「AY」と一致するもの

Terry Riley - ele-king

 ミニマル・ミュージックの歴史的金字塔、「In C」。それが初演から60周年を祝して、京都で実演される。この曲をやるのは15年ぶりとのこと。しかも50名のミュージシャンとともに清水寺にて演奏。チケットは早めにね。

会場:⾳⽻⼭ 清⽔寺 本堂舞台
日程: 2024年7月21日(日)

テリー・ライリーより 開催に向けて

「In C」の曲(一部)が私の中に降りてきたのは、1964年の或る夜。その瞬間、私はバスに乗っていました。サンフランシスコのゴールドストリートにあるサルーンでラグタイム・ピアノを弾くピアノ弾きとして生計を立てていたのです。
 この曲は、まさに世界がその出現を待ち望んでいたイヴェントであったかの如く、非常に有名になり長年にわたって世界中で数えきれないほど演奏されてきました。
 2024年の今日、私は、今年60周年を迎えた「In C」を上演し、お祝いをしたいと思いつきました。言うなれば「歳をとった女の子」へのお誕生会です 。
 どの場所が良いだろうかと思案した結果、京都が良いだろうと思いました。街が纏うスピリチュアルな雰囲気は、「In C」という楽曲が狙う意図にも一致します。
 多くの演奏家に参加いただくことで、宇宙に捧げる歴史的な祝祭になるであろうと、胸を躍らせています。
 素晴らしく、そして京都にあって非常に重要な寺院・清水寺は、この祝祭にうってつけの場所でしょう。仮に雨に降られたとしても、それから守ってくれさえもします。
 2009年に行った、ニューヨークのカーネギーホールでの演奏の後、私はこの「In C」を演奏することからリタイアしていました。ですが、私は喜んでこの京都での祝祭を例外とするつもりです。
 このアイディアを実行に移してくれ、実現させるために助けてくれた全ての人に、特に清水寺の大西英玄氏、中村周市氏と宮本端氏に感謝を。最後に「In C」の60周年を祝うために駆け付けてくれた全ての演奏家の皆さんに感謝を。

2024年6月 テリー・ライリー

◉開催概要
タイトル:
In C-60th Birthday Full Moon Celebration at Kyoto Kiyomizu-dera Temple, July 21, 2024
〜「In C」誕生60年を祝う奉納演奏 〜

会場:⾳⽻⼭ 清⽔寺 本堂舞台
住所:京都市東山区清水1-294
www.kiyomizudera.or.jp/access.php
日程:2024年7月21日(日)
開場時間:20:00
開催時間:20:30(終演:21:30頃を予定)

チケット発売日時:2024年7月6日正午12時より
チケット発売サイト:inc60-kiyomizu-dera.peatix.com 
          *発売開始日時より有効となります。
奉納チケット料:10,000円(税込/限定記念グッズ付き)
※本奉納公演は商業目的ではありません

本公演に関する問い合わせ先:
メール terry.riley.info@gmail.com
電話 070-7488-0346
(電話の受付時間:13:00〜19:00)
※音羽山 清水寺へのお問い合わせはご遠慮ください。

出演:テリー・ライリー、SARA(宮本沙羅)他、梅津和時、永田砂知子、大野由美子(Buffalo Daughter)、ヨシダダイキチ、蓮沼執太、AYAら、50名程度を予定

企画・主催:テリー・ライリー
制作総指揮:しばし
協力:音羽山 清水寺
   「Feel Kiyomizudera」プロジェクトチーム

◉「In C」60周年記念グッズ

「In C」誕生60周年を記念して、限定グッズ(Tシャツ、ステッカー、トートバッグ)を販売します。全て、本人が新たに書き下ろした手書き譜面をあしらった、貴重なアイテム。
terryriley.base.shop

6月のジャズ - ele-king

 ここ数年来、南アフリカ共和国から良質なジャズ・ミュージシャンが輩出されているが、その筆頭がピアニストのンドゥドゥゾ・マカティーニである。


Nduduzo Makhathini
uNomkhubulwane

Blue Note Africa

 南アフリカ・ジャズが注目を集めるきっかけのひとつに、シャバカ・ハッチングスと共演したバンドのジ・アンセスターズがあるが、ンドゥドゥゾ・マカティーニはその中心人物のひとりで、2014年頃からリーダー作品を発表している。2020年には〈ブルーノート〉と契約を結んで『Modes Of Communication: Letters From The Underworlds』をリリース。2022年の『In The Spirit Of Ntu』は、〈ユニバーサル・アフリカ〉が〈ブルーノート〉と提携して設立した〈ブルーノート・アフリカ〉の第1弾作品となった。『Modes Of Communication: Letters From The Underworlds』はモード・ジャズや即興演奏を土台に、ベキ・ムセレク、モーゼス・タイワ・モレレクワ、アブドゥーラ・イブラヒムら南アフリカの先代のピアニストらの影響を見せる作品だった。『In The Spirit Of Ntu』はアフリカのバントゥー系民族に由来する人間という意味のズールー語の精神をタイトルとし、アフリカの大地に根付く祝祭性、呪術性に富むアルバムだった。ンドゥドゥゾは南アフリカ共和国のウムグングンドロヴ郡出身で、その地域に伝わる先住民族の儀式や音楽の影響を受け、音楽かであると同時に呪術師や祈祷師としての顔も持つ。そうしたンドゥドゥゾらしさが表われた作品と言えよう。

 新作の『uNomkhubulwane』はズールー土着信仰の女神の名前を示しており、「Libations」「Water Spirits」「Inner Attainment」というアフリカ民族であるヨルバ人の宇宙論で重視されていた「3」の数字に倣って楽曲を3パートに振り分けている。「作曲や何らかの概念的パラダイムを通じて意図を表現することが多かった。超自然的な声と交信する方法として音を使用している」とマカティーニは述べており、音楽家で祈祷家でもある彼の哲学的なヴィジョンや宗教観を示したものとなっている。録音はこれまでともにワールド・ツアーをおこなってきた南アフリカ出身のベーシストのズワラキ=ドゥマ・ベル・ル・ペルと、キューバ出身のドラマーのフランシスコ・メラとのトリオ編成。ヨルバ語で歌われる「Libations」の “Omnyama” は、清廉としたピアノと素朴なリズムによって紡がれる美しいアフロ・スピリチュアル・ジャズ。「Inner Attainment」の “Amanzi Ngobhoko” における祈りのような歌とモーダルなピアノ、土着的なドラムが導くメディテーショナルな世界は、マカティーニの真骨頂が表われたヒーリング・ミュージックと言えよう。


Malcolm Jiyane Tree-O
True Story

A New Soil / Mushroom Hour

 マルコム・ジヤネは南アフリカのハウテン州のヨハネスブルグにほど近いカトレホン出身で、若干13歳で音楽学校のブラ・ジョニーズ・アカデミーに進学したという早熟のトロンボーン奏者。ピアノなども演奏するマルチ奏者であり、これまでにンドゥドゥゾ・マカティーニや同じくジ・アンセスターズのトゥミ・モロゴシほか、ハービー・ツォアエリ、アヤンダ・シカデといった南アフリカの有望なミュージシャンらと共演してきた。2021年に自身のグループを率いて初リーダー作の『Umdali』を発表。グループはトゥリー・オーというもので、トリオよりももっと大人数から成る。ベースのアヤンダ・ザレキレ、ドラムスのルンギレ・クネネのほか、サックス、トランペット、ピアノなどを交え、マルコムはトロンボーンとヴォーカルを担当し、すべてマルコムの作曲による自作曲を演奏。全体に静穏なムードが漂い、ゆったりと時の流れるアフリカらしいジャズを演奏した。ツバツィ・ムフォ・モロイの清らかなヴォーカルをフィーチャーした “Moshe” は、同じ南アフリカ出身のタンディ・ントゥリなどに近い牧歌性に富むジャズだった。

 『Umdali』から3年ぶりとなるセカンド・アルバムの『True Story』は、アヤンダ・ザレキレ、ルンギレ・クネネ、ンコシナティ・マズンジュワ(ピアノ、キーボード)、ゴンツェ・マクヘネ(パーカッション)など、ほぼ前作のメンバーがそのまま参加する。『Umdali』と同じ時期の2020年から2021年にかけて数回のセッションを重ね、2023年に最終的なセッションを行って録音がおこなわれた。アルバムは詩人でソフィアタウンの住人である故ドン・マテラへのオマージュで、反戦的なメッセージの込められた “Memory Of Weapon” ではじまり、地球の悲惨さを哀悼する “Global Warning” や、ピーター・トッシュに捧げられたアフロ・ビートの “Peter’s Torch”、南アフリカの反アパルトヘイト運動にも参加したギタリストでシンガーの故フィリップ・タバネについての曲となる “Dr. Philip Tabane”、その名のとおり南アフリカにおけるジャム・セッションをスケッチした “South African Jam” などが収められる。マルコムのふくよかで哀愁に満ちたトロンボーンが奏でるアフロ・ジャズ “MaBrrrrrrrrr”、レオン・トーマスのようなヨーデル調のヴォーカルをフィーチャーしたスピリチュアル・ジャズの “I Play What I Like” など、全体的にゆったりとピースフルなムードに包まれた楽曲が印象的だ。


Julius Rodriguez
Evergreen

Verve / ユニバーサル

 ジュリアス・ロドリゲスはニョーヨークを拠点とするハイチ系黒人ミュージシャンで、ピアニスト兼ドラマー及び作曲家とマルチな才能を持つ。幼少期からクラシック・ピアノ、そしてジャズを学び、マンハッタン音楽院、ジュリアード音楽院に進んだ。音楽的ルーツはジャズ、即興音楽、ゴスペル、ヒップホップ、R&B、ポップ・ミュージックと多岐に渡り、オニキス・コレクティヴ、A$APロッキー、ブラストラックスなどと共演をしてきた。ジャズ方面ではミシェル・ンデゲオチェロ、カッサ・オーヴァーオールモーガン・ゲリンらと共演し、ジャズ・シンガーのカーメン・ランディによるグラミー・ノミネート作『Modern Ancestors』(2019年)ではピアノ伴奏者として高い評価を得た。ソロ・デビュー作は2022年の『Let Sound Tell All』で、オニキス・コレクティヴと繋がりの深いニック・ハキムやモーガン・ゲリンなどが参加。カッサ・オーヴァーオールの『I Think I’m Good』(2020年)や『Animals』(2023年)のミキシングを担当したダニエル・シュレットが制作に参加したということで、オーソドックな演奏を聴かせる一方で、即興演奏やソウル、ヒップホップ、エレクトロニック・ミュージックなどが融合した新世代ジャズ・ミュージシャンならではの作品だった。

 セカンド・アルバムとなる『Evergreen』は、キーヨン・ハロルド、ジョージア・アン・マルドロウ、ネイト・マーセローなどが参加し、ソランジュ、ホールジー、ビリー・アイリッシュらをプロデュースしてきたティム・アンダーソンとの共同プロデュースにより、デビュー・アルバムからさらにスケール・アップしたものとなっている。ジュリアス・ロドリゲスはピアノ。シンセ、オルガン、ローズ、エレキ・ギター、エレキ・ベース、アコースティック・ギター、クラリネット、ドラムス、パーカッション、ドラム・プログラミングを担当するマルチぶりを見せる。ドラムンベース調のリズム・プロダクションと美しいピアノやサックスのメロディが一体となったコズミック・ジャズの “Around The World”、ジョージア・アン・マルドロウの幻想的な歌声が繊細なピアノ・リフと相まり、途中からダイナミックなドラムが加わって深遠な世界を作り出す “Champion’s Call”。時を経ても色あせることのないエヴァーグリーンな音楽という意味を込めたこのアルバムは、ジャンルの枠や偏見にとらわれることなく、彼自身が内から自然にやりたいと思うサウンドを具現化したものである。


Ibelisse Guardia Ferragutti & Frank Rosaly
Mestizx

International Anthem Recording Company

 イベリッセ・グアルディア・フェハグッチはボリヴィア出身でアムステルダムを拠点に活動するシンガー。フランク・ロサリーはシカゴ出身のドラマーで、そんなふたりは結婚し、ともに音楽活動をおこなっている。

 シカゴ、アムステルダム、ボリヴィア、プエルト・リコでレコーディングがおこなわれた『Mestizx』は、ふたりのほかにベン・ラマー・ゲイ、ダニエル・ヴィジャレアルといったシカゴの〈インターナショナル・アンセム〉周辺のミュージシャンも参加する。そのダニエル・ヴィジャレアルの『Panamá 77』(2022年)や『Lados B』(2023年)同様に、フランク・ロサリーの作り出すリズムはパーカッシヴでラテンやアフリカの原初的な音楽を想起させる。そうしたサウンドとイベリッセ・グアルディア・フェハグッチのエキゾティックで飾り気のないヴォイスが一体となり、独特のミステリアスな世界を作り出す。“DESTEJER” はキューバの宗教儀式の音楽であるサンテリアを想起させ、イベイーなどに繋がる楽曲。“TURBULÊNCIA” はハモンド・オルガンを交えてクルアンビンのようなサイケ・ムードを出していく。“DESCEND” はシカゴらしい即興ジャズと実験的な音響、魔女のようなポエトリー・リーディングが融合する。

Taylor Deupree - ele-king

 米国・NYで電子音響〜アンビエント・レーベル〈12k〉を主宰し、自らも静謐なサウンドスケープを展開するアンビエント・ミュージックを作り出している1971年生まれの電子音楽家テイラー・デュプリー。坂本龍一との共演でも知られる彼は、90年代から現代に至るまで、エレクトロニクス・ミュージックからグリッチを活用した電子音響作品、そして静謐なアンビエント/ドローンなどに作風を変化させつつも、すぐれた電子音楽作品を世に送り出してきたサウンド・アーティストである。その音はまさに「透明・静謐」という言葉がぴったりとくるものばかりだ。「もっとも静かなニューヨーカー」と呼ばれたことは伊達ではない音楽性といえよう。

 そのテイラー・デュプリーが2002年にリリースしたエレクトロニカ史上に残る『Stil.』を、弦楽器などのアコースティック楽器で再構築/リアライズしたアルバムが本作『Sti.ll』だ。そのアイデアも素敵だが、音の方も美麗というほかない見事な作品である。同時に、グリッチ以降の「00年代エレクトロニカ」の本質が、音のレイヤーと浮遊感、その反復にあったことも改めて教えれくれる音楽であった。00年代の電子音響空間が、新たな方法論と楽器(音色)と編曲によって生まれ変わったとでもいうべきだろうか。
 プロデュースと編曲を担当としたのはジョセフ・ブランシフォート(Joseph Branciforte)。1985年生まれの彼はグラミー賞受賞のレコーディング・エンジニアでもあり、セオ・ブレックマンとの共演作でも知られるミュージシャンでもある。ジョセフ・ブランシフォートは、本作でもエディット、ミックスも担当しているほか、1曲目、2曲目ではヴィブラフォンやラップハープなどの演奏にも参加。マスタリングはテイラー・デュプリー本人が手がけた。
 本作『Sti.ll』において、ジョセフ・ブランシフォートとテイラー・デュプリーはオリジナルにある「音の層」を楽器の演奏による「再演」を試みている。ふたりは、過度に「音楽的」にならないように(ポスト・クラシカル化しないように)、過度に「音響化」しないように(現代音楽的にならないように)、細心の注意をはらって楽曲を再構築する。

 アルバムには全4曲が収録されている。オリジナル『Stil.』と同じ曲数・構成だ。曲名も同じで、それぞれ担当する楽器名が記載されている点も注目である。では具体的にはどのように変化=アレンジメントされたのだろうか。一言で言えば電子音の「トーン」を楽器で「演奏」しているのである。1曲目 “Snow/Sand (For Clarinets, Vibraphone, Cello & Percussion)” を聴いてみるとよくわかる。オリジナル『Stil.』の1曲目 “Snow-Sand” は、高音域の電子音響のレイヤーによって成立している楽曲だが、『Sti.ll』ではチェロやクラリネット、ヴィブラフォンによって中音域をメインとしたサウンドスケープを形成している。そしてオリジナルにあった「持続音の周期」をミニマルな旋律に変換しているのである。ちなみにデュプリーはスネアドラムや紙の音、ベルなどを担当している。
 2曲目 “Recur (For Guitar, Cello, Double Bass, Flute, Lap Harp, & Percussion)” は、ギター、チェロ、ダブルベース、フルート、ラップハープとパーカッションのアンサンブルとなっている。アルバム中、もっとも大きな編成の曲だ。とはいえ楽曲・編曲に大袈裟さはまるでない。むしろ原曲の静謐な複雑さ=電子音響をアコースティック楽器で再現するために必要な楽器数といえる。デュプリーはグロッケンシュピールとラップハープを担当。
 3曲目 “Temper (For Clarinets & Shaker)” では、クラリネットとシェイカーによる演奏。ここからアルバムはややドローン色が強くなる(オリジナルもそう)。だがここでも原曲の電子音響を楽器で見事に再演していく。グリッチをシェイカーで表現するのは微笑ましくも可愛らしいアイデアだ。
 この3曲の差異を聴き比べると、『Sti.ll』がいかにして『Stil.』をリアライズしようとしていたのかわかってくる。要するにさまざまな小さな粒子のような電子音の折り重なりであるエレクトロニカの「レイヤー」を、アコースティック楽器の「アンサンブル」によって再現しようとしているのである。静謐な器楽曲へと変化させたというべきか。この試みはとても意欲的だと思う。現代音楽的に音の持続音やトーンをストイックに追い詰めるのではなく、ミニマルな旋律の折り重なりによってエレクトロニカを再演する試みなのだから。
 レイヤーからアンサンブルへ? いやというよりは「レイヤー/アンサンブル」の音楽とでもいうべきかもしれない。異なる層に鳴る電子音響の生成(00年代エレクトロニカ)に対して、音のレイヤー構造を守りつつ、それを楽器演奏で再現することで、音と音が互いに反応しつつも音楽の大きな輪を作り出すアンサンブルも構築しているのである。
 つまりテイラー・デュプリーが自らのエレクトロニカをアコースティック楽器による音楽作品として作り直した理由は、音のレイヤーとアンサンブルの境界線を溶かすことにあったのではないかと思うのだ。いちばん原曲に近いのはドローン主体の4曲目 “Stil. (For Vibraphone & Bass Drum)” だが、音の持っているトーンはまったく異質であることからもそれはわかる。

 全曲、柔らかい音色の弦楽などのアコースティック楽器が一定周期でループし、音楽を奏でている。そこにいくつかの楽器がさらに折り重なる。やがてエレクトロニカとクラシカルの境界線が揺らぎ、無化するだろう。その音のさまを聴き込んでいくと、どこかバロック音楽にも接近しているように感じられた。その意味では同じくバロック音楽的なアンビエントであったタシ・ワダの『What Is Not Strange?』とどこか雰囲気が近いようにも思えた(特に「似ている」というわけではない。音が醸し出す雰囲気が共通しているとでもいうべきか)。
 このように書き連ねると、いささか難解な音楽に感じるかもしれないが、実際に聴いてみるとわかるように、まったく難解な音楽ではない。それどころか誰が聴いても心身に効く、心地よい音楽なのである。エモーショナルでもあり、夢のような音楽であり、心を鎮静する音楽である。
 何かと気忙しい現代を生きる音楽聴取者によって、自身の感覚を、心身をチューニングするように長く聴き込んでいけるアルバムではないかと思う。エレクトロニカから器楽曲へ。その変化はいわば普遍的な音楽の希求であったのだ。

Theo Parrish - ele-king

 続々と20周年記念イベントが決定しているLIQUIDROOMから、またも嬉しいお知らせだ。8月2日(金)、セオ・パリッシュが登場、オープン・トゥ・ラストのロング・セットを披露する。昨年もすばらしいDJを体験させてくれたデトロイトのレジェンドだけれど、今回は10年前にパーティを実現できなかったLIQUIDROOMでの開催ということもあり、熱い想いのこもったパフォーマンスになるにちがいない。詳細は下記より。

[2024年7月9日追記]
 セオ・パリッシュ、名古屋での公演も決定しました。8月4日(日)16~23時@CLUB MAGO。こちらも詳しくは以下をご確認ください。

セオ・パリッシュLIQUIDROOMに降臨!
オープンからラストまでのAll Night LongセットでLIQUIDROOMの20周年を祝う。

LIQUIDROOM 20th ANNIVERSARY
-Theo Parrish All Night Long-

2024.08.02 friday midnight
LIQUIDROOM
open/start 24:00
TICKETS:¥6,000(1drink order別) / door¥7,000(1drink order別)
PRE-ORDER e+ 6/21(fri) 20:00~ 6/30(sun)23:59  7.6(sat)10:00~ ON SALE!
https://eplus.jp/sf/detail/4128980001-P0030001

セオ・パリッシュが、リキッドルーム20周年でプレイする理由。

セオ・パリッシュが音楽家としてのキャリアを開始した1996年から、もうすぐ30年。デトロイトのから発表したデビューEP『Baby Steps』では、ドナルド・バードなどをサンプリングした「Early Bird」など、ソウルフルなハウスミュージックを聴かせてくれた。しかし、1997年に自身のレーベル設立後から、独自性を発揮していく。イーブンキックといったダンスミュージックの骨格を残しながらも、まずは徹底的に楽曲から装飾を省き、テンポは概ねBPM110くらいにピッチダウン。「JB’s Edit」などに至っては、サンプリングしたホーンのフレーズの音が、意図的に割られている。常識外れな楽曲の数々に驚かされたものだった。しかし、楽曲の中心はドラムのシンコペーションとファンキーなベースラインが織りなす反復したリズムであったため、大きなサウンドシステムのクラブでプレイされることで威力を発揮。世界中で人気を獲得することになった。から発表された革新的なブラックミュージックの数々は、現在でも世界中のDJやプロデューサー、ビートメイカーへ大きな影響を与えている。また、今年スタートしたばかりのでは、王道キラーチューンをリエディット。キャッチーなフレーズを活かしながら、快楽的なフレーズを徹底的に反復させる。ここではで得た手法を使い、過去の楽曲を新しく蘇らせている。
伝統と革新。ディープなとアッパーなの楽曲は、一聴すると表裏一体のように感じるが、聴き込むほどに双方がマルチバースのように存在していることがわかる。2022年には再びアンビエント要素も包括し、実験性の高い『Cornbread & Cowrie Shells For Bertha』を。そして翌年にはシンガーのモーリサ・ローズの歌を全面にフィチャーした『Free Myself』(2023年)を発表。伝統と革新を行き来する創作が、30年近くも続けているのだ。
 DJプレイに関しても、筆者は作品に近い感想を持っている。黎明期のハウスミュージックに影響を受けた『Sketches』(2010年)発表時の来日パーティで、ダンスホールレゲエや80’sヒップホップがプレイされた。アルバムのイメージとはかけ離れているため、混乱した記憶がある。しかし、プレイに身を委ねてみると、プレイされている黎明期のダンスミュージックならでのラフで太いリズムが、『Sketches』のコンセプトに近いものだと理解することができた。
こう書いてみると、ある意味でセオ・パリッシュは、ファンの期待を裏切るDJに感じるかもしれない。しかし、本当のところは誠実で、ファン思いの人物である。2014年、リキッドルーム10周年記念パーティにて、バンドと共にステージへ立つ予定であったが、メンバーの都合でキャンセルになってしまった。観客の一人として、よくあるトラブルと承知した一方、リキッドルームのホームページには、公演中止のアナウンスと共に、セオ本人による丁寧な謝辞が掲載された。ファンへのお詫びと同時に、本人の無念さも記された真摯な文面は、今もはっきりと記憶に残っている。 
2014年から10年。リキッドルーム20周年記念のパーティで、セオ・パリッシュがオープンからラストまで単独でDJプレイをする。数々の歴史が詰まった会場で、一体どんなプレイを聴かせてくれるのか。新しい伝説の夜が、生まれそうな気がしてならない。

Sound Signature Web 
Sound Signature Instagram

2024.08.04 (Sun) 名古屋 @CLUB MAGO

DJ: Theo Parrish

Open 16:00 – Close 23:00
Advanced Ticket / Door 6,000yen (ドリンク別途)
https://club-mago.zaiko.io/item/365230

Info: Club Mago http://club-mago.co.jp
〒460-0007 名古屋市中区新栄2-1-9 雲竜フレックスビル西館B2F Tel 052-243-1818

ele-king vol.33 - ele-king

特集:日本が聴き逃した日本の音楽と出会うこと
第2特集:「和モノ」グレート・ディギング

高田みどり、本邦初ロング・インタヴュー
灰野敬二、Phew、畠山地平、蓮沼執太、角銅真実、BBBBBBB、ほか

CD時代のニューエイジ30選、ロンドンのリイシュー・レーベル〈Time Capsule〉、菊地雅章のアンビエント・アプローチ、日本のジャズ、ほか

菊判/160ページ

目次

特集:日本が聴き逃した日本の音楽と出会うこと

居心地のよい洞窟を求めて──高田みどり、インタヴュー(取材:高橋智子/写真:細倉真弓)

column この世のクズ(ジェイムズ・ハッドフィールド/江口理恵訳)
日本の音楽との出会い1 フュー、インタヴュー (取材:野田努/写真:細倉真弓)
column 日本の前衛音楽 誰のものでもない「私」による音楽 (高橋智子)
角銅真実と蓮沼執太が語る、日本の音楽の開拓者たち――武満徹から灰野敬二、細野晴臣、坂本龍一、吉村弘まで (取材:小林拓音/写真:小原泰広)
日本の音楽との出会い2 畠山地平、インタヴュー (取材:野田努)
column 日本独特のアンダーグラウンドにおける、コンピレーション・アルバムが語るもの (イアン・F・マーティン/江口理恵訳)
column Aubeの『Cardiac Strain』は過酷な日々のなかで私の心を癒す北極星だった (緊那羅:デジ・ラ/野田努訳)
column ジャズ・ピアニスト、菊地雅章の知られざるアンビエント作品群──共演者・菊地雅晃が語るその「情感」 (原雅明)
column 豊かだから音楽が栄えたのではなく、豊かさの予感として音楽が鳴っていた──80年代日本再訪、YMOからディップ・イン・ザ・プールまで (三田格)

第二特集:「和モノ」グレート・ディギング

CD時代のニューエイジ・ディスクガイド30──掘り起こされる90年代日本の「これからの名作」 (門脇綱生)
時を超える松﨑裕子のニューエイジ音楽──世界初CD化&LPでも再発されるレア盤『螺鈿の箱』の魅力について (デンシノオト)
菅谷昌弘が紡ぐ祈りのポスト・ミニマル・ミュージック――『Kankyō Ongaku』で注目を集めた作曲家の軌跡 (門脇綱生)
60~80年代、海外に進出した日本のジャズ・ミュージシャンたち (小川充)
〈イースト・ウィンド〉設立50周年──和ジャズが世界水準にあることを証明したレーベル (小川充)
いま気になっている和ジャズ──富樫雅彦『スピリチュアル・ネイチャー』を聴く (増村和彦)
「レコード好きにとって美味しいものでありたいんです」──ロンドンでリイシュー・レーベルを営むケイ鈴木に話を訊く (取材:野田努)
続・和レアリック (松本章太郎)

「灰野敬二」が生まれるまで──灰野敬二 インタヴュー抜粋シリーズ 第4回 (文・写真:松山晋也)
ブライアン・イーノとホルガー・シューカイの共演ライヴがいま蘇る──90年代のイーノ、あるいは彼にとっての作品の価値とは (野田努×小林拓音)
VINYL GOES AROUND PRESENTS そこにレコードがあるから 第4回 コンピレーションの監修と『VINYL GOES AROUND PRESSING』始動!! (水谷聡男×山崎真央)

プロフィール

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
e-hon
Honya Club

P-VINE OFFICIAL SHOP
SPECIAL DELIVERY

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
三省堂書店
有隣堂
くまざわ書店
大垣書店
未来屋書店/アシーネ

John Cale - ele-king

 痛くて眠れないので睡眠薬を欲しいと医師に言った。就寝前にそれを飲んで、布団のうえに痛みをこらえながら横たわる。目を閉じてしばらくすると、薬が効いてレム睡眠状態に入った。身体は寝ているのだが、頭は働いている。悪いことばかりに思いがめぐる。目を閉じているのに、自分の人生の暗い側面が断片的に昔のフィルム映画のように見える。ジョン・ケイルのことを考えよう。
 ちょうどイアン・マーティンによるインタヴュー記事をポストしたばかりだった。ぼくもあのオンライン取材に立ち会った。ケイルはヴィデオ機能をオフにしていたので、黒い画面があって、彼の声だけが聞こえた。その声は、老境に入ったアーティストらしい深みのある声で、彼の話し言葉はじつに抑揚があり、ときに激しく、ときに枯れた声で、しかも大声で笑った。それはぼくに、丘の上の古城でひとり暮らしをしている老芸術家を思わせた。
 これはもちろん、一方的かつ身勝手な空想に過ぎないのだが、ついついぼくはジョン・ケイルをそうしたゴシック的な風景のなかにおいてしまう。ヴェルヴェッツのファーストには(じつに先駆的な)ゴシック的な要素があったし、彼はゴシック・ロックの先駆的作品、ニコの『The Marble Index』(もうひとりのゴシック・ロックの先祖、ジム・モリソン登場の1年後のアルバム)の共同制作者だし、彼のソロ作品『Fear』のジャケットからは『カリガリ博士』や『ノスフェラトゥ』めいた世界を連想してしまうのだった。まあ、もちろんそれらはまったくの別物なのだが、こうした自分の勝手な夢想は、ヴェルヴェッツにおけるケイルの陰鬱なヴィオラが耳にこびりついてしまったのがきっかけだ。遊び心あふれる新作を出したばかりの彼なら、許してくれるだろう。

 ジョン・ケイルの新作は、神経をすり減らすような前作『Mercy』における実験性とは打って変わって、彼流のポップ・ソング集である。ケイルがお茶目でユーモアのセンスを持つ人間であること、そして、18歳でピアノの神童となった彼が高度な専門教育を受けたヴィルトゥオーソであることはよく知られている。イーノの評伝『On Some Faraway Beach』にある回想によれば、「1日に7つの新聞を取り寄せ、テレビをつけ、電話をそばに置く」人間でもあったそうだ。ブレヒトやディラン・トマスを主題にする芸術家でありながらも、市民的な関心事に積極的なのだ。
 ケイルのこうした、陽の部分が今回のアルバムに広がっていることは、レーベルが用意した写真からもうかがえる。全曲メロディアスだ。モノクロームではない、カラフルで軽快な曲調。彼が言うように、作中に怒りが込められていることなど、曲をただ聴いている限りでは、ことに日本人リスナーにはわかろうはずもない。
 その曲からウェールズという土地のことまで連想することはないが、“Davies And Wales”は好きな曲のひとつだ。まるでこれは、ドリーム・ポップだと言いたくなる。続く“Calling You Out”もいい。ラウンジーなこの曲を聴いているとやさしい気持ちになれるからだ。人類への失望を主題に、機械でビートが刻まれる“Edge Of Reason”にしても、曲が進行するといつしか聖歌隊の歌のように思えてくる。“I’m Angry”という曲名の曲にしてもそうだ。怒りを歌っているというのに、あたかも切ないライヴ・ソングじゃないか。
 “How We See the Light”は今作のなかでもっとも愛される曲になるのだろうが、それに続く本人お気に入りの歌詞「右翼が図書館を焼き払っている」のある“Company Commander”は、滑らかな作中にあってとげとげしい残響を残している。ただし、彼のパンクな一面がもっとも格好良く表現されているのは“Shark-Shark”で間違いない。ここでのギザギザなギター演奏は、アルバムでもっともヴェルヴェッツに接近しているパートだ。“Funkball the Brewster”の静的な広がりも、「地獄に堕ちろと言っておくれ/全力でそうするよ」とひねくれた歌詞も、本作を特徴付けるポップと実験性という点においてすばらしい。

 アート・ロックというジャンル用語をたどると、ヴェルヴェッツや初期ロキシー・ミュージック、マジック・バンドらに行き着く。こうしたバンドには、その内部において異なるもの同士の衝突があった。ロックらしかぬものをロックに落とし込むのではなく、衝突によって生じた割れ目をぐいっと拡げてそこに新たなスペースをつくる。20世紀のそうした音楽をアート・ロックと呼んだのであれば、ロックはロック以上のものになろうとしているという当時の熱量を推し量ってわからなくはない。

 ケイルが前作と違ってほとんどひとりで作ったアルバム(そういう意味では今回のほうが“ソロ”と言える)の、サウンドの多彩さ、複雑さに焦点を当ててみる。心地よさと気色悪さを併走させている緻密なアレンジのなかにはサンプリングやノイズも含まれている。そしてこの老芸術家は怒っている。その感情をわからせないために、言葉とサウンドの微妙なニュアンスを駆使している。
 『POPtical Illusion』は安心させはしないことで安心させるアルバムだ。アルバムの題名はある種のギャグで、神経をすり減らすことはないし、陰鬱な要素はない。ぼくのなかの丘の上の古城の老芸術家が、クスクス笑いながら床一面に玩具を並べている。うまく眠れない夜にはちょうど良いのだ。

Larry Levan 70th Birthday Bash - ele-king

 まごうことなきレジェンド。1977年からNYのクラブ《パラダイス・ガラージ》のDJとして活躍、そこでかかっていた音楽がガラージと呼ばれるようになったわけだが、後世のダンス・ミュージックに多大な影響を与えたこのラリー・レヴァン(92年没)の生誕70周年を祝し、新宿ブリッジにて記念パーティが開かれることになった。
 7月5日(金)にはフランスからディミトリ・フロム・パリが来日、MURO、discoSARAとともに副都心の夜を彩る。7月14日(日)にはラリー・レヴァンから後継者に指名されたヴィクター・ロサドがロング・セットを披露。そしてラリー・レヴァンの誕生日7月20日(土)には、彼と親交のあった高橋透とDJ Noriが愛とリスペクトを込めたプレイを堪能させてくれる予定だ。なんとも豪華な3連打、この7月は新宿でアツい夜を過ごしたい。

日本のクラブシーンの黎明期に多大な影響を与えたニューヨークの聖地Paradise Garage。世界中にガラージサウンドの信奉者を生み出した伝説のDJ、Larry Levanの誕生日は7月20日、もし彼が生きていれば70歳である。

DJ BAR Bridge SHINJUKUでは、7月5日(金)数々の傑作リミックスワークをリリースしているKing of Disco Dimitri from Parisが登場しKing of Diggin’ Muroと共演。7月14日(日)には生前のLarryが自らの後継者に指名したVictor Rosadoがオープンtoクローズのロングセットを披露。そしてLarryの誕生日当日である7月20日(土)は東京の伝説的なクラブGoldにてレジデントDJを務めたTohru TakahashiとDJ Noriの2人が出演する。

Larry Levan live at Paradise Garage 1985
https://youtu.be/luAx0xKWiRo?si=kzYt599ad20kS5NV

7月5日(金)
World Connection - Dimitri from Paris -

Lineup:
Dimitri from Paris
MURO
discoSARA

Open: 20:00 Start: 21:00
Door ¥2000

昨年7月にもダンスフロアを大いに沸かせたフランスからの刺客、Dimitri from Parisが今年も新宿Bridgeに帰ってくる。昨年のDJ NORIに続きCAPTAIN VINYLからMUROとの共演が決定、ハッピーヴァイブス全開のdiscoSARAもデッキに立ち、心と体を解放してくれる一夜となるだろう。

Glitterbox Radio Show 364: Dimitri From Paris Takeover
https://soundcloud.com/glitterboxibiza/glitterbox-radio-show-364-dimitri-from-paris-takeover

7月14日(日/祝前日)
World Connection - Victor Rosado all night long -

Lineup:
Victor Rosado

Open: 20:00 Start: 22:00
Door: ¥2000

1987年惜しまれながらクローズしたNYのクラブParadise GarageのレジデントDJ、Larry Levanに唯一、次のLarryになる素質を見込まれ寵愛されたVictor Rosadoが7時間セットを聴かせてくれる。
今回は、REY AUDIO製ロータリーミキサーDJM-1、レコードプレイヤーには、Space Lab YELLOWでも使用していたTHORENS TD521 + SME トーンアーム309 + MCカードリッジのセッティングで音源本来の力を引き出す。最高な音とNYの黄金時代が生んだレジェンドDJの技術とセンスが生み出すサイケデリック空間を体験してほしい。

Victor Rosado fabric Promo Mix
https://www.mixcloud.com/fabric_London/victor-rosado-fabric-promo-mix/

7月20日(土)
Larry Levan 70th Birthday Bash!!

Lineup:
Tohru Takahashi
DJ NORI

Open: 20:00 Start: 22:00
Door: ¥1500

NYの伝説のクラブ、Paradise GarageでGarage soundと呼ばれるスタイルを確立した真の伝説のDJ、Larry Levan。生きていれば今年70歳になる7月20日、珍しくTohru Takahashiから「ラリーのバースデイバッシュをやろう!」とDJ NORIに声がかかった。Paradise Garageを体験し、Larryとも親交のあった2人の想いは計り知れず、偉大な先駆者への愛とリスペクトを込めた貴重な音楽体験になるだろう。

書店は文化である。今、本屋が熱い!

出版不況が叫ばれる中、独立書店と呼ばれる「新しい形の町の本屋」が次々と開店している。今日も日本中で個性的な魅力のある空間が生み出されている。
そこで本書では18人の書店主たちの貴重な体験の証言により、不況でも情熱とアイデアで本屋を始められる時代に生まれた、現代の “本屋のかたち” を探る。

(登場書店 全18店名)
フラヌール書店/なタ書/本屋ルヌガンガ/シカク/ON READING/BOOKSHOP本と羊/機械書房/mountain bookcase/そぞろ書房/twililight/アルスクモノイ/本屋象の旅/FOLK old book store/READAN DEAT/YATO/ひるねこBOOKS/WARP HOLE BOOKS/BOOKSHOP TRAVELLER

四六判並製/192ページ

目次

まえがき

巻頭
BOOKSHOP TRAVELLER
狭さにこそ価値がある 和氣正幸

第一章 町で本屋をやってます 様々な本屋経営を知る

フラヌール書店 久禮亮太
なタ書 藤井佳之
本屋ルヌガンガ 中村勇亮
シカク 竹重みゆき

独立書店の勃興~本屋ライターの個人史①~和氣正幸

第二章 私が本屋を開くまで 準備から継続まで

BOOKSHOP本と羊/機械書房/mountain bookcase/そぞろ書房/twililight/アルスクモノイ/本屋象の旅/FOLK old book store/READAN DEAT/YATO/ひるねこBOOKS/WARP HOLE BOOKS

あたらしい本屋の形~本屋ライターの個人史②~和氣正幸

第三章 本から本屋を考える 本屋をめぐる状況を知ろう 和氣正幸

街の本屋の生存探究、あるいは本の生態系について

本を読む、あるいは読まなくなった理由について

棚貸し本屋の現在

本屋をはじめたいと思ったら

[監修者プロフィール]
和氣正幸(わき・まさゆき)
本屋ライター。東京・祖師ヶ谷にある本屋のアンテナショップBOOKSHOP TRAVELLERの店主でもある。2010年よりサラリーマンを続ける傍らインデペンデントな本屋をレポートするブログ「本と私の世界」を開設。現在は独立して、「本屋をもっと楽しむポータルサイトBOOKSHOP LOVER」の運営を中心に、“本屋入門”などのイベントも開催。そのほか東京新聞での連載「BOOKS」など各種媒体への寄稿、電子図書館メルマガの編集人など本屋と本に関する活動を多岐にわたり行う。

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
紀伊國屋書店
e-hon
Honya Club
キャラアニ・ドットコム

P-VINE OFFICIAL SHOP
SPECIAL DELIVERY

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
三省堂書店
有隣堂
くまざわ書店
TSUTAYA
大垣書店
未来屋書店/アシーネ

お詫びと訂正

このたびは弊社商品をご購入いただきまして誠にありがとうございます。
『さあ、本屋をはじめよう 町の書店の新しい可能性』に誤りがありました。
謹んで訂正いたしますとともに、お客様および関係者の皆様にご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げます。

P137

ネイバーフッドを大切に。


ネイバーフッドを大切に。
 と言いながら本日、出したかったものが一つ締切に間に合いませんでした。
 現実と理想はかくも距離があるものです……。

P137~138

インターネットで本を買うという行為が浸透している現在では、体験としての書店空間に価値を見出すには、違いがある方が豊かだと思うので。
 と言いながら本日、出したかったものが一つ締切に間に合いませんでした。
 現実と理想はかくも距離があるものです……。


インターネットで本を買うという行為が浸透している現在では、体験としての書店空間に価値を見出すには、違いがある方が豊かだと思うので。

K-PUNK 自分の武器を選べ──音楽・政治 - ele-king

「グラム・ロックこそパンクである──歴史的にもコンセプトにおいても」

彼を一躍人気作家にしたブログ「K-PUNK」から選集されたマーク・フィッシャーの原点にして最終作

21世紀初頭において、もっとも影響力のある
労働者階級出身の批評家によるエッセイ/論考集の「音楽・政治」編
資本主義の向こう側に突き抜けるための思考の記録

思想家/批評家、マーク・フィッシャーの人気を決定づけたブログ「K-PUNK」からのベスト・セレクションの第二弾。著書『資本主義リアリズム』で広く知られるフィッシャーだが、彼の批評活動の原点にあるのは音楽だ。その音楽批評には彼の政治思想が共鳴している。グラム・ロックやポスト・パンクからサッチャーにトランプまで。資本主義にも、音楽のレトロ化にも、頭でっかちなアカデミックな考えにも、左翼の高級化にも反対し続けた批評の数々。

本書で言及される音楽:
ロキシー・ミュージック、ブライアン・フェリー、デイヴィッド・ボウイ、グレイス・ジョーンズ、ケイト・ブッシュ、スージー・アンド・ザ・バンシーズ、ジョイ・ディヴィジョン、マーク・スチュワート、ザ・フォール、ザ・バースデー・パーティ、ギャング・オブ・フォー、スクリッティ・ポリッティ、テスト・デパートメント、ザ・キュアー、アンダーグラウンド・レジスタンス、モロコ/ロイシン・マーフィ、カニエ・ウェスト、ジェイムス・ブレイク、ドレイク、ダークスター、DJラシャド、スリーフォード・モッズ、ほか。

本書で扱われるテーマなど:
ポスト・フォーディズム、新自由主義、サッチャー、9・11と監視社会、ブレアと新しい労働党、テロリズム、メンタル・ヘルス、トランプとブレグジット、「コミュニスト・リアリズム」、ほか。

四六判/648頁

目次

日本語版編者序文

第三部
自分の武器を選べ:音楽関連の著述 (坂本麻里子+髙橋勇人訳)

今や恒例、グラストンベリーに対する暴言
アート・ポップ、いや、これは本物のそれの話
k‐パンク、あるいはグラムパンクなアート・ポップの非連続体
反資本としてのノイズ──『アズ・ザ・ヴィニア・オブ・デモクラシー・スターツ・トゥ・フェイド(民主主義の虚飾が消え薄れはじめるにつれて)』
うたた寝から目覚めたライオン、あるいは今日における昇華とは?
今におけるすべての外部
あなたの不快楽のために──ゴスの尊大なオートクチュール
僕たちみんな死んでしまおうが構わない──ザ・キュアーの不浄なる三位一体
光を眺めてごらん
ポップは不死身なのか?
クラーケンのメモレックス──ザ・フォールのパルプ・モダニズム パート1~3
スクリッティの甘美な病い
病理としてのポストモダン主義、パート2
自分の武器を選べ
あるテーマの変奏
ランニング・オン・エンプティ
ユー・リマインド・ミー・オブ・ゴールド──マーク・フィッシャーとサイモン・レイノルズとの対話
戦闘的傾向は音楽を養う
オートノミー・イン・ザ・UK
二一世紀の隠れた悲しみ──ジェイムス・ブレイクの『オーヴァーグロウン』
デイヴィッド・ボウイ、『ザ・ネクスト・デイ』評
すべてを持っている男──ドレイクの『ナッシング・ワズ・ザ・セイム』
ブレイク・イット・ダウン――DJラシャドの『ダブル・カップ』
自分のナンセンスを始めろ!──イーエムエムプレックズとドリー・ドリーについて
スリーフォード・モッズの『ディヴァイド・アンド・イグジット』と『チャブド・アップ:ザ・シングルズ・コレクション』評
テスト・デパートメント──左派理想主義と大衆モダニズムが出会う場
融資なしじゃロマンスはあり得ない

第四部
今のところ、我々の欲望には名前がない:政治に関する文章 (五井健太郎訳)

投票するな、奴らをその気にさせるな
一九七九年十月六日──資本主義と双極性障害
彼らが抗議して、皆が参加したからといって、いったいそれで何になるというのか
ヒドラを退治すること
テロリズムの顔なき顔
衒示的武力と害虫化
私の人生、私のカード──アメックス・レッド・キャンペーンについての注解
グレート・ブリンドン・クラブ・スウィンドル
ストレスの民営化
囲い込み(ケトル)の論理
不満の冬2.0――戦闘性の一ヶ月に関するメモ
フットボール/資本主義リアリズム/ユートピア
ゲームは変化した
創造的資本主義
現実の管理経営(マネジメント)
UKタブロイド
未来はいまだ我々のもの――オートノミーとポスト資本主義
美学的な貧困
確実なのは死と資本だけ
メンタル・ヘルスはなぜ政治の問題なのか
ロンドン版ハンガー・ゲーム
時間戦争──新資本主義時代のオルタナティヴに向けて
上手く負けるのではなく、勝つために戦うこと
マーガレット・サッチャーの幸福
微笑みとともに苦しむこと
ゾンビの殺し方──新自由主義の終わりを戦略化する
殺人罪を逃れ切ること
誰も退屈していない、すべてが退屈させる
影のための時間
未決状態は終わった
コミュニスト・リアリズム
今こそ痛みを
希望を棄てろ(夏がやって来る)
今のところ、我々の欲望には名前がない
アンチ・セラピー
民主主義とは喜びである
サイバーゴシック対スチームパンク
マネキン・チャレンジ

索引

[著者]
マーク・フィッシャー(Mark Fisher)
1968年生まれ。ハル大学で哲学の学士課程、ウォーリック大学で博士課程修了。ゴールドスミス大学で教鞭をとりながら自身のブログ「K-PUNK」で音楽論、文化論、社会批評を展開する一方、『ガーディアン』や『ワイアー』などに寄稿。2009年に『資本主義リアリズム』を、2014年に『わが人生の幽霊たち』を、2016年に『奇妙なものとぞっとするもの』を上梓。2017年1月、48歳のときに自殺。邦訳にはほかに講義録『ポスト資本主義の欲望』、ブログからの選集第一弾『K-PUNK 夢想のメソッド──本・映画・ドラマ』がある。

[訳者]
坂本麻里子(さかもと・まりこ)
1970年東京生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。ライター/通訳/翻訳者として活動。ロンドン在住。訳書にコージー・ファニ・トゥッティ『アート セックス ミュージック』、ジョン・サヴェージ『この灼けるほどの光、この太陽、そしてそれ以外の何もかも』、マシュー・コリン『レイヴ・カルチャー』、マーク・フィッシャー『K-PUNK 夢想のメソッド』ほか多数。

髙橋勇人(たかはし・はやと)
1990年、静岡県浜松市出身。ロンドン在住。早稲田大学国際教養学部卒業後、ロンドン大学ゴールドスミス校で社会学修士課程と文化研究博士課程を修了。ウィンチェスター美術学校でメディア論を教える。音楽ライターとして、ハイパーダブの日本版ライナーノーツを執筆し、DJなどの音楽活動も行っている。

五井健太郎(ごい・けんたろう)
1984年生まれ。東北芸術工科大学非常勤講師。専門はシュルレアリスム研究。訳書にマーク・フィッシャー『わが人生の幽霊たち』『奇妙なものとぞっとするもの』、ニック・ランド『暗黒の啓蒙書』『絶滅への渇望』、共著に『統べるもの/叛くもの』『ヒップホップ・アナムネーシス』など。

オンラインにてお買い求めいただける店舗一覧
amazon
TSUTAYAオンライン
Rakuten ブックス
7net(セブンネットショッピング)
ヨドバシ・ドット・コム
Yahoo!ショッピング
HMV
TOWER RECORDS
disk union
紀伊國屋書店
honto
e-hon
Honya Club

P-VINE OFFICIAL SHOP
SPECIAL DELIVERY

全国実店舗の在庫状況
紀伊國屋書店
三省堂書店
有隣堂
くまざわ書店
TSUTAYA
大垣書店
未来屋書店/アシーネ

しばてつ・山田光・荒井康太トリオ - ele-king

 自身のhikaru yamada and the librariansをはじめ、入江陽前野健太などの楽曲参加から「小さなポップ・ミュージック」をテーマにしたコンピレーション『tiny pop』の監修まで、フリー・ジャズ/即興演奏の分野に留まらぬ活動をつづけてきたサックス奏者/トラックメイカーの山田光。そんな彼の新プロジェクトは、80年代から活動するヴェテラン鍵盤奏者、しばてつと、さまざまな民族音楽から影響を受けたというドラマー、荒井康太とのトリオだ。『じゃフリージャズやろう』とのタイトルどおり、生々しいフリー・ジャズに挑んだ45分ノンストップのアルバムがすでにbandcampにて販売中。ぜひチェックしてみて。

しばてつ・山田光・荒井康太トリオによるアルバム“Jya, let​’​s play free jazz​.​”が2024年6月15日(土)にリリースされる。

hikaru yamada and the librariansやmcjeといった自身のユニットで活動するアルトサックス奏者/トラックメイカーの山田光。今回、彼はピアノのしばてつ、ドラムの荒井康太とともに、この時代に敢えて伝統のベースレストリオ編成でLPサイズのフリージャズ(ノンストップ45分間)を演奏する試みを始めた。

最初の作品となる“Jya, let​’​s play free jazz​.​”は2024年3月25日に行われたライブ録音でピアノ・サックス・ドラムの打点を生々しく捉えたオンマイクサウンドにより、フレッシュなフリージャズサウンドを聴かせる。

しばてつは1959年東京に生まれ、1980年代より活動を続けるピアノ / 鍵盤ハーモニカ奏者。2016年に鍵盤ハーモニカによる即興演奏集『Plastic Pneuma』をHitorriレーベルからリリースしているが、ピアノによるフリージャズ演奏の音源化は今回が初めて。

荒井康太は伊豆諸島最南端の孤島 青ヶ島出身。アフリカを代表するカメルーンのドラマーBrice wassyの演奏に衝撃を受けBriceと弟のVincentに師事。現地カメルーンに渡りトラディショナルのリズムをエッセンスとしたドラミングを学ぶ。ジャズ、ポップス、ロック、はたまた韓国の農楽やシャーマン音楽、台湾原住民音楽、ブラジル、アフリカなどの民族音楽から、即興音楽や実験音楽、ライブペイントやダンスとの共演など、現代音楽アートフェスや舞台音楽などジャンルにとらわれない幅広い演奏活動を行っている。現在は田中圭や奈緒らと共に舞台『Medicine メディスン』に出演中。

[リリース情報]
アーティスト名: shibatetsu (p) + Hikaru Yamada (sax) + Kota Arai (ds) Trio
タイトル: “Jya, let​’​s play free jazz​.​”
リリース日: 2024年6月15日(土)12:00(正午)
レーベル: OPAC
カタログナンバー: OPAC-1001
フォーマット: Bandcampでのダウンロードとストリーミング

https://opaclabel.bandcamp.com/album/jya-let-s-play-free-jazz

価格: 1000円

■曲目
1. movement1
2. movement2
3. movement3
4. movement4

ミックス/マスタリング: 山田光
アルバムジャケット: しばてつ

■参加ミュージシャン
しばてつ: piano
http://www4.plala.or.jp/soodemonai/

山田光: sax
https://ekytropics.blogspot.com/2024/04/httpswww.html

荒井康太: drums
https://kotatatakataton.jimdofree.com/

■プロフィール
山田光: 1988年生まれのアルトサックス奏者、トラックメイカー。サンプリングを主体とするトラックメイキングとサックスでのフリージャズ/即興演奏をおこなう。自身のユニットであるhikaru yamada and the librariansやfeather shuttles foreverで作品をリリースするほか、入江陽、前野健太、South Penguin、毛玉、んミィバンドなどの楽曲に参加している。監修作品にコンピレーションアルバム『tiny pop – here’s that tiny days』(2020年、P-VINE)がある。

  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369 370 371 372 373 374 375 376 377