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Tanz Tanz Berlin

Tanz Tanz Berlin

#2:ダニエル・ベルとの対話

浅沼優子 Apr 28,2010 UP

初めて〈Tresor〉に行ったときは、歩いてその草むらを通ったんだけど、コオロギの鳴き声が聞こえていた(笑)。田舎道を歩いているような気分になるんだけど、なかに入ったらジェフ・ミルズがDJしていた(笑)。

あなたがDJとして活動しはじめたのが90年代後半だったということにも驚きました。それまでDJはやっていなかったんですか?

ベル:それまではプロデュースばかりしていたからね。僕はクラブDJとしてこの世界に入ったわけじゃなくて、それまではバンドやヒップホップなんかをやっていた。86年頃かな、初めてハウス・ミュージックを聴いたとき、すごく興味を惹かれたんだ。すごく...... 空っぽな感じがして(笑)。こんなに空っぽな音楽をなぜ作るんだろう? なんて思って、クラブに行ってみたんだ。そしたら、それがクラブという環境では機能するということがわかって、本当に面白いと思ったんだ。当時は純粋なインストゥルメンタルのダンス・ミュージックというもの自体が新しかったし、それまで聴いたことがないものだった。僕もそれまで音楽をやっていたから、どんな機材を使ってどのように作っているかはすぐわかった。だから、自分でもやってみようって。そうやって曲を作りはじめたんだ。DJをはじめたのは、ぶっちゃけてしまうと、レコードを作っているだけでは生活できなかったから。その当時でさえもね。だから、曲作りを補うかたちで、DJもやってみようと思った。だから、それほど真剣に考えていなかったというか、それほど高いモチベーションがあったわけではなかったんだ。当時ブッキングされていたイヴェントにもあまり興味が持てなかったしね。本当にこのミックスCDを出してからだね、「やるなら本気で取り組もう、自分のベストを尽くそう」と思うようになったのは。それからDJとしての腕を上げるために時間も費やしたし努力もした...... それが僕にとってのこの10年だったというわけ。そのあいだあまりリリースをしていない理由だよ(笑)。

初めて〈Tresor〉でプレイしたときのことを覚えていますか?

ベル:うん、覚えているよ。最初に〈Tresor〉に行ったときのこともよく覚えてる。DJとしてでなく、客として行ったとき。たしか91年だ。

91年!オープンしたのはいつでしたっけ?

ベル:たしか、僕が行ったとき、まだオープンして数ヶ月しか経っていなかった。

では、本当に最初から知っているんですね。

ベル:ああ、その頃と比べると本当に(ベルリンが)変わったと思う。クラブのまわりには本当に何にもなくてね、壁があった場所だから、がらんとした巨大な空き地があった。それがいまはポツダム広場になっているんだから! あの頃はただの草むらだった。初めて〈Tresor〉に行ったときは、歩いてその草むらを通ったんだけど、コオロギの鳴き声が聞こえていた(笑)。田舎道を歩いているような気分になるんだけど、なかに入ったらジェフ・ミルズがDJしていた(笑)。強烈な印象だったね、それまでデトロイトでもベルリンのことはあまり知られていなかった。テクノやハウスがあるってことも知らなかった。情報がなかったんだ。本当に、〈Tresor〉が最初のきっかけだった。ジェフ・ミルズが〈Tresor〉レーベルからリリースすることになってからだ。

〈Tresor〉にはジェフ・ミルズの紹介で行ったんですか?

ベル:いい質問だな。どうだっただろう...... たぶん、ジェフではなくてベーシック・チャンネルのふたりだったと思う。モーリッツ・ヴォン・オズワルドとマーク・エルネストゥスだ。ベルリンに来たときはマークの家に泊まらせてもらっていた。

彼らとはレコードの販売などを通して知り合ったんですか?

ベル:いや、よくデトロイトに来ていたからね。デトロイトで出会ったんだ。みんな彼らとは知り合いだったし、いつも歓迎してくれて、家に泊まらせてくれた。とても良くしてくれたから、僕もときどきドイツに来て、マークの家に2週間くらい滞在させてもらっていたね。彼らを通してディミトリ(〈Tresor〉のオーナー)とも知り合った。92~93年のことだね。

 

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5/2 DJ @ 大阪 SoundChannel
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Profile

浅沼優子浅沼優子/Yuko Asanuma
フリーランス音楽ライター/通訳/翻訳家。複数の雑誌、ウェブサイトに執筆している他、歌詞の対訳や書籍の翻訳や映像作品の字幕制作なども手がける。ポリシーは「徹底現場主義」。現場で鍛えた耳と足腰には自信アリ。ディープでグルーヴィーな音楽はだいたい好き。2009年8月に東京からベルリンに拠点を移し、アーティストのマネージメントやブッキングも行っている。

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