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Sleaford Mods

Sleaford Mods

──違うんだよ、いま聴くべくロック、それがスリーフォード・モッズでしょう

Jan 19,2017 UP

 インターネット時代の悪夢に情報拡散というのがあって、たとえばレーベルが情報を送ると、そこに書かれたテキストをコピペして(つまり、咀嚼も吟味もされずに)いち早く情報を垂れ流すだけのネットメディは多々ある。そしてそれが、だぁーーーっと拡散される様は、イーノのレヴューでも書いたポスト真実社会そのもの。で、今回、ビートインクから送られてきたスリーフォード・モッズの新作情報のキャッチが「混乱の時代を迎えるイギリスで、今熱狂的な支持を集める奇跡の中年パンク・バンド、スリーフォード・モッズ」。アンダーワールドを中年テクノとは呼ばないように、イーノを老年アンビエントとは呼ばないように、ローリング・ストーンズを老人ロックとは呼ばないように、エレキングではスリーフォード・モッズを中年パンクとは呼ばない。
 スリーフォード・モッズが前作から〈ラフトレード〉移籍のあいだにあったことのひとつを言えば、メンバーのひとりはジェレミー・コービン支援のために労働党員となった。が、ブレグジット以降の党首選をめぐり彼の口汚いツイートが党から問題視され、投票権を失い、それに彼がさらに口汚く反撃を加えたことが話題になった(こういう話はブレイディみかこにこそして欲しいが)。
 ブレグジット以降、混迷の時代を迎えているというのは日本もまったく同じで、BBCの1年を振り返るという番組では、ブレグジットやトランプ勝利は、好むと好まざると関わらず、40年続いたレーガン/サッチャーの新自由主義=規制緩和によって自由貿易をうながし経済を活性化させるという政策に終止符を打たせた、という話があった。なるほどなーと思いながら見ていたわけだが、その是非は他にまかせつつ、こうした問題提起があって、他方では、たとえば『THE QUETUS』にはオルタ右翼(http://thequietus.com/articles/21378-trump-alt-right-fascist-bellends-60s-counterculture) などという論説まで掲載され、文中ではただの実業家にすぎなかった60代中道リベラルが責められたりと(笑)、むしろ、だからこそ、(まさにイーノには見えていなかったこのリアリズム)にずっと生きているスリーフォード・モッズが何をやるのか──、がっかりするかもしれないし興奮するかもしれないけれど、好むと好まざると関わらず、彼らの今回の新作に関して言えば、「注目すべき」という言葉が安っぽい宣伝文句にはならないのはたしかでしょう。
 ちなみに、3月の日本公開されるケン・ローチの素晴らしい映画、『ダニエル・ブレイク』のプロモーションに力を貸したのは、ジェレミー・コービンとスリーフォード・モッズ。だいたいこの興味深い音楽性とこのファッション・センス──頭でっかちの説教クサイ政治音楽ではないことはご覧の通りで、スリーフォード・モッズは希望以外の何モノでもないんですよ、悪いけど。
 アルバム『イングリッシュ・タパス』は3月3日にリリース。

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