Home > Regulars > Tanz Tanz Berlin > #2:ダニエル・ベルとの対話
![]() Daniel Bell Globus Mix Vol.4 Tresor |
2000年にデトロイトからベルリンに移り住んできたプロデューサー/DJ、ダニエル・ベル。彼が同年にリリースしたミックスCD、『Globus Mix Vol. 4 - The Button Down Mind Of Daniel Bell』が先日リリースされた。このインタヴューは、そのライナーノーツを執筆するために行ったインタヴューを(ほぼ)そのまま書き起こしたもの。彼のキャリアにとって深い意味があったというこのミックスCDについて、そしてそれ以前とその後について、じっくりと語ってくれたのでここにご紹介したい。東京ではDBXライヴの(現在のハードウェア中心セットの)最終公演を含む来日ツアーも間近に控えているので、そちらもお見逃しなく!
僕はデトロイトに移る前はカナダに住んでいて、そことデトロイトのダウンタウンは、かなりギャップがあったね。カナダではトロントの郊外で学校に通っていて、まあ綺麗で安全なところだった。そこからいきなりデトロイトだったから。
『Globus Mix Vol. 4 - The Button Down Mind Of Daniel Bell』が丸10年後に再発されたこと、そしてResident Advisorで2000年代のベスト50ミックスCDの第二位に投票されたことについてどう思いますか?
ベル:驚いたよね(笑)。いい意味で驚いた。いつだって自分が努力をして作り上げたものが評価されるのは嬉しいことだよ。いつだって作り手はそれを望んでいるからね。ただ、あれが発売されたのは2000年だったけれど、僕が実際に制作をしたのは1999年だから、00年代ということを強調されると自分の中ではちょっと違和感があるけれど。もう99年の暮れには完成していた。いま考えてもとてもいい時期だったと思う。それほど楽曲制作もしていなくて、僕にとっては初めてのDJミックスCDだった。だから、このオファーが来て、喜んでチャレンジすることにしたんだ。自分ではミックスCDを作ろうなんて考えたことがなかったから、〈Tresor〉から話が来たときは「面白そうだ」と思った。だから色んなアイディアを考えて、コンセプトを固めて......本当に時間をかけて取り組んだ。
では、〈Tresor〉側から来た話だったんですね。
ベル:そう。僕はその頃すでに〈Tresor〉......いや、正確に言うと〈Tresor〉の地下の階にあった別の〈Globus〉という、よりハウス寄りのフロアで何度もDJをした経験があった。そう、結構頻繁にやっていたね。当時まだデトロイトに住んでいたけど、年に3~4回定期的にプレイしに行っていた。そこでプレイするのはとても楽しくで、僕自身も好きだったから、その〈Globus〉のミックスCDシリーズをはじめると聞いて、しかも僕に参加して欲しいと言われて、ぜひやりたいと思ったんだ。