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Home >  News > Sleaford Mods - ──現在イギリスのメディアからこれほど好かれているバンドは他にいないだろう(スリーフォード・モッズの新作情報)

Sleaford Mods

Sleaford Mods

──現在イギリスのメディアからこれほど好かれているバンドは他にいないだろう(スリーフォード・モッズの新作情報)

Nov 02,2020 UP

 今日では、音楽なんぞにとくに興味がない人でもモッズパーカは知っているし、着ていたりもする。それはラモーンズも聴いたことのない人が穴の空いたジーンズを穿いているのと似ている。「すべて売り物~」と歌ったのはアーント・サリー時代のPhewだが、いにしえの抵抗のアイテムもおおよそすべて商品化されている現代では、スキンヘッズのユニフォームすらも一般的なファッションアイテムになっている。ああ、いま、ホンモノのモッズは何処に……
 批評家マーク・フィッシャーは、ディック・ヘブディジ(社会文化研究者の草分けで、『サブカルチャー』が有名)のモッズ論を引用しつつこう書いている。「60年代のモッズは、たとえ脂っぽいチップスやパーカ、スクーターやグリース、ギャングやクラブでさえも、グラマラスな夢のなかのものとして存在していた。スリーフォード・モッズに残っているものといえば、ポテトチップスとグリースぐらいだが」
 
 スリーフォード・モッズのジェイソン・ウィリアムソンは、90年代のブリット・ポップの熱狂に乗れなかった若者のひとりだった。勘が働いたのだろう。あのときの浮かれたイギリスにおいては、オアシスにせよブラーにせよ、どちらもモッズ・ファッションで、それがまた英国のポップの象徴として機能した。ジョイソンはその波には乗らなかった。が、ジェイソンはスクーターに乗り、やがて“モッズ”を名乗った。
 モッズは貧乏な労働者階級の文化から来ている。ジェイソンがいまモッズを名乗ることにはそんな意味も含まれている。また、いまもなおモッズでいるというのは、彼らの年齢を思えばレトリックでもありユーモアでもあるのだろう。それは彼らの政治性ともリンクしている。60年代のモッズがスクーターに乗って着飾ることは、その時代の若者にとって実現可能でささやかな資本主義的な快楽でもあった。

 資本主義(経済)というのは、スリーフォード・モッズにとって大きなテーマだ。『緊縮時代の犬ども(Austerity Dogs)』というのが彼らの出世作だったが、彼らの音楽は、働く人たちを追い込んでいる、現在の新自由主義がもたらす諸問題に政府が充分に対応してきれていないことに腹を立てている。ザ・クワイエタスはスリーフォード・モッズをこう表現している。「賃金の停滞、インフレ、福祉国家の崩壊に直面しながら働いている人たちの絶望感、現在のイギリスの窮地をこれほど要約しているバンドは他にいない」
 我々に言わせれば、「現在イギリスのメディア(右翼系を除く)からこれほど好かれているバンドは他にいない」である。いまやストームジーと並ぶ存在だ。最近は、アイドルズとのディスり合戦(アイドルズが労働者階級を装っていることへのクレームが発端)を繰り広げると、ファット・ホワイト・ファミリーが参戦してスリーフォード・モッズの味方をしたりと、場外乱闘でも話題を提供している。
 フィッシャーいわく「都会的な魅力や軽快な叙情性ないしは素朴なロマン主義、こういったものの欠如はイギリスではもっとも愛されない」と、そしてそれがスリーフォード・モッズである。ジェイソンは堂々と広く愛されないアクセント(訛り)で歌っている。その「極端な怒りは、イギリスの政治の失敗に対する階級意識の鋭さによって力説される」。そして今年はベスト盤が国内チャートで1位になったりと、スリーフォード・モッズはいまや歴としたイギリスを代表するバンドのひとつなのだ(つまり、すっかり愛されてしまった!)。来年の1月には新作が出るとのことで、アルバムのタイトルは『Spare Ribs(代わりの肋骨)』。絶望感をいだきながら働いている人はぜひ耳の穴にぶち込んでくれ。新曲がまた最高で、MVも最高。暗い時代のなかで明るい気持ちを抱かせてくれるのはたいていこんな奴らじゃない?

Sleaford Mods - Mork n Mindy


「俺たちの命は、ほとんどの政府にとって消耗品であり金融制度システムの下では二の次に過ぎないものだ。俺たちは家畜のようなものであり、利益を得るための棚の上の部品であり、何らかの危機ーそれが捏造されたものであれ、捏造されていないものであれーが起こり、生産性を脅かすことになれば、すぐにでも破棄される。これは不変なことで、特に現在のパンデミックではそれが明らかにそして顕著になった。…人間の体が、全ての肋骨(Ribs)なしでもまだ生き延びることができるのと同じように、俺たちは皆、資本主義が維持されるための“代わりの肋骨(Spare Ribs)”であり、無知と遠隔的な支配のせいで、パーツ交換が可能な存在なんだ」
──ジェイソン・ウィリアムソン

Sleaford Mods
Spare Ribs

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