「IR」と一致するもの

Earth / Mamiffer Japan tour - ele-king

 いま猛烈に疲れている。というのもこのドシャ振りの雨の中、マミファーやアースの連中と一日中外を徘徊していたからだ。
 シアトルの連中は雨を何とも思っていないように見える。というかむしろ好きなんじゃないかというくらいのはしゃぎようだ。
 僕と言えばヒキコモリ・イン・ダ・ハウスを具現化したような毎日。
 しかも先日、LAでの放浪を終えたばかり。まばゆいばかりの太陽と輝く砂塵、七色の煙にまみれ弛緩しきった体にこの湿度と雨、人波。この程度の些細な物事につまづいているゆえ今後の社会復帰が思いやられる。
 という僕がいかに僕ちゃんなのかという話ではなく、これはシアトル→LA→東京をドリフトする怠惰なライヴ・レポである。

 オールド・マン・グルーム(Old Man Gloom)、その名を聞いて震え上がらぬ者はいない。ex-アイシス/マミファーのアーロン・ターナー、ケイヴ・イン/ゾゾブラのケイラブ・スコフィールド、コンヴァージ/ドゥームライダーズのネイト・ニュートン、フォレンシクス/ゾゾブラのサントス・モンターノという泣く子も黙る00年初頭のボストン・エクストリーム・ミュージック・オールスター・バンドだ。
そのOMGが10年振りにライヴをやると聞き、僕は少量の尿を漏らした。行かねば...殺られる...彼らの西海岸ツアー初日を飾るこのエコー(Echo)は個人的にも思い入れのあるハコだ。サンセット通りに面した2階がエコー、グランデール通りに面した1階がエコー・プレックス(Echo Plex)となっており、アーロンが社長を務める〈Hydrahead Records〉でバイトをしていた際、LAで初めて借りた部屋から徒歩3分というのも相まって当時様々なバンドをここで見た。「dublab meets dubclub」等このふたつのフロアを存分にいかしたイベントも魅力的だ。
 マーチテーブルでひとりせっせと社長自ら売り子をするアーロンを横目で見つつ、しかし手伝うということもなくビアを飲みながら弛緩しながらニヤニヤしている恩知らず極まりない僕は、この日の盛況ぶりに驚いた。会場を埋め尽くす汗臭い素人童貞感漂うメタル・デュード、メンヘラ感が否めないロックお姉さんの群れ群れ群、マーチャンダイズを湛然に物色する彼らオーディエンスの熱意の凄いこと凄いこと。OMGは多感な時期の僕のヒーローであり、所詮は過去のモノという概念がやはりどこかにあったのか、〈Hydrahead〉のリリース群のようなエクストリーム・ミュージックがこの地においては絶大なポピュラリティーを得ていることを改めて認識させられた。
 気づけばステージではアイズ・オブ・ジェミナイの演奏が始まっている。そのサウンドはストーナー・ロックの文脈下ではあるが、良質なリフ、ひねくれたグルーヴのドラム、ゴシックな女性ヴォーカルと個々の要素に抜群のセンスを感じられるもので今後のブレイクが期待される......って今ウェブで調べたら彼等のアー写が出て来てウワチャー......これは僕にはちょっとゴス過ぎるなぁ......
 OMGの出番もいつしかおとずれ、マーチテーブルから息つく暇もなくアーロンは袖へ。なにも社長自ら売り子をしなくてもいいのになぁと相変わらず手伝う気がない僕だが、そのいつだって一直線な努力が彼のバンドとレーベルをここまで大きな存在にしたことに間違いはない。
 さすがはオールスター・バンド、見栄えが違う。第一線で活躍する個々のバンドの過密なスケジュールがピッタリ合う周期が10年に一度とゆーことなのだ。そのありがたさたるや何チャラ流星群みたいなものである。当時クソガキだった僕はコヤジ(小オヤジ)となり、アンチャンだった彼らはコッサン(小オッサン)となった。パンク・ハードコア・スピリットを忘れ、腰痛が恐くてモッシュもできず、女の子にフラレても「あ、生理なのね」と動じない迷惑千万な図太いコヤジとなった僕を嘲笑するかのようにOMGのオッサンたちはのっけからブルータルなチューンで畳み掛ける。彼らの新作である『No』はOMG史上最もブルータルなアルバムであるが、このライヴで見せる彼らのポテンシャルはそれ以上のものだ。狂気の沙汰ともいえるアーロン、ネイト、ケイラブが全員がヴォーカルをとるという怒濤の三位一体エネルギーがオーディエンスの血液を逆流させる。個人的にOMGのトレード・マークであるサントスのヘヴィかつダンサブルなドラムがフロントの3人の怒れる漢を後押しする。OMGのバンド名からも伺えるが、このバンドは元々アーロンとサントスのふたりが地元であるニューメキシコで結成したものだ(「Old Man Gloom」および「Zozobra」はニューメキシコはサンタフェでおこなわれるバカデッカい案山子を燃やすお祭りのことだ)。OMGのサウンドは燃え盛る感情の炎が照らし出すインディオとラティーノのミックス・カルチャーが育んだニューメキシコの雄大な土地と歴史を舞台にキューブリックが『2001年宇宙の旅』を撮ったような宇宙スラッジ・コアとでも言っておこう。気づけばモノリスに群がる猿と化した僕はフロアでもみくちゃとなり、満身創痍な状態でライヴは終了。アーロンに礼と別れを言い、東京での再会を約束したのであった。
 そう、それは彼の別プロジェクト、マミファーがあのアースとともに来日することになっていたからである。


Old Man Gloom | Photo by Diona Mavis

 さて、話は少し戻り、紙『エレキング』7号にてインタビューをおこなったアースであるが、実はこのインタヴューに僕はかなり尻込みしていた。だってだってだってあのアースですよ? ふだん僕がインタヴューをおこなっている味系ミュージシャンとはワケが違うワケで......。
 僕はアースにある種の畏敬の念を感じている。9年間のブランクの後に発表された『Hex』のレコードに初めて針を落とした時、そのサウンドのあまりの美しさに涙した。それから現在に至るまでコンスタントにアースが発表してきた比類なき完成度を誇るすばらしい作品群は、ディラン・カールソンという壮絶なる半生を送って来た男にしか奏でることができない叙事詩なのだ。近年はB型肝炎を患っており、医者にはすでに余命宣告もされているという中で制作された最新作『Angels of Darkness / Demons of Light I & II』(レコーディングは同一セッション)、そしてリリースを控えているディランのソロ作品、彼のクリエイティヴィティはさらなる高みを登り続けている。彼が見ている世界はもはや凡人が伺い知ることのできない領域なのだ......。
 ......というワケで、僕の中のディランは神々しい存在なのであった。が、新大久保「earthDOM」でのライヴ前、初めて会うディランは笑顔の絶えない最高の男であった。昨年シアトルで会ったベーシストとして今回のツアーに参加しているドン・マクグリーヴィ(その日のくだりはマスター・ミュージシャンズ・オブ・ブッカケのレヴューを参照)とともに自宅で飼う3匹の猫の可愛さを笑顔で語るディランに僕の緊張はいつしかほぐれていった。僕のくだらない質問にも気さくに答えてくれ、炭坑夫として働いていた彼の叔父の壮絶な話なんかまさしく『Hex』の世界観そのままだ。
 ディランの話を聞いている内にすでに演奏を開始していたマミファーはパーカッショニストとしてジョン・ミューラーが今回のツアーをサポート。実は僕は最初彼がジョン・ミューラーだと知らず(だってアーロンがジョンとしか紹介しなかったからね)、後日カレーを食いながら談笑している際に気づいた。失礼極まりない......彼とジェイムズ・プロトキンによるレコード『Terminal Velocity』はエレキング編集部で最近もっぱら話題の名作である(というか僕と三田さんの間だけの話だが......)。
 マミファーのセットは見るたびに異なる様相を呈している。前回の来日の際との秋田昌美氏とのコラボレーションや近年のリリースを聴く限り、よりオーガニックなノイズ・ミュージックを今回も予想していたが、ジョンとのセットとのことで今回は哲学的な重厚さを漂わせるドローン・ロックを披露していた。フェイスの美しい歌声はもちろんだが、OMGとは別にLAで見たウィリアム・ファウラー・コリンズのコラボレーションでも際立っていたアーロンのヴォーカルの繊細かつ重厚な響きはすばらしい。

 マミファーの演奏後の熱も冷める間もなくアースの出番だ。ディランいわく、今回のアースはパワー・ロック・トリオなのさ、とのこと。セッティングのすばやさもさることながら、まさしく小細工無しの生音スリー・ピース。ホーン/オルガンのオーケストラ・セットでのアースもすばらしいが、ディランがていねいにストリングを拾うことによる芳醇な倍音、アドリアーノの司るすばらしい間、ドンの流れる様なベースライン、シンプルが故に個々が際立っている。濃密なロングセットを披露した。僕は週末の新代田フィーバーでの再会を約束し、この日を後にした。
 ラストの東京公演の日、例のごとく予想よりかなり早い時間にアーロンから着信があり、サウンドチェックも早々に済ましたとのことでこの辺にヴィーガン・レストランはないか、とのこと。合流のためチャリを走らせながら僕はかつて彼が結婚前、アイシスで来日していた頃毎回「日本だー! 焼き肉だー!」と騒いでいたことを思い出していた。日本でのヴィーガン・ライフはまだまだ厳しい。下北にてヴィーガン食をむさぼりながらアーロンとフェイスはジョンと本日のセットについて細かい部分を詰めていた。そのかいあってか、その日のマミファーのセットはDOMでのショウを遥かに凌ぐすばらしいできばえだった。終止途切れることのない集中力、ジョンのドラミングはまさしくスティックがドラムに吸い寄せられているようなライト・スポットを打ち抜き、アーロンのヴォーカルは気合い千万、フェイスの歌声の透明感もさらに増したすばらしいものであった。
 おっと、話が前後してしまうが、この日の東京公演をサポートするのは日本が世界に誇るBoris。しかもアレ? 栗原さんもいるじゃないですか。いまさら栗原ミチオについて僕が語るまでもないが、海外の友人のみなが一様に絶賛する彼こそが日本が誇る世界屈指のギタリストである。Borisは名盤『Flood』と新曲を披露する僕が今まで見たBorisのセットの中で最も短いものであったが、それが逆に新鮮であった。Borisの3人が奏でるヘヴィ・サウンド・スケープの中を縦横無尽に駆け巡る栗原氏の血湧き肉踊るギターに会場にいる誰もが恍惚としたことだろう。常にリスナーの予想を良い意味で裏切る、確信的な活動をおこなってきたBoris、それは孤高の存在と呼んでいいだろう。彼らの常に時代の先をゆく活動は真に才能と努力に裏打ちされた天の邪鬼が為せる奇跡なのではなかろうか。今後も彼等に驚かされるのが今から楽しみである。
 さて、結論から言うとこの日のアースは初日を遥かに凌ぐすばらしいものであった。チケット完売で約300弱のオーディエンス。ヨーロッパ・ツアーでの大きなフェスティバル以来の聴衆だとディランは漏らしていたが、それほど誰もがアースを心待ちにしていたのだ。そんな中を優雅にプレイするのは百戦錬磨の経験に他ならない。かつて見た彼らのドキュメンタリー内でのインタヴューにてディランは興味深いことを言っていたのを思い出した。おもむろに目の前にあるグラスを手に取り、自分の音楽はこのグラスに注がれた水のようなものだ。形を持たないその何かがどこからかやってきて自分という器に注がれ、形を為しているに過ぎないと。ディラン・カールソンはかつて僕らの想像を絶する絶望の淵から幾度も這い上がって来た。そして今現在彼がおかれている状況も決して楽観視できるものではない。この日の彼の演奏を聴いて僕は涙しそうになった。それはまるでこの地球上のあらゆるものの存在の儚さ、しかしすべては永遠であり、形を為している個にはすべてに意味があるのだ、と彼が語りかけているように聴こえたのだ。

 彼らはシアトルへ帰っていった。雄大な自然に囲まれたミュージシャン・コミュニティのあるあの地へ。もしこの僕の駄文を読んで少しでも彼等の音楽に興味を持ってくれた方がいれば、彼らのレコードを手に取って欲しい。非常に残念なことにアーロン・ターナーの〈Hydra Head Records〉は今年の暮れを持って1995年から歩んで来たその偉大な歴史に幕を閉じる。いつだってインディペンデント・レーベルとしてローカル・ネットワークを大切にしてきた彼らのリリースを手にとる機会がもしあれば、それは多いなるサポートへ繋がるだろう。またアースもディラン・カールソンのソロ・プロジェクトを含め多くのリリースを控えている。どちらも90年代から現在に至るまでロック史に大きな足跡を残して来た存在であり、今後のインディ・ミュージックの先を占うものであるだろう。


EARTH | 写真:塩田正幸

onzieme presents 花魁WEST vol.2 - ele-king

 渋谷のアート・サロン「しぶや花魁」と心斎橋のゴージャス感溢れるライヴ・ハウス「onzieme」のコラボレーション・イヴェント「花魁WEST」の第2弾が10月5日(金)に開催される。この日はスペシャル・ゲストとしてOL Killerが登場、関西初上陸となる。ヴィーナス・カワムラユキがプロデュースする「しぶや花魁」ならではのサプライズ演出だ。
20~21時はblock.fmのshibuya OIRAN warm up radioにて公開生放送。
菱沼彩子画伯の書き下ろしで、人気ブランド「galaxxxy」より発売となる「花魁WEST」Tシャツも物販ブースにて販売される。

»詳細はこちらから

チケット



onzieme presents
花魁WEST vol.2
supported by block.fm

 前回のvol.1も好評だった花魁WESTがアイランドバーからメインフロアに場所を移してのこの夜だけのスペシャル仕様でvol.2を開催!
今回はスペシャルゲストに、フジロックやTAICO CLUBでのパフォーマンスも話題のDJユニット「OL Killer」が関西に初上陸。
渋谷発のカルチャースポット「しぶや花魁」ならではのサプライズ演出は必見!伝説の夜になること間違いなし!

優先入場eチケットも好評発売中☆
https://oiran-west.peatix.com

2012/10/5(FRI)
at Live&Bar onzieme
19:00~till late
DOOR:2500円1D W/F:1500円1D
21時まで女性は1Dのみ+ピックアップドリンクプレゼント!

special guest:
OL Killer

guest:
Isao a.k.a Lucas from しぶや花魁

resident:
ヴィーナス・カワムラユキ from しぶや花魁
DA☆YANAGI
DJ OMKT
Coconuts Beat Club

supported by
しぶや花魁  https://oiran.asia
block.fm  https://block.fm
onzieme https://www.onzi-eme.com
CULTURE CLUB '75 https://www.facebook.com/CULTURECLUB75

花魁WEST
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block.fm / shibuya OIRAN warm up Radio
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more info:
clubberia | iFLYER | facebook

[Vaporwave] - ele-king

 盗用がアートとなって、アンダーグラウンド・ポップのスタイルとして最初に定着したのが、1980年代のヒップホップとハウスである。いまでもよく覚えているのは、80年代末、MTVのBUZZという番組内でマルコム・マクラレンやティモシー・リアリーが、アシッド・ハウスをBGMに「盗め!」と視聴者を煽動する姿だ。「盗め!」、can you dig it? ヒップホップとハウスには、快楽主義としての音楽の延長ばかりではなく、盗用アートとしてのそれが同時にあった。ヴェイパーウェイヴは、インターネットの無限地獄/エントロピーの増大における盗用音楽として始動している。
 いかにもうさんくさいこのジャンルに関しては、すでに議論が活性化している。その一例。「ヴェイパーウェイヴは資本主義に対する批評か降伏か?」、その答えは「どちらでもあり、どちらでもない」

 ヴェイパーウェイヴはネット時代の申し子的な、あだ花的なジャンルで、果てしなくアップロードされ続けている音源(それはYutubeの冒頭に挿入される広告も含まれる)を探索し、再構築して、ある種の世界放送として発信している。新夢会社(New Dreams Ltd)、コンピュータ・ドリームス、情報デスクVIRTUAL、VΞRACOM、メディアファイヤード、そしてインターネット・クラブ、あるいはジャム・シティジェームス・フェラーロといった連中も「反資本主義の皮肉として読める」。こと、ジャム・シティのようなアーティストは、バラ色のデジタル情報社会をディストピアへと挑発的に反転してみせる。

 もうひとつの例。モダン・テクノ・ミュージック・カルチャーにおけるこれは、その音楽の終焉すら予見させる。
 アメリカには、ミューザック(Muzak)という80年以上続いている企業がある。これはさまざまな職場──デパートから工場、レストランからオフィス、スポーツジムから遊園地にいたる──に音楽を供給する会社で、要するに、労働意欲、購買意欲を促進させるための音楽を提供し続けている。問題は、1984年を境に、この会社が音楽アーティストが作った音楽作品とも提携し、供給をはじめていることだ。
 現在、この会社には300万曲以上の音楽がアーカイヴ化され、そして1億人の聴覚が、自らの労働環境に適した音楽をプログラムさせられているという。そのストックのなかには、インディ・ポップ、ミニマル・テクノ、IDM、ラウンジ・ジャズ、ラテン・ラウンジ、とくにエレクトロニック・ミュージックが多数あるらしい。
 これはアンビエントというコンセプトとは真逆の、産業社会を促進するためにサプリメントのような音楽としての利用のされ方である(カラオケやがんばれソングも同じと言えば同じ)。要するに、「もはやミュージック(音楽)とミューザック(ビジネスのための音楽)の境界線はぼやけているのである」
 多くの人は、違法ダウンロードが音楽の経済成長を止めたと思っている。しかし、ヴェイパーウェイヴは、音楽がハイパー資本主義という吸血鬼によって血を吸い取られたがゆにえ衰退したのだと考えている。

 ヴェイパーウェイヴの悪意や反抗心は、そうした産業社会に利用された音楽をふたたび自分たちの元に取り戻そうとする衝動にあるのだろう。ヴェイパーウェイヴは自らが音楽の死、音楽の終焉、音楽の腐敗となっている。そしてこの運動が短命であることも自覚している。盗用アートは、ある種の瞬間芸として成立する。
 「VANISHING VISION」=消えゆく夢。消えゆく理想。廃れていく音楽が夢見た夢。インターネット・クラブはそうした警告めいたタイトルのアルバムをフリーダウンロードで発表した。ゴルフ・クラブの待合室でかかる音楽、教則本にあるようなBGM、ぞっとするようなハイパーモダンなオフィス・ビルディングの受付で流れている音楽をかき集めて、ファッキン清潔なオフィス街の机に並んだPCから高解像度の毒を吐くことができるだろうか。アートワークに使われている風景も日本のアニメから引用されていることも興味深い。ま、どんなものか、とりあえずこれは無料なので聴いてみましょう。

https://internetclubdotcom.angelfire.com/

Flying Lotus - ele-king

 チル・ウェイヴが16ビートを取り入れるようになった→ダフト・パンクがブラック・ミュージックに近づく→ジェイ・ポールがソウル・ミュージックの文脈でそれをやったとき、「ジャスミン(デモ)」は2012年のベスト・シングルになることは決まっていた......のではないだろうか。

「ジャスミン(デモ)」はデビュー前から期待されていたシングルだった。昨年、プロモーションで撒かれた「BTSTU」をドレイクがさっさとサンプリングし、タナソーのように『テイク・ケア』を評価したリスナーには彼の名前は早くから浸透していたはずである。僕のようにドレイクはウェットでもうひとつだな......と、オッド・フューチャービッグ・クリットを好んだリスナーにもそれは伝わってきた。もうひとついえば、そんなことは何ひとつ知らなくても、どこからか「ジャスミン(デモ)」が耳に飛び込んできたリスナーにももちろんダイレクトにアピールしたに違いない。プリンスのファンであれば、それはもう、間違いなく。

 ドレイクの名前は意外なところでも目にした。ドミューンでもすっかりお馴染みになったオンラのレーベル、〈キャットブロック〉から「プレイグラウンド」でデビューしたフランスのビート・メイカー、アゼルのデビュー・アルバム『ザ・ロスト・テープス』でも彼はラップを披露している。
 アゼルのビートはどちらかというとデリック・メイを思わせる情熱的なもので、泣きのメロディに沈みたがるドレイクの趣味ではないと思えるものの、すけべの波長でも合ったのだろうか、2曲でさらっとしたフローをキめ、大物気取りのような嫌味は感じさせない(ドレイク以外にはイブラヒムが"ディス・イズ・ドープ"でふわふわと歌うのみ。ストリングスを厚く走らせたり、様々なメロディを細かく絡ませたがるアゼルもドレイク以外にMCを起用する気はさらさらないといった風情である)。

 基本的には淡々とビートが刻まれるだけ。ほかに特記できることはない。"アイズ・イン"でも"シチュエイション"でもデリック・メイを遅くして聴いているようなもので、スローモーションでスウィングしていく感じは古典的なメロウネスにも直結するものがある。それが夏のダレきったムードに合ってしまうことこの上なく、この夏はけっこう重宝した。フランスのヒップホップというと、基本的にはユニオンのような(二木好みの)古くさいファンク趣味や、デラのようなラウンジ系がほとんどで、アゼルのようなタイプは珍しい。そう、フランス文化にはそぐわないストイックな作風は、おそらくフライング・ロータスの影響によるもので、ハウスではシカゴ発のディスコ・リコンストラクションからダフト・パンクがブレイクするまでに4年ぐらいはかかった計算だとすると、ここでもフライング・ロータスがセカンド・アルバム『ロス・アンゼルス』で注目を集めてからも同じく4年が経過し、フランス人が手を出すにはちょうどいい頃合ともいえる。続くフースキースクラッチ・バンディッツ・クルーといった変り種も控えているけれど......(フランス人のヒップホップに興味が湧いた方はぜひ、ドッグ・ブレス・ユー『ゴースツ&フレンズ』のジャケット・デザインもチェック→)。

 世界中のビート・フリークが注目するフライング・ロータスことスティーヴン・エリスンの4作目は、しかし、かなり方向性を修正してきた。『ロス・アンゼルス』から『コスモグランマ』への発展を歓迎した人は腰が引けるかもしれないし、『ロス・アンゼルス』では過剰に封印されていたジャズを前作で解き放ったことの意味が明快になったと感じる人もいるだろう。「静けさが戻るまで」というタイトルから察するに、自分の身に起こったことがいかにも騒々しいことで、自分のペースを取り戻したいという願いから導き出された音楽性なのかもしれないし、「騒々しいこと」を正確に映し出したものとも考えられる。そのときにつくられたものが一大トリップ絵巻のようなストーリーテリングのそれであったことは、やはりレイヴ・カルチャーの渦に呑み込まれた90年代初頭のフランクフルトからスフェン・フェイトが『アクシデント・イン・パラダイス』でチル・アウトを希求したことを思い出させ、ほんの数ヶ月前にシャックルトンがやはり似たような組曲形式のものに『ミュージック・フォー・ザ・クワイエット・アワー』というタイトルを与えていたことを連想させる。いずれにしろ尋常ではないスピードで動いているものがなければ、それとは反対の概念に価値が求められることはない。きっと......嵐の中心は静かだということなのである。

 僕が『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』を聴きながら頻繁に思い出したのは90年代にラウンジ・リヴァイヴァルの先頭に立ったジェントル・ピープルである。オープニングから数曲はそれこそイージー・リスニングじみたフュージョンを思わせるテイストにまみれ、あまりに素直なバリアリック・モードにはしばらく不可知の未来に置き去りにされてしまう。すっかり陽気になり、ときにボトムが弱く、ティンバランドのようにハイハットで手繰り寄せていくビートはオフ・ビートが効きまくったエレクトロニカにも聴こえるし、『コスモグランマ』からの脈絡を重視していると、マジで時間軸を見失いかねない。『パターン+グリッド・ワールド』のスリーヴ・デザインで全開になっていた世界最強のドラッグとされるDMTを扱ったらしき曲はまさにジェントル・ピープルそのままに聴こえてしまうし......(DMTに関してはサイエンティック・アメリカンの副編集長だったジョン・ホーガン著『続・科学の終焉-未知なる心』を読むしかない!)。なぜかトム・ヨークがドラッグのディーラーについて示唆する曲もエアリアル・ピンクやコーラと同じくノスタルジックな意味合いでシクスティーズが裏側にべったりと貼り付いたようなところがあり、ロング・ロストのローラ・ダーリングトンによる艶かしいヴォーカルが聴こえてくる頃には、あたりの景色はすっかり『バーバレラ』のセットに様変わりしている(橋元さんがモバイル・スーツに着替えるタイミングですね)、エンディングはまさしく「空飛ぶ蓮」である。この陶酔感は実に純度が高い(古代ギリシャでは、想像上の植物であるロートスの実を食べると、浮世の苦しみを忘れて楽しい夢を見ると考えられていた)。

 フライング・ロータスの変化のスピード感は、現在のLAの様相をそのまま反映しているのだろう。それは内容的なものと同時に消費の速さでもあり、ムーヴメントの常識として荒廃の予感が押し寄せてくるという時間感覚との闘争でもある。それを単純にどこまで先延ばしにできるか。60年代のビートルズや90年代のジ・オーブに課せられたものと同じものに追いかけられるという幸福感が『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』には漲っている。さらなる飛躍をもたらすかもしれないし、たった1作で崩壊してしまうかもしれないLAの現在。あれが「終わりのはじまりだった」といわれる可能性だってあるし、そのすべてを左右する1作になる可能性は高い。フライング・ロータスは少なくともそれぐらいの冒険はしている。ジミ・ヘンドリクスやジーザス&メリー・チェインはあの後、どうすればよかったのかということでもある。現在のLAからは次から次へと才能が出てくるし、ジェレマイア・ジェイのように〈ブレインフィーダー〉と契約したミュージシャンだけでなく、同じシカゴからアン・アッシュやメデリン・マーキーまでがカリフォルニアに移住してくるなど、全米からミュージシャンが押し寄せているような印象があるなか、そのなかの誰かがフライング・ロータスの位置に取って代わってくれるわけではない。フランクフルトのレイヴ・カルチャーはスフェン・フェイトの失速とともに一度は崩壊している。それでも彼は静けさが回復することを願って、このような作品をつくった。ジェントル・ピープル版『アクシデント・イン・パラダイス』を。そして、それはエミネムがMDMAを摂りはじめたあたりからヒップホップ・サウンドが辿り付くべきものだったのかもしれない。カレンシーもウィズ・カリファも皆、そのための通過点だったと思えてくる。 

 同時期のリリースとなった『マーラ・イン・キューバ』は聴くたびに印象が二転三転した。ダブステップという明確な落としどころがあり、しかもオールドスクールの実験であることに思い至れば難しいことはなかったのだけれど、そのような基本を忘れてしまう仕掛けがあのアルバムには張り巡らされていた。『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』にも同じことがいえる。ヒップホップ・ミュージックで『サージェント・ペパーズ〜』をやろうとしたプロデューサーがいなかったのだから、梯子から落ちやすいのも仕方がないけれど、何よりも重視されているものが「流れ」であり、その強さに負けて、ほかのファクターが頭や耳からは抜け落ちやすい。かつてデイジー・エイジと称揚されたデ・ラ・ソウルにしろ、かのクール・キースにしろ、効果として狙ったものはあったかもしれないけれど、ヒップホップのグラウンド・デザインに深くメスを入れて、ここまでトリップ性を優先させるものはなかった。クリシェに倣っていえば「こんなものはヒップホップじゃない!」し、そう言わせるための作品だとしか思えない。面白いというか、『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』にもっとも似ていると思うのは、LAがまだ「静か」だった時期にダブラブが同地のプレゼンテイションとしてまとめた『エコー・イクスパンション』(07)というエリア・コンピレイションで(09年に曲を増やして再発)、カルロス・ニーニョにはじまり、フライング・ロータスやラス・Gを経て、デイダラス、ディムライトと続く「流れ」はなぜかラウンジ・テイストのものが多く、クートマやテイクを経て、クライマックスはマシューデイヴィッドによる強烈なアンビエント・チューンになっている。フライング・ロータスが考えている「静けさ」がここで展開されているサウンドを想定しているのなら、彼はまさにこの時期に戻りたいと(無意識に)願っていると考えてもいいのかもしれない。
 
 アトム・ハートに背後から膝カックン(=Using your knee to kick someone else in the back of their knee)をやられたようなフライング・ロータスに代わって、かつてのフライロー・サウンドを引き継ぎ、そこにワールド・ミュージックの要素を豊富に放り込んだのがガスランプ・キラーことウイリズム・ベンジャミン・ベンサッセンのデビュー・アルバム『ブレイクスルー』だろう。僕は発売前の音源を法律的に貸与されてレヴューを書くことはあまり好きではないのだけれど、そうはいってられない場合も増えてきて(つーか、そのような制度を採用しているのは日本だけらしいんだけど)、毎月2周目などはそういったものばかり聴かなければならないし......ということはさておき、そのようにして同時に手渡されたフライング・ロータスとガスランプ・キラーの音源がもしも入れ替わっていたら、後者を聴いて前者が『コスモグランマ』から『ロス・アンゼルス』に揺り戻す際にワールド・ミュージックやホラー・テイストを加えたものだと判断したのではないかという可能性がなかなか捨て切れない。ひとつにはフライング・ロータスにはどこか重厚なイメージがあって(多分に「テスタメント」のせい?)、それが『ブレイクスルー』にはあるけれど、『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』にはほとんどなく、どちらも華やかな印象にあふれているのは現在のLAのムードが反映されているからだとは思うけれど、それでも少しは引いた部分が『ブレイクスルー』にはあって、それもフライング・ロータスに(勝手に)投影していたイメージに近いからである。それだけ『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』が飛躍しているということでもあり、かつてのデトロイト・テクノのような通奏低音が現在のLAには流れているということでもあるだろう。

 最初期からロウ・エンド・セオリーのレジデントを務めていたというベンサッセンは、ゴンジャスフィのプロデューサーとして知名度を上げたのもなるほどで、似たようなカップ・アップ・サウンドをやらせても如実に都会的なリー・バノンとは違って、どこかヒッピー的なところである。『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』と同じく、トリップ・ミュージックとして構想されていることは明らかだけど、フライング・ロータスが執拗にシクスティーズをリファレンス・ポイトにしているのとは違って、時間軸はむしろイメージを混乱させるために悪用され、それこそウイリアム・バロウズの「時間旅行で乗り物酔い」を思わせる。アトラクションは次から次へと入れ代わり、デイダラスと組んだ「インパルス」など、いまのはなんだったのだろうとトリックめいた印象を残す曲が多く、『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』のように全体で何か訴えかけるような性格は持たされていない。ディムライトとはトラン・ザム以上バトルズ未満みたいなマス・ロックもどきに仕上がっているし、カルロス・ニーニョ率いるビルド・アン・アークからミゲル・アトウッド-ファーガスンとの"フランジ・フェイス"などはイタリアのホラー映画みたいだし......。

 ただし、サーラ・クリエイティヴからフサインとキースをフィーチャーしたボーナス・トラック「ウィッスル・ブロウアー(=内部告発)」は(紙エレキング6号にも書きましたけれど)国連がサラエボで傭兵のために売春婦を斡旋している組織と裏でつながっていたという史実を扱った映画『トゥルース 闇の告発』の原題と同じだったりするので(主演がレイチェル・ワイスだったにもかかわらず日本未公開。アメリカでも国連が圧力をかけたのかほとんど公開されず)、「サラエボ」とか「内部告発」といった歌詞が断片的に聞き取れたので、それについてのものだということはすぐにわかるし、これは、現在のLAを支配している気分やトリップ・ミュージックとはかなり異質のものである(だから、日本盤のみのボーナス・トラックなのだろう。それとも、これが現在のLAと何か関係のある曲だというなら、ここまで書いてきたことはすべて崩壊するしかない)。

 レイヴ・カルチャーが社会の表面に姿を現した当時、イギリスのマスコミがそれにセカンド・サマー・オブ・ラヴという呼称を与えたことを受けて、それをいうならアメリカで起きていることはセカンド・ロング・ホット・サマーと呼ぶべきではないかと書いたことがある(いまだにひとりも賛同してくれた人はいません~)。つまり、80年代後半のダンス・カルチャーはヨーロッパの白人とアメリカの黒人には正反対とまでは言わないけれど、社会的な意味はけっこう違ったということで(何度も書いたようにボム・ザ・ベースのように連想ゲームのようなことが起きた例もあるし、ア・ガイ・コールド・ジェラルドやチャプター&ザ・ヴァースのように裏目に出た例もある)、しかし、それが、現在のLAでは、白人にも黒人にも少なからず同じ意味を持つ音楽になっているのではないかということを『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』からは感じ取れるのではないかと。マーティン・スコセッシ監督『ヒューゴの不思議な発明』とともにどうしてアカデミー賞を取れなかったのか不思議でしょうがないテイト・テイラー監督『ヘルプ』のような映画を観ると(『ハート・ロッカー』に続いて『アーティスト』の受賞は本当にナゾでしかない)、60年代にもそのような事態は実際には部分的にしか存在しなかったのだろうということも想像はつくけれど、それでもモンタレー・ポップ・フェスティヴァルにはオーティス・レディングが出演し、聴衆に向かって「愛し合ってるかい?」と問いかけたことは、セパレーティスム(分離主義)を掲げていたパブリック・エナミーとは異なるヴァイブレイションの産物だったはずで、そのような融和が少しでも現在のLAには存在しているのではないかということが『アンティル・ザ・クワイエット・カムズ』と、そして、マシューデイヴィッド『アウトマインド』という2枚のトリップ・アルバムによる響き合いのなかから聴き取れるのだと僕は思いたい。そして、その青写真を与えたのはザ・ウェザーの3人だったのではないかと。デイダラス、バスドライヴァー、そして、レイディオインアクティヴの3人がはじめたことがここまで来たのではないかと。

 デイヴィッド・ベニオフの原作に同時多発テロを背景に加えたスパイク・リー監督『25時』はニューヨークを舞台にしながら、最終的にはLAを目指す心性が描かれていた。ブロークン・ウインドウズ理論を振りかざしたジュニアーニによるジェントリフィケイションも少なからず影響はあっただろう。それまでは、アメリカの各州から夢を抱いた若者が出てくる都会といえば、圧倒的ニューヨークだったのに、スティーブ・アンティン監督『バーレスク』でも、デヴィッド・フィンチャー監督『ソシャル・ネットワーク』でも、目指す都会はLAであり(かの『ボラット』も!)、あっという間にエレン・ペイジを過去に押しやったクロエ・グレース・モレッツがついに初主演を演じたデリック・マルティーニ監督『HICK ルリ13歳の旅』も最終目的地はLAに設定されていた。シリコンヴァレーからはじまる物語は音楽文化だけの話ではない。フランク・ダラボン監督『マジェスティック』やガス・ヴァン・サント監督『ミルク』は過去のLAを検証し直し、F・ゲイリー・グレイ監督『ビー・クール』、リサ・チョロデンコ監督『キッズ・オールライト』、アレクサンダー・ペイン監督『サイドウェイ』、中島央監督『Lily』......と様々に夢が語られる。いまさらのように『ランナウェイズ』の伝記映画までつくられ、もちろん、マーク・クラスフェルド監督『ザ・L.A.ライオット・ショー』やジョー・ライト監督『路上のソリスト』のようにダークサイドを描いた作品も力作が多い。

 そんな気運のなか(?)、信じられなかったのは2008年にLAタイムズが発表した「LAを舞台にした映画ベスト25」である。

1位「L.A.コンフィデンシャル」(カーティス・ハンソン監督)
2位「ブギーナイツ」(ポール・トーマス・アンダーソン監督)
3位「ジャッキー・ブラウン」(クエンティン・タランティーノ監督)
4位「ボーイズ'ン・ザ・フッド」(ジョン・シングルトン監督)
5位「ビバリーヒルズ・コップ」(マーティン・ブレスト監督)
6位「ザ・プレイヤー」(ロバート・アルトマン監督)
7位「クルーレス」(エイミー・ヘッカリング監督)
8位「レポマン」(アレックス・コックス監督)
9位「コラテラル」(マイケル・マン監督)
10位「ビッグ・リボウスキ」(ジョエル・コーエン監督)
11位「マルホランド・ドライブ」(デビッド・リンチ監督)
12位「ロジャー・ラビット」(ロバート・ゼメキス監督)
13位「トレーニング・デイ」(アントワーン・フークア監督)
14位「スウィンガーズ」(ダグ・リーマン監督)
15位「青いドレスの女」(カール・フランクリン監督)
16位「friday」(F・ゲイリー・グレイ監督)
17位「スピード」(ヤン・デ・ボン監督)
18位「ヴァレー・ガール」(マーサ・クーリッジ監督)
19位「L.A.大捜査線/狼たちの街」(ウィリアム・フリードキン監督)
20位「L.A.ストーリー/恋が降る街」(ミック・ジャクソン監督)
21位「To Sleep with Anger」(チャールズ・バーネット監督)
22位「レス・ザン・ゼロ」(マレク・カニエフスカ監督)
23位「フレッチ/殺人方程式」(マイケル・リッチー監督)
24位「Mi Vida Loca」(アリソン・アンダース監督)
25位「クラッシュ」(ポール・ハギス監督)

 『サンセット大通り』も『チャイナタウン』も『ブレードランナー』もなければ『エリン・ブロコビッチ』もないし、『モーニング・アフター』も入っていないではないか......。『ハードコアの夜』も『奥さまは魔女』も......どういうことなんだろう......

Mirror to Mirror - ele-king

 人類はまた一歩ニュータイプに近づいたのだろうか。"スリープ・スルー・スクール"を聴いたときには、その曲がメデリン・マーキーの"サイレン"と呼びあっているように幻視された。アレックス・トゥオーミーの透き通った裸の上半身が、メデリンの透き通った裸の上半身となにか会話をしている。ざーざー、ぷくぷくぷく、てれてれ、とと......おそらくこの会話はすれ違ってすこし悲しい結末をむかえる。アレックスとメデリンでは見ているものがちがうから。

 声帯をふるわせることはないが、しかし会話である。筆者には彼らの音が言葉であるようにきこえる(メデリンのほうはほんとにそうだけれど)。趣味の悪い筆者は、ためしに、"スリープ~"の1分8秒あたりから、"サイレン"の1分35秒あたりを重ねてみたが、すると30秒後くらいにみごとな山を持ったやりとりが聴かれて、どきどきした。

 メデリンにとって、おそらく音とはノイズのことだ。それはつねに彼女の周囲にあって、彼女の五感を刺激し拡張する。対照的にこのミラー・トゥ・ミラーことアレックスにとって、音とはもっと精製された、人工的なもののようである。明るく夢のような構築物をささえる、しなやかな素材といったところだろうか。〈プリザベーション〉の統一性のあるアート・ワークが印象的な300枚限定リリース・シリーズ、「サーカ」として本作は企画されているが、マーク・ゴウイングのプロダクト・デザイン的なコンセプトと本作の音には、どこか共鳴するところがあるようだ。

 アルバム前半はピアノやチェンバロが暖色系の音を奏でる。こうした楽器の使用を指してか、ポスト・クラシカル的な解釈を受けることもあるようだが、器楽曲というよりは、その音色のみを必要としたサウンド・コラージュという方が近いかもしれない。"ドリーム・トゥ・ハード"というように、かなり粘りのあるアンビエント・トラックをはさみながらも、弦がはつらつと細やかな動きを繰り返す、愛らしくミニマルな展開をみせる。"スリープ・スルー・スクール"は大きな潮の流れを思わせるドローン状の音の層に、泡沫のようにシークエンスされたシンセの細かいアルペジオがのる。そのてらいなく輝く音のひとつひとつに、素直でやさしい世界が映り込んでみえる。この点はジュリアナ・バーウィックと似ている。無知や単純さからそのような世界に短絡するのではない。汚されることではほころびない、根からのやさしさ、頑固な素直さ、悪びれないドリーム感覚、そうしたものをつよく感じさせる。暗く、スローで、リヴァーブも深さを増す後半においてもそれは変わらない。暗いというよりも短調を思いきり楽しむような手つきだ。"バーニング・ライフ"などは天使が戯れに弾くリスト、"ドリフト・アパート"などは叙事詩的でスケール感のあるサウンド・スケープが広げられるが、音にガラスの破片のような光が混じっている。"オール・ピープル・イン・マイ・ハンド"の鈍重なドローンも同様だ。それはなにかきらきらしたものの所業なのである。ロサンゼルスのこの新鋭には、われわれがこの先たどりつくべきヒプナゴジックの向こう側を示してもらいたい。

 「解析」「立式」につづき、相対性理論による自主企画ライヴ「位相」の第2弾の開催が発表された。前回と同様に真部脩一と西浦謙助は不参加となる模様だが、「位相Ⅱ」となる今回は、ゲストにサーストン・ムーアを迎えるスペシャルな企画となっている。両者のステージ上でのコラボレーションをぜひとも期待したいところだ。ソニック・ユースを率いてUSインディ・シーンの30年を表からも裏からも眺めつくし、大きな尊敬を受けながらもつねに妥協のない姿勢で一線を走りつづけてきたサーストンをまじえることで、アート・リンゼイ、マシュー・ハーバート、ザ・ヴァセリンズなど破格の共演を果たしてきた相対性理論の歴史にあらたな1ページが加わるようだ。
 現在のところ、相対性理論は新曲も用意しているとのことで、あらたな展開から目が離せない。


左:相対性理論、右:サーストン・ムーア

2012年11月5日(月)
相対性理論 presents 「位相II」

出演:相対性理論、Thurston Moore
会場:ZEPP TOKYO
OPEN 18:30 / START 19:30
TICKET:全自由 前売り¥5,250 taxin(3歳以上有料 D別)

◯オフィシャルweb先行予約
2012年9月14日(金)13:00 ~ 9月24日(月)23:00
特典:やくしまるえつこイラストチケット
先行予約受付URL(PC・mobile共通)
https://l-tike.com/webrironlive/

当選落選確認/入金受付日程
9/26(水)15:00~9/27(木)23:00

◯チケット一般発売日 2012年9月30日
チケットぴあ 
LAWSON TICKET 
e+  https://eplus.jp
ディスクユニオン  
高円寺DUM-DUM OFFICE 03-6304-9255

vol.39:ジュリア・ホルター in N.Y. - ele-king

 LAのジュリア・ホルターがNYでショーをおこなった。
 最初にショーの知らせを聞いたときは、シガーロスのオープニングとのことだったので、シガー・ロスとジュリア・ホルターなんて素敵な組み合わせとぬか喜びしたのだが、この日程はウエスト・コーストのみで、NYはハンドレッド・ウォーターズ、サイレント・ドレープ・ランナーズというバンドが対バンだった。その週には『ニューヨーカー・マガジン』が、今週のナイトライフ欄に「彼女の浮遊感漂う歌を」と素敵なドローイングを掲載した

 ショーの2、3日前には、新しいヴィデオ"Goddess Eyes"が公開されてる

 期待が高まる、レイバー・ディのロング・ウィークエンドの金曜日の夜、バワリー・ボールルームは、たくさんの人で溢れていた。ふだんよく行く、ショーのオーディエンスとは違い、パーク・スロープやクイーンズ、アッパー・イーストサイドなどに住んでいそうな、インテリで、読書が趣味のタイプが多いように感じる。男の子やゲイも多そうだ。

 ステージ部屋に行くと、オープニングのハンドレッド・ウォーターズがプレイ中。クラリネットやホーンを使って、低音ビート震えるようなヴォーカルが特徴のアート色の強いバンドで、最近スクリレックスのレーベル〈OWSLA〉と契約したばかり。ジュリア・ホルターとはツアーメイトだ。
 地下のバーで、〈RVNG INTL〉のマットに会う。ジュリアナ・バーウィックと一緒に来ていたので、彼女も掲載されている『エレキング・ブック』を渡す。
 ジュリアナ・バーウィックはブルックリン在住。音楽の印象と違い、とても気さくで親近感が沸いた。〈RVNG INTL〉のマットは、著者が以前コンタクトから出していたコンピレーションCDに参加してくれていて(vol.16 ノースイースト)、何度か会っていることも発覚。インディ・ミュージックの世界は狭いのだ。

 ジュリア・ホルターは、スパンコールのミニスカート(木星柄)、黒の外腕部分が広く開いたディテールの凝ったカットソーで登場、にっこりと笑って挨拶する。オープニングは"Our Sorrows"。
 彼女はとても美しい女性で、ステージに立つだけでも華がある。編成は、彼女がキーボードと歌。クラシカルなチェロ・プレイヤーとコーラスも務めるジャジーなドラマーのトリオ。バスドラの上にトライアングルがちょこんと乗っていた。

 彼女は、優しく語りかけるように、ときには恐ろしげに、そして一貫して夢のなかにいるような浮遊感を漂わせる。歌声には深みがあり、クリアで水滴が落ちるように張りがある。多重にリヴァーブをかけた歌は、決してランダムではなく、注意深く構造されている。エスケーピズムというよりは、もはや音楽治療と言えそうだ。
 それは彼女の表情を見ながらが聴いていると、さらに効果的だった。少しはにかんだ笑顔は、フェアリー・ファーナシスのエレノア嬢に似ていた。キーボードとチェロ、ドラムという構成は、厳かな神聖さを醸し出す。

 最新アルバム『Ekstasis』からの曲がほとんどで、アンコールは、カセットでリリースされた「ライヴ・レコーディングス」から"Sea called me Home"。「みんな口笛ふける?」と観客に聞いたこの曲は、その晩のハイライトだった。けだるい朝のポップ・ミュージックのようだったが、彼女の表情も生き生きしている。お客さんの反応も特別だった。

 今回のショーで新鮮だったのは、アヴァンギャルドとベッドルームポップ、クラシック音楽などがしっかり融合していることだ。しかも、カテゴライズしづらい彼女の音楽を見にきていたのが、勉学に励んでいる学生風だったり、身なりの良い老紳士だったり、音楽好きのゲイ男子だったり、いずれも、このショーでないとクロスしない層だったことだ。彼女の音楽のボーダレス性を感じた。
 LAという暖かいレイドバックな地域性がそれに影響しているのだとも思う。観客の表情は終始緩んでいた。日本人としては、もう少し歌詞がすんなり入ってくれば、別の楽しみ方もできたのだろうが、充分に満足のショーだった。



セットリストは以下:
Our Sorrows
Fur Felix
Marienbad
Gaston
This Is Ekstasis
Try to Make Yourself a Work of Art
Moni Mon Amie
Four Gardens
The Falling Age
In The Same Room
Goddess Eyes
アンコール:
Sea Called Me Home

12K Japan Tour 2012 - ele-king

 今年の春、グルーパーを迎えて文京区千駄木の「養源寺」でアンビエント/ドローンのイヴェントを開いたILLUHA(伊達伯欣+Corey Fuller)が、この秋、ふたたび最高のアンビエント・ミュージックを日本に紹介する......。
 クリスチャン・フェネスやアルヴァ・ノト以降のエクスペリメンタル/アンビエント・ミュージックのシーンにおける重要拠点のひとつ、ニューヨークの〈12K〉レーベルからそうそうたるメンツが来日する。レーベル主宰者のテイラー・デュプリー、フィールド・レコーディングや自作の楽器を操るマーカス・フィッシャー、坂本龍一とのコラボレーションでも知られるクリストファー・ウィリッツ、そしてロック・リスナーにはスローダイヴのメンバーとして知られる、サイモン・スコットなどなど。
 10月6日、長野県松本市からはじまる今回のツアーでは、京都「きんせ旅館」~六本木「Super Deluxe」と回って、最終日はまた「養源寺」。モスキート、サワコといった国際的に活躍するアーティストらがサポートして、青葉市子もテイラー・デュプリーと共演する。

 身体をリラックスして、高性能なサウンドシステムで体験するエクスペリメンタル/アンビエント/ミニマルは、本当に素晴らしいものです。こうした「平穏さ」や「静寂」を主題とする音楽は、その控えめさから、えてして軽く見られがちですが、爆音クラブとは正反対の迫力でもってしたたかに響きます。一流のアーティストたちが創造する「静寂」をこの機会にぜひ経験してください。音楽へのアプローチの多様性に驚、そして心地よい夢を見れることでしょう。詳しくはこちらを→https://www.kualauktable.com/event/12kJapan/12k2012.html

予約・詳細は
https://www.kualauktable.com/
にて。


10/6 長野 松本 hair salon 「群青」
Taylor Deupree+Marcus Fischer
Simon Scott、ILLUHA+Asuna
adv. 2500yen door 3000yen 学生2000円
(いずれも1ドリンク込み、限定50名)

10/7 京都 「きんせ旅館」
Taylor Deupree、Simon Scott、Marcus Fischer、ILLUHA
adv. 3000yen door 3500yen (限定60名)

10/10 六本木 Super Deluxe
Simon Scott、Christopher Willits、moskitoo、ILLUHA
adv. 3000yen door 3500yen

10/11 六本木 Super Deluxe
Taylor Deupree、Marcus Fischer、minamo、sawako
adv. 3000yen door 3500yen

10/13 文京区千駄木 「養源寺」
Taylor Deupree+青葉市子
Simon Scott+Marcus Fischer+伊達伯欣
Christopher Willits+Corey Fuller
sawako+青木隼人
adv. 3500yen door 4000yen(限定150名)



 さらにまた、ILLUHAは、「ヨガと音楽とマクロビ」なるドローン音楽のイヴェントをマンスリーで企画する。第一回目は、9月28日。「都会における都会に住むの人々のための企画として文京区にある静かなお寺、養源寺にて、瞑想をテーマとしたミニマル・ミュージックの生演奏のなか、ヨガをしてマクロビオティックに基づく食事をする」そうです。
 養源寺は、とても居心地の良いお寺です。興味がある人は試して間違いありませんよ!

9月29日(土) 文京区養源寺 「ヨガと音楽とマクロビと」
https://www.kualauktable.com/event/yoga01/yoga01.html

ヨガ(音楽の生演奏):90分2000円/回(食事別)各回限定25名(初心者歓迎!)
マクロビオティック:11:30~20:00
託児所:13時~20時 1500円/3時間 以降500円/時
ヨガマットレンタル:100円/枚 更衣室はあります。

第1回:14:00~15:30 Yoga:yoriko Music:Celer
第2回:16:00~17:30 Yoga:Yoriko Music:ChiheiHatakeyama

Yoshi Horino (UNKNOWN season) - ele-king

2012年の夏の余韻に浸り秋を楽しんでおります。この季節感好きです。そんな中、割と最新のリリースの中から、我流どハウスを選ばせていただきました。全てインターネット上、もしくは毎月第4土曜日の頭バーで聴けると思います。
www.unknown-season.com
www.soundcloud.com/unknown-season
www.facebook.com/unknownseason
www.twitter.jp/unknown_season
毎月第4土曜日”The Saturday” at 頭バー www.zubar.jp


1
Ryoma Takemasa - Catalyst(Album) - UNKNOWN season

2
Shonky - Le Velour(Mr. Fingers Club Dub Remix) - Real Tone

3
Omid 16B - Melodica (Original Dub) - Alola Records

4
Tigerskin - 29 Hours EP - Dirt Crew Recordings

5
Steve Rachmad (aka Sterac) - Astronotes (Joris Voorn Remix) - 100% Pure

6
Michel Cleis - Amaranthus (Original Mix) - Pampa Records

7
Rhyze - Just How Sweet Is Your Love(Walker & Royce Touch) - Nurvus

8
System Of Survival - NEEDLE AND THREAD(Album) - Bpitch Control

9
Datakestra - Distance Remix Pt.2(Satoshi Fumi & Datakestra's End Of Summer Love Mix) - UNKNOWN season

10
V.A. - DESTINATION MAGAZINE meets UNKNONW season "A Day Of Rain - UNKNOWN perspective -" - UNKNOWN season

Chart JET SET 2012.09.10 - ele-king

Shop Chart


1

Kindness - Gee Up Remix (Female Energy)
「Erol Alkan Extended Rework」ヴァイナル化。Kindness代表曲の一つ「Gee Up」を、Erol Alkanがリエディットしたキラー・トラック!

2

Efeel - Dawn Over A Quiet Harbour (International Feel)
ウルグアイ発のバレアリック・トップ・レーベル"International Feel"が手掛けるリエディット・ライン「Efeel」の最新作が待望の入荷。グリーン・クリアヴァイナル/ワンサイデッド・プレス。

3

Neneh Cherry & The Thing - Dream Baby Dream / Cashback (Smalltown Supersound)
ジャズ・トランぺッター、Don Cherryの実娘としてもお馴染みNeneh Cherryによるアルバム"The Cherry Thing"からのリミックスカット!

4

Lorn - Weigh Me Down (Ninja Tune)
Ninja Tuneへの電撃移籍後初となるアルバム『Ask The Dust』が賞賛を浴びる中、Lorn自らがボーカルを担当した"Weigh Me Down"の豪華リミックス・シングルをリリース!

5

Clark - Fantasm Planes (Warp)
電子音と生楽器を完璧に融合させた名作『Iradelphic』でシーンに衝撃を与えたWarpの美メロ・エレクトロニカ人気者Clark。エレガントなポップ加減を更に増しつつボトムも強靭な6トラックスを完成しました。

6

V.a. - Epic Disco Vol.2 (Rollerboys)
Prins Thomas Remixを収録したアーバン・シンセ・ディスコ傑作「The Thracian Plain Ep」のヒットも記憶に新しいUltracity主宰"Rollerboys Recordings"の最新話題作をストックしました!!

7

Big Brooklyn Red - Taking It Too Far (Soul Brother)
CommonやMassive Attackを筆頭に数多くサンプリングされているあのクラシックを引用した演奏をバックに歌い上げる絶品アーバン・メロウ・グルーヴ登場!!

8

Chilly Gonzales - Solo Piano ll (Gentle Threat)
ごぞんじミュージック・ジーニアス、Gonzalesの最大のヒット作『Solo Piano』。8年の時を経て第2作目が完成しました。よりメロディアスで普遍的な表情を湛えた珠玉のインスト集!!

9

Mala - Mala In Cuba (Brownswood)
先行カット『Cuba Electronic』もメガヒット中、Deep Medi Musik主宰としてもお馴染みDigital Mystikzの1/2ことMalaによるキューバン・ダブ(ステップ)・アルバムが遂に登場です!!

10

Midland & Pariah - Untitled (Works The Long Nights)
テックベース最前線を行く名門Aus Musicの代表格Midlandと、絶好調のベルジャン老舗R&sに見出されたPariahによる超強力コラボ限定盤が登場。鳴りからして完璧な2トラックスを搭載です!
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154 155 156 157 158 159 160 161 162 163 164 165 166 167 168 169 170 171 172 173 174 175 176 177 178 179 180 181 182 183 184 185 186 187 188 189 190 191 192 193 194 195 196 197 198 199 200 201 202 203 204 205 206 207 208 209 210 211 212 213 214 215 216 217 218 219 220 221 222 223 224 225 226 227 228 229 230 231 232 233 234 235 236 237 238 239 240 241 242 243 244 245 246 247 248 249 250 251 252 253 254 255 256 257 258 259 260 261 262 263 264 265 266 267 268 269 270 271 272 273 274 275 276 277 278 279 280 281 282 283 284 285 286 287 288 289 290 291 292 293 294 295 296 297 298 299 300 301 302 303 304 305 306 307 308 309 310 311 312 313 314 315 316 317 318 319 320 321 322 323 324 325 326 327 328 329 330 331 332 333 334 335 336 337 338 339 340 341 342 343 344 345 346 347 348 349 350 351 352 353 354 355 356 357 358 359 360 361 362 363 364 365 366 367 368 369