「W K」と一致するもの

claire rousay - ele-king

 カナダ出身テキサス育ち、現LAの音楽家クレア・ラウジーは、この数年で、世界中のアンビエント・リスナーの耳を最も静かに惹きつけたアーティストのひとりである。クレア・ラウジーの音楽は「音響」「エクスペリメンタル」「アンビエント」という枠では収まりきらず、より人間的で、生活の質感に近いサウンドスケープを展開している。ラウジーのマイク=耳を通して聴こえるのは、録音という行為を通じて鳴っている音だ。ラウジーは「生きること」と「聴くこと」を同じ地平に置いてきたといえる。
 初のヴォーカル・アルバムだった前作『sentiment』から一転し、本作『a little death』ではエクスペリメンタル/アンビエントの音世界へと回帰している。いやそもそも回帰とはいえないかもしれない。ここでは音響と旋律、音と声の境界線が消失し、声/旋律のない「うた」(ようなもの)の心が生成しているのだ。音による情緒・記憶・感情の生成。思えばラウジーの音楽はいつもそうではなかったか。

 本作『a little death』は『a heavenly touch』(2020)、『a softer focus』(2021)に連なる系譜の作品という。確かに全編を通して電子音、環境音、生楽器が重なり合い、音の空間性とレイヤー感覚はこれまで以上に美しく、叙情的で、豊かだ。
 アルバムのタイトルは、彼女が暮らしていたテキサス州サンアントニオのワインバー「Little Death」に由来する。しかし本作で描かれるのは「比喩としての死」ではなく、日常の中に潜む「小さな終わり」の感覚に近い。過ぎ去る時間。消えていく記憶。静かに閉じていく一日の余韻。その繊細な瞬間を音に封じ込めた作品である。
 本作に用いられた最初のフィールド・レコーディングは、『a softer focus』のプロモーション時にラウジーが取材を受けたワインバーで録音されたものという。ラウジーにとって録音は記憶を掘り起こし、時間の堆積を音に変換する行為である。彼女は過去作での「実験」をより柔らかく解体し、記録に宿る詩情を掘り当てているのだ。
 『a little death』にはこれまでの作品を支えてきた盟友たちが再び集結している。3月のコラボ作『no floor』に続き、モア・イーズ(More Eaze)が本名マリ・モーリス(Mari Maurice)としてヴァイオリンで参加。6月リリースの共作『quilted lament』以来となるグレッチェン・コァスモー(Gretchen Korsmo)がクラリネットを提供し、アンドリュー・ウェザーズ(Andrew Weathers)はラップ・スティール・ギターで加わる。『a softer focus』にも参加していたアレックス・カニンガム(Alex Cunningham)、そして9月に名盤『Tender / Wading』を発表したエム・セイジ(M. Sage)もクラリネット、エレクトロニクス、ピアノで参加している。この豪華な布陣は、ラウジーの歩んできたネットワークの深さと信頼関係を象徴しているといえよう。

 本作『a little death』のサウンドには、音と音のあいだに独自の「温度」がある。電子的なノイズが立ち上がった直後に、生楽器の柔らかな音色がそっと現れ、その往復の中で聴き手の感情が静かに揺れ動く。声のない歌とでもいうべき感覚だろうか。メロディやリズムは明確ではないが、代わりに「時間の流れ」そのものが音楽の中心にある。ラウジーにとって録音とは作曲であり、記憶を編集する行為でもあるのだろう。そこには深い「親密さ」がある。
 ラウジーの作品にいつも深い親密さが宿るのは、音の背後に「生活の息づかい」が聴こえるからだ。それらは背景音ではなく、ラウジーにとっての「時間の証拠」として刻まれている。そう、ラウジーにとって音楽とは現実からの逃避ではなく、「現実そのものを聴き取る」ための芸術なのだろう。
 1曲目 “i couldn't find the light” では、声とノイズが交錯する55秒の短い断片から、2曲目 “conditional love” へと静かに接続され、アルバムはその世界観を自然に提示する。細やかな物音や硬質な電子音が交錯し、日常と非日常のあいだを音が滑走していく。続く3曲目 “just (feat. m sage)” はピアノの音から幕を開け、音の色彩は一気に抒情的なムードへと転じる。エム・セイジによる電子音が音の空間を広げ、余韻を残す。4曲目 “somehow” では静謐なアンビエント/ドローンが展開されるが、ここでも言葉/声が突如差し込まれ、記憶の層と音響が交錯する。ここまでがアルバム前半といってよいだろう。
 アルバム後半はギターとピアノが重要になる。5曲目 “night one” では、ギター、ピアノ、環境音とともに柔らかなアンサンブルを形成する曲だ。デヴィッド・グラッブスを思わせる素朴な音楽性と、実験的な音響空間が交錯し、あの90年代シカゴ音響派へとつながる気配を漂わせる音楽性であった。6曲目 “doubt” では密やかな電子ノイズが立ち上がり、その背後から霞んだピアノの音色が浮かび上がる。7曲目 “somewhat burdensome” も抒情的なギターから始まり、ジム・オルークが探求してきた実験音楽とアメリカーナ的な音世界の系譜にあるかのような響きを宿す。
 8曲目、アルバム最終曲にして表題曲 “a little death” では、これまでの曲で描かれてきた音楽世界がゆったりと静かに再生する。アンサンブルとレイヤー、管楽器と弦楽器風の和声、環境音、声が交錯し、「音楽」が静かに立ち上がっていく。エクスペリメンタルでありながら大袈裟にならず、素朴さと洗練が共存する、実に見事な楽曲だ。5分20秒付近の小さな空白を挟み、音楽はそれまでの抒情性を大きく開放するようにドラマチックな展開を迎える。
 私見ではあるが、この控えめでエモーショナルな叙情性に90年代シカゴ音響派からの明確な系譜が感じられた。かつてジム・オルークやデヴィッド・グラッブス、トータスらがアメリカ音楽、実験音楽、アヴァン・ロックを交錯させつつ、「アメリカ音楽の歴史」を音で描いたように、ラウジーもその系譜の中で音による音楽史を構築しているのではないかと想像してしまう。ともあれ本曲は、エクスペリメンタル音楽家としてのラウジーのひとつの到達点と言って差し支えない。それほどに感動的な曲なのだ。

 ラウジーの音楽には、記録と感情、歴史と個人、客観と主観のあいだを漂う「曖昧さ」が常にあり、その揺らぎこそが表現の核心ではないかと思う。本作『a little death』は、これまで彼女が探求してきた「生活としての音楽」「継承としての音楽」が有機的かつ多層的に交錯し、空気のように揺らいでいる作品である。前作『sentiment』で試みたヴォーカル表現を経て、音の背後にある沈黙や呼吸が、これまで以上に強い存在感を放っていた。本作に耳を澄ませば、私たちの記憶の輪郭もまた静かに、そして新たな陰影と共に浮かび上がってくるだろう。

interview with Kensho Omori - ele-king

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』
11月28日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開

©“Ryuichi Sakamoto: Diaries” Film Partners

 イスラエルとの結びつきが問題視されているボイラールームで、去年、最高のDJを聴かせてくれたアルカはクライマックスで“Rain”をドロップ。ピュリティ・リングはセルフ・タイトルの新作に「坂本龍一の思い出に」という副題をつけた“Glacier”で“戦場のメリークリスマス”をモチーフにした曲をアルバムの締めくくりに置き、イーライ・ケズラーは今年のブリープ・ミックスに“Chasm”をフィーチャーするなど、世界各地で、そして、思わぬ方向から坂本龍一への追悼が途切れなく続いている。坂本龍一が過ごした最後の3年半を追ったNHKスペシャル「Last Days 坂本龍一 最期の日々」(2024年4月7日放送)はその後、『Ryuichi Sakamoto: Diaries』として新たに映画公開されることに。ディレクターとして携わったNHKスペシャルの制作時から、映画版もつくるつもりで始めたという、大森健生監督に制作当初の話からその過程で気がついたことなどを訊いた。

「受け入れた」と仮定しないと進めない部分もあるのですが、撮っている映像などを見返すと、ある1日を境に言葉も写真もポジティヴに見えるところがありました。2022年4月18日の、「こうなったらどんな運命も受け入れる準備がある」というところです。

最初は「一人の人間の死」と「坂本龍一」であることは分けて考えたいと思います。これまでに誰か個人の死を扱った作品や番組をつくったことはありましたか? 今回が初めてだった場合、人の死を扱う時に初めて感じた感情や気持ちはありましたか。初めてではない場合、他の作品との違いは何でしたか?

大森:人の死ということでは戦争を扱ったことがあります。NHKのディレクターになり1年目から2年目の時に、NHKスペシャル「樺太地上戦 終戦後7日間の悲劇」という番組を制作した時です。人の死を扱ったのはそれが初めてでした。北海道の北に広がるサハリンはかつて「樺太」と呼ばれ、40万人の日本人が暮らしていたんですけど、昭和20年8月、終戦後にもかかわらず、住民を巻き込んだ地上戦が1週間にわたって続き、5000人とも6000人とも言われる人たちが命を落としたんですね。沖縄以外でも地上戦が起きていたということを伝えるために、その時は生き残った方々と何度も対話を重ねました。

有名無名を問わず、一人の死を追ったことは?

大森:有名という意味では、三島由紀夫、森鴎外、山本五十六などの生涯を追いました。今回の作品ほどディープに、一人の方の晩年を見つめたのは初めてです。

これまでと違ったところはありましたか?

大森:坂本さんはお亡くなりになってすぐのタイミングでしたし、歴史上の人物を扱う時とはどうしても肌感覚が違います。ご遺族も、世間も、そして私もまだ完全にはその死を受け入れていない時期でしたし、さっきまでそこにいたという気配が残っているんです。そこが大きく違いました。

坂本さんの音楽は以前からお好きだったんですか?

大森:YMOのアルバムや、よく知られている曲は聴いていました。

ファン目線というよりは距離をおいて題材に取り組めたということですね。

大森:曲をどんどん聴くところから始めました。日記を読みつつ、映像を見つつ。全般的にピアノ曲がすごく好きなんです。坂本さんは節目節目に、同じ曲を弾いて、アルバムに残されているんですよね。制作を続けている間に聞こえ方はだんだん変わっていきました。例えば“戦場のメリークリスマス”も繰り返し演奏されてきて、いろんなタイミングの坂本さんが記録として残されているからこその変化を感じられますよね。

NHKサイドの企画としてスタートした話だと聞きましたけれど、そもそも「坂本龍一の最期」を番組化しようと思ったのはなぜですか。また、番組用につくられたものが映画になるという話はいつ・どこから始まったのですか。

大森:坂本さんが亡くなって2日後に追悼番組を「クローズアップ現代」で放送すると決まり、僕はディレクターの一人として参加するところから始まりました。「クローズアップ現代」以外にもNHKでは「NHK MUSIC SPECIAL」で(最後のピアノ演奏を収めた)『Opus』の映像を通して軌跡を辿るなど、さまざまな番組で紹介してきました。本作のプロデューサーでもある佐渡岳利さんがほとんどの番組を担当されていたと思います。長尺版にしたいというのは最初から考えていて、それをかたちにできるのは映画というフォーマットかなということもぼんやり考えていたかもしれません。

坂本龍一に関する様々な番組のなかで「LAST DAYS~」を担当されたというのは、ある意味一番ヘヴィーな部分を担ったことになりますよね。

大森:「クローズアップ現代」で追悼番組を担当して、それ以前から坂本さんにアプローチしていた記者の方がいて、その方と一緒に遺族にお会いする機会を持てたんです。その時にお話をさせていただいたところが始まりでした。坂本さんはいったい、どんな晩年を過されたのか。それをテーマとして企画・構想しつつ、ご遺族と徐々に対話を重ねていきました。余談ですが、「世に名を残した人々は、晩年をどのように過ごし、何を考えていたのか」というテーマについて、大学生くらいの時に調べることに熱中したことがあるんです。正岡子規をはじめ、梶井基次郎、宮沢賢治などを調べました。川端康成、芥川龍之介、三島由紀夫……晩年はみんなすごいんです。いまは私が生まれた年に亡くなった、安倍公房が気になっているんですけど。

作家さんがお好きなんですかね?

大森:言われてみたらそうかもしれません。政治家や思想家にも興味はありますが、まったく違う世界にも興味はありますね。

人の晩年に興味を持っていたのは昔から?

大森:昔から、「なぜ人は○○するのか」という人類普遍のテーマに興味を持ちやすいタイプなんですよね。例えば「人は最期をどう迎えるか」というような感じで。急にある対象の「なぜ?」に興味が向くんです。これまでも、なぜ手紙を?とか、なぜ往復書簡を?とか。今回は、なぜ日記を? ですよね。ハマるとテーマ読みしてしまうところがあるんですよね。

『Ryuichi Sakamoto: Diaries』の要所要所で田中泯さんが読み上げていく坂本さんの日記も、大森さんはすべてお読みになったんですよね?

大森:読みました。最初はびっくりしましたよね。「僕は古本とガードレールが好きだ」とか書いてあって(笑)。ただテキストだけを読者に届けるのとは違って、メディアを通して日記を紹介するとなると、全文を出すことは難しい。だからこそ全部読んだ上で、大事なエッセンスをより精査・吟味した上で、出さないといけないなと思いましたね。それはご遺族とも話したことでした。

制作しながら、他の誰でもなく、扱っているのが「坂本龍一」だと感じることがあったとしたら、それはどの部分でしたか。

大森:坂本さんの私物をたくさんお預かりしたので、それはもう非常にリアリティがありました。そういう意味では、何から何まで坂本龍一だし、坂本龍一を扱っているという実感につながりました。撮影はリアルのみでやりきりたいと粘る一方で、さまざまな事情があり、打診をしたすべての場所で撮影許可が下りたわけではありませんでした。なので例えば、病院内のシーンでは、預かった私物を配置して坂本さんがいた病室を再現したりして。坂本さんのそばにあったものがどのように置かれていたか、出来る限り忠実に再現していきました。そして言葉だけではなく音楽もあるという点ですよね。坂本さんの場合は。音楽を聴いてその人を知っていくという作業は他の方とは違います。坂本龍一という固有名詞とまではいかないかもしれませんが、”音楽家”を扱っているという気持ちがありました。

曲としてインプレッションがもっとも強かったものは何ですか?

大森:坂本さんの若い頃の演奏が好きです。若くて元気な頃の演奏と、映画にも出てきた最期の演奏『Opus』の両方があるからこそ、坂本さんが“生きてきた”ということがよくわかる。僕はいま32歳なのですが、とにかくアグレッシヴで過剰とも思えるほどエネルギーが注ぎ込まれた音のほうが、自分のなかに入ってくる感じがあります。爆発が起きているみたいで。そして50代くらいになってから、その頃の楽曲をピアノアレンジしていることにもすごく感動しました。“千のナイフ”で、あそこまで過剰とも思えるほどエネルギッシュに音が詰め込まれていたサウンドを、ハンドクラップに置き換えることで表現したり、大人にならないとできない余裕を強く感じました。YMOのアルバムや『/05』も好きですし、30代・50代・70代と変化していく音楽が好きだなと思えるきっかけになったのは、やっぱり最後の演奏を記録したアルバム『Opus』ですね。

テレビ版はあれでひとつの完成形ですが、映画版はもう一度、ゼロから再構築する必要がありました。なので音を中心に編集をし直しまして。内容面でいうと、譫妄のシーンであったり、入院してから苦しんでいる話は少なくしたり。

坂本龍一が「死に抗う」と「死を受け入れる」を交互に繰り返したと感じますか、それともどこかで「抗う」から「受け入れる」に切り替わったと思う瞬間はありましたか。

大森:「受け入れた」と仮定しないと進めない部分もあるのですが、撮っている映像などを見返すと、ある1日を境に言葉も写真もポジティヴに見えるところがありました。2022年4月18日の、「こうなったらどんな運命も受け入れる準備がある」というところです。もっとも体調がすぐれない時期については、映像や写真というものが他の時期に比べて少ないんですよね。日記に記述はあるけれど、写真や映像が非常に少ない。病気や精神的に苦しい時は、日常生活で記録を残すどころではないですよね。それに対して、4月18日を境に、記録が爆発的に増えてきて、メンタルの変化がもたらした変化としても見て取れたように思えます。

そうか、表現しようとする気力や欲求がない時期もそれなりにあったんですね。そこは言われてみないとわからなかったな。『Ryuichi Sakamoto: Diaries』はテレビで放送した「Last Days 坂本龍一 最期の日々」に要素を増やしただけですか? ラストシーンは違っていましたけれど、ほかに削ったところもありますか?

大森:テレビ版はあれでひとつの完成形ですが、映画版はもう一度、ゼロから再構築する必要がありました。なので音を中心に編集をし直しまして。内容面でいうと、譫妄のシーンであったり、入院してから苦しんでいる話は少なくしたり。それをフィーチャーしてしまうと、視点が身体に行きすぎてしまうかなと、あとは松尾西行の句を読むところなども文学表現も、少し引き算しています。その分、月をモチーフにする目的もあって「8月8日 僕の身体はぼろぼろだ」という部分にニコライ・ネフスキーの『月と不死』を入れるなど、編集は随分変えました。

坂本龍一の気力をもっとも感じた部分はどこでしたか?

大森:ずっとですね。熱が39.6度ある、とか書いてたりするんです。そんなに高熱だったら、自分だったら日記なんて書けないんじゃないかなと思ったり。驚きました。

坂本さんの映像は家族が撮影したものですが、もしも大森さんがあの場にいて、自分で撮影していたとしたら坂本さん本人に直接、訊いてみたかったことはありますか?

大森:たくさんありますけどね……ちょっと言えないです(笑)。

「言えない」って(笑)。言えるようになったらいつでも連絡ください(笑)。それはあまりにも気になります。

 2024年に放送された「Last Days 坂本龍一 最期の日々」はTV番組としては演出がとても抑制されていて、必要以上に感情を刺激するものではなかった。NHKだけではないけれど、番組の演出があまりに大袈裟で、とくに音楽が番組の感じ方を特定の方向に誘導するものが多く、もう少しフラットに番組を進めてくれないものかなと思うことが多い。内容に興味があっても途中で見るに耐えられなくなってしまうことも少なくない。当時、ディレクターを担当していた大森監督による演出はその点、坂本龍一が最後に過ごした3年半を素材のまま見ているような気持ちにさせてくれ、どのように感じるかは観るものに委ねられる自由があった。映画版となった『Ryuichi Sakamoto: Diaries』でもその演出方法はそのまま活かされている。全体の中で大きな意味を持つものではないけれど、僕は多くの人が「キョージュ」と呼んできた坂本龍一を東北ユースオーケストラを構成する若いメンバーだけが「カントク」と呼ぶシーンがとても好きだった。「キョージュ」と呼ばれ続けた男が亡くなる少し前は「カントク」と呼ばれていた。どういう欲望なのか自分でもよくわからないけれど、僕も坂本さんのことを「キョージュ」ではなく「カントク」と呼んでみたくなった。
 日本を代表する曲だと言われながら、〝戦場のメリークリスマス〟に賞を与えたのは世界でもこれまでにイギリス・アカデミー賞だけである。坂本龍一は紫綬褒章も授けられていないし、日本で与えられた賞といえばレコード大賞編曲賞や都民栄誉賞ぐらい。ブラジルやフランスが国民栄誉賞を坂本龍一に授けているのとは雲泥の差がある。それだけにNHKがこうして坂本龍一の番組をいくつもつくり続けていることは坂本龍一を正当に評価してこなかった日本において大きな意味を持ってくるのではないかと僕は思う。

11月のジャズ - ele-king

Omasta
Jazz Report from the Hood

Astigmatic

 昨今のジャズ・シーンではあまり取り上げられることのないポーランドだが、かつて共産時代の1960~70年代には多くのミュージシャンやバンドが活動し、隣国のドイツと並んでヨーロッパの中でもジャズが盛んな国のひとつだった。基本的にジャズの伝統が流れている国と言っていいが、最近は若いミュージシャンもいろいろ出てきている。たとえばテンダーロニアスジャウビと共演し、サン・ラーやポーランド・ジャズ界の伝説的なピアニスト/作曲家であるクシシュトフ・コメダのトリビュート作品をリリースするEABS(イーブス)、UKの〈ゴンドワナ〉から作品をリリースするハニア・ラニといった新しい感性を持つアーティストなどが目につくところだ。イーブスはUKの〈アスティグマティック〉から作品をリリースしているが、このたび同レーベルから登場したオマスタもポーランドの期待のバンドと言える。

 クラクフという町出身の彼らは、その地方の方言で「風味付けのために料理に加える脂」という意味のグループ名を持つクインテットで、ポーランドからイギリス、ベルギーなどヨーロッパ各地でライヴ活動を行っている。そうしたライヴでは地元クラクフ出身のジャズ・サックスのベテランであるレスシェク・ジャンドヴォから、テンダーロニアス、スラム・ヴィレッジなどジャズに限らないいろいろなアーティストとステージを共にしてきた。ジャズにとどまらないミクスチャーな感覚はJ・ディラマッドリブなどに影響を受けたところから導かれており、彼らの作り出すビートをジャズの生演奏へと落とし込むと同時に、ロイ・エアーズ、ロニー・リストン・スミス、ドナルド・バードなど1970年代のジャズ・ファンクのエッセンスも注入している。ファースト・アルバムとなる『Jazz Report from the Hood』は、そんなオマスタの魅力がぎっしりと詰め込まれている。“Cornerstone”はネオ・バップを軸とした楽曲だが、ブロークン・ビーツを咀嚼したようなリズムが現代的で、2000年代半ばのクラブ・ジャズに近い雰囲気もある。“Kazimierz”も基本的には1960~70年代のジャズの骨格を持ちながらも、ソリッドで研ぎ澄まされたビートを持つことによってダンサブルなサウンドとなっている。疾走感に満ちたジャズ・ファンクの“Burner”やジャズ・ボッサ調の“Ankle Breaker”も同様で、全体的にクラブ・サウンドを意識した演奏や楽曲づくりが行われている。“Mandem”や“Who They Was”などダウンビートの作品はヒップホップを意識していて、ドープなジャズ・ファンクの“Dead End”のビートはクエストラヴやクリス・デイヴなどのドラミングを彷彿とさせる。


Anton De Bruin
Sounds of the Eclipse

Sundown Recordings

 4月にオランダのグループのY.O.P.Eを紹介したが、そのキーボード奏者であるアントン・デ・ブルーインのソロ・アルバム『Sounds of the Eclipse』がリリースされた。彼はY.O.P.Eの前にもジャズとヒップホップをミックスしたグループのドラゴンフルーツでもアルバムを出しており、そのほかにアフロビート・バンドのアンタレス・フレアを結成し、ジャズ・トランペット奏者のピーター・ソムアのアルバムに参加するなど、いろいろなキャリアを積むミュージシャン/プロデューサーである。自身のソロ・アルバムとしては2024年に『Imaginarium』を発表していて、これにはY.O.P.Eのリーダーであるヨープ・デ・フラーフ、ドラゴンフルーツのメンバーのティジメン・モレマとシェルド・ヒスーン、ピーター・ソムアなども参加していて、彼が拠点とするロッテルダム周辺の音楽仲間が集まった作品と言える。内容的にはジャズ、ファンク、アフロ、ダブ、ヒップホップなどをミックスした上でエレクトロニクスを加え、UKのジョー・アーモン・ジョーンズあたりに近い印象を受けた。

 それから1年半ぶりとなるニュー・アルバムが『Sounds of the Eclipse』である。今回の演奏もヨープ・デ・フラーフ(ベース)、ピーター・ソムア(トランペット)、ジェシー・シルダーリンク(テナー・サックス)、ミラン・ブーン(ギター)、ティジメン・モレマ(ドラムス)と核になるメンバーは一緒。ほかにルーマニア出身のフルート奏者のファニ・ザハールやストリングス・セクション、シンガーのニア・ラリノヴァ、K.O.G、アジザ・ジェイ、ジャーメイン・パークアウトなどが参加し、ヴァラエティに富むレコーディング・メンバーとなっている。“Running on Slippers”はファニ・ザハールのフルートをフィーチャーし、高速のビートで駆け抜けるコズミック・ジャズとなっている。テクノやブロークン・ビーツなどのクラブ・サウンドの要素やアフロもミックスし、ザ・コメット・イズ・カミングあたりにも通じる作品と言えよう。ニア・ラリノヴァがメランコリックなムードで歌う“Keep Your Distance”は、リチャード・スペイヴンのような人力ダブステップ風ドラミングが印象的なジャズとクラブ・サウンドの折衷的作品。“Same Story”はアフロビートで、“Long Way Around”はレゲエ/ダブの要素が強く、K.O.Gとアジザ・ジェイが歌う“B3sin”はアフロ~カリビアン・ソウルとUKジャズのミクスチャー感覚から影響を受けていて、全体としてジョー・アーモン・ジョーンズからエズラ・コレクティヴ、スティーム・ダウンといったサウス・ロンドンのサウンドに近い印象だ。


Harper Trio
Dialogue of Thoughts

Little Yellow Man

 ハーパー・トリオはギリシャ出身でロンドンを拠点に活動するハープ奏者のマリー・クリスティーナ・ハーパーを中心に、ニール・コウリーのトリオでジャズ、マット・スコフィールドのトリオでブルース・ロックを演奏するエヴァン・ジェンキンス(ドラムス)、コルトレーンを聴いてジャズの道に進んだジョセフィン・デイヴィス(テナー&ソプラノ・サックス)というほかにはあまり類を見ない異色のトリオである。そもそもハープという楽器がジャズの世界ではマイナーだが、近年はニューヨークのブランディ・ヤンガーはじめ、マシュー・ハルソール率いるゴンドワナ・オーケストラのレイチェル・グラッドウィンやアリス・ロバーツ、マシューやチップ・ウィッカムと共演するアマンダ・ウィッティングなど女性ハープ奏者が活躍する場面も増えてきた。彼女たちはドロシー・アシュビー、アリス・コルトレーンというジャズ・ハープ奏者の草分けの影響を受けているが、マリー・クリスティーナ・ハーパーはそれとはやや異なるタイプの演奏家である。ハープは民族音楽にも多く用いられ、古くはクラシックの分野で発展してきたが、マリー・クリスティーナ・ハーパーはハープにエレクトリックなエフェクターをつけた実験性の強いアーティストである。また、ほかのハープ奏者に比べて即興演奏の度合いが高く、フリー・ジャズとロックや民族音楽を融合するようなところも見られる。2023年に『Passing By』というファースト・アルバムをリリースするが、そこではギリシャやエジプト、スペインという地中海周辺の国々をモチーフとする楽曲が収められていた。

 それから2年ぶりの新作となるのが『Dialogue of Thoughts』である。力強いビートにいるジャズ・ロックの“Walk”で、マリー・クリスティーナ・ハーパーのハープは基本的にはベースのような役割を果たしつつ、エフェクトをかけて次第にエレクトロニックな様相を呈していく。エヴァン・ジェンキンスのテナー・サックスはシャバカ・ハッチングスのような演奏で、彼が参加するザ・コメット・イズ・カミングに近いタイプの作品だ。“Sometime in Cairo”はエジプト音楽を取り入れ、ダークでミステリアスな世界を作り出していく。タイトル曲の“Dialogue of Thoughts”はアヴァンギャルド色の強い混沌とした演奏で、“Inner Thoughts”はメンバーのダイアローグ(会話)を楽器の一部のように用いた実験的な作品。“Madness While Trying to Meditate”はハープをまるでエレキ・ギターのように使用しており、非常にアグレッシヴな演奏を展開する。一方で“Quiet Mind”や“In Between Dreams”ではミニマルやアンビエントの影響を受けた抒情的な演奏も行う。ハープという楽器の可能性をさまざまな方向で追及した作品である。


The Cosmic Tones Research Trio
The Cosmic Tones Research Trio

Mississippi

 恐らくサン・ラー・アーケストラのアルバム『Cosmic Tones For Mental Therapy』(1967年)から名前をつけたのではないかと想像されるコズミック・トーンズ・リサーチ・トリオ。サン・ラーのような宇宙観、アフロ・フューチャリズムと同様に、精神的な癒しも彼らの音楽の重要な要素なのだろう。アメリカのポートランドを拠点にローマン・ノーフリート(サックス、フルート、クラリネット、パーカッション、ヴォーカル)、ハーラン・シルバーマン(チェロ、ベース、フルート、ハープ、スティール・ギター、パーカッション、シンセ、エレクトロニクス)、ケネディ・ヴェレット(ピアノ、キーボード、フルート、パーカッション、ヴォーカル)から成るグループで、最初はローマンとハーランがやっているビー・プレゼント・アート・グループというコミュニティ・プロジェクトにケネディが参加し、いろいろとセッションを繰り返す中でコズミック・トーンズ・リサーチ・トリオとなっていった。ジョン&アリス・コルトレーン、サン・ラー、ファラオ・サンダース、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、アンソニー・ブラクストン、ジョージ・ルイス、デューク・エリントン、現役で今も活躍するドワイト・トリブルなどのジャズから、ミニマル/実験音楽のジュリアス・イーストマン、現代音楽のベンジャミン・パターソン、R&Bやブルースのジェイムズ・ブッカーからスティーヴィー・ワンダーに至る幅広いアーティストたちに影響を受け、ブライアン・イーノを通じてアンビエントの分野にも興味を持つという彼ら(ファラオ・サンダースについては実際に会って学ぶ機会があり、アリス・コルトレーンの教えを受けた弟子たちとも交流があるそうだ)。3人が一堂に会したのは〈ミシシッピ・レコーズ〉が主催したレコード・ショップでのコンサートだったが、そのときにドローン・サウンドを取り入れた演奏をしていて、そうした中から瞑想的なヒーリング・ミュージックを志向し、ファースト・アルバムの『All Is Sound』(2024年)が作られた。

 3人ともがマルチ・ミュージシャンで、それぞれパーカッションなどを使って多重のアンサンブルを重ねる姿は、1970年代のファラオ・サンダースやアート・アンサンブル・オブ・シカゴなどにも共通する。特にフルートは3人全員が演奏し、そこから広げて尺八など世界各国の吹奏楽器にも興味を伸ばしている。『All Is Sound』はスピリチュアル・ジャズとアンビエントを繋ぐような作品だが、どちらかと言えば比重はアンビエントの方に寄っていた。それから1年ぶりのグループ名をそのままタイトルとしたニュー・アルバムも、全体的にはノンビートのアンビエント色の強い作品が多い。そして、民族音楽の要素も交えながらオーガニックな色彩も感じさせる。ケネディがアルメニアやアゼルバイジャンなど中央アジアで用いられる木管楽器のドゥドゥクを演奏していて、その優しく円やかな音色がオーガニックなトーンにも一役買っている。そうした中、神秘的なチェロとピアノのハーモニーに原初的なパーカッションがゆったりとしたグルーヴを導き出す“Sonkofa”が、もっともスピリチュアル・ジャズの色合いが強い作品と言えそうだ。

Sleaford Mods - ele-king

 2026年1月16日に約3年ぶりとなる最新作『The Demise of Planet X』のリリースを控えるUKのスリーフォード・モッズが、先行シングルとして“Bad Santa”をライヴ・セッション動画とともに公開している。

 なお、アルバムのリリースに際する日本限定特典として、スマホ・スタンドの付属が決定したとのこと。メンバーのアンドリュー・フェーンとジェイソン・ウィリアムソンそれぞれの似顔絵がデザインされた2種類がランダム収録される。さまざまな問題への怒りがやまない現代だからこそ、せめて笑いながらアゲインストしていこうぜ、というメッセージか。

Artist: Sleaford Mods
Title: The Demise of Planet X
Label: Rough Trade Records / Beat Records
Release Date: 2026.01.16
Pre-Order: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15448
Format:
・国内盤CD(解説書/歌詞対訳付き/ボーナストラック追加収録)
・輸入盤CD
・限定盤LP(数量限定/ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル)
・輸入盤LP
・輸入盤カセット

Tracklist:

01. The Good Life feat. Gwendoline Christie & Big Special
02. Double Diamond
03. Elitest G.O.A.T. feat. Aldous Harding
04. Megaton
05. No Touch feat. Sue Tompkins
06. Bad Santa
07. The Demise of Planet X
08. Don Draper
09. Gina Was
10. Shoving the Images
11. Flood the Zone feat. Liam Bailey
12. Kill List feat. Snowy
13. The Unwrap
14. Give ‘Em What They Want (bonus track for Japan)

AVYSS Circle 2026 - ele-king

 2018年にCVNことNobuyuki Sakumaによって発足された「時代をアップデートする個性のある音楽やカルチャーを日々記録する」プラットフォーム・AVYSSが、サーキット企画〈AVYSS Circle 2026〉をデイ/ナイトの2部制で2026年1月23日(金)に開催する。

 〈AVYSS Circle〉はこれまで2022年、2024年に下北沢のクラブ・ライヴハウスを舞台に開催されてきた回遊式のイヴェント。先日〈Warp〉より新作『Lick The Lens – Pt. 1』をリリースしたオリ・エクセル(https://www.ele-king.net/review/album/007379/)や韓国在住・アジア圏におけるデジコア・シーンの旗手・エフィー(Effie)、オーストラリアの新星ニーナ・ジラーチとのコラボレーションやチャーリーXCX、100ゲックスのサポートアクトなどで注目を集めるデイン(daine)などを招聘しつつ、日本のアンダーグラウンド・シーンで活躍するローカル・アクトたちを多数ラインナップ。

 舞台となるのは渋谷クアトロ、WWW、WWWβ、R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOX(旧・ComMunE)の5会場・7フロア。過去最大規模となる本企画では「2020年代以降のジャンルやカテゴリーを超越する感覚をAVYSSの視点で包括した」とのことで、ハイパーポップをはじめとするネオ・インディな新世代の感性が集う一日となるか。追加ラインナップも後日発表予定。以下詳細。

 「今回のAVYSS Circleは、ローカルで育まれてきた小さな円環が、ゆっくりと着実に外側へ同心円状に広がっていくのを想像しています。地理や距離を横断する“横軸”と、音楽から周辺のカルチャーへ潜る“縦軸”が交差し、ローカルとワールド、リアルとオンラインが同じような地平で融解します。そこに集まる表現は、わかりやすい線引きではなく、流れついた「個」の感覚の連なりです。雨の日も雪の日も、毎日積み重ねてきたキュレーションの螺旋ループがレイヤーの外側に接続し、静かに拡張していくことを目指します。」
──Nobuyuki Sakuma (CVN)

AVYSS Circle 2026

◆公演日:2026年1月23日(金)
◆開場/開演:【DAY】18:00 【NIGHT】24:00
◆会場:SHIBUYA CLUB QUATTRO 4F・5F / WWW・WWWβ / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX (5会場・7フロア)
◆TICKET:https://eplus.jp/avysscircle-2026/
◆価格:
【通し券】前売:10,000円 / 早割:9,000円
【DAY】前売:7,900円 / 早割:6,900円 / U-18:5,900円
【NIGHT】前売:4,800円 / 早割:3,800円
(税込/スタンディング/整理番号付/ドリンク代別)

◆出演者 (A-Z)

■ DAY

【CLUB QUATTRO 5F】
daine (AUS)・ほしのおと・トップシークレットマン・雪国・and more…

【CLUB QUATTRO 4F】
Emma Aibara・ikea・Le Makeup・Lilniina・safmusic・死夏・XAMIYA・諭吉佳作/men・yuzuha

【WWW】
AssToro・dodo・Effie (KR)・iiso (KR)・It’s US!!!!・kegøn・lilbesh ramko・SxC Loser・sysmo・Yoyou

【WWWβ】
Amuxax・荒井優作・iga・LAUSBUB・鯖・Saren・serah trax・宇宙チンチラ・uku kasai

【R Lounge】
AOTO・discordsquad2k・goku sasaki・lazydoll・Mishaguzi・Number Collector・otuyyuto・PAX0・Siero・Yog*

【SUPER DOMMUNE】
cyber milkちゃん・DJ HOSHIMIYA TOTO・ひがしやしき・Magnolia Cacophony・おそロシア革命・and more…
〈TALK〉 千代田修平 + JACKSON kaki + ~離 MC : NordOst ※トークテーマ後日発表

【PBOX】
DjuBumba・eijin・fui w/ innerscape by ITOAOI・百年の孤独・いむ電波.wav・小松成彰 うーたん・うしろ(Ritual Workshop Set)・MON/KU
〈TALK〉 AfterParty 公開収録 ゲスト:つやちゃん ※トークテーマ後日発表
〈AVYSS COLLABORATION〉 BALMUNG・chloma・GB MOUTH ※コラボ内容後日発表


■ NIGHT

【CLUB QUATTRO 5F】
iVy・SleepInside・Texas 3000・and more…
〈VJ〉 Higurashi・JACKSON kaki

【CLUB QUATTRO 4F】
CVN・E.O.U・imai・in the blue shirt・nano odorine・nerdcamp.com・食品まつり a.k.a foodman・and more…

【WWW】
Dos Monos・JUN INAGAWA・music fm・Oli XL (SWE)・釈迦坊主・wagahai is neko
〈VJ〉 naka renya・O.G.I

【WWWβ】
FELINE・okadada・らりる連合・TORIENA
〈AVYSS Cup〉(テーマ:元気)loli主語・前澤・seaketa・ ~離 MC : 徳利

Organize:AVYSS / CLUB QUATTRO
Cooperation:WWW / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX
Supported by melting bot
Partner:GALLERIA
Key Visual : QINGYI
Design & Layout : naka renya
Staging : yoh
Food : Geek Eggs Food Team XD

◆注意事項:
※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
※U-18の対象者は公演当日2026.1.23時点で18歳以下の方。ID/身分証の確認ができない場合、当日差額分をいただきます。
※NIGHTは深夜公演です。20歳未満は入場不可。要写真付きID。ID/身分証の確認ができない場合、入場をお断りする場合がございます。
※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
※各種チケットは枚数に制限がございます。上限に達し次第受付を終了します。予めご了承ください。
※DAYとNIGHTは入れ替え制。(通しチケットお持ちのお客様も一度ご退場いただきます。)

◆お問い合わせ:
渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750

◆AVYSS:https://avyss-magazine.com

BO NINGEN - ele-king

 ロンドンを拠点に活動するサイケデリック・ロック・バンド、BO NINGENによる3年ぶりの単独来日公演が決定した。彼らの評価を高めることになったセカンド・アルバム『Line The Wall』の全曲再現ライヴになるとのことで、こうした試みはリリース時以来13年ぶりのことだという。来年1月13日(火)、会場は新代田FEVER。ゲストとしてGrimm Grimmの参加も予定されている。貴重な機会を逃すなかれ。

BO NINGEN、約3年振りの日本単独公演として、英国での評価を決定づけた2ndアルバム『Line The Wall』全曲演奏の特別企画ライヴが決定!!

本公演は2022年末に表参道Wall & Wallで行われた『Sudden Fictions』のリリース・パーティ以来となる、3年ぶりの単独公演。本公演では2025年オランダのRoadburn Festivalで企画され、現地で大絶賛された、2ndアルバム「Line The Wall」(2013)全曲演奏 & More のスペシャル・セット。さらに本公演のスペシャル・ゲストとして盟友Grimm Grimmが参加する予定。
今、UK/ヨーロッパの現代アート/音楽シーンにおいて、さらに評価と人気を高めているBO NINGENの現在を知る貴重な単独公演となる。

================

BO NINGEN performing Line The Wall
過去を縫い合わせて遠くに投げる。

2025年、オランダのRoadburn Festivalより、「メインステージで、セカンドアルバム”Line The Wall”を全曲演奏するセット」という非常に具体的なオファーを受け、過去の作品を再現する、ことに多少戸惑いながらも私たちは承諾し、スタジオに入り、そして本番に臨みました。

過去から未来へ、未来から過去へ、時間や季節の流れを横断することで、Line The Wallの楽曲が、新たな響きを持つようになったと、ステージ上の私たちは確かに全身で感じ、ライブを盛況で終えました。

日本でこのアルバムを全曲演奏するのは、当時の日本盤リリース時2013年以来、実に13年ぶりになります。その間、私たち自身も、そして私たちの音楽も大きく変化してきました。

2026年の今、何度でも初めて出会う過去と語り合い、何か、結晶化した歴史ではない、常に新しくあるようなエネルギーを取り出して、できるだけ遠くに投げてみたいと思います。

【公演詳細】

タイトル:BO NINGEN performing "Line The Wall"
出演: BO NINGEN
SPECIAL GUEST: GRIMM GRIMM
2026年1月13日(火)
会場:新代田FEVER
18:30 開場 / 19:30 開演
チケット 前売り 5,000円 / 当日券 未定
チケット・リンク:https://t.livepocket.jp/e/19cfg

ABOUT BO NINGEN

Glastonbury、Coachella、FUJI ROCKなど世界中の大型フェスに出演を果たし、PRIMAL SCREAM、Pixies、伝説的ポスト・パンク・バンド THE POP GROUPといったレジェンドとの共演も果たしてきた、英国ロンドンを拠点に活動する日本人男性4 人組オルタナティヴ・ロック・バンド、BO NINGEN。
2021年1月に、実に6年ぶりとなる4thアルバム『Sudden Fictions』をリリース。RadioheadやBeckなどの作品のエンジニアを務めているDrew Brownがプロデュースを担当。本作からのリード・シングル「Minimal」にはプライマル・スクリームのボビー・グレスピーがスペシャル・ゲストとして参加するなど、世代、国籍を越えて、その才能は高く評価されている。

Roméo Poirier - ele-king

 かつてライフガードだったロメオ・ポワリエは、デビュー作『Plage Arrière』(2016)で、ギリシャの浜辺と、そこから続く海底の静寂を、サウンド・コラージュとして描いた。そのとき彼は、まさに水の中の住人だった。
 4年後の『Hotel Nota』では、ジョン・ハッセルの “第四世界” を思わせるオープニングに導かれながら、ポワリエは海からほど近いホテルの一室で、かつての自分をじっと見つめていた。その光景は、アラン・レネの映画『ジュ・テーム、ジュ・テーム』の、海辺の記憶が渦のように繰り返される場面を想起させる。
 さらに『Living Room』(2022)では、身の回りの音から “室内の海” を築きあげる。だが、最後の曲 “Superstudio” で、彼はついに海を離れ、録音の現場、スタジオへと向かう。その “音楽が生まれる場所” から始まったのが本作『Off the Record』である。

 彼によれば、今回の制作はこれまでとまったく異なるものだったという。作曲や録音に取りかかる前に、まずノートに音のアイデアを書き留めていった。それと並行して、スタジオ・セッションのアーカイヴ、映画のドキュメンタリー、YouTube動画など、あらゆる場所から音素材を集めていった。さらに、〈Faitiche〉のレーベル・デザイナーであるティム・テッツナーからも、膨大なアーカイヴ音源を受け取り、そこからいよいよコラージュと編集の作業が始まる。彼は1年以上をかけて音を集めたという。その時間もまた、作曲の一部だと言えるだろう。

 タイピング、鼻をすする、少し歩いたあと、段差を降りる。マイクチェック(ヘイヘイ、オーオー、ツーツー)、咳払い……。本作のオープニング曲 “Diapason” は、そんな〈本編の外側〉から始まる。
 2曲目 “Control Room” から9曲目 “Silencio” までは、地続きの夢。
 “Langsam” では、ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』と思われるリハーサル音源が、さざ波のような揺れるヴェールに包まれ、うっすらと霧が立ち込める情景が、幾度となく目の前に浮かびあがる。
 “One Two One Two” は、ユーモラスであたたかい。ポワリエはこの曲について、こう語っている。
 「この曲では、およそ100人の人々が “1、2、3、4” とカウントする声を集めた。何かが始まろうとして、結局始まらない──その前の瞬間の声なんだ」
 それぞれの声の下に、カウントの流れに合わせて、リズムやハーモニーの要素を重ねていったという。彼にとってそれは、単なる積み重ねではなく “構成” そのものだった。この〈始まりの前にとどまり続ける音楽〉は、私たちに全く新しい感覚をもたらす。クリスチャン・マークレーの『The Clock』を初めて観たときの驚きが、耳に訪れる。
 レコードのノイズと、物静かなピアノで始まる “Et vous” では、誰もいない階段の踊り場で少女が小さなステップを踏む──世界中の誰も知り得ない、充足した瞬間を切り取った宝物のような風景が広がる。
 ひと呼吸置いた後の “The List”。彼と親交のあるアーティストやプロデューサー──スペース・アフリカのジョシュ・インヤング、アンビエント作家のアンドリュー・ペクラー、サウンド・アーティストのパトリシア・ウルフ、そして彼の父フィリップ・ポワリエらが、各国の名スタジオの名前を次々と読み上げていく。そこには、録音という行為そのものへの穏やかな敬意が漂っている。
 ここでふと思い出すのは、坂本龍一の “War & Peace” だ。戦争と平和について語る様々な人たちの声が、坂本の編集によってひとつの楽曲として構成されている。どちらの作品も、他者の声を素材としているが、その扱い方はまったく異なる。坂本の方は、他者の声を “問いの媒体” として用いている。それは現実を突きつけるテーマと共鳴し、曲は力強い推進力をもって前へ前へと進んでいく。一方、ポワリエの方は、他者の声を “存在の断片” として用いている。音楽が生まれる場所や人々の記録が、地層のごとく空間へ積み重なっていく。反復される淡い響きの軌跡は、アンモナイトの螺旋のように美しい。
 “Steve A.” は、シカゴ出身の著名なサウンド・エンジニアへのオマージュだ。恐らくそれはスティーヴ・アルビニのことで、彼のインタヴュー音声から「studio」と発する部分だけを抜き出し、再構成したユニークな約30秒の小品である。
 “Fast Forward” では、実際の早送り音が過ぎゆく時間を折りたたみ、その連なりを容赦なく押し流していく。

 ポワリエが語ってくれた制作の背景には、もうひとつ心に残るエピソードがある。彼は長いツアーのなかで、いつしかサウンドチェックそのものに魅了されるようになったというのだ。
 「サウンドチェックのあいだは、会場にはまだ観客がおらず、ミュージシャンとサウンド・エンジニアが肩の力を抜いて、適切なバランスを探りながら音や意図を調整していく──そんな “ダンス” のような時間があるんです。そこには魔法のような瞬間があって、ときには本番よりサウンドチェックのほうが良いことさえあります。この体験が、今回のアルバムの出発点のひとつになりました」

 〈本編の外側〉にある、本来なら切り捨てられてしまう副産物を、彼はそこにしかないかけがえのない素材として扱い、驚くほど表情豊かな〈本編〉へと反転させた。それが可能なのは、音楽が生まれるまでの過程を支えるすべて──ノートに書きとめたアイデアから、共に働く仲間たち、無数のスタジオの歴史まで──を、彼が等しく “音楽の本編” として慈しんできたからだろう。

 そして、ラストの “On Suite”。彼はいつも、アルバムの最後の曲に、次の作品の予感を忍ばせている。ラスト数秒、音が消える直前に立ち上がる微かな気配。それこそ、彼の美学の結晶だ。『Off the Record』の幕が閉じる余白に耳を澄ませながら、私はただ、海辺でも、ホテルでも、スタジオでもない “どこか” で、次の作品を待ち続けている。


Shintaro Sakamoto - ele-king

 坂本慎太郎が2022年の『物語のように』以来の、通算5枚目となるソロ・アルバムが来年年明けの1月にリリースされると、〈zelone records〉が発表した。タイトルは、『ヤッホー』。発売日は、2026年1月23日(金)、例によって〈zelone records〉からのリリースである。
 なお、すでに「おじいさんへ」を発表している坂本だが、新作からの先行配信シングル「あなたの場所はありますか?」も本日11月19日(水)にリリース。

■デジタル・シングル
あなたの場所はありますか / 坂本慎太郎 (Is There A Place For You There? / Shintaro Sakamoto)

2025年11月19日(水) 配信リリース:
国内再生・購入: https://virginmusic.lnk.to/IsThereAPlaceForYouThere
YouTube (Official Audio): https://www.youtube.com/watch?v=y-Ve_3cUIFQ


■ニュー・アルバム
ヤッホー / 坂本慎太郎 (Yoo-hoo / Shintaro Sakamoto)

2026年1月23日(金) Digital/CD/LP/リリース
国内Pre-save / Pre-add: https://virginmusic.lnk.to/Yoo-hoo_pre
1. おじいさんへ (Dear Grandpa)
2. あなたの場所はありますか? (Is There A Place For You There?)
3. 正義 (Justice)
4. 脳をまもろう (Protect Your Brain)
5. 時の向こうで (On The Other Side Of Time)
6. 時計が動きだした (The Clock Began To Move)
7. 麻痺 (Numb)
8. なぜわざわざ (Why Do This?)
9. ゴーストタウン (Ghost Town)
10. ヤッホー (Yoo-hoo)

Written & Produced by Shintaro Sakamoto
Recorded, Mixed & Mastered by Soichiro Nakamura at Peace Music, Tokyo, Japan 2025

Vocals, Bass (10), Keyboard, Acoustic, Electric & Lap Steel Guitar: Shintaro Sakamoto
Bass & Chorus: AYA
Drums & Percussion: Yuta Suganuma
Flute & Saxophone: Tetsu Nishiuchi
Marimba: Manami Kakudo (8, 9)

●CD (zel-029): 価格: ¥2,600+税 (2枚組/インストBONUS CD付)
●LP (zel-030): 価格: ¥3,200+税
●Digital (DL/ST)


坂本慎太郎

1989年、ロックバンド、ゆらゆら帝国のボーカル&ギターとして活動を始める。
2010年バンド解散後、2011年に自身のレーベル“zelone records”にてソロ活動をスタート。
2017年、ドイツのケルンでライブ活動を再開。2022年、4thソロアルバム「物語のように (Like A Fable)」を発表。
2024年、USツアー、インドネシア、タイ、台湾、韓国でのLIVEを国内ツアーと並行して展開。
2025年、NetflixにてLIVEフィルム作品「坂本慎太郎LIVE2022@キャバレーニュー白馬」期間限定配信中。グラミー受賞プロデューサーのLeon Michels率いるEl Michels Affairの新作「24Hr Sports」収録の『Indifference』にで歌唱と作詞で参加。 10/15に新曲「おじいさんへ」を配信リリース、3度目のUSツアーとメキシコ公演、12月には中国公演を展開。

また、様々なアーティストへの楽曲提供、アートワーク提供他、活動は多岐に渡る。 

Official Site: https://linktr.ee/shintarosakamoto_official

RUMINZ - ele-king

 音楽好き、それもブラック・ミュージックが好きなファンならいちどはどこかでお目にかかっているイラスト。広島在住アーティスト、RUMINZ (ルミンズ)の個展が渋谷のはずれにある〈JULY TREE〉で開催される。散歩がてら、ふらっと寄ってみよう。今回は敢えてラフスケッチ集のような作品が展示されるそうだが、良い感じになれること請け合いだ。

■RUMINZ SOLO EXHIBITION “THESE EYES”

 Tommy Guerrero featuring Chuck TreeceやASOUND等のレコード・ジャケットをはじめブラック・ミュージックをルーツにしながらユニークな視点で制作を続ける広島在住アーティスト、RUMINZ ( ルミンズ ) による東京では約2年半ぶりの個展「RUMINZ SOLO EXHIBITION "THESE EYES 」を開催。
 今や一度見たら忘れられない印象的な作風で広く支持を得るRUMINZ、ブラック・ミュージックへの偏愛に満ちたルーツを超え、デモテープの如き荒削りなエネルギーに満ち溢れた作品を展示。タイトルはジャマイカのレジェンドなシンガー、Stranger Coleの代表曲“Crying Every Night”から命名。
 近年は、『カクバリズムの夏祭り』メイン・ヴィジュアルなどのアートワークを多数制作。雑誌『POPEYE』やネルソンズのTシャツまで広く支持されるRUMINZ による、原点回帰とでも言うべき荒削りでエネルギーに満ち溢れた作品の数々、是非、お見逃しなく!
 初日にはRUMINZ本人 、交流のある角張渉、TETSU45、MaruをDJに迎えたオープニング・パーティーもある。

■RUMINZ :コメント
 ドローイングの無責任な線が、いつも一番良い。それらはデモ音源のように荒削りで、とても個人的で、分かりやすさの手前の謎めいた部分で留まっている。例えばチューニングの合わない音、外れたリズム、ひっくり返った歌声、不気味でいかがわしいエコーのような。絵でその感覚が表せたらと思った。

RUMINZ SOLO EXHIBITION "THESE EYES "
会期:11月22日(土)〜12月14日(日)
会場:JULY TREE(ジュライ・トゥリー)
営業時間:14:00~19:00
休館日:11月26,27日、12月1,2,7,10日

☆営業時間は変更となる場合がございます。お問い合わせ、ご確認にについてはJULY TREE 公式Instagramにてお願いいたします。

■11月22日(土) オープニング・パーティー
※17:00-21:00予定
ENTRANCE FEE: ¥500 (1drink付き)
DJ: RUMINZ、角張渉(カクバリズム)、TETSU45(SOLID ROCK)、Maru(Modern Records)
*詳細は公式Instagram、X、HPをご参照ください。

■RUMINZ ( ルミンズ ):プロフィール
 1960年代前後のアメリカのリズム&ブルースやソウル、それらの文化から影響を受け制作を始める。キャンバス作品のほかレコードジャケットなど、国内外を問わず音楽関係のアートワークも多数制作している。
代表的なアートワークにDaptone records BOB & GENE poster(2017)、Tommy Guerrero featuring Chuck Treece『Dub Session』(2019)、Minyo Crusaders + Frente Cumbiero 『Minyo Cumbiero (From Tokyo to Bogota)』(2020)、『RECOED KICKS 20th RARE BOXSET』 (45s Record Box cover, Italy/ 2023)などがある。
 2019年にkit galleryにて個展「SPASM MATE」(東京)、2020年Pilgrim Surf+Supply Kyotoにて「INSIDE STORY OF THE DRIED AND ERROR’S CLUB」(京都)、2023年Rollにて「THE WORKS OF WILBUR “DUCK” WOLF」(東京)を開催。

〈店舗情報〉
JULY TREE(ジュライ・トゥリー)
住所:153-0042
東京都目黒区青葉台4-7-27 ロイヤルステージ01-1A
・HP: www.julytree.tokyo
Instagram | Twitter

営業日: 不定期での営業となります。
*営業日等お問い合わせについてはJULY TREE 公式Instagram、Twitterにてお願いいたします。

MODE - ele-king

 Arnold Dreyblatt(アーノルド・ドレイブラット)は、ミニマル・ミュージックの系譜に属しながら、その中心から大きく逸脱する異彩の作曲家。グレン・ブランカやソニック・ユース、あるいはオーレン・アンバーチにも影響を与えているので、オルタナティヴで実験的なロックが好きな人にも知られている。その実験音楽の巨匠が今年最後の「MODE」のために来日し、12月18日(木)、長年の長年のコラボレーターであるジム・オルーク、そして石橋英子を迎えた特別編成のアンサンブル・プロジェクトを披露する。若き日にはアルヴィン・ルシエに師事したこの異彩のパフォーマンスを見逃さないで。

Arnold Dreyblatt
The Orchestra of Excited Strings
WITH Konrad Sprenger / Joachim Schütz

SPECIAL GUESTS
Jim O'Rourke / 石橋英子

実験音楽、オーディオビジュアル、パフォーミングアーツを紹介するプラットフォーム「MODE」は、2025年12月18日(木)、東京・赤坂のゲーテ・インスティトゥート東京にて、Arnold Dreyblatt(アーノルド・ドレイブラット)によるアンサンブル・プロジェクト『The Orchestra of Excited Strings(ジ・オーケストラ・オブ・エキサイテッド・ストリングス)』を発表します。
 『The Orchestra of Excited Strings』は、1979年にニューヨークで設立され、編成の変化や一時的な活動休止を経ながらも、現在まで独自の方法論を更新し続けてきた、Dreyblatt主宰のアンサンブル・プロジェクトです。
 本公演では、Arnold Dreyblatt、現行のアンサンブルメンバーであるベルリン拠点の作曲家/楽器創作者 Konrad Sprenger(コンラッド・スプレンガー)、ギタリスト/即興音楽家 Joachim Schütz(ヨアヒム・シュッツ)に加え、Dreyblattの長年のコラボレーターであるJim O’Rourke(ジム・オルーク)、さらに石橋英子(Eiko Ishibashi)をスペシャルゲストとして迎えた、計5名の特別編成アンサンブルによるパフォーマンスが披露されます。
 本公演はArnold Dreyblattにとって、2017年の東京公演(SuperDeluxe主催)および北九州公演(現代美術センター CCA 北九州主催)以来、8年ぶりとなる来日公演です。Dreyblatt、Sprenger、O’Rourke、石橋の4名が同じステージに立つのも同年の公演以来で、極めて貴重な機会となります。
 またDreyblattは、2023年にArnold Dreyblatt & The Orchestra of Excited Strings名義での最新作『Resolve』を発表し、2025年11月21日にはエクスペリメンタル・バンドHorse Lords(ホース・ローズ)とのコラボレーション作のリリースも控えており、活動の流れとも響き合う、まさに注目すべきタイミングでの来日となります。
 本プログラムは、ドイツ連邦共和国の文化機関として、文化交流、教育、社会的なテーマに関する議論を国際的な文脈で振興し、ドイツ語学習とドイツ語教育を推進するゲーテ・インスティトゥート 東京による協力のもと開催されます。

◾️Arnold Dreyblatt

 Arnold Dreyblattは、ニューヨークのミニマル・ミュージック・シーンの第二世代目を代表する作曲家の一人です。Pauline Oliveros(ポーリン・オリヴェロス)、La Monte Young(ラ・モンテ・ヤング)、Alvin Lucier(アルヴィン・ルシエ)に音楽を、Steina & Woody Vasulka(スタイナ&ウッディ・ヴァスルカ)にメディアアートを師事。Arthur Russell(アーサー・ラッセル)、Julius Eastman(ジュリアス・イーストマン)、Tony Conrad(トニー・コンラッド)といった伝説的アーティストたちと共演してきました。弦を打楽器的に鳴らす独自の楽器「Excited Strings」と、脈動するリズムや倍音構造を軸にした作曲手法により、身体に直接作用する独自の音響世界を築いています。1980年代以降はベルリンを拠点に制作を続け、1990年代には Jim O’Rourke らの世代から再び注目を集め、2010年代にはMegafaunとのコラボレーションなどを通じて活動の幅を拡大。2023年にはArnold Dreyblatt & The Orchestra of Excited Strings名義での最新作『Resolve』を発表し、2025年11月21日には Horse Lords とのコラボ作のリリースも控えるなど、現在も精力的に活動を展開しています。


◾️The Orchestra of Excited Strings

 『The Orchestra of Excited Strings』はDreyblattが1979年、ニューヨークにて自身の作曲作品の発展と演奏を目的に結成したアンサンブルです。アメリカ各地で活動したのち、1984年にベルリンへ拠点を移し、国際的文化センターであるKünstlerhaus Bethanien(キュンストラーハウス・ベタニエン)のレジデンス作曲家として、新たなメンバーでアンサンブルを再編成。欧州各地のフェスティバルや美術館で演奏を重ね、Shelley Hirsch(シェリー・ヒルシュ)やAndy Statman(アンディ・スタットマン)といったアーティストたちとの共演、前衛音楽家John Zorn(ジョン・ゾーン)主宰のレーベルTzadik(ツァディク)からのリリースなどを経て活動の幅を広げました。アンサンブルは1997年に一度解散するも、2000年にBang on a Can All-Stars(バング・オン・ア・カン・オールスターズ)のメンバーやマサチューセッツ工科大学の学生たちとともにニューヨークで再結成。2009年からはKonrad Sprenger、Joachim Schütz、Robin Hayward(ロビン・ヘイワード)と現行編成を結成し、2019年には実験音楽家であり、レーベルBlack Truffle(ブラック・トリュフ)の主宰でもあるOren Ambarchi(オーレン・アンバーチ)も参加しています。


◾️Konrad Sprenger / Joachim Schütz / Jim O'Rourke / 石橋英子

 Konrad Sprengerは、ベルリンを拠点に活動する作曲家、音楽プロデューサー、アーティストであるJoerg Hiller(ヨーグ・ヒラー)の別名義です。長年にわたり、Arnold Dreyblattをはじめとするニューヨークのミニマリズム・ミュージックのアイコンたちとコラボレーションを重ね、パフォーマンス、作曲、サウンド・インスタレーションの制作、楽器の創作など、幅広い活動を展開してきました。近年では、コンピューター制御によるエレクトリックギターの創作・演奏や、2022年1月にCTMフェスティバルで発表された大規模なサウンド・インスタレーションなどで国際的に高い評価を得ています。
Joachim Schützは、ドイツ出身のギタリスト、インプロヴァイザー、プロデューサー、レコーディング・エンジニア。1990年代初頭、ドイツのアンダーグラウンドおよび実験音楽シーンに身を置き、これまでにEllen Fullman(エレン・フルマン)、Pantha du Prince(パンサ・デュ・プリンス)、Phil Niblock(フィル・ニブロック)など、ジャンルを越えて多様なアーティストたちとのコラボレーションを重ねています。

 Jim O’RourkeはArnold Dreyblatt、Konrad Sprengerの双方と長年にわたる交流を持ち、『Sonic Youth(ソニック・ユース)』、『Wilco(ウィルコ)』、『Gastr del Sol(ガスター・デル・ソル)』といったプロジェクトでアメリカのポストパンクシーンを牽引し、マース・カニンガム舞踊団の音楽やTony Conrad、Christian Wolff(クリスチャン・ウォルフ)などの作曲家との共演に加え、日本国内でも数多くのアーティストとのコラボレーションを手がけてきました。

 石橋英子は日本を拠点に活動する音楽家。Drag City、Black Truffle、Editions Mego(エディション・メゴ)といったレーベルより作品をリリースしています。2020年にはシドニーの美術館『Art Gallery of New South Wales』にて開催された展覧会のための音楽を制作し、『Hyakki Yagyo』としてBlack Truffleよりリリース。2021年に濱口竜介監督作『ドライブ・マイ・カー』の音楽を担当し、2022年にはLP『For McCoy』を発表。同年よりNTSのレジデントに参加し、2023年には濱口監督作『悪は存在しない』およびサイレント映画『GIFT』の音楽を手がけ国内外でツアーを敢行。2025年3月にはDrag Cityより7年ぶりの歌のアルバム『Antigone』をリリースしました。


【公演概要】

Arnold Dreyblatt & The Orchestra of Excited Strings

公演日時:12月18日(木) OPEN 18:00 / START 19:00
会場:ゲーテ・インスティトゥート 東京(東京都港区赤坂7-5−56 MAP)
チケット:¥5,500 (e-plusにて販売中)
出演者:Arnold Dreyblatt / Konrad Sprenger / Joachim Schütz / Jim O'Rourke / 石橋英子
公演の詳細はMODE公式インスタグラムをご確認ください。

プレスお問合せ先:
MODE:info@mode.exchange
MODE公式Instagram

主催:MODE/協力:ゲーテ・インスティトゥート 東京

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377 378 379 380 381 382 383 384 385 386 387 388 389 390 391 392 393 394 395 396 397 398 399 400 401 402 403 404 405 406 407 408 409 410 411 412 413 414 415 416 417 418 419 420 421 422 423 424 425 426 427 428 429 430 431 432 433 434 435 436 437 438 439 440 441 442 443 444 445 446 447 448 449 450 451 452 453 454 455 456 457 458 459 460 461 462 463 464 465 466 467 468 469 470 471 472 473 474 475 476 477 478 479 480 481 482 483 484 485 486 487 488 489 490 491 492 493 494 495 496 497 498 499 500 501 502 503 504 505 506 507 508 509 510 511 512 513 514 515 516 517 518 519 520 521 522 523 524 525 526 527 528 529 530 531 532 533 534 535 536 537 538 539 540 541 542 543 544 545 546 547 548 549 550 551 552 553 554 555 556 557 558 559 560 561 562 563 564 565 566 567 568 569 570 571 572 573 574 575 576 577 578 579 580 581 582 583 584 585 586 587 588 589 590 591 592 593 594 595 596 597 598 599 600 601 602 603 604 605 606 607 608 609 610 611 612 613 614 615 616 617 618 619 620 621 622 623 624 625 626 627 628 629 630 631 632 633 634 635 636 637 638 639 640 641 642 643 644 645 646 647 648 649 650 651 652 653 654 655 656 657 658 659 660 661 662 663 664 665 666 667 668 669 670 671 672 673 674 675 676 677 678 679 680 681 682 683 684 685 686 687 688 689 690 691 692 693 694 695 696 697 698 699 700 701 702 703 704 705 706 707 708 709 710 711 712 713 714 715 716 717 718 719 720 721 722 723 724 725 726 727 728 729 730 731 732 733 734 735 736 737 738 739 740 741 742 743 744 745 746 747 748 749 750 751 752 753 754 755 756 757 758 759 760 761 762 763 764 765 766 767 768 769 770 771 772 773 774 775 776 777 778 779 780 781 782 783 784 785 786 787 788 789 790 791 792 793 794 795 796 797 798 799 800 801 802 803 804 805 806 807 808 809 810 811 812 813 814 815 816 817 818 819 820 821 822 823 824 825 826 827 828 829 830 831 832 833 834 835 836 837 838 839 840 841 842 843 844 845 846 847