ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. 異次元の常識──パンク/ハードコアの思想とメッセージ
  2. ジャパニーズ・ヒップホップ第二世代──あるDJの証言
  3. Arab Strap - Half-Told Tales | アラブ・ストラップ
  4. Moodymann ──ムーディーマンの来日公演が決定、今年は東京と京都をツアー
  5. Protomartyr - Hotel Usona | プロトマーター
  6. DREAMING IN THE NIGHTMARE 第2回 ずっと夜でいたいのに――Boiler Roomをめぐるあれこれ
  7. METHOD MOTEL - @名古屋・栄CENTRAL
  8. Eden Aurelius - Entre Nous / emer ft. Ugnė Uma - You and Me | エデン・オーレリウス、エメル、ウグネ・ウマ
  9. interview with Adrian Sherwood and Nightmares On Wax UKダブ・“トーク”・セッション | ――エイドリアン・シャーウッド×ナイトメアズ・オン・ワックス特別対談
  10. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  11. 細野晴臣 - Yours Sincerely | Haruomi Hosono
  12. Helen - Linda's Head | ヘレン
  13. Marcellus Pittman ──デトロイト・ハウス珠玉の逸材、マーセラス・ピットマンの来日ツアーが開催
  14. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定
  15. Columns ♯17:もしもパンクがなかったら ——その基礎知識と『パンク50周年記念号』刊行のお知らせ
  16. The Alchemist ──現代USヒップホップのキーパースン、ジ・アルケミストが来日
  17. aya × Violent Magic Orchestra ──初来日を果たす〈Hyperdub〉のアヤと、ブラックメタル・テクノ・プロジェクトVMOによる共同ツアー
  18. ゲーセン波乱万丈の100年史
  19. Boy Harsher - GET MEAN | ボーイ・ハーシャー
  20. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集

Home >  News > 90年代生まれの日本のインディ・ロック・バンドが面白い!

90年代生まれの日本のインディ・ロック・バンドが面白い!

Jul 08,2015 UP

 ……というのは、現場の人にはいまさらの言葉らしいのですが、ワタクシ野田は、このところ、尊敬する赤塚不二夫先生の生誕80周年(9月14日)に合わせた出版物のために、60代後半から70代にかけての大先輩方の貴重なお話しを聴いてまわり、それを原稿にまとめているのです。それは、この国の70年代サブカルチャーの重要な局面の話です。
 で、その最中に、隣の隣の席にいる橋元が、「ワイキキ・ビート(平均年齢21)はすごいっすよ!」とか、「ワイキキ・ビートがわからないようじゃ、マズいっすよ!」とか、しゃらくさいことを言いやがるわけですよ、これが。
 ぼくは洋楽ファンだけれど、なにもかもが舶来趣味というのには大いに抵抗があります。若いスターが日本のシーンから登場することは、健全だと思います。ところが、ことインディ・ロック・シーンにおいてここ数年気になっていたのは、やれピッチフォークで紹介されたとか、いわゆる「本場のお墨付き」ばかりを気にする向きが目に付くことです。それこそマズいです。相倉久人さんの1950年代の秋吉敏子さんへの厳しさを復習しましょう。
 欧米と日本との差は、耳の差と言うよりも、(世代や商業性やいろいろ越えた)包容力の差です。そんなわけで、ぼくも橋元に負けじと、90年代生まれの子たちの音を聴いてみました。そのなかで、「格好いい」と思ったバンドをここではふたつ紹介しましょう。


RIKI HIDAKA & jan
Double Happpiness In Lonesome China

STEREO RECORDS

D.A.N.
D.A.N. EP

P-VINE

Amazon

 まず、広島のSTEREO RECORDSから気合いの12インチ・レコードでリリースされたRIKI HIDAKA & jan『Double Happpiness In Lonesome China』。若いふたりの才能の結晶といいますか、これ、とんでもなくサイケデリックな世界が展開されます。表向きにはゆるくて恍惚としたギター・サウンドなのですが、曲のなかには底知れぬトリップが待っているのです。とにかく、素晴らしい名盤が誕生しました。ライヴ見たいです。

 もうひとつ、今回紹介したいのは、D.A.Nというバンドです。人気イラストレーターにしてカタコトのリーダー、ドラゴンくんがPVを作っていますが、彼らの音は……本当にモダンです。敢えてたとえるなら、チルウェイヴとジェイミーXXの溝を埋めるバンドです。こちらもまだシングル「D.A.N. EP」を出したばかりですが、そうとう期待が持てそうな人たちです。

 冒頭にて報告した仕事のなかで、高名なジャズ・ピアニストの山下洋輔さんにもお会いできました。山下さんの最初のエッセイ集にはこんな言葉があります。「ジャズの現場で、音を発する側に参加している者がそこで聴いてもらいたいのは『音』であって、どんな言葉でもない」(『風雲ジャズ帖』)
 若き日本のインディ・ロックも、もはや「言葉(意味)」よりも音なのかもしれないなと、ぼくは思ったのです。いや、あるいはスタイルのみあれば他いらないとでも言うのでしょうか、橋元さん。うん、それもひとつの更新のされ方ですよね。あるいは、そこからほかに何か導き出せるのでしょうか……注目したいと思います。

NEWS