ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. Politics 消費税廃止は本当に可能なのか? (2) (columns)
  2. 家族を想うとき - (review)
  3. Gr◯un土 - (review)
  4. Ronin Arkestra - Sonkei (review)
  5. ポスト・ミューザック考 第二回:俗流アンビエント (columns)
  6. Throbbing Gristle - D.o.A. (最終報告書) (review)
  7. Aphex Twin Live Stream - ──まるで1994年、初来日時のDJを思わせるようなセット (review)
  8. Throbbing Gristle - Greatest Hits - Entertainment Through Pain (review)
  9. There are many many alternatives. 道なら腐るほどある 第9回 銃口の前で踊り続ける (columns)
  10. Politics 消費税廃止は本当に可能なのか? (1) (columns)
  11. ミッドナイト・トラベラー - 監督:ハッサン・ファジリ (review)
  12. Columns マキ・ザ・マジック追悼文 ――女神にKiss ケツにKiss どっちにしても墓場で笑う (columns)
  13. Common - Let Love (review)
  14. special talk “和レアリック”対談 (interviews)
  15. interview with Kuro 自分を爆発させたい (interviews)
  16. 宇多田ヒカル × PUNPEE ──全米iTunes2位! 日本を含む9ヶ国で1位獲得 (news)
  17. Stereolab ──ステレオラブ再始動キャンペーン第三弾、00年代の2作がリイシュー (news)
  18. Tohji ──いま若い世代から圧倒的な支持を集めるラッパーが、初のミックステープをリリース (news)
  19. ジョン・ウィック:パラベラム - (review)
  20. John Corbett ──フリー・インプロヴィゼーションについての画期的入門書が翻訳、刊行記念イベントも開催 (news)

Home >  Reviews >  Sound Patrol > Sound Patrol

Sound Patrol

Sound Patrol

野田 努   Oct 24,2013 UP
このエントリーをはてなブックマークに追加

Paisley Parks - Cold Act Ill EP
Shinkaron


Bandcamp

 ペイズリー・パークスとはプリンスのレーベルではない。日本で生まれたジャパニーズ・ジュークのプロジェクトで、TMTも大絶賛、海外ではすでに人気に火がついている。ところで、つい先日、筆者はKESが〈ダブソニック〉やWOODMANのレーベルから作品を出していたことを知って衝撃を受けた。その初期作品(カセットテープ・リリース)を聴くと、たしかにジュークの青写真とも言えるゲットー・サウンドなのだ。つまり、10年前からやってきたことが、いま、たまたまシカゴと共振したということか。
 ドミューンでのライヴも格好良かった。「F」ワードが乱発される音楽が特別好きなわけではないけれど、この3人組からあふれ出るパンキッシュなエネルギーに降伏したので、早速CD-Rを買った。ブレイクコアのときと似ているのかもしれない。ペイズリー・パークスにしろフードマンにしろ、ジュークは日本との親和性が高いことを証明している。

Juke Footwork

Tiny Hearts - Stay EP
Dirty Tech Records


Amazon iTunes

 〈ダーティ・テック〉は、デトロイト・ヒップホップのキーパーソン、ワジード(スラム・ヴィレッジのオリジナル・メンバーおよびPPPで知られる)が昨年立ち上げたレーベルで、〈サブマージ〉もどこまで関わっているのか定かではないけれど、それなりにサポートしているんじゃないかと思わせるレーベルだ。それほどのポテンシャルはある。昨年1枚、今年1枚出ている2枚のepは、彼のエレクトリック・ストリート・オーケストラ名義の作品だったが、マイク・バンクス、セオ・パリッシュ、アンドレスなどテクノ/ハウスの大物も参加している。
 その2枚も、まあ悪くはなかったのだが、この〈ダーティ・テック〉の第3弾には痺れた。ワジードのR&Bプロジェクトのデビュー作で、初期のスラム・ヴィレッジを彷彿させるメロウなヴォーカルとタイトなビート、そして分厚いシンセのリフが素晴らしい。実験的だがポップで、まさにフューチャーR&Bと言いたくなるような……。これは注目しよう。

R&B Pop

Hilaru Yamada And The Librarians - The Rough Guide To Samplin' Pop
CD-R


http://ekytropics.blogspot.jp/

 カットアップ/サンプリング・ミュージックで、インナーにはネタが表記されているわけだが、そのネタの選び方が面白い(そのセンスはコーネリアス的だ)。洒落が効いていて、カラフルで、チャーミングなドリーム・ポップとして成立している。大昔、ちょうどこれと同じ方法論で、砂原良徳がブートを作ったことがある。推薦です!

Musique Concrete Cut Up Mash Up Dream Pop

Duppy Gun - What Would You Say About Me?
Stones Throw


STONES THROW

 サン・アロウとロブドア、そしてマシューデイヴィッド、LAの3人のジャマイカ旅行、第3弾。迫力ゼロのビートにふにゃふにゃのエフェクト。ジャマイカのディージェイ、Fyah FlamesとI Jahbarが勇ましい声を上げている。ディプロのへなちょこヴァージョンとでも言えばいいのか。格好いいポスターが付いているので、見つけたら買うことをオススメする。

Dancehall Experimental Dub

Jay Daniel - Scorpio Rising EP
Sound Signature


Detroit Report

 待っていた人も多かったでしょう。沈没していく街とは裏腹に、デトロイトらしい上昇する感覚を兼ね備えたジェイ・ダニエルのデビュー・シングル。デリック・メイ的とも言えるタフなリズムとシンセリフの“No Love Lost”も良いが、母であるナオミ・ダニエルの歌う“スターズ”のインロ(大本はラリー・ハードの“スターズ”だが)を微かに使った“I Have No Name”が最高。ついに未来のクラシックが登場したね。

Deep House

Audio Tech - Dark Side
Metroplex


iTunes

 これも聴くのをずっと楽しみにしていたんですよね。ホアン・アトキンスとマーク・エルネストゥスというふたりの先達のコラボ作。モーリッツ・フォン・オズワルドとの共作のミニマリズムとは打って変わって、こちらはエレクトロ。ホアン・アトキンスは歌っている。B面ではマックス・ローダーバウアとリカルド・ヴィラロボスのコンビが12分にもおよぶ幻覚性の高いリミックスをしているが、オリジナルとの関連性は見られない。

Electro Techno

Archie Pelago - Hall Of Human Origins
Styles Upon Styles


Amazon iTunes

 太陽のスタンプでお馴染みの、NYのアンソニー・ネイプスと〈Mister Saturday Night Records〉は今日の90年代ハウス・ブームの主役のひとりだが、昨年末に同レーベルからリリースされたアーチー・ペラゴ(ブルックリンの3人組)のシングル「The Archie Pelago EP」は、ジャズ・ハウスとしては実に幅広い層にアピールしたヒット作となった。その後の「Subway Gothic / Ladymarkers」では、実験的なアプローチも見せて、最近出た「Hall Of Human Origins」でも、IDMの領域にも手を出しているし、下手したらジュークさえも自分たちの養分にしようとしているのかもしれない。ラテンのリズムも冴えを見せ、サン・ラーの雄大なブラスをも引用しているのでは……。いつアルバムが出るのでしょう。

Electronica Jazz Broken Beat

野田 努