「Low」と一致するもの

 2025年11月4日、200万人を超える有権者が、民主社会主義者ゾーハラン・マムダニをニューヨーク市の新市長に選出した。
 街の空気は歓喜に満ちていた。深夜を過ぎても人びとの歓声が響き、ブルックリンの自室からさえ聞こえたほどだ。おそらく、それはマムダニが多くの人にとって「消極的選択」ではなく、理想的な候補だったからだろう。
 じっさい彼の主な対立候補は、腐敗し、女癖が悪く、性的加害者でもあるアンドリュー・クオモだった。彼はCOVID政策によって1万5千人もの高齢者を死に追いやった人物である。クオモは「SAY NO TO ZO(ゾーにノーを)」という露骨なスローガンを掲げ、無所属として出馬した。言うまでもなく、この失墜した元州知事は9%の大差で敗れ、共和党の牙城であるスタテン島でのみ辛うじて過半数を得ただけだった。
 だが、そもそもなぜ共和党員たち──ドナルド・トランプ本人を含めて──は、じっさいの共和党候補(第三の奇策候補、カーティス・スリワ)を批判し、三代にわたってニューヨーク州民主党政治に深く関わってきた「無所属」候補クオモに投票するよう呼びかけたのだろうか?1
 ニューヨーク市において、民主党と共和党のあいだの従来の党派の境界線が正式に崩壊しつつあるいま、真の政治的分断が明らかになっている——それは、富裕層の利益を守る金権政治に深く根ざした候補者たち(クオモやトランプのような)と、労働者階級を守るためにアメリカの政治的体制そのものを真剣に脅かす候補者たち(マムダーニ、そして言うまでもなく2016年の大統領選におけるバーニー・サンダースのような)との対立である。

 多くのアメリカ人は、民主主義と資本主義を混同している。制限なく富を追求できることこそが民主社会における自由の証だと信じているのだ──たとえ自分たちの生活がつつましいものであっても。
 私はかつて父にこの混同を問いただしたことを覚えている。私はこう説明した。資本主義は必然的に独占に行き着く。独占は「選択」という民主主義の根本理念を狭めてしまうのだと。父は笑い、心を開いたようで、ただ一言こう返した。「A+だな」
 アメリカの政治もまた同じように独占されている。「よりマシな悪を選ぶ」というお決まりの構図だけでなく、共和党と民主党がじつは同じ企業支配のコインの表裏に過ぎない、というあまりに明白な現実によってもそれは表れている。両党は献金者やロビイストの利益を守り、その結果、アメリカ国民の大多数が犠牲になっている。
 たとえば、アンドリュー・クオモの選挙資金の多くは億万長者のスーパーPACから供給されていた。一方、マムダニの選挙運動は、彼のために戸別訪問を行った10万人以上の草の根ボランティア集団によって支えられていた。
 さらに、マムダニの掲げた「私たちが住める都市(A City We Can Afford)」というメッセージは、ニューヨークが直面するもっとも差し迫った問題──すなわち、800万人の住民のうち200万人が貧困ライン以下で暮らし、ワンルームアパートの平均家賃が月4,000ドル(約61万6千円)に達しているという「手の届かない都市」の危機──をまさに突いていた。これはまさしく「アフォーダビリティ・クライシス(生活費危機)」である。
 金持ちへの課税、保育の無償化、無料のバス運行──こうしたマムダニの主要な公約は、本来であれば「急進的」と見なされるべきではない(なぜなら、これらの施策は他の多くの国々ではすでに実現しているものだからだ)。
 だが、資本主義と民主主義をいまだに同一視し、「トリクルダウン経済」の約束にすがる多くのアメリカ人にとっては、マムダニの構想は「成功者への罰」のように映るかもしれない。じっさい、「悪しき政府が勤勉な民間市民の財産を奪う」という観念こそ、アメリカに長らく根づいてきた社会主義への恐怖の中核をなしている。
 選挙後、保守系メディアはすでに「富裕層のニューヨーカーたちはマムダニの課税案を避けるために街を脱出し、結果的に西洋世界の金融首都は壊滅的な経済的打撃を受けるだろう」と騒ぎ立てている。
 しかしマムダニ自身が人気番組『ザ・デイリー・ショー』の司会者でありコメディアンでもあるジョン・スチュワートに説明したところによれば、彼の意図はきわめて穏当だ。年収100万ドル以上の人たちに対してわずか2%の増税をおこない、法人税率を11.6%に引き上げるだけだという。そして彼は冗談めかしてこう指摘した──その税率は「社会主義共和国ニュージャージー(お隣の州)」とまったく同じだ、と。
 母の言葉を借りれば──「分かち合えない成功に、いったい何の意味があるの?」
 それに、あの億万長者たちは自分たちの労働者のおかげで金持ちになったんじゃないの?

 はぁ……悲しいことに、「富裕層の1%よりも労働者階級を優先する政治家」という発想は、現実にはいまもなお“急進的”な逸脱と見なされている──おそらくだからこそ、マムダニの構想は、(もちろんそのマスメディアは例によってあのうるさい億万長者たちの所有物なのだが)「せいぜい実現不可能な夢」「最悪の場合は危険思想」としてこき下ろされているのだ……。
 いや、そこに「古典的な人種差別」も加えておこう。
 率直に言って、イスラム教徒の移民が、政教分離の理念をほとんど忘れ去ったこの国で(マムダニがどの神を信仰していようと、そんなことどうでもいいはずだ)市長の座を勝ち取ったことを、私たちは祝うべきだ。
 しかもここは、自由の女神像を擁する都市なのだ。

 さて、ここで私は白状しよう。私は政治との関係に複雑な思いを抱いている。
 というのも、私がこれまで出会ったなかでもっとも不寛容な人びとの一部は、進歩主義者たちだった──これは誇張ではない。ほんの数か月前のことだ。私は敬愛する進歩派の友人に、97歳になる私の大叔母の話を嬉々として語った。彼女は生涯を通じて共和党支持者だったのだが、「トランプはアメリカに起こった最悪の出来事だ」と宣言したのだ。私は興奮していたし、これは良い兆候だと考えた。アメリカ(および資本主義社会全体)を蝕む問題が、もはや単純に「共和党」対「民主党」という二分法では整理できなくなっている証だと思ったのだ。だが、友人の反応はこうだった。「ふうん。でも彼女がそのほかの人生で共和党に投票し続けたなら、別に希望は感じないけどね」
 また別の「超」進歩派の(元)友人にはこう言われたこともある。
 「白人であるあなたは、奴隷制に対してカルマ的責任を負っているのよ。」
 ……それって、「進歩的」というよりも「懲罰的」じゃない?
 私はまた、進歩派の政策がしばしば、学歴的にも経済的にも恵まれた人びとの閉じた共鳴空間のなかで構想され、理論上は「正しいこと」を目指していても、現実的な実行への配慮が欠けているのではないか、とも恐れている。たとえば「警察予算を削減せよ(Defund the Police)」運動は、アメリカの都市部に住む有色人種のあいだで驚くほど物議を醸した。なぜなら、十分な社会改革が伴わないまま警察の役割を縮小すれば、犯罪が増加するのではという不安があったからだ。
 そして2023年の『ニューヨーク・タイムズ』によれば、まさにその懸念は現実となった(注目すべきは、マムダニ自身も選挙が近づくにつれて警察批判をやや穏健なトーンへと修正した点だ)。
 さらに言えば、マムダニは移民ではあるが、彼自身こう語っている──映画監督と大学教授の両親に支えられ、裕福で一流の教育を受けて育った、と。
 だから、正直に言おう。貧困ライン以下で育った私としては、「一生セーフティ・ネットのなかにいた裕福な子どもが労働者階級を代表する」と自任することに、どこか懐疑的で、あるいは反感すら覚える部分もある。
  だが、いっぽうで──少なくとも誰かが、ニューヨーク(そしてアメリカ)における富と権力の不均衡に真正面から取り組もうとしている。そのこと自体は、称賛すべきことではないだろうか。私自身の境遇はさておき、もっと大きな部分で、私はこの政治家を誇りに思っている。その名はゾーハラン・マムダニだ。
 ……いや、カーティス・スリワも、少しだけ。
 二人の候補はすべての点で意見が一致していたわけではないが、どちらの選挙運動も生活費の高騰を中心課題とし、どちらもドナルド・トランプから攻撃を受け、そしてどちらも「ホームレス問題など、地域社会の課題を警察が過剰に負担している」という認識で一致していた。
 ただし、スリワは「警察官を増やすことが解決策だ」と考えているのに対し、マムダニは彼の最良の政策だと私が思う構想を掲げている──すなわち、「行動的健康緊急支援課(Behavioral Health Emergency Assistance Response Division)」を新設し、精神衛生の危機に対処する専門チームを配置することで、十分な訓練を受けていない警察の負担を軽減するという計画だ。政策上の違いはあれど、この“昔ながらの共和党員”と“民主社会主義者”は、ニューヨークが直面する主要な問題について──とくに「いわゆる穏健派」アンドリュー・クオモへの共通の嫌悪──で一致している。

 それって、すごいことだ。

 マムダニの当選によって、「左」と「右」を分ける線は、これまでになく刺激的な形でぼやけはじめている。新しいニューヨークの夜明けにあたって、私はマムダニが、自らの歴史的勝利を正当に導いた理想を現実のものにしてくれることを願っている。また、進歩派が、これから拡大していく「二項対立を超えた政治的基盤」と真摯に結びつく機会を大切にしてほしい。
 そして──民主社会主義者として史上初めてニューヨーク市長に選ばれ、かつ前例のない草の根運動で勝利したこの人物が、「富豪支配は避けられない運命ではない」という事実を、他の民主主義国家にも示してくれることを願っている。

¹ トランプの公式な支持声明によれば:「私は、成功の実績を持つ民主党員が勝つ方がはるかに望ましい。あなたが個人的にアンドリュー・クオモを好きであろうとなかろうと、他に選択肢はない。彼に投票し、素晴らしい仕事をしてくれることを願うべきだ。彼にはそれができる。マムダニにはできない」


Bridging the Political Divide: On Zohran Mamdani Winning New York’s Mayoral Election


by Jillian Marshall, PhD

On November 4th, 2025, over two million voters elected Zohran Mamdani — a Democratic Socialist — as the new mayor of the New York.
The mood in the city was ebullient: I heard people cheering well past midnight, even from inside my Brooklyn apartment. Perhaps this is because Mamdani was many people’s ideal choice, rather than the mere “lesser of two evils.” Indeed, his primary opposition — the corrupt, philandering sexual predator Andrew Cuomo, who sent fifteen thousand seniors to their deaths with his covid policies — ran as an Independent, and with the explicit campaign slogan of “SAY NO TO ZO.” Needless to say, the disgraced former governor lost by a hefty 9% margin, and only gained a majority of votes in Staten Island: New York’s Republican stronghold.
But why did Republicans, including Donald Trump himself, denounce an actual Republican (the wild card third candidate of Curtis Sliwa), and urge people to vote for an “Independent” candidate who’s actually steeped in three generations of Democratic New York State politics?1
With the traditional party lines between Democrats and Republicans in New York City officially crumbling, the real political divide is revealed: candidates entrenched in the plutocracy who protect the interests of the rich (like Cuomo and Trump), and those who seriously threaten the American political establishment to protect the working class (like Mamdani— and Bernie Sanders before him in the 2016 presidential election, for that matter).
Many Americans confuse democracy with capitalism, believing that the ability to pursue wealth without restriction represents the freedom afforded by a democratic society— even if they themselves live modest lifestyles. I remember challenging my father on this conflation. I explained that capitalism inevitably leads to monopoly, which limits the principles of “choice” on which democratic ideals hinge. He laughed and, with his mind successfully opened, said just one thing in response: “A+.”
American politics are similarly monopolized, as expressed not only with the “lesser of two evils” conundrum, but also with the increasingly obvious truth that the Republican and Democratic parties are two sides of the same corporate coin that protect donor and lobbyist interests, at the (literal) expense of the American majority. For instance, Andrew Cuomo’s campaign received much of its funding from billionaire super PACS, while Mamdani’s campaign was defined by its grassroots troupe over 100,000 volunteers who canvassed on his behalf. What’s more, Mamdani’s message of making this “A City We Can Afford” addresses arguably the most pressing issue facing New York: two of its eight million residents live in poverty, and the average rent for a one bedroom apartment is $4000 (about 616,000 JPY) a month. This is nothing short of an
1 As per Trump’s official endorsement: “I would much rather see a Democrat, who has had a Record of Success, WIN. Whether you personally like Andrew Cuomo or not, you really have no choice. You must vote for him, and hope he does a fantastic job. He is capable of it, Mamdani is not.”

affordability crisis.
Taxing the rich, offering universal childcare, and providing free bus services — among Mamdani’s biggest promises — shouldn’t be considered radical proposals (especially when such amenities exist in many other countries). Yet for the many Americans who still equate capitalism with democracy (and cling to the promises of “trickle down economics”), Mamdani’s ideas may seem like punishing the successful. In fact, the notion that an evil government will steal hard- working private citizens’ riches defines the US’s long-standing fear of socialism. Post-election, conservative media outlets are already claiming that wealthy New Yorkers will flee the city to avoid Mamdani’s proposed tax hikes, which they predict will economically devastate the financial capital of the Western World. But as Mamdani explained to Jon Stewart — a comedian news anchor who hosts a popular program called The Daily Show — he only wants to raise taxes 2% for people making over a million dollars a year, and raise the corporate tax rate to 11.6%— which, he jokingly points out, is identical to those in “the socialist republic of New Jersey,” New York’s neighboring state.
To quote my mother: what’s success if you can’t share it? And didn’t those billionaires get rich off their workers?
Sigh... the sad truth is that it IS a radical departure for a politician to prioritize the working class above the 1%— and maybe that’s why media outlets (owned by those pesky billionaires, naturally) are smearing Mamdani’s vision as unattainable at best, and dangerous at worst ... well, alongside the media’s ol’ fashioned racism. Full stop: we should celebrate that a Muslim immigrant won the mayoral seat in a country that’s all but forgotten about the separation of church and state (who cares what God Mamdani worships?), and in a city home to the Statue of Liberty.
Now, I’ll admit that I have a complicated relationship with politics. I’ve found progressives to be some of the most intolerant people I’ve ever met— and that’s not an exaggeration. Just a few months ago, I shared with a dear progressive friend of mine how proud I was that my 97 year- old, lifelong Republican great aunt declared Trump the worst thing to ever happen to America. I was excited, and considered this a positive sign that the issues plaguing the US (and capitalistic societies more generally) are no longer neatly divided into “Republican” and “Democrat”. But my friend simply remarked, “Well, since she voted Republican for the rest of her life, I’m not exactly encouraged.” Another time, an ultra-progressive (former) friend told me that, as a white person, I’m “karmically responsible for slavery.”
This is more punitive than progressive, no?
I also fear that progressive policies, so often conceived in an echo chamber of the academically and socioeconomically privileged, strive to do the right thing in theory, but have limited regard with practice. The Defund the Police movement, for example, was surprisingly controversial amongst people of color in American cities because of the fear that crime would spike without adequate social reform to take policing’s place— and according to the New York Times in 2023, that’s exactly what happened (worth noting is Mamdani adopted a more moderate critique of police closer to the election). And while Mamdani is an immigrant, he openly admits that, with

supportive filmmaker/professor parents, he was raised with money and access to first-class education. So, I won’t lie: as someone who grew up below the poverty line, a part of me is skeptical or even resentful of a rich kid with a life-long safety net taking it upon himself to represent the working class.
But on the other hand... at least someone’s committed to taking on the imbalance of wealth and power in New York (and the US) in a meaningful, direct, way. My personal background aside, an even bigger part of me proudly recognizes that politician as Zohran Mamdani.
Well, him and Curtis Sliwa, in a weird way. While the two candidates didn’t see eye-to-eye on everything, both centered their campaigns around the cost of living, both were attacked by Donald Trump, and both agree that police are overburdened with tackling homelessness and other community issues. But whereas Sliwa believes that more police are the solution, Mamdani plans to implement what I think is his best policy: creating a Behavioral Health Emergency Assistance Response Division to address mental health crises and take the burden off woefully unequipped police officers. Their policy differences aside, the old school Republican and the Democratic Socialist agree on key issues facing New York — starting with their mutual disdain for the so-called “moderate” Andrew Cuomo.
And that is amazing.
With Mamdani’s election, the lines between Left and Right are beginning to blur in an exciting new way. In the dawn of a new New York City, I hope Mamdani can bring to life the visions that rightfully earned him his historic win. I also hope that progressives embrace opportunities to connect with a growing, post-binary political base— regardless of what, hopefully, are increasingly irrelevant party lines. And I hope that the incumbent Democratic Socialist mayor of New York City, who won with his unprecedented grassroots campaign, inspires other democracies that plutocracy need not be inevitable.

Zohran Mamdani - ele-king

 11月4日におこなわれたニューヨーク市長選で民主党の候補ゾーラン・マムダニが当選確実、との知らせが飛びこんできた。ムスリームとして初のNY市長が誕生する。
 マムダニはウガンダの、音楽ファンにとっては〈Nyege Nyege〉でなじみ深いカンパラの出身で、インド系の34歳。社会主義者として知られ、富裕層への増税、家賃値上げ凍結、公営バス無料化などをうったえているが、政界進出前にはヒップホップ・ミュージシャンとして活動していたこともあって、Young Cardamom名義でウガンダのラッパーHABとEPをリリース、それこそ《Nyege Nyege Festival》への出演経験もあったりする。
 なぜいまマムダニが重要なのかについては、『別冊ele-king アメリカ』のいくつかの記事でも触れられているので、これを機にぜひチェックしてみてください。


¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U - ele-king

 2026年にはコーチェラ・フェスティヴァルへの出演も決定し、いまや世界からもっとも注目される日本人DJとなった¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U(行松陽介)。インターネット上でのヴァイラルによってプレイ・スタイルへのイメージは変化したかもしれないが、その本質が実験的でエッジーな音楽を求めつづける生粋の好事家であることに変わりはない。

 そんな¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uがかつてのホームであった大阪を拠点に主催していたパーティ・シリーズ〈Zone Unknown〉が、渋谷・WWWの15周年公演シリーズとして開催。これまでイキノックスやKamixloなどアヴァンギャルドなアーティストたちを招聘したのち、活動の変化にともない一時休止。今年ベルリンにて再始動した同シリーズが、初の東京編としてデイ・タイムで開催される。

 出演者にはUKよりマーク・フェルライアン・トレイナー親子を招聘し、ローカル・アクトとして盟友YPY(日野浩志郎)、京都のエクスペリメンタル・セレクターAkaneが出演。ライトニング演出は現代美術とクラブ・カルチャーを行き来するデュオ・MESが担当。メインストリームとアンダーグラウンドの両極に立つ彼の、いまの真意に触れられる一夜となるか。

10月のジャズ - ele-king

Ruby Rushton
Legacy!

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 テンダーロニアスことエド・コーソーン率いるルビー・ラシュトンは2010年代初頭より活動しているが、当初はジャズにヒップホップやビートダウンなどの要素も交え、生演奏にエレクトロニクスも融合したグループだった。当時はメンバーも流動的なところがあり、テンダーロニアスのアイデアを具現化するプロジェクト的な色彩が強かったのだが、アルバムやライヴを重ねるにつれてグループを精査していき、2019年の『Ironside』ではテンダーロニアス(フルート、サックス、パーカッションほか)以下、ニック・ウォルターズ(トランペット、パーカッション)、エイダン・シェパード(フェンダー・ローズ、ピアノ、シンセほか)、ティム・カーネギー(ドラムス)に固定され、ジャズ・バンドとしての姿を完成させた。楽曲もクラブ・サウンド的なアプローチは後退し、より純粋なジャズ・ファンク、モーダル・ジャズ、スピリチュアル・ジャズなどの即興的な演奏が強まっていった。その後、グループとしてシングルやEPのリリースはあったが、テンダーロニアスとしての数々のプロジェクトが忙しかったり、ニック・ウォルターズもパラドックス・アンサンブルやソロ活動があったりで、ルビー・ラシュトンとしてのアルバムはしばらくお預けとなっていた。そうして6年の歳月が経過したが、ここにようやくニュー・アルバム『Legacy!』が完成した。

 ファースト・アルバムの『Two For Joy』のレコーディングから14年が経過した2025年初頭、英国ケント州にあるスタジオで4日間に渡って集中的にレコーディングされた。オーヴァーダビングを排した一発録音を基本とするルビー・ラシュトンだが、今回はテンダーロニアスとエイダン・シェパードが作曲した楽曲をメンバーで演奏し、それらのライヴ・テイクの上にホーンとフルートのメロディを重ね、最終的にテンダーロニアスによるスタジオ・ワークを交えて完成させている。“Charlie’s Way” は滑らかなエレピの上をピッコロが舞うムーディーな出だしから、6/8拍のアフロ風味のジャズ・サンバへと変化していく。“Walk to Regio’s” もモーダルな7/8拍のナンバーで、ルビー・ラシュトンにはこうした変拍子の作品が多い点が特徴的だ。“The Lighthouse” も3拍子のジャズ・ワルツで、エモーショナルなテナー・サックスもフィーチャーされたスピリチュアルなムードの作品。チップ・ウィッカムにも通じるタイプの作品でもあるが、1960年代後半から1970年代のヨーロッパに見られる硬質で洗練されたムードのジャズに近い。テンダーロニアスとチップ・ウィッカムには影響を受けたジャズ・ミュージシャンや作品に共通するところがあるのだろう。


Alfa Mist
Roulette

Sekito

 2025年のアルファ・ミストは非常に精力的に活動していて、リチャード・スペイヴンとのユニットである44th Move(フォーティーフォース・ムーヴ)のアルバム『Anthem』を春にリリースし、そして秋には新作の『Roulette』をリリースした。彼は昨年弦楽四重奏のアミカ・カルテットと共演した『Recurring』というライヴ・アルバムをリリースしているが、スタジオ録音盤としては2023年の『Variables』以来の作品集となる。『Variables』は「無限の可能性」をテーマとしており、自身が興味を持つさまざまな音やアートを具現化したものとなっていた。それ以外にもメンタル・ヘルス、家族コミュニティ、議論文化、個人的な成長など内面や精神にかかわることが、これまでの彼の作品のテーマや手掛かりとなってきた。今回は「輪廻転生」がテーマになっていて、夢の世界と前世を繋ぐものが輪廻転生であり、近未来へと想像を巡らせる旅がアルバムの底辺に流れている。参加ミュージシャンは長年のコラボレーターであるカヤ・トーマス・ダイク(ベース、ヴォーカル)に、ジェイミー・リーミング(ギター)、ジョニー・ウッドハム(トランペット、フリューゲルホーン)、サミュエル・ラプリー(サックス、バス・クラリネット)、ペギー・ノートン(チェロ)など、『Variables』にも参加していた面々が中心となる。そのほかゲストでアメリカからラッパーのホームボーイ・サンドマンと、2000年代からクラブ・シーンを中心に活動するソウル・シンガーで、シネマティック・オーケストラにも参加してきたタウィアがフィーチャーされる。

 テーマである「輪廻転生」を曲名とした “Reincarnation” は、ホームボーイ・サンドマンのラップをフィーチャー。楽曲自体は重厚なストリングスを用いた深みのある作品で、ホームボーイ・サンドマンの理知的なラップともうまくマッチしている。アルファ・ミストらしいジャズとヒップホップの融合で、彼がデビューの頃から一貫してやっているスタイルと言える。“All Time” はタウィアをフィーチャーし、ギターがダークでメランコリックな雰囲気を奏でる。こうした繊細でフォーキーな質感の楽曲もまたアルファ・ミストらしいもので、内省的なテーマの作品にぴったりである。“From East” はダビーでコズミックな質感のインスト曲で、エレピ、ドラムス、ギター、トランペット、サックスのインタープレイもディープで幻想的な世界を繰り広げる。ジョー・アーモン・ジョーンズなどと並び、いまのロンドンらしい現代ジャズと言えるだろう。


Matt Wilde
Find A Way

Hello World

 マット・ワイルドはマンチェスター出身のキーボード奏者/プロデューサーで、2021年頃から作品リリースを続けている。DJ/ビートメイカーからキャリアを始め、J・ディラマッドリブ、ピート・ロックなどの影響を受け、J・ディラがマイルス・デイヴィスをサンプリングしていたことからジャズそのものにも興味を持つようになった。そのJ・ディラへのトリビュートである “Dilla Impressed Me” という作品もリリースしているが、トロンボーン奏者のロージー・タートンなどジャズ・ミュージシャンと共演し、単なるビートメイカーではないピアニストへと成長を遂げている。こうしたDJ/ビートメイカーからミュージシャンになった人はアルファ・ミスト、テンダーロニアスなどいろいろいるが、マット・ワイルドは edbl やアメリカのキーファーあたりに近いタイプのミュージシャンで、ヒップホップと親密な結びつきを持っている。ファースト・アルバムは2023年の『Hello World』で、ジョー・ラッキン(ドラムス)、オスカー・オグデン(ドラムス)、スタン・スコット(ベース)、ナッティ・リーヴズ(ギター)、アーロン・ウッド(トランペット)などさまざまなミュージシャンたちとコラボしている。ヒップホップのビートを咀嚼したリズム・セクションに、マット・ワイルドによるメロウなエレピやホーンなどのフレーズを差し込み、生演奏とプログラミングやサンプリングを極めて精巧に融和している。

 新作の『Find a Way』はファースト・アルバムの名前をレーベル名にした自主レーベルからのリリース。今回は参加ミュージシャンを絞り、スタン・スコット、アーロン・ウッドと、一部オスカー・オグデンのドラムス・パターンを借用している。マット自身はキーボード演奏とドラム・プログラミングをおこない、複雑にプログラムされたドラムの上にピアノ、ベース、トランペットを重ねて全体構築している。『Hello World』をよりコンパクトにした形であるが、ヒップホップ色の濃かった前作よりサウンドの幅は広がっている。“It’s OK, Feel It” はブロークンビーツ的なビートで、ロニー・リストン・スミスやアジムスを想起させる1970年代フュージョンのエッセンスに包まれる。“Yellow Days” や “Everyday Words” もジャズ・ファンクとブロークンビーツをミックスしたような楽曲で、透明感に溢れたマットのピアノが印象的。“Windup” は変拍子によるミステリアスなムードで、ルビー・ラシュトンあたりに近い作品と言える。“Smile Today” はメロウなテイストの重厚なジャズ・ファンクだが、ビートの作り方など非常に凝ったものである。


Glass Museum
4N4LOG CITY

Sdban Ultra

 グラス・ミュージアムはベルギーのブリュッセルを拠点とするユニットで、2016年にアントワーヌ・フリポ(ピアノ)、マルタン・グレゴワール(ドラムス)によって結成された。方向性としてはゴーゴー・ペンギンに近く、コンテンポラリー・ジャズにテクノなどエレクトリック・サウンドやクラブ・サウンドのアプローチをミックスしている。これまでアルバムは『Deux』(2018年)、『Reykjavik』(2020年)、『Reflet』(2022年)とリリースしていて、『Deux』では一部にトランペット奏者を加えた作品もあったが、基本的にふたりのコンビネーションで楽曲を作ってきた。そして、新作の『4N4LOG CITY』では新たにサポート・ベーシストのブリュー・アンジュノを加えたトリオとなっている(ただ、アルバム・レコーディング後に正式なベーシストとしてイッサム・ラベンが加入し、現在はこの3名でライヴなどを行っている模様)。ほかにサックスやシンガーも加え、いままでに比べてより多彩な表現が可能となった。また、スイスのドラマー/作曲家/プロデューサーであるアーサー・フナテックとのコラボから始まって “Gate 1” という楽曲も作るなど、外部との交流や広がりが見られるアルバムだ。

 その “Gate 1” は電子音の反復によるミニマルな始まりから、パワフルなビートが前進していくテクノとジャズ・ファンクが融合したような楽曲。クラークフランチェスコ・トリスターノが共演したようなイメージというか、グラス・ミュージアムとしてもこれまで以上にエレクトリック・サウンドに振り切ったサウンドである。“Rewind” はドラムンベース的なビートを持つナンバーで、途中で半分のテンポのジャズ・ファンクへと変わる。ゴーゴー・ペンギンに近いイメージのエレクトロニック・ジャズだ。“Call Me Names” は新進気鋭のヴォーカリストである JDs を起用しているが、彼の歌声はスペイセックを思わせるソウルフルなもの。そして、少しレゲエ・シンガー風のアクセントを持っていて、ナイトメアズ・オン・ワックスのような独特のスモーキーな風味を出すナンバーとなっている。いままでの路線のジャズ的なナンバーとは異なるが、グラス・ミュージアムの新しい魅力を引き出す作品となっている。

 Hello Hello! hey hey! はろはろ! へいへい!
 今月からこの連載を書かせていただくことになりました、DJのheykazmaですッ!!

 普段は東京で高校一年生をかましつつ、experimentalを軸に、TechnoやHouse系のDJをしたり、ギャルマインド満載なトラックを作ったり、モデルをしたり、パーティを主催したり、遊びに行ったり……。アーティストとして、学業の傍ら、楽しく活動しています。

https://lit.link/heykazma

 この連載では、ワタクシことheyが制作した音源の話や、最近聴いてムネアツな音楽、日常のワラえることなど、みなさんと共有したいものをひたすら書いていく予定(キリッッッ)。ゆる〜く読んでもらえたら嬉しいhey!

 hey的にお気に入りのheyの現在地的なDJ Mixはこちら! 1億回聴いておくんなまし〜

 初回のテーマは……10/1にU/M/A/AからリリースされたRemix EP「Happy Halloween Remixes 2025 Curated by heykazma」について。
 この作品は、毎年10月になるとSNSでよく耳にするハロウィンソング定番曲!再生数がマジでヤバいJunkyさんのボカロ楽曲『Happy Halloween』をテーマに、heyがキュレーションを担当したEPです!

Junky- Happy Halloween (heykazma Remix)

 このお話をいただいたきっかけは、「Happy Halloween」の原曲をリリースしたレーベルのみなさんが、私が主催しているパーティ「yuu.ten」に遊びに来てくれちゃったことでした(感謝!!♡)

 「yuu.ten」は、2024年からスタートした“音に溶ける”をコンセプトにしたダンスパーティ\(^o^)/

 初回となるvol.1は、地元・仙台で愛しているお店「ファシュタ -Första-」で開催したの。東京から、普段一緒にユニットを組んだりしているマヴ・北村蕗をゲストに迎え、2人会をやっちゃいましたよ。

 そして、6月20日に開催したvol.2は下北沢SPREADにて。LIVE、DJ、アートパフォーマンス、似顔絵ワークショップなど、私の“好き”と“友人”をぎゅっと詰め込んだ内容に(((o(*゚▽゚*)o)))♡

 会場は満員で、来てくれたまゔたちからも「こんなイベント待ってた!」と言ってもらえて、本当に嬉しい夜だったよん˚ˑ༄

 後日、「heyちゃんにお願いしたいことがあったんだよね!」と、今回のリミックスEPの企画のお話をレーベルの方からいただきました。すごく光栄でテンション爆上がり!(わーーい

 今回私が担当したのは、いわばディレクター的な役割。
 リミキサーの選定、アートワークをお願いするアーティストの選定、MV監督の起用、リリースパーティの企画などなど…。

 特に最初に取りかかったのが、「誰にリミックスをお願いするか?」という部分。hey的に、原曲の“Happy Halloween”が持つ、ポップでキャッチーで、ちょっとホラーでかわいい世界観を、それぞれの解釈で楽しく再構築してくれそうなアーティストたちをピックアップ!

 結果、リミックスをお願いしたのが、Shökaちゃん、清水文太くん、バイレファンキかけ子さま、foodmanパイセンの4名! そしてアートワークを村田みのりせんせー、MVをALi(anttkc)っちにオファ〜しました!

 ジャンルも活動スタイルもバラバラだけど、それぞれの個性がピカピカで、hey的に「この人たちが並んだら絶対おもしろい!」と思える方々ばかり。
この選定には、これまでheyが遊びに行ったパーティや出会ったアーティスト、SNSで気になっていた方など、これまでの縁やつながりがめちゃくちゃ活きているchanょ。

 ここからは、今回リミックスをお願いした4組のアーティストについて、heyとその人たちとの出会いや制作までの流れを書いてみますっ!

Shöka (Remixer)
 Shökaちゃんとは、もともと共通の友人を通じて知り合いました。最初にちゃんと話すようになったのは、彼女が出演していたイベントに遊びに行ったときのこと。そこから、会ったり会わなかったりを何度か繰り返して、気づけば自然と仲良くなっていました。
 あるとき、「高校時代にボカロをよく聴いてた」って話をしてて、それを聞いた瞬間に「これはShökaちゃんにリミックスお願いしたいかも!」って直感で思ったんです。
 思い切ってオファーしたら快く引き受けてくれて、出来上がった曲を聴いたときは本当にびっくりしました。普段のShökaちゃんの独特なバイブスが音にも滲み出ている一方で、作品ではあまり見せていない音楽性もあって、すごくドープに仕上がっていて……不思議で、でもクセになるタッチの曲。何度も聴いては刺激受けまくりで、ひたすら最高!!

ライヴ観に行ったとき謎の遊びをしている写真...

清水文太 (Remixer)
 文太くんのことは、小学生のころハマっていた「水曜日のカンパネラ」のスタイリストをしていたり、私がずっと好きなクィア&フェミをテーマにした東京のDJパーティ「WAIFU」でライブ出演していたりと、名前を見かけるたびに気になる存在でした。
 ちゃんと話すようになったのは、実は今年に入ってから。私が出演したパーティにふらっと遊びに来てくれたのがきっかけでした。
 話してみたら、表現の幅広さとか感性の鋭さとか、想像以上で。彼の実験的かつ自由なバイブスにめちゃくちゃ惹かれて、今回のリミックスもぜひお願いしたいと!!!!
 実際に届いた音源は、まさに文太くんの空気感そのまま。“ハロウィン”というテーマに対して、甘すぎず、美しくて、でもちょっと毒もある。その微妙なバランスを取れるのは、やっぱり文太くんしかいないなって〜〜〜!♡

一緒に新宿御苑行ったら急にストレッチをし始める文太くん

バイレファンキかけ子 (Remixer)
 かけ子さまとは、クラブの現場で出会ったというより、SNSでかけ子様のDJ Mixや情熱大陸のBootlegを先に聴いて、「この人やばっ!」ってなったのが最初。
 初めて実際にお会いしたのは、上京してすぐ。かけ子さまが出演しているパーティに遊びに行って、フロア最前でマヴと爆踊りしてました(笑)。
 プレイ後に話しかけたら、めちゃくちゃ優しくて面白くて、バイブスが最高すぎて! かけ子様の音楽のお祭り感とハロウィンのお祭り感をMixしたら絶対最高になると思って、すぐオファーしちゃた! 結果、めちゃくちゃフロア爆発しそうなリミックスが届いて感動。安心信頼、安定のかけ子大先生!!

初めてお会いした時に撮ったツーショ!!

食品まつり a.k.a foodman (Remixer)
 食まつパイセンとも、かけ子様と同じく最初はSNSにアップされていた音源を聴いて強く惹かれたの.........!!!!!
 さらに、大好きな作家・アーティストのシシヤマザキちゃんと「1980YEN」というユニットを組んでいたこともあり、当時からすごく気になる存在。昨年の夏、下北沢SPREADで初めてライブを拝見したのですが、そのパフォーマンスが圧倒的で、やっと会えました!
 そんな中ふと!「ボカロと食まつパイセンの音楽が混ざったら面白いのでは!?」と思い、今回無茶振りオファーを〜〜〜〜(*´∇`*)
 そして生まれたのが、めちゃくちゃ異色でエグいサウンド。聴けば聴くほどクセになる、“スルメ楽曲”の極みです!! パイセン サイコー!

りんご音楽祭で会ったときの写真!!

村田みのり(アートワーク)
 みのり教授と出会ったのは6月。コムアイさんとみのり教授が主催する「おかしなおかね」に、参加したのがきっかけ。
 もともとインスタで作品を見ていて、「この世界観めっちゃかわいい!」って思ってたんです。
 実際にお会いしてみたら、テンションの波長がすごく合うし、初対面でもすぐに仲良くなれちゃた。
 そのあともイベントで何度か会ううちに、みのり教授の持つ柔らかさとか、アイデアの発想力にどんどん惹かれていって。今回のハロウィンのテーマを考えたときに、真っ先ににお願いしたい!って思いました。

はじめてみのりさんとbonoboでお会いした日
w/もりたみどりちゃん&Yoshiko Kurataさん

ALi(anttkc) (Music Video監督)
 ALiっちは、普段からよく遊ぶマイメンのひとりで、もう説明いらないくらい信頼しまくってる存在。私が主催している「yuu.ten」でもVJを担当してくれたり、彼が運営している神保町のイベントスペース「RRR」でブッキングしてくれたりと、お互いに呼び合ったり、遊びに行ったりな関係!映像制作に関しては本当に安心と信頼のクオリティで、今回も絶対にお願いしようって迷いなく思いました。打ち合わせではふわっと伝えただけなのに、彼が作ってくれた映像はPOPでかわいくて、動きもテンポも最高。本当に、ALiっちの映像が加わったことで、今回のEPやハロウィン企画全体の世界観が一気にぐっと立体的になったな〜と感じています。

りんご音楽祭で会ったときの写真!!

 そして最後に、hey自身が制作したRemixについて〜。
 heyはこの曲の「アゲな部分」にフォーカスして、Hard Technoでわっしょい感を大切に、数々の有名ダンスアンセムから影響を受けて、NEO盆踊りの極みmixに仕上げました! 500,000,000回聴いてくれ!

 今回の企画を通して、改めて「人と人とのつながり」や「音楽が持つ広がりの力」を強く感じました。heyがこれまで現場で出会ってきた人たちと、ひとつの作品を一緒に作り上げられたことが本当に嬉しい( ; ; )

 それぞれのリミックスが持つ世界を聴きながら、ぜひハロウィンという季節を自由に楽しんでほしいなと思うよんっ♪

 またリリースを記念して、日本橋にあるアートホテル”BnA_WALL”でhey主催リリパを開催します!!こちらも激アツな企画になってるので...絶対に来て欲しいです!!!!!!!!!!

 これからも私heyは己かましまくりで前に進んでいこうと思うよっ
 それでは次回の連載、どこかのパーティでお会いしましょう˖ . ݁

Happy Halloween Remixes 2025 Curated by heykazma
Release Party at BnA_WALL 日本橋

2025年10月31日(金)
18:00 Open
19:00 Start
22:00 Finish

■ DJ
heykazma
バイレファンキかけ子
カワムラユキ
CASE(Wangone)
■ Live
Shöka
清水文太

■チケット
¥3.500 当日(会場のみで販売)
¥3.000 前売り ※非売品ステッカー付 50枚限定
¥2.000 Under 25
※小学生以下のお子様のご入場は無料です。
※会場キャパシティの上限に達した際には当日券が販売中止となる場合があります。

Peatix | eplus

Call And Response Records - ele-king

 先日もformer_airlineの良作が送りだされたばかり、イアン・F・マーティンが主宰する高円寺のインディペンデント・レーベル、〈Call And Response Records〉が設立20周年を迎えている。それを祝し、アニヴァーサリー・イヴェントが開催される運びとなった。11月2日@東高円寺UFO Club、12月13日@東高円寺二万電圧、12月27日@高円寺SUBstoreの3段構えで、同レーベルになじみのあるアクトが集合。最終日には創設者イアン・F・マーティンやele-kingでもおなじみのジェイムズ・ハッドフィールドらDJをするようです。詳しくは下記を。

CALL AND RESPONSE RECORDS: 20 YEARS OF POP!

DIY精神で歩んだインディーレーベル・Call And Response Records、20周年を記念し高円寺でイベント

Call And Response Recordsは、2005年12月に初のリリースを発表した。カタログナンバーCAR-99でリリースされたコンピレーション『1-2-3-Go!』は、“ゼロまでのカウントダウン”というユニークなコンセプトのもと、100作品のリリースを目標に掲げてスタートした。
これは創設者イアン・F・マーティンの故郷である英国ブリストルの伝説的インディーレーベル、Sarah Recordsからインスピレーションを受けたもである。

2025年末の現在、レーベルはそのゴールに少しずつ近づきながらも歩みを続けている。

この20年間でレーベルが届けてきたのは、日本を中心に、時に海外の“日本とつながりを持つ”アーティストたちも交えた、刺激的でユニーク、そして徹底的にインディペンデントな音楽の数々だ。ジャンルの枠には収まらず、その核にあるのは“3つのポスト”――ポストパンク、ポストハードコア、ポストロック――とDIYポップの交差点。そして、オリコンチャートやRockin’ On Japanが定義する「ポップ」に抗い、自分たちで「ポップ」の意味を決めていく姿勢である。

「Call And Response」という名前が象徴するのは、双方向の関係性だ。音楽がリスナーに届くと同時に、リスナーもまた一歩踏み出し、能動的にその世界に関わってほしい。そんな思いが20年の歴史の中で確かに根付いてきた。

日本では20周年は成人を迎える節目とされる。もはや「子ども」ではなくなったCall And Response Recordsは、このマイルストーンを祝うべく、ホームである高円寺で記念イベントを開催する。ラインナップには、同レーベルから作品をリリースしたアーティスト、数々のコンピレーションを彩ったアーティスト、そして古くからの仲間による新バンドが集結する。

第一弾イベント:
「Call And Response’s End of Innocence」
11月2日 @ 東高円寺UFO Club

レーベルのルーツとも言えるポストパンクとノイズポップにフォーカス。
LIVE: P-iPLE、デーメーテール、DopeDobutu、Jocko、Slowmarico
DJs: Sumire Taya (Girlside)、Daizo

第二弾イベント:
「Call And Response Is Old Enough To Drink」
12月13日 @ 東高円寺二万電圧

20年の歴史を横断する多彩なアクトがステージを飾る。
LIVE: Melt-Banana、Jebiotto、Saladabar、Grandma’s Garden、Looprider、Praha Depart、worst taste & special
magic、Cyber Cherry

第三弾イベント:
「Call And Response is Sorry for What Happened」
12月27日 @ 高円寺SUBstore

2つのイベントを締めくくる小さな“二日酔いパーティ”として、ゲストライブとDJ陣が登場する。
LIVE: Masami Takasima
DJs: Ian Martin (Call And Response)、DJ Rally (Tropical Death)、James Hadfield、Ayumi (Vamp!/Chicks Riot)

 過日、「Improvisation Summit Tokyo」と題したイベントが都内のナイトクラブ、下北沢SPREADで開催された。主な出演者は20代の若手ミュージシャンたちで、大人数が入り乱れた即興ワークショップや、マスコア的でありつつメンバーが楽器を持ち替え鮮烈な即興を連ねていくバンド、覆面集団によるスカムでカオティックな打楽器アンサンブル等々、いずれもユニークであり、熱気に溢れ、即興音楽のニーゼロ年代における新しい波が渦巻いていることを実感させる内容だった。イベントを企画したのは、ワークショップでも出演していた不定形即興集団・野流を率いるHyozo。もともとデュオ・ユニットとして始動した野流はある時期から不定形集団へと変化していったのだが、『OTOTOY』に掲載されたインタビューによれば、そのきっかけとなったのは2022年9月に行われた「増井ビル解体祭」だったという。詳細は省くが、取り壊しが決まったビルの複数フロアを舞台に、2時間以上にわたって多数の参加者が同時多発的に即興パフォーマンスを行うイベントであり、ライヴハウスのように音楽のために設けられたステージのない空間で繰り広げられたこのセッションに参加した経験が、野流の活動形態を新しい方向性へと導くことになった。そしてこのエピソードを知った時にわたしの頭を過ぎったのが、他でもなくアジアン・ミーティング・フェスティバル(AMF)だった。

 大友良英が2005年に最初のアジアン・ミーティングを新宿ピットインで開催して以降、2008年、2009年の開催を経て、2014年からはアンサンブルズ・アジア・プロジェクトの一環としてdj sniffとユエン・チーワイがキュレーターを務める形で、2015年から2017年にかけてAMFは各地で開催されてきた。プロジェクト終了後も2018年には台湾で、2019年には東京で開催された。AMFはテン年代の即興/ノイズ/実験音楽の一側面を形成していた。その意義は大まかに三つあったとわたしは理解している。一つは日本ではまだあまり知られていないアジア近隣諸国の実験的なミュージシャンを紹介すること。もう一つはアジア近隣諸国のミュージシャン同士の交流を促すこと。そして最後に、そうして集ったミュージシャンたちによる新たな音楽的実践を提示すること。つまり紹介/交流/実践がAMFの大きな意義だったと思うのだが、実践面において、AMFはテン年代を通じてその試みを回を重ねるごとにアップデートしていった。とりわけ面白かったのは、ステージと客席が固定された通常のライヴとは異なり、たとえば美術館や小学校跡地、日本家屋など、必ずしも音楽のために設計されたわけではない空間を舞台に、その場所ならではのパフォーマンスを即興的に紡いでいくことだった。イベントに関連して行われたワークショップ等も含めて、演奏と聴取の一方向的ではない関係性や、複数の場所で同時多発的に行われるパフォーマンスが即興的に重なり合うことで多中心的な出来事を生むという試みの、一つの極地へとAMFは踏み込んでいたのではないかとも思う。

 2020年以降、新型コロナウイルス禍に見舞われて休止状態にあったアジアン・ミーティングが、6年ぶりに開催される。最初の開催から数えるとちょうど20年の節目でもある。今回は原点に立ち返り、大友良英が再び中心となってキュレーションを行なっている。アジア近隣諸国から訪れる出演者たちは「知られざる」ミュージシャンというより、誰もがすでに来日したことがあり、こうした領域に関心を持つ日本のリスナーにとっては馴染みのある面々だ。ただし日本勢の参加者にはニーゼロ年代以降に頭角を表した人物も少なくなく、単に旧交を温めるイベントというわけではない。皮切りとなる小田原・江之浦測候所でのイベントは、大友が2022年から開催してきた「MUSICS あるいは複数の音楽たち」の第3弾でもある。場所そのものが作品でもあるような独特の地形と構造物からなる江之浦測候所で繰り広げられる試みは、まさにAMFがテン年代に突き詰めてきたサイトスペシフィックなサウンド・パフォーマンスの、さらにその先をいく実践となることだろう。他方、新宿ピットインは20年前にアジアン・ミーティングが誕生したいわばホームである。ここは音楽のために設計されたライヴハウスであり、ステージが設けられている。普段と同じようにステージで演奏を行うのか、特殊なセッティングになるのかはまだわからないが、たとえステージで演奏を行うのだとしても、パフォーマンスの展開は予期し得ないものとなるに違いない。むしろどんな場所でも対応できる手練のミュージシャンたちであればこそ、その即興力がステージ上に凝縮されることで濃密な時間が生まれる。それもまたAMFならではの景色だ。そのほか、京都UrBANGUILD、名古屋今池Tokuzo、さらに移転リニューアル・オープンしたばかりの南青山POLARISでも、「Far East Network Special」と題して来日勢と現地の気鋭ミュージシャンたちとのセッションが行われる。

 6年という時が経ち、テン年代のAMFをリアルタイムでは経験していない若い世代のミュージシャンやリスナーも増えてきた。当時の中高生が今では大学生や社会人になっているのだから当たり前と言えば当たり前である。だが再び始動したAMFは、かつての実践を知る人々だけでなく、そうした新たな世代の人々にとっても、必ずや刺激に満ちた体験をもたらすに違いない。少なくともそう確信させるに足る出来事を、これまでAMFは創出してきたのである。その意味でアジアン・ミーティング20周年記念スペシャルは、AMFの再出発の地点であると同時に、一人ひとりの参加者にとっても即興/ノイズ/実験音楽のこれからを開いていくための、行先の定められていない冒険的な出発点となることだろう。(細田成嗣)


AMF2019 TOKYO DIGEST(映像記録:青山真也)

アジアン・ミーティング20周年

 今から20年前の2005年9月23日から25日にかけて、韓国と香港から8人のミュージシャンを呼んで新宿ピットインで第一回の「アジアン・ミーティング・フェスティバル」が行われました。日本からも10人を超えるミュージシャンが参加し、昼夜5コンサートを行っています。同じ年に中国で反日デモが行われ、上海の日本料理店が襲撃されたニュースがきっかけでした。中国や韓国のミュージシャンたちとの交流がはじまった頃だったこともあり、とてもショックだったのを今でも覚えています。

 当時のブログを引用します。

「(……)何人もの友人のいる中国で反日デモがおこっているのは、私にとってはとても悲しいし、どうにかしたいなと、本当に素朴に思ってしまう。素朴な民族のククリで憎しみ合うような状況を今後絶対につくらないためにも。具体的にオレにできることを、実はもう少し前から準備をしている。多分9月になると思うけど、東京のどこかで、中国語圏、韓国語圏といった近隣諸国で、僕等にちかいような、ノイズなり音響なり、あるいは風変わりなロックなりをやっているミュージシャン何人かを呼んで小さなフェスをやろうと思っているのだ。(……)もちろんそんな小さなことで今の民族間の問題が解決するとはまったく思っていないし、第一そのためにこうしたフェスをやるわけでもない。理由はあくまでも音楽的な話なのだけど、どんなことであれ、そうした無数の無名の人たちの日常の生き方、営みの中からしか歴史は変えられないと思うからだ。(……)現時点ではなんの資金のあてもありませんが……」(ブログ「大友良英のJAMJAM日記」2005年4月17日よりhttp://www.japanimprov.com/yotomo/yotomoj/essays/hannichi.html

 その後、紆余曲折をへながらもこのフェスティバルは続き、2014年から国際交流基金の援助も受けてシンガポールのユエン・チーワイや、当時香港在住、今はアメリカと日本、台湾を行き来するdj sniffにディレクターに入ってもらい、パンデミックが始まるまでの間、アジア各国で、何十人ものミュージシャンやスタッフの手により、いくつものフェスが開かれてきました。2005年のフェスの時から考えたら夢のような展開でした。

 大きな歴史の動きは決してわたしの望むような方向に向かっていないように思えることもしばしばですが、でも、日本を含むアジア各国から数多くの若いミュージシャンたちが出現し、彼ら彼女らが様々な形で草の根的に繋がっていってる様子を見るのは感動的だったし、それが未来への希望、そんなふうに思っていました。そんな中始まってしまったのがパンデミックでした。アジアのミュージシャンの交流の時計の針が戻されたような気持ちでした。

「せっかくあそこまでいったのに」

 パンデミックが明けた2023年から再び、わたしは韓国、シンガポール、マレーシア、ベトナム、中国、台湾、香港、インドネシアとアジア各地を回って、ミュージシャンとの交流を個人的に再開しました。2010年代のように助成を受けた大きなフェスをやるのは難しいかもしれませんが、初心に帰って、個人で動いて再びフェスをやることは可能かもしれない。なにより20年前と違うのは、すでに人脈もあり、協力してくれる人たちや組織もあることです。

 今回は江之浦測候所を運営する小田原文化財団と新宿ピットインの全面的なバックアップのもと、これまで協力してくれたF.M.N. Sound Factoryや、Little Stone Records、P-hourほか多くのみなさんの手弁当の協力もあって、パンデミック以降、最初のアジアン・ミーティング・フェスティバルが実現します。しかも20周年記念のフェスティバルです。

 11月2〜3日の江之浦測候所での2日間は、これまでやってきたアジアン・ミーティングを象徴するかのように、ひろい庭園の各所で、夕暮れまでの3時間の間、即興的にさまざまな出会いと共演が同時多発的に起こります。あらかじめ計画されたものではなく、参加ミュージシャンたちが江之浦測候所という稀有な空間に反応しながら、その場で状況を作り出していく2日間です。当然2日間の内容は、全く異なるものになります。参加者は皆さんの足で、会場で起こるさまざまなハプニングや出来事、音楽を探し発見する旅になります。

 杉本博司が設計した江之浦測候所の壮大なランドスケープと、日本を含むアジア各国のアーティストたちとの予期せぬ邂逅をどうかお楽しみください。(大友良英)

参考文献
横井一江「大友良英によるアジアン・ネットワーキングの軌跡」(JazzTokyo、2025年3月1日公開)https://jazztokyo.org/interviews/post-109331/

■公演情報

小田原・江之浦測候所「MUSICS あるいは複数の音楽たち その3」
日程:2025年11月2日(日)・3日(月・祝)13:20受付開始 13:30開場 13:45開演(予定) 16:30終演
会場:小田原文化財団 江之浦測候所(https://www.odawara-af.com/ja/programs/otomo_yoshihide_ensembles2025/
料金:9,900円(江之浦測候所入館料含む)
出演:大友良英(percussion, objects)、リュウ・ハンキル(electronics)、イェン・ジュン(objects, voice)、ユエン・チーワイ(electronics)、コック・シューワイ(voice)、シェリル・オン(percussion)、吉増剛造(poet)、山崎阿弥(voice)、Sachiko M(objects)、松本一哉(percussion, objects)、石原雄治(percussion)、高岡大祐(tuba)、本藤美咲(sax/11月3日のみ)
ゲスト:巻上公一(voice)、細井美裕+岩田拓朗(sound installation)、小暮香帆(dance/11月3日のみ)

京都・UrBANGUILD「Far East Network Special」
日程:2025年11月4日(火)18:30開場 19:30開演
会場:京都・UrBANGUILD(https://urbanguild.net/event/20251104_fareastnetworkspecial/
料金:[前売]5,000円+1ドリンク [当日]5,500円+1ドリンク [23歳以下]3,000円+1ドリンク(要身分証明書提示)
出演:大友良英(guitar/東京)、ユエン・チーワイ(electronics/シンガポール)、リュウ・ハンキル(electronics/ソウル)、イェン・ジュン(objects, voice/北京)、コック・シューワイ(voice/クアラルンプール)、シェリル・オン(percussion/シンガポール)、Sachiko M(sinewave/東京)、立石雷(篠笛等/滋賀)、中川裕貴(violoncello/京都)、山内弘太(guitar/京都)

名古屋・今池Tokuzo -得三-「Far East Network Special」
日程:2025年11月5日(水)18:30開場 19:30開演
会場:名古屋・今池Tokuzo -得三-(https://www.tokuzo.com/2025Nov/20251105
料金:[前売]5,000円 [当日]5,500円
出演:大友良英(guitar/東京)、ユエン・チーワイ(electronics/シンガポール)、リュウ・ハンキル(electronics/ソウル)、イェン・ジュン(objects, voice/北京)、コック・シューワイ(voice/クアラルンプール)、シェリル・オン(percussion/シンガポール)、臼井康浩(guitar/名古屋)、小埜涼子(sax/名古屋)、服部正嗣(drums/東京、岐阜)

東京・新宿ピットイン
日程:2025年11月6日(木)19:00開場 19:30開演
会場:東京・新宿ピットイン(http://pit-inn.com/artist_live_info/251106asian/
料金:[前売]5,500円(税込/1DRINK付) [当日]6,050円(税込/1DRINK付)
出演:大友良英(g/東京)、dj sniff(turntable/LA)、ユエン・チーワイ(electronics/シンガポール)、リュウ・ハンキル(electronics/ソウル)、イェン・ジュン(objects, voice/北京)、コック・シューワイ(voice/クアラルンプール)、シェリル・オン(percussion/シンガポール)、類家心平(tp/東京)、細井徳太郎(g/東京)、荒川淳(electronics/郡山)

東京・南青山POLARIS「Far East Network Special」
日程:2025年11月7日(金)19:00開場 19:30開演
会場:東京・南青山POLARIS(https://polaristokyo.com/schedule/20251107
料金:[前売]5,500円+1ドリンク700円 [当日]6,000円+1ドリンク700円
出演:大友良英(g/東京)、dj sniff(turntable/LA)、ユエン・チーワイ(electronics/シンガポール)、リュウ・ハンキル(electronics/ソウル)、イェン・ジュン(objects, voice/北京)、コック・シューワイ(voice/クアラルンプール)、シェリル・オン(percussion/シンガポール)、Sachiko M(sine waves/東京)、Evicshen a.k.a. Victoria Shen(turntable/SF)

Wang One - ele-king

 インターネットはインディ・アーティストと彼ら/彼女らをサポートする人々に大きな恩恵を与えてきた。ネットがなければ〈Maltine Records〉や〈TREKKIE TRAX〉の台頭はあり得ず、『Pitchfork』が「日本の重要なインターネット・レーベル10選」という特集を組むこともなかったかもしれない。我々リスナーも、ほとんど週替わりで出現するスターたちに心を躍らせた。

 中国でもそれは同じらしく、南京出身のLola Oneと上海出身のCase Wangによるインディ・エレクトロニック・ユニット “Wang One” も、それに類する経験を経てきた。音楽コンシェルジュ・ふくりゅう氏によるインタヴューの中で、ふたりは「ほとんどの曲をNetEaseから学んだ」と認めている。そこではダフト・パンクやYMOの楽曲が次々とサジェストされ、自身がサイトにアップロードした自作曲がコミュニティ内で高い評価を獲得した。

 陰謀論が跳梁跋扈し、今日も元気にヘイトが駆け回っている電脳空間。けれども、そこにはまだ見ぬ音楽を求めてさまよう者とそれに応えようとするコミュニティの蜜月の関係があった。この大海から誕生したスターも枚挙に暇がない。

 日本ではハチP(米津玄師)をはじめ多くのプロデューサーがニコニコ動画から羽ばたいていったが、それぞれシグネチャーなサウンドは確認できるものの、音楽ジャンルとして「これ」と特定できるケースは少なかった。1曲の中にロック的な要素があり、パンクっぽいニュアンスがあり、エレクトロの手触りがある。

 Wang Oneはユニットとしてこれまで4曲発表してきたが、いずれも異なる世界観とテクスチャーで構成されている。デビュー・シングル “Walk On Shame” はファンキーなディスコ・チューンで、2曲目の “Oh Young Boy” はチャーチズとラナ・デル・レイが共にスタジオ入りを果たしたような内容だ。そして最新シングル “IDK - idontknowwhatyoutalkingabout-” では、アシッド・ハウスの上でLolaのパンク・ヴォーカルが響いている。ダンスフロアに根差しながら、射程はもっと長い。鳴らされてるのが真夜中のクラブだけでなく、そこは夕方のライヴ・ハウスかもしれないし、野外フェスのステージかもしれない。手探りの部分もあるだろうが、ふたりのサウンドはさまざまなポテンシャルを秘めている。

 そういった紆余曲折をレーベルとして続けたのが、まさしく〈TREKKIE TRAX〉だ。彼らが “IDK - idontknowwhatyoutalkingabout-” のリミックスを手掛けたのは、なかば必然めいたものを感じられる。その上、彼らはULTRA JAPAN 2025のメインステージでこの曲をプレイした。レーベル・クルーであるFellsiusの “Boss House” や、彼らがここぞというときにかけるOutlanderの “The Vamp (TTC Kick Rebuild)” など、〈TREKKIE TRAX〉総集編のようなDJセットの中で燦然と輝く “IDK (TREKKIE TRAX CREW Remix)”。“Strings of Life” が香るピアノのリフに、脱構築されたビートがお台場の空に舞った。

 同じく “IDK” のリミキサーとして、ベルリンを拠点に音楽シーンで暗躍するマーク・リーダーもクレジットに名を連ねている。マンチェスター育ちの彼は、ニュー・オーダーの “Blue Monday” の誕生に立ち会い、石野卓球をベルリンへ送り込んだ。また彼は、Wang Oneと同郷のインディ・バンド “STOLEN” の世界デビュー・アルバム『Fragment』のプロデューサーを務め、自身のレーベル〈MFS〉からリリースさせた。大陸間を横断しながら活動する様はまさに “密輸人”。なお、彼は『Fragment』に収録された “Chaos” のリミックスVer.も提供しており、そちらも大変クールだった。

 今回の “IDK -idontknowwhatyoutalkingabout-(Mark Reeder's Got You Remix)”では原曲にみられるTB-303のニュアンスを尊重しつつ、妖しげなシンセのサウンドをまぶした。ちなみにSTOLENが2024年1月30日と2月1日に大阪と東京でライブを行った際、Wang Oneはスペシャル・アクトとして抜擢されている。このとき披露したのは5曲程度だったが、インパクトは十分だった。

 そしてもうひとり、“IDK” のリミキサーがいる。それが10代なかばのDJ/作曲家・heykazma。“音に溶ける” パーティ〈yuu.ten〉のオーガナイザーでもあるheykazmaは、バイレファンキやジューク/フットワークのようなアブストラクなビートで老獪な音のジャーニーを紡ぎ出す。個人的な体感ではheykazmaのリミックスが最もフロアライクで、構成も明確だったように感じる。

 先のインタヴューによれば、Caseのルーツのひとつにゲーム音楽があるという。作中で流れるサウンドトラックによって、ダンス・ミュージックをはじめとする海外の音楽に開眼していった。昨今の中国ではオーセンティックなテクノやハウスがゲーム音楽として実装されるケースもあり、多くの才能あるトラックメイカーがビッグ・タイトルに関わっている。たとえばTSARなどはYellow Clawのレーベル〈Barong Family〉からのリリースで知られるChaceと共に中国の音楽ファンの間で並べて語られることもあったが、いまや『崩壊:スターレイル』をけん引する存在だ。

 インターネットを介して未知の音楽を発見し、自作曲を発表する。そしてゲームへと回帰。つまりいま、ダンス・ミュージックと接触するのに生身の空間でパーティを開く必要もないのだが、我々はフロアへと誘われてゆく。10代のパーティ・オーガナイザーが率先してイベントをうつのだから、やはりそこには特別な磁場があるのだ。マーク・リーダー、〈TREKKIE TRAX〉、heykazma。3世代にわたって証明されたのは、ネットの有象無象から生まれた情熱の行方なのかもしれない。

 そして中国の大海にも、我々が獲得してきた熱量や憧れと同じ類のものがただよっていた。それらがひとつ形として結実したのが、今回のリミックス盤だ。混沌とする昨今、音楽に世界や社会を背負わせるのは重すぎるかもしれない。だが、本作にはかつて我々がみたユートピアの片鱗がある。

Sleaford Mods - ele-king

 前作『UK Grim』からおよそ3年。スリーフォード・モッズのニュー・アルバム『The Demise of Planet X』が1月16日にリリースされる。先日発表された戦争孤児を支援するための曲 “Megaton” が話題となった彼らだけれど、新作はこの困難な現代で生きることがテーマとなっているようで、ゲストにはオルダス・ハーディングやグライム・ラッパーのスノーウィーの名も見える。
 ちなみにジェイソン・ウィリアムソンは先月、映画『GAME』で主演を務めることがアナウンスされたばかり(UKでは11月21日公開)。この夏日本でも上映された『バード ここから羽ばたく』にもちょい訳で出演していた彼だが、いよいよ本格的に銀幕デビュー、と。
 なおその『GAME』はなかなか興味深い経緯から生まれている。ポーティスヘッドのジェフ・バロウが自身の〈Invada Records〉内に新たに立ち上げた部門、〈Invada Films〉の第一作で、監督のジョン・ミントンはこれまでベス・ギボンズやスリーフォード・モッズ、ガゼル・ツインのMVを手がけてきた人物だ(『GAME』が長編第一作。バロウも共同脚本とプロデュースで参加)。ブリストルで撮影された同作は、1993年の英レイヴ・シーンを背景としたスリラー(!)とのことで、いやこれはかなり観たいでしょ。合わせてチェックしておきたい。

Sleaford Mods
ウィットに富みながらも辛辣に彼らはこの社会を批判する
現代UKパンクの真骨頂にして、労働者階級の代弁者であるスリーフォード・モッズ。
ニュー・アルバム『The Demise of Planet X』を1月16日にリリースすることを発表!
グウェンドリン・クリスティー、オルダス・ハーディング、スー・トンプキンズが参加!
アルバムのオープニング・トラック「The Good Life」をMVと共に公開。

『The Demise of Planet X』は、未来を予測することが非常に困難な状態の中で生きる人生、そして集団的トラウマによって形づくられた人生を表している。前作を書いたときは、停滞――まるで死体のように息をしていない国――についての作品だった。あれから3年、その死体は戦争とジェノサイド、そしてコロナ禍の長引く心理的影響によって切り裂かれ、SNSはグロテスクで歪んだデジタル操作の場へと変貌した。まるで廃墟の中で生きているような感覚。それは俺たちの集団的な精神に刻み込まれた、多層的でおぞましい異形のようなものだ。世界がクソみたいな状況に落ちていく中で自分を褒めるのもどうかと思うけど、『The Demise of Planet X』には本当に満足している。ただ突きつけるだけの作品じゃなくて、ちゃんとメガネをかけて中身を覗き込むように、じっくり味わう必要があるんだ。 - ジェイソン・ウィリアムソン(Sleaford Mods)

社会に対する不満や怒りを、DIYなパンク・サウンドとメッセージ性の強い歌詞と共に表現するスリーフォード・モッズが、ニュー・アルバム『The Demise of Planet X』を2026年1月16日(金)に〈Rough Trade Records〉よりリリースすることを発表した。アンドリュー・フェーンとジェイソン・ウィリアムソンによるこれまでで最もスケールが大きく野心的な作品である本作には、俳優グウェンドリン・クリスティー(『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ゲーム・オブ・スローンズ』)が初となる音楽作品への参加及び出演を果たし、さらにはライフ・ウィズアウト・ビルディングスの元フロント・ウーマン、スー・トンプキンスという稀少なゲスト参加に加え、〈4AD〉に所属するオルダス・ハーディング、ソウル・シンガーのリアム・ベイリー、そしてグライムMCのスノーウィーとのコラボレーションを収録。後者2人はどちらもバンドの地元ノッティンガム出身である。そして本日のアルバムの発表に合わせて、アルバムのオープニング・トラックである「The Good Life」がMVと共に公開された。ミュージック・ビデオは、ベン・ウィートリー(『イン・ジ・アース』『MEG ザ・モンスターズ2』)が監督を務め、先述したグウェンドリン・クリスティーとミッドランズ出身のバンド、ビッグ・スペシャルが出演している。

「The Good Life」は、社会的な崩壊と個人的な崩壊が入り混じった感覚を描いている。アンドリュー・フェーンよる切迫感のあるビートと魅惑的なメロディに乗せて、ウィリアムソンがマシンガンのような語り口で、音楽シーンに波紋を呼んだ自身の発言の影響を描き出している。ビッグ・スペシャルとグウェンドリン・クリスティーは、その発言によって生まれた混乱の中で揺れる、彼の内なる葛藤と苦悩の声を代弁している。「“The Good Life”は、他のバンドをけなすこと、そしてそれが自分にもたらす喜びと苦しみについて歌っている。自分自身に問いかけているんだ――なぜ自分はバンドをけなすのか?なぜそんなことをずっと続けているのか?グウェンドリンとビッグ・スペシャルは、俺の心の声を具現化してくれていて、“良い人生(=Good Life)”を楽しむべきなのか、それとも混沌に身を委ねるのかという、内なる葛藤をめぐって議論しているんだ」とウィリアムソンは語る。

Sleaford Mods Ft. Gwendoline Christie & Big Special - The Good Life (Official Video)
配信リンク >>> https://sleafordmods.ffm.to/goodlife

アルバムには、ありきたりな表現を打ち破る先日リリースされたシングル「Megaton」、オルダス・ハーディングによる雲のように軽やかなゲスト・ボーカルをフィーチャーした「Elitest G.O.A.T.」、有害な男らしさを鋭く突く内省的な「Bad Santa」、そしてBBCで60-70年代に放送されていた子ども向け番組『The Magic Roundabout』に着想を得た軽快なラップ・チューンであるタイトル曲などが収録されている。ノッティンガム出身のSSW、リアム・ベイリーは疲れきった世界を嘆くようなソウルフルな歌声で「Flood the Zone」に参加。トランプ主義への痛烈な批判を歌い上げている。グライム・ラッパーのスノーウィーは、「Kill List」で鋭いラップを披露。この曲はベン・ウィートリー監督の同名映画から着想を得たホラー・ヒップホップとなっている。さらに「No Touch」では、スリーフォード・モッズが、惜しまれつつ解散したライフ・ウィズアウト・ビルディングスのスー・トンプキンスをスタジオに招き、ウィリアムソンとのデュエットを実現。ふたりの人間味あふれる声がしなやかなベースラインとオルゴールのようなキーボードのモチーフの上で美しく絡み合っている。

『The Demise of Planet X』は、これまでで最も幅広く、表現力に富んだ音楽的アプローチを見せる作品だ。現代社会を描き出し、批判し、風刺しながら、広がりゆく社会の閉塞感に抗うように、普遍的な怒りとエネルギーの解放を叫んでいる。世界の終焉を大爆発ではなくじわじわと押し寄せる退屈で苛立たしい日常の波として見つめている今作は、鮮烈なサウンド、辛辣な言葉、包み込むような空気感、そして心を惹きつけるウィットによって反撃を繰り広げる。全13曲を通して、聴く者の心と頭、そして足をも揺り動かす作品となっている。

スリーフォード・モッズのニュー・アルバム『The Demise of Planet X』は、CD、LP、デジタル/ストリーミングで2026年1月16日(金)に世界同時リリース。国内盤CDには歌詞対訳・解説書が封入され、ボーナストラックとして先日発売された「Megaton」 7インチのB面に収録された曲「Give ‘Em What They Want」が収録される。輸入盤はCDとLPが発売され、LPは数量限定盤LP(ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル)も発売される。また、数量限定のカセットも発売される。

label: Rough Trade Records / Beat Records
artist: Sleaford Mods
title: The Demise of Planet X
release date: 2026.01.16
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=15448

・国内盤CD
(解説書/歌詞対訳付き/ボーナストラック追加収録)
・輸入盤CD
・限定盤LP
(数量限定/ネオングリーン・マーブル・ヴァイナル)
・輸入盤LP
・輸入盤カセット

Tracklist
01. The Good Life feat. Gwendoline Christie & Big Special
02. Double Diamond
03. Elitest G.O.A.T. feat. Aldous Harding
04. Megaton
05. No Touch feat. Sue Tompkins
06. Bad Santa
07. The Demise of Planet X
08. Don Draper
09. Gina Was
10. Shoving the Images
11. Flood the Zone feat. Liam Bailey
12. Kill List feat. Snowy
13. The Unwrap
14. Give ‘Em What They Want (bonus track for Japan)

CD

輸入盤LP

限定盤LP

カセット

Herbert & Momoko - ele-king

 イギリスの電子音楽家、マシュー・ハーバートがドラムと歌を主とした表現を手がけるモモコ・ギルとのユニット「Herbert & Momoko」にて約6年ぶりの来日公演を実施。静岡の〈FESTIVAL de FRUE 2025〉でのDJセットを皮切りに、東京・福岡・札幌・京都・金沢の全6都市をめぐるジャパン・ツアーとなる。

 Herbert & Momokoは、ミニマル~エクスペリメンタルな側面で知られるマシュー・ハーバートの数々のプロジェクトのなかでもハウス・ミュージックとヴォーカルを軸とした、実験性とポップ・センスが同居したユニット。本年6月には〈Strut Records〉からコラボ・アルバム『Clay』を発表。ふたりがつむぐ、晩秋のメランコリックな気分にぴったりの世界観に浸ってみましょう。

Herbert & Momoko Japan Tour 2025

11/01 SAT SHIZUOKA at FESTIVAL de FRUE 2025 *DJ set feat. Momoko live vocals
Les Claypool's Bastard Jazz / AKIRAM EN / anaiis & Grupo Cosmo / Capablanca / CHO CO PA CO CHO CO QUIN QUIN / DJ Sotofett / DOGO / Enji / E.O.U / ffan / GEZAN / Joana Queiroz & Manami Kakudo / MASCARAS / Nakibembe Embaire Group ft.Naoyuki Uchida / Ohzora Kimishima / Powder / Rubel / Solar / Yamarchy / 7e / 鏡民
https://festivaldefrue.com

11/04 TUE TOKYO 18:00 at WWW X *Duo Live Extended Show
DJ: 5ive [Thinner Groove]
https://www-shibuya.jp/schedule/019224.php

11/07 FRI FUKUOKA 22:00 at Keith Flack *Duo Live
DJ: p.co [SEXTANS] / Tatsuoki [Broad] / vvekapipo [hertz]
https://t.livepocket.jp/e/herbert_momoko

11/08 SAT SAPPORO 20:00 at Precious Hall *Duo Live
DJ: midori yamada (the hatch)
https://t.livepocket.jp/e/20251108herbert-momoko

11/13 THU KYOTO 19:00 at Metro *Duo Live
Front Act: Kazumichi Komatsu
https://www.metro.ne.jp/schedule/251113

11/14 FRI KANAZAWA 18:00 at PALAIS *Duo Live
DJ: FUTOSHI SUGIKI / Susumu Kakuda
https://pa-lais.com/schedule/2025-11-14

tour promoted by WWW & melting bot
tour poster: Andry Adolphe


Matthew Herbert

Matthew Herbertは受賞歴のある作曲家、アーティスト、プロデューサー、作家であり、その革新的な作品の幅は30枚以上のアルバム(高く評価された『Bodily Functions』を含む)から、アカデミー賞受賞映画『ファンタスティック・ウーマン』の音楽、ナショナル・シアター、ブロードウェイ、テレビシリーズ(『Noughts and Crosses』、『The Responder for BBC』)、ゲーム(『Lego』)、ラジオのための音楽にまで及ぶ。ソロ演奏、DJ活動、自身の21人編成ビッグバンドや100人合唱団を含む様々なミュージシャンとの共演で、シドニー・オペラハウスからハリウッド・ボウルまで世界中でパフォーマンスを行い、インスタレーション、演劇、オペラも創作している。

Quincy Jones、Ennio Morricone、Serge Gainsbourg、Mahler といった象徴的なアーティストのリミックスを手掛け、Bjork の長期にわたる共同制作者でもある。ロイヤル・オペラ・ハウス、BBC、ドイツ・グラモフォンなどから作品を委嘱されているが、最も知られているのは、日常音やいわゆる「ファウンド・サウンド」を電子音楽へと昇華させる音響表現である。代表作『ONE PIG』は豚の誕生から食卓へ、そしてその先までを追った作品だ。2018年には初著書『The Music』を Unbound 社より出版。現在はラジオフォニック研究所のクリエイティブ・ディレクターを務める。

2021年、Matthewと聴覚をテーマにした Enrique Sanchez Lansch による特別ドキュメンタリー『A Symphony Of Noise』が公開された。10年以上にわたり撮影された本作は、電子音楽家、アーティスト、サウンド活動家としての Matthew の約20のプロジェクトを追う。彼はまた最近、音を用いた作曲の倫理に関する博士号を取得し、次の実験的プロジェクトでは10億を超える音を聴取することを基盤としている。

https://www.instagram.com/matthewherbertmusic


Momoko Gill

Momoko Gillは、ロンドンを拠点に活動する新進気鋭のアーティスト。プロデューサー、作曲家、作詞家、そしてマルチ・インストゥルメンタリストとして、ドラムと歌を中心に多彩な表現を展開し、注目を集めている。オックスフォードに生まれ、京都・横浜・サンタバーバラ・ロンドンで育ったバックグラウンドを持ち、その幅広い感性を音楽に注ぎ込む。Matthew Herbert、Alabaster DePlume、Tirzah、Coby Seyなど、英国の個性豊かなアーティストたちと共演し、ジャズ、アヴァンギャルド、エレクトロニックの狭間で独自の存在感を示してきた。ロンドンのクリエイティブ・コミュニティTotal Refreshment Centreを拠点としている。

2025年には Matthew Herbert と Clay を共同プロデュース。そもそもの始まりは、Herbert のアルバム『The Horse』収録曲を Momoko がリミックスし、その音を Herbert が高く評価したことだった。また、詩人/ラッパー Nadeem Din-Gabisi とのデュオ An Alien Called Harmony ではプロデューサーを務める。さらに2026年初頭には、自己プロデュースによるデビュー・ソロアルバムを Strut Records からリリース予定。
親密さと深みを併せ持つ歌声で、ジャンルと物語性、そして音響実験の境界を押し広げながら、独自の音楽世界を切り拓いている。

https://www.instagram.com/momokogill

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