「S」と一致するもの

Matmos & Jeff Carey - ele-king

 これは嬉しいお知らせです。去る3月15日、プラスティック製品に焦点を当て環境破壊をテーマに取り上げた意欲的な新作、その名も『Plastic Anniversary』を〈Thrill Jockey〉からリリースしたばかりのマトモスが、この5月に来日公演を開催します。同伴者は電子音楽家のジェフ・キャリーで、東京4会場、京都1会場をまわります。いったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのやら……期待大です。

Joni Void - ele-king

 デビュー・アルバムは『セルフレス』というタイトルだった。セルフィーが撮りまくられる時代に「自分がない」と訴えていたのである。セカンド・アルバムは少し難しくなる。「Mise En Abyme(ミザナビーム)」とはフランス語で深遠な状態を作り出すことを意味し、日本語では「紋中紋」と訳される。モチーフの中に同じようなモチーフが入れ子構造になっているというイメージらしく、具体的には電話やカメラ、ゲームやヴィデオといったデバイスに残っている自分の痕跡をなくし、言葉になっていない他人の声をソースとして使うことによって、昔の自分を再構築するということのようである。短絡的に言えば自分という存在は複数の他人との関係のなかに存在していると考えるラカンの思想を音で表現するということになるのだろう。他人に「いいね!」をされなければ存在していると思えない、いわゆる承認欲求が蔓延しているSNS時代にはありがちというか、遅すぎた発想だし、そのような理屈が先にあったと知っていたら初めから聴かなかったかもしれない作品なんだけれど、そうとは知らずに聴いていた僕は、この作品が非常に面白く聞こえ、ミュジーク・コンクレートの傑作とされるリュック・フェラーリの『Presque Rien』をポップにしたような印象まで受けてしまった。そして、これが調べてみたらゴッドスピード・ユー・ブラック・エンペラー!のレーベルからリリースされていたのである。先入観のない音楽体験ほど人を驚かせてくれるものもない。あれよあれよという間に僕はジョニー・ヴォイドの過去音源にも手を伸ばしてしまった。

 ジョニー_リッパーの名義で2010年から5枚のアルバムをリリースしてきたジャン・クザンが2017年から使い始めたミュジーク・コンクレート用の名義がジョニー・ヴォイドのようである。生まれはフランスで、14歳から独学で音楽を学び、2012年からはゴッドスピードユー~やティム・ヘッカーが拠点としていたカナダのケベックへ移住、ジョニー_リッパー名義では主にサウンドクラウドやバンドキャンプで作品を発表してきたものが名義を変えてからは〈コンステレーション〉とタッグを組んだという流れになっている。ケベックに豊穣なDIYシーンがあったことが彼をベッドルームから外へと誘い出し、パフォーマーとしての成長を促した上にオーガナイザーとしての活動にも発展していったという。フランスにいた頃は『アメリ』のヤン・ティルセンやフィリップ・グラスの映画音楽に影響を受け、サンプリング・ミュージックとしてのボーズ・オブ・カナダベリアルに多くを学んだとも。そして、彼にとっての最大のヒーローはなんとBBCレディオフォニック・ワークショップに在籍していたデリア・ダービシャー(後にホワイト・ノイズ)で、細かく切り刻んだサンプリングや偶然性といった方法論はさほど珍しいものではなくなったと思うものの、音楽を演奏せず、徹底的にテープ編集にこだわるのは彼女の方法論に追従したいがためのよう。またミュジーク・コンクレートにポップな要素を持ち込むのも『ドクター・フー』のサウンドトラックを手がけていたダービシャーの影響といえるらしい。

 2017年の『セルフレス』はややとっちらかった印象が強かったものの、その後の失意を背景にしてつくられたという『ミザナビーム』は縦横なイメージの広がりがあるにもかかわらず、全体のまとまりはよく、上に書いたようにボーズ・オブ・カナダやベリアルをミュジーク・コンクレートの文脈で受け継ぐものと考えていいと思う(『IDMディフィニティヴ』に2019年のページがあったら、完全にこれが大枠ですね)。オープニングは混沌としたフィールド・レコーディング(?)。続く“Dysfunctional Helper”から前半はメランコリックなコンポジションが並び、彼がタイム・トラヴェル実験と呼ぶ時間感覚の遡行が柔らかな感触とともに意識の反芻を織りなしてゆく。とくに“Lov-Ender (with YlangYlang)”というシャレたタイトルの曲はストレートにベリアルを思わせるところがあり、しかも、闇の中からベリアルを引っ張り出そうとする衝動も併せ持つ重層性が素晴らしい。似たような曲を畳み掛けているようでいて、周到に回避されている回帰性と微妙にずれてゆく感傷性やリズムは確かにモチーフの入れ子構造をなしており、パズルを解き明かすように耳を傾けたくなってしまうことは確か。話し中の電話音やファックスの送信音などで構成された“No Reply (Interruption)”を挟んで、後半は徐々に躍動感に満ちていく。アシッド・ハウスが床を踏み外したような“Safe House”、コーネリアスの悪ふざけを思わせる“Cinetrauma”、後半のハイライトといえる“Voix Sans Issue”では「音声なし問題」というタイトルとは裏腹にヴォイス・サンプルだけで複雑に絡み合うドローンをつくり上げているように聞こえるのだけれど……。最後の2曲はジョニー_リッパー時代の作風に戻り、それまでとは打って変わってアグレッシヴで重厚な曲調で締めくくられる。実験的な音楽であることをすっかり忘れてしまうほどイメージの展開が豊かで、見事な力作である。マーク・フィッシャーには悪いけれど、時代は前に進んでいる。

interview with Midori Aoyama, Masaki Tamura, Souta Raw - ele-king

 デトロイト・スウィンドルやレイ・ファーなど、数々のアーティストの来日を手がけるイベント〈Eureka!〉の主宰として、ハウス・ミュージック・シーンに確かな実績を残してきたMidori Aoyama。〈Eureka!〉がレーベルとしても好調ななか、Midoriが次に仕掛けたプロジェクトが、インターネットラジオ「TSUBAKI FM」だ。
 昨年の立ち上げ以降、毎週日曜にライヴ配信を行っている「TSUBAKI FM」だが、その特徴は〈Eureka!〉とは一線を画すラインナップにある。ロック・ステディ・クルーのスキーム・リチャーズからCMYKといった国内の若手クルーまで、ジャンルもキャリアも異なる様々なDJがこのネットラジオでプレイしてきた。とりわけ「TSUBAKI FM」が力を入れてピックアップしたのが、Masaki TamuraとSouta Rawだった。

 京都在住のMasaki Tamuraは、国内でも屈指のジャズイベント〈DoitJAZZ!〉を主宰し、ジャズDJの枠を広げるような活動を行なっている。近年では、ジャイルス・ピーターソンによる「Worldwide FM」の京都サテライトとしてスタートした「WWKYOTO」のDJにも抜擢された。Souta Rawは、サダー・バハーの国内ツアーなどでも知られる茶澤音學館に所属し、アンダーグラウンドなディスコを中心に、幅広いジャンルをかけるDJだ。Aoyama TUNNELで毎週火曜のレギュラーを務めている。

 Midori Aoyama、Masaki Tamura、Souta Raw。同世代ながら背景の異なる3人だが、今年2月には「TSUBAKI FM」として、東京、京都、広島、福岡の4箇所でツアーを行なった。各地を回ったあとで、彼らがDJとして見据えるものはなんだろうか。ネットラジオで日本全国を巡るというかつてないツアーを経験した3人に話を聞いた。

5年前にマッツにインタヴューしたときに、「自分がキャリアを続けられるのは、ハウス以外の音楽もやってて飽きないから」って言ってて。それ聞いたときは「何言ってるんだこのおっさん」くらいに思ったけど、だんだんわかってきた(笑)。──ミドリ

まず、「TSUBAKI FM」の設立経緯を教えてください。クラブ・シーンでは、Midoriくんといえば〈Eureka!〉の主宰者、という印象が強いと思います。パーティやレーベルとして〈Eureka!〉の運営も好調のように見えますが、なぜ新たにネットラジオを立ち上げたのでしょうか?

Midori Aoyama(以下、ミドリ):元々、曲を探すときにジャイルス・ピーターソンの番組とか聴いてたし、自分でもいつかラジオをやりたかったんだよ。それにいま、ネットラジオは戦国時代に突入してるよね。ヨーロッパでは「NTS Radio」や「Red Light Radio」、アメリカなら「The Lot Radio」とかがあるから。日本でも最近はいろんなネットラジオが出てきた。でも、自分たち好みな、4つ打ちから生音まで扱うネットラジオってあまりなかったからさ。日本にないんだったら作ろうってことで始めた。

〈Eureka!〉と「TSUBAKI FM」ではどのような違いを感じてますか?

ミドリ:ネットラジオの方がライフスタイルに近いかな。〈Eureka!〉は日常とかけ離れた空間を創造していくんだけど、「TSUBAKI FM」は普段の生活に音楽を持ち込むってところを意識してる。そこは大きな違いだと思う。やっぱり30代になるとクラブから卒業する人が多いんだよね。クラブに行けない人とか東京以外に住んでる人でも僕らのやってる音楽を聴きたい人がいるから、ラジオがあったほうがいいなって。あとはかける音楽が違うかな。〈Eureka!〉はハウスだし、「TSUBAKI FM」はもっと広いジャンルを扱ってる。自分も数年前までハウスしかかけてなかったけど、他のジャンルのDJにもネットラジオに出てもらって、いろんなものを吸収することができた。

ラジオではほぼ毎回、ミドリくんも新譜のジャズやソウルをかけてますよね。

ミドリ:自分でもずっとハウスをやっていきたいと思っていたけど、続けていくうちに変わってきた。その点、〈Eureka!〉にも出演したマッド・マッツの存在が大きいんだよね。5年前にマッツにインタヴューしたときに、「自分がキャリアを続けられるのは、ハウス以外の音楽もやってて飽きないから」って言ってて。それ聞いたときは「何言ってるんだこのおっさん」くらいに思ったけど、だんだんわかってきた(笑)。それに、他の音楽を吸収することによって、ハウスの新しい面白さも見えて来るんだよね。サンプリングのネタがわかるようになるし。

「TSUBAKI FM」ではこれまでにいろんなDJが出演してますが、とくにピックアップしてるのが、MasakiくんとSouta Rawくんですよね。この2人を選んだ理由やきっかけはありますか?

ミドリ:僕が探してないのもよくないんだけど、同世代で面白いDJってあんまり知らなかったんだよね。だから、「TSUBAKI FM」を立ち上げる前に新しいDJを見つけようと思って、ハウス以外の音楽がかかるクラブとかバーに積極的に遊びに行って探しはじめた。それで、ラジオをやって全国に発信するならまずは地方のDJがいいなって思って、沖野修也さんとかJazzy SportのMasaya Fantasistaさんとかに聞いたら、「京都にTamuraくんっていうジャズのDJがいるよ」って話になった。

Masaki Tamura(以下、マサキ):そうそう。それも最初のきっかけはマッド・マッツかな。ミドリくんがマッツのツアーをやるにあたってメールでやりとりした。僕は当日に別のイベントがあって結局出れなかったけど、ミドリくんが京都に来たときに喋って。それがラジオを立ち上げる1年前ぐらい。

Souta Rawくんについては?

ミドリ:カンマ&マサローのツアーをやってたときに、2人と一緒にAoyama TUNNELに遊びに行ったら、Souta Rawが回してた。2人が「このDJすごくいいから聴いた方がいいよ」って言ってて。それで、別の日にNTSレギュラーのナビア・イクバルと一緒にTUNNEL行ったときも、「このDJ本当にいいから、絶対「TSUBAKI FM」のラジオでやった方がいいわ」って言われた。外タレ2組に言われてたんだよ。それ絶対ヤバいでしょ。それで声かけたんだっけ?

Souta Raw(以下、ソウタロウ):そうだね。ミドリくんから話しかけられたんだと思う。

そうすると、3人ともお互いを知らなかったんですね。それは意外でした。

マサキ:だからまだ出会って1年ちょっとくらい。去年の2月に「TSUBAKI FM」のローンチ・パーティをThe Roomでやったときに、ソウタロウくんと初めて話した。

ソウタロウ:そうそう。「こういう人たちがいるんだ。面白いな」って思った。

ソウタロウくんは茶澤音學館に所属していて、ディスコのシーンに近いですよね。あと、昔から7インチでDJしてる印象があります。

ソウタロウ:島くんと出会ったときは、ちょうどケニー・ドープやDJスピナが、ヒップホップやハウス、ディスコとかファンクとかレゲエなんかのジャンルを、7インチ・オンリーで跨ぎながらやっていたんだよね。彼らに影響を受けて、7インチのパーティを毎週やっていたからそういう印象があるのかも。そのときに7インチでジャンルを跨ぐのって珍しかったし、今だと当たり前のように置いてあるハウスやヒップホップの7インチコーナーもあまりなかったから、集めるのに苦労したね。

なるほど。そうやってジャンルを横断するDJをやる前は、ディスコやハウスをかけてたんですか?

ソウタロウ:いまはAoyama TUNNELで毎週やらせてもらっているからディスコ・ハウスのイメージを持ってる人もいると思うけど、最初はレゲエばかりかけてたね。昔、六本木にRoots Nっていう小箱があって、そこでヴィンテージのジャマイカ音楽をかけるパーティをはじめた。そのお店のスタッフに「〈Coffe & Cigarettes〉ってパーティが面白いから」って誘われたら、そこでDJ Kenseiさんがやってたんだ。いろんなジャンルの音楽がかかっているし、そのかけ方と鳴りが最高で、いろんな音をかけたいと思うようになった。その後しばらくして、サダー・バハーのDJを聴く機会があって、そのグルーヴ感とみんなを笑顔にするあまりのハッピー感に感動して、ディスコやジャズ・ファンク、シカゴ・ハウスを集めはじめたんだよ。自分は生音から入ってハウスをかけるようになったけど、ミドリくんはハウスから入って生音をかけはじめた。逆なんだけどそれが面白かったね。

マサキくんは京都で〈DoitJAZZ!〉ってパーティをやっていて、ジャズDJのシーンにいますよね。

マサキ:そう、基本的には生音でやってて。でも、どっちかっていうと最近はハウスに寄っていってる。さっきも話に出たけど、ミドリくんがハウスから他のジャンルに近づいてるとしたら、僕らはもうずっとジャズをやってたのが、ハウス界隈とかディスコ界隈の方に行ってる感じがある。

ちょっと意地悪な質問をすると、変わっていったのは、やっぱりジャズを集めるのが大変というのもありますか?

マサキ:きましたね(笑)。最初ジャズをやろうと思ったときは、スタンダードにレア盤を買ってたけど、途中で絶対無理やって気づくじゃないですか。すごいコレクションの人も身近にいるけど、自分が同じようにはできない。だから、「ジャズDJが必ずしもジャズのレア盤をかけなあかんわけでもない。別の新しいものを提示していくのもジャズじゃないか」って勝手に解釈した。例えば、500円の日本人のフュージョンとか、そういう方向性でいったら結構楽になってきたかな。その延長で、フュージョンのアルバムとかやったらディスコっぽいのもあるし、「これは4つ打ちで混ぜれるやん」って。ジャズをやってるつもりがいつの間にかディスコになっていき、それがまたハウスにもつながる。そういうスタンスでやってます。もちろん勝ち負けじゃないけど、上の世代の人と同じことをやってると勝てない。

お互いの興味が徐々に近づいて行ったときに、3人でやり始めたのがいいですね。

ミドリ:近づいてはいるけど、お互いこれまでにこだわってきた自信のある部分と足りない部分があるんだよね。自分だったらハウスでは負けないし、新しい音楽をいち早く届けるってところに長けてるけど、ジャズとか7インチは2人に教えてもらうことが多い。ラジオだとそういう不得意なところを自分で補うんじゃなくて、誰かにやってもらえるのがいい。2人とはそういう価値観を共有できるし、「TSUBAKI FM」の可能性を広げてくれる存在だと思う。

マサキくんとソウタロウくんは、実際にネットラジオでDJしてみてどう感じましたか?

マサキ:クラブと選曲の仕方とかかけ方が少し変わるかな。あと、普段クラブに来ない人から反応があるのは嬉しい。

ソウタロウ:やっぱり知らない人から反応があるっていうのは一番面白いかな。TUNNELにたまたま来る海外の人でなぜか「TSUBAKI FM」でのDJをチェックしてて、「聴いてるから来たよ」って言われたり。それってびっくりするじゃん。とくに俺は、マイクで紹介してレコードをかけるっていうジャマイカのスタイルが好きだから、ラジオでDJする機会をミドリくんにもらってよかった。

海外の人がチェックしてる点も含めて、手応えは感じてますか?

ミドリ:それはもう超感じてる。世界中からメッセージが来るし、「自分もラジオでやりたい」って言ってくれる。

そうしたなかで、今回ツアーをやった理由はなんですか?

ミドリ:単純にラジオを東京でやってるだけじゃ、広がらないなっていうのがひとつ。やっぱり現場で人と出会って伝えるのが一番大事かなと。もうひとつは、僕らがやってることを日本中の人にちゃんと見てほしかった。「TSUBAKI FM」を紹介するときに、自分が面白いと思ってる2人を全国の人に紹介しなくちゃいけないっていう気持ちがあった。実際、ツアーをやってみると、「2人はすごい」ってみんな言うんだよ。そこはマジでやってよかった。

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最初ジャズをやろうと思ったときは、スタンダードにレア盤を買ってたけど、途中で絶対無理やって気づくじゃないですか。すごいコレクションの人も身近にいるけど、自分が同じようにはできない。だから、「ジャズDJが必ずしもジャズのレア盤をかけなあかんわけでもない。別の新しいものを提示していくのもジャズじゃないか」って勝手に解釈した。──マサキ

ちょっと話を戻すと、ラジオをやって海外の人から連絡来たりといった反応はあるけど、国内的にはそこまで手応えを感じなかったんですか?

ミドリ:どっちかって言うと、広がってるのをもうちょっと肌で感じたかった。昔のラジオだったらラジオステーションがあって、そこに人が集まらないと放送できなかったけど、ネットラジオはネットと電源があればどこに行ってもできるから。全国津々浦々、場所を変えてやるのはすごい価値あるなと思ったし、「TSUBAKI FM」で1年間やってきたことを大きいパッケージにしたいなって思ったのが今回のツアーだね。

ツアーをして、「マサキくんとソウタロウくんがすごい」っていう反応があったという話でしたが、一方で、3人の目から見て地方のDJはどのように映りましたか?

マサキ:地方は地方で独自に発達してるというか。どのジャンルをかけてるっていうわけじゃないんだけど、自分の色をださはる人が多いというか。自分のスタイル、世界観でやってるなみたいな。

ソウタロウ:全然違うんだよね。「いまこれかけるんだ」みたいな、独特ですごい面白いし、向こうも同じように感じてるんじゃないかな。言い方悪いけど、東京の人だと似てくるじゃん。このシーンの人はこの感じって。だからツアーで回ってみて、みんな個性的だなって思ったし、それにすごく影響を受けた。

ミドリ:広島で24、5歳くらいの若いDJがいて、みんなよかった。しかもレコードでかけてるし。

ソウタロウ:まだ1年ぐらいとか言ってた人もいたもんね。俺は1年でこんなにできなかった(笑)。

ミドリ:HitomiちゃんっていうDJ。すごいセンスあったな。広島では7時半くらいまでやってたんだけど、その子は最後まで残ってて(笑)。僕らがツアーしたことで彼女に出会えたし、彼女にとってもいい経験になるといいな。5年後とか10年後、そういうDJが面白いことやってくれるんだったら、それだけでもやってる意味があると思う。

マサキくんは京都だけど、ジャズでDJやってると、京都が地方っていう感じはあまりないですよね。沖野修也さんと沖野好洋さんがよくイベントやってるし。

マサキ:たぶん、京都は東京の情報が結構入ってくるからそこまで変わりはない。でも、福岡とか広島とか、京都より西に行くと全然雰囲気が変わりますね。京都はちょっと中途半端かな(笑)。自分が京都だから分からへんけど。

ミドリ:それが今後効いてくると思うんだよね。だって、マサキくんは京都をベースにしてるわけだから、東京以外からも情報発信できる可能性があるわけじゃん。だから西で何かをやろうとしたときに、僕じゃなくて、彼を中心に西日本で面白いコンテンツをやるのはかなり大きいと思う。今回のツアーで、関西のDJと一緒に全国を回ったのはすごく大きい。

そういう役割は自覚してますか?

マサキ:フットワークが軽いのが自分のいいところ。東京は東京の人だけ、関西は関西の人だけでやっちゃうことが多いから、みんながもうちょっと自由に適当に動けるぐらいの方がいいのかなとは思う。もちろん他の人でもいると思うけど、僕みたいにリリースをしてないDJも、いろんな場所にいけるやんっていうのがあった方がええかなと。

やっぱり知らない人から反応があるっていうのは一番面白いかな。TUNNELにたまたま来る海外の人でなぜか「TSUBAKI FM」でのDJをチェックしてて、「聴いてるから来たよ」って言われたり。それってびっくりするじゃん。──ソウタロウ

では、これからいろんな場所で情報を発信するなかで、「TSUBAKI FM」ないし3人がとくに推したいものはありますか? ジャンルや曲だけでなく、DJでもいいのですが。

ミドリ:僕はまず、「TSUBAKI FM」でもDJしてもらったMayu Amanoを推したいね。彼女みたいな20代前半の若いDJって本当に育ってきてるけど、僕らの世代や上の世代はそれがあんまり見えてないよね。これから若いアーティストやDJがすごい勢いで出てきて、すごいスピードで追い抜いていくから。それは今回広島とか福岡に行ってみて感じた。そういう新しい世代を紹介したいし、一緒にやりたい。

ソウタロウ:ブラジルの〈ゴマ・グリンガ〉っていう、リイシューとブラジルの最新の音楽、どちらもピックアップしてるレーベルかな。ジャズとかファンクとかロックとか、いろんな要素が混ざってるバンドをリリースしてるんだけど、そのなかでもメタ・メタっていうバンドがかなり面白い。トニー・アレンも参加してるし、ノイズみたいな瞬間もあったり、でもブラジルっぽい美しさもあったり。普段かけるのとは違うけど、ラジオでかけれそうだし、尖った音楽を聴きたい人にはそのレーベルは面白いんじゃないかな。

マサキ:最近、日本人の80年代のニューエイジとかアンビエントにはまってますね。例えば、旧譜のアニメのサントラとかも、レアグルーヴ的な聴き方じゃなくて、ニューエイジ的な聞き方で聞いてみたい。シティポップとかも流行ってるけど、僕にはこっちの方が面白いな。安いし。

日本のアンビエントなジャズだと、濱瀬元彦さんの作品とかも最近リイシューされてますしね。

マサキ:ラジオをやってからその辺の聴き方を勉強して、「いけるやん」ってなって買ってる。あと、そういうビートないものとかかけてパーティ感が薄くなっても、逆に面白いかなっていうね。

ジャズといえば、「TSUBAKI FM」では最新のUKジャズも積極的に紹介していますよね。メディアを見るとUKジャズがかなり盛り上がってるように思えますが、ラジオではなくクラブのフロアではどうですか?

マサキ:いいんだけど、DJとしては何かが足りひんよね。

ミドリ:それディーゴも同じこと言ってた。

UKジャズの新譜はたくさん出てるのに、そこまで現場でかかってない気がします。次々と登場する新しいミュージシャンの名前は覚えるけど、曲の印象が薄いというか、DJ的にどれがいい曲かというのがあまり定まってない。フロアでクラシック化した曲って全然ないですよね。

ミドリ:わかる。リスナーに強く訴えるだけのエンジンが足りないのかも。この曲がアツいっていうのを刺しにいくようなパーティやラジオもそんなにないしさ。あと、日本のクラブに関して言えば、日本のアーティストだったりDJがそのシーンに行かないといけないんじゃないかな。やっぱり海外のものを単純に扱ってるだけだと刺さんないよね。例えば、Ryuhei The Manさんのレーベルから出たNAYUTAH「Girl」のMUROさんのエディットとかはすごくかかってるじゃん。ああいうのが今後大事だよね。純国産っていうところはキーワードだなって思う。将来、「TSUBAKI FM」でもレーベルをやりたいって思ってるし、日本人のコンピレーションもやりたい。ジャイルスがやったUKジャズコンピ『We Out Here』の日本人版みたいな。

国産音源だっていうのもわかりますが、メディアとは別の回路で、USジャズなりUKジャズなりの海外の作品を、クラブから独自にクラシック化させないとマズいと思ってます。自分もDJなので、クラシックをどう作るかってところは意識したいです。

ミドリ:逆だと思うんだよね。UKジャズがサウスロンドンから出たことで、今度はディーゴとか、ウエストロンドンのブロークンビーツがクラシックになったじゃん。新しいシーンができることによって、いままでやってたのがクラシック化されるっていうのもあるはずなんだよね。その流れの中で、ウエストロンドンのマーク・ド・クライヴ・ロウがジャズのアルバムを作るとか、さらに新しい動きがあるのも面白い。

そういった動きの紹介も含めて、新譜や旧譜に限らず、新しいクラブクラシックが3人の周りから出てくることを期待しています。では最後に、3人の今後について、展望や目標を教えてください。

ソウタロウ:毎週火曜日にAoyama TUNNELでやっている〈Tunnel Tuesday〉をもっと盛り上げたい。単純にもっと深く深くプレイを出来るようになりたくて、その為に毎週トライ&エラーを繰り返すのみだね。あと、なんとか時間を作って、今年こそはEDITモノなんかを作りたい。

マサキ:僕は地元が京都なので、もっと京都を面白くしたいというのが根底にあって。「TSUBAKI FM」含めていろんなことをやって地元に還元したいし、プラスにしていきたい。できれば、東京の人とかが「京都は東京よりも面白いことやってんな」って思ってもらいたい。最終的には、音楽だけじゃなくて街としてもっと面白くなったら、逆に音楽ももっとよくなるかなって。

ミドリ:やりたいことがめっちゃあるんだよね。全部やったら5年はかかるくらいあるんだけど、もちろん「TSUBAKI FM」は大きくしていきたい。違うな。もっと濃くして価値のあるものにしていきたい。結局さ、大きくしたいってなったら、数字とかSNSのフォロワーとかになっちゃうじゃん。「TSUBAKI FM」はそれだけを指標にしたくない。数字で見えないものにも価値をつけたいから。

数字で見えないものというのは?

ミドリ:具体的には2つあって。まずは日本をどうやって面白くしていくか。もっともっと東京以外にいるDJを探したいし、「TSUBAKI FM」でもプレイしてほしい。あとは若いアーティストだけじゃなく、ベテランでも、まだみんなに知られてないDJは紹介したい。もう1つは、今日本でやってることを海外に発信していくこと。自分も海外でツアーやってみて思ったけど、結局1人で頑張っても無理なんだよね。でも、「TSUBAKI FM」っていう器があることによって、新しいアーティストやDJを海外に紹介できると思った。2人にもガンガン海外でやってもらいたいし、やれるようにみんなで頑張りたい。ちゃんと海外のアーティストを日本に紹介していく作業と、日本のアーティストを海外に紹介していくって作業がうまいことできてくると、日本のシーンとカルチャーがもっと面白くなるんじゃないかな。

■Current Top 5

//Masaki Tamura//
Joe Cleen - Care While It Lasts
St Germain - Real Blues (Terry Laird & The Run Island mix Band Jazz mix)
Emma-Jean Thackray - Ley Lines
Jazzanova - Dance the Dance (Atjazz Remix)
Studio R - A+R feat.Capitol A (Llorca Remix)

//Souta Raw//
Frank Pisani - Please Don't Make It Funky
Special Touch - This Party Is Just For You
Joe Coleman - Get It Off The Ground
Kindred Spirit & Corina Flamma Sherman - Inner Languages
Manfredo Fest - Jungle Kitten

//Midori Aoyama//
14KT Presents IAMABEENIE - The Power Of Same ft Muhsinah
KOKOKO! - Malembe
Harvey Sutherland - Something In The Water ft. Jace XL
Wipe The Needle feat. Alex Lattimore - Enchanted (Original Mix)
Jaxx Madicine - Astral Changes


TSUBAKI FM

ABOUT

Tsubaki FM is a brand new platform for independent music, straight from the heart of Tokyo. We aim to bring new life to the underground music scene in Japan while also helping better connect artists and listeners worldwide. Get fresh tracks from diverse genres, music culture information, live broadcasts, and more.

東京発、インディペンデントミュージックを発信する新しい音楽プラットフォーム 『TSUBAKI FM』世界中から集まるクオリティの高いアーティストやリスナーをキュレーションしながら日本のシーンに対して新しい風を送ります。 様々なカルチャーや多彩な音楽そしてライブブロードキャストを中心に毎週日曜日 18:00~21:00 にしぶや道玄坂のウォーム・アップバー「しぶや花魁」から配信中

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James Blake - ele-king

不器用だからこそ生々しい物語山﨑香穂

 ここまで顔を前面に出したジャケットがジェイムス・ブレイクの過去作にあっただろうか。『James Blake』も『Overgrown』も『The Colour in Anything』も本人(もしくは本人らしき人物の絵)がジャケットに登場しているが、顔がはっきりとみえるわけではない。
 ジェイムス・ブレイクにはアンニュイな男性というレッテルがつきまとっていた。ジェイムス・ブレイクといえば、昨年の1月にリリースされた“If the Car Beside You Moves Ahead”(『Assume Form』日本盤のみボーナストラックで収録)に続く、“Don't Miss It”(『Assume Form』収録)をリリースした際、自分自身に「sad boy」というレッテルを貼られていることに抗議する声明文をツイッター上に投稿したことが記憶に新しい。女性は弱さや悲しみなど、そういった自身の精神的な内面の感情を歌っても特別問題視されないのに対し、男性は正直な自身の内面の感情を歌うと「sad boy」的なレッテルを貼られ、感情をオープンにできないのは不健全だといったような内容だった。そして自分自身もいままでそういった感情を押し殺し、オープンにすることができなかったとも述べている。

https://twitter.com/jamesblake/status/1000228403998425088/

 その声明文の内容を踏まえてなのか、今作『Assume Form』ではこれでもかというほどの自身の主に恋人への赤裸々な心情をオープンに語りかけてくる。『Overgrown』にも恋人からの影響が大きいと思われる楽曲はあったものの(『James Blake』と『Overgrown』のあいだには恋愛が関係したなにか大きな変化が彼のなかであったと思うし、インタヴューでも当時付き合っていたウォーペイントのテレサ・ウェイマンとの関係がプラスに働いていたともインタヴューで言っていた)、今回はそれよりもさらにダイレクトな内容になっているように感じる。「ポスト・ダブステップの人」として初期作品からサウンドメイクの面で革新的な存在という印象が強い彼だが、やはりシンガーソングライターとしての歌詞の存在感も彼の魅力のひとつであり、今回のアルバムもその魅力が前面にでていることは間違いない。
 1曲目“Assume Form”で「さてと そろそろ打ち明けようか(Now I'm confiding)」とはじまり、アルバムを通してこれでもかというほどの恋人との関係、自身の内面の感情、がオープンに綴られていくわけだが、決して激甘な恋模様が綴られているわけではなく、恋人への思いに関する自問自答が繰り返され、葛藤や躁鬱が繰り返され、どこか不器用な物語にジェイムス・ブレイクらしさを感じ、ぐっと引き寄せられる。硬質で冷たい音のイメージのなかにもどこか温かみを感じるのはオープンにされた人間の生々しい感情ゆえだろう。

 このようなジェイムス・ブレイクの魅力からか、近年ではビヨンセフランク・オーシャンケンドリック・ラマーなどなどUSメインストリームのアーティストとのコラボも増え、トラヴィス・スコット“Stop Trying To Be God”やアブ・ソウル&アンダーソン・パークとの“Bloody Waters”でもヴォーカリストとしての地位を確立してきているようにみえる。今作にもアウトキャストのアンドレ3000や、エレクトロサウンドとフラメンコを融合し、新しいフラメンコのかたちを提示したスペインのロザリアなど多角的なゲストを迎えている。2曲目“Mile High”と3曲目“Tell Them”には、USのトップ・プロデューサー、メトロ・ブーミンが参加し、“Mile High”ではトラヴィス・スコット、“Tell Them”ではモーゼス・サムニーといった、縁のあるゲストを迎えている。ある意味客演陣の面からもメインストリームにオープンな内容だが、ここには消費されないなにかがある。『Assume Form』はジェイムス・ブレイクの(かつては)閉ざされていた内面を描いた作品であり、なにもかもくれてやればすべてを失うことになる(The world has shut me out. If I give everything, I'll lose everything.)という締め出された世界から、毎日大好きな人と出かけて、鈍い痛みが消えたなら、殻の中で幽霊みたいに引きこもるのをやめたならという祈りである。そして、僕みたいにしくじるなよ(Don't miss it. Like I did.)という警告でもある。(カッコ内は収録曲“Don't Miss It”から)
 ジェイムス・ブレイクが前髪をあげたそのジャケット写真を手に取り、あらためてなるぼどなと納得させられる。

山﨑香穂

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「他者を自分と融合させること」木津毅

 ジェイムス・ブレイクとワンオートリックス・ポイント・ネヴァーという2010年代の方向性を決定づけたふたりのエレクトロニック・ミュージック・プロデューサーが深く交わったのが『Age Of』というアルバムだったが、『Assume Form』は『Age Of』以降を強く意識させる作品だ。それは他者の受容の問題においてである。ことブレイクに関して言えば、ファースト・アルバム『James Blake』の頃から自己の像をどうやって結ぶかということが主たるテーマになっており、いっぽうはベリアルに代表されるゴーストリーな響きのアンダーグラウンドのエレクトロニック・ミュージック、いっぽうはジョニ・ミッチェルに代表されるメランコリックでパーソナルなソウル・ミュージックの両方から照らされる光の重なるところにどうやって自分を置くかという試みだったと思う。その、どこか寄る辺ないひとりの青年と向き合うことがジェイムス・ブレイクの音楽を聴くことであった。2010年代はもしかしたら1960年代を凌ぐほどのアイデンティティ・ポリティクスの時代だ(った)と感じるが、ディケイドを通してブレイクのプロダクションがアンダーグランドからメインストリームにまでスムーズに行き渡ったのは、逆説的に、個々のアイデンティティが強く問われる時代にあってそれが判然としない人びとや越境せざるをえない人びとの無意識を捉えたからではないだろうか。『James Blake』のジャケットで彼の像は悲しいほどにブレていた。そしてブレイクは、アルバムを重ねるほどに内省を深めていくことになる。コラボレーション曲やカヴァー曲が収録されていたとしても、ほとんどがぐっとジェイムス・ブレイク側のサウンドに寄せられたものであって、彼の音楽の向かう先はどこまでも自分自身だった。
 そうしたブレイクの混乱したアイデンティティにおける自己探求が極点に達したのが昨年のシングルで、本作にも収録された“Don't Miss It”だろう。近い時期に発表されたシングル“If the Car Beside You Moves Ahead”がどこか彼のポスト・ダブステップ時代を彷彿させるものだったことから、それに対して“Don't Miss It”は彼のシンガーソングライター的側面を強調した曲だと分析されたが、よく聴けばそんな単純なものではなかったことがわかる。メロウなピアノ・バラッドのピアノの和音や歌声は微細に複雑に加工されており、ピッチはつねに不安定で、音色はアンクリアだ。そして、ほとんど偏執的に繰り返される厭世に満ちた言葉。その壊れてしまったソウル・ミュージックの孤高は、数多くのフォロワーすら置き去りにする響きを有していた。きわめて端正に歪められた音で綴られる外界に対する拒絶感は、彼が世界に自己を開け放つのをついに諦めてしまったかのようにさえ思えた。しかし同じ曲でブレイクは、聴き手(と、おそらく自分自身)に向かってこう告げるのである。Don't miss it、やり損なうな、と――。

 そして『Assume Form』は、その地点からダイナミックに他者を歓迎するものとなった。その飛距離がどうやって達成されたかはわからない。が、少なからず『Age Of』での経験が反映されているのではないかと僕は考えている。ほとんどコントロール・フリークだと自分を分析していたダニエル・ロパティンが、しかし他者の存在や意見を受け入れることで新たなサウンド・イディオムやテーマを手にする様をブレイクは見ていた。ラップ・ミュージック周りで多くの仕事をこなしてきたブレイクが、本作でトラップ・シーンを代表するメトロ・ブーミンやトラヴィス・スコットを迎えていることはさして驚くことではないが、モーゼズ・サムニーをフィーチャーしたメトロ・ブーミンとの共作“Tell Them”において中近東を思わせる旋律が聴こえてくることには鮮烈な印象を受ける。あるいは、ネオ・フラメンコ・ポップのニュー・スターであるロザリアをフィーチャーした“Barefoot in the Park”において、ふたりがフラメンコを経由した情熱的なメロディをユニゾンするだけで胸を打つものがある。ここでは、これまでの「ジェイムス・ブレイク」に由来しない音や旋律が生き生きと息づいている。
 そのロザリアが「フラメンコ界のリアーナ」だと評されているように、サウンドのアイデンティティをやすやすと越境する存在がブレイクに力を与えたのではないだろうか。モーゼズ・サムニーが自身の作品においてチェンバー・ポップとソウル・ミュージックを両立させているように、いま、冒険的な音を鳴らしているのはマージナルな領域に挑んでいるミュージシャンだとブレイクがここで確信しているように感じられるのである。結果として、ゲストを迎えていないトラックにおいてもブレイクは新たなサウンドを模索しており、ほとんどドリーム・ポップのようなユーフォリアが漂う“Can't Believe the Way We Flow”などは、フィーリングも含めてこれまで聴いたことのない「ジェイムス・ブレイク」である。

 これまでの手法を洗練させ、彼らしい陰影を深めた“Don't Miss It”のような曲が収録されているいっぽうで、“I'll Come Too”や“Power On”のようなドリーミーでスウィートなナンバーもあることに対して、散らかった作品だとする向きがあるのも理解できる。だが、それらが両立していることこそがこのアルバムの達成である。プライヴェートな恋愛の幸福が本作に強い影響を与えているそうだが、そんな風に彼個人が経験した「他者を自分と融合させること」がダイレクトに表現に出現するその思いがけない素直さが、ジェイムス・ブレイクの核心なのではないかと思う。「サッドな青年のメランコリックな歌」というレッテルを貼られることにうんざりしたという彼は、アイデンティティの混乱やナイーヴさを抱えたままで、より広い世界に自身を解放した。ここには、その頼りなくも感動的な一歩が刻まれている。ジャケットの彼はもうブレていない。
 クロージング、“Lullaby for My Insomniac”はそのタイトル通り、過去の自分に向けた子守唄だ。それを生み出したのは「きみ」の存在に他ならない――「もしきみが眠れないのなら、僕が起きていよう/僕もいっしょに起きていよう」。そこでは、メランコリーと安らぎがどこまでも親密に共存している。

木津毅

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応答と追悼と拒絶小林拓音

 たしかに「トラップ以降」というのはある。いまのメインストリームにたいしどのような態度をとるかというのは、ポスト・ダブステップの文脈に出自を持つブレイクにとってある種の踏み絵のようなものだろう。だから、メトロ・ブーミンと共作した“Mile High”や“Tell Them”が脚光を浴びるのは仕方のないことではあるのだけれど、しかし序盤に配置されたこれら2曲は本作の核を成すものではまったくない。
 前者においても後者においても、トラヴィス・スコットやモーゼズ・サムニーの声は、たんにブレイクのそれとは異なるものとして呈示されているにすぎない。ブレイクの声がそれらゲストの声とは別個のものとして存在しているという、まさにそのことこそが肝なのだ。トラップのリズムもこれまでのブレイクのイメージを裏切るための道具のひとつであり、つまりそれは他の手段でも構わなかった。じっさい“Tell Them”ではオリエンタルな旋律とヴァイオリンがその役を担っている。弦の存在感は続く“Into The Red”にも持ち越されているが、ここでも中国的ないし日本的な旋律が曲全体の支配権を握っており、さらに中盤以降ではストリングスがそこはかとなくケルティックな風を誘い込んでもいる。
 決定的なのは“Barefoot In The Park”だろう。アルバムに違和をもたらすロザリアのスペイン語とフラメンコ由来と思しきリズムの導入はまず間違いなくブレイクの新機軸だし、そして“Into The Red”と同様、背後では加工された音声が小さな唸りをあげている。
 この唸りはアルバム後半において増幅される。“Can't Believe The Way We Flow”では、ザ・マンハッタンズの肉感的であるはずのR&Bコーラスが極端にエディットされ、亡霊のように楽曲にとり憑いている。このサンプルの活用法は完全にベリアル由来のもので、似たようなことはアンドレ3000が素晴らしいラップを聴かせる“Where's The Catch?”や、モリコーネの並走者たるブルーノ・ニコライの劇伴をサンプリングした“I'll Come Too”でも試みられているが、後者ではあたかも時間を巻き戻したり押し進めたりすることの比喩であるかのごとく、ぐりぐりとメトロノームの針を回すような音が差しはさまれてもいる。
 とりわけ注目すべきは昨年シングルとしてリリースされ大いに話題となった“Don't Miss It”だろう。ここでは幽霊的なサンプルに加え、ブレイク自らの声までもがグリッチーに変成させられており、彼がいま何をもっとも気にしているのかを教えてくれる。

 かつてベリアルのヴォーカル・サンプリングを「オリジナル版の存在しないダブ・ヴァージョン」と表現した批評家のマーク・フィッシャーは、そのような時間の顚覆によって切り拓かれた地平のうえで、じっさいに歌い上げることを選択してしまったブレイクの試みを、事後的にオリジナル版を作成する営みと捉え、鋭い診断を下している。

ブレイクのレコードを時系列に沿って聴きかえしてみると、まるで幽霊がだんだんと物質的な形式を身にまとっていく(assume material form)のを聞いているような気分になる。あるいはデジタルな媒質(digital ether)が(再)融合して生まれた曲を聞いている気分といってみてもいい。
──『わが人生の幽霊たち』(五井健太郎訳、273頁)

 これはブレイクにとってかなり重みのある指摘だったのではないだろうか。彼はその後、この判定を推し進めるかのようにシンガーソングライターとしてのあり方に磨きをかけ、3枚目のアルバムを送り出すことになるわけだけれど、4枚目となる本作においてそのSSW的佇まいはさらに深みを増している。前回の共同作業者がリック・ルービンという大物だったのにたいし、今回の相棒が気心の知れたマウント・キンビーのドミニク・メイカーであることも、ブレイクの内省の深化を考えるうえで見過ごすことのできないポイントだ。
 だが、しかし、にもかかわらずこのアルバムで際立っているのは、前半におけるワールド・ミュージック的なものへのアプローチであり、後半におけるベリアル由来の声の変成なのである。新たな実験と過去の総括との同衾──ここでわれわれは冒頭に配置された1曲、すなわちアルバムのタイトルに採用された“Assume Form”へと立ち戻らねばなるまい。

僕は 形をとろうと思う/仮想の媒体を捨てて
(I will assume form / I'll leave the ether)
“Assume Form”(高間裕子訳)

 間違いない。これはマーク・フィッシャーにたいする応答である。ブレイク周囲のスタッフは関連を否定しているようだが、一度このリリックの秘密に気がついてしまうと、他の曲における二人称もすべて、とはいかぬまでもほとんどがフィッシャーを指示しているように思えてくる。「しくじるなよ、僕のようには」という“Don't Miss It”のメッセージも、最終曲“Lullaby For My Insomniac”のリリックが過去のブレイクを慰める内容になっているのも、これまで不明瞭だったアートワークの被写体が今回は明らかに「形をとっ」ているのも、フィッシャーの批評を受け止めたうえでなお己が道を突き進むという、ブレイクの並々ならぬ決意表明にほかならない。
 シンガーソングライターというあり方は手放さずむしろそれを加速させながら、他方でフィッシャーの批評と死に応えるために同時にとらねばならなかった選択肢、それがいわゆるワールド・ミュージック的なものへの接近であり、ベリアル的なものの再召喚だったのだ。前進と、反省。ようするにこのアルバムはブレイクなりのフィッシャーにたいする追悼であり、そして、これからの彼の旅路にフィッシャーが幽霊となってとり憑くことを拒絶する、お祓いの儀なのである。

小林拓音

Blu & Oh No - ele-king

 2007年にリリースされたブルー&エグザイル名義でのアルバム『Below The Heavens』でのデビュー以降、様々なプロデューサーとのタッグ、あるいは自らのプロデュースによって数々の作品を生み出してきたLA・イングルウッド出身のラッパー、ブルー。最近では2015年に MED、マッドリブとのコラボレーションによるアルバム『Bad Neighbor』が話題となったり、昨年はヴァージニア出身のプロデューサー、ノッツとの『Gods In The Spirit, Titans In The Flesh』や、サーラーのシャフィーク・フセインとの『The Blueprint』など、かなりのハイペースで良質な作品を発表してきた彼が、今回、新たに手を組んだのがマッドリブの実弟としても知られるオー・ノウだ。ラッパーとしては2004年に〈ストーンズ・スロウ〉からリリースされたソロ・アルバム『The Disrupt』でデビューを果たし、プロデューサーとしても〈ストーンズ・スロウ〉周辺や地元オックスナードのアーティストを中心に、アンダーグラウンドからメジャーまで数多くのアーティストの作品に関わってきたオー・ノウだが、すでにブルーとも前出の『Bad Neighbor』などで共演を果たしている。とはいえ、このふたりががっぷり四つで1枚のアルバムを作るというのは当然、初めてのことであり、南カリフォルニアのアンダーグラウンド・シーンを代表する両者の夢のコラボレーションは、必然的に期待も高まる。

 イントロにてブルーがLAの主要なストリートの名前を羅列し、LAのギャング・カルチャーがこのアルバムのテーマのひとつであることを提示することで、本作の幕は開ける。イングルウッドで育ったブルーにとって、ギャングは日常の一部でもあり、これまでもたびたび曲の中でテーマにしてきたが、彼の目線でのLAストーリーが独特の語り口によって実にスタイリッシュに、アルバム1枚を通して綴られていく。ひたすらディープに突き進むマッドリブに対して、オー・ノウのトラックはアグレッシヴな部分とクールな一面がバランス良く融合しているのが特徴であるが、本作のテーマにも彼のサウンドは実にマッチする。アルバムのリード曲とも言える“The Lost Angels Anthem”はそんな両者のポテンシャルが最大限に引き出され、ファンキーで緊迫溢れるオー・ノウのトラックに、ブルーはパーカッシヴに言葉をはめ込み、極上のグルーヴを作り出す。ドラムとエレピのサンプリングトラックに、ブルーが巧みにセッションを仕掛ける“Straight No Chaser”なども実にドラマティックな展開で、両者の音楽性の豊かさがダイレクトに伝わってくる1曲だ。また、この曲に限らず、オー・ノウのトラックは映画のサウンドトラックとも通じるものがあり、ブルーがラップで語るストーリーの深みを彼のサウンドがより強く引き出しているようにも感じる。

 ブルー、オー・ノウ共に繋がりの深い MED を筆頭に、有名、無名含めて多数をフィーチャリング・ゲストとして迎えているが、特筆すべきはLAアンダーグラウンド・シーンのベテランであるアブストラクト・ルードとセルフ・ジュピター(フリースタイル・フェローシップ)の参加だ。本作における彼らふたりの存在は、90年代から脈々と引き継がれてきたLAアンダーグラウンド・シーンの延長上にブルーとオー・ノウがいるということの証明でもあり、彼らのゲスト参加は実に意味が深い。

 同じ南カリフォルニアの中でお互い出身地も微妙に異なり、音楽的なバックグランドやルーツも微妙な違うふたりであるが、そういったギャップがお互いにとって大きなプラスとなり、これまでのコラボレーターともまた一味違う、タイトル通りのLAならではの作品になったと言えよう。ここ最近は作品ごとにプロデューサーを毎回変えているブルーであるが、いずれまたオー・ノウとのコラボレーションを期待したい。


消えるにはこうすることだ 真夜中の闇を縫って
This is how you disappear/out between midnight
──“Rawhide”from Climate Of Hunter(1984)

 スコット・ウォーカー(本名ノエル・スコット・エンゲル)、享年76。訃報に触れて初めて、彼が結婚していてお孫さんまでいることを知って驚いた。それくらい彼は必要以外の世俗とは断絶していた。ゆえに最期まで「エニグマ」だったわけだが、そのオーラを尊重し距離感を保つことは彼の音楽を愛する者の間では暗黙の了解だったと思う。少し前にキース・フリントが世を去った際、「彼がどれだけイイ奴だったか」という美談がツイッターから追悼記事、ファンのコメントまで各所で語られていて泣けた。そこには、ザ・プロディジー文脈ではとかく戯画としての「邪悪」「危険」ペルソナ担当だっただけに、実は普通で心優しい人だった、と反駁したくなる人間心理もあるのだろう。そうしたメモリーの集合を「デジタル時代のはなむけ/記念碑」と呼ぶ人もいる。
 だが、スコット・ウォーカーに関してこうした思い出の断片によるデジタルなコンポジットが生まれる可能性は低そうだ。トム・ヨークからブライアン・イーノまで追悼の意は続々と幅広く発されてきた──ジュリアン・コープが80年代にコンピレーションを編纂し、90年代に企画されたコンピではマーク・アーモンドが解説を寄せ(再発時はニール・ハノンが執筆)、パルプがプロデュースを依頼し、『Climate Of Hunter』再発ではボブ・スタンリー(セイント・エティエンヌ)がライナー執筆と、いわゆる「ミュージシャンズ・ミュージシャン」の典型ゆえに当然だ。だが、「○×年のコンサートは素晴らしかった」とか「気さくにサインに応じてくれた」、「よく来るカフェではこんな感じの紳士でした」と言った、プライヴェートな表情を偲ばせるほろりな逸話はあまり出て来ない気がする(でも、自転車愛好家だったのは知っている)。

 何せ彼は、1978年を最後に公の場で歌うのをやめてしまった。自作曲を含むソロは1970年の『’Till The Band Comes In』が最後で、以降はスタンダードや映画のテーマ曲、ポップスのカヴァーを収めた売れ線MORが続き、彼が遂に自作曲を披露できたのはザ・ウォーカー・ブラザーズの(所属レーベル倒産前のどさくさに紛れて出したとされる)再結成後のサード『Nite Flights』(1978)。プロパーなソロ復帰作『Climate〜』まで14年かかったことになるし、そこからスタジオ次作『Tilt』(1995)まで11年、続く『The Drift』(2006)も11年後とサントラ他を除く寡作ぶりはたまにおとずれる皆既日食や彗星か何かのようだった。その意味では、今にして振り返れば「晩年」期だった『Bish Bosch』が2012年、サンO)))とのコラボ『Soused』がその2年後、更に映画向けのスコアを2作制作したのだから、スコット的時間軸で考えれば10年代の動きはかなり速かったことになる。
 このスコット的時間軸は、サントラで彼が初めて全面参加した『ポーラX』(1999)冒頭のクレイジーなモンタージュに流れる“The Time Is Out Of Joint!”──元ネタはシェイクスピア『ハムレット』の台詞「今の世の中は関節が外れている」だろう──のタイトルにいみじくも象徴されている気がする。アイドルがシリアスな大人路線への脱皮に苦戦する……というのはエンタメ界の古典的な物語のひとつだが、彼が70年代に不遇をかこったのは60年代初期〜中期にかけてザ・ウォーカー・ブラザーズのヴォーカルとして爆発的なアイドル人気を博したがゆえだった。名匠ジャック・ニッチェが参加した“Love Her”を手にハリウッドからロンドンに渡った彼らは、フィル・スペクター/ザ・ライチャス・ブラザーズ流の壮麗なウォール・オブ・サウンドを活かしてバカラック=デイヴィッドら達人の曲を次々ヒットさせた。ノーブルなマスクの「欧州のアメリカ人」が醸すエキゾチズム、現代版シナトラとも言えるクルーナーが歌う甘美なバリトンに、英国のロマンティックなティーン女子は熱狂した。ファン・クラブ会員数は一時期ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズのそれを凌いだという。
 イコール、ロック時代本格化以前のポップス〜イージー・リスニング歌手ということであり、ブラザーズ解散後『Scott』(1967)でソロに転向しテレビ番組まで持つに至った彼もその初期はカヴァーが多かった。中でも秀逸なのはジャック・ブレルの猥雑で情熱的なシャンソン群だ。エンニオ・モリコーネ〜ジョン・バリーばりのアレンジをほどこしたドラマ性は受けたし、ダスティ・スプリングフィールドと並び彼は〈フィリップス〉のユーロ・ポップ工場英支部における顔になったと言える。マスプロのポップ工場と書くと顔をしかめる向きもあるかもしれないが、スタジオにフル・オーケストラを仕込め、ジャズ/クラシック系編曲者も使える〈モータウン〉ばりに贅沢な生産体制はもともと欧州びいきだったスコットの想像力をさらに煽った(ちなみに、〈フィリップス〉のスタッフとしてダスティやブラザーズと働いたひとりがアイヴォー・レイモンド。彼の息子サイモン・レイモンドはスコットの過去15年の所属レーベル〈4AD〉の顔=コクトー・ツインズの元メンバーで、現在は〈ベラ・ユニオン〉を運営。2017年にクラシック音楽コンサート集『BBCプロムス』の一環として『Songs Of Scott Walker 1967-1970』の共同芸術監督を務めた)。
 しかし「自作を自演する」ロック的な図式が浸透していったこの時期、67年から69年にかけて発表したソロ4枚を通じ彼は徐々に自作曲を増やしていった。「アイドル」の側面を重視したレーベル/マネジメント側は、娼婦や死といった物騒なモチーフを含むブレル曲以上に、月夜の窓辺に生じる大天使による救済だのキッチンシンク型(ドストエフスキー的でもある)の安下宿の人間模様の観察だの、どう考えてもライト(軽い/明るい)・エンタテインメントとは言えないダークかつ文学的なオリジナル曲には慎重だった(ブラザーズ期は、印税向けに主にシングルB面が自作曲発表の場として彼に許されていた)。そんな押し引きを経て、『Scott 3』で13曲中10曲を自作──ブレルのカヴァー3曲は末尾にまとめられており、1曲ごとに映画スチルめいた写真を配した内ジャケのアートワークも自作曲しか取り上げていないのでこれらカヴァーは商業的な「妥協案」だったのかもしれない──し、「最初の傑作」とされる『Scott 4』で遂に全曲オリジナルを達成する。
 しかし、ボードレールやローデンバッハを思わせる象徴主義/サイコジオグラフィを喚起し、政治を皮肉り30世紀の未来に思いを馳せ、中世スウェーデンを描いたベルイマン『第七の封印』を参照する、そんな時空間とアートのトラヴェラーである彼の「関節が外れた」感性と位相感覚を狂わせる和音・不協和音の拮抗は、前衛アートをポップスにまんまと売り込んだボウイ登場以前のこの時期、イギリスですらぶっ飛んでいたのだろう(1976年に彼が応じたラジオ・インタヴューで、番組に電話をかけてきたファン女性が「あなたの“Plastic Palace People”という曲には気持ちが悪くなるんですが」となじっていたのは、あの曲の言葉と音のイメージ双方が生む悪酔いしそうなサイケな渦を思えば納得だ)。『3』のジャケは今の感覚ですら面妖だし(本人の顔は毒々しく彩られた巨大な目の中に弱々しく浮かぶだけ)、スコット・エンゲル名義で発表したためチャート入りしなかったとも言われ程なくして廃盤になった『4』の2枚連続の失敗から「言わんこっちゃない」とばかりにアーティスティックな決定権を取り上げられた彼は、主にレコード契約消化のために作家ではなく歌手に徹していく。先述した70年代低迷期の始まりであり、80年代まで続いたその状況を「誰もが会ってみたがるが、その監督プロジェクトに誰も出資しようとしない」オーソン・ウェルズに自らなぞらえるほどだった(同じように出資者探しに苦労し続けているレオス・カラックスとのコラボレートは、その意味で実にいい顔合わせだ)。
 が、スコット版ブレルを下敷きに“Amsterdam”と“My Death”を60年代後期〜70年代初期にカヴァーするなど、かねてよりスコットに敬意を表していたボウイ(スコットの誕生日、1943年1月9日のほぼ4年後に生まれた)とイーノとのベルリン三部作に通じる音楽性が評価された『Nite Flights』(スコット曲は4曲だけとはいえプロデュースも兼任しているのでサウンド感覚は味わえる。意趣返しのごとくボウイは93年に“Nite Flights”をカヴァーした)あたりから、メビウスの輪のようにねじれた──先を行き過ぎていた、と評する人間もいるだろう──スコット的時間軸はリアル・タイムとシンクロしはじめる。
 イギリスにおけるパンクの功績のひとつに、ポスト・パンクやエレ・ポップ、ゴスといったその後の音楽的派生およびその新波が地方や郊外を活気づけた側面がある。80年代以降の「スコット再評価」の先陣を切ったコンピレーション『Fire Escape in the Sky: The Godlike Genius of Scott Walker』は英中部出身〜リヴァプール・シーンで活躍していたジュリアン・コープの愛の賜物だった(リリース元〈ズー〉はビル・ドラモンドが共同運営者)し、マーク・アーモンドも、ブリットポップ勢ファンも地方/郊外人。“Big Louise”の歌詞からとられた「Fire escape in the sky(空に伸びた非常階段)」のフレーズは、都会や摩天楼の輝きから遠い退屈な地と灰色の日常に縛られ、マイ・ベッドルームにひとりぼっちの王国を築きつつも窓の外を眺め「いつかここから飛び立ちたい」と願う地方の若人のロマン──映画『Billy Liar』的なそれ──の象徴だ。筆者が初めてスコット曲を聴いたのは〈エル〉のコンピ『London Pavilion Vol.1』収録のメイフェア・チャーム・スクールによる〝Montague Terrace (in Blue)〟のカヴァーだったが、〈エル〉もまた、80年代中期の当時に背を向けて40/50/60年代のイギリスを夢想する、奇妙なレーベルだった。NowとHereをすり抜けるポータルとして、時代はスコットを再発見しはじめた。
 だが、ここから彼のおこなった、再び時代を突き放す孤高のワープ航法はすさまじかった。『Climate〜』で初めて組んだ(そして最後までコラボレーションを続けることになる)プロデューサー:ピーター・ウォルシュとの出会いを経て、1995年にリリースされた『Tilt』から『The Drift』、『Bish Bosch』に至る三部作だ。その第一作にして新たなスコット像を確立した傑作『Tilt』での質感と空間性を重視したストイックなサウンドスケープは、彼が『Scott』を題したソロ4作で追求してきた「耳で聴く映画」の帰結/具現と言える。パイプ・オルガンや硬質なエレキ、寒気をもたらすパーカッション群、中国の横笛バウ他いびつで意外な響きが描き出す荒涼としたポエトリーとインダストリアルなアトーナル・シンフォニー。パゾリーニ、18世紀の英王妃スキャンダルとアドルフ・アイヒマン裁判、マンハッタンにボリヴィアと幅広く──というか、これは彼本人にしか理解できないランダムさだ──(奇)想を得た、アルカイックさとジョイス的なモダニズムを併せ持つ歌詞。ここで据えられた基盤から、スコットは映画『スコット・ウォーカー 30世紀の男』でも話題になった“Clara”録音場面での「豚肉パーカッション」、「歌」というものの概念を引っくり返す“SDSS1416+13B (Zercon, A Flagpole Sitter)”の錯乱した構成、フリー・ジャズからハワイアンへ脱臼する“Epizootics!”のサウンドのシフト等々、『The Drift』、『Bish Bosch』を通じて極北の世界観を突き詰めていった。それまでのイメージの残滓を完全にぬぐい去る漆黒のモノリスを思わせるこの3作で、彼はブラザーズ時代からのファンはもちろんのこと、80年代以降の「60年代キッチュを愛する」系な比較的若いファン層の一部に対してすら「失踪」をやってのけた、と言える。
 ライヴ・パフォーマンスを自主的に放棄し「レコーディング・アーティスト」に徹した面も大きかっただろう。側近スタッフの横領により齢74にして隠遁生活からツアー生活に戻る羽目になったレナード・コーエン、あるいはいまだにステージ上を転がり続けている同い年のミック・ジャガーといった具合に、ライヴをやらずに生き残るのは昨今の音楽家にとってタフだ。スコット本人は常々「仕上げたら、もう二度と自作は聴き返さない」と語っていて、それは「常に前だけ見ているアーティスト」としての(いささか格好良過ぎな)気風の表明とも映った──が、ライヴでの再演向けに習得する必然がないのだから当然でもある。同じようにツアーやライヴ活動に消極的なスタジオ系アーティストであるイーノも、2016年に『ele-king』向け取材で通訳をさせていただいた際「自分の書いた歌ですら、その大半の歌詞は覚えていない」と話していた。そんな彼が生前からスコットの歌詞も高く評価していたのは、同じ取材で「言葉の持つ〝意味合い〟に自分はさほど興味を掻き立てられない」と述べた感性ゆえだろう。たとえば『Soused』収録の“Bull(雄牛)”冒頭の歌詞。
 

 Fire-ant-necklace.
 Bump the beaky
 Watch-garroted.
 Bump the beaky
 火蟻の首飾り。
 鷲鼻をぶっつけろ
 時計付きの鉄環絞首台(スペインで生まれた拷問/死刑道具)。
 鷲鼻をぶっつけろ

 字面だけ読んでも意味はさっぱりわからない。陰惨なギターとパーカッションの激打と合わせて聴いているうち、首に何本もの槍を刺され、血を流しながら、それでも死に突進していく闘牛場の雄牛のイメージが浮かんでくる──が、首に青筋を立てて歌う様が浮かぶ、分割されて「B」の破裂音のインパクトに焦点を置いた「バン・パ/ビー・キー(Bump the Beaky)」としか聞こえない(=もはや意味をなさない)執拗でトチ狂った連呼は、大仰なだけに聴いているとつい笑ってしまう(ためしにこのフレーズを「ビ・ビ/ン・バ!」に替えて大声で歌ってみてください)。
 シュールな混交と言えば『Bish Bosch』もすさまじい。内蔵、卵、歯、静脈、内眼角贅皮、小便、肉、タンパク質、家畜のと殺、漿膜、肛門、性腺、ナメクジ、宦官、骨、精液、脳味噌、饐えた馬乳のビール、睾丸、痰、くしゃみ……等々、古い解剖学/生物学系用語や触覚・嗅覚・味覚に訴えてくる単語の数々および音作りは、2013年にオーストラリアでアンビシンフォニック版3Dインスタレーションになったのもうなずける作品だ。と同時に、緊張感のある「前衛」音楽と格調高そうな歌唱の中に唐突に「おなら?」と耳を疑うサウンドやクリスマスののんきなジングルが響き、「その大きな『ブタ鼻』がわたしの股の間に押し込まれて」とか「左の睾丸のように(右より)垂れ落ちていく夜の中で」といった奇矯なフレーズが耳に入ってくるたび、ブフッ!と吹き出さずにいられない──というか、“30 Century Man”ですら「うまくやり過ごして/残せるものはすべてサランラップに包んでおくがいい」と、妙に俗な台所用品名が目配せと共に使われていたわけで。
 筆者も先ほどから「荒涼」だの「極北」といった安文芸ライター調な言葉を使いまくっているが、そう言いたくなるくらいシリアスで重い音楽の中に、おそらく彼は「声に出して発語したり歌うと気持ちのいい響きを持つ言葉」(詩)と「イメージ喚起力の高い言葉」(文学)をダークなユーモアと共に差し出してもいた。この原稿のために生前のインタヴューをいくつかあさってみたところ、ドライなウィットに富んだ受け答えからも、スコット・ウォーカーはイギリス人以上にイギリス人な不思議なアメリカ人だったのかもしれない、と思う(2018年には自選歌詞集『Sundog』も出版されているので歌詞カードやブックレットをいちいち見るのが面倒だ、という方はぜひ。ただし、曲と一緒に、ヴォーカルと音楽の情景を味わいつつ読むのがベストだと思います)。

 にしても、晩年に向けてスコット色を再び強めた(と自分は思っている)ボウイは一足先に世を去り、スコット沒の約1ヶ月前=2月25日にはイギリスにおけるポスト・ロックの先駆者マーク・ホリス(トーク・トーク)も亡くなった。ポップ・スターから隠遁者になり、孤独な惑星から異界の音を受信し独自に翻案しこちらに通信してくれる人びと(ケイト・ブッシュ、デイヴィッド・シルヴィアンらもここに入るだろうか)──の灯りが少しずつ消えていくのは切ないとはいえ、寿命なので仕方ない。だが、“Brando”で「Ahh…, the wide Missouri!(ああ、広大なミズーリよ!)」と(おそらくイギリスにいながらにして)アメリカ中西部の平野を朗々と称えると共にマーロン・ブランドの倒錯した被虐性を描き出したスコット・ウォーカーという人の無茶苦茶な奔放さ/優雅さとがないまぜの声と想像力、そして様々な犠牲を払ってそのヴィジョンを最後まで守り抜いた姿勢が、これからもひとにぎりのアーティストたちの霊感になっていくのを祈らずにいられない。

Dwight Trible - ele-king

 いまのジャズ・ファンにとって、ドゥワイト・トリブルはカマシ・ワシントンの作品で歌っているシンガーという認識が強いかもしれない。しかしながら実際は、はるかそれ以前の1970年代から長い活動を続けるミュージシャンで、カマシやサンダーキャットたちにとっては親の世代にあたる。振り返れば2000年代はカルロス・ニーニョ率いるビルド・アン・アークへ参加し、それによってクラブ・ジャズ方面でも知られる存在となった。カルロス関連ではライフ・フォース・トリオ、アモン・コンタクトなどさまざまなユニットやプロジェクトにも参加し、ジャズだけでなくヒップホップやフォークトロニカにいたる幅広いサウンドとの融合も見せた。その後はビルド・アン・アークやライフ・フォース・トリオのドラマーを務めたデクスター・ストーリーと共同プロデュースで、ソロ・アルバムの『コズミック』(2011年)をリリース。そのデクスター・ストーリーのアルバム『シーズンズ』(2012年)にも参加していたが、再び脚光を浴びるようになったのはカマシ・ワシントンの『ジ・エピック』(2015年)や『ヘヴン・アンド・アース』(2018年)で歌ったことからだろう。ただし、ドゥワイト・トリブルにとってそれら活動はビルド・アン・アークでやっていたことの延長線上にあるものと言え、今も昔も彼の音楽は一貫している。

 ビルド・アン・アークは2001年9月11日のアメリカ同時多発テロをきっかけに、音楽を通して平和と愛を伝えるという目的のためにミュージシャンたちが集まった。そもそもは1998年頃、カルロス・ニーニョがホストを務めるロサンゼルスのネット・ラジオにドゥワイト・トリブルがゲストで招かれ、そこから始まった交流がドゥワイトのファースト・アルバム『ホレス』(2001年)へ繋がり、それからビルド・アンド・アーク結成へと導かれていった。実質的にドゥワイトとカルロスのコラボとなる『ホレス』は、1999年に他界したピアニストのホレス・タプスコットに捧げたものだ。ホレス・タプスコットは1960年代よりロサンゼルスのジャズ・シーンを牽引してきた人物で、1970年代から80年代にかけてパン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラを率い、自由公民権運動に基づくアフリカ回帰色の色濃いスピリチュアル・ジャズやフリー・ジャズを演奏していた。サン・ラーのアーケストラに呼応した名前がつけられたこの楽団には、ロサンゼルス周辺の若いミュージシャンが出入りし、音楽や演奏技術を伝承する育成機関的な側面もあったのだが、ドゥワイトもその出身者のひとりで、ホレスから音楽だけでなく人生や哲学など多くのことを学んでいた。ビルド・アン・アークもそうしたホレスの精神を受け継いでおり、それは現在のカマシ・ワシントンの世界にも繋がっている。

 ドゥワイトの近年のソロ・アルバムに、マシュー・ハルソールとの共演で〈ゴンドワナ〉からリリースした『インスピレーションズ』(2017年)がある。ドゥワイトはファラオ・サンダースのバンドにいたこともあって、南アフリカのジャズ・フェスに出演した際、マシュー率いるゴンドワナ・オーケストラによるファラオ・サンダースとレオン・トーマスの“ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスター・プラン”のカヴァー演奏に感銘を受け、そうして意気投合して『インスピレーションズ』を録音した。その後も〈ゴンドワナ〉設立10周年企画となるEP「カラーズ」(2018年)で、ゴンドワナ・オーケストラと共演してファラオ・サンダースの名作群をカヴァーするなど、最近はUKとの結びつきが強かったドゥワイトだが、今回の新作『マザーシップ』はUKの〈ギアボックス〉からのリリースではあるものの、録音は地元ロサンゼルスに戻っておこなわれた。参加ミュージシャンはカルロス・ニーニョ(ハンド・パーカッション)、ミゲル・アトウッド・ファーガソン(ヴィオラ)、ダーフ・レクロウ(パーカッション)というビルド・アン・アーク時代からの盟友に、カマシ・ワシントン(テナー・サックス)、マーク・ド・クライヴ・ロウ(ピアノ)と交流の深い面々。ほかにベテラン・ベーシストのジョン・B・ウィリアムズ、キューバ出身のドラマーのラムセス・ロドリゲス、女流ハーピストのマイアがサポートしている。マークのピアノ・トリオが軸となり、カマシが入るのは“マザーシップ”の1曲のみで、基本的にはドゥワイトの歌を引き立てるコンパクトで抑え目の演奏となっている。

 『マザーシップ』の楽曲の多くはカヴァーで構成される。“マザーシップ”はホレス・タプスコットの作曲で、パン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラの一員だったリンダ・ヒルが歌詞をつけたもの。“マザー”もホレス周辺のミュージシャンでビルド・アン・アークにも参加していたネイト・モーガンの曲で、詩人のカマウ・ダウードが歌詞をつけている。“デザート・フェアリー・プリンセス”はパン・アフリカン・ピープルズ・アーケストラの一員のジェシー・シャープスの曲で、同楽団メンバーで夭逝したアデル・セバスチャンの演奏でも知られる1曲という具合に、ホレス・タプスコット・ファミリーから連なる楽曲がやはり多い。ほかにはダニー・ハサウェイの“サンキュー・マスター”にビートルズの“トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ”、同じジャズ・シンガーではオスカー・ブラウン・ジュニアの“ブラザー・ホェア・アー・ユー?”にカーメン・ランディの“ディーズ・シングス・ユー・アー・トゥ・ミー”もやっている。アフロ・ラテン調のモーダルな“マザーシップ”でアルバムは始まるが、このタイトルはかつてパーラメントが『マザーシップ・コネクション』でも用いたように、アフロ・アメリカンたちのアフロフューチャリズムを象徴するワード。ドゥワイトらしいスピリチャル・ジャズである。その流れは軽やかなアフロ・キューバン・リズムの“イッツ・オール・アバウト・ラヴ”へ引き継がれる。マークの美しいピアノをバックにドゥワイトが歌うのは、ビルド・アン・アークのころから一貫したユニヴァーサルな愛の歌。“ウォーキン・トゥ・パラダイス”の世界観は、カマシ・ワシントンの『ヘヴン・アンド・アース』のそれにも通じるもので、ゴスペル・フィーリングに満ち溢れている。同じくゴスペル的な“サンキュー・マスター”、ミゲルのヴィオラをバックに咆哮のようなヴォーカルを聴かせる“スタンディング・イン・ザ・ニード・オブ・プレイヤー”では神や祈りがテーマとなる。サイケデリックでフリー・インプロヴィゼイション感覚に富む“トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ”に、神秘的なディープ・モーダル・ジャズの“デザート・フェアリー・プリンセス”、優しく慈愛に満ちた歌声を披露するバラード曲の“マザー”や“ソング・フォー・マイ・マザー”。現在の男性ジャズ・シンガーの代表格にグレゴリー・ポーターがいるが、そのルーツ的な存在で指標ともなってきたのがこのドゥワイトで、そんな彼のスケールの大きさを物語るアルバムとなっている。

Carole & Tuesday - ele-king

 これはビッグ・ニュースだ。去る2月、デヴィッド・ファースによるWebアニメ・シリーズ『Salad Fingers』の新作に音楽を提供していることが話題となったばかりのフライング・ロータスだけれど、なななんと、渡辺信一郎による最新アニメ『キャロル&チューズデイ』にもコンポーザーとして参加していることが明らかとなった。さらに同作には、フライローの盟友たるサンダーキャットまで参加しているというのだから驚きだ。ほかに G.RINA、マイカ・ルブテ、☆Taku Takahashi が参加していることも発表され、音楽好きとして知られる渡辺総監督の気合いがひしひしと伝わってくる。
 また今回の発表にあわせ、ナルバリッチとベニー・シングスが手がけるOP・ED曲(ヴォーカルはナイ・ブリックスとセレイナ・アン)を収録したシングルが5月29日にリリースされることも決定、現在OP曲“Kiss Me”のMVが公開されている。ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品として送り出される『キャロル&チューズデイ』、放送開始は1週間後の4月10日(フジテレビ「+Ultra」、NETFLIXほか)。モッキーが劇伴を担当し、総監督みずからが音響監督を務める同作、けっして見逃すことなかれ。

[4月24日追記]
 本日、フライング・ロータスやサンダーキャットらが手がける劇中挿入歌を収録したヴォーカル・アルバム『VOCAL COLLECTON Vol.1』のリリースがアナウンスされた。発売日は7月10日。アニメ好きとして知られるフライロー&サンダーキャットだけれど、まさかの本人アニソン・デビューである。いったいどんな曲に仕上がっているのやら。続報を待とう。

[4/24更新]
TVアニメ『キャロル&チューズデイ』
フライング・ロータス、サンダーキャットらが手掛ける劇中挿入歌(1クール分)を収録したアルバム『VOCAL COLLECTON Vol.1』 7/10発売決定!!

■TVアニメ『キャロル&チューズデイ』VOCAL COLLECTION Vol.1
7月10日(水)発売
VTCL-60499 / POS: 4580325328639 / ¥3,000+tax
※配信
iTunes Store、レコチョク、moraほか主要ダウンロードサイト及びストリーミングサービスにて5月29日(水)より配信スタート

(収録内容)
TVアニメ「キャロル&チューズデイ」を彩るキャラクターが歌唱する約20曲の劇中歌を収録。
※2019年4月から連続2クール(半年間)放送となるTVアニメ『キャロル&チューズデイ』の1クール分(12話分)の劇中歌をまとめたヴォーカルアルバム

・キャロル&チューズデイ (Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann) / 「The Loneliest Girl」
 作詞/作曲/編曲: Benny Sings
・キャロル&チューズデイ (Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann) / 「Round&Laundry」
 作詞/作曲/編曲: 津野米咲
・DJアーティガン / 「Who am I the Greatest」
 作曲: ☆Taku Takahashi (m-flo)

他、20曲収録予定

総監督:渡辺信一郎、アニメーション制作:ボンズ、キャラクター原案:窪之内英策ら強力なスタッフ陣が挑む
全世界の音楽を愛する人に捧げる、2人の少女が起こした奇跡の物語。

『キャロル&チューズデイ』

☆オープニングテーマ「Kiss Me」ミュージックビデオ公開!!
☆オープニング&エンディングテーマ
「Kiss Me/Hold Me Now」5/29リリース決定!!
☆第3弾参加コンポーザー
(フライング・ロータス、サンダーキャット等)発表!!
☆『キャロル&チューズデイ』劇中ボーカル曲参加コンポーザー
 ラインナップ映像公開!!

きっと忘れない。
あの、永遠のような一瞬を。
あの、ありきたりな奇跡を。

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品として総監督・渡辺信一郎、
キャラクター原案・窪之内英策を迎えアニメ史を塗り替える、全世界に向けた音楽作品
TVアニメ『キャロル&チューズデイ』。
本日、番組オープニングテーマ「Kiss Me」のミュージックビデオが公開となった。
出演は『キャロル&チューズデイ』のシンガーボイスを担当しているNai Br.XX(ナイ・ブリックス)&Celeina Ann(セレイナ・アン)。この2人は全世界オーディションによって選ばれたシンガー。

オープニングテーマ「Kiss Me」は先日、ミュージックステーションにも初出演し、現在男女問わず
絶大な人気を誇るNulbarich(ナルバリッチ)によるプロデュース楽曲。この「Kiss Me」にのせてギブソン(ハミングバード)を弾きながら歌うセレイナ・アンとナイ・ブリックスが向かいあって歌うシーンはまさに『キャロル&チューズデイ』を象徴しているようなミュージックビデオになっている。

「Kiss Me」Music Video(short ver.)
URL: https://youtu.be/k45EpgweT9o

またこのオープニングテーマ「Kiss Me」とオランダを代表するポップの才人・Benny Sings(ベニー・シングス)プロデュースによるエンディングテーマ「Hold Me Now」を収録したシングルCD、配信、アナログ盤が5/29にリリースすることが決定した。

そして、劇中ボーカル曲第3弾参加コンポーザーも同時に発表となった。
LAビートシーンを先導する存在であり、現在の音楽シーンのカギを握る最重要人物であるFlying Lotus(フライング・ロータス)。
超絶技巧のベーシストでもあり、ここ数年のブラックミュージックの盛り上がりにおいて、誰もが認める立役者の一人にでもあるThundercat(サンダーキャット)。
日本の女性シンガーソングビートメーカー/DJで土岐麻子やNegiccoなどへの楽曲提供からtofubeats、鎮座DOPENESSなどとのコラボなど、幅広い領域で活動しているG. RINA(ジーリナ)。
Shu Uemuraやagnès bなどの 数々のファッションブランドやCM音楽を数多くプロデュースしている気鋭のシンガーソングライター/トラックメーカーのMaika Loubté(マイカ ルブテ)。
m-floのトラック・メイカーとしての活動はもちろんのこと、音楽プロデューサーとしても向井太一や加藤ミリヤなどを手がけ、アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」などのサントラも担当しており、渡辺信一郎監督作では「スペース☆ダンディ」にも楽曲提供している☆Taku Takahashi (m-flo)といった超豪華な面々。

合わせて現時点で参加している全てのコンポーザーのラインナップ映像も公開となった。

参加コンポーザーラインナップ映像
URL: https://youtu.be/jJ6QCaqCC5g

このメンツを見るだけでも胸アツラインナップだが、今後もさらに参加コンポーザーが発表されるようなので
今からこちらも楽しみに待ちたい。
いよいよ第1話放送まで1週間に迫った他に類を見ない本作に是非ご期待ください!!

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INFORMATION

OPテーマ「Kiss Me」/ EDテーマ「Hold Me Now」
キャロル&チューズデイ(Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann)
5月29日(水)発売

<収録曲>
1. Kiss Me (作詞/作曲/編曲:Nulbarich)
2. Hold Me Now (作詞/作曲/編曲:Benny Sings)
3. Kiss Me TV size ver.
4. Hold Me Now TV size ver.

※シングルCD
VTCL-35302/POS:T4580325 328578
¥1,300+tax

※アナログ盤
VTJL-2 /T4580325 328622
¥2,000+tax

※配信
iTunes Store、レコチョク、moraほか主要ダウンロードサイト及びサブスクリプションサービスにて5月29日(水)より配信スタート

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渡辺信一郎監督の新作「キャロル&チューズデイ」に楽曲を提供するアーティスト第3弾。
フライング・ロータスは正真正銘、現在の音楽シーンのカギを握る最重要人物だ。彼は本名をスティーヴ・エリソンというプロデューサーで、83年にロサンゼルスで、お婆さんのお姉さんがアリス・コルトレーンという家系に生まれた。06年にビート・メイカーとしてデビュー。08年には自らのレーベル=ブレインフィーダーを立ち上げ、ヒップホップやテクノ、ジャズなどを包括するLAのビート・シーンを先導する存在となった。今のところの最新作『ユーアー・デッド!』にはラッパーのケンドリック・ラマーやハービー・ハンコックなども参加している。昨年8月には“ソニックマニア”出演のために来日し、3D映像と融合したDJステージを展開、そこでもゲームや『攻殻機動隊』サントラなどをプレイしたが、「カウボーイ・ビバップ」なども好きだったようで、渡辺信一郎監督の『ブレードランナー ブラックアウト2022』の音楽を監督からの要望で担当してもいる。
 そんなフライング・ロータスと楽曲を共作するのがサンダーキャット。ブレインフィーダー・レーベルに所属するロータスの盟友の一人だ。彼は本名をスティーヴン・ブルーナーといい、84年にLAで生まれた。ベーシストとしてスラッシュ・メタルのスイサイダル・テンデンシーズから、R&Bのエリカ・バドゥ、ラップのケンドリック・ラマーまで、様々なアーティストと共演してきたが、そんな経歴を詰め込んだようなハイブリッドな音楽性で11年にソロ・デビューした。シンガー・ソングライター的な側面を強めた『ドランク』(17年)はそんな彼の決定版で、マイケル・マクドナルドなどを迎えた「ショウ・ユー・ザ・ウェイ」はAOR再評価の波と相まって、大きな話題となった。
 ☆Taku Takahashiは日本のDJ、音楽プロデューサー。98年からm-floのトラック・メイカーとして活動、99年にメジャー・デビューしてからヒット曲を連発した。音楽プロデューサーとしても向井太一や加藤ミリヤ、MINMIなどを手がけ、最近では韓国のセクシー・グループ、EXIDの日本オリジナル曲もプロデュースした。また、アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」などのサントラも担当しており、渡辺信一郎監督作では「スペース☆ダンディ」にも楽曲提供している。
 G.RINA(ジー・リナ、グディングス・リナ)は日本の女性シンガー/ビートメイカー/DJ。03年にすべてセルフ・プロデュースで作り上げたアルバムでデビューした。ディスコ/ソウル/ヒップホップを始め、広くダンス・ミュージックにこだわった音楽性で、07年にはビクターからメジャー・デビューしたが、同時にインディ・レーベルも主宰するなど、独自の活動を続けている。土岐麻子やNegiccoなどへの楽曲提供から、tofubeats、鎮座DOPENESSなどとのコラボなど、幅広い領域で活動している。
 Maika Loubté(マイカ ルブテ)は日本人の母とフランス人の父の間に生まれた女性シンガー・ソングライター/トラックメイカー/DJ。10代まで日本・パリ・香港で過ごし、14歳で作詞/作曲を始めた。小山田圭吾、鈴木慶一、菊地成孔などとの共演を経て、14年にアルバム・デビュー。ヴィンテージなアナログ・シンセから最新電子楽器までを駆使した宅録女子として独自の世界を作り上げている。CM音楽や劇中歌なども数多く手がける気鋭のクリエイターだ。

Text: 高橋修

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Flying Lotus(フライング・ロータス)
LA出身のプロデューサー、フライング・ロータスことスティーヴン・エリソン。大叔父にモダンジャズの名サックスプレイヤーのジョン・コルトレーン、そしてその妻でありジャズミュージシャンのアリス・コルトレーンを大叔母に持つ。LAビートシーンの最重要人物にして、サンダーキャットやテイラー・マクファーリン、ティーブスらを輩出した人気レーベル〈Brainfeeder〉を主宰。2010年の『Cosmogramma』、2012年の『Until The Quiet Comes』、そして世界各国で自己最高のセールスを記録し、その年を代表する名盤として高い評価を受けた2014年の『You're Dead!』などのアルバムを通して、その評価を絶対的なものとする。2017年には、自ら手がけた映画『KUSO』の公開や、渡辺信一郎監督の短編アニメーション『ブレードランナー ブラックアウト 2022』の音楽を手がけるなど、その活躍の場をさらに広げている。

Thundercat(サンダーキャット)
フライング・ロータス諸作を始め、ケンドリック・ラマー、カマシ・ワシントンらの作品に参加する超絶技巧のベーシストとしてシーンに登場し、ここ数年のブラックミュージックの盛り上がりにおいて、誰もが認める立役者の一人にまで成長したサンダーキャット。2011年の『The Golden Age Of Apocalypse』、2013年の『Apocalypse』でその実力の高さを証明し、2017年の音楽シーンを象徴する傑作として高く評価された最新作『Drunk』ではケンドリック・ラマー、ファレル・ウィリアムス、フライング・ロータス、マイケル・マクドナルド、ケニー・ロギンス、ウィズ・カリファ、カマシ・ワシントンら超豪華アーティストが勢揃いしたことでも話題となり、その人気を決定づけた。

G.RINA (ジーリナ)
シンガーソングビートメイカー・DJ
近作アルバム『Lotta Love』『LIVE & LEARN』では80年代 90年代へのオマージュとともに、日本語歌詞のメロウファンク、ディスコ、モダンソウルを追求している。英国、韓国アーティスト、ヒップホップからアイドルまで幅広くプロデュース、詞/楽曲提供、客演など。2018年、ZEN-LA-ROCK、鎮座ドープネスとともにヒップホップユニット「FNCY」を結成。
https://grina.info

Maika Loubté (マイカ ルブテ)
Singer song writer / Track maker
SSW/トラックメーカー/DJ。近所のリサイクルショップでヴィ ンテージアナログシンセサイザーを購入したことをきっかけに、ドリームポップとエレク トロニックミュージックを融合させたスタイルで音楽制作を始める。 日本とフランスのミックスであり、幼少期から十代を日本・パリ・香港で過ごす。
2016年夏、アルバム『Le Zip』(DIGITAL/CD+42P PHOTO BOOK)をリリース。
のち2017年3月にリリースしたEP『SKYDIVER』がJ-WAVE「TOKIO HOT 100」に選出され、
番組にも出演。2017年5月、Underworldがヘッドライナーを務めた バンコクの音楽フェス
「SUPER SUMMER SOUND 2017」に出演。 SUMMER SONIC 2017出演。同年7月、Gap“1969 Records”とのコラボレーションによりMVが制作された「Candy Haus」を、配信と7インチLPでリリース。
インディペンデントな活動を続けながら、Shu Uemuraやagnès bなどの 数々のファッションブランドやCM音楽をプロデュースし、これまでに自主盤を含め2つのアルバムと3つのシングルEPを発表。
2017年、米Highsnobietyが企画・制作したMercedes BenzのWeb CMに出演し、
未発表曲がフィーチャーされた。台湾・中国・韓国・タイ・フランスでのライブパフォーマンスも成功させ、活動の幅を広げている。2019年、新作フルアルバムをリリース予定。元Cibo MattoのMiho Hatoriらを客演に迎え、PhoenixやDaftpunkなども手がけるAlex Gopherがマスタリングを務めた。
Official web www.maikaloubte.com
Twitter https://twitter.com/maika_loubte
Instagram https://www.instagram.com/maika_loubte/

☆Taku Takahashi (m-flo)
DJ、プロデューサー。98年にVERBAL、LISAとm-floを結成。
ソロとしてもCalvin Harris、The Ting Tings、NEWS、V6、Crystal Kay、加藤ミリヤ、MINMIなど国内外アーティストのプロデュースやRemix制作も行うほか、アニメ「Panty&Stocking with Garterbelt」、ドラマ・映画「信長協奏曲」、ゲーム「ロード オブ ヴァーミリオン III」など様々な分野でサウンドトラックも監修。2010年にリリースした「Incoming... TAKU Remix」は世界最大のダンスミュージック配信サイト“beatport”で、D&Bチャートにて年間1位を獲得。また同曲で、過去受賞者にはアンダーワールドやファットボーイ・スリム、ジャスティス等、今や誰もが知っているスーパースター達が名を連ねる『beatport MUSIC AWARDS 2011 TOP TRACKS』を獲得し、日本人として初めての快挙を成し遂げ、名実ともに世界に通用する事を証明した。
国内外でのDJ活動でクラブシーンでも絶大なる支持を集め、LOUDの“DJ50/50”ランキング国内の部で3年連続1位を獲得し、日本を牽引する存在としてTOP DJの仲間入りを果たした。2011年に自身が立ち上げた日本初のダンスミュージック専門インターネットラジオ「block.fm」は新たな音楽ムーブメントの起点となっている。2018年3月7日には、15年ぶりにLISAが復帰しリユニオンしたm-floのNEW EP「the tripod e.p.2」をリリース。m-floの最新シングル「MARS DRIVE」「Piece of me」「epic」も好評配信中。
https://twitter.com/takudj
https://block.fm/

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《キャロル&チューズデイとは?》

ボンズ20周年×フライングドッグ10周年記念作品。
総監督に『サムライチャンプルー』・『カウボーイビバップ』・『アニマトリクス』・『ブレードランナー ブラックアウト2022』ほかを手掛け国内外においてカリスマ的な人気を誇る、渡辺信一郎。
キャラクター原案に、日清食品カップヌードルCM「HUNGRY DAYS 魔女の宅急便篇」、「HUNGRY DAYSアルプスの少女ハイジ篇」などのキャラクターデザインで人気を博している窪之内英策。
この強力タッグのもと、アニメーション制作は『COWBOY BEBOP 天国の扉』・『鋼の錬金術師』・『交響詩篇エウレカセブン』・『僕のヒーローアカデミア』など数多くのヒット作品を世に送り続けるボンズ、物語の主軸となる音楽は『カウボーイビバップ』・『マクロス』シリーズなど数々のヒットアニメーション音楽を作り出すフライングドッグが担当する。
劇中音楽はカナダ出身のアーティストMockyが手掛け、主題歌は全世界オーディションによって選出されたNai Br.XX(ナイ・ブリックス)、Celeina Ann(セレイナ・アン)がキャロル・チューズデイのWキャストとして曲を歌唱する。音楽にも強い拘りがある本作は海外アーティストからの楽曲提供が多く、さらに劇中歌及び主題歌は全て外国語で歌唱される。
オープニングテーマ「Kiss Me」は現在、男女問わず絶大な人気を誇るNulbarich(ナルバリッチ)。エンディングテーマ「Hold Me Now」はオランダを代表するポップの才人・Benny Sings(ベニー・シングス)が担当。また、劇中ボーカル曲参加コンポーザーとして、ノルウェー出身の音楽プロデューサー・ミュージシャンのLido、オランダを代表するポップの才人・Benny Sings、エレクトロポップデュオ《The Postal Service》への参加でも知られるUSインディー界の歌姫・JEN WOOD、女性4人によるロックバンド・《赤い公園》でギターを担当する津野米咲、ビヨンセやリアーナ、ジェニファーロペスなど超大物アーティストに楽曲を提供しているEvan "Kidd" Bogart、現在活動停止中ではあるがロック・ファンにはなじみの深いKeane(キーン)のTim Rice-Oxley、コーネリアスやファイストなどとのコラボも話題となったノルウェー出身のグループ、Kings of Convenience(キングス・オブ・コンビニエンス)のEirik Glambek Bøe等といったこちらも早々たる面子が音楽で本編を彩る。
2019年4月10日からのオンエアに向けて本編、音楽ともに絶賛鋭意制作中!
他に類をみない本作品に乞うご期待!!!

☆新プロモーション映像
 URL: https://youtu.be/CBak9m0bcB0
☆ドキュメンタリー映像
・Story of Miracle (vol.1)
 URL: https://youtu.be/hzxqk2dVvf4
・Story of Miracle (vol.2)
 URL: https://youtu.be/K8X10gdWz-A

《あらすじ》
人類が新たなフロンティア、火星に移り住んでから50年になろうという時代。
多くのカルチャーはAI によって作られ、人はそれを享楽する側となった時代。
ひとりの女の子がいた。
首都、アルバシティでタフに生き抜く彼女は、働きながらミュージシャンを目指してい
た。いつも、何かが足りないと感じていた。
彼女の名はキャロル。
ひとりの女の子がいた。
地方都市、ハーシェルシティの裕福な家に生まれ、ミュージシャンになりたいと思ってい
たが、誰にも理解されずにいた。世界でいちばん孤独だと思っていた。
彼女の名はチューズデイ。
ふたりは、偶然出会った。
歌わずにいられなかった。
音を出さずにいられなかった。
ふたりなら、それができる気がした。
ふたりは、こんな時代にほんのささやかな波風を立てるだろう。
そしてそれは、いつしか大きな波へと変わっていく───

■メインスタッフ
原作:BONES・渡辺信一郎
総監督:渡辺信一郎
監督:堀 元宣
キャラクター原案:窪之内英策
キャラクターデザイン:斎藤恒徳
メインアニメーター:伊藤嘉之、紺野直幸
世界観デザイン:ロマン・トマ、ブリュネ・スタニスラス
美術監督:河野羚
色彩設計:垣田由紀子
撮影監督:池上真崇
3DCGディレクター:三宅拓馬
編集:坂本久美子
音楽:Mocky
音響効果:倉橋静男
MIXエンジニア:薮原正史
音楽制作:フライングドッグ
アニメーション制作:ボンズ
公式HP: https://caroleandtuesday.com/
Twtter: @carole_tuesday
Instgram: @caroleandtuesday
Facebook: https://www.facebook.com/caroleandtuesdayofficial/

©ボンズ・渡辺信一郎/キャロル&チューズデイ製作委員会

《主題歌情報》
オープニングテーマ「Kiss Me」
作詞・作曲・編曲:Nulbarich
歌:キャロル&チューズデイ(Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann)

エンディングテーマ「Hold Me Now」
作詞・作曲・編曲:Benny Sings
歌:キャロル&チューズデイ(Vo. Nai Br.XX & Celeina Ann)

■メインキャスト
キャロル:島袋美由利
チューズデイ:市ノ瀬加那
ガス:大塚明夫
ロディ:入野自由
アンジェラ:上坂すみれ
タオ:神谷浩史
アーティガン:宮野真守
ダリア:堀内賢雄
ヴァレリー:宮寺智子
スペンサー:櫻井孝宏
クリスタル:坂本真綾
スキップ:安元洋貴

■シンガーボイス
Nai Br.XX(キャロル)
Celeina Ann(チューズデイ)
Alisa(アンジェラ)

■本作参加コンポーザー
Mocky / Nulbarich / Benny Sings / Lido / JEN WOOD / 津野米咲(赤い公園) / Evan "Kidd" Bogart / Tim Rice-Oxley (Keane) / Eirik Glambek Bøe (Kings of Convenience) / Flying Lotus / Thundercat / G.RINA / Maika Loubté / ☆Taku Takahashi (m-flo)
・・・and more

《タイアップ》
ノード、ギブソンとのタイアップ決定!!
世界のトッププレイヤーたちが愛用するシンセサイザー/キーボードの“Nord”ブランドと世界的老舗ギターメーカー“ギブソン” (Hummingbird)とのコラボレーションが決定!
キャロルのキーボード、チューズデイのギターにはそれぞれNord、ギブソンのロゴが入り、
リアルな音楽作品としてよりいっそう本タイトルを盛り上げます。

協力:株式会社ヤマハミュージックジャパン(日本国内におけるNordブランド製品の輸入・販売元)

《放送情報》
2019年4月10日よりフジテレビ「+Ultra」にて毎週水曜日24:55から放送開始(初回は25:05~)
NETFLIXにて4月10日配信開始。2話~毎週木曜日配信(日本先行)
ほか各局にて放送 (関西テレビ/東海テレビ/テレビ西日本/北海道文化放送/BSフジ)

・テレビ西日本 4月10日(水)25:55~26:25
・東海テレビ 4月13日(土)25:55~26:25
・北海道文化放送 4月14日(日)25:15~25:45
・関西テレビ 4月16日(火)25:55~26:25 
・BSフジ 4月17日(水)24:00~24:30 

ビリーブ 未来への大逆転 - ele-king

「民主主義を踏みにじるな」という言い方は誤解を招きやすい。民主主義を達成した社会など地球上には存在しないのだから。ないものは踏みにじれない。少数がすべてを決める社会ではなく、全員にのしかかってくる問題は全員で決めるというのが民主主義で、スイスのように全員でやるのは効率が悪いから代議士に話し合いの役目を託す制度があり、議会制というのはそうした方法のひとつではあるものの、唯一の手段であり続けるかどうかはわからないし、ほかにいい方法があるのならそれを採用すればいいとも思うけれど、どんなシステムを採用するにせよ、くじ引き制にでもならない限り、全員が話し合って意思決定を行うという土台は残るはず。「コミュニケーションは大切だ」という言い方も誤解を招きやすく、コミュニケーションはせざるを得ないものだし、自分が殺されることになっても「意見がない」という人はさすがにいないだろう。黙っていれば不利になると思う人ほどSNSで声を上げているのも、だから、当然の成り行きではある。アメリカで初めて男女平等が議論された最高裁の模様を描いた『ビリーブ』は社会の場におけるコミュニケーションの必要性を痛感させられる作品であった。通常、法廷ドラマというのは、複雑に入り組んだ犯人の動機を解明したり、相手の理屈を突き崩していく過程をスリリングに楽しむものだとは思うけれど、『ビリーブ』で焦点が当てられていたのは憲法解釈で、同じ文章を前にしながら、それがどれだけ解釈に可能性を与え、この場合でいえば男女平等という理念を導き出すツールとなっていたか。フランク・ダラボン『マジェスティック』でもラリー・チャールズ『ディクテーター』でも憲法を読み上げれば事態は収拾していく……というようなプリミティヴなレヴェルとはまるで違った。最高裁という場所が思想の生まれるところであり、知性の結晶として機能していることを実感し、権威として君臨できるのも当然だというか。

 現代アメリカを代表する女性といえばRBGとAOC、そしてオプラ・ウィンフリーとビヨンセになるだろうか(個人的にはティナ・フェイも!)。RBGことルース・べイダー・ギンズバーグは70年代に男女平等を訴えた最高裁の弁論で広く知られるところとなり、ビル・クリントンによってアメリカの最高裁判事では二人目の女性に選ばれた弁護士である。『ビリーブ』は彼女がどれだけ優秀な成績で大学の法科を卒業しようとも女性(で、しかもユダヤ人)が弁護士になれる時代ではなかったために、最初は大学で教授職にしか就くことができず、女性の社会進出に当時としては珍しく多大な理解を持っていた夫に助けられて最高裁に立つことができ、数々の有名な弁論の中でも「ワインバーガー対ワイゼンフェルド」訴訟を取り上げた作品となっている。面白いのは反抗期を迎えた娘が不良化して親の言うことを聞かなくなったのはいいとして、彼女が出かけていく先はロックやドラッグの世界ではなく、グロリア・スタイネムの集会だったということ。実話なのか適当につくったエピソードなのかは知らないけれど、そのようにして親に反抗してフェミニズムの集会に行っていた娘がある時、路上でヒューヒューと男たちに卑猥な言葉を浴びせられると、RBGは「無視しなさい」と忠告するも、そんな時代ではないと娘は男たちにはっきりと言い返す。これでRBGの心に火がつく。そこから最高裁まではまっしぐらである。『ビリーブ』ではそのようにして彼女の家族関係も物語の大きなファクターをなしている。それはさらに追って公開されるRBGのドキュメンタリー『RBG 最強の85才』でさらに詳細に描かれている。『ビリーブ』も『RBG』も単独で充分に面白い作品だけれど、『プラダを着た悪魔』に続いてヴォーグの編集長アナ・ウィンターの素顔を追った『ファッションが教えてくれたこと』を観るのと同じような相乗効果があり、続けて観れば愛も勇気も100倍増しで感じられることは請け合い。

『ビリーブ』では若い時に夫がガンで入院し、看病を続けながら法律の勉強を続けるRBGに焦点が当てられ、『RBG』ではその夫が他界する場面に多くの時間が費やされている。『ビリーブ』では「ワインバーガー対ワイゼンフェルド」訴訟を起こすまでの長い手続きを詳細に追うことで、裁判を起こす意義やその難しさなどが同時に語られていく。『RBG』では彼女が扱った他の有名な訴訟も次から次へとダイジェストで解説され、彼女が最高裁判事になってからも、ジョージ・ブッシュによって保守派の判事が2名も任命され、中道に近かった彼女の存在感が一気にリベラルへと横滑りし、そこからはむしろ彼女の思う通りに判決が下せず、RBGはむしろ最高裁判決に対して「反対意見」を述べる立場になっていく。そのことがしかし、彼女の人気を若い人たちの間で決定づけ、ネット上に「#ノトーリアスR.B.G.」というハッシュタグが立つとTシャツやマグカップまでつくられ、作品中で言われているように「ロックスター並みの」の人気者となり、ポップ・カルチャーの新たな象徴とまで言われることに。ノトーリアス(悪名高い)というネーミングはどう思うかと聞かれたRBGは「似たようなもんだわよ」と言ってノトーリアスB.I.G.とは「同じブルックリン生まれだし」と言って笑う。ほとんどTVを観たことがないというRBGに「サタデー・ナイト・ライヴ」でケイト・マッキノンが彼女のモノマネをやっているところを観せてもRBGは笑い転げていて、これはおそらくドナルド・トランプが大統領戦に出馬した際に批判的な発言をして判事の行動としては軽率だったと批判されて謝罪したという経緯があり、そのドナルド・トランプがやはり「サタデー・ナイト・ライヴ」でアレック・ボールドウィンに自分のモノマネをされて怒り心頭のツイートを連発していたことと対比させて見せる意図があるのだろう。RBGはこれに限らず、どんな場面でもとにかくお茶目だし、人間として可愛らしい。黒柳徹子や樹木希林が芸能人ではなく政治家や法律家だったら、こんな風に見えるのかなというか。


 日本で『ビリーブ』と『RBG』が公開される頃、RBGは86才になる(最高裁判事に定年はない)。トランプ時代になってから彼女が転倒して骨折した時はリベラルの火が消えてしまうと大騒ぎにもなった。また、両作を観ていると日本の女性たちはまだアメリカの60年代にいるとしか思えなくなってくるし、上に書いた以外にもとにかくエピソードが目白押しで、日本と照らし合わせて考えさせられることはとにかく多い。アメリカは個人主義だから組織的な圧力から個人を守るために過剰なほど正義が求められ、組織優先の日本では同じように正義を求める感覚はないのかもしれない(あるとしてもそれはネオ・リベラルがもたらすという皮肉でもある)。ツイッター上で振りかざされる正義感が座り心地のいい着地点を見出せないこともそのせいかなとは思うけれど、とはいえ、個人があってそれが組織に押しつぶされるという図式がまったくないわけではないし、「コミュニケーションせざるを得ない」のは圧倒的に個人の立場にいる人たちだとすれば、RBGに学べることは無限といっていいほど多いことは確か。

『ビリーブ 未来への大逆転』予告編

『RBG 最強の85才』予告編

Qrion - ele-king

 現代的でありつつどこか叙情的なダンス・チューンを次々と送り出す、札幌出身サンフランシスコ在住のDJ/プロデューサー、クリョーン(Qrion)。これまでスロウ・マジックやトキモンスタなどのリミックスを手がけ、デイダラスとも共演、ポーター・ロビンソンやライアン・ヘムズワース、カシミア・キャットらのツアーに帯同してきた彼女だけれど(初音ミクを使った曲もあり)、このたびなんと、昨年リリースされたEP「GAF 1」「GAF 2」の12インチ化を記念してリリース・パーティが開催される運びとなった。日時は4月30日、会場は CIRCUS Tokyo。当日は Taquwami、Submerse、ピー・J・アンダーソンらも出演するとのことで、これは見逃せない!

札幌出身で現在はサンフランシスコを拠点に活動しているDJ/プロデューサー、Qrion (クリョーン)が、スタイリッシュかつディープなハウス・サウンドをみせた2018年のEP「GAF 1」、「GAF 2」の楽曲が待望の 12 inch 化が決定。
平成最後の4月30日に CIRCUS TOKYO にてリリースを記念したパーティーを開催!

TITLE: PLANCHA × CIRCUS presents Qrion 『GAF』 Release party
DATE: 2019.4.30 (TUE/HOLIDAY) OPEN 18:00

LINE UP:
Qrion
Taquwami
Submerse
Pee.J Anderson

ADV: 2,800yen
DOOR: 3,300yen
(別途1ドリンク代金600yen必要)

TICKET:
Peatix:https://qrion.peatix.com/
イープラ:https://eplus.jp/
チケットぴあ:P-CODE (149133)

VENUE: CIRCUS Tokyo
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷3-26-16
03-6419-7520
https://www.circus-tokyo.jp

▼ Qrion

札幌出身、現在はアメリカ・サンフランシスコを拠点とするトラックメイカー/プロデューサー。10代の頃からオンラインを中心に音源をリリースし注目を集め、Ryan Hemsworth、How To Dress Well、Giraffage、i am robot and proud ら海外のプロデューサーとの共作が一挙に話題となり、瞬く間に世界中に Qrion の名が広がり、海外からのオファーが殺到、〈Fool’s Gold〉、〈Carpark Records〉、〈NestHQ〉、〈Secret Songs〉などの世界中のレーベルからリリース、「Trip」、「Just a Part of Life」といった自身の作品のほか、TOKiMONSTA、Slow Magic などのリミックス作品もリリースしている。

さらに Qrion は世界中をツアーしており、Slow Magic との28日間の北米ツアーを終えた、Porter Robinson、Ryan Hemsworth、Cashmere Cat, and Giraffage のツアーにも帯同、この秋の自身の最新EPとなる「GAF」のリリース・ツアーでは、LA、ニューヨーク、サンランシスコ、札幌、東京など、アメリカと日本で全8公演を成功裡に収め、更には、世界最大級のダンス・ミュージック・フェス Tomorrowland 2018 出演を始め、HARD Summer、Holy Ship、Moogfest、NoisePop、SXSWのショーケース、Serentiy Fest、更には日本の TAICOCLUB’ 18 など、多くのフェスティバルでもプレイ。 2018年に世界基準でさらなる話題を集める、今最も注目すべきアーティスト。

▼ Taquwami

作曲家。これまでにいくつかのEPといくつかのmp3をインターネット上でリリース。その他プロデュースワークやリミックスワークも多数手がける。

▼ submerse

イギリス出身の submerse は超個人的な影響を独自のセンスで消化し、ビート・ミュージック、ヒップホップ、エレクトロニカを縦横無尽に横断するユニークなスタイルを持つDJ/ビートメーカーとして知られている。これまでにベルリンの老舗レーベル〈Project: Mooncircle〉などから作品をリリースしている。SonarSound Tokyo2013、Boiler Room、Low End Theory などに出演。
また、Pitchfork、FACT Magazine、XLR8R、BBCといった影響力のあるメディアから高い評価を受ける。2017年に90年代のスロウジャムやヒップホップを昇華させたニューアルバム『Are You Anywhere』をリリース!

▼ Pee.J Anderson

Pee.J Anderson (ピー・ジェイ・アンダーソン)は Al Jarriem (アル ジャリーム)と JOMNI (ジョムニ)による関西出身の Deep House ユニット。
2017年末のハウス・シーンに突如現れ、精力的にリリースやライブ活動を行い東京のダンスフロアを彩り続ける。PCライブをベースに、ボーカルや楽器による生演奏と併せて4つ打ちを鳴らすスタイルからクラブ界隈で異才を放つ。

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