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Home >  News > 平井玄 × 酒井隆史 - ──「旗」を見かけなくなった? 最近の傾向から新自由主義を捉え直すイベントが開催

平井玄 × 酒井隆史

平井玄 × 酒井隆史

──「旗」を見かけなくなった? 最近の傾向から新自由主義を捉え直すイベントが開催

Dec 16,2019 UP

 この夏、文庫化されたことでふたたび注目を集めている本がある。酒井隆史『完全版 自由論──現在性の系譜学』(河出文庫)だ。もともとは2001年の9・11より前に刊行され、鋭く「新自由主義」を鋭く分析したこの本は、その後の時代が陥っていくことになる危機的状況を先どりしてもいて、文庫版では以降の情況を読み解く新たな考察が付加されている。著者は2004年にマーティン・ルーサー・キングやマルコム・Xらの思想を論じた『暴力の哲学』や、2011年に膨大な資料をもとに、知られざる大阪の都市改造の歴史を描き出した『通天閣』といった書を上梓してもおり、後者はサントリー学芸賞を受賞しているので、そちらでご記憶の方もおられよう。その酒井隆史が21日、渋谷勤労福祉会館にてトーク・イベントに出演する。
 聞き手は平井玄。フリー・ジャズなどの音楽と思想を媒介させながら、『破壊的音楽』『引き裂かれた声』『千のムジカ』といった数々の書を送り出してきた批評家だ(エレキングにも坂本龍一のレヴューやセシル・テイラーの追悼文を寄稿いただいている。1月末刊行予定の別エレじゃがたら特集号にも参加)。このふたりが、フランスの黄色いベストや香港のデモなど、昨今の運動であまり見かけることのなくなった「旗」を入り口に、資本主義や国家について語り合う。いまわたしたちが生きているのはどんな時代なのか、そのヒントをつかむ良い機会になるだろう。なお同イベントは「赤と黒の連続講座」として今後も続いていく模様で、今回はその第1回となる。

【赤と黒の連続講座】section1


赤と黒のあいだのanti資本主義

 フランスで続く「黄色いベスト」運動や香港の「時代革命」デモでは黒や赤の旗は影が薄い。
 田舎の交差点で加速社会にストップをかけるベストの蛍光色は忘れられた身分の徴だ。エッフェル塔の前で広げられる三色旗も決して増えることがない。中環広場でもアメリカを頼る星条旗は黒い群れに紛れてしまう。その黒い塊たちも黒旗を掲げないのである。2014年に街を埋めた傘のパステルカラーさえ色褪せていた。
 街頭からあらゆる旗が消えていく!!
 100万人の大群衆が「旗のない不穏」を抱えて動く。これは左右のポピュリズムによるステルス戦術とばかりはいえないだろう。おぼつかない希望と不安が地球上のいたるところで沸き上がっている。そして旗は消えても資本は人間を串ざしにすることを止めはしない。これが40年におよぶ新自由主義の結末である。
 この混沌から、アメリカ南部連合旗やハーケンクロイツを掲げ、菊の紋を崇めては旭日旗を振り回す者たちがいくら湧いて出ようと、これから何が群がり起こるのか誰にもわからない。
 我々の旗はどこへいったのか?
 赤も黒も雑色も、20世紀の境界を踏み越えて「資本主義と国家」を問う時が来た。
 気を吐く3人の研究者たちと共に、まずはこの「旗のない不穏」を語り合うところから始めよう。

2019年12月21日(土)
14時~17時
資料代 500円
☆渋谷勤労福祉会館 2階 第1洋室

酒井隆史
(デイヴィッド・グレーバー『負債論』監訳(以文社)など。)

主催:赤と黒の連続講座/連絡先:090-1429-9480 LACC̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶̶

▶coming soon
2020年1月25日(土)
廣瀬純  (『資本の専制、奴隷の反逆』(航思社)など。)
2020年3月28日(土)
植村邦彦 (『隠された奴隷制』(集英社)など。)

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