ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. interview with Actress UKテクノ界の奇才が語るみずからの哲学 | ──アクトレス、インタヴュー
  2. 細野晴臣 - Yours Sincerely | Haruomi Hosono
  3. Brian Eno ──ブライアン・イーノがレーベル〈Opal〉を再始動、あわせて00年代の2作品がリイシュー
  4. Loraine James ——ロレイン・ジェイムズの新作、突如のリリース(しかも無料DL)
  5. Klara Lewis - Opening | クララ・ルイス
  6. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  7. Future Sound of Jazz ——蘇る「フューチャー・ジャズ」、ドイツの〈Compost〉の人気シリーズが16作目
  8. interview with Wendell Harrison 音楽の楽園=デトロイトから、ウェンデル・ハリソンがファラオ・サンダースとサン・ラーの思い出を語る
  9. R.I.P. 鷲巣功
  10. Dusty - Dusty & Friends / Commodo - Deep Harbour ft. Alfa Mist / Untold - False Vacuum
  11. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集
  12. RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO -
  13. Kim Doeon - SLAPSTICK | キム・ドオン
  14. Haruomi Hosono ──細野晴臣のドキュメンタリー映画が公開
  15. R.I.P. Miru Shinoda 追悼:篠田ミル
  16. This Is Lorelei - The Singer in My Band | ディス・イズ・ローレライ
  17. Tohji - angel
  18. Cornelius - Refractions | コーネリアス
  19. interview with Toshimaru Nakamura 世界を魅了する、類い稀なる電子音響 | ──中村としまる、待望の初期ベスト盤リリースと超ロング・インタヴュー
  20. interview with Kinnara : Desi La 「アートによって、私は世界に満足できるようになりました。アートが、私の孤独の多くを壊してくれたのです」 | ──緊那羅:デジ・ラ、インタヴュー

Home >  News > Rashinban - ──山本精一が「うた」にフォーカスした羅針盤、初期2作がリイシュー

Rashinban

Rashinban

──山本精一が「うた」にフォーカスした羅針盤、初期2作がリイシュー

Jan 17,2024 UP

 80年代後半から90年代前半にかけ、ボアダムズや思い出波止場などで日本のオルタナティヴを切り拓いてきたギタリスト、山本精一。彼が「うた」にフォーカスした羅針盤のファースト・アルバム『らご』(97)がリイシューされる。なんと、初のアナログLP化だ。同時に、セカンド・アルバム『せいか』(98)も復刻される。

 羅針盤といえばかつては、LABCRY(昨年なんと18年ぶりに復活!)、渚にてと共に「関西三大歌モノ・バンド」として絶大な支持を誇ったプロジェクトだ。山本精一のキャリアのなかでもっとも慈愛に満ちたバンドであり、日本のインディー・ポップ史にアコースティックな香りを添えた伝説的な存在。2005年にバンドは解散したものの、その後の山本精一&PLAYGROUNDをはじめとした「うた」を主としたプロジェクトに、その精神性はたしかに継承されている。

 今回のリイシューは前述の通り『らご』『せいか』という初期作2枚になるが、「うた」路線の真骨頂である名盤『ソングライン』やミニマルなポスト・ロック的アプローチに接近していった後期の作品のヴァイナル化にも期待したい。歌心のある日本のアコースティックな音楽は、近年マヒトゥ・ザ・ピーポーやLampを筆頭に国外でも絶大な評価を獲得しつつある。アコースティックかつ音響的なサウンドの復権を夢見るばかりだ。デジタルな環境でのリスニングが一般化したいまこそ、ぜひレコードの柔らかな音像をゆっくり堪能してはいかがだろうか? とにかく、必携です。

まさに感動的な「うた」がここにある。普遍的なポップ・ミュージックの必要な要素がすべて織り込まれている永遠の名盤の呼び声高い羅針盤のアルバムが遂に初アナログLP化!!

97年にギューン・カセットからリリースされたアルバムを、スリーヴ・アートを変更し、同年、ワーナーから再発売されたファースト待望の初アナログ化!
冒頭の「永遠〈えいえん〉のうた」から、山本精一がこれまでに見せてきた表現とは遠く離れたポップ・ソングが並ぶ。

耳への心地よさと皮一枚下にはヒリヒリとした緊張感が漲っている。むしろ、その人懐こさゆえに、聴き手の弛緩した意識の奥深くに忍び込むような、そんな歌たち。
プロコル・ハルムの名盤『ソルティ・ドッグ』収録曲「巡礼者の道」のカヴァー、「HOWLING SUN」も収録。思えば"うたもの"という不思議な新造語も、山本精一が歌いはじめたことに対応して急設されたものだったと思い知らされる。


アーティスト:羅針盤
タイトル:らご
品番:PLP-8098 
発売日:2024年6月19日
定価:¥4,387(税抜価格¥3,980)
レーベル:P-VINE REORDS

山本精一が歌うバンド、としての機能から更に深化した2枚目待望のアナログ化。話し言葉のように作為のない歌声が、歌そのものに同化。ポップ・ソングをある種の擬態とするなら、このアルバムは完璧にその役割を果たしている。目を凝らしても輪郭を捉えることなど出来ない。
かといって曖昧とは無縁。ビーチ・ボーイズへの偏愛を感じさせる「せいか」から、ネオ・アコと呼んでは失礼なフォーク・ソング「アコースティック」、ニューウェイヴな「クールダウン」とまるで山本精一のリスナーとしての遍歴を追っているようでもあり。10分近くの大曲「カラーズ」にはドラマもなく、クライマックスも訪れない。が、一度この歌に囚われたら最後、永久に頭の中で鳴り続ける。


アーティスト:羅針盤
タイトル:せいか
品番:PLP-8099
発売日:2024年6月19日
定価:¥4,387(税抜価格¥3,980)
レーベル:P-VINE REORDS

NEWS