「坂本慎太郎」と一致するもの

- ele-king

 あけましておめでとうございます。今月からコラムを書かせていただくことになりました、小山田米呂です。普段は学生の身分を利用して得た時間で音楽を作ったり、たまに頼まれたら文章を書いたりしています。
 ここ3年くらい海外の学校に行ってたのですが、なぜかはわからないのですが、オンライン授業に移行したこともあり、久しぶりに東京で生活しております。僕は自己紹介が苦手なので僕のことは追々、少しずつ書いてみたいと思います。
 僕が最近聴いた音楽、買ったレコードのなかからにとくによかったもの、皆さんとシェアしたいものを紹介します(予定)。
 せっかくの機会なので、ele-king読者の聴かなそうなものもを紹介していければと思います。

1. Shitkid - 20/20 Shitkid

 スウェーデンはストックホルム、PNKSLM Recordingsから、ガレージ・ポップ?バンド、Shitkidのアルバムです。Shitkidは Åsa Söderqvistという女性のプロジェクト。僕が彼女を知ったのは2019年の『DENENTION』というアルバムからですが、2016年から活動していて’17年にファースト・アルバムを出していてコンスタントにリリースしています。'17年リリースのデビュー・アルバム『Fish』は割れたボーカル、歪んだギターとディケイのかかった乾いたドラムとシンプルでDIYなサウンド。

ShitKid - "Sugar Town" (Official Video)

みんな大好き長い黒髪と赤リップ
ShitKid - "RoMaNcE" (OFFICIAL VIDEO)

 ミュージック・ヴィデオの手作り感がフロントマンの Åsaをものすごく映えさせている。お金かけてヴィジュアル作ったり外注しても、ここまで彼女を強く、セクシーに写せない、それを自覚しているであろう眼力。ミュージック・ヴィデオはRoMaNcEにも出演したりライヴではベースやシンセを担当したり、かつてはÅsaのルームメイトでもあった相方的存在、Linda Hedströmが作っているそう。 何より星条旗のビキニとライフルがよく似合ってる!!
 過去のインタヴューで彼女はエレクトロニック・ミュージックに対してあまり興味がないようなことを言っていたが、今作は割とエレクトロニカ・テイストを凝らしていて、格段に音質が良くなり、いままでの荒削りな雰囲気より安定感のある印象の曲が多く、Shitkid第二章とでもいうような洗練を感じる。でもローテンションで割れたヴォーカルは相変わらず。自分のいいとこわかってる。
 こういう音楽が好きだと、時を経るごと上手になってきたり、露出が増えて注目されはじめると“普通”になっていっちゃって曲は良いんだけどなんだか寂しいな〜……なんて思いを何度もしているのですが、今作『20/20 Shitkid』はまだまだ僕のなかに巣食うShitkid(クソガキ)を唸らせる。
 パンクでもロックでも、才能でたまたま生まれちゃう名盤よりも、自分の才能に自覚的だったり、もしくは自分に才能がないのがわかっていながらもストラテジックに、少し無理して作られた物のほうが僕はグッとくるのかも。


 2020年、僕もほとんどの人と同じくいつもと変わった1年を過ごしたわけですが、多くの人と違ったのは僕が今年20歳になったということ。いままで何度行きたいイヴェントの会場の前でセキュリティにごねたことか。このご時世、未成年は深夜イヴェントやクラブに出ているアーティストの一番のファンであったとしてもヴェニューは入れられないのです。
 そしてようやっと20歳になったと思ったら誰も来ないし何もやってないじゃないか! 話が違う!
 とはいえ悪いのはヴェニューでもなく、インターネットの余計なお世話でも相互監視社会でもなくコロナウイルスなのです。多くの人から奪われた掛け替えのない時間の代わりに僕らに与えられたのは美しい孤独。

2. Skullcrusher - Skullcrusher

 アメリカインディレーベル〈Secretly Canadian〉からHelen Ballentineのソロプロジェクト、Skullcrusherのデビュー・シングル。アメリカの田舎の湖畔の情景が浮かびます。ニューヨーク北部出身でロサンゼルス在住でこの曲は長い失業中の孤独の中で書いたそう。だいぶノスタルジーとホームシックにやられてるな。しかし僕らも今年家にいる孤独のなかで少年少女時代の豊かな記憶に思いを馳せ現状を憂いたのは一度や二度ではないはず。ただ目まぐるしく世界が動く慌ただしいこの世のなかに飽き飽きしていた人にとってコロナが与えた孤独はなんと優雅で慈悲深く美しい時間であったことでしょうか。このEPはおそらく去年作られたのでしょうが、きっと彼女はその孤独のなかでこの儚いEPを作り上げたのでしょう。目新しく独創的なでは無いけど、繊細で柔らかな声と胸の痛くなるような問いかけをする歌詞は涙ものです。

Skullcrusher - Places/Plans

3. caroline - Dark blue

〈Rough Trade Records〉からロンドンの8人組バンドcaroline。全くやる気の感じられない名前。ほぼインストのバンドで曲もだらだらと長いのですが8人もいるから手数豊富で飽きない。いまの段階ではギター、パーカッション、ヴァイオリンにベースとドラムという編成ですが、元々3人で出入りを繰り返して8人で落ち着いたらしい。派手ではないけどセンス抜群で気持ちの良いタイミングで聞きたい音が入ってくる。さすが天下の〈RoughTrade〉、Black MidiやSOAKなど話題性のあるアーティストも輩出しつつこういうバンドももれなく拾う懐の深さ。

caroline | Pool #1 - Dark blue

4. Daniel Lopatin - Uncut Gems-Original Motion Picture Soundtrack

〈Warp Records〉から言わずと知れた巨人、OPNことダニエル・ロパティン。OPNのニュー・アルバムはすでにele-kingでもその他多くのメディアでも取り上げられていますがこちらも聴いて欲しい……。映画『Good Time』でもダニエルとタッグを組んでいたJoshua and Benjamin Safdie兄弟監督の映画『Uncut Gems』(邦題:アンカット・ダイヤモンド)のサントラです。アダム・サンドラー演じる主人公、宝石商のハワードはギャンブルにより多額の借金を背負っており、ある日手に入れた超デカイオパールを使って一攫千金を狙い、家族に愛人、借金取り果てにはNBA選手も巻き込みどんどんドツボに嵌っていくという映画だが、アダム・サンドラーがいつもの調子のマシンガントークで借金取りをケムに巻こうと幕しているので状況は切迫し、悪化する一方なのにどこか笑っちゃう。だが音楽はどんどんテンポが上がり不安を掻き立て、ハワードの借金は増えて後がなくなっていく。
 なんだか映画のレヴューみたいになっちゃったけど、サフディー兄弟の写す宝石とダニエルのシンセは双方壮大でギラッギラで最高なので映画もサントラもぜひ。

『アンカット・ダイヤモンド』予告編 - Netflix

Behind the Soundtrack: 'Uncut Gems' with Daniel Lopatin (DOCUMENTARY)

5. 坂本慎太郎 - 好きっていう気持ち/おぼろげナイトクラブ

〈zelone recordsから坂本慎太郎のシングル。僕は日本のアーティストってあまり聴かないのですが、その理由のひとつは歌詞が直接入ってきすぎて嫌なんです。僕は音楽は歌詞よりも音色が心地よかったりよくなかったり、リズムが気持ち良かったり悪かったりが優先されるべきで、音自体がより本質的だと思っているのですが、坂本慎太郎の歌詞は言葉や詩というよりも楽器的で言葉遊びの延長に感じてファニーだしとにかく気持がいい。

The Feeling Of Love / Shintaro Sakamoto (Official Audio)


 ele-king読者の知らなそうなと冒頭に書いておきながら割とみんなすでに聴いていそうな曲ばっか紹介しております。レヴューという形をとっているので仕方ないですが僕がとやかく言っているのを読む前に一度聴いて欲しい……聴いてから読んで欲しい……
 年末に書き出したのにダラダラしてたら年が明けちゃった。今年から、今年も、よろしくお願いします。
 音楽も作っているのでで自己紹介代わりに僕の曲も是非聴いてください。

filifjonkan by milo - Listen to music

Shades Of Blue by milo - Listen to music

Shintaro Sakamoto - ele-king

 坂本慎太郎が非常事態宣言以降に書き下ろした4曲がリリースされる。2019年の「小舟(Boat)」以来となる新曲は、7インチ・シングルとして2枚に分けて発売。
 第一弾となる「好きっていう気持ち」は11月11日、第二弾「 ツバメの季節に」は12月2日、ともにzelone recordsからのリリースです。
 なお、今回のアートワークには、坂本慎太郎によるイラストレーションを活版印刷で刷ったジャケットサイズのカードが封入される。


第1弾: 2020年11月11日(水)

好きっていう気持ち / 坂本慎太郎
Side A 好きっていう気持ち (The Feeling Of Love)
Side B おぼろげナイトクラブ (Obscure Nightclub)

Written & Produced by 坂本慎太郎 
Recorded, Mixed & Mastered by 中村宗一郎 @ Peace Music, Tokyo Japan 2020

Vocals, Electric Guitar, Lap Steel, Keyboard & Vocoder: 坂本慎太郎 
Bass & Chorus: AYA
Drums, Percussion & Chorus: 菅沼雄太 
Flute: 西内徹 

●品番: zel-023
●Format: 7inch: 特別価格: ¥1,300+税 (7inch Vinyl) 特別カード(活版印刷)封入 distributed by JET SET


第2弾: 2020年12月2日(水)

ツバメの季節に / 坂本慎太郎

Side A ツバメの季節に (By Swallow Season)
Side B 歴史をいじらないで (Don't Tinker With History)

Written & Produced by 坂本慎太郎 
Recorded, Mixed & Mastered by 中村宗一郎 @ Peace Music, Tokyo Japan 2020

Vocals, Electric & Lap Steel Guitar: 坂本慎太郎 
Bass: AYA
Drums & Percussion: 菅沼雄太 
Soprano Saxophone: 西内徹 

●品番: zel-024
●Format: 7inch: 特別価格: ¥1,300+税 (7inch Vinyl) 特別カード(活版印刷)封入 distributed by JET SET

Isayahh Wuddha - ele-king

 来年はきっと、音楽の風向きが大きく変わる──昨年末、編集後記にそう書いた。そのときはもちろん新型コロナウイルスのことなんて知らなかったし、ミネアポリスでの事件を受けてこんなにも世界各地で抗議や蜂起が頻発することになるなんて想像すらしていなかった。そしてもちろん、イサヤ・ウッダのことだって知らなかった。今年は音楽をとりまく状況にも大きな変化が生じているが、しかしイサヤ・ウッダは、その変わった風向きをこそこれから牽引していくことになるのではないかという、不思議な可能性を強く感じさせる。

 冒頭 “Feel” の最初の10秒を聴くだけでわかるだろう。そもそも出音がちがうのだ。折り重なるチープな電子音と、ラップと歌のあいだをたゆたう脱力気味のヴォーカルは、このアルバム全体を貫く最大の魅力である。「プローンが佐藤伸治にも坂本慎太郎にも変身できるヴォーカリスト兼ギタリストを迎えてファンクに挑んだ作品」とでも形容すればしっくりくるだろうか。どことなくマニー・マークや90年代の〈Ninja Tune〉を思わせる遊び心も感じられる。部分においてレトロではあるが、しかし全体としてはまちがいなく今日の音楽としかいいようのない現代性を携えてもいる。イサヤ・ウッダ、彼はいったい何者なのか?
 2曲目の “Elephant Wave” は本作の顔とも呼ぶべき曲である。分節された「ア・イ・ウ・エ・オ」の発声、絶妙な距離感でちゃかちゃかと鳴りつづけるパーカッション(?)にギターの弦の残響、甘い甘~い主旋律にJBばりのシャウト……ここには宅録インディ・ポップの魅力すべてが詰めこまれている、とまでいってしまうと誉めすぎだろうか。
 ロウファイとはたんに音質が悪いことを指すのではない。ロウファイにはロウファイの聞かせ方がある。たとえばジャイルス・ピーターソンがラジオでプレイしたという “Something In Blue” では、ほかの曲より強めに設定されたキックの音が背後のサーッというノイズに穴をあけるような効果をもたらしている(居眠りしそうになったときにシャーペンでまぶたを刺す感覚に近いというか)。あるいは “Emerald” における打楽器的な声の扱いと、ささやかなダブの快楽。最終曲 “Ever” ではクラシカルふうのギターがほかの曲とは異なる落ち着いたムードを運びこんでいるが、ヴォーカルを茶化すように挿入される電子音がそれをぶち壊してもいる。これら数々の創意工夫に耳を傾けていると、イサヤ・ウッダこそ音響派であると、そう断言したくなってくる。

 これほど充実したサウンドを呈示されると、いったいどんな音楽を聴いて育ってきたのか気になるところだが、沖野修也のラジオに出演した際の本人の発言によれば、2019年の2月にマイケル・ジャクソンの自伝を読み、そのピュアネスとプロ根性に感銘を受け、翌3月にじぶんでも音楽をつくりはじめたのだという。そうしてレコーディングされた音源を昨年7月に〈maquis records〉からカセットテープでリリース、バンドキャンプにもアップロードしていたためロンドンのレーベル〈WotNot〉の目にとまり、このたび再構成&リマスタリングを経て新装リリースされることになったという次第(ちなみに〈WotNot〉はこれまでにK15や、ザ・コメット・イズ・カミングのシャバカ以外のふたりから成るユニット=サッカー96などをリリースしている)。
 同ラジオで「共感できるアーティストは?」と問われたイサヤ・ウッダは、「テーム・インパラの前座をやりたい」「んミィバンドが好き」「京都の本日休演のヴォーカリストとは友だちになった」と答えている。いまいちつかみどころがないが、ある種のサイケデリアや、ポップネスのなかにさりげなく散りばめられた実験性のようなものに惹きつけられるのかもしれない(バンドキャンプの公式情報によれば、かつてはアルバート・アイラーや阿部薫にも影響を受けたそうなのだけれど、その痕跡は少なくともこのアルバムからは聴きとれない。むしろ Can などのほうがピンとくるのだが、そのあたりはどうなんだろう)。
 大阪生まれ、京都在住、将来はポルトガルに住みたいというイサヤ・ウッダ、いまだ謎の多いアーティストではあるが、いずれなにか大きなことを成しとげそうな気配がぷんぷん漂っている。「期待の新人」ということばは、彼のようなアーティストのためにこそ存在しているにちがいない。近いうちにつぎのアルバムも予定されているようなので、楽しみに待っていよう。

LIQUIDROOM - ele-king

 新型コロナウイルスの影響により、現在すべての公演を中止している恵比寿のリキッドルームが、ふたたび訪れるだろういつかの日を願い、「We will meet again」なるプロジェクトを始動させている。その第1弾として企画されたのが、電気グルーヴおよび坂本慎太郎とのコラボを含むTシャツのリリース。幾多のすばらしい夜を演出してきた同会場でふたたび笑いあえる日を夢見て、このプロジェクトをサポートしよう。

◆リキッドのライヴ・レポ一覧
2018年6月13日 Autechre
2018年1月17日 坂本慎太郎
2017年12月9日 DYGL
2016年8月24日 The Birthday × THA BLUE HERB
2013年9月24日 Disclosure / AlunaGeorge
2013年5月1日 Andy Stott
2012年7月25日 電気グルーヴ vs 神聖かまってちゃん
2012年3月25日 トクマルシューゴ
2012年1月24日 Washed Out
2011年9月30日 Alva Noto & Blixa Bargeld
2011年9月22日 Mathew Herbert
2010年12月22日 神聖かまってちゃん
2010年1月9日 七尾旅人
2009年12月30日 ゆらゆら帝国、Hair Stylistics、巨人ゆえにデカイ


電気グルーヴ、坂本慎太郎と LIQUIDROOM によるこの2020年を刻む T-shirts を受注販売!

現在、LIQUIDROOM は世界中の音楽施設と同様に、新型コロナ・ウィルス感染拡大防止の協力のため、全公演の自粛をよぎなくされています。LIQUIDROOM ではこの惨禍が過ぎ去った後に、ふたたびこの場所で最高の音楽をともにする日を願ってプロジェクト〈We will meet again〉をスタートします。まずは LIQUIDROOM とも縁が深く、幾度もの伝説的な夜を作り上げてきたアーティストとメッセージ入りTシャツをリリースします。フジロックの出演も発表され、復活の機運高まる電気グルーヴとの「NO LIQUID, NO DENKI」Tシャツ。そしてリキッドで予定されていたワンマンが延期となってしまった坂本慎太郎との「Let’s Dance Raw」Tシャツ。さらに LIQUIDROOM の「We will meet again」。本日正午より受注販売をスタート、詳しくは公式ウェブサイトにて。

受注販売期間:2020年5月1日(金)12:00 ~ 2020年5月31日(日)22:00
※商品は6月末頃に順次発送を予定しております。

販売種類:

LIQUIDROOM We will meet again T-shirts ¥3,500
LIQUIDROOM We will meet again T-shirts + LRロゴ缶バッチ(designed by 五木田智央)1個 ¥4,000
LIQUIDROOM We will meet again T-shirts + LRロゴ缶バッチ(designed by 五木田智央)2個 ¥4,500


LIQUIDROOM × 電気グルーヴ NO LIQUID,NO DENKI T-shirts ¥3,800
LIQUIDROOM × 電気グルーヴ NO LIQUID,NO DENKI T-shirts + LRロゴ缶バッチ(designed by 五木田智央)1個 ¥4,300
LIQUIDROOM × 電気グルーヴ NO LIQUID,NO DENKI T-shirts + LRロゴ缶バッチ(designed by 五木田智央)2個 ¥4,800


LIQUIDROOM × 坂本慎太郎 Let’s Dance Raw T-shirts ¥3,800
LIQUIDROOM × 坂本慎太郎 Let’s Dance Raw T-shirts + LRロゴ缶バッチ(designed by 五木田智央)1個 ¥4,300
LIQUIDROOM × 坂本慎太郎 Let’s Dance Raw T-shirts + LRロゴ缶バッチ(designed by 五木田智央)2個 ¥4,800

※LRロゴ缶バッチはリキッド公演時にバーカウンターにてドリンクと交換できます。

販売サイト:https://liquidroom.shop-pro.jp

問い合わせ先:LIQUIDROOM 03-5464-0800 https://www.liquidroom.net

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We will meet again
LIQUIDROOM 2020

音楽、そしてライブを愛するすべてのみなさまへ
-再会できる未来のために-

新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、世界中の人々が、いまだかつてない経験を強いられていることと思います。

これまでアーティストたちの表現の場として活用していただいた LIQUIDROOM も深刻な問題に直面し、出口の見えない日々に不安を感じています。

LIQUIDROOM は様々なカルチャーがひしめき合う新宿歌舞伎町でスタートし、恵比寿に移転して以来25年間、たくさんのアーティストの方々、ファンのみなさまと、かけがえのない瞬間・空間・時間を共有させていただきました。これはアーティストやそれを支えるスタッフ、そしてなにより音楽ファンのみなさまと作り上げてきた、一言では語り尽くせないたくさんの思いが込められた場所です。

本来、こんな不安定な状況であれば、LIQUIDROOM は音楽で、みなさまの不安な気持ちを率先して解消させたいところですが現状それもかないません。
しかし、今後、どんな険しい道が待ち受けているのか計りかねませんが、後ろは振り向かないことにいたしました。

すでに温かいお言葉やご支援の声をいただいく機会もありましたが、この惨禍が過ぎ去った後に、ふたたびこの場で最高の音楽とともに分かち合える瞬間を願い、今、みなさまのご協力をお願いしたいです。

アーティストの方々にもご協力をいただき、決して忘れられることができないであろう2020年をライブではなく言葉でTシャツに刻んでいただきました。

いつか笑って、あの時は……なんて話せる日を願って。

LIQUIDROOM

Playlists During This Crisis - ele-king

家聴き用のプレイリストです。いろんな方々にお願いしました。来た順番にアップしていきます。楽しんで下さい。

Ian F. Martin/イアン・F・マーティン

This is a multi-purpose playlist for people stuck at home during a crisis. The first 5 songs should be heard lying down, absorbed in the music’s pure, transcendent beauty. The last 5 songs should be heard dancing around your room in a really stupid way.

Brian Eno / By This River
Nick Drake / Road
Life Without Buildings / The Leanover
Young Marble Giants / Brand - New - Life
Broadcast / Poem Of Dead Song
Holger Czukay / Cool In The Pool
Yazoo / Bad Connection
Lio / Fallait Pas Commencer
Der Plan / Gummitwist
Electric Light Orchestra / Shine A Little Love

野田努

週末だ。ビールだ。癒しと皮肉と願い(冗談、怒り、恐怖も少々)を込めて選曲。少しでも楽しんでもらえたら。問題はこれから先の2〜3週間、たぶんいろんなことが起きると思う。できる限り落ち着いて、とにかく感染に気をつけて。お金がある人は音楽を買おう(たとえば bandcamp は収益をアーティストに還元している)。そして本を読んで賢くなろう。いまのお薦めはナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』。

Ultravox / Just For A Moment
フィッシュマンズ / Weather Report
Talking Heads / Air
Funkadelic / You Can’t Miss What You Can't Measure
New Age Steppers / Fade Away
RCサクセション / うわの空
Horace Andy / Rain From the Sky
Sun Ra / We Travel the Spaceways
Rhythim is Rhythim / Beyond the Dance
Kraftwerk / Tour De France

小林拓音

考えることはいっぱいあるけど、暗くなってしまいそうなのでちょっとだけ。被害は万人に平等には訪れない。割を食うのはいつだって……。問題の根幹は昔からなにも変わってないんだと思う。そこだけ把握しといて、あとは明るく過ごそうじゃないか。

Skip James / Hard Time Killing Floor Blues
The Beatles / Money
Public Enemy / Gotta Give the Peeps What They Need
Drexciya / Living on the Edge
Milanese vs Virus Syndicate / Dead Man Walking V.I.P.
Mark Pritchard / Circle of Fear
Erik Truffaz & Murcof / Chaos
Ata Ebtekar and the Iranian Orchestra for New Music / Broken Silence Cmpd
Psyche / Crackdown
Autechre / Flutter

河村祐介

怒るべきことにはちゃんと怒りましょう。僕らの生活と文化を守るために。そして、リラックスと快楽の自由も。

The Specials / Ghost Twon
Bob Marley / So Much Trouble In the World
Tommy McCook / Midnight Dub
Nightmares on Wax / Mores
7FO / Waver Vapour
石野卓球 / TRIP-O-MATIC
Nehoki / Morgentrack
Kodama And The Dubstation Band / かすかな きぼう
思い出野郎Aチーム / 灯りを分けあおう
Janelle Monáe / Smile

Neil Ollivierra/ニール・オリヴィエラ(The Detroit Escalator Co.)(LA在住)

Absorbing Songs for Armchair Traveling

Robin Guthrie, Harold Budd / How Close Your Soul
Thore Pfeiffer / Alles Wird Gut
Cortex / Troupeau bleu
Milton Nascimento / Tudo O Que Você Podia Ser
The Heliocentrics / A World of Masks
Kodo / Shake - Isuka Mata
Miles Davis / Indigo
Gordon Beck / Going Up
Funkadelic / Maggot Brain
Simply Red / I’m Gonna Lose You

Matthew Chozick/マシュー・チョジック

自己隔離生活にぴったりの癒し曲を集めてみました。コロナ野郎のせいで新しいレコード発表は激減、そんなときこそ古いアルバムを聴き直してみよう。家でパジャマパーティでも開きながら、僕のプレイリストをエンジョイしてくれたら嬉しいな。目に見えないもの同士、ウィルスとの戦いには心を癒す良薬で対抗だ!

Björk / Virus
The Knife / Afraid of You
The Velvet Underground / After Hours
John Lennon / Isolation
Harold Melvin & The Blue Notes / I Miss You
Grouper / Living Room
Beat Happening / Indian Summer
ゆらゆら帝国 / おはようまだやろう
Nico / Afraid
高橋幸宏 / コネクション

細田成嗣

つねにすでにオリジナルなものとしてある声は、しかしながら変幻自在のヴォーカリゼーションや声そのものの音響的革新、あるいは声をもとにしたエクストリームな表現の追求によって、より一層独自の性格を獲得する。見えない脅威に襲われる未曾有の事態に直面しているからこそ、わたしたちは「ひとつの声」を求めるのではなく、さまざまな声を聴き分け、受け入れる耳を養う必要に迫られているのではないだろうか。

Luciano Berio, Cathy Berberian / Sequenza III for voice
Demetrio Stratos / Investigazioni (Diplofonie e triplofonie)
David Moss / Ghosts
Meredith Monk, Katie Geissinger / Volcano Songs: Duets: Lost Wind
Sainkho Namchylak, Jarrod Cagwin / Dance of an Old Spirit
Fredy Studer, Ami Yoshida / Kaiten
Alice Hui Sheng Chang / There She Is, Standing And Walking On Her Own
Senyawa / Pada Siang Hari
Amirtha Kidambi, Elder Ones / Decolonize the Mind
Hiroshi Hasegawa, Kazehito Seki / Tamaki -環- part I

沢井陽子(NY在住)

非常事態が発生し、仕事もない、やることもない、家から出られないときには元気が出る曲を聴きたいけれど、いつもと変わらないヴァイヴをキープしたいものです。

Deerhunter / Nothing Ever Happened
Unknown Mortal Orchestra / Necessary Evil
Thin Lizzy / Showdown
Janko Nilovic / Roses and Revolvers
Courtney Barnett / Can’t Do Much
Big Thief / Masterpiece
Brittany Howard / Stay High
Kaytranada, Badbadnotgood / Weight Off
St Vincent / Cruel
Gal Costa / Lost in the Paradise

デンシノオト

少しでもアートという人の営みに触れることで希望を忘れないために、2018年から2020年までにリリースされた現代音楽、モダンなドローン、アンビエント、電子音響などをまとめた最新型のエクスペリメンタル・ミュージック・プレイリストにしてみました。

James Tenney, Alison Bjorkedal, Ellie Choate, Elizabeth Huston, Catherine Litaker, Amy Shulman, Ruriko Terada, Nicholas Deyoe / 64 Studies for 6 Harps: Study #1
Golem Mecanique / Face A
Werner Dafeldecker / Parallel Darks Part One
Yann Novak / Scalar Field (yellow, blue, yellow, 1.1)
3RENSA (Nyatora, Merzbow, Duenn) / Deep Mix
Beatriz Ferreyra / Echos
Anastassis Philippakopoulos, Melaine Dalibert / piano piece (2018a)
Jasmine Guffond / Degradation Loops #1
Dino Spiluttini / Drugs in Heaven
Ernest Hood / At The Store

Paolo Parisi/パオロ・パリージ(ローマ在住)

Bauhaus / Dark Entries
Sonic Youth / The End of the End of the Ugly
Mission of Burma / That’s How I Escaped My Certain Fate
Wipers / Return of the Rat
Pylon / Feast on my Heart
Gun Club / Sex Beat
The Jim Carroll Band / It’s Too Late
Television / Friction
Patti Smith / Kimberly
The Modern Lovers / Hospital

末次亘(C.E)

CS + Kreme / Saint
Kashif, Meli’sa Morgan / Love Changes (with Meli’sa Morgan)
Tenor Saw / Run From Progress
Phil Pratt All Stars / Evilest Thing Version
坂本龍一 / PARADISE LOST
Beatrice Dillon / Workaround Three
Joy Orbison, Mansur Brown / YI She’s Away
Burnt Friedman, Jaki Liebezeit / Mikrokasper
Aleksi Perälä / UK74R1721478
Steve Reich, Pat Metheny / Electric Counterpoint: II. Slow

木津毅

If I could see all my friends tonight (Live Recordings)

ライヴハウスがスケープゴートにされて、保障の確約もないまま「自粛」を求められるいま、オーディエンスの喜びに満ちたライヴが恋しいです。というわけで、ライヴ音源からセレクトしました。来日公演は軒並みキャンセルになりましたが、また、素晴らしい音楽が分かち合われるライヴに集まれることを願って。

Bon Iver / Woods - Live from Pitchfork Paris Presented by La Blogothèque, Nov 3 2018
James Blake / Wilhelm Scream - Live At Pitchfork, France / 2012
Sufjan Stevens / Fourth of July - Live
Iron & Wine / Sodom, South Georgia
Wilco / Jesus, Etc.
The National / Slow Show (Live in Brussels)
Jaga Jazzist / Oslo Skyline - Live
The Streets / Weak Become Heroes - One Live in Nottingham, 31-10-02
LCD Soundsystem / All My Friends - live at madison square garden
Bruce Springsteen / We Shall Overcome - Live at the Point Theatre, Dublin, Ireland - November 2006

髙橋勇人(ロンドン在住)

3月25日、Spotify は「COVID-19 MUSIC RELIEF」という、ストリーミング・サービスのユーザーに特定の音楽団体への募金を募るキャンペーンを始めている。

スポティファイ・テクノロジー社から直接ドネーションするわけじゃないんかーい、という感じもするのが正直なところだし、その募金が渡る団体が欧米のものにいまのとこは限定されているのも、日本側にはイマイチに映るだろう。現在、同社はアーティストがファンから直接ドネーションを募れるシステムなどを構築しているらしいので、大手ストリーミング・サービスの一挙手一投足に注目、というか、ちゃんとインディペンデントでも活動しているアーティストにも支援がいくように我々は監視しなければいけない。

最近、Bandcamp では、いくつかのレーベルが売り上げを直接アーティストに送ることを発表している。そういう動きもあるので、この企画の話をいただいたとき(24日)、スポティファイが具体的な動きを見せていないので、やっぱり Bandcamp ともリンクさせなければと思った。ここに載せたアーティストは、比較的インディペンデントな活動を行なっている者たちである。このプレイリストを入り口に、気に入ったものは実際にデータで買ってみたり、その活動をチェックしてみてほしい。

ちなみに、「こんなときに聴きたい」という点もちゃんと意識している。僕はロックダウンにあるロンドンの部屋でこれを書いている。これらの楽曲は人生に色彩があることを思い出させてくれる楽曲たちだ。さっきこれを聴きながら走ってきたけど(友達に誘われたらNOだが、最低限の運動のための外出はOKだと総理大臣閣下も言っていたしな)、最高に気持ちよかった。

object blue / FUCK THE STASIS
Prettybwoy / Second Highball
Dan-Ce / Heyvalva Heyvalva Hey
Yamaneko / Fall Control
Tasho Ishii / Satoshi Nakamoto
Dayzero / Saruin Stage
Chino Amobi / The Floating World Pt.1
Brother May / Can Do It
Elvin Brandhi / Reap Solace
Loraine James / Sensual

松村正人

MirageRadioMix

音楽がつくりだした別天地が現実の世界に浸食されるも、楽曲が抵抗するというようなヴィジョンです。Spotify 限定で10曲というのはたいへんでしたが、マジメに選びました。いいたいことはいっぱいありますがひとまず。

忌野清志郎 / ウィルス
Björk / Virus
Oneohtrix Point Never / Warning
憂歌団 / 胸が痛い
The Residents / The Ultimate Disaster
The Doors / People Are Strange
キリンジ / 善人の反省
坂本慎太郎 / 死にませんが?
Can / Future Days - Edit
相対性理論 / わたしは人類(Live)

三田格

こんなときは Alva Noto + Ryuichi Sakamoto 『Virus Series Collectors Box』(全36曲!)を聴くのがいいんじゃないでしょうか。ローレル・ヘイローのデビュー・アルバム『Quarantine(=伝染病予防のための隔離施設)』(12)とかね。つーか、普段からあんまり人に会わないし、外食もしないし、外から帰ったら洗顔やうがいをしないと気持ち悪い性格なので、とくに変わりないというか、なんというかコロナ素通りです。だから、いつも通り新曲を聴いているだけなので、最近、気に入ってるものから上位10曲を(A-Reece の “Selfish Exp 2” がめっちゃ気に入ってるんだけど Spotify にはないみたいなので→https://soundcloud.com/user-868526411/a-reece-selfish-exp-2-mp3-1)。

Girl Ray / Takes Time (feat. PSwuave)
Natz Efx Msaki / Urban Child (Enoo Nepa Remix)
DJ Tears PLK / West Africa
Afrourbanplugg / General Ra (feat. Prettyboy)
SassyBlack / I Can’t Wait (feat. Casey Benjamin)
Najwa / Más Arriba
Owami Umsindo / eMandulo
Cristian Vogel & Elektro Guzzi / Plenkei
Oval / Pushhh
D.Smoke / Season Pass

AbuQadim Haqq/アブカディム・ハック(デトロイト在住)

These are some of my favorite songs of all time! Reflections of life of an artist from Detroit.
Thanks for letting me share my favorite music with you! Stay safe and healthy in these troubling times!

Rhythim is Rhythim / Icon
Underground Resistance / Analog Assassin
Public Enemy / Night of the Living Baseheads
Orlando Voorn / Treshold
Drexciya / Hydrocubes
Oddisee / Strength & Weakness
Iron Maiden / Run To The Hills
The Martian / Skypainter
Gustav Holst / Mars: Bringer of War
Rick Wade / First Darkness

Sk8thing aka DJ Spitfi_(C.E)

10_Spotify's_for_Social _Distancies_!!!!List by Sk8thing aka DJ DJ Spitfi

Francis Seyrig / The Dansant
Brian Eno / Slow Water
The Sorrow / Darkness
Owen Pallett / The Great Elsewhere
DRAB MAJESTY / 39 By Design
Our Girl / In My Head
Subway / Thick Pigeon
Einstürzende Neubauten / Youme & Meyou
Fat White Family / I Believe In Something Better
New Order / ICB

矢野利裕

人と会えず、話もできず、みんなで食事をすることもできず……という日々はつらく寂しいものです。落ち着きのない僕はなにをしたらいいでしょうか。うんざりするような毎日を前向きに乗り越えていくために、少なくとも僕には音楽が大事かもしれません。現実からの逃避でもなく現実の反映でもない、次なる現実を呼び寄せるものとしての音楽。そのいちばん先鋭的な部分は、笑いのともなう新奇な音楽(ノヴェルティソング)によって担われてきました。志村けんのシャウトが次なる現実を呼び寄せる。元気でやってるのかい!?

ザ・ドリフターズ / ドリフのバイのバイのバイ
雪村いずみ / チャチャチャはいかが
ザ・クールス / ラストダンスはCha・Chaで
セニョール・ココナッツ・アンド・ヒズ・オーケストラ / YELLOW MAGIC (Tong-Poo)
Negicco / カリプソ娘に花束を
スチャダラパー / レッツロックオン
4×4=16 / TOKISOBA Breakbeats
イルリメ / 元気でやってるのかい?
マキタスポーツ / Oh, ジーザス
水中、それは苦しい / マジで恋する五億年前

Sinta(Double Clapperz)

大変な時ですが、少しでも肩の力抜けたらいいなと思い選曲しました。

徳利 / きらめく
gummyboy / HONE [Mony Horse remix]
Burna Boy / Odogwu
Stormzy / Own It [Toddla T Remix feat. Burna Boy & Stylo G]
J Hus / Repeat (feat. Koffee)
LV / Walk It / Face of God
Free Nationals, Chronixx / Eternal Light
Pa Salieu / Frontline
Frenetik / La matrice
Fory Five / PE$O

Midori Aoyama

タイトルに色々かけようと思ったんですがなんかしっくりこなかったので、下記10曲選びました。よく僕のDJを聴いてくれている人はわかるかも? Party の最後でよくかける「蛍の光」的なセレクション。1曲目以外は特にメッセージはないです。単純にいい曲だと思うので、テレワークのお供に。
ちなみに最近仕事しながら聴いているのは、吉直堂の「雨の音」。宇宙飛行士は閉鎖されたスペースシャトルの中で自然の音を聴くらしい。地球に住めないのであればやっぱり宇宙に行くしかないのだろうか。

Marvin Gaye / What’s Going On
The Elder Statesman / Montreux Sunrise
12 Senses / Movement
Culross Close / Requiem + Reflections
Children Of Zeus / Hard Work
Neue Grafik Ensemble feat. Allysha Joy / Hotel Laplace
Aldorande / Sous La Lune
Michael Wycoff / Looking Up To You
Stevie Wonder / Ribbon In The Sky
Djavan / Samurai

高島鈴

コロナ禍のもとで生じている問題はひとつではないから、「こういう音楽を聞くといい」と一律に提言するのはすごく難しい。危機を真面目に受け止めながらどうにか生存をやっていくこと、危機を拡大させている政治家の振る舞いにきちんと怒ること、今私が意識できるのはこれぐらいである。みなさん、どうぞご無事で。

Kamui / Aida
Moment Joon / TENO HIRA
Garoad / Every Day Is Night
Awich / 洗脳 feat. DOGMA & 鎮座DOPENESS
Jvcki Wai / Anarchy
田島ハルコ / holy♡computer
Rinbjö / 戒厳令 feat. 菊地一谷
田我流 / Broiler
ASIAN KUNG-FU GENERATION / 夜を越えて
NORIKIYO / 神様ダイヤル

Mars89

一曲目はゾンビ映画サンプリングの僕の曲で “Run to Mall” って曲だけど、今は Don’t Run to Mall です。
それ以外は僕がお気に入りでずっと聞いてる曲たちです。部屋で悶々と行き場のない感情を抱えながら精神世界と自室の間を綱渡りで行き来するような感じの曲を選んでみました。

Mars89 / Run to Mall
Tim Hecker / Step away from Konoyo
Burial / Nightmarket
Raime / Passed over Trail
KWC 92 / Night Drive
Phew / Antenna
The Space Lady / Domae, Libra Nos / Showdown
Tropic of Cancer / Be Brave
Throbbing Gristle / Spirits Flying
Paysage D’Hiver / Welt Australia Eis

大前至

桜が満開な中、大雪が降りしきる、何とも不思議な天気の日曜日に、改めて自分が好きな音楽というものに向き合いながら選曲。今自分がいる東京もギリギリの状態ですが、昔住んでいたLAはすでにかなり深刻な状態で、そんな現状を憂いながら、LA関連のアーティスト限定でリラックス&少しでも気分が上がるような曲でプレイリストを組んでみました。

Illa J / Timeless
Sa-Ra Creative Partners / Rosebuds
NxWorries / Get Bigger / Do U Luv
Blu & Exile / Simply Amazin’ (steel blazin’)
Oh No / I Can’t Help Myself (feat. Stacy Epps)
Visionaries / If You Can’t Say Love
Dudley Perkins / Flowers
Jurassic 5 / Hey
Quasimoto / Jazz Cats Pt. 1
Dâm-Funk / 4 My Homies (feat. Steve Arrington)

天野龍太郎

「ウイルスは生物でもなく、非生物とも言い切れない。両方の性質を持っている特殊なものだ。人間はウイルスに対して、とても弱い。あと、『悪性新生物』とも呼ばれる癌は、生物に寄生して、防ぎようがない方法で増殖や転移をしていく。今は人間がこの地球の支配者かもしれないけれど、数百年後の未来では、ウイルスと癌細胞が支配しているかもね」。
氷が解けていく音が聞こえていた2019年。まったく異なる危機が一瞬でこの世界を覆った2020年。危機によってあきらかになるのは、システム、社会、政治における綻びや破綻、そこにぽっかりと大きく口を開いた穴だ。為政者の間抜けさも、本当によくわかる。危機はテストケースであり、愚かさとあやまちへの劇的な特効薬でもありうる。
ソーシャル・ディスタンシング・レイヴ。クラブ・クウォランティン。逃避的な音楽と共に、ステイ・ホーム、ステイ・セイフ・アンド・ステイ・ウォーク。

Kelly Lee Owens / Melt!
Beatrice Dillon / Clouds Strum
Four Tet / Baby
Caribou / Never Come Back
Octo Octa / Can You See Me?
tofubeats / SOMEBODY TORE MY P
Against All Logic / Deeeeeeefers
JPEGMAFIA / COVERED IN MONEY!
MIYACHI / MASK ON
Mura Masa & Clairo / I Don’t Think I Can Do This Again

James Hadfield/ジェイムズ・ハッドフィールド

Splendid Isolation

皆どんどん独りぼっちになりつつある事態で、ただ独りで創作された曲、孤立して生まれた曲を選曲してみました。

Alvin Lucier / I Am Sitting in a Room
Phew / Just a Familiar Face
Massimo Toniutti / Canti a forbice
Ruedi Häusermann / Vier Brüder Auf Der Bank
Wacław Zimpel / Lines
Kevin Drumm / Shut In - Part One
Mark Hollis / Inside Looking Out
Magical Power Mako / Look Up The Sky
Arthur Russell / Answers Me
Mike Oldfield / Hergest Ridge Part Two

小川充

都市封鎖や医療崩壊へと繋がりかねない今の危機的な状況下で、果たして音楽がどれほどの力を持つのか。正常な生活や仕事はもちろん、命や健康が損なわれる人もいる中で、今までのように音楽を聴いたり楽しむ余裕があるのか、などいろいろ考えます。かつての3・11のときもそうでしたが、まず音楽ができることを過信することなくストレートに考え、微力ながらも明日を生きる希望を繋ぐことに貢献できればと思い選曲しました。

McCoy Tyner / For Tomorrow
Pharoah Sanders / Love Is Everywhere
The Diddys feat. Paige Douglas / Intergalactic Love Song
The Isley Brothers / Work To Do
Kamasi Washington / Testify
Philip Bailey feat. Bilal / We’re Winner
Brief Encounter / Human
Boz Scaggs / Love Me Tomorrow
Al Green / Let’s Stay Together
Robert Wyatt / At Last I Am Free

野田努(2回目)

飲食店を営む家と歓楽街で生まれ育った人間として、いまの状況はいたたまれない。働いている人たちの胸中を察するには余りある。自分がただひとりの庶民でしかない、とあらためて思う。なんも特別な人間でもない、ただひとりの庶民でいたい。居酒屋が大好きだし、行きつけの飲食店に行って、がんばろうぜと意味も根拠もなく言ってあげたい。ここ数日は、『ポバティー・サファリ』に書かれていたことを思い返しています。

Blondie / Dreaming
タイマーズ / 偽善者
Sleaford Mods / Air Conditioning
The Specials / Do Nothing
The Clash / Should I Stay or Should I Go
Penetration / Life’s A Gamble
Joy Division / Transmission
Television / Elevation
Patti Simth / Free Money
Sham 69 / If the Kids Are United

Jazzと喫茶 はやし(下北沢)

コロナが生んだ問題が山積して心が病みそうになる。が、時間はある。
音楽と知恵と工夫で心を豊かに、この難局を乗り切りましょう!(4/6)

Ray Brayant / Gotta Travel On
Gil Scott Heron / Winter In America
Robert Hood / Minus
Choice / Acid Eiffel
Armando / Land Of Confusion
Jay Dee / Fuck The Police
Liquid Liquid / Rubbermiro
Count Ossie & The Mystic Revelation Of Rastafari / So Long
Bengt Berger, Don Cherry / Funerral Dance
民謡クルセイダーズ / 炭坑節

中村義響

No winter lasts forever; no spring skips it’s turn.

Ducktails / Olympic Air
Johnny Martian / Punchbowl
Later Nader / Mellow Mario
April March / Garden Of April
Vampire Weekend / Spring Snow
Brigt / Tenderly
W.A.L.A / Sacrum Test (feat. Salami Rose Joe Louis)
Standing On The Corner / Vomets
Babybird / Lemonade Baby
Blossom Dearie / They Say It’s Spring

野田努(3回目)

Jリーグのない週末になれつつある。夕暮れどきの、窓の外を眺めながら悦にいる感覚のシューゲイズ半分のプレイリスト。

Mazzy Star / Blue Light
The Jesus & Mary Chain / These Days
Animal Collective / The Softest Voice
Tiny Vipers / Eyes Like Ours
Beach House / Walk In The Park
Hope Sandoval & The Warm Inventions / On The Low
Devendra Banhart / Now That I Know
Scritti Politti / Skank Bloc Bologna
Yves Tumor / Limerence
Lou Reed / Coney Island Baby

ALEX FROM TOKYO(Tokyo Black Star, world famous)

この不安定な時代に、ラジオ番組のように Spotify で楽しめる、「今を生きる」気持ち良い、元気付けられる&考えさてくれるポジティヴでメッセージも響いてくる温かいオールジャンル選曲プレイリストになります。自分たちを見つめ直す時期です。海外から見た日本の状況がやはりとても心配になります。みなさんの健康と安全を願ってます。そしてこれからも一緒に好きな音楽と良い音を楽しみ続けましょう。Rest In Peace Manu Dibango & Bill Withers!(4/7)

Susumu Yokota / Saku
Manu Dibango / Tek Time
Final Frontier / The warning
Itadi / Watch your life
Rhythim Is Rhythim / Strings of Life
Howlin’ Wolf / Smokestack Lightin’
Massive Attack / Protection
Depeche Mode / Enjoy the Silence
Tokyo Black Star / Blade Dancer
Bill Withers / Lean on me (Live from Carnegie Hall)

Kevin Martin(The Bug)

(4/9)

The Necks / Sex
Rhythm & Sound / Roll Off
Miles Davis / In A Silent Way / It’s About That Time
William Basinski / DLP3
Thomas Koner / Daikan
Talk Talk / Myrrhman
Nick Cave + Bad Seeds / Avalanche
Jacob Miller / Ghetto on fire
Marvin Gaye / Inner City Blues
Erykah Badu / The Healer


増村和彦

最近は、「音楽やサウンドに呼吸をさせて、ゆがみや欠陥の余地を残して流していくんだ」というローレル・ヘイローの言葉が妙に響いて、その意味を考えるともなく考えながら音楽を聴いている。いまは、できるだけ雑食で、できるだけ聴いたことがなくて、直感で信頼できる音楽を欲しているのかもしれない。人に会わないことに慣れているはずのぼくのような人間でも、あんまり会わないと卑屈になってくるので、冷静にしてくれる音楽を聴きたくなります。(5/15)

Laurel Halo / Raw Silk Uncut Wood
Alex Albrecht pres.Melquiades / Lanterns Pt1 & Pt2
Minwhee Lee / Borrowed Tongue
Moritz von Oswald & Ordo Sakhna / Draught
Grouper / Cleaning
Moons / Dreaming Fully Awake
"Blue" Gene Tyranny / Next Time Might Be Your Time
Sun Ra / Nuclear War
Tony Allen With Africa 70’ / Jealousy
Tom Zé / Hein?

interview with You Ishihara - ele-king

 石原洋の23年ぶりのソロ・アルバムは、一か八かの思い切った作品だ。聴けたもんじゃねーと思う人もいるだろうし、稀に見る最高作だという人もいるだろう。これをやれば受けるだろーとか、こういうことを言えば評価されるだろーとか、媚びたところはまるでない、いかなるトレンドともまったく無縁な、いまどきなんとも大胆な作品である。
 石原洋はアルバムにおいて、街の雑踏における音を蒐集し、生演奏によるロックの曲にミックスする。がやがやした雑踏の向こうから聞こえるロック・バンドの演奏──などと書くと詩情も覚えそうだが、ここで聞こえるノイズは、子供から大人までの生々しいクソ日常的な声、笑い声、奇声、ボソボソ声、あるいははっきり言葉が聞き取れる声であったり、電車のホームのアナウンスであったり、ロマンティックな要素の欠片もない。しかも、作品においてはこれら耳障りな声やノイズのほうがバンドの演奏よりも前景化されている。が、しかしこの“音楽”にはある種の快楽性もある……かもしれない。
 まあ、音楽における快楽とは普遍的ではないのだ。それはその人の世界の見方に関わっている。つまり本作『formula』には、不可避的に石原の世界観が投射されている。思いきり、まるで容赦なく。

 石原洋は、ゆらゆら帝国のプロデューサーとして広く知られている人物であり、オウガ・ユー・アスホールの『Homely』から『ペーパークラフト』までのアルバムのプロデューサーである。偏ってはいるが、音楽リスナーとしての造詣も深い人物で、アーティストたちからも一目置かれた存在だ。
 また、彼がかつてやっていたホワイト・ヘヴンやスターズといったバンドのアンダーグラウンドにおける名声は、その筋のマニアから聞いてもいる。それはまあ、ぼくなりの印象をもってわかりやすく言えばスペースメン3のようなバンドで(異論は認めます)、慣習に従えばサイケデリック・ロックと括られる。厭世的で、いわば精神的シェルターのような音楽だ。が、石原洋の『formula』は、あたかもそうした“ありがちな体験”を反転させているかのようだ。
 たとえば君はスペースメン3を聴いている。そのサイケデリック・サウンドへの没頭をはばむかのように、鳴り止まぬことのない生々しい猥雑な日常音が鼓膜を覆う。それは君の「スペースメン3の白昼夢に耽溺したい」という欲望を踏みにじるかもしれないが、実は、いままで覚えたことのない〝気づき〟をうながすことにもなる。
 これはエクスペリエンス=体験である。以下のインタヴューが、この風変わりな作品を理解する一助になればさいわいだ。石原洋はじつに親切に、作品についていろいろ話してくれた。あとは各自勝手に妄想すること。

〝遠さ〟というものをずっと考えていてね。自分とそれ以外との距離感というか。昔はアナログ時代の音の悪いブートレグとかあったじゃないですか。会場で録ったような。はるか遠くのほうで演奏をしているのをマイク1本で録っているような。近くの客の声のほうがでかく入っている。そういう感じがいいなと当時からなぜか思っていたんです。

まずは今回のソロ・アルバムを作った経緯を教えてください。

石原:何年も何もやっていなくて。やりたい方法が見つからないというか、どんなやり方をすればいいのかというのをずっと考えていたんですよね。

作りたいという気持ちはつねにあったんですね。

石原:どこかにはあったと思います。このやり方だったらできるかもしれないというのが思い付いたのが2年前。そこから動き出したという感じですかね。ただ、最初に思いついた時点でこの完成形は頭のなかにあったので。

いちどバンドで録音した音源に雑踏の音を加えていく。

石原:そうです。雑踏というイメージも最初にあった。それと実際の演奏をどういうふうに混ぜ合わせてどういうバランスでミックスしていくかというのが難しいことでした。
基本的に〝遠さ〟というものをずっと考えていてね。自分とそれ以外との距離感というか。昔はアナログ時代の音の悪いブートレグとかあったじゃないですか。会場で録ったような。音の良いやつもあるけど、すごいひどいものになるとはるか遠くのほうで演奏をしているのをマイク1本で録っているような。近くの客の声のほうがでかく入っている。そういう感じがいいなと当時からなぜか思っていたんです。ヴェルヴェットの音が悪いやつとか、ルー・リードの音が遠いやつとかありますよね。

なんでなんでしょう?

石原:それは……なぜかはよくわからない(笑)。もともとこれだと言って、バコンッと目の前に提示するやり方が苦手だったんじゃないかと思います。アーティストにしてもミュージシャンにしても、みんな「これが」「俺が」って言って出すじゃないですか、「俺を見ろ」という感じで。もともとそれが苦手だったんです。「表現」なので当たり前のことなんですが、それが強すぎるのが苦手だったんです。

それは自己矛盾ですよね。

石原:そうですね。でも凸型の表現が昔から苦手でした。もちろんいいものとか好きなものはいっぱいあったけど。

その〝遠さ〟には、いろんな表現の仕方があるのかもしれないですね。人のざわめきのなかに埋もれてしまうことというのは重要だったんですか?

石原:すごく重要でしたね。雑踏とかざわめきを僕はデータみたいなものだと思っているんです。インフォメーション。たとえばそこを歩いている人と一生会うこともないわけじゃないですか。みんなスマホをやりながら歩いていたりで、見えはしないけれど、そこに会話とかサブリミナルな情報とか、BGM、Wi-Fi、電波とかものすごい量のデータがひしめき合っている。そのなかに埋没しかかっているんだけど、まだ完全には埋没していない音楽という。
ある意味コンセプチュアル・アートという捉え方もできると思うんです。ジャケも含めて。でもコンセプチュアルではあるけれど、アートだとは思ってないですね。だから本当に日常。日常を切り取ったものという感じ。
これは感覚として10代の頃からあったなと自分で認識しています。なので、急に思いついて「これいいんじゃない?」みたいな感じで作ったわけではなくて、たぶん10代の頃からこの感じがずっとあったんだなというか。ただずっとそのやり方がわからなかった。

それはある種の陶酔感ですか? サウンドに陶酔するような。快楽というか。

石原:自分にとっては快楽的だと思います。

ホワイト・ヘヴンやスターズといったバンドではそれをやってこなかった。なぜですか?

石原:バンドというものへの幻想はがすごくあったんだと思います。ひとつの思惑を持って集まってきた人たちで、何かを作れるというような。あの時点ではああいうやり方しかできなかったといえば正しいのかわからないけれど、それがギリギリできることだったのかなと思います。

石原さんの感覚にもっとも近い既存の作品は何かありますか? 

石原:ひとつの切り取り方として、リュック・フェラーリの“ほとんど何もない”とか、ジャン=クロード・エロワという現代音楽の作曲家の作品とか。でも、これらはあくまでも現代音楽のアプローチであって。僕はどうしてもロックの属性からは逃れられない。聴いてみていいなと思うけれど、それらと同じような方法論でやろうとは思わない。だから、自分のやり方でやるしかなかったんです。

石原さんがそこまでロックにこだわるのは何故でしょうか?

石原:それはけっこうみんなに言われますね(笑)。ここまで何十年も音楽をずっと聴いていたら普通違うジャンルとかいろんなものにいくでしょという話は聞きますね。実際に聴いてないわけではないです。興味があって、ジャズとかクラシックとかそれこそクラブ系とかね……インダストリアルも好きでしたね。ただ、どんな聴き方をするかというと、それと自分の考えるロックとの接点という聴き方をしちゃうんですよね。たとえばフリー・ジャズとロックとの接点。クラブ・ミュージックとロックとの接点みたいな。

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これは感覚として10代の頃からあったなと自分で認識しています。なので、急に思いついて「これいいんじゃない?」みたいな感じで作ったわけではなくて、たぶん10代の頃からこの感じがずっとあったんだなというか。ただずっとそのやり方がわからなかった。

モダーンミュージックで働かれていたのは何年から何年頃までですか?

石原:80年代後半、86とか87とかじゃないですかね。それから90年代。それまではお客さんでしたね。行き出したのは20代前半。店でバイトをしはじめたのは20代後半でした。

レコードを好きになったのは何歳くらいのとき?

石原:洋楽ですけど、中1ですね。最初は深夜放送ですよね。上の世代と同じで、洋楽のヒット曲とか。それでT・レックスを聴いて。聴いたことがない音楽だったのでね。その頃は“Easy Action”かな。すごいじゃないですか(笑)。すごい曲があるなと思って。そこから洋楽、ロックを聴くようになった。それが73年くらいですかね。
当時でも洋楽を聴いている友だちってクラスに何人かはいますよね。中1のとき、ものすごいマニアックに聴いているクラスメートがいて、「何聴いているの?」と訊かれたから、「T・レックス」とかって。「帰りに俺んちこい」って言われて。行ったら、他にもうひとり友だちが来ていて、そこで聴いたことがないような音楽が流れていたんです。それがキング・クリムゾンでした(笑)。
「こういうのもロックなの?」って聞いたら、「これがロックだ」って言われて(笑)。その友人ふたりがすごくマニアだったので、プログレ、ジャーマンロックとか聴きましたね。で、毎日帰りにレコード屋に行って、「これがいいよ」とか「あれがいいよ」とかやって、彼らから教わりましたね。高知だったのでそういうマニアックな少年たちはめずらしかったと思います。

当時はレコード屋さんが日本全国どんな地方都市にもありましたからね。

石原:東京で生まれたんですけど、親の転勤で大阪に引っ越しになって、小学校のときに高知に引っ越したんです。高知で中高を過ごして、中高のときはその友人たちに影響を受けて、日本で出ていない輸入盤を買ったり、よりマニアックに聴くようになってしまったという感じです。

石原さんにとってプログレは大きいですよね。

石原:大きいと思いますね。リスナー体験としてはね。ハード・ロックよりは大きい。結局僕もプログレからドイツのロックを聴き出して、でも高校生になった頃だんだんドイツのロックがどれも同じに感じてきて、聴いてはいたけどいまひとつ違和感があったときにパンクがきた。ジャーマン・ロックとパンクとニューウェイヴの一部が10代の頃の僕にとってはいちばん大きかったと思います。1977年に『ホテル・カリフォルニア』にいった人とピストルズにいった人で残りの人生が違うという説もありますよね(笑)。

その頃には音楽どっぷりの生活を?

石原:ほぼそれしかないという感じですね。ただ、バンドを自分でやることに当時は興味がなかった。いまでいえばポスト・パンク──当時はそういう言葉はなかったんですけど──ポストパンクが出てきて、「これはもしかしたら誰がやってもいいんじゃないか」とは思いました。あのスピード感がおもしろかったですね。半年前に「これがいまいちばんすごい」って言われていたものが、半年したら「まだそんなの聴いているの?」って言われる感じになっていく速さ。あの頃に10代後半を過ごしたのはすごい影響あった。
 大学でこっちに来て、でも大学にはそんなに行かずにひたすら渋谷でレコードと本を買って。その時代って日本盤が出るのがすごく遅かったり、ほぼ出なかったり。情報だけは入ってきたけど聴けなかったので、大学というよりも、東京にレコードを買いにきたようなもんですよ(笑)。
 住んでいたのが横浜なので、東横線で渋谷にきて、渋谷をまわって大盛堂とかで本を買って、かかえて帰って、朝まで聴いて、昼寝るという暮らしをしていました。ほとんど大学にはいかず(笑)。友だちもひとりもいませんから。大学にも行ってないし、引きこもりですよね。
 そうやって誰かと情報交換もせず感想も言い合うこともなく、ひとりでひたすら聴く行為によって、けっこうオブセッションみたいなものが育まれる。「これはなんだ?」と思って自問自答しながら聴いて、自分のなかで腑に落ちるところをみつけて……そんなふうに人の助けを借りずに、それが何かというのを考えていく作業はすごく重要だったし、重要な時期だったなと思います。
でも当時、もしいまみたいなシステムがあったとしたらあのときほど驚かなかったでしょうね。たとえば雑誌でスロッビング・グリッスルのすごいのが出たって見かけて、YouTubeで聴いて「はぁなるほど」で終わっていたら、こんなことはなかったかもしれない。

当時、石原さんご自身の将来のことは考えていました?

石原:まったく考えてなかったです。何になりたいとかどうやって食っていこうとか、そういうことは考えたことがなかったですね。お金がなくなるとレコードが買えないなとか、頭の片隅にはありましたけど。食いもんとかどういでもよくなるくらい、そっちに必死で。

最初に働いたのがモダーンミュージックだったんですか?

石原;ちょこちょこしたバイトはやりましたけど、長期でやるということはなかったですね。ある日いきなり生悦住さんに「買い付けにいかない?」と言われて。単なる客なのに。「普通客に頼まないよな」と思ったんですけどね(笑)。
知識があったから何かいいものを買ってくると思ったのかな。それで行って帰ってきたら、「前のバイトがやめたので、ひと月でいいからバイトしない?」と言われて。

それはおいくつのときだたんですか?

石原:26かな。もうそのときには東京に引っ越して。働きはじめて、その前からバンドの真似事はやっていました。

もうホワイト・ヘヴンははじまってますね?

石原:はじまってましたね。同じ世代の友だちとけっこう何かの縁でばったり、80年代半ばに会って。暇だしバンドやるかみたいな感じ。NYパンクとかが好きなので、そういうのをやらないかという話で。ノイズ、アヴァンギャルド的な音楽も好きでしたけど、それを僕があらためてやってもしょうがないみたいな感じはありました。

いわゆるサイケデリック・ロックによく分類されますけど、追求されたんですか?

石原:83年か84年くらいまで、ぼくはずっと最新の音楽をずっと聴いていたんですよ。83年か84年にロックからほとんど「これは!」と思うものが出てこなくなった。「もう聴くものないな」と思って、何を聴けばいいのかと思っていました。そこで聴いていなかったものを聴こうと思って。そういやサイケデリックってあったけど、聴いたことがなかいから聴いてみたいなと思って、聴きだしたのが最初です。『ポストパンク・ジェネレーション』という本を読んだら、まったく同じことが書いてあってびっくりしましたね。83年84年で新譜を聴くのをやめて、いままで聴こうとも思わなかったバーズやラヴを聴いて、それを良いと思う自分がいましたね。そこからは一直線にもっとマイナーなサイケ、ガレージに。個々のバンドが、というよりそれが総体としてどういうものだったのかを知りたかった。

それがホワイト・ヘブンに繋がっていくわけですね。

石原:その頃何を考えていたかといま思い出すと、すごく難しいこと。演奏の速さみたいなことはずっと考えていました。具体的な速さではなくて、意識の速さ、自分の演奏しているときの意識の速さと、演奏している肉体とのズレみたいな。そういうことを意識しながらやったりしていました。それが一足飛びに言うと今回のことにつながるんです。雑踏をミックスしている最中に雑踏の、というかデータの集積が持っているスピード感、速さというのがただごとじゃないということをプレイバックしていてわかって。意識してないのに、データとしてのものすごい速度というのがあって、これは普通に音楽をのせても絶対はじかれるなという速さだったんですよね。そう考えるとそれはずっとテーマにあるかもしれないです。

楽器はけっこう練習されたんですか?

石原:本当に嫌ですね……(笑)。楽器は嫌ですね。友だちもみんな知っていますけど、持つのも嫌なので、練習がまず本当に嫌いなんです。高校のときにギターを買ったことがあって、ロックとか聴いていたし、ギターを買ったらすぐに弾けるんだろうなと思っていて、やってみたら全然弾けないじゃないですか。まぁ当たり前ですけど(笑)。2、3日やったんですけど、めんどくさくてすぐやめちゃって。それからもうやらなくなって。一応曲は作りたいので、曲を作るときに何か楽器がいるなと思い、それでまたギターを。ただ握り方とか、AとかCとかDマイナーとかそういうのがいまだに僕はわからないです。こうこうこうってスタジオのメンバーに押さえ方を見せて。みんなが集まってきて、「これなんとかマイナーセブンですね」とか言って(笑)。それで練習に入る。

坂本慎太郎氏とはどういうふうに知り合うんですか?

石原:最初はモダーンのお客さんですね。そのときは親しくはなかったです。ゆらゆら帝国とホワイト・ヘブンの対バン。一緒にやりませんかと誘われて。でもいまみたいな関係ではないです。2バンドでライヴをやりましょうということで誘われて。それが何年か続きましたね。クロコダイルとかが多かったですね。
まだゆら帝がインディーの時代なので、恰好もすごかった時代ですね。上半身裸とか、髪型もすごい髪型で。おどろおどろしくやっていたんだけど、実際に会ってみると普通に良識のある人だったので、その流れでプロデュースという話になったんですよね。

プロデュースははじめて?

石原:そのときははじめてですね。坂本くんがこういう感じにしたいと言っても当時普通のエンジニアってわからないじゃないですかと。CANみたいな感じにしたいと思ってもカンを知らないし、ミニマルとかジャーマン・ロックとか言ってもわからないし。ガレージのこういう音とか言ってもわからないから。そういうのを具体的に伝えて欲しいみたいな感じだった。それがだんだんと、どういうものを作りましょうかというような関わり方をするようになってきた。

石原さんご自身は自分がプロデューサーとしてやろう、続けていこうというような意識はありました?

石原:頼まれたらやるみたいな感じですよね。リミックスもそうですけど。まったく接点がなかったらどうかと思いますけど、何かできそうだったらやるという感じです。自分のなかには一部のポストパンクへの愛着があって、でもホワイト・ヘブンやスターズでは意識的にそれを出さないようにしていたんです。たぶん、ポストパンク的なアプローチはプロデュースのところで僕は出していると思う。ゆら帝後期とか、オウガとか、ポストパンク的な手法を使っているということが自分でもわかる。坂本くんなんかはパンク、ニューウェイブをまったく通らなかった人らしいので逆に新鮮だったのかもしれないですね。ソロになってからの彼の音楽とゆら帝を比べればわかると思います。それから、オウガにそっちが受け継がれていった感じはありますね。オウガの『Homely』は、もう1枚ゆら帝でやっていたらこういうのになっていたのかなと思います。

自分のバンドをやろうとは考えなかったんですか?

石原:スターズを辞めた時点でバンドをやるつもりはなかったです。

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今回のテーマは無関心とかアノニマスとか。そういうことはすごくありましたね。雑踏のなかに含まれている。「あのさー」とか喋っている人たちがスマホひとつで日々を送っている。そういった膨大な情報、データが背後にずっとあって。そうはいかなかった自分というのがそのなかに混じっている。

では、今回の作品に戻りますが、作業的にもっとも時間を要したのはどこですか?

石原:ミックスですね。演奏の部分は3日か4日で終わっています。雑踏のトラックが30〜40あるんですよ。細かく刻まれた雑踏をいろいろ録ってきたやつが。で、それを全部自分の家で聴いて(笑)。

雑踏は録った場所には意味がありますか?

石原:そういう意図が入らないように、いろんな人に声をかけて、録ってきてって頼んだんです。そうしたら、渋谷とか新宿とかいろんなところに行って、みんなが録ってきてくれました。それでも足りなくて、けっきょく最後は自分で行きましたけど(笑)。それをパソコンに入れて、聴いて、使う箇所を決めて、それを全部スタジオに送って……。

使える雑踏と使えない雑踏があるんですね。

石原:ありますね。まず音楽が入っているのはダメだし。有名な曲とかが流れているとかね。使えないものがすごくあった。音が小さすぎて聞き取れないとか。

でも東京はすごくうるさい街です。

石原:それをはじくのが大変でしたね。一昨年から録りはじめて、去年の春前からレコーディングに入りました。ミックスを半年やっていましたね。

ちなみにバンドの演奏はどうやって録ったんですか?

石原:普通にスタジオで。ピース・ミュージックですよね。中村(宗一郎)さんのスタジオですよね。

バンドでは何曲録ったんですか?

石原:7、8曲録りましたね。ボツになったのが2曲くらいあって。実際雑踏と混ぜたら使えないというのがありましたね、楽曲と雑踏のスピードの齟齬がキツすぎて。とくにアクセントがウラに入っている曲は使えなかった。

今回は全部を2曲にまとめましたよね。1曲のなかにもいくつかの曲がある。それはなぜ?

石原:実質1曲なんですよね。最初から最後までで1曲なんです。アナログ制作をまず考えたので、1回切れて、B面みたいなイメージ。そこでフェードアウトするんじゃなくて、カットアウトするということがすごく重要だったので、最後にブツっと終わる。その間の曲が1曲2曲3曲というふうな考え方はしていなかった。

全部で1曲。つまり1曲ですよね。

石原:その前があるかもしれない。うしろがあってもいいんだけど、ここだけを切りとったものが作品になったという感じですね。

この感覚を共有できる人がいるかどうかみたいなところはどう考えました? つまりこれをおもしろがってくれるのかどうかという。

石原:難しいなというのはわかりますけど、作品って自分が思ってもみなかった楽しみ方、思ってもみなかったような使われ方でもいいですけど、そういうことが起きるかもしれない。僕はこう思っているけどそうではない捉え方をする人がいればそれは面白いし聞いてみたいなと思います。
できてしばらくしてから、ウォークマンみたいなやつにこれを入れて渋谷のスクランブルから歩いてみたことがあるんですよ。どれが現実の音でどれが録音された音なのか本当に混ざってけっこうおもしろかったですよ。

死んでいくロックを描いたという言い方はできるんでしょうか?

石原:僕の感じでは更新という意味では83年くらいに死んでいるので、いまさら感があるんですけど。遠ざかっていくロックという気はしますよね。すでに実際には終わっているんだけど、記憶のなかからすらも遠ざかっていくものがあるじゃないですか。忘れ去られはじめている。

逆説的に言えば、石原さんがそれだけすごくロックに執着されているということですよね。

石原:それはそうですね。クラブ・ミュージックにいけなかった自分のコンプレックスとは言わないですけど、なぜ純感覚的にそっちにいった人がいるのに、自分はとどまらなきゃいけなかったんだろうというのは一時は自問自答していましたね。

ロックでなければいけない理由が石原さんのなかにはあったわけですよね。

石原:自分との関係性があまりにも一方的に深かったということがありますね。

しかしなぜすべてを1曲に? 全部で8曲という構成でもよかったんじゃないのかなという気がします。

石原:曲単位で曲を聴くというのが習慣としてあると思うんですけど、1曲目が良かったとか2曲目が良かったとかになると、もう一回聴いて、ちゃんと曲の構造、例えばベースのこのラインとバスドラの何拍め位置が、とかを聴きとろうとするようになっていく。そこが主眼ではなかったので。そういう聴かれ方はしたくなかった。
とにかく、こういうものが作りたかったとしか言えないです。曲単位で、3曲目がいいとか4曲目がいいという感じではない。

物語性がまったくないですよね。

石原:物語性がなるべく出ないようにしました。それでも多少は出てしまっている。

それはなぜ嫌なんですか?

石原:そういう質問をされるのはすごくわかります。ある種のヒューマニズム的なものに対する自分のなかでの折り合いのつかない感覚がずっと子どもの頃からあるんですよ。パンクのなかでもクラッシュとか、そういうのがいまひとつダメだったし。クラッシュが好きな人と話が合わなかった。僕はそっちにいかなかったんですよ。

クラッシュが好きだった人の音楽ではないですよね(笑)。

石原:今回のテーマは無関心とかアノニマスとか。そういうことはすごくありましたね。雑踏のなかに含まれている。「あのさー」とか喋っている人たちがスマホひとつで日々を送っている。そういった無数の人たちの発信受信する膨大な情報、データが背後にずっとあって。そうはいかなかった自分というのがそのなかに混じっている感じですよね。すでにその一部になってるのかもしれないけれど。

アイロニーはないんですか?

石原:アイロニーではないです。本当にリアルですね。これ(スマホ)に入ってないものは世界ではないと言われる可能性があるということでしょ。

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 最後に。このアルバムを聴く場合は、間違ってもPCなんかで聴いてはいけないし、安っぽいイヤフォンも避けたほうがいい。家のスピーカーで聴くのが最善である。

 すでにご存じの方も多いだろう。石原洋のソロ・アルバムが来年の2月12日に坂本慎太郎の〈zelone〉レーベルからリリースされる。タイトルは『formula』、アナログ盤ではA面1曲/B面1曲という構成だ。(CDでは普通に全2曲)
 石原洋といえばゆらゆら帝国のプロデューサーであり、一時期はOgre You Assholeのプロデュースも手掛けていたことで広く知られるが、元々はWhite Heavenという東京のアンダーグラウンドにおいて玄人受けしていたサイケデリック・ロック・バンドで活動していた前歴を持つ。バンド解散後もソロないしはThe Starsとしての活動をしていた石原だが、作品を発表するのはじつに23年ぶり。
 その新作には、予想だにしなかった音響が展開されているに違いない。ジョン・ケージ的なメタ・ミュージックであり、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド的なロックの解体かもしれない、おそらくは。アートワークも凝っている。まだ2ヶ月も先の話だが楽しみでならない。

formula / you ishihara

M-1 / Side A: formula
M-2 / Side B: formula reverse

All songs written, concrete conducted and produced by You Ishihara
Recorded, mixed & mastered by Soichiro Nakamura at Peace Music, Tokyo 2019

石原洋 / you ishihara: vocal, guitar, synthesizer, keyboard, effects

栗原ミチオ / michio kurihara: guitar
北田智裕 / tomohiro kitada: bass
山本達久 / tatsuhisa yamamoto: drums
中村宗一郎 / soichiro nakamura: keyborad


https://reststayrelationship.com

Richard Dawson - ele-king

 ひと昔前なら、“都会的”という言葉は、まあ自由人が気ままに生きていける場ということで、文化的な褒め言葉として一定の支持があった。が、現代において“都会的”、あるいは“シティ”や“アーバン”が均一化の暗喩でもあることは、新幹線の駅を降りて目に入る服屋をチェックすれば明白にわかる。どこかで見た看板やロゴがここかしかにある。それでもかまわない。なぜなら、“シティ”や“アーバン”はいまや田舎者のためにあるんだろうから。

 ニューキャッスルのシンガーソングライター、リチャード・ドーソンの前作『Peasant(田舎者/百姓)』がその当時(2017年)英米でえらい評判になっていたので聴いたら、こりゃなんて土臭いフォークだろうと思った。賛辞を込めていえば変態(実験的)フォークである。コンセプトは中世だが、その背後にはコミュニティがいまも社会的勢力として意味があるものとして存在しているのかという問いがあるという評も読んだ。ウィットに富んだ歌詞がそうとうなクオリティらしい。もっとも言語がわからないぼくのような人間をまず捉えるのは、独創的かつ情熱的な、土臭くもじつに音楽的豊かさを携えたフォークとしての圧倒的な響きである。歌詞がわからなくても坂本慎太郎や三上寛の音楽に心酔する欧米人のようなものだろう。なんかわからんけどおもろい! というわけだ。

 日本のフォークにも土着性にこだわってきた歴史があるが、ドーソンのそれはギターを中心とした最小限の音による不定型な雑食性に特徴を持っている。具体的に言えば、ここにはロバート・ワイヤットもニール・ヤングもデレク・ベイリーもいるし、雑食の度合いは、彼のフェイヴァリットがサン・ラー(彼にとってもっとも重要な影響)、ニーナ・シモン、ミンガスといったジャズ、そしてワールド・ミュージック、あるいはソフィーといった最新のエレクトロニック・ミュージックという異様な幅広さにあることからもお察しいただけよう。また、フォークと言っても耳障りで基本やかましいし、ギターの演奏がちょっとずば抜けている。だから厳密にはフォークとは言えない。ぼくが最初に聴いたときの感想を言えば、こりゃカンタベリーっぽいな、しかし酒場でおっさんがベイリーのようなギターを弾きながらがなっているジャズ・ロック・フォークみたいだなといったところで、さもなければイギリス労働者階級的ボン・イヴェールというか、要するに唯一無二なのだ。

 彼の新作『2020』は『ピーザント』よりも聴きやすい。フリーキーなギターは抑え気味で、シンプルなメロディを前面に出している。アルバムではいろんな人びとについて歌っている。
 1曲目は“Civil Servant(公務員)”、生活保護者に支給打ち切りの話しをしなければならない公務員の朝起きてからの憂鬱な日常が歌われている。2曲目の“The Queen's Head”はおおよそは浸水したパブについての歌だが、曲中には痴呆症の母を持つ男や給付金にたかる移民など時事ネタが挟みこまれ、そしてサビでは「あー、我々はなんて小さいんだろう」と繰り返される。シングル曲“Jogging”では不安に囚われ希望退職し、医師からジョギングを勧められる人物が歌われている。βブロッカーを処方され、ひたすら走る。曲中には、窓の外から石を投げられるクルド族の一家が歌われ、ミッド・イングランドの外国人嫌いをチラつかせている。そしてドーソンは「私はパラノイアに違いない」と声を裏返しながら繰り返す。“Black Triangle”ではUFOのオブセッションに取り憑かれ破局する結婚、“Heart Emoji”では空しい不倫時における娘への絵文字メール……こうしたシニカルな風刺が全曲にあり、そのすべてが面白いのである。〈ビートインク〉は日本で信頼できるレーベルのひとつであることは違いないが、これは日本盤として優れた訳者の歌詞対訳付きでリリースして欲しかった。
 
 ニューカッスルといえば、ケン・ローチの新作『家族を想うとき』の舞台でもあり、坂本麻里子さんによれば、格好つけないガッツある労働者階級の街だそうで、ドーソンのようなまったくトレンドに与してない音楽が出てくる土壌があるという。いま何がイケてるかなどどうでもよく、自分が歌いたいことがたくさんある人の音楽のほうが説得力を持つのは21世紀になろうと当たり前のことなのだろうけれど、それにしても彼はまったく非凡である。

元ちとせ - ele-king

 私は元ちとせのリミックス・シリーズをはじめて知ったのはいまから数ヶ月前、坂本慎太郎による“朝花節”のリミックスを耳にしたときだった、そのときの衝撃は筆舌に尽くしがたい。というのも、私は奄美のうまれなので元ちとせのすごさは“ワダツミの木”ではじめて彼女を知ったみなさんよりはずっと古い。たしか90年代なかばだったか、シマの母が電話で瀬戸内町から出てきた中学だか高校生だかが奄美民謡大賞の新人賞を獲ったといっていたのである。奄美民謡大賞とは奄美のオピニオン紙「南海日日新聞」主催のシマ唄の大会で、その第一回の大賞を闘牛のアンセム“ワイド節”の作者坪山豊氏が受賞したことからも、その格式と伝統はご理解いただけようが、元ちとせは新人賞の翌々年あたりに大賞も受けたはずである。すなわちポップス歌手デビューをはたしたときは押しも押されもしない群島を代表する唄者だった。もっとも私は80年代末に本土の学校を歩きはじめてから短期の帰省をのぞいてはシマで暮らしたこともないので、彼女が群島全域に与えた衝撃を実感したわけではない。私のころはむしろ中野律紀さんがシマ唄のホープでありポップスとの架け橋だったのであり、電話口で元ちとせの登場に母の興奮した声音を聴いた90年代なかば、私はむしろゆらゆら帝国(まだ4人組でした)とかのライヴに足を運びはじめたころで、シマ唄なんかよりはそっちのがだいぶ大事だった。しかしそのように語るのはいくらか語弊がある。というのも、そもそも私のような1970年代生まれ以降のシマンチュにとってシマ唄はもとからそう身近なものではない。戦後、米軍統治からの本土復帰後、ヤマト並をめざす奄美にとっては文化も言語も標準化すべき対象でしかなく、私はよく憶えているが、私が小学の低学年だったころまでは学校のその週の努力目標にシマグチ(方言)を使わないようにしましょうというものがあり、使うと他の生徒の前で罰せられたのである(80年代のことですぜ)。私はこのことに子ども心ながら理不尽な気持ちを拭えなかったが、なにがおかしいか、なぜおかしいか、またひとはなぜそのような外部の視線を内面化することで恥と劣等感をおぼえるのか、語ることばをもたなかった。もっともその口にのぼらせるべきことばすら本土化されかかっていたのだとしたら、武装に足ることばなどどこにもなかった。とまれ私たちは中国のウイグル自治区への政策をしたり顔でもって他山の石などとみなすことなどできない。南西諸島にせよアイヌにせよ、境界を措定された空間の周縁は中央がおよぼす文化と政治と経済の波がもっとも可視化されやすい場所であり、言語におけるその顕れはおそらくドゥルーズのいうマイナー言語なるものを派生させ、近代性の波と同期すればポール・ギルロイいうところの真正性オーセンテイシテイを励起するはずだが、この点を論究するのは本稿の任ではない。つまるところ私にはともに90年代前半に見知ったおふたりが20年代のときを経てコラボレーションするにいたったことが事件だったのである。
 恥ずかしながら私はここしばらく元ちとせの動向を追っていなかったのでことのなりゆきがにわかにはのみこめなかったが、レーベルのホームページによるとリミックスはこんごもつづくとのこと。また今回のプロジェクトはもとになるアルバムがあるのもわかった。昨年リリースの『元唄(はじめうた)』と題したシマ唄集で、元ちとせはこのアルバムで盟友中孝介を客演に、勝手知ったるシマ唄の数々を招き吹きこみなおしている。坂本慎太郎の“朝花節”のリミックスは『元唄』の幕開けにおさめた楽曲のリミックスで、同様の主旨のリミックスが以後数ヶ月つづくこともレコード会社の資料は述べていた。したがって本作『元ちとせリミックス』の背景にはおよそこのような背景があることをご理解いただいたうえで、今回の坂本龍一のリミックス作のリリースをもって完了したプロジェクトをふりかえりつつ収録曲とリミキサーを簡単にご説明さしあげたい。

 

朝花節 REMIXED BY 坂本慎太郎
2019/6/26 Release

 “朝花節”は唄遊びや祝宴の席で最初に歌うことの多い、座を清めたり喉のウォーミングアップをかねたりする唄。唄者には試運転をかねるとともに、唄の場がひらいたことを宣し声を場にチューニングしていく役割もある。多くの唄者の音盤でも冒頭を飾ることが多く、元ちとせの〈セントラル楽器〉(名瀬のレコード店で唄者のアルバムを数多くリリースしている)時代のセカンド『故郷シマキヨら・ウム』(1996年)の冒頭を飾ったのも“朝花節”だった。1975年の敗戦の日の日比谷野音で竹中労が音頭をとり、嘉手苅林昌、知名定繁と定男父子、登川誠仁など、稀代の唄者が集ったコンサートの実況盤でも奄美生まれの盲目の唄者里国隆の“朝花節”が1曲目に収録されているのもおそらく同じ意味であろう。
坂本慎太郎のリミックスはもっさりしたチープなビートが数年前のクンビアあたりを彷彿する点で、『元唄』のボーナストラックだった民謡クルセイダーズの“豊年節リミックス”に一脈通ずるが、音と音との空間を広くとり、定量的なビートにも機械の悲哀といったものさえ感じさせるソロ期以降の坂本慎太郎の作風を縮約した趣きもある。背後からヘア・スタイリスティックスとも手を結ぶ作風ともいえるのだが、坂本は元や中の声を効果的にもちい、聴き手の感情をたくみに宙吊りにする。うれしくもなければ悲しくもない。笑いたいわけではないが怒っているのでもない、日がな一日砂を噛みながらみずからの鼻を眺めるかのごとき感情の着地を拒む幕開けはアルバム総体の行方も左右しない。

 

くばぬ葉節 REMIXED BY Ras G
2019/7/31 Release

 つづく“くばぬ葉節”のリミックスはラス・Gの手になる。ラス・Gは今年7月29日に逝去したがリミックスの公開はその二日後、はからずもいれかわるように世に出た。LAビート・シーンの立役者のひとりであり、幾多の独特なリズム感覚でビート・ミュージックの形式にとどまらない作風をものしたラス・Gらしく、ここでもパブリック・イメージをいなすノンビート・アレンジで意表を突いている。全体はスペーシーな風合いがつよく、冒頭のSEは極東の島国のさらにその南の島からの唄声に自身のサウンドをチューニングさせるかのよう。表題の「くばぬ葉」はビロウの葉のこと。シマでよくみるヤシ科の常緑の高木でその葉を編んで団扇にしたことなどから身よりのないシマでのひととのえにしの大切さになぞらえている。

 

くるだんど節 REMIXED BY Chihei Hatakeyama
2019/8/28 Release

 ここからアルバムはアンビエント・パートへ。数あるシマ唄でも代表的な“くるだんど節”を本邦アンビエント界の旗手畠山地平がカスミたなびく音響空間に仕上げている。表題の「くるだんど」とは「空が黒ずむ」の意。その点でも幽玄の情景を喚起する畠山のリミックスは唄のあり方を的確にとらえているといえる。もっともシマ唄の歌詞に決定稿は存在しない。歌詞は唄うものが唄い手が独自に唄い変える。じっさい畠山のリミックスの原曲となった『元唄』収録の“くるだんど節”は島の特産物産を自慢する内容だが、この歌詞は親への感謝を唄うオーソドックスなものともちがっている。むろんそれさえも「空が黒ずむ」ことともなんら関係ない。転々とシマからシマ、ひとからひとへ唄い継ぐうちに歌詞も節もグルーヴも変転する世界各地のフォークロアな音楽と通底するこのような口承性こそ、共同体の暮らしの唄としてのシマ歌の真骨頂といえるのだが、畠山地平は唄の古層を探るかのように原曲の音素をひきのばし、幾多の微細な響きに解体した響きが蜿蜿と蛇行する大河のような時間感覚をかたちづくっている。

長雲節 REMIXED BY Tim Hecker
2019/9/25 Release

 声の響きに着目した畠山のリミックスと対照的に、つづくティム・ヘッカーは“長雲節”のリミックスで元ちとせの唄の旋律線の動きに焦点をあてている。ティム・ヘッカーといえば、昨年から今年にかけて『Konoyo』と『Anoyo』の連作での雅楽との共演でリスナーをおどろかせたばかり。雅楽とは、いうまでもなく中国から朝鮮半島を経由に伝来した宮廷音楽だが、楽音と雑音とを問わずあらゆる音に色彩をみいだすこのカナダ人は雅楽という形式特有の持続とゆらぎに、おそらくは此岸(この世)と彼岸(あの世)のシームレスなつながりをみた、そのように考えれば、シマ唄、ことに元ちとせら「ひぎゃ唄」の唄者が自家薬籠中のものとする裏声によるポルタメントな唱法(グィンといいます)はヘッカーをしてシマ唄と雅楽の類似点を想起させなかったとはだれにも断定できない。原曲となる“長雲節”はしのび逢いの唄で、別れ唄とする地域もあれば祝い唄とみなすシマもある。このような背反性までもリミキサーが理解していたはずはないが、かろうじてかたちを保っていた唄が旋律の線形だけをのこし抽象化し、やがてサウンドの合間に姿を消すヘッカーの解釈は唄の物語世界にも同期する、好ミックスである。
ちなみにさきに述べた「ひぎゃ唄」の「ひぎゃ」とは東の意。元ちとせの出身地でもある奄美大島南部の瀬戸内町の旧行政区画名「東方村」に由来する。すなわち南方を東方と呼んでいたころのなごりで、北部を代表する「かさん唄」(「かさん」は現奄美市に合併した笠利町のこと)とシマ唄の傾向を二分する流儀である。武下和平から朝崎郁恵まで、著名な唄者がひぎゃ唄の唄い手に多いのは起伏に富む歌いまわしがテクニックに結びつくからだろうが、地鳴りのような唸りからファルセットまで一気にかけあがる唱法は、北部に比して急峻な南部の地形に由来するとも、信仰や風習や、はたまた薩摩世(薩摩藩支配時代)の過酷な労働に由来するとする説まで、諸説紛々だが真偽のほどはさだかでない。

 

Photo by "Jakob Gsoellpointner".

豊年節 REMIXED BY Dorian Concept
2019/10/30 Release

 フライング・ロータス、サンダーキャットらの〈ブレインフィーダー〉から『The Nature Of Imitation』を昨年リリースし一躍ときのひととなったドリアン・コンセプトは『元唄』では唯一のリミックス作“豊年節”を題材に選んだ。すなわち民謡クルセイダーズのリミックスのリミックスということになるが、ジャズからビート・ミュージックまで手がけるオーストリアの才人は原曲を活かしながら独自色をひそませ、島々を練り歩く放浪芸の一座のようだった原曲にサーカス風の彩りをくわえている。

 

Photo by zakkubalan(C)2017 Kab Inc.

渡しゃ REMIXED BY 坂本龍一
2019/11/27 Release

 『シマ唄REMIX』の参加者でそれまでに唯一元ちとせとの共演歴をもっていたのが“渡しゃ”を担当した坂本龍一である。坂本と元は2005年の8月6日に広島の原爆ドームの前で、トルコの詩人ナジム・ヒクメットが原爆の炎で灰になった少女になりかわり書き綴った詩の訳詞に外山雄三が曲をつけた“死んだ女の子”を演奏し、爾来夏を迎えるたびに限定で配信し収益のいちぶをユニセフに寄付しているという。元ちとせの2015年のアルバム『平和元年』も収める“死んだ女の子”はまぶりのこもった歌声と柔和なメロディに鋭いたちあがりの音が同居した、反戦と平和を希求するスタンダード・ナンバーとして灯りを点すように広がりつつあるが、ここでの坂本は元ちとせのリズミックな演奏に抑制的にアプローチすることで原曲の秘められた側面をひきだしている、その作風は畠山地平やティム・ヘッカーと同じくアンビエントと呼ぶべきだろうが、声の断片、電子音のかさなり、ピアノの打鍵、かぎられた響きで多くを語る方法は坂本龍一の作家性を端的に物語っている。
表題の「渡しゃ」は島と島を渡すもの、すなわち「船頭」の意。船頭が唄のなかで奄美大島、喜界、徳之島、沖永良部、与論からなる奄美群島をめぐっていく。歌詞にみえる「間切り」の文言は琉球と奄美にかつて存在した行政区画で、市町村の町みたいなものだが、島には陸地にはない海の道があり、海が隔てる別々の島のシマ(村)が同じ間切りに入っていたこともしばしばだった。今福龍太が『群島論』で指摘したように、海を道とみなす視点には陸地と海洋が反転した白地図が文字通り浮上するというが、形式を問わない自由な耳でしかあらわれない音もおそらくこの世には存在する。『シマ唄REMIX』が収めるのは純粋なシマ唄でもなければポップスでもない。リミックス集だがダンス・ミュージックでもないし、中身も歌手元ちとせの唄のみをひきたてるものではない。実験的で挑戦的な内容ともいえる一枚だが、エキゾチシズムに淫せず、伝統に拝跪せず、神秘主義に溺れず、反省的な文化人類学の反動性に与せず、ありきたりなポストコロニアルやカルチュラル・スタディーズの思弁にも回収されない、蠢動するものはそのような音楽がもっともよく体現するのである。

特設ウェブサイト:
https://www.office-augusta.com/hajime/remix/

Dorian Concept × Chitose Hajime - ele-king

 昨年ミニ・アルバム『元唄(はじめうた)』を発表した歌手、元ちとせの周囲が騒がしい。同作は彼女の原点たる奄美の島唄を新たに録音したものだが(紙エレ最新号にご登場いただいた民謡クルセイダーズも参加)、その収録曲を次々と気鋭のアーティストたちがリミックスしているのだ。6月には坂本慎太郎、7月にはLAの故ラス・G、8月には畠山地平、先月はティム・ヘッカーによるリミックスがリリースされている。そして今月は……ドリアン・コンセプトである。それぞれスタイルは異なるものの、みな独創的なアーティストであることは疑いない。いったい元ちとせのまわりで何が起こっているのか? 注目のリミックス企画、今後も目が離せそうにない。

元ちとせ
自らの歌の原点ともいえる奄美シマ唄を国内外の鬼才がREMIX

民謡クルセイダーズ参加の“豊年節”をウィーン生まれの超絶技巧アーティスト/プロデューサー Dorian Concept (ドリアン・コンセプト)がリミックス

元唄 幽玄 〜元ちとせ奄美シマ唄REMIX〜

2002年「ワダツミの木」の大ヒットからデビュー16周年を迎え、その歌手活動が充実期を迎える中、自身の歌の原点である「奄美シマ唄」集の新録アルバム『元唄~元ちとせ 奄美シマ唄集~』が昨年11月にリリース。10代の頃から地元・奄美大島でシマ唄の唄者(うたしゃ)として活躍していた元ちとせが「今の声で歌うシマ唄を残したかった」と語るアルバムが多方面から高い評価を受ける中、“奄美シマ唄の再構築”ともよべる新たなフェーズに突入する企画がスタートすることになった。このアルバム楽曲の未知数の可能性と魅力が引き出された気鋭のアーティストによるREMIX配信リリースが決定した。

2019年6月よりサブスクリプション、配信サービスにて各月1曲を配信。後にアナログとしての発売も予定している。

参加アーティストには元ちとせとも親交が深く、日本を代表する音楽家でもある坂本龍一をはじめとして、ゆらゆら帝国解散後、独自のスタンスで国内外へ活動の場を広げている坂本慎太郎、ジャズやヒップホップをベースにしたドープなビートの開拓者 Ras G、異ジャンルとのコラボで新たなアンビエント・ミュージックの世界を構築している鬼才 Tim Hecker、海外からの評価も高い新しい日本の才能 Chihei Hatakeyama、ウィーン生まれの天才演奏家/プロデューサー Dorian Concept など各ジャンルの革新的アーティストがラインナップされている。

またジャケットは『元唄〜元ちとせ奄美シマ唄集〜』と同様に信藤三雄氏がデザインを手がけ、日本画家・田中一村氏の作品が使用されている。

異ジャンルとの融合により生まれた新しい唄 異世界へ誘う幽玄の音楽がここに誕生。

■10月30日(水)配信リリース 
豊年節 REMIXED BY Dorian Concept

2018年11月に発売された、元ちとせ自らの原点である奄美大島の「シマ唄」新録アルバム『元唄(はじめうた)~元ちとせ 奄美シマ唄集~』が、気鋭のアーティストたちのリミックスで新たな表情を見せる配信リリースが決定。
第5弾となる今回は、昨年〈BRAINFEEDER〉からリリースされたアルバムが世界中で絶賛され、ここ日本でも数多くのファンを得ているウィーン生まれの超絶技巧キーボード・アーティスト/作曲家/プロデューサー Dorian Concept (ドリアン・コンセプト)がリミックスを手がけている。
ドリアンが手がけたのは奄美シマ唄ではスタンダード・ナンバーのひとつである“豊年節”。昨年リリースされた『元唄』でも大きな話題となった民謡クルセイダーズとのコラボ・ヴァージョンのリミックスである。クンビアと呼ばれる中南米のリズムを取り入れた民謡クルセイダーズのアレンジをベースにおきながらさらなる斬新な解釈を加え、生演奏とエレクトロ・サウンドで構築された新しいハイブリッド・ミュージックへと昇華させている。


Photo by "Jakob Gsoellpointner".

Dorian Concept (ドリアン・コンセプト)
オーストリアのキーボード・アーティスト兼プロデューサー、エレクトロ、ジャズ、ポップ、ヒップホップ、アンビエントなど、さまざまなジャンルをクロスオーヴァーした独自の音楽スタイルを構築している。
フライング・ロータスやザ・シネマティック・オーケストラのライヴ・メンバーを務めるなど活躍している傍、自らのアルバムを〈Ninja Tune〉、〈Brainfeeder〉などのレーベルからリリースしている今話題のアーティスト。

■恒例の Billboard Live 決定
元ちとせ Billboard Live "歌会元(うたかいはじめ)2019"

【ビルボードライブ大阪】
11/27(水)
1stステージ 開場17:30 開演18:30 / 2ndステージ 開場20:30 開演21:30
サービスエリア¥8,300-
カジュアルエリア¥7,300-(1ドリンク付き)
[ご予約・お問い合せ] ビルボードライブ大阪 06-6342-7722

【ビルボードライブ東京】
11/29(金)
1stステージ 開場17:30 開演18:30 / 2ndステージ 開場20:30 開演21:30
サービスエリア¥8,300-
カジュアルエリア¥7,300-(1ドリンク付き)
[ご予約・お問い合せ] ビルボードライブ東京 03-3405-1133

バンドメンバー決定
Vo・元ちとせ
B・鈴木正人
Pf・ハタヤテツヤ
G・八橋義幸

チケット発売中

元ちとせ (はじめ ちとせ)
鹿児島県奄美大島出身。2002年に「ワダツミの木」でデビュー。ヴォーカリストとしてさまざまなステージでその唯一無二の歌声と存在感を示している。 2012年、2月6日にデビュー10周年を迎え、初のベスト・アルバム『語り継ぐこと』をリリース。戦後70年となる2015年7月、“忘れない、繰り返さない”というコンセプトのもと、平和への思いを込めたニューアルバム『平和元年』をリリース。デビュー15周年を迎え、その歌手活動が充実期を迎える中、自身の歌の原点である「奄美シマ唄」集のアルバム『元唄~元ちとせ 奄美シマ唄集~』が2018年11月に発売になった。
奄美大島に生活の拠点を置きながら、精力的な活動を行っている、日本を代表する女性シンガーのひとりである。

Mini Album
元唄 ~元ちとせ 奄美シマ唄集~
発売日 : 2018年11月14日(水)
CD : ¥2,000(税込)
UMCA-10062

【収録内容】
01. 朝花節 with 中 孝介
02. くるだんど節 with 中 孝介
03. くばぬ葉節
04. 長雲節
05. 渡しゃ with 中 孝介
06. 行きゅんにゃ加那節 with 中 孝介
07. 豊年節 with 民謡クルセイダーズ

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