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Interview

inteview with Satomi Matsuzaki (Deerhoof)

inteview with Satomi Matsuzaki (Deerhoof)

ディアフーフの10作目と彼女の記号性

――マツザキ・サトミ、ロング・インタヴュー

取材:橋元優歩   photos by Yasuhiro Ohara   Jan 24,2011 UP

べつに日本人を意識してなくて、普通ですよ。アメリカってほんとに人種がいっぱいいる国で、日本人だからって持ち上げられることもないです。ディアフーフを好いてくれる人ってオープン・マインドな人が多いんです。だから、アメリカだけに引きこもってる人たちじゃなくて、インターナショナルな音楽に興味がある人たちが多いんで。


ディアフーフ
ディアフーフ vs イーヴィル

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■少しお話が変わるのですが、今回〈キル・ロック・スターズ〉から〈ポリヴァイナル〉への移籍には、おもな理由としてはどういったことが挙げられるのでしょうか。

サトミ:〈キル・ロック・スターズ〉はすごく長かったので、いまでもすごくいい関係なんですけど、この前〈ポリヴァイナル〉からL.A.のバスドライバーというラッパーと7インチを出したんです。彼がディアフーフの新作の中の1曲でヴォーカルをやるという企画で。そのときに〈ポリヴァイナル〉の人たちと仲良くなって。前から〈ポリヴァイナル〉からはディアフーフと何かをしたいって言われてました。でもずっと忙しかったせいもあって。今回はいい機会で、一緒にお仕事してすごく楽しかったですし、違うオーディエンスにも聴いてもらえるかな? と思い、移籍しました。

■なるほど。

サトミ:すごい似てるんです。ポリシーが。インディ・レーベル同士で、ファミリ―経営で。

■イメージとしては〈ポリヴァイナル〉とディアフーフって合っていると思うんですが。オブ・モントリオールとか知的で一癖あるエクスペリメンタル・ポップみたいな。

サトミ:オブ・モントリオールは仲いいんですよ。あとフェスで知り合った、ジャパニーズ・アメリカンのユキさんて人がやってる......

■アソビセクス!

サトミ:そう、彼女はニューヨークに住んでて、ジャパニーズ・アメリカンだからアメリカ育ちなんですよ。

■へえー、そうなんですか!

サトミ:ユキさんとお話してたら、「いいよー、〈ポリヴァイナル〉。」って教えてくれて。

■あ、そうか。ジャパンドロイズとかトクマルシューゴとかもいますね。

サトミ:ジャパンドロイズは知らないな。トクマルくんは最近ですよね。「一緒に移りました」とか言っとこうかな。「トクマルくんが移るから私たちも移りました」って(笑)。

■ははは。あとはアロハとかジョーン・オブ・アークとか。ちょっと古いエモ/ポストロックからオブ・モントリオール、そして若いところだとアソビ・セクスやジャパンドロイズ。そのなかにすっとディアフーフは合うのかなと思いました。

サトミ:そうですか。自分たちは合うかな? って思ってたんですが(笑)。

■え、そうなんですか(笑)。

サトミ:でも仕事が円滑っていうか、コミュニケーションのレヴェルがすごいんですよ。アイディアを出したら、すぐにそのアイディアを膨らませて返ってくるし、すぐそれを実行してくれるから。日本みたいに、みんながんばって働いてるなあって。

■真面目な、きちんとしたレーベルなんですね。ところで、アルバムでいうと『アップル・オー』から以降が、ごく一般的なディアフーフのイメージだと思います。体制も現体制に近いものなのかなと思いますし。だから実際の結成は90年代なかばでも、どちらかというと2000年代のバンド、2000年代のインディ・シーンを充実させ、更新しつづけてきたバンドだと認識しています。それは『ピッチフォーク』などのメディアと相補的な関係で築かれてきたものだとも思うのですが、2000年代というのはサトミさんにとってどのような時代でしたか。

サトミ:そう、もう2000年代終わっちゃったんですね。2000年......ずっとサンフランシスコに住んでいたんですけど、もう、一生懸命ディアフーフをやっていたので、あっという間に過ぎました。あんまり切り替えがないくらい忙しくて。曲つくってアルバム出してツアーして、『アップル・オー』くらいは毎年出してますよね、ツアー行きながら録音してて。レディオヘッドのオープニングやってるときなんて楽屋でミックスしてました!

■それは外から作れ作れっていうプレッシャーがあるんじゃなくて、自らのモチベーションでそうなるんですよね?

サトミ:モチベーションもあるし、もう楽屋待っているだけの時間がもったいない!って。ツアーってほとんど移動なので、仕事ができる期間が少なくて、みんなが一緒にいない時間はプライヴェートに過ごしたいし、一緒にいられる時間っていったら移動時間しかない。移動と楽屋。で、すごいがんばってたんですけど、そしたらトム・ヨークも曲作りやってて(笑)。アトムス・フォー・ピース(トムの新ユニット)のやつを隣りの部屋で。「あ、やってる!」って、こっちも負けじとやりました。

■ははは。

サトミ:でもやっぱり多いですよ。空いてる時間を有効にって思ってるバンドは。

■ではまわりからいろいろ摂取するというよりは、内側から吐き出す、出力するという時間だったんでしょうか。この10年は。

サトミ:まわりからの圧力はなかったのに、自分たちでモチベーションを上げて、レーベルに「はい、これできました。」ってどんどん渡して。インディ・レーベル所属でディアフーフはDIYでプロデュースするので、渡せばすぐリリースしてもらえて、よく知らないのですけれど、メジャー・レーベルみたいにサラリーマン的なやり方じゃなくて自由です。だからインディ・レーベルが好きです。セルフ・マネジメントして、人に動かされないで、自分たちがやりたいようにやって。悪の組織っぽいものに巻き込まれないようにがんばっていきたいです。ディアフーフ対悪!

取材:橋元優歩(2011年1月24日)

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