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interview with Silkie

interview with Silkie

ロンドンからやって来たソウルステッパー

――シルキー登場!

野田 努    写真:小原泰広   May 23,2011 UP

E王 Silkie
City Limits Volume 2

DEEP MEDi Musik/Pヴァイン(6/15発売予定)

Amazon iTunes

 「すべてのインタヴュアーがデトロイト・テクノから影響を受けているだろう? と訊いてくるんだけど......」と、ロンドンからやって来た25才のダブステッパーは言う。「僕は本当にデトロイト・テクノのことを知らなかったんだ。で、聴いてみたら、たしかに似ていると思ったけどね」
 このエピソードが彼の音楽的傾向を物語っている。シルキーを名乗るソロマン・ローズは、ダブステップに70年代ソウル/ファンクのフレイヴァーを注ぎこみ、2ステップ・ガラージのビートにそのメロウなフィーリングを混合する。それが2009年に〈ディープ・メディ・ミュージック〉からリリースされた『シティ・リミッツ・ヴォリューム1』だった。
 それはオリジナル・ダブステップの系譜からの一撃だったが、シルキーの音楽は、ときにロマンティックな都会の叙情主義ゆえに、この2年ものあいだじっくりと時間をかけながら、デトロイト・テクノやハウス・ミュージックのリスナーを巻き込んで、ジャンルを横断するような、より幅広い支持を得るにいたっている。

 この取材は彼がDBSのために来日した4月17日におこなわれている。福島第一原発の放射性物質の漏洩によってDJやミュージシャンの相次ぐ来日キャンセルのなかで、ロンドンからやって来たダブステッパーは意気揚々と渋谷を歩いて、そして居酒屋でビールを飲みながら話してくれた。

グライムというのはアーティストやオーディエンス同士のしがらみがあったり、音もアグレッシヴだし、けっこう大変なんだよ。発砲事件もたびたび起きているし、殴り合いの喧嘩なんか頻繁にある。それが嫌になっていたときに、友だちにダブステップのイヴェントに連れていかれて、あまりにもピースだったんでびっくりした。

『シティ・リミッツ・ヴォリューム1』がホントに好きなんですよ。

シルキー:それはどうもありがとう。

アルバムからはソウル・ミュージックというものを強く感じました。

シルキー:うん。(しばし沈黙)......それで質問は?

いや、ただ言ってみただけです。

シルキー:ハハハハ、オッケー(笑)。いつ質問が来るのかなーと思って、ついつい構えていたんだよ。

初めてだし、バイオ的なことを訊いてもいいですか?

シルキー:いいよ。2001年、15歳で音楽を作りはじめたんだ。最初はグライムから入った。当時のグライムのシーンはエキサイティングだったけど、メロディを受け入れるような感じはなかったけどね。

何がきっかけだったんですか?

シルキー:姉の影響でガラージを聴いたのがきっかけだったね。ガラージの熱が冷めかけた頃にグライムを聴きはじめて、ダブステップに関しては最初から聴きはじめたわけじゃないんだけど、急カーブを曲がるようにダブステップへといったね。

なぜグライムからダブステップへ?

シルキー:最初はホント、グライムにハマったんだけど、グライムというのはアーティストやオーディエンス同士のしがらみがあったり、音もアグレッシヴだし、けっこう大変なんだよ。発砲事件もたびたび起きているし、殴り合いの喧嘩なんか頻繁にある。それが嫌になっていたときに、友だちにダブステップのイヴェントに連れていかれて、あまりにもピースだったんでびっくりした。チーム同士のしがらみがないところも気に入ったし、それでダブステップのイヴェントに通うようになるんだ。そして自分で作ったテープを持っていって、自分の顔を売っていったんだよね。

ティンバランドやネプチューンズの影響は受けなかったの?

シルキー:ノー。ただまあ、グライムがいろんな音楽に影響されているものだから、直接ではないけど、知らないうちに影響されているかもね。

へー、ガラージやグライムの人たちはUSのヒップホップとR&Bからの影響が大きいでしょ。

シルキー:イエス、僕よりも年上の連中はみんなUSヒップホップからの影響を受けている。ただ、僕の世代になってくるとすでにUKガラージがすごく大きかったし、すぐにコマーシャルにもなった。だから僕の世代にとってのアンダーグラウンドはヒップホップとはまた別の音楽になったんだ。

え、最初からアンダーグラウンドだったんですか?

シルキー:ホントにそうだった。まだガラージがアンダーグラウンドだった1998年、僕が13歳のときに聴きはじめたんだよね。最初はガラージも小さなシーンだったけど、それはあまりにも早く大きくなってしまった。そして嫉妬や人間関係のしがらみが出てきてしまった。

ロンドンのアンダーグラウンドはまずはラジオから?

シルキー:ああ、ホントにラジオの役割はでかいよ。とくに年齢が若いとクラブには行けないから、まずはラジオで聴いて、そしてレコード店に行く。僕がそうだったな。ラジオで音を聴いて、ビッグ・アップルにレコードを買いに行って、ベンガに会うっていうね(笑)。アンダーグラウンドの入口はラジオだし、みんなそこから入っていくんだよ。

ちなみに同世代というと?

シルキー:スクリームやベンガ、ジョーカーなんかだよね。マーラーは年上だから叔父さんに接するみたいな感じだけど(笑)、スクリームやジョーカーみたいな連中はホントに同世代って感じで接している。

取材:野田 努(2011年5月23日)

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