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interview with Seekae

interview with Seekae

コンピュータ・ゲームと自由

――シドニーからのIDM、シーケイ・インタヴュー

野田 努    通訳:Shin   Jul 11,2011 UP

 夢見るシーケイは、コンピュータ・ゲームへの情熱とIDMによる叙情主義が融合する珍しいバンドである。スポーツ好きのオタク的な感性とギャグが奏でるメランコリーという言い方もできる。
 その美しく、そしてロマンティックな響きによって、アルバム『+Dome』のリアクションも好調だという話だが、謎に包まれたオーストラリアのこのバンドは、ビビオやマウント・キンビーに代表されるような、ここ2~3年のIDM/グリッチにおけるドリーミーな展開における珍種というか、以下のメール・インタヴューを読んでいただければわかるように、シーケイには"笑い"もある。なるほどー、それが彼らの"美"の背景にあるものだったのか......。

シドニーのエレクトロニック・ミュージック・シーンはそんな大きくないけど、少しずつ成長していると思う。僕らが最初ライヴをやりはじめた頃、どんどん知らないバンドを発見したり、知らなかったシーンを見つけてったりしたのを覚えているよ。

■いまオーストラリアのどちらにお住まいですか?

シーケイ:シドニーだよ。


Seekae / +Dome
Rice Is Nice Records/Pヴァイン

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■『+Dome』、とても興味深い作品でした。あの1枚のアルバムのなかにはIDM、フォーク、ヒップホップ、クラウトロック、アンビエントなどなど、いろんな要素があります。シーケイの音楽的な背景を知りたいと思うんですが、まずはどうやって3人が出会い、どういう経緯でバンドが生まれたのか教えてください。

シーケイ:3人とも共通の学生仲間なんだ。最終的には卒業して、ウェットTシャツ・コンテストで3人同時に再会したんだ。ステージ上で女の子たちがあり得ないことをやっているなか、僕らは機材の話をしたり、好きなIDMのプロデューサーの話とかをしていたんだ。シドニーに戻ったのと同時にバンドを組んだよ。

■結成は何年で、SEEKAEという名前はどうやって付いたんですか?

シーケイ:2007年の頭に結成した。最初はコマンダー・キーンというゲームからそのまま名を取って名乗ってたんだけど、他にその名を使ったバンドがいるって知ってシーケイに変えたんだ。ジョージが喘息の発作を起こしたときに出す音と響きが似てるから、その名にしたんだ。

■どんな編成なんですか? ドラム、ギター、エレクトロニクスって感じですか?

シーケイ:何度も変わっているんだけど、いまはドラム、ギター、メロディカ、ラップトップ、シンセ、ドラム・マシーン、MPD、MPC、APCとTLCだね。

■2008年のデビュー・アルバム『The Sound Of Trees Falling On
People』は、今回のアルバムで言うと、2曲目の"3"のような、ドリーミーな感じだったんでしょうか?

シーケイ:そうだね。1枚目はよりクリーンで、どこかナイーヴないち面があったと思う。そのひとつの要因は、自分たちにそこまでプロダクションの技術が備わってなかったし、どちらかというとアルバムではなく、ミックステープという感覚で作ったからかもしれない。今作はそこから離れ、美学を追求して、よりダークな領域に進もうとしたものなんだ。

■デビュー・アルバムのアートワークが熊だったのは何故ですか?

シーケイ:とくに理由はないよ。何かかっこいいな、と思っただけだね。ジョンの従兄弟が描いた絵なんだけど、見た瞬間アルバムのジャケにしようって決めたよ。

■『The Sound Of Trees Falling On People』を発表してからの3年はどんな風に過ごしていたのですか?

シーケイ:たくさんライヴをして、ツアーをして、練習して、作業をして、飲んできたよ。

■3曲目の"Blood Bank"や9曲目の"Two "みたいなアブストラクトなグリッチ・ホップみたい曲は、今回から新しく入った要素なんですか?

シーケイ:ある意味そうだね。この2曲はアルバムのなかでも踊れる曲になっているし、前作に比べるとよりベースに引っ張られてる曲だと思う。クラブやガレージ・ミュージックをすごく聴くようになって、その辺の影響が反映されているのかな。"Blood Bank"とかはアルバムでいちばん古い曲で、前作を出してからわずか1年後に完成した曲だね。

■メランコリックな4曲目の"Reset Head"とか大好きなんですが、これはいつぐらいにいできた曲なんですか?

シーケイ:2010年末に完成した曲だね。リズムは思い描いていたんだけど、メロディが無かったんだ。ジョンが家でギター・ラインを考えてきて、そこからもうすぐでき上がったね。

■3人のメンバーにとって共通のテーマとは何だったのですか?

シーケイ:最初は"髭"のはずだったんだ。でもジョージがすぐ飽きてね。いまは"コンピュータ・ゲームと自由とその他もろもろ"だよ。

■ボーズ・オブ・カナダとフライング・ロータスでは、どちらが好きですか?

シーケイ:どちらも大好きだよ! ボーズ・オブ・カナダはとくに最初のアルバムを作るときに、大きな影響を受けたね。でもその後はフライング・ロータスの大ファンにもなった。ちょうどジョンが先週ニューヨークで見てきたよ!

■〈ワープ〉とか〈ニンジャ・チューン〉のようなレーベルの音とか、UKのシーンからの影響は大きいですか?

シーケイ:もちろん。あのようなレーベルから出てきた音はバンドがはじまった頃、すごく好きだった。だから、そうしたレーベルが無かったら、僕らも存在しなかったと言っても過言ではないかもね。

■シーケイにとってのもっとも大きな影響は何ですか?

シーケイ:スタークラフト2(ゲーム)と冷凍のフィッシュ・フィンガーズ。

■ビビオとかにちょっと似てるかなと思ったんですが、どう思いますか?

シーケイ:その繋がりはわかるね。『アンビヴァレンス・アヴェニュー』とかの美学は今回僕らが目指した方向と似ていると思うんだ。音に独特の温もりがあって、ゆえに生きた感じに聴こえるんだよね。

■ダブステップは好きですか?

シーケイ:うん。でもSkrillexとかじゃないやつね。

■マウント:キンビーとは仲良しなんですか?

シーケイ:FIFAのゲームで負けるまでは仲良かったよ。負けて以来ちょっと気まずい感じかな(笑)。

■地元ではどんな活動していたんですか? シーケイのような音楽に理解のあるシーンは存在するんですか?

シーケイ:シドニーのエレクトロニック・ミュージック・シーンはそんな大きくないけど、少しずつ成長していると思う。僕らが最初ライヴをやりはじめた頃、どんどん知らないバンドを発見したり、知らなかったシーンを見つけてったりしたのを覚えているよ。今は48/4や104 CollectiveのCleptoclecticsというアーティストとかとは仲良くて、一緒にいろいろやったりしているよ。

■こうした音楽をリリースするレーベルはありますか?

シーケイ:何個かね。〈Feral Media〉というのは面白いレーベルだよ。でもシドニーにいるほとんどのエレクトロニック系アーティストは海外での契約を目指しているね。

■地元のシーンを活性化したいと思いますか?

シーケイ:もちろん。そして僕らの仲間のGhoulとかCollarbonesといったアーティストが少しずつ認知されてきているのは良いことだと思っている。最初の火花は見えたから、これからは爆発が起きるのを期待しているんだ。

■自分たちの音楽を自分たちなりに言葉で定義すると、なんとなりますか?

シーケイ:もデロン・ウィリアムズ(訳注:バスケ選手)がKenny Calmuschi(訳注:ちょっと正体不明です。別つづりでジャズのベーシストは出てきますが......)の上で次から次へとダンクを決めている感じだよ。あとエレクトロニックだね。

■"Reset Head"をはじめ"Mingus"や"Underling"、"Two"やタイトル曲の"+Dome"など、メランコリックな曲調が印象的なのですが、それはあなたがたの感情から来るモノなのでしょうか? それともメランコリックな音楽がただ好きだから?

シーケイ:難しいね。ある意味僕らの感情を表現している部分もあるし、逆にメランコリックな音楽の独特な美しさや素直さには昔から惹かれている部分もある。だから、自分たちが最高に気分が良くても、書く曲はメランコリクだったりもするしね。

■目標としている音楽ってありますか?

シーケイ:つねに変動するけど、時と環境を選ばずに、何度も聴きたくなるような音楽を作りたい。どんな気分でも聴けるようなね。と言いつつ、完全なるクラブ・バンガーも書きたっかりするんだけどね(笑)。

■アルバム・タイトルの『+Dome』ってどういう意味ですか?

シーケイ:スタジオで落ち込んだときにみんなで聴くケニー・GのB面曲なんだ。(訳注:たぶんでたらめな冗談)

■アルバム最後に収録されているフォーク・ソング"You'll"はバンドが今後目指す方向のひとつと見ていいんですかね?

シーケイ:そうかもね。ま、お楽しみってことで。


質問:野田 努(2011年7月11日)

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