「Lea Lea」と一致するもの

Ichiro Tanimoto - ele-king

 パンデミック以降の東京の地下シーンで絶大な支持を集める新世代のトランス・カルト・クルー〈みんなのきもち〉の中心人物であるIchiro Tanimotoが、デビュー・アルバム『Solace From The Sun』を発表する。7038634357などの作品を輩出した中国・上海発のインディペンデント・レーベル〈Genome 6.66 Mbp〉より3月16日にリリース。

 『Solace From The Sun』はIchiro Tanimotoが音楽家を志す契機となった2020年に端を発し、4年の制作期間とともに自身の揺れ動く心情や混乱のなか掴んだ美学を14曲に託した意欲作。アルバム・タイトルの「solace=慰め」とは、あらゆる失意や苦難を洗い流すかのような朝焼け──レイヴやパーティの最後に全身を包むあの朝日──にインスパイアされて名付けられたとのこと。トランス・ミュージックでありながらほぼ全編がビートレスという構成も特徴的で、2010年代にかけて局所的に発展したウィッチ・ハウス、デコンストラクテッド・クラブやハイパーポップの源流とされるバブルガム・ベースが再発掘したSupersawサウンドの美しさに迫る内容となっている。

 世界的なトランス・リヴァイヴァルの潮流に乗っているようで、決してそうではない二面性が感じられるベッドルーム発のイマジナリーなクラブ・ミュージック、あるいはパンデミック禍がもたらしたアンビエント・ミュージックの突然変異体とでも言えるだろうか。そんなIchiro Tanimoto率いる〈みんなのきもち〉は、3月から5月にかけて台北、愛知、東京、シンガポール、北京、上海、成都、深圳を巡るアジアツアーを敢行することも発表しており、また同クルーのレーベル・ラインである〈Mizuha 罔象〉においても複数のリリースが控えている。

 COVID-19の影が世界を覆ったころ各地に撒かれた次世代の萌芽は、ポスト・コロナの時代を迎えたいま確実に花を咲かせはじめているようだ。

Ichiro Tanimoto – Solace From The Sun

Tracklist

01. New Dawn
02. Under The Same Sky
03. Sun Chorus
04. Lost Weekend (Spring)
05. 洗心
06. Green Sky
07. Yamatsumi
08. Still Air
09. 白夜 Midnight Sun
10. Lost Weekend (Winter)
11. Cave ft. Silént Phil
12. The Final Attempt Against Oblivion, 7 Minutes Before The Sunrise
13. Sunday Morning At Shibuya Crossing
14. A Worse Tomorrow

Artwork by Kazuma Watanabe (みんなのきもち)
Mastered by Lorenzi
Label: Genome 6.66 Mbp
Release Date:
Format: Digital

https://ichirotanimoto.bandcamp.com/album/gnm034-solace-from-the-sun

〈TEINEI〉 - ele-king

 東京から新たにアンビエントのレーベルが生まれた。その名も〈TEINEI〉。「丁寧」だろうか? ともあれ4月7日にまずは2作品が発売される。
 ひとつは、これまで自身のレーベル〈Purre Goohn〉から10年にわたり作品を発表しつづけている東京のアンビエント・アーティスト Haruhisa Tanaka によるアルバム。
 もうひとつは、フランスのレーベル〈LAAPS〉をはじめこちらも10年以上にわたりリリースを重ねているサウンド・アーティスト Tomotsugu Nakamura (坂本龍一トリビュート・コンピ『Micro Ambient Music』にも参加)のアルバムだ。
 〈TEINEI〉は今後も意欲的に活動を継続していくようで、注目しておきましょう。

アンビエントの新興レーベルTEINEIが
注目の邦人アーティスト2名のアルバム作品をデジタル配信とヴァイナルでそれぞれ
ダブルリリース!

東京を拠点する新興のアンビエント・アートレーベルTEINEIから、2名のアーティストのアルバム作品が配信とヴァイナルでそれぞれ4月7日に全世界向けにリリースされる。

TEINEIの第一作となるのは、カナダの老舗名門レーベル、Nettwerk Music Groupに所属したことでもしられる東京在住のアンビエント・ミュージシャン/音楽プロデューサー Haruhisa TanakaのNayuta。

Spotifyのアンビエントジャンルにおいて国内月間リスナー数No.1を誇り、Best of Ambient X 2023にも選出された現在最注目のアーティストの初ヴァイナル作品となる本作は、ギターレイヤーサウンドをベースに、環境音、アナログテープループ、オールドテクノロジーを駆使し、温かみのあるノスタルジックなサウンドが特徴の多幸アンビエント作品。

【リリース情報】
ARTIST : Haruhisa Tanaka
TITLE : Nayuta
CATALOG No : TEINEI-001
RELEASE DATE:2024/4/7
FORMAT:Digital / Streiming / Vinyl
LABEL:TEINEI

【トラックリスト】
01. Akatsuki
02. Waterfowl
03. Boundary
04. Nijimi
05. Hagoromo
06. Form
07. Kasumi
08. Cha tsu mi

TEINEI-001  Haruhisa Tanaka ”Nayuta”
https://linkco.re/EU4g4szG


同時発売となる第二作は、静寂をテーマとした坂本龍一氏のトリビュートアルバムMicro Ambient Musicにも参加し、2020年代に入ってフランスの有力アンビエントレーベルLAAPSから発売されたヴァイナル作品2作が軒並み完売となったサウンドアーティストTomotsugu NakamuraによるMoon Under Current。アコースティックサウンドとアナログシンセによって紡がれた今作は音と静寂の合間に生じる余白を楽しむことができるアンビエントミュージックの佳作となっている。

【リリース情報】
ARTIST : Tomotsugu Nakamura
TITLE : Moon Under Current
CATALOG No : TEINEI-002
RELEASE DATE:2024/4/7
FORMAT:Digital / Streiming / Vinyl
LABEL:TEINEI

【トラックリスト】
01. rain boundaries
02. dust
03. mahogany
04. moderate
05. temple / cathedral
06. blue lake
07. starfish
08. white screen

TEINEI-002   Tomotsugu Nakamura ”Moon Under Current”
https://linkco.re/ZA8e0Syt

同氏がレーベルオーナーをつとめるTEINEIは、アートレーベルと銘打っており、芸
術家、音楽家のコラボ出版を手がけるフランスのIIKKIなどとも連動しながら注目
の活動をつづけてゆくようだ。

https://teinei-label.com/
https://teinei.bandcamp.com/

Kamasi Washington - ele-king

 10年代以降のジャズにおける最重要人物のひとり、現代にスピリチュアル・ジャズを復権したLAのキーパースンがひさびさのアルバムを送り出す。題して『Fearless Movement』、カマシ・ワシントン本人曰く特別な意味の「ダンス・アルバム」だそうだ。ゲスト陣も豪華で、昨年要注目のニューエイジ作品を発表したアンドレ3000ジョージ・クリントンサンダーキャットテラス・マーティンBJ・ザ・シカゴ・キッドらが参加している。5月3日、前作『Heaven And Earth』に続き〈Young〉から世界同時リリース。

KAMASI WASHINGTON
カマシ・ワシントン待望の最新作
『Fearless Movement』を5月3日にリリース!
アンドレ3000、ジョージ・クリントン、サンダーキャット、テラス・マーティン、BJ・ザ・シカゴ・キッド他、多数参加!

圧倒的なカリスマ性で現代のジャズ・シーンを牽引するサックス奏者、カマシ・ワシントンが新作『Fearless Movement』を〈Young〉から5月3日にリリースすることを発表した。アルバム発表と合わせて公開された新曲「Prologue」は、長年のコラボレーターであるAG・ロハスが監督したビデオと共に公開された。

Kamasi Washington - Prologue
https://www.youtube.com/watch?v=c8cKN1rbJl4

新作『Fearless Movement』は、〈Brainfeeder〉からリリースされた2015年の『The Epic』、〈Young〉に移籍しリリースした『Heaven & Earth』に続く作品で、カマシ本人は本作をダンス・アルバムと説明する。「それは文字通りの意味ではないんだ。ダンスは動きであり、表現であり、ある意味、音楽と同じである。つまり、身体を通して自分の精神を表現するということ。このアルバムはその点を追求しているんだ」とカマシは振り返る。以前のアルバムが宇宙的なアイデアや実存的な概念を扱っていたのに対し、『Fearless Movement』は日常的なもの、つまり地球上の生活を探求することに焦点を当てている。この視点の変化は、数年前にカマシに第一子が誕生したことによるところが大きい という。

父親になるということは、自分の人生の地平線が突然拓けるということなんだ。自分の死すべき運命がより明白になっただけでなく、自分の不滅性も明らかになった。つまり、娘は生き続け、私が決して見ることのできないものを見ることになるのだ。私は、その事実を受け入れる必要があったし、それが自分の作る音楽に影響を与えた
──カマシ・ワシントン

このアルバムには、カマシの娘(「Asha The First」のメロディーは、彼女が最初にピアノで実験していた時期に書かれた)が参加しているだけでなく、新旧のコラボレーターが多数参加している。アンドレ3000(OutKast)がフルートで参加し、ジョージ・クリントン、BJ・ザ・シカゴ・キッド、イングルウッドのラッパーD・スモークがヴォーカルを提供し、さらに西海岸の伝説ラス・キャスの双子の息子たちである、コースト・コントラのタジとラス・オースティンも参加している。また、生涯の友人でありコラボレーターでもあるサンダーキャット、テラス・マーティン、パトリス・クイン、ブランドン・コールマン、DJ・バトルキャットという最強布陣で挑んだ。また本作には米人気TV番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』で初披露した「The Garden Path」も収録されている。

カマシ・ワシントンの最新作『Fearless Movement』は5月3日世界同時にリリースされる。国内盤2CDは高音質UHQCD仕様で解説書を封入。輸入盤は2CDと通常2枚組ブラック・ヴァイナルに加え、数量限定2枚組レッド・ヴァイナル+ブルー・ヴァイナルと、日本語帯付き数量限定2枚組レッド・ヴァイナル+ブルー・ヴァイナルが発売される。

Kamasi Washington / カマシ・ワシントン
ロサンゼルスで生まれ育ったマルチ演奏者、バンド・リーダー、作曲家。彼の現在までの3作品-『The Epic』、EP『Harmony of Difference』、『Heaven and Earth』は今世紀で最も高く評価された作品の中に入るだろう。『Heaven and Earth』の対の一方である短編映画「As Told To G/D Thyself」は2019年サンダンス映画祭で初公開され大絶賛された。2020年、ワシントンはミシェル・オバマのドキュメンタリー映画『Becoming』の音楽を担当し、エミー賞とグラミー賞にノミネートされた。また2020年、長年の友人でありコラボレーターでもあるロバート・グラスパー、テラス・マーティン、ナインス・ワンダーとスーパーグループ、ディナー・パーティーを結成し、彼らのEP『Dinner Party (Dessert)』はグラミー賞の最優秀プログレッシブR&Bアルバム賞にノミネートされた。2021年には、メタリカのカヴァー・プロジェクト「Metallica Blacklist」で「My Friend of Misery」をカヴァーした。ワシントンは世界中をツアーし、今までケンドリック・ラマー、フローレンス・アンド・ザ・マシーン、ハービー・ハンコックその他多数のアーティストたちと共演・コラボレーションしている。

label: Young / Beat Records
artist: Kamasi Wasington
title: Fearless Movement
release: 2024.05.03 (FRI)
2CD国内盤(高音質UHQCD仕様/解説書付き):¥3,200+tax
2CD輸入盤:¥2,400+tax

LP限定盤(数量限定/2枚組レッド・アンド・ブルー・ヴァイナル):¥5,300+tax
LP国内仕様盤(数量限定/2枚組/レッド・ヴァイナル+ブルー・ヴァイナル/日本語帯付き):¥5,600+tax

LP輸入盤(2枚組ブラックヴァイナル):¥5,000+tax

BEATINK.COM:
https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13956

TRACKLISTING
01. Lesanu
02. Asha The First (Feat. Thundercat, Taj Austin, Ras Austin)
03. Computer Love (Feat. Patrice Quinn, DJ Battlecat, Brandon Coleman)
04. The Visionary (Feat. Terrace Martin)
05. Get Lit (Feat. George Clinton, D Smoke)
06. Dream State (Feat. Andre 3000)
07. Together (Feat. BJ The Chicago Kid)
08. The Garden Path
09. Interstellar Peace (The Last Stance)
10. Road to Self (KO)
11. Lines in the Sand
12. Prologue

B.B.P. Business Before Pleasure - ele-king

Bonobo presents OUTLIER - ele-king

 元ダウンテンポの達人、現在はハウスに舵を切っているボノボはUKではかなりビッグな存在だ。彼がみずからキュレーションを手がけるイベントが「OUTLIER (アウトライアー) 」で、これまでロンドン、NY、サンフランシスコ、ベルリンで開催されてきているが、ついに5月18日、東京でも実現することになった(会場はO-EAST+DUO)。ラインナップは、昨年デビュー・アルバムを発表したいま要注目のハウス・アーティスト、ソフィア・コルテシス。日本からは真鍋大度と食品まつり a.k.a foodman が登場する。この面子を一気に一晩で体験できるとは、なんと贅沢なことだろう。昨年の来日公演同様ソールドアウトが予想されるので、チケットはお早めに。

BONOBOが仕掛けるクラブイベント
『OUTLIER』遂に日本上陸!

主宰のBONOBOに加え、
SOFIA KOURTESIS、真鍋大度、
食品まつり a.k.a foodmanの出演が決定!

幅広い音楽ファンを魅了する至高のDJプレイをお見逃しなく!
主催者WEB先行は明日10時よりスタート!

アーティスト/プロデューサーとしてグラミー賞に7度ノミネートされ、バンドセットで大型会場や音楽フェスのオーディエンスを熱狂させる一方、DJとしても官能的かつ情熱的なプレイで、ジャンルや国境を超えて絶大なる人気を獲得しているボノボが、自らキュレーションを手掛け、数多くの先鋭アーティスト達をフィーチャーし、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、ベルリンを始め世界各地で開催されているイベント、OUTLIER (アウトライアー) の日本開催がついに決定!会場はO-EAST~DUO~東間屋とエリアを拡張し、複数ステージ同時進行で開催される、朝まで楽しめるオールナイト・パーティーとなる。

満員のオーディエンスを熱狂させた昨年のO-EAST公演から1年、BONOBOの華麗なDJプレイが再びここ日本で堪能できるのに加え、昨年リリースしたデビューアルバム『Madres』が世界中で高評価を得ての初来日となるSOFIA KOURTESIS (ソフィア・コルテシス) の出演も決定!ダンスミュージックからインディーロックまで、幅広い音楽ファンを魅了する両者の奇跡の共演が実現!さらに日本を代表するトップクリエイター、真鍋大度と、〈Hyperdub〉所属のエレクトロニック・ミュージック・プロデューサー、食品まつり a.k.a foodmanが出演。今後発表される更なるラインナップ、さらにFOODやDRINK、POP-UPストアなどコンテンツにも要注目!主催者WEB先行は明日28日10時よりスタート!

Bonobo presents
OUTLIER

FEATURING:
BONOBO (DJ SET)
SOFIA KOURTESIS (DJ SET)
DAITO MANABE
FOODMAN
AND MUCH MORE !!!

公演日:2024年5月18日(土)
会場:O-EAST+DUO

OPEN/START:21:00 (オールナイト公演)
前売:¥7,200(税込) ※整理番号無し
※20歳未満入場不可。入場時にIDチェック有り。写真付き身分証をご持参ください。
INFO: BEATINK [www.beatink.com] / info@beatink.com
主催・企画制作:BEATINK / SHIBUYA TELEVISION

[TICKETS]

先行販売
●BEATINK主催者先行:2/28 (wed) 10:00~[https://beatink.zaiko.io/e/outliertokyo/] ※先着 / Eチケットのみ
●イープラス・プレイガイド最速先行受付:3/1(fri)10:00~3/5(tue)23:59 [https://eplus.jp/outlier/]

一般発売:3/16 (sat) 10:00~
●イープラス [ https://eplus.jp/outlier/ ]
●ローソンチケット[TBC]
●BEATINK [ https://beatink.zaiko.io/e/outliertokyo/ ]


Bonobo|ボノボ
ジャンルや国境を超えて絶大なる人気を誇るボノボことサイモン・グリーン。2017年の『Migration』、そしてキャリア史上最もエモーショナルな最高傑作と評される2022年の『Fragments』は、いずれもUKチャート初登場5位を記録。これまでに7度グラミー賞にノミネートされている。2022年のフジロックでは熱狂した観客で満員のWHITE STAGEを完全ダンスフロア化し、フジロックの歴史に強烈な足跡を残し、世界ツアーでは、総計200万人以上の動員を記録。ライブセットのみならず、クールな曲と煌びやかな曲を自在にミックスするテクニックを駆使し、官能的かつ情熱的なDJプレイでも人気を集めており、2023年1月にO-EASTで行われた伝説的なDJ公演もSOLD OUTさせている。


Sofia Kourtesis | ソフィア・コルテシス
故郷である南米ペルーの陽気なセンスと、現在の拠点であるベルリンの野心的なクラブサウンドを融合させた、特異なエレクトロニック・サウンドで知られるプロデューサー/DJ。
昨年10月に〈Ninja Tune〉よりリリースされたデビューアルバム『Madres』は、コルテシスの母親と、母親の命を救った世界的に有名な神経外科医に捧げられたものであり、Pitchforkなど海外音楽メディアでも非常に高い評価を受けている。
今後のダンスミュージックシーンを引っ張っていく中心的存在として大注目の逸材。

label: Ninja Tune / Beat Records
artist: Bonobo
title: Fragments
release: Now On Sale

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=12132

label: Ninja Tune / Beat Records
artist: Sofia Kourtesis
title: Madres
release: Now On Sale

https://www.beatink.com/products/detail.php?product_id=13606

Josh Johnson - ele-king

 シカゴ・アンダーグラウンド・カルテットやジェフ・パーカー&ザ・ニュー・ブリードマカヤ・マクレイヴンらシカゴ系の作品に参加、昨年は〈Blue Note〉から出たミシェル・ンデゲオチェロ『The Omnichord Real Book』に加勢するなど、着々と活躍の場を広げているLAのサックス奏者、ジョシュ・ジョンソン。最近ではスローソン・マローン1が影響を受けたアーティストとしてその名を挙げていたけれど、そんなジョンソンによる、2020年のソロ・デビュー・アルバム『Freedom Exercise』以来となるセカンド・アルバム『Unusual Object』がリリースされる。エレクトロニクスも用いたエレガントなサウンド、「アンビエント・ジャズ」とも呼べそうな音楽に注目です。

Josh Johnson『Unusual Object』
2024.4.24 CD Release

グラミー賞2024でオルタナティブ・ジャズ部門を受賞し話題になったミシェル・ンデゲオチェロの『The Omnichord Real Book』をプロデュースしたジョシュ・ジョンソンの最新アルバムがCDリリース!! 今、世界が注目する彼が出した、ジャズの未来への答えがここに。

ジョシュ・ジョンソンのソロ・デビュー作『Freedom Exercise』は少しずつ、しかし着実にリスナーの心を捉えていった。彼はゆっくりとしたペースで本質的なことをやり遂げる。グラミーを受賞したミシェル・ンデゲオチェロ『The Omnichord Real Book』のプロデュースで脚光を浴びる中で届けられた本作は、作曲と演奏を研ぎ澄ませ、よりピュアな音楽性が表出されている。ここに刻まれたサックスも電子音も、紛れもなく彼のサウンドであることを証明している。アンビエント・ジャズ、敢えてそう形容したくなる、繊細で美しく、オリジナルな、間違いなく彼の代表作となるアルバムの誕生だ。 (原 雅明 ringsプロデューサー)

※日本限定盤CD(輸入盤CD の国内入荷&流通は、ございません)
※Tシャツ付きは初回受注生産限定セット、限定店舗のみの取り扱いとなります。

【リリース情報】
アーティスト名:Josh Johnson (ジョシュ・ジョンソン)
アルバム名:Unusual Object (アンユージュアル・オブジェクト)
リリース日:2024年4月24日
フォーマット:CD, CD & T-shirts set
レーベル:rings
品番:RINC122
JAN: 4988044098756
価格(CD): ¥3,080(tax in)
価格(CD & T-shirts set): ¥7,260 (tax in)
販売リンク:[予約]ジョシュ・ジョンソンの2ndアルバム「Unusual Object」数量限定CD+Tシャツセットが発売決定|ニュース&インフォメーション|JAZZ|ディスクユニオン・オンラインショップ|diskunion.net
オフィシャルURL: Josh Johnson / Unusual Object – rings (ringstokyo.com)

Tracklist:
01. Who Happens If
02. Marvis
03. Telling You
04. Quince
05. Deep Dark
06. Jeanette
07. Reddish
08. Sterling
09. Local City Of Industry
10. Free Mechanical
11. All Alone
12. Bonus Track追加予定

 これはなんとも興味深いコレボレイションの登場だ。細野晴臣のファースト『HOSONO HOUSE』50周年を記念し、そのカヴァー・アルバムが発売される……のだけれど、リリース元はなんとLAの〈Stones Throw〉、音源制作は〈カクバリズム〉〈BAYON PRODUCTION〉〈medium〉の三者という意外かつ新鮮な組み合わせなのだ。参加アーティストも豪華で、マック・デマルコ、サム・ゲンデル、ジョン・キャロル・カービィ、日本からもコーネリアス、矢野顕子など注目のメンツが集合している。どんなアルバムに仕上がっているのか──まずは第1弾シングルのマック・デマルコを聴いて想像を膨らませておこう。

VMO a.k.a Violent Magic Orchestra - ele-king

 「アート・ブラックメタル・テクノ・プロジェクト」、VMOことViolent Magic Orchestraが8年ぶりのアルバムを発表する。題して『DEATH RAVE』、ブラック・メタル、ハードコア、ガバ、ノイズなどがミックスされたサウンドに仕上がっているようだ(3/13リリース)。Vampilliaのメンバーはじめ、メイヘムやSunn O)))での仕事で知られるアッティラ・チハーら多くの面々が集結しており、Kentaro Hayashi、CRZKNYなども参加。新代田FEVERおよび東心斎橋CONPASSでのリリース・ライヴも決定している。詳しくは下記より。

VMOが8年ぶりのセカンドアルバム「DEATH RAVE」をベルリンのNEVER SLEEPより3月13日に発売決定。併せてリリース記念ライブの詳細も発表。

VMO a.k.a Violent Magic Orchestraが約8年ぶり、ザスターがボーカルを務める新体制後、初となるアルバム「DEATH RAVE」をベルリンのGabber Eleganza率いるレイヴ、ハードコアシーンの総本山 NEVER SLEEPよりリリースする。今作は世界中のメタル、テクノ、アートなどあらゆるジャンルのフェスに出演したVMOの経験とスタジオでの実験が爆発的な化学反応をおこしDEATH RAVEと呼ぶに相応しい作品が完成した。anoのちゅ、多様性を作詞/作曲したエンペラーaka真部脩一らVampilliaメンバーはもちろん、紅一点のボーカルザスター、ブラックメタルの伝説メイヘムのAttila Csihar、現代エクストリームハードコアの雄FULL OF HELLよりDylan Walker、アイスランドの新しい神秘Kælan Mikla、レーベルのボスGabber Eleganza、ビョークの最新作に参加したインドネシアのガムランガバユニットGabber Modus OperandiのIcan Harem、テクノの聖地TRESORからリリースするminimal violenceのinfinity devisionら海外勢に加え、アルセストことKentaro Hayashi、リヴァイアサンことCRZKNY、そしてMASF/ENDONのTaro Aikoら国内勢も参加したブラックメタル、テクノ、ハードコア、GABBER、ノイズがDEATH RAVEの名の下にネクストレベルで完成した。

そして、このアルバムを引っ提げて行われる5月末から7月頭までスペインのSONAR、北欧最大の野外フェスROSKILDEなど巨大フェスを含むリリースワールドツアーの前に、作品の世界を再現するDEATH RAVEを東京と大阪で開催。このリリースライブにはインドネシアより今作にも参加するGMOのIcan Haremも来日。ブラックメタルの暴力性とRAVEの快楽主義が奇跡的に融合する VMOのアルバムとライブを是非お楽しみください。

VMO presents
『DEATH RAVE リリース♾️メモリアル DEATH RAVE』

東京編
@新代田FEVER

2024/03/19 (火)
18:30open 19:00start
3500yen
4000yen
チケットURL
https://eplus.jp/vmo/

【ACT】
VMO
【special guest 】
Ican Harem from Gabber Modus Operandi
Jun Inagawa

大阪編
@東心斎橋CONPASS

2024/03/22 (金)
18:30open 19:00start
3500yen
4000yen
チケットURL
https://eplus.jp/sf/detail/4045710001-P0030001

【ACT】
VMO
【special guest 】
Ican Harem from Gabber Modus Operandi
KNOSIS(DJ set)


VMO a.k.a Violent Magic Orchestra「DEATH RAVE」
2024.03.13 Release | NSR014/VBR-VMO202403 |
Released by NEVERSLEEP (Japanese distribution by Virgin Babylon Records)
各種サブスクリクション同時配信
https://sq.lnk.to/NSR014_
アナログLP版発売日未定

Track List
1. PLANET HELVETECH
2. WARP
3. The Destroyer electric utilities version
4. Choking Persuasion
5. Kokka
6. Welcome to DEATH RAVE feat. Ican Harem - Gabber Modus Operandi
7. Satanic Violence Device feat. Dylan Walker - Full of Hell
8. MARTELLO MOSH PIT feat. Gabber Eleganza
9. VENOM
10. Abyss feat. Kælan Mikla
11. Ecsedi Báthory Erzsébet
12. SUPERGAZE
13. FYRE feat. Infinity Division
14. Song for the moon feat. Attila Csihar - MAYHEM
15. Flapping Dragon Wings


・VMO
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interview with Kode9 - ele-king

以前はロンドンがベース・ミュージックのセンターだったけど、いまは違っていて、いろいろなところからそれが出てきている。ロンドンはあくまでネットワークのひとつという存在になってきているかな。

 最新型の尖ったエレクトロニック・ミュージック、とりわけダンス~ベース寄りのそれを知りたいとき、UKには今日でもチェックすべきインディペンデント・レーベルが無数にある。そのなかでも長きにわたって活動をつづけ、日本における知名度も高いレーベルに〈Hyperdub〉がある。90年代末、当初オンライン・マガジンとしてはじまった〈Hyperdub〉がレーベルとして動き出したのは2004年。今年でちょうど20周年を迎える。
 主宰者コード9自身のレコードを発表すべく始動した同レーベルは、すぐさまベリアルというレイヴ・カルチャー=すでに終わってしまったものの幽霊とも呼ぶべき音楽を送り出すことになるわけだけれど、ほかにもアイコニカゾンビーダークスターといったおおむね「ダブステップ/ポスト・ダブステップ」なるタームでくくりうる音楽──あるいは90年代から活躍していたケヴィン・マーティンによるさまざまなプロジェクト──のリリースをとおして、10年代頭ころまでにひとつのレーベル・カラーを築きあげていた。
 大きな転機となったのはシカゴのフットワーク・プロデューサー、DJラシャドのアルバム『Double Cup』(2013)だったという。ただ他方ではそれと前後し、直截的にダンス・ミュージックというわけではないディーン・ブラント&インガ・コープランドローレル・ヘイローのような実験的なエレクトロニック・ミュージックの名作を送り出したりもしている。注目すべきアーティストの列が途絶えたことはなく、ジェシー・ランザファティマ・アル・カディリリー・ギャンブルクライン、日本との関連でいえばチップチューンのクオルタ330、独自視点で編まれたゲーム音楽のコンピ、近年の食品まつりなども忘れがたい。なかでもここ数年のレーベルの勢いをもっともよく体現しているのはロレイン・ジェイムズに、そしてアヤだろう。それら一級のカタログはもちろん、アンダーグラウンドな音楽にたいするコード9の鋭い嗅覚によって裏打ちされてきたものだ(かつて南アフリカのゴムを世界じゅうに広めたのも彼である)。
 そんな感じでスタイルの幅を広げていった〈Hyperdub〉の姿勢にはしかし、どこか一本太い芯が通っているようにも感じられる。やはりレーベルの根底にダンス・ミュージックが横たわっているからなのだろう、どれほどエクスペリメンタルな作品をリリースしようとも〈Hyperdub〉のディスコグラフィがハイブロウに振り切れることはない。尖りながら大衆に開かれてもいるその絶妙なバランスは、フットワークやジャングル、アフロ・ダンス・サウンドが入り乱れる先月の O-EAST でのコード9のプレイにもよくあらわれていたように思う。とりわけ印象に残っているのは高速化されたDJロランドの “Knights of the Jaguar” だ。いや、あれはほんとにかっこよかった。まるでゲットー・ハウスかフットワークのごとく生まれ変わったそれはヘスク(Hesk)なるDJによるエディットだという。すごいのはコード9なのかロランドなのかヘスクなのかわからない──ダンス・カルチャーにおける反スター主義の好例といえよう。
 さらにいえば、そうしたサウンド上の冒険だけに終始しているわけではないところもまた〈Hyperdub〉の魅力だ。以下でも語られているとおり、アヤのようなコンセプチュアルな要素を含む音楽のリリースを考える際には、友人である思想家、故マーク・フィッシャーもきっと気に入ったにちがいないと想像を働かせてみるそうだし、サブレーベルの〈Flatlines〉ではオーディオ・エッセイにとりくんでもいる。ダンス・ミュージックとともに、ものを考えること──まさにそれを追求してきたのが〈Hyperdub〉であり、だからこそ彼らはいまなお最重要レーベルのひとつでありつづけることができているのではないか。
 そんな〈Hyperdub〉のボスは現在、ダンス・ミュージックの状況をどのように見ているのだろう。

DJラシャド。あのレコードは人びとに大きな影響を与えたし、DJとしての自分を大きく変えてくれたものでもあった。以降10年間の、自分のDJの方向性を定めてくれたものだった。

日本はひさびさですよね。何年ぶりですか。

Kode9:2019年の12月以来。そのときは〈Hyperdub〉の15周年で、場所は渋谷WWW だったかな。あと(その翌週に)渋谷ストリームホールでやった《MUTEK》も。

この5年間でどんどん大きなビルが立ったり、渋谷の街並みはだいぶ変わりました。ひさしぶりに訪れてみてどんな印象を受けましたか?

Kode9:ビルは増えたよね。でも Contact のようなクラブはクローズしてしまったね。代官山 UNIT はどちらかといえばライヴ・ハウスのような感覚が強まった印象だし。東京のクラブ・シーンは少し変わってしまったのかな。

ロンドンも頻繁に再開発されているんでしょうか。

Kode9:ロンドンのクラブ・シーンは悪くないよ。パンデミック後に若いDJやアーティストがたくさん出てこられるようになって活発だ。すばらしいとまではいえないけれど、ロンドンのクラブ・シーンではつねになにかが起きているような感覚がある。ただ、自分も歳をとってきたから、仕事以外ではあまり出かけなくなってしまったんだけど(笑)。

あなたは最新のベース・ミュージックにすごく敏感な方だと思うのですが、いまのロンドンで新たな音楽のムーヴメントのようなものは起こっていますか?

Kode9:UKガラージやジャングルのリヴァイヴァルは起こっているね。あと、新しい流れでいうとアフロ・ハウスやアマピアノ、ゴムのようなアフリカのダンス・ミュージックから影響を受けたものが出てきているように思う。UKにとってそれが新しいものかどうかはわからないけれど、少なくとも10年前、15年前よりは色濃くなっていて、それは大きな違いかな。以前はロンドンがベース・ミュージックのセンターだったけど、いまは違っていて、いろいろなところからそれが出てきている。ロンドンはあくまでネットワークのひとつという存在になってきているかな。
 それとUKドリルが盛んになっている印象が強くて、それはシカゴ・ドリルのUKヴァージョンではあるんだけど、そういうUKスタイルの音楽が世界的に影響を与えているような気がする。ビートだったり、ベースラインだったり、ラップのスタイルだったり。ほかの都市のローカルな音楽にUKからの影響が見られるものが出てきたと思う。自分にとってもその影響は大きくて、ここ2、3年の動きは2000年代初頭のグライムやダブステップのMCを思い出させるね。自分がDJでかける音楽もいまあげたすべてのものから影響を受けているんだけど、とくにジューク/フットワークだったり、ジャングル、アマピアノとかを自分のまわりのDJグループもジャンルレスにミックスしていて、そうしたものの影響は大きいんじゃないかなと思う。

O-EASTでのDJセットを体験して、まさにいまおっしゃっていたようなサウンドが印象に残りました。スクリーンに映し出されたヴィジュアルも記憶に残っているのですが、視覚上のテーマもあったのでしょうか?

Kode9:じつは、来日するまでライヴ・プレイをやってほしいと思われていることを知らなかったんだよね(笑)。だからぜんぜんプランがなくて、どうやってオーディオ・ヴィジュアルのショウをやろうかギリギリまで考えたんだ。2日間くらいで。あの演出はヴィジュアル・アーティストの JACKSON kaki と自分との即興に近くて、彼がぼくのDJセットの世界観に合わせたゲーム・アヴァターのようなヴィジュアルをつくってくれたんだ。

序盤にDJロランドの “Knight of the Jaguar” のテンポを上げて、ゲットー・ハウスのようにかけていたのが強烈でした。

Kode9:あれはDJヘスク(Hesk)のフットワーク・エディットだね。テクノ・ファンなら絶対にわかるトラックだと思ったから、イントロをループで伸ばして盛り上げようかな、と。よく気づいたね(笑)。

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いまイギリスでは、音楽雑誌をあまり信用できなくなっていることが問題になっている。メディアの貧困化でジャーナリストたちも稼ぐことができないから、ライティングの質も低下しているんだ。

今年で〈Hyperdub〉は設立20周年を迎えます。当初はウェブ・マガジンとして発足して、のちにレーベルになっていったわけですが、2004年当時の意気込みと、現在の状況との違いについてお聞かせください。

Kode9:すごく変わったと思う。もともとの目的は自分の音楽をリリースすることだったんだけど、いまは時間がなくてできていないんだ。自分のリリースがないことがまず大きな違いだよね。レーベルをスタートしたあとは自分だけじゃなくベリアルザ・バグだったり、ダブステップやグライム、UKファンキーなどの作品をリリースするようになって、2009年ごろまではUKが主だったけど、日本のアーティストとも契約するようになってだんだん国際的になっていった。2011年ごろからはダンス・ミュージック以外のローレル・ヘイローだったり(近年の)ロレイン・ジェイムズだったり、ジェシー・ランザのようなポップスにIDM、エクスペリメンタルなアーティストのリリースも増えたし、2012年からはシカゴのフットワークも扱うようになって、ダンス・ミュージックだけでもなく、イギリスだけでもなく、どんどん拡がっていったのが大きな変化かな。

いちばん大きな転機となったリリースはなんでしたか? できればベリアル以外で。

Kode9:DJラシャド。あのレコードは人びとに大きな影響を与えたし、DJとしての自分を大きく変えてくれたものでもあった。以降10年間の、自分のDJの方向性を定めてくれたものだったし、そこからフットワークやジュークに影響を受けた音楽をプレイしはじめたから、あのリリースがいちばん大きかったかな。そう自分では思ってるよ。

最近のリリースだと、やはりロレイン・ジェイムズの存在がもっとも大きいのではないかと考えています。彼女の最大の魅力はどこにあると思いますか?

Kode9:彼女の音楽はすごくパーソナルで、親密なものだと思う。内向的なところがいいね。彼女の外向的ではない点はある意味ベリアルとも似ているけれど、やっぱり違っている。ベリアルは姿を見せないけど、彼女はシャイでありながら前に出ていて。そこに人を惹きつける魅力があるのかな。ぼくはシャイなアーティストが好きなんだ。内面を表現しながら成功している人たち。シャイっていうのは音楽の内容にかんして、っていう意味で、彼女は音楽業界のなかでも真摯に、名声なんか関係なく真剣に音楽をつくりつづけている。そこがすばらしいんだ。彼女はシャイでありながらSNSの使い方もうまくて、SNS上でファンとのつながりをもっている点もおもしろいね。みんなをパーソナルな世界に招いて立ち入らせてくれるところはファンも感謝していると思うし、そこですばらしいつながりが築きあげられているんじゃないかな。

去年出たアルバムでもうひとつ大きかったのはジェシー・ランザかなと思うのですが、彼女は〈Hyperdub〉のなかではポップな路線を担っているアーティストですよね。そこで、あなた個人のポップ・ミュージックの趣味が気になりました。どういうポップ・ミュージックが好きですか?

Kode9:ポップ・ミュージックからは学ぶことが多いんだ。すごく皮肉なことに、ポップスのほうがエクスペリメンタル・ミュージックよりもつくるのが難しいしね。だから、ぼくはKポップやアメリカのR&B、ヒップホップも聴くんだけど、自分にとってポップ・ミュージックは学校みたいなもので、聴くとほんとうに感銘を受けるし、楽しむためというより学ぶために聴いているね。ぼくは音楽教育をいっさい受けてないし楽器も弾けないから、ぜんぶ耳で聴いて楽しむんだけど、ああいったベーシックなハーモニーやキャッチーさを聴いただけで「ワオ!」と感心してしまう。自分にとってそれはすごく新しいものなんだ。

ele-kingは〈Hyperdub〉のアーティストだと aya にすごく関心があるのですが、次のアルバムは進んでいますか?

Kode9:願わくは、今年じゅうにリリースしたいと思ってるよ。aya は天才だ。コンセプト的にも音楽的にもすばらしいと思うし、パフォーマンスのレヴェルも違う。歌も歌えてラップもできて、ロック・スター的な雰囲気がありつつパンク的なところもあって、アティテュードにあふれているよね。シャイなところとは正反対な感じが彼女の魅力だと思う。

〈Hyperdub〉はアルバムより尺の短いEPをたくさんリリースしていて、その姿勢からは信念が感じられます。90年代はダンス・ミュージックが12インチをリリースの中心にすることで、アルバム主義を解体しました。〈Hyperdub〉のリリースもその延長線上にあるのではないかとele-kingの編集長は考えているのですが、シングル/EP単位でリリースすることの意義について教えてください。

Kode9:すごく難しいところだけど、まず、レコードのセールスが厳しくなったからデジタルEPをリリースするようになったんだ。ヴァイナルはパンデミック以降つくるのが大変で時間もかかるようになってしまったんだけど、これからはもっとアルバムをしっかり出していきたいと思っているよ。アルバムというのはアーティストの世界観を表現できるフォーマットだけど、EPはそれよりも早くつくれるから、アーティストのそのときのムードや音楽シーンの動向を捉えてリリースできるところが長所だよね。アルバムは制作に時間がかかるからこそ、ステイトメントのようなものを示すのに向いていると思う。逆にEPのスピード感は、レーベルの勢いや現在を捉えてみんなに見せていけるものだね。

マーク・フィッシャーの影響は強く〈Hyperdub〉にも〈Flatlines〉にも残っている。ベリアルや aya のような好きなアーティストたちをリリースするときも、「彼も同じように100%好きだろうな」というイメージのもとで考えるんだ。

次の質問も編集長から預かってきたものです。90年代に東京で暮らしていたとき、UKのアンダーグラウンドなダンス・ミュージックを知る方法は12インチのシングルを聴くことでした。それらは安価に入手できました。今日ではネットが擡頭し、情報が氾濫してすごくフラットな状況になっています。当時は12インチのヴァイナルが日本とイギリスのアンダーグラウンドにパスのようなものを形成していたのですが、いまはそれが途絶えてしまっているように思えます。どうすれば生き生きとした良質なUKダンス・ミュージックにアクセスできるのでしょうか? その方法があれば教えていただきたいです。

Kode9:まず、いまはそれをやること自体が難しくなってしまったよね。シンプルなものからなにかを得ようとするのは時代的に不可能に近い。すごく複雑化していて、いくらでもリリースの仕方やつくり方がある。バンドキャンプを利用したセルフリリースもあるし、ある種のフィルターやクオリティ・コントロールなしに音楽がどんどん出まわる時代になったわけだよね。インターネットが擡頭してから変わってしまったんだ。昔ならジャングルやドラムンベース、ダブステップだったり、それぞれひとつのシーンがあったけど、いまはシーンというものが中心にドンとあるというよりも、焦点がぼやけて、小さなシーンがほんとうにたくさん存在していると思うんだ。ベッドルームとインターネットが直結しているから、あいだになにも入らない。総数が膨大になったがゆえについていくのが大変になったし、つくり手もみんな(シーンや音楽が)ありすぎて大変なんだ。だから、ほんとうに信頼できるレーベルやウェブ、雑誌を自分なりに決めて、そこに絞るしかないのかなと思う。
 いまイギリスでは、音楽雑誌をあまり信用できなくなっていることが問題になっている。メディアの貧困化でジャーナリストたちも稼ぐことができないから、ライティングの質も低下しているんだ。20年前はライターたちがちゃんとフィルタリングして良質な情報を発信していたけれど、いまの音楽業界自体やプレスなども含めて、とにかく情報があふれているから厳しい状況だね。だから、ジャーナリスト側はニュースレターを書くようになった。雑誌に寄稿するのではなく。いまは転換期だと思う。ポッドキャストや配信の場もできているし、書く側も情報を与える側も、これからは自分たち自身で情報を発信できる場をつくっていくことになるかもしれない。信用できる情報は、自分たちで絞っていかなければいけないんだ。

わたしたちはマーク・フィッシャーの著作を3冊出版しているんですが、彼はあなたについても書いていますよね。あなたはマーク・フィッシャーの文章のどんなところが好きですか?

Kode9:マークとは一緒にPh.D.(博士号)をとった仲で、1996年から2000年にかけて一緒に勉強してきたんだ。ちょうど2、3日前が命日だったな……。彼の影響はものすごく大きくて、たとえば彼は、現代資本主義のように、嫌いなものがはっきりしていた。それへの批判を力強いことばで表現するのが特徴的だった。それは好きな音楽についてもそうで、社会的・政治的に音楽がどう広がっているのかも的確に表現していた。
 〈Hyperdub〉のサブレーベルにオーディオ・エッセイやソニック・フィクションをリリースする〈Flatlines〉というのがあるんだけど、そこから2019年にジャスティン・バートンとマークのコラボレイション作品『On Vanishing Land』をリリースしている。その作品は、マークが映画や本について書いた『奇妙なものとぞっとするもの(The Weird and the Eerie)』(原著2016)のアイディアをもとに、(音で)実践したものなんだ。レーベルの〈Flatlines〉の名前もマークが90年代に書いた論文のタイトル「Gothic Flatlines」から来ている。それくらい彼の影響は強く〈Hyperdub〉にも〈Flatlines〉にも残っている。ベリアルや aya のような好きなアーティストたちをリリースするときも、「彼も同じように100%好きだろうな」というイメージのもとで考えるんだ。たとえば、aya はノース・イングランドの出身なんだけど、マークはロンドンの外にある音楽シーンに関心を抱いていたし、彼がつくりあげてきた世界観にフィットするようなアーティストをピックアップすることはいまも意識している。ちなみにオーディオ・エッセイというのは、哲学やフィクション、ラジオ・ドキュメンタリー、ラジオ・ドラマ、エクスペリメンタル・ミュージックのミックスだね。
 それと、アーバノミック(Urbanomic)という出版社のエディターであるロビン・マッカイと『ソニック・ファクション(Sonic Faction)』というオーディオ・エッセイについての本を編集したんだけれど、それを数か月後には出す予定だ(https://www.urbanomic.com/book/sonic-faction/)。「ファクション」というのはフィクション(fiction)とファクト(fact)を組み合わせたもの。だから、理論を書いてはそれを音にして、また理論に戻って、また音の作品に落としこんで……というサイクルを繰り返しているね。

〈Hyperdub〉の2024年はどんな一年になりそうですか? 直近で控えているリリースも含め教えてください。

Kode9:「サヴァイヴァル」だね。20周年を迎えるというのは信じられない(笑)。アルバムをたくさんリリースしたいと考えている。20周年記念のショウケースの予定もたくさんあって、バルセロナのプリマヴェーラ・フェスティヴァルやロンドンのファブリック、オーストラリアのエレヴェイト・フェスティヴァル、フランスのニュイ・ソノール。祝福する場はたくさんあるんだけど、いま小さなレーベルを運営することはすごく複雑で大変なことなんだ。さっき話したようにストリーミングも増えたし、音楽業界自体やジャーナリズムも変わってきているし、それがすべてレーベル運営に影響する。だから、小さいレーベルとしてはサヴァイヴァルになっていくんじゃないかな。生き残りが大変なんだ。ひとりならまだしも、スタッフを3、4名抱えているしね。3月にはシカゴのヘヴィ(Heavee)がDJラシャドの『Double Cup』のようなムードを持ったアルバムをリリースするよ。ロレイン(・ジェイムズ)の前の前のアルバム(『Reflection』)や aya のアルバムにヴォーカルで客演していたアイスボーイ・ヴァイオレットというマンチェスターのラッパー[※UKでは2~3年前から注目されている、アンダーグラウンドで評価の高いMC]のアルバムもリリースする予定。もしできるなら、aya とナザール(Nazar)、DJハラム(Haram)、ティム・リーパー(Tim Reaper)……ぜんぶ出せたらいいな。少なくともヘヴィとアイスボーイ・ヴァイオレットは確実に出すことが決まっているね。

※なお、今回の取材でベリアルの新作が〈XL〉から出たことについて尋ねなかったのは、取材日(1月15日)がその情報が流れるよりも前だったからです。

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