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Tanz Tanz Berlin

Tanz Tanz Berlin

#4:ステファン・ゴールドマンとの対話

文:浅沼優子 Oct 12,2011 UP

B面とD面を組み合わせてループを構築することができるようにしたものを出しました。片方が4/4拍子で、もう片方が3/4拍子なので、同時にプレイすることで異なるリズムのループを作れるようになっています。何か人がやっていないことを考え出すのは、僕の趣味みたいなものです(笑)

■レーベルの今後の展開として、新たな計画などはありますか?

ゴールドマン:今後の予定は、同じアーティストたちと一緒にやっていくということ以外はとてもオープンです。向こう6ヶ月ほどの予定は決まっていますが、それ以降は決めていません。年内はエレクトロ・グッツィの新しいアルバムが11月に出て、ピーター・クルーダーのシングルが12月に出ます。来年は、そろそろ自分の制作に集中したいと思っています。ですから、リリースの数は少し減るかもしれません。実は、4月から京都にしばらく滞在する予定なんです。僕はハードウェアを中心に曲作りをするので、それまでにはある程度完成しているようにしたいですね。日本に全部持って行くわけには行きませんから。

■「アーティスト・イン・レジデンス」というプログラムで日本に行かれるということですが、そのことを少し教えて下さい。

ゴールドマン:はい。ドイツのゲーテ・インスティテュートが、京都に「ヴィラ鴨川」という施設を持っているんです。ドイツ文化を紹介する事業の一環として、ドイツのアーティストを3ヶ月滞在させ、日本のオーディエンスにドイツ文化を伝えたり、日本のアーティストとの交流を行います。実は遊び半分でそれに応募してみたところ、受け入れてもらえた(笑)。ちょっと驚きましたね!

■でも少なくとも日本に行きたいという気持ちはあったわけですよね?

ゴールドマン:もちろんです。日本には1度だけ、5日間だけしか行ったことがありませんが、とても興味を持ちました。5日間だけでは東京のいち部を見れただけで、不十分だと感じたんです。ですから、3ヶ月という時間があればだいぶ日本のことを知ることができると思いました。これまでにもフォース・オブ・ネイチャーのリミックスをやったり、〈Mule Musiq〉のミックスCDを制作したりと日本のアーティストやレーベルとも交流があったので、長期滞在することでより密なコラボレーションの機会も生まれるのではないかと思います。

■京都にはまだ行ったことがないんですね?

ゴールドマン:ないんです。いろんな人から話は聞いているんですけど。だからとても楽しみですね。

■東京とはまた全然違うところなので驚かれるとおもいますよ!

ゴールドマン:そうですね。とても美しいところだと聞いています。

■少し話を戻しますが、先ほど楽曲制作をはじめたのが90年代も終わりになってからのことだと聞いて少し驚きました。日本のリスナーでは知らない人も多いと思うんですが、あなたのお父さんは著名な作曲家でいらっしゃいますよね。少しお父さんのお話も聞かせて下さい。

ゴールドマン:実は、父は京都に行ったことがあって、同じゲーテ・インスティテュートで講義をしたこともあるんですよ! 父、フリードリッヒ・ゴールドマンはクラシックの作曲家であり指揮者でもありました。現代的・アヴァンギャルドな作品を手がけていました。有名なところで言うとシュトックハウゼンなどの系譜の音楽ですね。ですから、僕自身もそういう音楽を聴いて育ちました。十代の反抗期に入るまでは(笑)。反動でクラシックのピアニストやミュージシャンには絶対になりたくないと思いました(笑)。

■でも、それまでにレッスンを受けさせられたりはしていなかったんですか?

ゴールドマン:父はあまり気にしていませんでしたね。でも母は僕に長いあいだピアノの練習をさせようとしました。いまでは、そのお陰でMIDIキーボードなどの電子楽器を操作でき、すべてマウスでプログラムしたりする必要がないので良かったと思っていますが、当時はまったくピアノに興味が持てなかった。即興演奏は好きだったんですが、既存の曲を弾く練習をするのが嫌いだったんです。親もそれを見て諦めた(笑)。でも、僕が電子音楽をはじめてからは応援してくれましたよ。関心も持ってくれたし。

■お父さんは、電子音楽との関わりは全然なかったんですか?

ゴールドマン:なかったです。ただ、音大で彼の教え子だったポール・フリックという学生が、ブラント・ブラウアー・フリックというユニットをはじめて、彼と一緒に作曲をしたりもしていましたね。それに父の音楽仲間には実験的な電子音楽に触れていましたし、父の恩師であるカールハインツ・シュトックハウゼンは電子音楽のパイオニアのひとりですから。でも、自分自身では電子音楽を作曲したりプロデュースすることはありませんでした。

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Profile

浅沼優子浅沼優子/Yuko Asanuma
フリーランス音楽ライター/通訳/翻訳家。複数の雑誌、ウェブサイトに執筆している他、歌詞の対訳や書籍の翻訳や映像作品の字幕制作なども手がける。ポリシーは「徹底現場主義」。現場で鍛えた耳と足腰には自信アリ。ディープでグルーヴィーな音楽はだいたい好き。2009年8月に東京からベルリンに拠点を移し、アーティストのマネージメントやブッキングも行っている。

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