「Low」と一致するもの

本邦初のイギリス現代思想案内

インタヴュー
國分功一郎毛利嘉孝田崎英明宮﨑裕助

資本主義リアリズム、思弁的実在論、加速主義、ゼノフェミニズム
そしてカルチュラル・スタディーズの功績とは
押さえておきたいキーワードを解説

●マーク・フィッシャー入門――その音楽批評から加速主義との関係、うつ病、最終講義のポイント、現代アートへの影響まで
●初めて触れる読者のための、マーク・フィッシャー著作案内――『資本主義リアリズム』『わが人生の幽霊たち』『奇妙なものとぞっとするもの』『K-PUNK』『ポスト資本主義の欲望』それぞれの解題から未邦訳テキストの紹介、そして彼が手がけた出版事業まで
●ポール・ギルロイの功績、現代のキーパーソンたち=レイ・ブラシエ、オーウェン・ハサリー、アルベルト・トスカーノらの思想、サイバーフェミニズム、イギリスにおけるマルクス主義の系譜、ほか

執筆
イアン・F・マーティン/野田努/河野真太郎/鈴木慎一郎/有元健/仲山ひふみ/幸村燕/清水知子/水嶋一憲/平山悠/大岩雄典/宮田勇生/安藤歴/杉田俊介/大橋完太郎/原塁/飯田麻結/山本浩貴/星野真志/長原豊/小林拓音

装幀:SLOGAN
菊判220×148/並製/256ページ

目次

【インタヴュー】
國分功一郎 今こそ階級闘争を仕掛けるとき──イギリス滞在時に感じたこと
 ▶イギリスと日本の違い│社会の幼年期に注目する必要がある│こちらから階級闘争を仕掛けなければならない│自然と満足できるように│新しい病としての「うつ病」│今こそフィヒテを読みなおすとき
毛利嘉孝 自分たちの知をつくること──大衆文化にラディカルな思想が流れこむ
 ▶イギリスだからこそカルチュラル・スタディーズは生まれた│知をアカデミズムに閉じこめない風土│スチュアート・ホールの功績│ストリート出身のポール・ギルロイが変えたこと│ヨーロッパの理論はイギリスでどう受けいれられたのか│マーク・フィッシャーが残したもの
田崎英明 ジェンダーも人種も、階級とセットで考えよう──アイデンティティ・ポリティクスが批判される背景
 ▶加速主義を切り捨ててはいけない│なぜ労働はなくならないのか│イギリスとフランスは交流が盛ん│イギリスにはアルチュセール派の影響が大きい│マルクス主義とフェミニズム/クィア理論は共闘できるか│シニシズムに陥らないために
宮﨑裕助 私たちの世界には根本的に幽霊がいる──デリダ研究者から見たマーク・フィッシャー
 ▶デリダ研究を牽引していたのは英語圏だった│ロンドンは世界各地から知が集まる場所│亡命知識人たちがつなぐ世界│ポップ・カルチャーに思想が侵入する│もともとの憑在論の意味について│イギリス現代思想の未来

【マーク・フィッシャー著作案内】
『資本主義リアリズム』(仲山ひふみ)/『わが人生の幽霊たち』(平山悠)/『奇妙なものとぞっとするもの』(大岩雄典)/『K-PUNK』(宮田勇生)/『ポスト資本主義の欲望』(安藤歴)/その他のテクスト(仲山ひふみ)/ゼロ・ブックスとリピーター・ブックス(仲山ひふみ)

【ポール・ギルロイの功績】
黒い大西洋(鈴木慎一郎)/ポストコロニアル・メランコリア(有元健)

【コラム】
道は一本ではない、とマーク・フィッシャーの音楽批評は示している(イアン・F・マーティン/青木絵美訳)
ポピュラー文化との共鳴にこそ興奮するイギリスの論客たち──レイモンド・ウィリアムズからバーミンガム学派へ、そしてフィッシャーへ(野田努)
成人教育はポストフォーディズムの侍従か──マーク・フィッシャーのカルチュラル・スタディーズ的出自(河野真太郎)
レイ・ブラシエと哲学の未来(仲山ひふみ)
加速主義以後の加速主義と加速主義的なもの(幸村燕)
憑在論的メランコリアを超えて──マーク・フィッシャーとサイバーフェミニズムの行方(清水知子)
月曜の朝のかすかな光──マーク・フィッシャーと加速主義(水嶋一憲)
鬱病リアリズムという提案──生き延びることの肯定に向けて(杉田俊介)
『ポスト資本主義の欲望』講義の続き──欲望の向きをいかに定めようか(大橋完太郎)
旅をして夢をみる──《消滅していく土地について》とふたつの「イーリーなもの」(原塁)
亡霊の足跡(あるいはDo It With Style)(飯田麻結)
イギリス現代アートにおけるマーク・フィッシャーの影響──オトリス・グループとスペキュラティブ・テートを中心に(山本浩貴)
オーウェン・ハサリー──闘争するモダニスト(星野真志)
馬鈴薯と袋と資本とその主義(ファシズム)(長原豊)
ぎょっとするホブゴブリンがブリテンのあちこちではびこっている──イギリスにおけるマルクス主義の大雑把な見取図(小林拓音)

[共同監修者プロフィール]
仲山ひふみ(なかやま・ひふみ)
批評家。主な寄稿に「加速主義」(『現代思想』2019年5月臨時増刊号)、「ポストモダンの非常出口、ポストトゥルースの建築――フレドリック・ジェイムソンからレザ・ネガレスタニへ」(『10+1 website』2019年10月号)など。レイ・ブラシエ『解き放たれた無──啓蒙と絶滅』(河出書房新社、2026年)を共訳。

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・仲山ひふみによる記事
Aaron Dilloway Japan Tour 2023@落合Soup (2023/2/11) ライヴ(デッド)レポート
不気味なものの批評を超えて──マーク・フィッシャー『奇妙なものとぞっとするもの』紹介

2025年のFINALBY( ) - ele-king

 この過去の夏、大阪の歴史的建造物であるミソノビルの閉鎖/解体の発表に対する悲しみは、その歴史と長寿を祝うための一連のパフォーマンスによって明るいものとなった。7月5日に予定されていたそのパフォーマンスのひとつは、∈Y∋(BOREDOMS)による新プロジェクトFINALBY( )(発音 ― Final B Empty/ファイナルビーエンプティ)であり、大阪を拠点とするCOSMIC LABとのコラボレーションであった。大阪音楽シーンの伝説である∈Y∋は、間違いなく、このビルの長寿を祝う最適な人物だった。興奮した私は、すぐにチケットを購入し、関西への旅を計画した。不運なことに、いまはもう11月の終わりであり、スケジュールの都合でその旅をキャンセルせざるを得なかったことに、いまだに軽い痛みを覚える。ああ、なんという惨めさ! 叶わなかった夏の記憶。家に居なければならなかった悲しみは、ほとんど耐えがたいものだった。

 しかし運命とは不思議なもので、東京では∈Y∋関連のイベントが次々と行われている。逃した夏の機会を補って余りあるほどに。∈Y∋は渋谷の中心ど真ん中、ミヤシタパーク3階のgallery SAIで開催された新しい展覧会Mapocy(まぽチー)のために東京に戻って、さらに、歌舞伎町のZERO TOKYOにおけるFINALBY( )の東京初演があった。それから、歌舞伎町の王城ビルでのBENTEN2のための∈Y∋の2024年のARV100パフォーマンスのマルチスクリーン・インスタレーションもあって、Art Tokyo Week でのC.O.L.O.(COSMICLAB)による小さなサプライズ・コンサート、さらに締めくくりとしてMUTEK Japanの巨大ステージでのC.O.L.O.とのユニークなオーディオ・ヴィジュアル・パフォーマンスがあった。
 日本のオルタナティヴ・シーンにおける最大級の革新者としての∈Y∋の多く多くの年月にもかかわらず、BOREDOMSの非活動とより散発的なソロ活動が相まって、∈Y∋は数年間“混沌の中心”にいなかった。だからこそ、半年の間にこれだけ多くのイベントがあることは、一種の“再紹介”のように感じられる。新たな歴史をつくるための完璧なタイミングだ。私が最後にBOREDOMSのライヴを見たときのひとつは、∈Y∋がステージ上で足を骨折し、痛みにもかかわらず演奏を続けたときだった。だから、まだ気づいていないなら言っておくが、∈Y∋関連の出来事はしばしば歴史的なのだ。私はこの秋のこれらすべての素晴らしい体験をレポートにまとめた。

MAPOCY

 5つの部屋に分かれ、とくに4つ目はほとんど“隠し部屋”のようなサプライズになっている。本展「MAPOCY」は、∈Y∋のジャンク・アート的な作風を巨大インスタレーションとして展開したもので、現在も活動をともにするPUZZLE PUNKSのパートナー、マルチメディア・アーティストの大竹伸朗の気配と、彼がしばしば扱うドラムのシンバルというモチーフが混ざり合っている。
 まず圧倒されるのは、とにかく“緑”。これでもかというほど緑。壁に取り付けられたキャンバス、シンバル、ビニールシート、ガラクタの数々——あらゆるものに緑のペンキがぶちまけられている。床にまで飛び散っていて、空間全体が緑色の施工現場のようでもあり、同時に、初期∈Y∋作品でも見られた木片の寄せ集めによるギザギザの形状がそこかしこに出現している。
 ひとつ目の部屋は床と壁にオブジェが置かれた比較的ゆとりのある空間だったが、ふたつ目に入ると一転、大小さまざまな物体が山のように積み上がり、すべてが同じ緑に染められている。天井からはビニールシートが垂れ下がり、換気用のファンが絶えず唸っている。最初はまとまった形など見えず、ただ“ノイズ”だけがある。正直なところ非常に混乱を招く展示だが、もし音楽におけるノイズに惹かれる人なら、聴覚的ノイズと物質としてのノイズに大差はないとすぐ理解できるだろう。
 混沌は3つ目の部屋でも続く。奥の隅にほとんど真っ暗な空間へと続く黒い入口が見え、その向こうに“4つ目の部屋”がある。ここはFINALBY( )のメンバーたちと制作した映像作品が、三面の細長いクリーンに巻物のように投影されるダイナミックな空間だ。黒いビニールシートで覆われた小さな穴をくぐって入ると、モノクロームの点滅するプログラム図形と、轟音のノイズ・ミュージックが部屋全体を震わせている。精密にピクセル化された映像は、伝統的なアジアの雲や花の意匠を再構成し、左右から現れては中央でぶつかり、新たな幾何学へと変容していく。その視覚的なカオスは池田亮司のもっとも衝撃的な作品を思わせつつ、より柔らかく親しみのある感触を残す。ここを先に観たことで続くFINALBY( )のライブがどのようなものになるのか、無自覚のままヒントを得ることになった。
 最後の5つ目の部屋は、これまでの強烈な表現から一度“息をつかせる”空間だ。出口前の壁一面に、古い手描き作品と実際のアナログ盤が組み合わされて展示されており、紙のドローイングという∈Y∋の原点的な表現へと立ち返る、一種の後味として配置されている。

FINALBY( )

 FINALBY( )が初めて姿を現したのは、観客の多くがその存在を知らぬまま迎えた2021年のフジロックだった。以来、その公演歴は香港、大阪、そして今回の東京のみと極めて限定的だ。∈Y∋が音楽家であると同時に卓越したヴィジュアル・アーティストであることはよく知られているが、これほどまでにステージ上で視覚と音響が正面衝突した例は稀だ。私の目には、テクノロジーを全面的にアップデートして蘇った現代版ハナタラシのようにも映る。∈Y∋は、身体性を伴う新しいパフォーマンスを構築しており、それはパフォーマンス・アートと、ノイズマシンや照明、センサーと接続されたオブジェ群とが密接に絡み合ったものだ。この技術面を支えるFINALBY( )の共同制作者は、COSMIC LAB(C.O.L.O.主宰)、アートエンジニアの堀尾寛太、そしてプログラマーの新美太基である。デジタライズされた∈Y∋——まさにテクノロジー時代が生んだ独自の結晶だと言える。
 私自身、この新しい方向性の萌芽を、パンデミック前の原宿で偶然目撃する幸運に恵まれた。2019年、TOKYO CULTuART by BEAMS Harajuku で開催されたBOREDOMSのTシャツ展でのことだ。∈Y∋はフェイスマイクを付け、両手に装着したモーション・センサー内蔵のサウンドマシンからノイズを放ちながら、黒いジャケットの下に隠れた装置を動かし、通常のマイクに縛られない歌唱を試みていた。ここにはすでにFINALBY( )の原型があった。また、このとき∈Y∋は巨大な円錐形オブジェへの偏愛を初めて披露している。黒いコーンの底部にセンサーが仕込まれており、それを持ち上げて振るたび、音は揺らぎ、形状の奇妙さも相まって視覚的にも滑稽で魅力的だった。背後には技術面を支えるエンジニアが控えており、30名ほどのファンしかいない小部屋での濃密な光景は、後に東京で結実するまでに6年かかった構想の出発点を示していた。

 FINALBY( )を観に行く前、気分を高めようと私はBOREDOMSの入手困難な問題作『Super Roots 5』を久々に取り出した。重厚なドラムとシンバルへ傾斜していく初期段階にあたる一枚で、1曲=1時間という構成、ほぼ一本調子の宇宙的トーンに泡立つノイズとシンバルが折り重なる——「曲」というより「体験」だ。これを聴くと、1982年のある出来事を思い出す。
 1982年、前衛ギタリスト/作曲家グレン・ブランカは『Symphony No.2 – The Peak of the Sacred』をライヴで披露した。副題「聖性の頂」は本来その作品固有のものだが、彼のエモーショナルな創作全般を言い当てる表現でもある。複雑な転調をほぼ廃したこの交響曲は、天上のエネルギーが雷鳴のように連続して吹き荒れる、彼の作品中もっとも強烈な体験のひとつだった。
「聖性の頂」とは、人間が自己を超越するための、絶えず恍惚と狂喜を更新し続ける音楽を指す。∈Y∋がBOADRUMシリーズやその他の公演で追求してきた方向性は、明言されていなくとも、まさにその頂点に向かう試みだったと私は感じている。「曲」よりも「経験」を重視する姿勢——それは彼の精神性と音楽性が複雑に深化してきた証でもある。FINALBY( )の公演中、∈Y∋はまさにその「聖性の頂」に到達しようとしていた。

2025年10月25日 FINALBY( ) LIVE in 歌舞伎町EXPANDED
presented by COSMIC LAB & TST ENTERTAINMENT CO.,LTD.

FINALBY( ) LIVE in 歌舞伎町EXPANDED Photo : Masayuki Shioda

 当日の「FINALBY( )Live in 歌舞伎町Expanded」というフルタイトルの公演は、実に2時間ノンストップのパフォーマンス作品だった。事前告知からは想像もできない構成である。チケットを買った時点で「2時間」とあったため、DJか何かが挟まるのだろうと勝手に思っていたが、違った。2時間まるごとが、巨大なノイズの奔流と悦楽的ヴィジュアルの対話で満ちていた。
 ステージ中央には、光に照らされ巨大なカップケーキのように見える“何か”が鎮座している。後にそれが、∈Y∋ がジェンベのように叩くノイズ・ジェネレーターであると知った。ステージ上には複数のコーンが配置され、最大のものは宙吊りになっていて、∈Y∋の身長を完全に覆うほど巨大だった(実際、後半で∈Y∋がその内部に隠れる場面があった)。さらに、フロア中央、観客のほとんどが囲むようにして別の巨大コーンが置かれ、公演後半ではそのコーンが発光し、∈Y∋の手で回転させられる仕掛けになっていた。
 ZEROTOKYOという会場は、巨大なメインスクリーンに加え、左右と背後にも細長いスクリーンが連なる独特の構造で、360度的な没入感を生み出す。MAPOCYで見たモノクロームのデジタル雲はここでも再登場し、背面や側面から湧き上がるため、観客は携帯で“映え”を狙う余裕を失い、その瞬間に没入せざるを得なくなる。近年まれに見る、記録では再現不可能な体験だった。
 奇妙なパンク・バンドから出発し、90分超の儀式的公演を構築できる存在へと変貌したBOREDOMS。その中心人物である∈Y∋は、観客の細胞レベルに作用する「悟性の構造」を知り尽くしている。聖性の頂。

 公演の最後、∈Y∋は稀にみる“口頭での解説”を行い、コーンの群れを「家族」だと呼んだ。FINALBY( )の本当のメンバーはコーンであり、人間はその媒体にすぎないのだと。※詳しくは∈Y∋本人が10月26日付でInstagramに投稿した説明を参照してほしい。
 この一連の経験は、初期舞踏、ローリー・アンダーソン、フィリップ・グラスらの系譜に連なる、ダイナミックなパフォーマンスアートの華麗な再誕に等しかった。


FINALBY( ) LIVE in 歌舞伎町EXPANDED Photo : Masayuki Shioda

∈Y∋ × C.O.L.O(COSMICLAB)@ MUTEK JAPAN

 渋谷で開催されたMUTEK JAPAN 2025で、∈Y∋はC.O.L.O.とともに初めてこのフェスのステージに立った。ART WEEK TOKYO(11月5日)のサプライズ公演をさらに拡張し、より長く、より“怪物的”な形で提示したものだ。FINALBY( )とは異なり、形式上は伝統的なオーディオビジュアル公演に近いが、幸いにも遥かに奔放だった。多くのMUTEK出演者が“引き算の美学”で勝負するなか、これは「足し算の極北」とも呼べる公演だった。
 FINALBY( )が2時間のノイズの海へ沈めるような体験だったのに対し、今回の2人は長いテーブルに並んで立ち、背後の巨大スクリーンとともに、∈Y∋のDJ PICA PICA PICA的な狂騒を現代化したような世界を作り上げた。FINALBY( )のノイズ成分と、モノクロームのフリッカー映像、そして近年∈Y∋が執着するハイパー・サイケデリックなシンゲリ(singeli)が高密度に衝突し合う。言語化困難なコラージュも大量に挟まれる。
 ∈Y∋の音楽とヴィジュアルは、まるでドラッグまみれのポップアートだ。C.O.L.O.は∈Y∋の衝動を鏡のように反射し、狂気じみたフリッカー花、精神を攪拌する幾何学模様、スクリーンいっぱいの“眼”、ハートやブタの絵文字が奇妙な規則性で踊り、そのあとにはスローモーションのデコトラ事故寸前3D映像が続く。強度は綿密に計算され、現実味がないほど完璧だった。息つく暇もない全頭脳的ラッシュ。

 ここ数ヶ月の間に、∈Y∋の唯一無二の表現が多角的に更新される様子を目撃してきた者として、2026年にさらに何が生まれるのか、ただ祈るばかりである。


FINALBY( ) LIVE in 歌舞伎町EXPANDED Photo : Masayuki Shioda


Sadness at the announcement of the closing / demolition of the historic Misono building in Osaka this past summer was brightened with a string of performances to celebrate the history and longevity of the famous landmark. One of those performances, scheduled on July 5th, was EYE`s (Boredoms) new project FinalBy ( ) **(pronounced - Final B Empty) (ファイナルビーエンプティ), a

collaboration with Osaka based COSMICLAB. EYE, a legend in the the Osaka music scene, was definitely the best choice to celebrate the building`s longetivity. Excited, I immediately purchased and planned my trip to Kansai. Unfortunately, it`s now the end of November and I still feel a light sting of having had to cancel said trip due to schedule conflicts. Oh the misery! A summer memory unrealized. My sadness at having to stay home was almost unbearable.

Fate though works wonders and Tokyo is enjoying a string of of EYE related events. More than enough to make up for the missed summer opportunity. EYE has returned to Tokyo for a new exhibition, Mapocy (まぽチー), smack dab in the center of Shibuya

on the third floor of Miyashita Park at gallery SAI, the Tokyo premiere of FINALBY ( ) at ZERO TOKYO in Kabukicho, a multi- screen installation of EYE`s ARV100 performance in 2024 for BENTEN2 at 王城ビル (also in Kabukicho), a small surprise concert

with C.O.L.O. (COSMICLAB) at Art Tokyo Week, and a unique audiovisual performance with C.O.L.O. on a huge stage for MUTEK Japan to round it out. Despite EYE`s many many years as one of the greatest innovators in the alternative scenes of Japan, the inactivity of the Boredoms coupled with more sporadic solo

activities means that EYE hasn`t been at the center of the chaos for some years. So with this many events within just half a year, it feels like a reintroduction of sorts. Perfect for creating new history. One of the last times I saw the Boredoms live was when EYE broke his leg on stage and kept performing despite the pain. So if you haven`t guessed so far, anything EYE related is often historic. I have compiled all of these great experiences this fall in a report.

MAPOCY

Separated into 5 rooms with the 4th almost a secret surprise, MAPOCY reflects EYE`s junk art style as a large installation closely in line with his ongoing PUZZLE PUNKS partner, multi-media artist Ohtake Shinro, mixed with his other common collaborator, the drum cymbal.

The installation is very, very, very, very, very green. Green paint splattered on canvases installed on the walls, on cymbals, on plastic sheets, on junk items. There is green paint literally everywhere including the floor. Almost like an artistic, construction site mixed with wooden assemblages, created into jagged shapes you can see in older EYE works. While the first room was spacious with objects on the floor and wall, the second room was chaotically littered and piled up with numerous objects of different types completely splattered with the same green paint, plastic sheets hanging down and a fan constantly going to keep possible fumes from making anyone sick. There were no coherent shapes at first, just noise. The site is honestly incredibly confusing and confounding but if you have any taste for noise in your music, I would say there is no difference between aural noise or physical noise.


The chaos continues in the 3rd room where in the far corner you might see a dark entrance way into a near pitch black room. The 4th room is a dynamic 3 wall screen scroll-like video of his work with the other members of FINALBY ( ). Only viewable by entering through a small hole created with black plastic sheets, the room literally reverberates with the intensity of the monochrome flashing programmed shapes and the noise music blasting. The images carefully pixelated reimagine traditional Asian cloud flower designs colliding into each other becoming new geometry. Often starting from the far left and far right side, they eventually meet in the center and evolve into new forms. The visual cacophony reminded me of Ikeda Ryoji`s most impactful works but with a fresh and friendly take. Visiting this exhibition first gave me a good unknowing hint of what the following FINALBY ( ) would be like.

The last room is a calm down from the bold expressions of the previous ones. Only one wall of older very familiar hand drawn art combined with physical lps before the exit, it was an interesting last taste offering a comparison to EYE`s initial choice of expression - paper drawings.

FINALBY ( )

FINALBY ( ) first debuted at Fuji Rock in 2021 in front of an unknowing crowd. Since then, FINALBY ( ) has performed only in Hong Kong, Osaka, and now Tokyo. We all know that EYE is a visual artist on top of being a musician but rarely has his visual side collided justly with the music on stage. Like an updated and rebirthed technological Hanatarash (by my eye), EYE has developed a new strong, physical performance more like


performance art coupled with objects connected to noise machines, lights, and sensors. His technical collaborators = other members of FINALBY ( ) are COSMICLAB (directed by C.O.L.O.), art engineer Horio Kanta, and programmer Niimi Taiki. This is very much a digitized EYE. Without a doubt a unique combination of our technical age.

I was lucky enough to witness the beginning of this new venture toward multi media in a small room in Harajuku before the pandemic. At TOKYO CULTuART by BEAMS Harajuku in 2019 for a BOREDOMS t-shirt exhibition, EYE wore a face mic and a black jacket somewhat covering two motion detecting sound machines attached to both his hands that emitted noises. Activating the sensors with motion and singing unbound by a regular mic, EYE was experimenting with the beginning of what would become FINALBY ( ). Here EYE also introduced his obsession with large cones as sound devices. To match his clothing, EYE had a black cone with sensors on the bottom. Picking it up and waving it around affected the sounds emitted and provided funny eye candy as cones are naturally bottom heavy and odd shaped. Behind EYE was an engineer to support the technical side of the performance. Having witnessed this very intimate performance in a room full of 30 or so fans, I can now see the initial development and vision that took 6 years to materialize in Tokyo.

To prepare and hype myself up for going to see FINALBY
( ), I dusted off a copy of the Boredoms` Super Roots 5, one of their most difficult to attain recordings and also their most abstract. At the beginning of their heavy drum and cymbal phase, the one track album is one hour long and basically one long cosmic tone

maintained straight with bubbling noise and cymbals. There is no song per se. Only a holy experience. This reminds me of 1982.

In 1982, the avant garde guitar composer, Glenn Branca performed live his work Symphony 2 with the added title “The Peak of the Sacred.” Only meant for that work in particular, that title though often describes much of his most emotional work. Symphony 2, one of the least complex of his works in terms of multiple chord changes, was one of his best for the sheer intensity and almost god-like continuous blasts of angelic amorphous energy that felt like thunder in the air.

The idea of the peak of the sacred evokes music that is continuously euphoric and orgasmic for humans to rise beyond themselves. EYE`s direction of the Boredoms with the BOADRUM series and other performances I feel were meant to reach “ the peak of the sacred” whether explicitly expressed or not. EYE`s focus on the “experience” over the “song” illustrates his evolving and complex mental state and music focus since then. Throughout FINALBY
( ), I keenly felt EYE reach “ the peak of the sacred” as only he could.

FINALBY ( ) Live in Kabukicho Expanded (the full title of the night) was a 2 hour uninterrupted performance art piece which didn't advertise itself to be that. Genius. When purchasing the ticket, I noticed that the performance was supposed to be 2 hours but I assumed that there would be a dj or something. No, it was 2 full hours of huge blasts of noise with EYE and matching euphoric visuals designed to create a dialogue that worked very perfectly.

On stage at the center was a “thing” that I could only describe as a light illuminated huge cupcake. That “thing” I learned later was a noise generator that EYE could tap at like a djembe. Across the

stage were several more cones with the largest suspended in air at the front of stage so massive it could cover EYE from head to toe (which it later did). In the center of the floor surrounded by the majority of the audience right before the sound and visual mixing booth of another huge - I do mean huge - cone on a platform that later would light and spin in a circle pushed by EYE. During the performance EYE moved back and forth from the stage to the floor centered cone. ZEROTOKYO, for the many who have never been inside it, is a venue unique in having not only a huge stage screen but long thin screens on the left, right, and back wall making a 360 degree surround experience.

The monochrome digital clouds from Mapocy re-introduced themselves here, they emerged from the back and the sides making everyone have to be present in the moment instead of looking for the next instagram moment with their phones. Unlike any performance I have been to in years, this was first time in ages where no documentation could do justice to each person`s experience that night. Whether with the noise assault or the constantly shifting orientation of the images.

EYE, having changed the Boredoms from an unusual, quirky punk group to a band capable of performing hour and a half concerts has attained the psychological knowledge few have of how to construct enlightening performances of such depth that change the molecules of the crowd. The peak of the sacred.

EYE named the group of cones a family and stated so at the end of the performance in a rare commentary of his ideas to the audience. The cones were a family and the real members of FINALBY ( ) making the human members only conduits. *** Please refer to his exact explanation of the cones posted on

October 26th on EYE`s own Instagram account. The total experience felt like a great rebirth of dynamic performance art in the tradition of early Butoh, Laurie Anderson, Philip Glass, and others.

EYE with C.O.L.O of COSMICLAB at MUTEK JAPAN

Held in Shibuya, EYE for the first time ever graced the stage of the 2025 edition of MUTEK JAPAN with C.O.L.O. (COSMICLAB) presenting a more fantastic and longer version of the surprise performance they did for ART WEEK TOKYO on Nov. 5. Unlike FINALBY ( ), this performance was closer to a traditional audiovisual performance but luckily more unhinged. Most performers of MUTEK try to impress with a less-is-more aesthetic but this was a case of more-is-so-much-more one. The FINALBY (
) concert was a submersion in 2 hours of near constant noise. The MUTEK performance of C.O.L.O. and EYE, standing together at a long table shadowed by a huge screen behind, was closer to EYE`s manic DJ PICA PICA PICA mix style. An incredible soup of noise portions of FINALBY ( ) with the same monochrome flicker visuals side by side with hyper psychedelic hardcore singeli music reflecting his ongoing fascination with the manic genre. And tons of near indescribable collages in between.

EYE`s music and visual style is like pop art on acid. C.O.L.O. convinced me he was the best collaborator for EYE, brilliantly reflecting EYE`s impulses assaulting the audience with demented flicker flowers, mind-altering geometry, a sea of eyes (totally tongue in cheek), heart and pig emojis dancing across the screen in similar patterns followed by near collision slow motion disaster 3D video game scenes of Dekotora trucks loosing their wheels. The intensity


was beautifully calculated and unreal. A full head rush with barely a moment to breath.

With so many perspectives of EYE`s singular always evolving expression in only a few months time, I can only pray that 2026 brings us more.

Vol.2:霜月エモエモdays✶ ࣪˖࿐ * - ele-king

 Hello Hello!  hey hey!  heykazmaですッ!!
 融解日記第二回スタートですヨ。11月、後半めっちゃ寒くてびっくりだわ〜...
 heyに負けじと世の中も色々動き回っておりますね。
 失言·不用意·不適切...うっかりでは済まされないことが多々起きておる...。
 もはやこれは他人事ではないぞ! 我々みんな当事者なのだᕦ(ò_óˇ)ᕤと思う今日この頃でございます。
 そんな感じで、ハロウィンリミキシーズのリリパが終わったあとは、北海道〜仙台でDJをしてきました。そのあと東京で数本DJして、今です。あっという間に12月が近づいてきている。色々な締切やミーティングなどに追われていますが、まゔたちとご飯〜♪行ったり、遊びに行ったりもしちゃってますゾ。なにしちゃってんだか〜〜〜(ワロタ。
 ここ最近起きたことでびっっっきりに嬉しかったのは、テクノ界の超大御所Jeff Mills大大大大校長様にお会いできたこと! KATAでおこなわれていた展示のレセプションにお邪魔しました。身長が私と同じくらいで運命って感じで嬉しかったョ♡ DJはナイトイベントだから見れずすごく残念。みんな行ってて羨ましいゾンヽ(`Д´#)ノ

 パーティ行けないの悔しいのでTOGAとコラボのJeff様Tシャツを購入しちゃった。
 ものすっごっ〜〜〜くオキニイリでやんす!!
 これ着てタンテのDJの練習をたくさんしようと思う〜〜〜ッ⁺˚⋆。 °✩₊

 こないだね、自分のDJ Mixのアーカイヴを一人で聴いて反省会やったんだけど、ほんとにさあ問題点おおすぎワロタなの。wwwwwww。4つ打ちsetなのにブレイク多すぎるなーって感じたり、ゲイン調整ちょっと甘かったりなんかキリないほど課題あって〜ン泣泣泣。みんなから「DJめちゃ良かったです‼️」ってよく言われるけど(もちろんめっちゃ嬉しい~~~!ラヴ~~~!だが!!!!)、俺ならもっと頑張れると思うので‼️‼️
 見守ってて欲しいなってすごいよく思う‼️ みんな、俺のこと、応援してくれえ‼️‼️

 そんなわけで、わたしが結構影響を受けているDJの方を今回は3人紹介&最近聴いてよかった音楽2つを紹介できたらなと。全員要チェックだぞっっっ❣️☆


WHY BE on NTS 20.10.25  (DJ mix)
 Why Beパイセンはコロナ禍、緊急事態宣言がでて自宅学習で学校も行けず暇をしていたときにネットサーフィンしまくっていたらみつけたベルリンのアーティストで、影響を受けまくっているDJの一人。WHY BEパイセンの定期的に提供されているNTS RadioのDJ Mixは非常に刺激をもらいまくってるにょ。Bass MusicやAmbientを軸にしてたり、選曲の幅は広め。昨年の3月にWWWβにて来日公演が行われていたけど、ナイトでの開催だから遊びに行けずで...超絶悔しいですわ。𐔌՞꜆˃̣̣̥⋏˂̣̣̥꜀՞𐦯


Prettybwoy / CIRCLE at SALOON 8 April 2025 air-rec
 プリヴォさんもコロナ禍、緊急事態宣言がでたりでなかったりしていたときにDÉDÉ MOUSEさんとPrimulaさんと3人でTwitchでDJ配信している様子とこを見て、一気にファンになたのよ。大好きなアーティスト。リスペクトしまくり。このMixは代官山Saloonでエア撮りされたもの。プリヴォさんの手元だけずーっと見ていたいぐらいテクニックがすごい。非常に感動ですワ...

 先日6年越しにやっとパーティでお会いできた。感動の極み(っ’-‘)╮ =͟͟͞͞ ʟᴏᴠᴇ 💖


BEAMS RECORDS w/ lostbaggage: 31st Oct '25 (DJ mix)
lostbagaggeことあんなちとは、今年1月、私が仙台(地元)に住んでいたときにマヴが企画してるパーティで共演して出会いました。一緒に大崎八幡宮のどんと祭(地元トークすぎてやばい)にいったりしたんだよ〜。それ以来、彼女が働いているBonoboやSPREADに遊びに行くと、ばったり会ったり〜って感じ。彼女のDJはどんな状況でもいつも己の魂感じるような展開で、フロアの真ん中で聴くととても心地が良すぎるんです。わんちゃん、幽体離脱ってことかもね。大パイセン。早くまたDJ聴きたいョ〜。⁠:゚⭑⁠:⁠。


hatchcatch - Nu-Disco & House Mix
 地元のDJで一番仲の良い、最高フレンドhatchcatch。
 私が出演してたパーティに遊びに来てくれて、声かけてくれたのが最初の出会いで、そこから一瞬で意気投合。本当に全てが最高すぎる!! J-POP〜Techno〜House、様々なジャンルでDJできちゃうのも尊敬。毎月開催していて、私も以前出演させてもらった彼女の主催パーティ「A.B.C DISCO」。次回11/29で在仙ラスト回らしいので、現地にいる人は絶対行こうね(あっしは行けないけど!泣)


北村蕗 - Spira1oop (album)
 私と音楽ユニット・machakaru、そしてフォト・コレクティヴ・HEAVENLY KILLERSとしても一緒に動いてる、まゔの北村蕗が11月26日にリリースする1st Album『Spira1oop』。一足先に聴かせてもらった! 北村ちゃまとはもう5〜6年ぐらいの仲で、かけがえのないおもろいマヴであり、ずっと変わらずカッコ良い戦友。ここ最近の進化っぷりはほんとに半端なくて、曲を聴いてると「これ誰にでも作れる音じゃないよな…」って思わされる。いろんな世代のダンスミュージックを通ってきて、しかもクラシックもルーツにある北村だからこそ作れる、フロアユースでありながら繊細なトラックがぎゅっと詰まってて、音の階層がとにかく深い。全人類必聴✦ ﹒₊˚𓂃
 12/6には代官山UNITでワンマンもあるらしいので、これは行くしかない。よっっしゃあ!
https://avyss-magazine.com/2025/11/14/66207/


セーラーかんな子 - PRESENTDAY
 かんな子っちは、今年6月に幡ヶ谷Forestlimitで開催された「Deep Forest」というイベントで共演したことがきっかけで知り合ったの。それまで彼女のことを知らなかったんだけど、オファーをいただいたタイミングで楽曲を聴いた衝撃はいまでも鮮明に覚えてる。
 彼女の音って、生々しさと切実さが同居してて、一度聴いたら本当に忘れられないタイプのものだった。さらに、ガザで起きているGenocideの現状についてわかりやすく発信して、声を上げ続けている姿勢は本当に頭が下がる。尊敬しかない。PRESENTDAYはbandcampでデータを購入すると売り上げが日本国際ボランティアセンター(JVC)パレスチナ緊急支援事業のほか、GoFundMeを通じてガザに住む方達に寄付される!
https://sailorkannako.bandcamp.com/track/presentday


 以上、おすすめheyのloversコーナーでした!
 どのアーティストもリスペクト超ありまくり。絶対チェックして欲しいです♡‧₊˚

 そんなわけで、heyの今後の予定は!

 11/30中目黒HEVNにて、『WAIFU 🦄🪩 TRANS JOY IS RESISTANCE 🍉❤️‍🔥』に出演!トークショー(w/Hikariちゃん&Andromeda♡)とDJ(90minくらい)で出演します☺︎
 がっつりTechnoやる!
  https://www.ele-king.net/news/012018/

 12/7長野県・松本市、club INNERSIDEにて『Happy Halloween Remixes 2025 Curated by heykazma Release Party 松本編』、開催されます!
 企画はりんご音楽祭主催でお馴染みのDJ Sleeperぴょん。食品まつりぽよ、カワムラユキ姐と一緒に松本向かいます。長野県民ちゃんはもちろん、色んな子たちマスカム!
  https://www.instagram.com/p/DRRVYHgkzy4/?img_index=1

 そのほかのDJ GIGのinfoはlitlinkをチェックしてね!
  https://lit.link/heykazma

 それでは次回の連載、どこかのパーティでお会いしましょう˖ . ݁
 以上、heykazmaでした!

11月のジャズ - ele-king

Omasta
Jazz Report from the Hood

Astigmatic

 昨今のジャズ・シーンではあまり取り上げられることのないポーランドだが、かつて共産時代の1960~70年代には多くのミュージシャンやバンドが活動し、隣国のドイツと並んでヨーロッパの中でもジャズが盛んな国のひとつだった。基本的にジャズの伝統が流れている国と言っていいが、最近は若いミュージシャンもいろいろ出てきている。たとえばテンダーロニアスジャウビと共演し、サン・ラーやポーランド・ジャズ界の伝説的なピアニスト/作曲家であるクシシュトフ・コメダのトリビュート作品をリリースするEABS(イーブス)、UKの〈ゴンドワナ〉から作品をリリースするハニア・ラニといった新しい感性を持つアーティストなどが目につくところだ。イーブスはUKの〈アスティグマティック〉から作品をリリースしているが、このたび同レーベルから登場したオマスタもポーランドの期待のバンドと言える。

 クラクフという町出身の彼らは、その地方の方言で「風味付けのために料理に加える脂」という意味のグループ名を持つクインテットで、ポーランドからイギリス、ベルギーなどヨーロッパ各地でライヴ活動を行っている。そうしたライヴでは地元クラクフ出身のジャズ・サックスのベテランであるレスシェク・ジャンドヴォから、テンダーロニアス、スラム・ヴィレッジなどジャズに限らないいろいろなアーティストとステージを共にしてきた。ジャズにとどまらないミクスチャーな感覚はJ・ディラマッドリブなどに影響を受けたところから導かれており、彼らの作り出すビートをジャズの生演奏へと落とし込むと同時に、ロイ・エアーズ、ロニー・リストン・スミス、ドナルド・バードなど1970年代のジャズ・ファンクのエッセンスも注入している。ファースト・アルバムとなる『Jazz Report from the Hood』は、そんなオマスタの魅力がぎっしりと詰め込まれている。“Cornerstone”はネオ・バップを軸とした楽曲だが、ブロークン・ビーツを咀嚼したようなリズムが現代的で、2000年代半ばのクラブ・ジャズに近い雰囲気もある。“Kazimierz”も基本的には1960~70年代のジャズの骨格を持ちながらも、ソリッドで研ぎ澄まされたビートを持つことによってダンサブルなサウンドとなっている。疾走感に満ちたジャズ・ファンクの“Burner”やジャズ・ボッサ調の“Ankle Breaker”も同様で、全体的にクラブ・サウンドを意識した演奏や楽曲づくりが行われている。“Mandem”や“Who They Was”などダウンビートの作品はヒップホップを意識していて、ドープなジャズ・ファンクの“Dead End”のビートはクエストラヴやクリス・デイヴなどのドラミングを彷彿とさせる。


Anton De Bruin
Sounds of the Eclipse

Sundown Recordings

 4月にオランダのグループのY.O.P.Eを紹介したが、そのキーボード奏者であるアントン・デ・ブルーインのソロ・アルバム『Sounds of the Eclipse』がリリースされた。彼はY.O.P.Eの前にもジャズとヒップホップをミックスしたグループのドラゴンフルーツでもアルバムを出しており、そのほかにアフロビート・バンドのアンタレス・フレアを結成し、ジャズ・トランペット奏者のピーター・ソムアのアルバムに参加するなど、いろいろなキャリアを積むミュージシャン/プロデューサーである。自身のソロ・アルバムとしては2024年に『Imaginarium』を発表していて、これにはY.O.P.Eのリーダーであるヨープ・デ・フラーフ、ドラゴンフルーツのメンバーのティジメン・モレマとシェルド・ヒスーン、ピーター・ソムアなども参加していて、彼が拠点とするロッテルダム周辺の音楽仲間が集まった作品と言える。内容的にはジャズ、ファンク、アフロ、ダブ、ヒップホップなどをミックスした上でエレクトロニクスを加え、UKのジョー・アーモン・ジョーンズあたりに近い印象を受けた。

 それから1年半ぶりとなるニュー・アルバムが『Sounds of the Eclipse』である。今回の演奏もヨープ・デ・フラーフ(ベース)、ピーター・ソムア(トランペット)、ジェシー・シルダーリンク(テナー・サックス)、ミラン・ブーン(ギター)、ティジメン・モレマ(ドラムス)と核になるメンバーは一緒。ほかにルーマニア出身のフルート奏者のファニ・ザハールやストリングス・セクション、シンガーのニア・ラリノヴァ、K.O.G、アジザ・ジェイ、ジャーメイン・パークアウトなどが参加し、ヴァラエティに富むレコーディング・メンバーとなっている。“Running on Slippers”はファニ・ザハールのフルートをフィーチャーし、高速のビートで駆け抜けるコズミック・ジャズとなっている。テクノやブロークン・ビーツなどのクラブ・サウンドの要素やアフロもミックスし、ザ・コメット・イズ・カミングあたりにも通じる作品と言えよう。ニア・ラリノヴァがメランコリックなムードで歌う“Keep Your Distance”は、リチャード・スペイヴンのような人力ダブステップ風ドラミングが印象的なジャズとクラブ・サウンドの折衷的作品。“Same Story”はアフロビートで、“Long Way Around”はレゲエ/ダブの要素が強く、K.O.Gとアジザ・ジェイが歌う“B3sin”はアフロ~カリビアン・ソウルとUKジャズのミクスチャー感覚から影響を受けていて、全体としてジョー・アーモン・ジョーンズからエズラ・コレクティヴ、スティーム・ダウンといったサウス・ロンドンのサウンドに近い印象だ。


Harper Trio
Dialogue of Thoughts

Little Yellow Man

 ハーパー・トリオはギリシャ出身でロンドンを拠点に活動するハープ奏者のマリー・クリスティーナ・ハーパーを中心に、ニール・コウリーのトリオでジャズ、マット・スコフィールドのトリオでブルース・ロックを演奏するエヴァン・ジェンキンス(ドラムス)、コルトレーンを聴いてジャズの道に進んだジョセフィン・デイヴィス(テナー&ソプラノ・サックス)というほかにはあまり類を見ない異色のトリオである。そもそもハープという楽器がジャズの世界ではマイナーだが、近年はニューヨークのブランディ・ヤンガーはじめ、マシュー・ハルソール率いるゴンドワナ・オーケストラのレイチェル・グラッドウィンやアリス・ロバーツ、マシューやチップ・ウィッカムと共演するアマンダ・ウィッティングなど女性ハープ奏者が活躍する場面も増えてきた。彼女たちはドロシー・アシュビー、アリス・コルトレーンというジャズ・ハープ奏者の草分けの影響を受けているが、マリー・クリスティーナ・ハーパーはそれとはやや異なるタイプの演奏家である。ハープは民族音楽にも多く用いられ、古くはクラシックの分野で発展してきたが、マリー・クリスティーナ・ハーパーはハープにエレクトリックなエフェクターをつけた実験性の強いアーティストである。また、ほかのハープ奏者に比べて即興演奏の度合いが高く、フリー・ジャズとロックや民族音楽を融合するようなところも見られる。2023年に『Passing By』というファースト・アルバムをリリースするが、そこではギリシャやエジプト、スペインという地中海周辺の国々をモチーフとする楽曲が収められていた。

 それから2年ぶりの新作となるのが『Dialogue of Thoughts』である。力強いビートにいるジャズ・ロックの“Walk”で、マリー・クリスティーナ・ハーパーのハープは基本的にはベースのような役割を果たしつつ、エフェクトをかけて次第にエレクトロニックな様相を呈していく。エヴァン・ジェンキンスのテナー・サックスはシャバカ・ハッチングスのような演奏で、彼が参加するザ・コメット・イズ・カミングに近いタイプの作品だ。“Sometime in Cairo”はエジプト音楽を取り入れ、ダークでミステリアスな世界を作り出していく。タイトル曲の“Dialogue of Thoughts”はアヴァンギャルド色の強い混沌とした演奏で、“Inner Thoughts”はメンバーのダイアローグ(会話)を楽器の一部のように用いた実験的な作品。“Madness While Trying to Meditate”はハープをまるでエレキ・ギターのように使用しており、非常にアグレッシヴな演奏を展開する。一方で“Quiet Mind”や“In Between Dreams”ではミニマルやアンビエントの影響を受けた抒情的な演奏も行う。ハープという楽器の可能性をさまざまな方向で追及した作品である。


The Cosmic Tones Research Trio
The Cosmic Tones Research Trio

Mississippi

 恐らくサン・ラー・アーケストラのアルバム『Cosmic Tones For Mental Therapy』(1967年)から名前をつけたのではないかと想像されるコズミック・トーンズ・リサーチ・トリオ。サン・ラーのような宇宙観、アフロ・フューチャリズムと同様に、精神的な癒しも彼らの音楽の重要な要素なのだろう。アメリカのポートランドを拠点にローマン・ノーフリート(サックス、フルート、クラリネット、パーカッション、ヴォーカル)、ハーラン・シルバーマン(チェロ、ベース、フルート、ハープ、スティール・ギター、パーカッション、シンセ、エレクトロニクス)、ケネディ・ヴェレット(ピアノ、キーボード、フルート、パーカッション、ヴォーカル)から成るグループで、最初はローマンとハーランがやっているビー・プレゼント・アート・グループというコミュニティ・プロジェクトにケネディが参加し、いろいろとセッションを繰り返す中でコズミック・トーンズ・リサーチ・トリオとなっていった。ジョン&アリス・コルトレーン、サン・ラー、ファラオ・サンダース、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、アンソニー・ブラクストン、ジョージ・ルイス、デューク・エリントン、現役で今も活躍するドワイト・トリブルなどのジャズから、ミニマル/実験音楽のジュリアス・イーストマン、現代音楽のベンジャミン・パターソン、R&Bやブルースのジェイムズ・ブッカーからスティーヴィー・ワンダーに至る幅広いアーティストたちに影響を受け、ブライアン・イーノを通じてアンビエントの分野にも興味を持つという彼ら(ファラオ・サンダースについては実際に会って学ぶ機会があり、アリス・コルトレーンの教えを受けた弟子たちとも交流があるそうだ)。3人が一堂に会したのは〈ミシシッピ・レコーズ〉が主催したレコード・ショップでのコンサートだったが、そのときにドローン・サウンドを取り入れた演奏をしていて、そうした中から瞑想的なヒーリング・ミュージックを志向し、ファースト・アルバムの『All Is Sound』(2024年)が作られた。

 3人ともがマルチ・ミュージシャンで、それぞれパーカッションなどを使って多重のアンサンブルを重ねる姿は、1970年代のファラオ・サンダースやアート・アンサンブル・オブ・シカゴなどにも共通する。特にフルートは3人全員が演奏し、そこから広げて尺八など世界各国の吹奏楽器にも興味を伸ばしている。『All Is Sound』はスピリチュアル・ジャズとアンビエントを繋ぐような作品だが、どちらかと言えば比重はアンビエントの方に寄っていた。それから1年ぶりのグループ名をそのままタイトルとしたニュー・アルバムも、全体的にはノンビートのアンビエント色の強い作品が多い。そして、民族音楽の要素も交えながらオーガニックな色彩も感じさせる。ケネディがアルメニアやアゼルバイジャンなど中央アジアで用いられる木管楽器のドゥドゥクを演奏していて、その優しく円やかな音色がオーガニックなトーンにも一役買っている。そうした中、神秘的なチェロとピアノのハーモニーに原初的なパーカッションがゆったりとしたグルーヴを導き出す“Sonkofa”が、もっともスピリチュアル・ジャズの色合いが強い作品と言えそうだ。

Sleaford Mods - ele-king

 2026年1月16日に約3年ぶりとなる最新作『The Demise of Planet X』のリリースを控えるUKのスリーフォード・モッズが、先行シングルとして“Bad Santa”をライヴ・セッション動画とともに公開している。

 なお、アルバムのリリースに際する日本限定特典として、スマホ・スタンドの付属が決定したとのこと。メンバーのアンドリュー・フェーンとジェイソン・ウィリアムソンそれぞれの似顔絵がデザインされた2種類がランダム収録される。さまざまな問題への怒りがやまない現代だからこそ、せめて笑いながらアゲインストしていこうぜ、というメッセージか。

Artist: Sleaford Mods
Title: The Demise of Planet X
Label: Rough Trade Records / Beat Records
Release Date: 2026.01.16
Pre-Order: https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15448
Format:
・国内盤CD(解説書/歌詞対訳付き/ボーナストラック追加収録)
・輸入盤CD
・限定盤LP(数量限定/ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル)
・輸入盤LP
・輸入盤カセット

Tracklist:

01. The Good Life feat. Gwendoline Christie & Big Special
02. Double Diamond
03. Elitest G.O.A.T. feat. Aldous Harding
04. Megaton
05. No Touch feat. Sue Tompkins
06. Bad Santa
07. The Demise of Planet X
08. Don Draper
09. Gina Was
10. Shoving the Images
11. Flood the Zone feat. Liam Bailey
12. Kill List feat. Snowy
13. The Unwrap
14. Give ‘Em What They Want (bonus track for Japan)

AVYSS Circle 2026 - ele-king

 2018年にCVNことNobuyuki Sakumaによって発足された「時代をアップデートする個性のある音楽やカルチャーを日々記録する」プラットフォーム・AVYSSが、サーキット企画〈AVYSS Circle 2026〉をデイ/ナイトの2部制で2026年1月23日(金)に開催する。

 〈AVYSS Circle〉はこれまで2022年、2024年に下北沢のクラブ・ライヴハウスを舞台に開催されてきた回遊式のイヴェント。先日〈Warp〉より新作『Lick The Lens – Pt. 1』をリリースしたオリ・エクセル(https://www.ele-king.net/review/album/007379/)や韓国在住・アジア圏におけるデジコア・シーンの旗手・エフィー(Effie)、オーストラリアの新星ニーナ・ジラーチとのコラボレーションやチャーリーXCX、100ゲックスのサポートアクトなどで注目を集めるデイン(daine)などを招聘しつつ、日本のアンダーグラウンド・シーンで活躍するローカル・アクトたちを多数ラインナップ。

 舞台となるのは渋谷クアトロ、WWW、WWWβ、R Lounge、SUPER DOMMUNE、PBOX(旧・ComMunE)の5会場・7フロア。過去最大規模となる本企画では「2020年代以降のジャンルやカテゴリーを超越する感覚をAVYSSの視点で包括した」とのことで、ハイパーポップをはじめとするネオ・インディな新世代の感性が集う一日となるか。追加ラインナップも後日発表予定。以下詳細。

 「今回のAVYSS Circleは、ローカルで育まれてきた小さな円環が、ゆっくりと着実に外側へ同心円状に広がっていくのを想像しています。地理や距離を横断する“横軸”と、音楽から周辺のカルチャーへ潜る“縦軸”が交差し、ローカルとワールド、リアルとオンラインが同じような地平で融解します。そこに集まる表現は、わかりやすい線引きではなく、流れついた「個」の感覚の連なりです。雨の日も雪の日も、毎日積み重ねてきたキュレーションの螺旋ループがレイヤーの外側に接続し、静かに拡張していくことを目指します。」
──Nobuyuki Sakuma (CVN)

AVYSS Circle 2026

◆公演日:2026年1月23日(金)
◆開場/開演:【DAY】18:00 【NIGHT】24:00
◆会場:SHIBUYA CLUB QUATTRO 4F・5F / WWW・WWWβ / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX (5会場・7フロア)
◆TICKET:https://eplus.jp/avysscircle-2026/
◆価格:
【通し券】前売:10,000円 / 早割:9,000円
【DAY】前売:7,900円 / 早割:6,900円 / U-18:5,900円
【NIGHT】前売:4,800円 / 早割:3,800円
(税込/スタンディング/整理番号付/ドリンク代別)

◆出演者 (A-Z)

■ DAY

【CLUB QUATTRO 5F】
daine (AUS)・ほしのおと・トップシークレットマン・雪国・and more…

【CLUB QUATTRO 4F】
Emma Aibara・ikea・Le Makeup・Lilniina・safmusic・死夏・XAMIYA・諭吉佳作/men・yuzuha

【WWW】
AssToro・dodo・Effie (KR)・iiso (KR)・It’s US!!!!・kegøn・lilbesh ramko・SxC Loser・sysmo・Yoyou

【WWWβ】
Amuxax・荒井優作・iga・LAUSBUB・鯖・Saren・serah trax・宇宙チンチラ・uku kasai

【R Lounge】
AOTO・discordsquad2k・goku sasaki・lazydoll・Mishaguzi・Number Collector・otuyyuto・PAX0・Siero・Yog*

【SUPER DOMMUNE】
cyber milkちゃん・DJ HOSHIMIYA TOTO・ひがしやしき・Magnolia Cacophony・おそロシア革命・and more…
〈TALK〉 千代田修平 + JACKSON kaki + ~離 MC : NordOst ※トークテーマ後日発表

【PBOX】
DjuBumba・eijin・fui w/ innerscape by ITOAOI・百年の孤独・いむ電波.wav・小松成彰 うーたん・うしろ(Ritual Workshop Set)・MON/KU
〈TALK〉 AfterParty 公開収録 ゲスト:つやちゃん ※トークテーマ後日発表
〈AVYSS COLLABORATION〉 BALMUNG・chloma・GB MOUTH ※コラボ内容後日発表


■ NIGHT

【CLUB QUATTRO 5F】
iVy・SleepInside・Texas 3000・and more…
〈VJ〉 Higurashi・JACKSON kaki

【CLUB QUATTRO 4F】
CVN・E.O.U・imai・in the blue shirt・nano odorine・nerdcamp.com・食品まつり a.k.a foodman・and more…

【WWW】
Dos Monos・JUN INAGAWA・music fm・Oli XL (SWE)・釈迦坊主・wagahai is neko
〈VJ〉 naka renya・O.G.I

【WWWβ】
FELINE・okadada・らりる連合・TORIENA
〈AVYSS Cup〉(テーマ:元気)loli主語・前澤・seaketa・ ~離 MC : 徳利

Organize:AVYSS / CLUB QUATTRO
Cooperation:WWW / R Lounge / SUPER DOMMUNE / PBOX
Supported by melting bot
Partner:GALLERIA
Key Visual : QINGYI
Design & Layout : naka renya
Staging : yoh
Food : Geek Eggs Food Team XD

◆注意事項:
※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
※U-18の対象者は公演当日2026.1.23時点で18歳以下の方。ID/身分証の確認ができない場合、当日差額分をいただきます。
※NIGHTは深夜公演です。20歳未満は入場不可。要写真付きID。ID/身分証の確認ができない場合、入場をお断りする場合がございます。
※身分証明書は右記いずれかの写真付きのもの(学生証、運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
※各種チケットは枚数に制限がございます。上限に達し次第受付を終了します。予めご了承ください。
※DAYとNIGHTは入れ替え制。(通しチケットお持ちのお客様も一度ご退場いただきます。)

◆お問い合わせ:
渋谷クラブクアトロ 03-3477-8750

◆AVYSS:https://avyss-magazine.com

Charli XCX × John Cale - ele-king

 先日、エミリー・ブロンテの古典『嵐が丘』がエメラルド・フェネル監督によって映画化されることが発表されているけれども、そのサウンドトラックを手がけているのがチャーリー・XCXだ。〈Atlantic〉から来年2月13日にリリース予定の同作からはすでに “House” と “Chains Of Love” の2曲が公開されているが、前者にはなんとジョン・ケイルがフィーチャーされている。ケイルは2023年の『Mercy』でもローレル・ヘイローアクトレスを招いていたように、異なる世代とのコラボレイションに積極的だ。注目しておこう。

Oneohtrix Point Never 『Tranquilizer』 - ele-king

Photo: Aidan Zamiri

Oneohtrix Point Never『Tranquilizer』
“D.I.S.”/“Rodl Glide”

 ワン・オートリックス・ポイント・ネヴァー(Oneohtrix Point Never、以下OPN)の音楽は、2010年代以降の文化環境、すなわちポスト・インターネット時代における「記憶」と「感情」の断片化そのものを象徴してきた。ダニエル・ロパティンによるこのプロジェクトは、デジタル社会が生み出す残響や廃墟のようなノスタルジーを素材に、メディアそのものの記憶を再構成し続けてきた試みである。

 初期作『Rifts』(2009)は、アナログ・シンセのドローンを介して「過去の未来」を再訪するアルバムだった。インターネット上を漂う幽霊的ノスタルジーを先取りし、電子音楽が抱え続けてきた「記録」と「忘却」の問題を音響の内部に封じ込めていた。そして『Replica』(2011)では、テレビCMの断片やローファイなサンプリングを通して、メディアの残骸から新しい感情の構造を再構築する。この方法論はヴェイパーウェイヴ的文脈と呼応しつつも、その表層的アイロニーを超えている。ロパティンの手にかかれば、断片は単なる引用ではなく、「崩壊した文化の欠片」から「新たな感情のプロトタイプ」を抽出する作曲的思考へと転化する。感情の残滓を音として再構成すること。それこそが彼の創作の核心である。
〈Warp〉移籍以降の展開もその延長線上にある。『R Plus Seven』(2013)では人工音声やMIDI音源、宗教的コード進行を用いて、情報社会の内部に潜むスピリチュアリティを可聴化した。『Garden of Delete』(2015)ではネット以降の自己分裂を描き、『Age Of』(2018)、『Magic Oneohtrix Point Never』(2020)、『Again』(2023)の三部作では、自己引用とメタ構造を通じて「創作」と「記憶」の境界を溶解させた。AIやアルゴリズムが創作を侵食する以前から、ロパティンはすでに「人間の手を離れた音楽」という感覚を先取りしていたのである。

 その探求の帰着点となりうるのが、新作『Tranquilizer』ではないかと夢想している。ロパティン自身が語る「歯科医院の椅子から見上げた人工の青空」という着想は、現実の代替物としての人工的安堵(すなわちシミュラークル化した癒し)をテーマとして読み解ける。さらに、かつてネット上から忽然と消えたサンプルCD群の記憶を再構築するという設定は、文化の断絶と記録の喪失をより直接的に描き出す試みでもある。そもそも「歯医者」というモチーフはOPNという名の起源と深く関わっており、彼の作品世界が円環的に回帰する構造を持つことを象徴しているようにも思える。
 先行配信された “For Residue” “Bumpy” “Lifeworld” “Measuring Ruins” “Cherry Blue”の5曲を聴くと、そこに鳴るのはメディアの崩壊と再生の狭間に浮かぶ「音の幻覚」だ。明瞭でありながら淡く、霧のように溶けていくシンセサイザーの音。その響きはまるで明晰夢を聴くような感覚をもたらす。音のパレットはこれまで以上に多層的で、色彩感覚は「5K映像」のように高精細である。ロパティンはもはや過去を引用するのではなく、消えゆく音そのものを「新しい感情の器」として再構築している。
今回、新たに先行配信された2曲、“D.I.S.”(アルバム10曲目)と “Rodl Glide”(14曲目)は、その方向性を決定づけるトラックに思えた。“D.I.S.” は澄み切ったシンセの層がゆるやかにうねり、静謐のなかで絶えず変化を続ける。しかし突如55秒以降、ノイズが介入し、電子音がリズミカルに脈動を始める。1分28秒からチェンバロのような金属音が重なり、1分41秒を過ぎるとベースの断片と幽霊的なコーラスが交錯する。やがて2分20秒以降、音は再び静寂へと還元され、透明なシンセが微かなピアノの輪郭を浮かび上がらせる。初期作『Eccojams Vol.1』のコラージュ的世界観を、20年代的音響処理でアップデートしたような印象だ。

 一方、“Rodl Glide” はさらに意表を突く。冒頭から中盤にかけては穏やかなアンビエントが続くが、深層にはキック音が潜んでいる。3分10秒を過ぎた瞬間、90年代テクノを思わせるビートが突如として立ち上がる。ここまで明確にリズムを押し出したOPN曲は稀であり、その大胆さはキャリア全体でも特筆すべきだ。だがそのリズムは高揚ではなく、むしろ催眠的な静けさを伴う。ビート、シンセ、ノイズ、人工音声が溶け合い、夢の中で自我が分解されていくような感覚を残す。“Rodl Glide” こそ、OPN的「終末の美学」の現在形と言えるだろう。

 この2曲に共通するのは、OPNが長年追い求めてきた「夢見る構築美」が、現代的な精度で再定義されているという点である。『Tranquilizer』の先行曲群に耳を傾けると、ロパティンがもはや「ポスト・インターネット音楽」を更新する段階を超え、「音の終わりのさらに先」を見据えていることがわかる。そこに鳴るのは、静かな祈り、そう、デジタル時代の声なきラメントである。

 『Tranquilizer』全編を聴いたとき、私たちの知覚と感覚はどのように変化するのだろうか。リリースは21日。音楽の未来が、再びOPNの手によって更新されようとしている。

◆『Tranquilizer』先行試聴イベント
日時:11月20日 (木) 19:00~20:30
会場:BEATINK Listening Space (東京都渋谷区神宮前1-12-3 パティオビル Authors Harajuku B1)
※入場無料

◆『Tranquilizer』SPECIAL POP-UP
日時:11月21日 (金) 17:00~21:00、11月22日(土)~11月24日 (祝月) 15:00~21:00
会場:Park in Park (東京都渋谷区神宮前6-20-10 宮下パーク 内1F)
※入場無料

The Bug vs Ghost Dubs - ele-king

 UKのザ・バグことケヴィン・マーティンが、ドイツのゴースト・ダブズ(ミヒャエル・フィードラー)との共作『Implosion』を11月21日にリリースする(デジタル音源はバンドキャンプで先行発売中)。イギリスとドイツ、それぞれ異なるバックボーンを持つ両者のトラックが交互に登場する本作、ふたりはサウンドを「生々しく」(フィードラー)「残酷なほどミニマル」(マーティン)に仕上げることをが目指したという。そしてダブの時代は続く、と。

artist : The Bug vs Ghost Dubs
title : Implosion
label : PRESSURE
Format : LP / CD / Digital
Release : 2025.11.21 (LP / CD)
Buy / Stream (bandcamp) : https://thebugvsghostdubs.bandcamp.com/album/implosion

Tracklist:

01. The Bug - Hooked (Hyams Gym, Leytonstone)
02. Ghost Dubs - In The Zone
03. The Bug - Believers (Imperial Gardens, Camberwell)
04. Ghost Dubs - Hope
05. The Bug - Burial Skank (Mass, Brixton)
06. Ghost Dubs - Dub Remote
07. The Bug - Alien Virus (West Indian Centre, Leeds)
08. Ghost Dubs - Down
09. The Bug - Militants (The Rocket, Holloway)
10. Ghost Dubs - Into The Mystic
11. The Bug - Dread (The End, London)
13. The Bug - Spectres (Plastic People, Shoreditch)
14. Ghost Dubs - Waterhouse
15. The Bug - Duppied (Brixton Rec)
16. Ghost Dubs - No Words

Music / Production :
The Bug tracks : The Bug (Kevin Richard Martin)
Ghost Dubs tracks : Ghost Dubs (Michael Fiedler)

Mastered : Stefan Betke (Scape Mastering)
Artwork : Simon Fowler
Gatefold inner photography : Eric Audoubert

Dopplereffekt - ele-king

 ジェラルド・ドナルドとミカエラ・トゥ=ニャン・ バーテルからなるドップラーエフェクトが活動30周年を迎える。これを記念し12月12日、〈Tresor〉から4曲入りのEP「Metasymmetry」がリリースされることになった。ドップラーエフェクトが〈Tresor〉からリリースするのは今回が初めて。サウンド的には人種、国家、機械が時空を超えた多元宇宙で溶け合うのを垣間見させるようなものになっているそうだ。フォーマットは12インチとデジタルの2種で、現在シングル “Collapse of Simultaneity” が試聴可能だ。
 またこのタイミングにあわせ、ドップラーエフェクトのライヴ映像が公開されてもいる。〈Tresor〉のすぐそばにあるヴェニュー、Kraftwerk Berlinで2022年に録音されたもので、配信プラットフォーム〈ARTE Concert〉が〈Tresor〉の30周年を記念し共同で企画したシリーズの一環にあたる。こちらもあわせてチェックしておきたい。

artist: Dopplereffekt
title: Metasymmetry
label: Tresor
release: 12 Dec 2025
tracklist:
1. Time Modulation-Graviton Pulse
2. Multiverse Wavefunction
3. Collapse of Simultaneity
4. Olbers Paradox


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