚限定!)とデジタル配信で販売開始となる。すでにIration SteppasやKing Shiloh, Don Letts, OBFなどがサポート。メッセージ性が高いリリックにヘヴィー級の重低音で、心も身体も揺れること間違いなし!

Legend of the sound system scene, Vibronics, links up with longtime collaborator Parvez, to deliver a much-needed anthem in the face of Babylon.
Bim One deliver remix cuts direct from Tokyo inna future dubwise style.
Limited run of 400, pressed to heavyweight 180g vinyl with mastering from Ten Eight Seven.
Support already from King Shiloh, OBF, Don Letts, Dreadzone, Mungo’s Hi Fi, Iration Steppas, Ras Kwame, Charlart58, Blackboard Jungle + more!

Soundcloud (unearthed sound)


Vibronics & Parvez - Healing Of The Nation + Bim One Remix
Label: Dub Junction Catalog: DUBJ001 Release: 18/06/2021

Preorder/buy link (active from 1st June): dubjunction.com/dubj001
Format: 12” Vinyl (180g), streaming + download

1. Original Mix
2. Dub Mix
3. Bim One Production Remix
4. Bim One Production Dub Mix


Vibronic


Bim One Production

DIE KRUPPS - ele-king

 ドイツのポスト・パンク系の音源をたくさんリリースしている新潟の〈SUEZAN〉がディー・クルップスのデビュー・ライヴの映像をDVDとしてリリースする。日本でディー・クルップスといえば、「俺のカラダの筋肉はどれをとっても機械だぜ」のバンドとしてのほうが通りが良いかもしれないが、国際的にはミニマルなメタル・パーカッションの元祖的な存在として知られている。CANのインナースペースで録音されたファースト・アルバム『鉄工所交響曲』はメッセージとしては労働と機械を主題とした作品で、ドイツのポスト・パンクにおける重要な1枚となっている。
 で、今回リリースされる彼らのデビュー・ライヴの映像だが、これは阿木譲氏が当時その場に居合わせて撮影したというもの。古いビデオテープからデジタル化してのリリースというわけだ。当時の生々しさは充分に伝わってくる、まさに貴重な記録。
 なお、〈SUEZAN〉は今年で10年目を迎える。

The Master Musicians of Joujouka - ele-king

 過去5年の間、もしくは、これまでに観たなかで最高のライヴのひとつが、2017年の音楽フェスティヴァルFRUE(フルー)でクロージングを飾ったザ・マスター・ミュージシャンズ・オブ・ジャジューカだった。このモロッコ人たちは二度のアンプリファイド(音響ありの)・パフォーマンスで、メイン・ステージの観客の心を揺さぶる能力を披露し、すでにその週末のスターとなっていた。

 そんな彼らの最終ステージは、会場を音楽祭のマーキー(大テント)に移しての深夜のアコースティック・セットだったが、PAなしで耳が聴こえなくなるぐらいの大音量を出すことのできるバンドには、そのような違いは、ほとんど意味を持たない。舞台のセッティングは、リフ山脈の麓にある彼らの村で毎年開催されているフェスティヴァルを再現したもので、舞台を覆うように敷かれた、すり切れたラグまでもが忠実に再現されていた。

 そのイベントを二回ほど体験していた自分としては、何が起こるか、大方の予想はしていたものの、彼らの音楽がFRUEの数百人の観客にもたらした効果には、やはり驚かされた。その喜びに耽る夜は、本物の、ハンズ・イン・ジ・エア(両手を空にあげる)なレイヴのようで、4時間近くに及ぶパフォーマンスで、グループが新たな高みへと昇華する度に観客は喜びの雄叫びをあげた。

 このような体験をレコードに収めるのは常に難儀なことであり、非常に優れたいくつかのリリースを含むマスターズのディスコグラフィでも、彼らのライヴ・パフォーマンスほどの恍惚感をもたらしたものはない。彼らの名を世に知らしめた1971年のアルバム『ブライアン・ジョーンズ・プレゼンツ・ザ・パイプス・オブ・パン・アット・ジャジューカ』では、サイケデリックな特性を際立たせるために、音楽に電子的な処理が施され、そのフィジカリティ(肉体的な衝動)が犠牲になってしまった。

 それ以来、グループのリリース(バシール・アッタール率いるライヴァルの一団であるThe Master Musicians of Jajoukaも含む)は、フィールド録音から、2000年にアッタールがその一団とタルヴィン・シンとで制作した、グループの名を冠したアルバム(これはスルーしてよい作品。信じてほしい)のような作り込み過ぎたワールドビート・フュージョンのようなものなど、多岐にわたっている。しかし、2016年にパリのポンピドゥー・センターで行われた「ビート・ジェネレーション展」でのコンサートを収録した『ライヴ・イン・パリ』ほど、好き勝手に、力強くやっている録音はないと自信を持っていえる。

 2017年の日本ツアーの際に限定盤として販売されたCDの、正式なLPレコードとデジタル音源のリリースは、1年以上にわたるCOVID-19煉獄の後では、より歓迎されるに違いない。これは、マスター・ミュージシャンズのアンプリファイド・モードであり、2017年のErgot Recordsからリリースされた『Into The Ahl Srif』のフィールド録音とは全く異なっており、私が記憶しているジャジューカのフェスティヴァルでのサウンドに近いものになっている。

 とくにカーマンジャ(ヴァイオリン)奏者のアハメッド・タルハは、アンプの使用により、驚くべき微分音が際立つという恩恵を受け、より力強い演奏となっている。彼は1枚目のB-SIDEで中心的な役割を果たしており、故・アブデスラム・ブークザールがリード・ヴォーカルを務めた“ブライアン・ジョーンズ・ジャジューカ・ヴェリー・ストーンド”などの定番曲で、喜びにあふれんばかりの演奏を披露。裏面にも同じような曲がいくつか登場するが、ここでは音楽は曲がりくねったような、コール&レスポンスのリラ(笛)とパーカッションがヒプノティックにブレンドされており、複雑なポリリズムが各曲の終わりに突然跳ねて、アッチェレランドで加速していく。

 しかし、最大の魅力は、アルバムの2枚目に収録された、トランス状態を誘発するような“ブゥジュルード”のフル・ヴァージョンだ。伝統的には、これはジャジューカ村のフェスティヴァルの最終夜に、火の灯された儀式のサウンドトラックとして演奏される組曲で、普段は寡黙なモハメド・エル・ハットミが、伝説の半人半獣(人間とヤギ)のブゥジュルードとして知られる生き物を体現する。

 武骨な毛皮の衣装を身に纏い、悪霊を追い出すために人々を激しく叩くハットミの姿は、秋田県男鹿半島のナマハゲを思い出すが、音楽は全くの別物で、感覚を奪われるようなダブル・リード楽器のライタ(あるいはガイタ)が、雷鳴のようなパーカッションを背景に、群がり合い、渦を巻くように襲ってくる。

 ライナー・ノーツのなかで、グループのマネージャー兼プロデューサーであるフランク・リンは、コンサートのこの部分は、音楽の原始的なオーセンティシティ(真正性)を保つために、ペアのステレオ・マイクロフォンを2つ使用したと洒落た言葉で説明しているが、これは、非常に激しくロックしているという意味だ。44分近くに及ぶ曲の中央部では、ライタが集結し、奇妙なフェイジングの効果を発揮して、音楽そのものが錯乱しているかのようだ。
 
 グループのライヴを体験できる機会が不足しているなか、このもっとも純粋な形のトランス・ミュージックは、自分自身を解き放ち、身をゆだねるべき音である。唯一、このLPヴァージョンの批判をするとしたら、半分聴いたところで、こいつをひっくり返さなくてはならないことだ。リンによると、ポンピドゥー・センターでのコンサートでは、ステージへの客の侵入で最高潮に達したというが、これはスーサイドが演奏して以来の出来事だったそうだ。この証拠に基づけば、それこそが、道理にかなった反応だったと思う。

(アラビア語読み協力:赤塚りえ子)

The Master Musicians of Joujouka
Live in Paris

Unlistenable Records
bandcamp

James Hadfield

One of the best shows I’ve seen in the past five years―maybe ever―was the closing set that the Master Musicians of Joujouka played at Festival de Frue in 2017. The Moroccans were the stars of the weekend, having already done a pair of amplified performances that demonstrated their ability to rock a main-stage crowd.
For their final appearance, they shifted to a marquee in the festival campsite for a late-night acoustic set―though such distinctions mean little to a band that’s capable of achieving deafening volumes without the need for a PA. The setting was a convincing recreation of the festival that the group hold each year at their village in the foothills of the Rif Mountains, right down to the threadbare rugs covering the stage.
Having been to that event a couple of times myself, I had a fairly good idea of what to expect, but the effect the music had on the assembled crowd of a few hundred people at Frue still took me by surprise. It was a night of joyous abandon: proper hands-in-the-air rave stuff, people howling with joy as the group kept ascending to new heights of intensity over a performance lasting nearly four hours.
Capturing that kind of experience on record is always going to be a challenge, and the Masters’ discography―while featuring some very fine releases―has never delivered anything quite as ecstatic as their live performances. On the 1971 album that first introduced them to a wider audience, “Brian Jones Presents the Pipes of Pan at Joujouka,” the music was subjected to electronic treatments that accentuated its psychedelic properties at the expense of its physicality.
Since then, the group’s releases―and those by rival outfit The Master Musicians of Jajouka led by Bachir Attar―have ranged from field recordings to over-produced worldbeat fusion efforts like the self-titled 2000 album that Attar’s troupe recorded with Talvin Singh (trust me: you can skip it). But I’m confident in saying that nothing has kicked out the jams quite as emphatically as “Live in Paris,” which captures a 2016 concert at the Centre Georges Pompidou, held as part of an exhibition dedicated to the Beat Generation.
Sold in a limited CD edition during the group’s 2017 Japan tour, the album has finally had a proper vinyl and digital release, and after over a year of COVID-19 purgatory it feels all the more welcome. This is the Master Musicians in amplified mode, and it’s very different from the field recordings heard on the 2017 Ergot Records release “Into The Ahl Srif,” which came closer to how I remember them sounding at the festival in Joujouka.
Kamanja (violin) player Ahmed Talha in particular benefits from amplification, letting his astonishing microtonal playing assert itself more forcefully. He takes a central role on the B side of the first disc, which features ebullient renditions of staples like “Brian Jones Zahjouka Very Stoned,” with lead vocals by the late Abdeslam Boukhzar. Some of the same pieces pop up on the flip side, though here the music is a hypnotic blend of sinuous, call-and-response lira flutes and percussion, with complex polyrhythms that leap into sudden accelerandos at the end of each piece.
However, the biggest draw is the album’s second disc, which contains a full version of the trance-inducing “Boujeloud.” Traditionally performed on the final night of the festival in Joujouka, this suite provides the soundtrack for a fire-lit ritual, in which the normally retiring Mohamed El Hatmi embodies the mythical half-man, half-goat creature known as the Boujeloud.
The spectacle of Hatmi, dressed in a ragged fur costume and vigorously thwacking people to drive out evil spirits, brings to mind the Namahage of Akita’s Oga Peninsula, but the music is something else altogether: a sense-scrambling assault of double-reeded ghaita that seem to swarm and swirl around each other, backed by thunderous percussion.
In the liner notes, the group’s manager and producer, Frank Rynne, explains that this part of the concert was recorded with two stereo pair microphones to “maintain the primordial authenticity” of the music, which is a fancy way of saying that it rocks very hard indeed. During the central stretch of the nearly 44-minute piece, the massed ghaita start creating weird phasing effects, like the music itself is becoming delirious.
Short of catching the group live, this is trance music in its purest form―sounds to lose yourself in, surrender to―and my only criticism of the vinyl edition is that you have to turn the damn thing over halfway through. The Pompidou concert culminated with a stage invasion, which Rynne says had only previously happened when Suicide played there. On this evidence, it was the only sensible response.

Colleen - ele-king

 先日のある暑かった休日、ぼくは2年ぶりに釣りに出かけた。まあ、といっても道具をもって自転車で3~40分ほどで行けるところで、2年前までは子供を連れていったものだけれど、いまはもう親の相手などしない年頃なので、ぼくはひとりだった。2年のあいだに地形も変わり、自分の秘密のポイントだった場所も荒れ果てていたのだが、このままでは帰れないと諦めずに、丈高い草をかき分けながらあらたな場所を見つけ、しばらくそこで過ごした。貴重な初夏における、ちょっとした夢の時間だ。
 どうってことのないところなのだが、人が行き交う道路よりも低いところに降りて川のなかに入っていると、東京も、そして自分の人生も少し違って見える。ぼくがコリーンの音楽に覚える感覚はそれに似ている。特別なものなのどなにひとつないけれど、しかし彼女の音楽はぼくに夢の時間を与える。

 昨年編集部で作った『コロナが変えた世界』のなかで上野千鶴子氏が言っているように、本当に成熟した社会では、ジェンダーのステレオタイプにとらわれずに評価されるのが本来のあるべき姿なのだろう。ローレル・ヘイローの音楽は、彼女が女性で、男の作り手が多い電子音楽をやっているから評価されているわけではない。ただ純粋に彼女の作品には力があるからだ。実際ヘイローは、「女性電子音楽家」という括りを嫌悪している。
 しかしながら、歴史的な不平等さのなかではある程度の強制が必要なのもたしかだ。この春欧州では、歴史から除名されてきた女性の電子音楽家たちの歴史ドキュメンタリー映画『Sisters With Transistors(トランジスタのシスターたち)』(ナレーションはローリー・アンダーソン!)が上映されて話題になっている。日本でも上映して欲しいと切に願うが、すでにこの夏の上映が決まっている『ショック・ドゥ・フューチャー』という映画はフィクションではあるけれど、女性のエレクトロニック・ミュージシャンを主人公にした映画である。1978年のパリが舞台の、電子音楽なんてまだキワモノだった時代の話で、笑ってしまうほどマニアックな電子音楽がかかるのだが、映画の最初のほうで主人公が部屋に入ってシンセサイザーの前に座り、そして音を出す場面がある。鍵盤を押して出る、アナログ・シンセサイザー特有のファットなあの「ぶおぉん」という音。その瞬間に覚える嬉しい驚きを映画はとてもうまく表現している。あのサウンドこそ、夢そのものだ。あれが鳴るといつもと同じ風景が一瞬にしてどこか違ったものに思えてくる。コリーンの7枚目のアルバムには、そうした夢の電子音が鳴っている。

 もっともコリーンは最初から電子音楽家だったわけではない。音楽とは無縁の家に生まれ、文学に夢中になった10代を経てパリの大学で文学を専攻し、『失われた時を求めて』を読破したという彼女は、英語の教職に就くとチェロを買い、30歳にして初めて音楽のレッスンを受け、そして教師をしながら(生徒には自分の音楽のことを明かさずに)音楽活動をはじめている。ロンドンの〈Leaf〉からリリースされた初期の作品は、チェロなどの生楽器の演奏とオルゴールとを組み合わせたユニークなものだったが、作品はじょじょに電子化され、そして前作『A Flame My Love, A Frequency』においては完全なエレクトロニックへと発展した。新作の『The Tunnel And The Clearing(トンネルと、そして晴れること)』もまた、彼女の電子機材の音色を活かしたエレクトロニック・ミュージック作品である。
  
 アルバムの1曲目の“The Crossing”は、内省的で美しい──いや、彼女の作品は総じて美しいのだけれど──ミニマリズムの曲で、これから人生をどう生きようかと物思いに耽っているアンビエント・ポップだ。そして、綿のようなシーケンスに包まれながら「いま自分はこんなにも痛い」と歌う“Revelation(啓示)”へと繫がる。この曲は、いまの季節の朝の7時に公園のベンチで座っているときに感じることのできる透明感を有しているものの、悲しげだ。こうした今作のメランコリックなはじまりに関しては、彼女のプライヴェートにおける長年のパートナー(彼女のほぼ全作品のアートワークを手掛けていた)との別離が無関係であるはずがない。彼女は彼とともに過ごした思い出の地を離れ、バルセロナでひとり暮らしをはじめながら本作の制作に取りかかっている。言うなれば自己再生がこのアルバムのひとつの重要なテーマなのだ。
 内へと爆発しているのか外へと爆発しているのかと自問する“Implosion-Explosion(内破/爆発)”では、古いドラムマシンがリズムを刻み、シンプルなドローンを発信させつつ、駆け抜けていく感覚を展開する。そしてこの曲が終われば、エモーショナルで、しかも瞑想的とも言える表題曲“The Tunnel And The Clearing(トンネルと晴れること)”が待っている。
 それからドリーム・ポップ調の“Gazing At Taurus (牡牛座を見つめること)”へと続くのだが、同曲の2部にあたる“Night Sky Rumba(夜空のルンバ)”がぼくは本作でもっとも気に入っている。真夜中の静かなミニマリズムの後半におけるささやかな上昇は、じつに感動的だ。
 日本盤には2曲のボーナストラックが入っているが、オリジナル作品で最後の曲になるのが“Hidden In The Current(流れに隠されたもの)”だ。コクトー・ツインズがクラウトロックと出会ったかのような曲で、後半に湧き上がる渦を巻くような電子音には不思議な力強さがある。

 私は目覚めている
 私は目覚めている
 私はやっと目が覚めた
 私はやっと目が覚めた
 そしてひとりで立ち上がった
 そしてひとりで立ち上がった
“Hidden In The Current”

 人生に夢の時間は必要だが、それだけでは成り立たない。しかし、それでも夢が広がる。そんな音楽だ。
 映画『ショック・ドゥ・フューチャー』のエンドロールには、献辞として、ローリー・シュピーゲルをはじめとする女性電子音楽家たちの名前がずらっと記されてる。ぼくの家には、女性電子音楽家たちの作品が年ごとに増えていっている。それはもちろん「女性だから」気に入っているのではない。ただ純粋に好きな音楽があり、それを作っているのが女性だったというだけの話だが、このように時代は変わっていると。まあ、そんなわけで、釣りのほうはどうなったのかというと、ここでは書きません、今度会ったときに話すことにしょう。

The Smile - ele-king

 トム・ヨークジョニー・グリーンウッド、そしてトム・スキナーによる新バンドが始動する。
 トム・スキナーといえば、UKジャズ・シーンにおけるキイパースンのひとり。自身のハロー・スキニーをはじめ、メルト・ユアセルフ・ダウン
サンズ・オブ・ケメットオスカー・ジェロームから松浦俊夫、ハーバート『One Pig』やフローティング・ポインツ『Elaenia』などのエレクトロニック系まで、数々の作品に参加してきた敏腕ドラマーだ。

 さすが音楽をしっかり追っているトム・ヨーク、目のつけどころがちがう(サンズ・オブ・ケメットの新作は今年のベスト・アルバム候補です)。まあトム・スキナーはジョニー・グリーンウッドの作品にも参加していたので、そのつながりもあるのだろう。なんにせよ、あっぱれなプロジェクトのはじまりだ。続報を待とう。

Eli Keszler - ele-king

 今日における最重要パーカッショニストと呼んでも過言ではないイーライ・ケスラー。ヘルム『Olympic Mess』からローレル・ヘイロー『Dust』『Raw Silk Uncut Wood』、OPN『Age Of』やダニエル・ロパティン『Uncut Gems』まで、数々の話題作に関わってきた異才──彼の新作がなんと、グラスゴーの〈LuckyMe〉からリリースされる。
 日本でもコロナ禍によって街の音が変わったけれど、ケスラーの新作『Icons』ではロックダウン中のニューヨークでかき集めたさまざまな音がコラージュされているようだ。現在アルバムより “The Accident” のMVが公開中です。これは楽しみ。

Eli Keszler

盟友OPNとのコラボレーションでも知られる
唯一無二の鬼才パーカッショニスト、イーライ・ケスラーが
最新作『Icons』を〈LuckyMe〉より6/25にリリース!
新曲 “The Accident” のMVが公開

ニューヨークを拠点とするパーカッショニスト/作曲家/サウンド・アーティストのイーライ・ケスラー。これまでに、〈Empty Editions〉、〈ESP Disk〉、〈PAN〉、〈Shelter Press〉といった先鋭的なエレクトロニック・ミュージックのレーベルからリリースを重ね、前作『Stadium』では Boomkat のアルバム・オブ・ザ・イヤーに選出された。また、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァーことダニエル・ロパティンが手がけたサフディ兄弟の傑作『Uncut Gems』のスコアへの参加や、ローレル・ヘイローとのコラボレーション、Dasha Nekrasova 監督の長編映画『The Scary of Sixty First』のオリジナル・スコアの作曲など活動の幅を広げ続ける彼が、最新作『Icons』を〈LuckyMe〉より6月25日にリリースすることを発表した。現在先行配信曲 “The Accident” のMVが公開されている。

Eli Keszler - The Accident
https://youtu.be/elWW-QQx8IQ

アルバム中、ドラム、パーカッション、ヴァイブラフォン、マリンバ、フェンダーローズ、その他多数の楽器がイーライ自身によって演奏されている。ゲストには往年のコラボレーターでもあるヴィジュアル・アーティストのネイト・ボイスがギターシンセで参加、更に中国やクロアチア、その他世界中のさまざまな場所で録音されたサウンドが使用されており、中には渋谷の富ヶ谷公園のサウンドも含まれているという。また、本作はアメリカの抽象主義、夢のような古代のメロディズム、インダストリアルなパーカッション、アメリカの1920年代ジャズエイジのフィルムノワール、帝国の衰退などの様々な要素の断片が散りばめられたコンセプチュアルな作品となっている。

『Icons』は、旅行や輸出入といったことが事実上停止していた時に作った音楽だ。僕は夜な夜なマンハッタンを歩き回って、車のアラームが数ブロック先まで聞こえるような、誰もいない静かな街の録音を集めた。そこでは、電気の音や自転車のギアの音といったものが大半を占めていた。昨年はずっとマンハッタンに滞在していたけど、1つの場所にあんなに長く滞在したのはここ10年の中でも初めてだった。マンハッタンは基本的に閉鎖されて、不規則なペースで動いていた。救急車、抗議活動、ヘリコプターなどの激しい状態から、美しくて奇妙な、穏やかな静寂のような状態まで、街が揺れ動いているように見えた。僕はそこで、何か奇妙で美しいことが起こっていると思ったんだ。権力が崩壊し、人々が変化していた。『Icons』では、僕たちの目の前で劣化して朽ち果てていく神話的な表現を用いて、僕らの壊れやすくて不安定な現実の中に美を見出すような音楽を作ったんだ。 ──Eli Keszler

イーライ・ケスラーの最新作『Icons』は6月25日リリース! 国内流通仕様盤CDには解説が封入され、他にも輸入盤CD、輸入盤LP(ブラック・ヴァイナル)、インディー限定盤LP(クリア・ヴァイナル)、デジタルと各種フォーマットでリリースされる。

label: LuckyMe
artist: Eli Keszler
title: Icons
release date: 2021/06/25 ON SALE

BEATINK.COM: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=11877

tracklisting:
01. the Mornings in the World
02. God Over Money
03. The Accident
04. Daily Life
05. Rot Summer Smoothes
06. Dawn
07. Static Doesn’t Exist
08. Late Archaic
09. Civil Sunset
10. Evenfall
11. We sang a dirge, and you did not mourn

Eli Keszler Official Website
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Oneohtrix Point Never & Rosalía - ele-king

 最新作『Magic Oneohtrix Point Never』が好評のワンオートリックス・ポイント・ネヴァーから、新曲 “Nothing’s Special” の到着です。どこまでも広がる交遊録、今回のコラボ相手は近年ポップ・シーンでぐいぐい名を上げている、バルセロナ出身の歌手ロザリア(ジェイムス・ブレイク『Assume Form』やアルカ『KiCk i』での客演が印象的でしたね)。同曲は『mOPN』最終曲 “Nothing’s Special” の更新されたヴァージョンで、また違った角度からアルバムの魅力を引き出してくれるような仕上がり。チェックしておきましょう。

Sons Of Kemet - ele-king

 昨年の春に世界中で起こったブラック・ライヴズ・マタ―の抗議活動で、もっとも反響を呼んだ映像のひとつが、イギリスのブリストルで、抗議者たちが17世紀の奴隷貿易商人エドワード・コルストンの像を引き倒し、港へと押して行った光景だった。その行為は一定の政治家から予想通りの非難を受けたが、象徴性は否定できないものだった。数世紀の時を経て、ようやく歴史が大西洋奴隷貿易の立役者たちに追いつこうとしていた。
 詩人のジョシュア・アイデヘンが、サンズ・オブ・ケメットの『ブラック・トゥ・ザ・フューチャー』の扇情的なオープニング・トラックである“フィールド・ニーガス”で、「お前の記念碑をゴロゴロ転がして行く タバコを巻くみたいに/肖像は川に投げ込め 火葬の薪の価値もない」、と激しく非難する。低音で鳴くホルンと自由形式のドラミングに乗せて、アイデヘデンはプランテーション奴隷制の時代から現在に至るまで続いている、耐え難い不正を調査し、正義の怒りを燃やしている──いまでも、黒人の人びとは「マラソンで全力疾走」を強いられていると感じることがあるのだ、と。
 サンズ・オブ・ケメットのリーダー、シャバカ・ハッチングスは、昨年、ガーディアン紙に「歴史は有限だと思われがちだが、常に探究されるべきものだ」と語った。「同じ過ちをくり返さないために、常に挑戦し、時には点火する必要がある」
 これはファイティング・トーク(売り言葉)だ。アイデヘンが“フィールド・ニーガス”を「すべて燃やしてしまえ(Burn it all)」という呼びかけで締めくくり、アルバムの最終曲“ブラック”では、再び苦悩に満ちた訴えをしているが、これは予想されがちな反乱者のサウンドトラックではない。2019年に録音されたセッションをベースとしつつ、ハッチングスがロックダウン中に大幅に手直しをしたサンズ・オブ・ケメットの4作目の本アルバムは、これまででもっとも豊穣で、思索的な作品となっている。ロンドンのジャズ・シーンで最高に熱いライヴ・バンドとしての評判を築いてきたグループではあるが、ここではその炎をやわらげている。
 ハッチングスは、木管楽器、テューバにツイン・ドラムという、ブリティッシュ・カリビアンのディアスポラや、ノッティング・ヒル・カーニヴァルのグルーヴに根差した、特徴的なラインナップは崩していない。ドラマーのトム・スキナーとエディ・ヒックが、各曲で入り組んだリズムの土台を作り、それらが常に内省しているかのようなダイアログが続く一方、ハッチングスはダンスホールMCのような強烈さで観客を煽るようなソロを繰り出す。
 ハッチングスはまた、昨年のアルバム制作時に、各曲に新たなレイヤーを追加している。みずみずしい木管楽器(クラリネット、フルート、オカリナに少々の尺八まで)のオーバーダビングにより、執拗なリズムとの対比が生まれた。これは、リード・シングル“ハッスル/Hustle”のヴィデオに登場する二人のダンサーによるパ・ド・ドゥの中に見られる、内面の葛藤の二面性を象徴する、プッシュ&プル(押し合い、引き合う)にも似ている。音楽が、“マイ・クイーン・イズ・ハリエット・タブマン”(2018年のアルバム『ユア・クイーン・イズ・ア・レプタイル』からの傑作トラック)や、“(2015年の『我々が何をしにここに来たのかを忘れないために/Lest We Forget What We Came Here To Do』より)のような恍惚とした高みに到達することを約束する、音楽が爆発しそうになるいくつかの瞬間があるが、これは対照的なエレメントの導入により、ムードを変えるためのものだ。
 “エンヴィジョン・ユアセルフ・レヴィテーティング” では、ハッチングスの強烈なサクソフォン・ソロがライヴ・ギグの熱気を呼び起こすが、その様子をほろ苦い気分の距離感から眺めているかのような、木管楽器の穏やかさで相殺される。“レット・ザ・サークル・ビー・アンブロークン”の気だるいカリプソの拍子が、終盤ではアート・アンサンブル・オブ・シカゴ風のフリークアウトへと崩れていくと、哀愁を帯びたフルートのリフレインでバランスが保たれる。“イン・リメンブランス・オブ・ゾーズ・フォールン”の緊迫したリズムは、物憂げな短調のメロディーに抑えられているが、ハッチングスは曲が後半になるにつれ、少し熱気を帯びてくるのに抵抗することができない。
 このようなコントラストがアルバムを通してのテーマとなっており、とても意外なことに、頭のなかのどこかで、初期のECMがリリースしたベングト・ベルガーの1981年の傑作、『ビター・フューネラル・ビアー/Bitter Funeral Beer』を思い浮かべるような心持ちになった。また、より実践的なスタイルで制作されたこの作品は、特に多数のゲストを起用した前半で、彼らがこれまでに到達したことのないほど、グライム&ベースの音楽になっている。
 いくつかのヴォーカル曲でのフィーチャーについては、アイデヘンとコジェイ・ラディカル(“ハッスル”)が傑出している一方、“フォー・ザ・カルチャー”でのD Double Eは、ただトリラリー・バンクスとの”Mxrder Dem”のヴァースの焼き直しをしているらしいのにも関わらず、大いに楽しんでいるように聞こえる。その反面、“ピック・アップ・ユア・バーニング・クロス”にフィーチャーされている恐るべき才能のムーア・マザーとエンジェル・バット・ダヴィドの2人は、強力なラインナップの期待に応えることができてはいないようだ。この曲は、このアルバムでは珍しく、余計な積み荷をしない方がよかったと思われるものではあるが、彼らが一同に会してステージに立ったなら、どれほどのことが成し遂げられるのかは想像できる。
 まさに、「すべて燃やしてしまえ(Burn it all)」である。

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Sons of Kemet
Black to the Future

Impulse!

James Hadfield

One of the most resonant images from the Black Lives Matter protests that erupted across the world last spring was the sight of protestors in Bristol, UK toppling a statue of 17th century slave merchant Edward Colston and pushing it into the harbour. While the act drew a predictable denunciation from certain politicians, the symbolism was impossible to deny. It may have taken a few centuries, but history was finally catching up with the architects of the Atlantic slave trade.

“We are rolling your monuments down the street like tobacco / Tossing your effigies into the river / They weren’t even worth a pyre,” declaims poet Joshua Idehen in “Field Negus,” the incendiary opening track for Sons of Kemet’s “Black to the Future.” Over lowing horns and freeform drumming, Idehen works himself into a righteous fury as he surveys the injustices that have endured from the days of slave plantations to the present – how, even now, Black people can feel like they’re being told “to run sprint times in a marathon.”

“People think that history is finite, but it is something that needs to be explored constantly,” Sons of Kemet leader Shabaka Hutchings told The Guardian last year; “it needs to be challenged and sometimes set alight, so we don’t continue to make the same mistakes.”

That’s fighting talk. But while Idehen signs off “Field Negus” with a call to “burn it all” – and returns to deliver an anguished complaint on the album’s final track, “Black” – this isn’t the insurrectionary soundtrack you might have expected. Based on sessions that were recorded in late 2019 but significantly reworked by Hutchings during lockdown, Sons of Kemet’s fourth album is their richest and most contemplative to date. The group may have built a reputation as one of the most combustible live bands on the London jazz scene, but they’ve tempered the fire here.

Hutchings hasn’t messed with the signature lineup of woodwinds, tuba and twin drummers, rooted in the grooves of the British Caribbean diaspora and London’s Notting Hill Carnival. Drummers Tom Skinner and Eddie Hick create an intricate rhythmic bedrock for each tune that seems to be in constant dialogue with itself, while Hutchings still solos with the crowd-hyping intensity of a dancehall MC.

What’s different is the additional layers that he added to each track while working on the album last year, overdubbing lush woodwind arrangements (clarinets, flutes, ocarinas, even some shakuhachi) that provide a counterpoint to the insistent rhythms. It’s like the push-and-pull captured in the video accompanying lead single “Hustle,”[1] in which a pair of dancers perform a pas de deux symbolising the duality of internal struggle[2] . There are points at which the music seems about to explode, promising to reach the ecstatic heights of “My Queen is Harriet Tubman” (the standout track from 2018’s “Your Queen is a Reptile) or “Afrofuturism” (from 2015’s “Lest We Forget What We Came Here To Do”[3] ), only to introduce a contrasting element that shifts the mood.

On “Envision Yourself Levitating,” Hutchings’ emphatic saxophone solo conjures the heat of a live gig, but it’s offset by gentle woodwinds that seem to be viewing the action from a bittersweet distance. When the languid calypso pulse of “Let The Circle Be Unbroken” collapses into an Art Ensemble of Chicago-style freakout towards the end, it’s balanced out by a mournful flute refrain. The urgent rhythms of “In Remembrance Of Those Fallen” are kept in check by a languid minor-key melody, although Hutchings can’t resist dialling up the heat a little in the song’s latter half.

These contrasts are a running theme throughout the album, taking it into a headspace that reminded me, very unexpectedly, of early ECM releases such as Bengt Berger’s 1981 masterpiece, “Bitter Funeral Beer.” At the same time, the more hands-on production style brings it closer than the group have ever come to grime and bass music, especially during the album’s guest-heavy first half.

Among the various vocal features, Idehen and Kojey Radical (on “Hustle”) are standouts, while D Double E sounds like he’s having a ball on “For The Culture,” even if he’s just rehashing his verse from Trillary Banks’ “Mxrder Dem.”[4] On the other hand, “Pick Up Your Burning Cross,” featuring the formidable talents of both Moor Mother and Angel Bat Dawid, fails to deliver on the promise of its powerhouse lineup. It’s one of the rare moments on the album that might have sounded better without the added baggage, though you can only imagine what these musicians might achieve if they were able to share a stage together. “Burn it all,” indeed.

It’s described in text accompanying the video as “the duality present within any struggle to transcend internal limitations.”

Carlos Niño & Friends - ele-king

 アモンコンタクトやヒュー・ヴァイブレイショナル、ビルド・アン・アークなどの活動で名を馳せ、ヒップホップからジャズ、エレクトロニカ、アンビエントまでを横断、プロデューサー、DJ、ライター、詩人など多くの顔を持つLAシーンのキイパースン、カルロス・ニーニョ。彼の最新作が7月7日にリリースされる。
 ここでひとつ、サプライズ。サム・ゲンデル、ジャメル・ディーンといった仲間たちに加え、なんとUKから(サンズ・オブ・ケメットの新作リリースを控えるシャバカ・ハッチングスが参加! さらには御大ララージまで駆けつけているようなので、これはスルーできない案件である。予約・試聴はこちらから。

 なお、5月27日発売の『ユリイカ』6月号にカルロス・ニーニョのインタヴューが掲載されるとのこと。レイ・ハラカミについて語っているそうです。


Carlos Nino & Friends
More Energy Fields, Current

シャバカ・ハッチングス、サム・ゲンデル、ネイト・マーセロー、ジャメル・ディーンが参加。数多くのソロ作品やコラボレーション・プロジェクトで辿り着いたカルロス・ニーニョによる、コズミック・アンビエント・ジャズの最高傑作!! ボーナス・トラックを加え、日本限定盤ハイレゾMQA対応仕様のCDでリリース!!

Official HP :
https://www.ringstokyo.com/carlosninomefc

このアルバムは、90年代半ばから歩み続けてきたカルロス・ニーニョの音楽の旅が到達した極みだ。ヒップホップからジャズへ、フォークからアンビエント、ニューエイジへ、音楽の意匠は変化しても、彼の音楽の本質は変わらない。サム・ゲンデル、ネイト・マーセロー、ジャメル・ディーンら、お互いを信頼し合う素晴らしい仲間と作り上げた最高の一枚。ゲスト参加のシャバカ・ハッチングスもカルロスの宇宙に溶け込んでいる。(原 雅明 rings プロデューサー)

アーティスト : Carlos Nino & Friends (カルロス・ニーニョ&フレンズ)
タイトル : More Energy Fields, Current (モア・エナジー・フィールズ,カレント)
発売日 : 2021/7/7
価格 : 2,800円+税
レーベル/品番 : rings / International Anthem / Plant Bass (RINC77)
フォーマット : MQACD (日本企画限定盤)

* MQA-CDとは?
通常のプレーヤーで再生できるCDでありながら、MQAフォーマット対応機器で再生することにより、元となっているマスター・クオリティのハイレゾ音源をお楽しみいただけるCDです。

01. Pleasewakeupalittlefaster, please... (with Jamael Dean)
02. The World Stage, 4321 Degnan Boulevard, Los Angeles, California 90008 (with Sam Gendel, Jamael Dean and Randy Gloss)
03. Nightswimming (with Dntel, Jamael Dean and Jira ><)
04. Now the background is the foreground. (with Adam Rudolph, Aaron Shaw and Jamael Dean)
05. Thanking The Earth (with Sam Gendel and Nate Mercereau)
06. Salon Winds (with Jamire Williams, Nate Mercereau, Jamael Dean and Aaron Shaw)
07. Ripples, Reflection, Loop (with Laraaji, Jamael Dean and Sharada)
08. Togetherness (with Devin Daniels and Jamael Dean)
09. Iasos 79 'til Infinity
10. Please, wake up.
&Japan Bonus Track

interview with Satomimagae - ele-king


Satomimagae
Hanazono

RVNG Intl. / PLANCHA

FolkAmbient

 サトミマガエの新作『花園』を聴いていると、まだマンションが乱立する前の、昔の古い世田谷の迷路のような小道に迷い込んで、偶然いままで知らなかった小さな空き地に出たときに感じた嬉しさのようなものを感じる。そこにはやはり小さな草花が風に吹かれているのだ。
 サトミマガエをぼくに教えたのは畠山地平だった。彼のレーベル〈White Paddy Mountain〉からリリースされた『Koko』があり、『Kemri』があった。畠山のイベントに出演した彼女のライヴにも行った。高円寺のとあるお店の地下スペースで、10人にも満たない人たちを前に、彼女はアルバムで聴いた印象の通りの静的な佇まいをもって、抑揚のない独自の歌い方と魅力的なギターを披露した。おそらくその週末の東京のいたるところで演奏されたどの音楽よりも、そこは静かだったはずだ。

 彼女の新作『花園』が〈RVNG Intl.〉を通してインターナショナル・リリースされるのは、楽しみというほかない。アンビエント・フィーリングを持った彼女の作品は、ひとつのサウンドとしての面白さが充分にある。物静かで音数は少ないが、細かいアレンジが行き届いており、ギターと歌以外の小さな音がほかにもこの小さな世界に共鳴している。そこから見える景色は、モノクロームではない。アルバムのアートワークのようにカラフルでもある。
 今回は初めての取材なので、ものすごく基本的なところから質問している。日本から登場したこの異色のアーティストにひとりでも多く興味を持ってもらえたら幸いだ。

いろんな感情を中和するものを作りたいなと思って。刺激のある音楽の間に挟んで聞くような休憩の音楽、でもそういう音楽が大事なときもあるなと思ったんですよね。

生まれと育ちはどちらなのでしょうか。

サトミマガエ:茨城県です。

ギターに興味をもたれたきっかけは?

サトミマガエ:中学生くらいのときにあった選択音楽という授業でギターを選びました。家にギターがあったので弾けたら面白いかな程度でやってみたということです。少し弾いてみたら楽しくなりすぐにのめり込みました。最初は学校で発表するという名目でやっていたので、当時流行っていたJポップなんかをやって。

お父さんがアメリカで買ってきたブルースのレコードが好きだったという話を聞きましたが。

サトミマガエ:家族で2年間アメリカに住んでいたんです。アメリカでも父親が友だちに紹介してもらった古いブルースを聴いていたし、それを日本に帰ってきてからも車とかでかけたりして。当時は好きというわけではなかったけれどよく耳にはしていましたね。

自分で能動的に音楽を聴いたり、あるいは演奏をするようなきっかけであったりとか、そういうのは別にありましたか?

サトミマガエ:小学生の高学年くらいからクラブ活動でトランペットを吹きはじめたんですよね。演奏より合奏がそのときは楽しいと思っていて、中学生でも吹奏楽部に入ってトランペットをやっていましたね。

トランペット吹くのって小学生には難易度が高くないですか?

サトミマガエ:そうですね。

じゃあいまでもけっこう吹ける?

サトミマガエ:いまはあんまり吹けないですけど(笑)過去の曲で何回か吹いています。それで中学生の終わりころにコンクールの練習で、先生がいないときに指揮台に立って各楽器に指示をだしながら曲をまとめていく役割を任されたことがあってそれぞれの楽器をコントロールしてひとつの曲にするという、そういう合奏の楽しさをそこで感じました。

じゃあポピュラー・ミュージックといったものにはあまり縁がなかったですか?

サトミマガエ:聴いてはいたけど夢中になるような感じではなかったですね。

でもどこかで夢中になったことが……

サトミマガエ:高校にはいったときに友だちがいわゆる洋楽を教えてくれて、そこからですね。そのとき友だちが教えてくれたのはニルヴァーナとレッド・ホット・チリ・ペッパーズでした。

そこからどのように発展していったのですか?

サトミマガエ:バンドでベースを弾いてと頼まれベースを聴くようになったんですよね。それでずっとレッド・ホット・チリ・ペッパーズを聴いて練習していました(笑)。あとはレディオヘッドとか、ナンバーガールとかみんな聴いていたものを聴いて。そのあと大学に進んでベースをバンドで弾きたいと思って軽音部に入りました。理系の工学部のほうにあった軽音部だったので、電気とか機材に詳しい人が多くて音楽機材のことをたくさん学びました。

分子生物学を専攻していたと。

サトミマガエ:そうです。そこでもうすこしマニアックな音楽、いわゆるもっとデジタルな音楽に出会って。さらにそのあと美術系に進んでいた姉のお手伝いで現代アートと関わる機会があって、そうするとまたまた知らなかった音楽に出会って、現代音楽や実験音楽のフィールドも知りはじめて。けっこう衝撃で本とかも読んだりしました。出会った音楽はぜんぶ歴史を調べながらというか、「すごいなぁ」と夢中になりながらいろいろ聴いてきましたね、古いフォークとかも一時期聴いてみたり。

とくに好きだったのは?

サトミマガエ:とくに大好きというのはいなかったですね。エイフェックス・ツインやフアナ・モリーナとか、いまも新しいリリースをフォローしているアーティストは何人もいるんですけど。軽音部にいたときに、電子音楽に興味が湧いて古いものからエレクトロニカ、テクノをたくさん聴きました。友だちにクラブ行ったりDAWやってる人も少しいて、クラークを敬愛してる人がいたり、電子音楽はその頃からずっと憧れの音楽という感じで今も好きです。
その後、さきほどお話ししたように現代アートと触れる機会があり、より実験的な音楽に興味を持って 『音の海』(デイヴィッドトゥープ著)という本を読んだんですけど、それが当時自分にとって知らない世界が開けたようで衝撃でしたね。
その後学生が終わった後に出会った中東やアフリカ、インドの音楽もそれと同様の衝撃がありました。知らない音楽はたくさんあるのに見えてないだけなんだな、と。

いま創作活動をやっているなかで大きかったと思えるようなアーティストであったり作品であったりはありますか?

サトミマガエ:(すこし考えて)いろいろあって難しいな(笑)。

サトミさんの場合はスタイルがあるというか、ひとりでギターの弾き語りというのがベースにありますよね。なぜそういうスタイルになったのでしょうか。

サトミマガエ:ギターは自分が唯一コントロールできている楽器という気がします。いまだに発見があるから、まだできそうなことがあるなと。ピアノとかも試したけどやっぱりうまくいかなくて、私はけっきょくギターで作曲することしかできないのかなって。ギターマニアとかコレクターというわけではないですけど。

例えば好きなギタリストがいたりとかは?

サトミマガエ:ニック・ドレイクを聴いたときは、いままで聞いたことがない感じがしました。耳コピでちょっと練習しましたね。ほかに、ホセ・ゴンザレスも最初に聴いたときに普通のフォークとは違う響きやリズムがあってハマりました。ときどき、いわゆるデルタ・ブルースというか、ライトニン・ホプキンスじゃないけど古いブルース・ギターの弾き語りを動画で見たりすると、あらためてかっこいいスタイルだなと感じます。

ブルースのどんなところがサトミさんに引っかかりましたか?

サトミマガエ:足りない感じがしないところですかね。足したくなる感じがなくてギターと声だけで完結している、声と一緒にギターがほぼ歌ってますよね。あとリズムも好きですね。

いわゆる弾き語りで歌いはじめたときの歌の部分、というのはどういうふうにご自身のなかで発展していったのですか? もともと歌っていたんですか?

サトミマガエ:中学生くらいから歌ってはいましたけど、綺麗な声じゃないし地声に自信もなかったのでぜんぶ裏声、みたいな。とにかく自分の声の嫌な部分をごまかして歌う方法を探っていました。シンガーとしてはぜんぜん自信はなかったんですけど、とにかく自分の声で成り立つ音楽を作ろうという感じでした。

人前で歌いはじめたのはいつごろですか?

サトミマガエ:ちょうど20歳くらいですね。

場所は東京でした?

サトミマガエ:東京です。

大学で東京に来られた?

サトミマガエ:はい。

そのときはもちろんひとりで?

サトミマガエ:バンドに1回はいっていたのでそこでヴォーカルをやっていたこともあります。そのあと自分の音楽をやりたくなったから自分でもやっていたけどソロではやってなかったですね、人にはいってもらったりしてやっていました。

バンドで歌っていたということは、つまりサトミさんのバンドがあったんですね。

サトミマガエ:そこのヴォーカルが抜けちゃったからはいって、みたいな感じでしたね。

なるほど、じゃあ別にサトミさんが作ったバンドというよりも……

サトミマガエ:ぜんぜん違います(笑)。あとはベースを弾いていたので基本的にずっとバンドでやっていましたね。ほとんど軽音部でやっていたからコピーバンドだったんですけど。

20歳くらいからライヴハウスにでて歌おうと思った理由はなんですか?

サトミマガエ:やっぱりどこかでずっと音楽を作っていきたいと思っていたので……、人に知ってもらおうとなったら、ライヴをしなきゃならないのかなと感じて。

月に1回くらいとか?

サトミマガエ:いや、もっとやっていたと思います。

けっこう積極的にやられていたんですね。畠山地平くんがたまたまライヴで聴いて、彼のレーベル〈White Paddy Mountain〉からださないか声をかけたという話を彼から聞いたのですけど、ああいう畠山くんみたいなアンビエントやドローンであったりとかはサトミさん自身はどうでした? 

サトミマガエ:アンビエント・ミュージックにはよく触れていたし興味はあったんですけど、そんなに自分の普段聴く音楽として聴いてはいませんでしたね。畠山さんのレーベルからお誘いをうけて見てみたら、全体の美学がかっこいいレーベルだなと思って、リリースがぜんぶアンビエントやドローン・ミュージックだけではなくて、いくつかポップなユニットとかもあったりして。レーベルを探してみたこともあったんですけど、ぜんぜん自分に合うレーベルがわからないし、まずそんなにレーベルを知らなくて。畠山さんに誘っていただいて調べてみたらすごくしっくりきたというのは憶えていますね。

ちなみに畠山くんからグルーパーというアーティストの作品を聴かされたりしませんでしたか(笑)。

サトミマガエ:聴かされてはなかったですけど、そういうふうに形容されているのはよくみて、自分は予想外でした。後からアルバムを1枚持っているのを思い出して、あぁなるほど、と思って。

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"Numa" という曲では「爽やかな諦念」がテーマです(笑)。鬱々したものではなくて、その身を任せている変化の流れ、風のような流れを楽しんでる様子を書きたかったです。

ヴォーカリストで影響を受けた人とかいますか?

サトミマガエ:女の人のヴォーカルがずっと苦手で好きじゃなかったんですけど『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を高校生で観て、そこで歌っているビョークの歌声で初めて女性の声もいいんだなと思いましたね。叫んでいるんだけど柔らかいというか、そういう女の人のヴォーカルにはじめて出会って。

しかしサトミさんの歌い方はビョークのように感情を露わにしないことが特徴だと思います。感情をあらわにしないこと、あるいは言葉をはっきり歌わないこと、それ自体がサトミさんのひとつの表現になっているように思ったんですけど、どうでしょうか。

サトミマガエ:日本語が聴き取れないとはよく言われるんですけど、じつはあまり意識したことはないんですよね。日本語ってすごくカクカクしていて、言葉が飛び出てくるというか、日本語はすごく言葉が強いと思うんですよね、強く歌うと詩だけがはいってきてしまう感じがある。そういう詩を聴いているだけのような音楽は、私は説教されているような感覚になることが多くて。言葉も音楽と一体になっていてほしいというのがいつもあって。たぶんそのせいで、そういう歌いかたになっているのだと思います。

サトミさんにとって歌詞というのはどういうふうに考えていますか?

サトミマガエ: まえのアルバムにいけばいくほどなにを言おうとしているのか完全に理解されたくない、というのは強いと思いますね。歌詞に関しては。

理解されたくない?

サトミマガエ:正直に言うと、自分の書こうとしている歌詞がはっきりと浅はかだってバレて曲を台無しにしてしまうのがいやなので(笑)。

そんなことはないでしょう(笑)。ちなみに好きな本とか作家はいますか?

サトミマガエ:最近はあまり読めていませんが、昔は日本の純文学をずっと読んでいましたね、川端康成とか谷崎潤一郎とか。

めちゃくちゃ純文学ですね。

サトミマガエ:とにかく綺麗な日本語を勉強しようと思って。

谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」はサトミさんの世界観にあるかも(笑)。

サトミマガエ:昔の本ってけっこう難しいんですよね。いつの間になにか起きているけど注意して読まないとそれがわからない、みたいな。大きなドラマがあるわけではなくて、ただ細かい文章だけから映像を想像していくというところが少し癖になっていました。

今回のアルバムが〈RVNG Intl.〉からでることになった経緯というのはなにがあったんでしょうか。


Satomimagae
Hanazono

RVNG Intl. / PLANCHA

FolkAmbient

サトミマガエ:海外のレーベルに詳しい知り合いに、かっこいいレーベルを教えて欲しいと頼んだらそのなかに〈RVNG Intl.〉がはいっていました。それで自分でも調べたら、FloristというバンドのヴォーカルのEmily A. Spragueがソロプロジェクトでバンドとは違った音楽をリリースしているのをそこで発見したりして、おもしろそうと。デモを送ってみました。でも実はRVNGのまえに〈Guruguru Brain〉が返事をくれて、今回はCo-Releaseで〈Guruguru Brain〉からも同時にリリースしてもらえることになりました。

今回のアルバム・タイトル『花園』というのはどこからきているのでしょうか。

サトミマガエ:いままでに比べてオープンでフラットにすることをすこし意識していて。

すごくカラフルですよね、いままでの作品より。

サトミマガエ:そうそう、そういうイメージです。だけどまだ少し閉じているというか、家の外ではあるし、外の世界と繋がっているけれどあくまでプライベートな空間というか、そういうイメージです。それと子供らしさ……、曲を書いていた時期に子供のニュースをよく見かけまして、あまりよくないニュースですけど。音楽のなかにそういうテーマもはいりこんできましたね。なんかね、『花園』っていうと……華やかで、一生懸命手入れするのに別に人に見せないという、それが子供らしさというか、ピュアな創造という感じに繋がるんですね。

子供たちにとってのユートピアみたいな。

サトミマガエ:うーん、そうですね、楽園……現実逃避ではないんですけど、広い世界がみえていないというかね。それって子供もそうだけど、ときどき大人もそうだなと。そういう感じだけれど内向的な暗さはなく、社会と繋がっているしあくまで外にあるというイメージで『花園』がしっくりくる。

なぜ外に向けて開けきらないんですか?

サトミマガエ:それは私がまだ開けきらないなって思ったからで(笑)。

でも閉じた感じというのがサトミさんの作品の魅力ではあると思いますよ。

サトミマガエ:そうですね。前のふたつの作品とか、というかいままでの作品はぜんぶそうだったと思います。

『Hanazono』は音の細部が丁寧に作り込まれていますよね、サブベースのような音があったり、フィールド・レコーディング的なものもあったり、あるいはすごく小さな音量で別のメロディが鳴っていたりとか。注意深く集中して聴くといろいろな音が聴こえるような音作りになっていて、むしろ広がりがあると思いました。

サトミマガエ:ありがとうございます。BGMだけれどただ退屈に流れているだけの音楽ではなくて、ちゃんと鳴っている音楽、というのを目指していました。プレーンな感じ……、いろんな感情を中和するものを作りたいなと思って。刺激のある音楽の間に挟んで聞くような休憩の音楽、でもそういう音楽が大事なときもあるなと思ったんですよね。

レコーディングのやりかたもいままでとは違っていると思いますが、どのように進めたのでしょうか?

サトミマガエ:作っている段階ではレーベルが決まっていなかったのもあって、とくに誰かの期待に応えるようなかたちで作っていなかったのもあったのかもしれません。ほとんど家で録っているんですよね。

あんまりいままでと作りかたは変わらなかったと?

サトミマガエ:あ、でも前回のふたつはスタジオでちゃんと録音していたので。

今回は家の中でぜんぶ作ったと。

サトミマガエ:ほぼそうですね。浦和さんがいれたもの以外は家で作りました。

それじゃ家に小さいベットルーム・スタジオみたいなものがあるんですか。

サトミマガエ:いまいる部屋なんですけど、この狭い部屋で(笑)。だからけっこう外の音とかはいっちゃっている曲もあるんですよ。

最後の“Uchu”にもはいってますもんね。あとボーナストラックにフィールド・レコーディングっぽい音がはいっている。

サトミマガエ:あれは散歩して録ったやつですね。

なるほど。じゃあけっこう時間をかけて作った感じですか?

サトミマガエ:かかりました。2018年くらいに曲自体は書き終わっていたので、そこから2019年の間はデモにするためにミックスやレコーディングをして、それで去年はずっと仕上げをしていました。

ギターの弦の音とかすごく綺麗になっていて、曲によってはギターとかを重ね録りしているんですか?

サトミマガエ:曲によってはしています。でもなかには一発録りのもあって。スタジオでやるっていうのがなかったから、できたらすぐ録るというのも可能だったんですよね。一番最初が一番良いテイクということもあるので。
■サトミさんのスタイルってすごく独特だし世界観ができあがっているから、逆にアルバムのなかで曲ごとのヴァリエーションはどういうふうに考えてらっしゃいますか?

サトミマガエ:今回はヴァリエーションというか、ひとつのアルバムが一気に流れていくような作品にしたいということはいままでではいちばん意識してました。曲ごとのカラーをけっこうがらっと変えながら、全体としてはひとつの空間にまとまっているような。

今回は英語の歌詞が半分で日本語の歌詞が半分ですか?

サトミマガエ:そうですね。

英語と日本語で半々にしたのはインターナショナル・リリースということがあったからですか?

サトミマガエ:いままでは日本語で歌うというのは自分の音楽の特徴のひとつに捉えていたんです。『Potopo』という自主制作のEPではじめて全部英語の曲をひとつ書いてみたら、別に英語で歌っても自分の曲らしいまま書けるなと思って。今回はオープンにしたいというものあって日本語にこだわらず書いてみたという感じです。

先ほど子供の話をしていただきましたけど、ご自身はこの作品を通じて何を伝えたいと考えてらっしゃいますか?

サトミマガエ:メッセージかはわからないですが、今回のアルバムの“花園"を作ってたときにテーマとして出てきたのは 自分の中や外で大きく起こる変容を受け入れる、身を任せる、ということでした。"Numa" という曲では「爽やかな諦念」がテーマです(笑)。鬱々したものではなくて、その身を任せている変化の流れ、風のような流れを楽しんでる様子を書きたかったです。歌詞がいつもパーソナルになってしまうんですけど、さっき言ったような中和する音楽を目指していたので、今回は日記のようにならないよう曲ごとにまずありふれたモチーフを思い浮かべてみたんですね。石とか風とか海とか。それに投影するかたちで曲をもう少し普遍的なものにしたいと思って。

なるほどね、わかりました。ありがとうございました。またライヴでお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございました。

サトミマガエ:ありがとうございます。

(4月22日、ZOOMにて)

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