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interview with Carnation

interview with Carnation

苦み走ったスウィート・ロマンス

――カーネーション、インタヴュー

松村正人    Nov 02,2012 UP

ある覚悟とかいうところもあるのかもしれない。開き直りというか、泣くとこは泣くよっていう。正直に。


CARNATION
SWEET ROMANCE

Pヴァイン

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■おふたりになって、何か変わったことはありますか? 音楽というより、バンド内の関係性の面で。

直枝:ますますなにかこう、言葉でないところで交流してるよね?

大田:まあ、(そのことについては)いままでもあんまり意識をしてきてないからね。なんだろう、細かいところまで話し合ってやんなきゃいけないバンドじゃないんですよ。いままでもそういうところもなかったし、まあ、直枝くんがどう考えているかは、俺はわからないけど。俺は(カーネーションは)話し合いながら民主的にものをつくっていくバンドだとは思ってないからいいんですよ。敷いてもらったレールの上を走っていればいい。それに乗っかっていっしょにやれるのがバンドで、イヤになったら降りるしかないんだから、それはそれでしょうがない。だから、あんまりいろんなこと考えないほうが気が楽だと思いますね。

■そうはいっても、スタジオやライヴの現場でそれまでと違ってきたところはありますよね。

大田:うーん、どうなんだろうな......。でも音出しているときには、そんなに意識をしないかな。やっぱりさすがにね、あのドラムがなくなったわけだから、違いはありますよ。だけど、まあ結局はカーネーションの曲をやるんだから、そしたらまあ自分が弾けるベースを弾くしかないし、歌をちゃんと聴かせるしかない。だからバンドですよ、ふたりでも(笑)。まあ最低限の人数じゃないですか? ふたりって。

■『SWEET ROMANCE』の制作はスムーズでしたか?

直枝:スムーズだったよね。すっごい順調。

■つくっているときの楽しさみたいなものがすごく伝わるアルバムですよね。

直枝:アナログ・レコーディングの、あまり直しが効かない、なんか制約される感じがまたよかったっていうかね。

■レコーディングのときはふつうに順録りだったんですか?

直枝:そうそう。データでドンカマとかパーカッションとか、ガイドのリズムになるトラックとかを入れてやっていました。それを聴いて「せーの」で演るんですよ。俺ら、だいたいレコーディング用のリハーサルをしないで、いきなりスタジオなんですよ。そこでセッティングして、音決めして、「じゃあ練習!」そしたら「録音しよう!」って。で、アッという間に仕上げる。

■そんなに簡単にいくものなんですか?

大田:なんかそれでいけるようになってきたよね?

直枝:なんかいけるね。

■アレンジもアイデアをどんどん試していくということですか?

直枝:基本的にデモ・テープのアイデアみたいなものを聴いといてもらって、それぞれが解釈してもらう形ですね。それでいい感じになればいいかなっていう。

■そこにゲストの方々も、そのつど、録る曲ごとにきていただくということですね。

直枝:そうです。ピアニストの方とかにきていただいて。

■岸野(雄一)さんもスタジオにいらっしゃったんですか?

直枝:岸野くんは現場にいっかい見にきましたね。それでいっしょにコーラス歌って、帰っていきました(笑)。あと、彼は自分の家で"Bye Bye(Reprise)"という曲をミックスしてくれたんですよ。

■"Spike & Me"には大谷(能生)さんをラップとサックスでフィーチャーしていますね。DCPRGとか〈Black Smoker〉から出した『Jazz Abstractions』とか、大谷さんは最近よくラップしていますよね。

直枝:かっこつけるよね(笑)。大谷くんは露骨にかっこつけるんですけど、本当にそういうかっこつける人たちがいいなって思うんだ、俺(笑)。そういうことってなかなかできないからね。そういう人たちは時間をかけて積み上げてきてるから。どう見せるかって考えてきてるでしょ?

■見せると同時に、どう見えるかということにも自覚的かもしれないですね。『SWEET ROMANCE』は基本的に全曲を直枝さんが作詞/作曲されていて、ラップをやった大谷さんは作詞でクレジットされていますが "Bye Bye"でミントリ(岡村みどり)さんに編曲を依頼されたのは何か理由があったんですか?

直枝:3年前に岸野くんの誕生日ライヴ(岸野雄一は毎年、1月11日の誕生日に渋谷O-Westでライヴを行っている)にカーネーションが誘われたことがあるのね。そのときに岡村さんと知り合って、宮崎貴士くんと岡村さんと3人で夜ステーキを食べる会みたいな感じで集まって遊んでいたんですよ。そのうち、ファイルとかやりとりしたりして、いつか何かできたらいいですねみたいな話をしていて、それで今回、これは絶対お願いしようと思ったんですよ。岡村さんなら、歌をすごく理解してくれるという自信があったから、内容のことに何もふれずに「お任せします」って渡したんですよ。

■曲を、ですか?

直枝:いや歌詞です。歌詞を理解してくれたんです。

■それはすばらしいですね。

直枝:俺はあとはなにもいいませんから、その感じでやってくださいって。もう伝わっているはずなんで、ディテールやイメージはあえて伝えませんでした。感じたままやってもらえればいいので、と。

■アナログでいえばA面の最後にあたる"Bye Bye"からB面の頭の"Gimme Something, I Need Your Lovin'"への流れが、涙が出ちゃいそうなくらいいいですよね。あと本当、大田さんの歌がすごくよかった。

直枝:すっげー評判いいのよ、大田くん(笑)。

■やっぱりそうですよね! 大田さんが歌う"未来図"から"遠くへ"の流れも最高でした。大田さんは"未来図"をご自分で歌うとなったときどう思いました?

大田:まあとにかく歌えと。つくるから歌え、と。「はい」って渡されました(笑)。

■ XTCのアルバムなんかでも、コリン・ムールディングが1曲歌ったりするじゃないですか。わたしはあれがすごい好きなんですよ。

直枝:最高ですよね。大田くんは、コリンの役割なんですよ。リンゴ・スターじゃないからね。

■ハハハハ。

大田:あと、スティーリー・ダンのデイヴィット・パーマ。ファーストで、1曲歌ったりしているじゃない? あのへなちょこさ。なにこの歌みたいなさ。ああいう歌が大好きで(笑)。わざわざ呼んできたヴォーカリストなのにへなちょこじゃん。じつはそういうところ目指したいと思っていたんだよね。

取材:松村正人(2012年11月02日)

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