Home > News > ¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U - ──主宰パーティ〈Zone Unknown〉初の東京編をデイ・タイムで開催、マーク・フェル、ライアン・トレイナー、YPYを迎えて

2026年にはコーチェラ・フェスティヴァルへの出演も決定し、いまや世界からもっとも注目される日本人DJとなった¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U(行松陽介)。インターネット上でのヴァイラルによってプレイ・スタイルへのイメージは変化したかもしれないが、その本質が実験的でエッジーな音楽を求めつづける生粋の好事家であることに変わりはない。
そんな¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uがかつてのホームであった大阪を拠点に主催していたパーティ・シリーズ〈Zone Unknown〉が、渋谷・WWWの15周年公演シリーズとして開催。これまでイキノックスやKamixloなどアヴァンギャルドなアーティストたちを招聘したのち、活動の変化にともない一時休止。今年ベルリンにて再始動した同シリーズが、初の東京編としてデイ・タイムで開催される。
出演者にはUKよりマーク・フェル、ライアン・トレイナー親子を招聘し、ローカル・アクトとして盟友YPY(日野浩志郎)、京都のエクスペリメンタル・セレクターAkaneが出演。ライトニング演出は現代美術とクラブ・カルチャーを行き来するデュオ・MESが担当。メインストリームとアンダーグラウンドの両極に立つ彼の、いまの真意に触れられる一夜となるか。
WWW 15th Anniversary
¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U presents Zone Unknown
2025/11/22 SAT 16:30 at WWW X
ADV ¥4,000 (+1D)
TICKET https://t.livepocket.jp/e/20251122wwwx
Mark Fell [UK]
Rian Treanor [UK]
YPY
Akane
¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U
Lighting: MES
artwork: Zodiak

Mark Fell [UK]:
マーク・フェルは、英国ロザラムを拠点とするマルチディシプリナリーなアーティスト、作曲家、理論家である。電子音楽とサウンドアートに対する厳密かつ概念的なアプローチで知られるフェルの作品は、計算システム、哲学的探究、文化批評を融合させ、構造、リズム、知覚の限界を探求する。
1990年代のシェフィールド実験音楽シーンから登場したフェルは、マット・スティールとのデュオ「SND」での活動で注目を集めた。彼らの簡素でアルゴリズム的なテクノは、デジタルサウンドにおける新たなミニマリズムを定義づける一翼を担った。ソロアーティストとして、Raster-Noton、Editions Mego、The Death of Raveなどのレーベルから影響力のある作品をリリース。特に『Multistability』や『UL8』といった主要アルバムは、電子音楽の進化における批評的声としての彼の地位を確立した。
録音音楽を超え、フェルの実践はインスタレーション、パフォーマンス、キュレーション、学術研究にまで及ぶ。幻想的な空間化を拒む多スピーカー音響環境は、没入型メディアの慣例に挑む「非表象的」美学を前面に押し出す。これらの作品はセラルヴェス財団、ピレリ・ハンガービコッカ、V-A-C財団など主要国際機関で展示されている。2022年にはアーバノミック・プレスより『構造と合成、実践の解剖学』を刊行。哲学的・政治的思考の多様な要素を結集し、創造的実践の分析を展開している。
最近の委嘱作品とプロジェクトには以下が含まれる:『The Geometry of Now』(2017年)― モスクワのV-A-C財団のためにキュレーションされた大規模なサウンドアート展; 『インターメタモルフォシス』(2017年)はポルトのセラルヴェス財団で初公開され、新作委嘱作品と回顧作品を展示;『プロトミュージック#1』(2018年)はセイジ・ゲーツヘッド向けに制作され、グレート・エキシビション・オブ・ザ・ノースへの旗艦的貢献となった;『フレームワークス』(2018年)はヴェネツィアのパラッツォ・デッレ・ザッテレにて開催;「ホミニン」(2019年) (リワイア、デン・ハーグ/ベルゲン・クンストハル);個展『時間の概念は本質的に矛盾している』(2019年)、フォーカル・ポイント・ギャラリー、サウス・エンド・オン・シー;『方法に抗して』(2019年)ピレリ・ハンガー・ビコッカ、ミラノ;『非次元リスナーのための時間図』(2021年)ウィーン芸術祭; 『システミック・ペリフェリアリズム』(2022年)ビーコンズフィールド・ギャラリー、ロンドン;『オルガンのための指システム』(2022年)カイザー・ヴィルヘルム記念教会、ベルリン;『すべての非空の超連結コンパクト空間は最大の真の開部分集合を持つ』(2023年)エクスプロア・アンサンブルによる演奏、チェントロ・ペッチ、プラート、イタリア。
フェルの実践の多様性と重要性は、彼の作品を展示してきた機関の幅と規模に反映されている。主な展示歴:VACファウンデーション・パラッツォ・デッレ・ザッテレ(ヴェネツィア)、香港国立映画資料館、ザ・バルティック(ゲーツヘッド)、バルセロナ現代美術館、ラ・カサ・エンセンディダ(マドリード)、ラボラル(リビオ)、現代美術研究所(ロンドン)、ザ・サーペンタイン(ロンドン)、ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)、ホワイトチャペル・ギャラリー(ロンドン)、 ロンドン現代美術館、バービカン(ロンドン)、レイヴン・ロウ(ロンドン)、セビリア・ビエンナーレ、オーストラリア映像センター(メルボルン)、アーティスト・スペース(NYC)、ニューヨーク近代美術館(NYC)、 イシュー・プロジェクト・ルーム(ニューヨーク)、コーコラン美術館(ワシントンD.C.)、カーティス・R・プリエム実験メディア・舞台芸術センター(ニューヨーク)、ランポ/グラハム財団(シカゴ)、芸術メディア技術センター(カールスルーエ)、ピレリ・ハンガー・ビッコカ(ミラノ)など。フェルの作品は、ティッセン=ボルネミッサ現代美術館(ウィーン)のコレクションに収蔵され、アルス・エレクトロニカ(リンツ)からも評価を受けている。彼は、音康直、ローリー・スピーゲル、キース・フラートン・ウィットマン、オッキョン・リー、ルーク・ファウラー、ウィル・ガスリー、ピーター・ギダル、テレ・テムリッツ、ジョン・チョーニング、アーネスト・エドモンズ、ピーター・レーバーグ、オレン・アンバーチ、カール・ミヒャエル・フォン・ハウズヴォルフ、マット・スティール(SNDとして)など、数多くのアーティストと協力してきた。
Rian Treanor [UK]:
ライアン・トリーナーはクラブ・カルチャー、実験的アート、コンピューター・ミュージックを再構築し、断片化されながら相互に絡み合う要素からなる洞察に富み、圧倒的な音楽世界を提示する。
『The Death of Rave & Warp』のサブレーベル「Arcola」での一連のリリースで鮮烈な印象を残した後、2019年にPlanet Muから発表したデビュー・アルバム『ATAXIA』は、彼を英国アンダーグラウンド・クラブ・ミュージックにおける破壊的かつ不可欠な新鋭として確立した。
最新作『File Under UK Metaplasm』は、2018年にカンパラのNyege Nyegeコレクティブが運営するブティック・スタジオでのレジデンシー体験から着想を得ている。故郷シェフィールドの高解像度な重低音と、タンザニアのシンゲリやフットワークが持つ神秘的なエネルギーを融合させている。
プログラミング言語Max/MSPを用いて独自ソフトウェアを開発し、拡張されたリズム技法とアルゴリズム的プロセスを探求。様々なコラボレーション、ワークショップ、ライブパフォーマンス、インスタレーションにおいて即興的なパターン変調を可能にする装置を構築している。
最近のライブパフォーマンスは、Aphex TwinキュレーションのWarehouse Project(UK)、Nyege Nyege Festival(UG)、WWW(JP)、Unsound(PL)、CTM(DE)、Le Guess Who? (オランダ)、Mira Festival (スペイン)、Rewire (オランダ)、GES-2 (ロシア)、Serralves (ポルトガル)、Berghain (ドイツ)、No Bounds (イギリス)、Cafe Oto (イギリス)、Glasgow Centre for Contemporary Arts (イギリス)、Empty Gallery (香港)、Irish Museum of Modern Art (アイルランド)、Summerhall (イギリス) などでライブパフォーマンスを行っている。また、香港の yU+co[lab]、インドの Counterflows、Shape Platform 2020 などのアーティスト・イン・レジデンスにも参加している。
YPY
日野浩志郎によるソロプロジェクト。 国内外のアンダーグラウンドミュージシャンのリリースを行うカセットレーベル「Birdfriend」、コンテンポラリー/ 電子音楽をリリースするレーベル「NAKID」主宰。「goat」、「bonanzas」というバンドのプレイヤー兼コンポーザーであり、これまでの主な作曲作品は、多数のスピーカーや移動する演奏者を混じえた全身聴覚ライブ「GEIST(ガイスト)」(2018-)の他、サウンドアーティストFUJI|||||||||||TAと共に作曲・演奏した作品「INTERDIFFUSION A tribute to Yoshi Wada」(2021-)、視覚と聴覚の両面からミニマリズムに迫るリズムアンサンブル作品「Chronograffiti」(2025)、等。佐渡を拠点に活動する太鼓芸能集団 鼓童とは2019年以降コラボレーションを重ねており、中でも延べ1ヶ月に及ぶ佐渡島での滞在制作で映像化した音楽映画「戦慄せしめよ/Shiver」(2021、監督 豊田利晃)では全編の作曲を日野が担当し、その演奏を鼓童が行った。音楽家・演出家のカジワラトシオと舞踊家・振付家の東野祥子によって設立されたANTIBODIES Collectiveに所属する他、振付師Cindy Van Acker「Without References」、映画「The Invisible Fighit」(2024年公開、監督Rainer Sarnet)等の音楽制作を行う。エストニアフィルムアワードEFTA2024にて映画「The Invisible Fighit」の最優秀作曲賞を受賞。
Akane:
京都在住。エクスペリメンタル、ノイズ、アンビエントに連なる音像へと日々勤しむ。
MES:
新井健と谷川果菜絵が2015年から共同制作するアーティストデュオ。東京拠点。クラブカルチャーと現代美術を漂流しながら、光や熱をとおして、世界の暗さを静かにあるいは激しく照らすインスタレーションとパフォーマンスを行う。近年の個展に「祈り/戯れ/被虐的な、行為 P-L/R-A/E-Y」(2024)、「DISTANCE OF RESISTANCE/抵抗の距離」(2021)。グループショーに「MEET YOUR ART FES: Super Spectrum Specification」(2024)、「陸路(スピルオーバー#1)」(2024)、「Reborn Art Festival 2021夏」など。レーザーVJとして「CLUB SKIN」「WAIFU」「rural」「TECHNO INVADERS」等のパーティー演出やDos Monosワンマンライブの舞台演出を行う。また、ロシアの政治犯についての展覧会「鉄格子の向こう」(2025)や主催パーティー「REVOLIC -Revolution Holic/革命中毒」(2022-)のオーガナイズをはじめ、常にコラボレーティブで交差的な試みを探求している。
¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$U:
大阪出身、東京を拠点とするDJ。ダンス・ミュージックにおけるメインストリームとアンダーグランドを超越した大衆性と実験性が交わる現代のオルタナティブなミックス・スタイルのパイオニアとして様々なオーディエンスを熱狂の渦に巻き込みながら世界最高峰のDJの一人へと成長を遂げる。
DJ Nobu主宰のパーティFUTURE TERRORの出演を始め、自身の主宰パーティZone Unknown含む日本のクラブ・シーンでの精力的な活動で頭角を表し、渋谷WWWの年越しパーティでの年賀写真、圧倒的な身体性と実験性から繰り出される未知なるDJ体験は世界へと波動。ベルリンのAtonal出演を皮切りにEUの有力な電子音楽フェスティバルやBerghain等のクラブの出演、北京のAsian Dope BoysのTRANCEインスタレーション/パフォーマンスへの参加、シンガポールのMidnight Shiftからリリースされた自身初のコンピレーション・アルバム『Midnight is Comin’』では日本人アーティストを多数収録したセレクターの一面も見せる。2025年公開のBoiler Roomでは1カ月で500万ビューに迫り、現在1,500万ビューを超え、本年は初のUSツアーを行い、Coachella 2026の出演も決定、破竹の勢いで世界を揺らし続けている。