Home > News > Gallery > David Bowie/Our Brixton Boy/RIP
月曜の朝、BBC1でデヴィット・ボウイの死が緊急ニュースとして報道された。私は彼の音楽をほとんど知らず、“Life on Mars”と“Space Oddity”を「聴いたことがある」程度であった。翌日近所のテスコで売っている新聞はすべて1面がボウイの写真だった。
ブリクストンにあるボウイの壁画の前にはたくさんの花束とメッセージが置かれ、人だかりができていた。小雨が降って来たので、そこから少し離れたカフェの軒下に行くと、花束を持ったままタバコを吸っている男性が壁画を見つめていた。彼の花束にはメッセージが添えられていた。
タバコを吸う彼の表情が気になったので声をかけた。
「15歳の時、小さなベニューでボウイの音楽を聴いたことが俺の自慢なんだ」。彼の言葉からはたださびしさが伝わってきた。
壁画から歩いて10分もかからない住宅街に彼の住んでいたアパートがある。そこにも花束やレコードがあった。
追悼パーティーが行われた広場の前にあるリッツィーシネマ(Ritzy Cinema)の看板には「David Bowie/Our Brixton Boy/RIP」と記されていた。
世界を魅了したボウイが、彼の生まれ育ったブリクストンで今でも大切に想われている。その事に胸が熱くなった。献花の中にあった、泣きながら星を見上げる人々の絵のように、ボウイの最後のアルバムBlackstarが彼の音楽を愛した人々と共にありますように。
岩沢蘭
photos : 岩沢蘭