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RIP

R.I.P マジック・アレックス,マジアレ(村松誉啓)

R.I.P マジック・アレックス,マジアレ(村松誉啓)

野田 努 Jan 25,2017 UP

 90年代の東京で、忘れられようにも忘れられないエレクトロとRAP(しかもナンセンス/ユーモア満載)、デビューが早すぎたといっても過言ではないADS~(DJであるコンピューマとアキラ・ザ・マインドによるユニット)スマーフ男組のラッパーにしてプロデューサーにしてDJにして音楽ライター/編集者でもあったマジック・アレックス,マジアレ(村松誉啓)が1月22日、胃潰瘍出血ために永眠した。あまりにもショックで、いまは悲しみしかない。
 ぼくが村松君(とぼくは彼を呼んでいた)と最後に会ったのは、中原昌也氏と静岡でトークをした晩、ラジシャンの深夜、ヘアー・スタイリスティックスがライヴをした夜だったから、あれは何年前のことであろうか……。2010年になるかならないか。村松君がクラブで元気いっぱいに踊っている姿はいまでも憶えている。
 日本の音楽を研究されている方は、90年代のこの宝石にぜひ巡り会って欲しい。ADS、スマーフ男組、そしてマジック・アレックス,マジアレ。ザ・コールド・クラッシュ・ブラザーズ、プラネット・パトロール、ジョンズン・クルー、マントロニクス、マン・パリッシュ……ADS、スマーフ男組、そしてマジック・アレックス,マジアレ、そしてその文才。村松君、さようなら。


以下、ele-king 1997年 vol.12から。

ADSが、如何にしてしてエレクトロものそのレパートリーになったのか
文:村松誉啓

 愛・エレクトロ2、という副題がついているからといって、この「エレキング」そのどこをひっくり返しても、その1は見つからない。それはほかに書いたものだ。3はどこかに書かせてもらおうかしら。さあ、はやくエレクトロの話をはじめたいけれども、でも、ぼくはいまたとえば、アストル・ピアソラにぞっこんで、3週間かそこらでCDを60枚近く買ってみたりする。ご存じだろうか。ピアソラはアルゼンチンタンゴのアーティストだ。ブエノスアイレス! そして残念ながら、ぼくはサン・ラのコレクターでもある(たくさん持っている、とはとても言えない程度にだけれど)。“ああ、そうかエレクトロって手強そうだな”っていま思ったでしょ? そんな、あはは。
 A.D.Sでなぜエレクトロをやってみているのかというと、たんにそれは好きだからなのだけれど(それでおしまい)、ぼくも、ターンテーブルや短波ラジオをやっている松永君も、もうおじいさんなので(野田注:当時29才)、プラネット・ロックのころ高校生で、国内盤12インチが出たときに買っているのだ。つまりひどく年季が入っているので、Jonzun Crewの1枚目のアルバムは“We are The Jonzun Crew”のミックス違いで2種類リリースされたことも押さえている。プラネット・ロックをプログラミングしたジョン・ロビーのことを評価してみたいと思うから、バカバカしいように思えるC-Bankのことを“最高!!”っといえるような度胸も坐っている。

 (ごめん、長いので略)

 このごろは、複雑なことをいいわけにしているような音楽が多すぎる、とぼくは感じている。ところでぼくは単純なものを愛している。ここ最近しばらく、単純なものやバカバカしいものにパワーがあるように思っている。それでありがたいことに、バカバカしいようなもののほうが今日的だ。ぼくはそう信じる。そんな世の中に思える。

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