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interview with Archie Pelago

interview with Archie Pelago

テクノ・ジャズはピザの夢を見るか? 

──アーチー・ペラーゴ、インタヴュー

野田 努    May 20,2014 UP

オウテカ、エイフェックス・ツイン、ヴェネチアン・スネアズ、スクエアプッシャーには個人的にとても影響を受けた。自分はジャズ・ミュージシャンとして、彼らの興味深いシンコペーションの方法を楽しんでいまるんだよ。


Grenier Meets Archie Pelago
『グレニアー・ミーツ・アーチー・ペラーゴ』

Melodic Records/Pヴァイン

Tower HMV Amazon iTunes

今回、ディーン・グレニアーとのコラボレーション作品とはいえ、初めてのアルバムとなりました。シングルではなく、どうしてアルバムにまで発展したのでしょうか?

G:このアルバムは僕たちにとって未知の領域だよ。部分的にはフル・アルバムをリリースしたといえるだろうけど、いままでにも多くの曲を書いてきたからね。

D:これはただのはじまりに過ぎないよ。

Z:セッションではたくさんの曲を作ったよね。で、これはオーディエンスに聴かせる価値があると感じた。

ディスタルが縁でディーン・グレニアーと知り合ったと言いますが、ディスタルと知り合ったきっかけは何でしょうか?

D:2009年から10年にかけて、ディスタルがニューヨークにツアーに来ていたときに会った。そのとき僕らがWNYUの番組に誘ったんだ。それから連絡を取り続けて、〈テックトニック〉からリリースされたヘクサデシベル(Hexadecibel)とのコラボの「Booyant」のリミックスで初めて一緒にやれたんだよね。

ディーン・グレニアーのどんなところに共感したのですか?

G:スタジオでの化学反応がすごくよかった。アイデアが自然にすぐに出てくるんだ。

D:お互いの音楽を好きなことも要因だよね。

Z:実は、2011年末にグレニアーがニューヨークに来たときに一緒に数曲録音したんだ。実りの多いセッションでね、だから、その後のコラボを目指してきたんだ。

サンフランシスコでのセッションは、どんな感じだったのでしょうか?

G:建設的で、オーガニックな感じで、とても満足のいくものだった。

D:ペール・エールとソーセージが燃料になった感じ。

Z:数日の中でいろんな音楽を詰め込むことができたかもね。

生楽器の音色が、液体が溶けるようだったり、大気中に溶けるようだったり、とてもユニークな録音になっているように思います。

D:そうだね、アーチー・ペラーゴのサウンドとグレニアーのプロダクション・スタイルがピッタリとハマった感じだよね。

Z:グレニアーの特徴的なプロダクションがアーチー・ペラーゴの音色の幅のなかに溶け込んでいるのがきっと聴こえるよ。これは本当に偶然的なことだよ。

G:うん、まわりの状況がどうであれ、作曲して制作することは僕にとっては呼吸をするようなも。制作過程のなかで、時間と場所があって、音楽を広げることと、深くへ入り込んでいく好奇心を共有できたのはラッキーだった。

“Swoon”の出だしが最高で、思わず音楽のなかに引きずり込まれますが、とくにお気に入りのトラックは?

G:難しい質問だね。個人的には“Cartographer’s Wife”がアルバムの中心だと思っている。ジャングルのなかで宝箱を見つけたような感じじゃない? 他のメンバーは否定するかもしれないけどね。

Z:僕は、いまは“Tower Of Joined Hands”がお気に入りかな。だけど、心のなかには“Monolith”もある。

D:うーん、僕は、“Hyperion”と“Tower Of Joined Hands”がいまの気分だね。

ほかにも、“Navigator”のハウスのリズムとトランペットの重なり方も素晴らしいと思いましたが、今作には、テクノ寄りのダンス・ミュージックがありますね。たとえば、ミニマルな“Pliny The Elder”、あるいは“Phosphorent”、で、いま話に出た“Tower Of Joined Hands”もダンス・ミュージックへの情熱を感じる曲です。こうした曲には、ディーン・グレニアーの存在が大きいのでしょうか?

G:いろんな段階だったり、さまざまな方法で、僕たち全員がこのアルバムのすべての楽曲に関わっているんだ。とく誰かってわけではないよ、みんなで共有しているものだ。

あながたの好きなテクノについて話して下さい。

G:ピーター・ダンドフ(Petar Dundov)にはやられた。彼の音楽の組み立て方とシンセのパターンは素晴らしいと思う。

Z:〈ザ・バンカー〉(The Bunker)、〈トークン〉(Token)、〈スペクトラム・スプールズ〉(Spectrum Spools)、〈ジオフォン〉(Geophone)、〈プロローグ〉(Prologue)あたりのレーベルはいつも僕の鼓膜を喜ばしてくれる。迷宮のなかに深く潜り込んでいく感じがするね。

D:僕はロバート・フッドやアンダーグラウンド・レジスタンスが好きだね。

好きなDJの名前をあげてください。

D:ターボタックス・クルー(Turrbotax crew)、ヌーカ・ジョーンズ(Nooka Jones)、ベンUFO、ドナート・ドッジー(Donato Dozzy)……。

G:お気に入りはいつも変わっているんだけど、最近だとグラスゴーで見たジェネラル・ラッド(General Ludd)のギグが良かった。

Z:カルロス・ソーフロント(Carlos Souffront)は選曲もミックスのスキルの点でもマスターだと思う。デトロイトはいつも素晴らしいよね。ドナート・ドッジーもシャーマン的なマスターだよ。

アーチー・ペラーゴのインスピレーションの源はなんでしょう?

G:人生だね。

Z:ピザだね。

D:人生とピザだね!

アーチー・ペラーゴ単体のアルバムのリリース予定はありますか?

G:もちろん! 引き続き注目していて下さい!

質問:野田努(2014年5月20日)

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