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Home >  Interviews > interview with The Orb - 水を飲め!

interview with The Orb

interview with The Orb

水を飲め!

――アレックス・パターソン、インタヴュー

野田 努    photos by Tom Thiel   Aug 17,2012 UP

リーは端っこに座って、7インチのテレビでアフリカ映画を見てたんだ。で、俺が、「リー、その映画の意味わかってるのかい?」(言語がわからないから)って聞いたら、「全然! 何言ってるのか見当もつかないよ! でも最高に素晴らしい!」って言うんだよ(笑)。


The Orb Featuring Lee Scrach Perry present
The Orbserver In The Star House

COOKING VINYL/ビート

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今回のアルバム作業を通して、あなたがいちばん嬉しかったことは何ですか?

アレックス:全部だよ。ある部分だけをピックアップして、差を付けることはできない。実質、このアルバムは1週間で作られてるからね。だからまあ、敢えて言うなら、このリー・スクラッチ・ペリーと一緒だった1週間かな。あの1週間は、パーフェクトな瞬間が何回もあったから。今回の作業は、巨大な喜びのジグソーパズルって感じだったよ。

"ポリスとコソ泥"をカヴァーはどうして生まれたのですか?

アレックス:リーと作品を作ることが決まっていたときに、ロンドンの暴動が起きたんだ。俺の家のすぐそばでね。それで、一緒にレコーディングするときにあの曲をやらないかとリーに頼んだ。そしたら彼からOKが出て、カヴァーを作ることになった。暴動の1ヶ月後にレコーディングしたんだよ。

それは面白い話ですね(笑)。今回、ベルリンのトーマス・フェルマン、トビアス・フレウンドのふたりはどんな役目をしていたのでしょうか?

アレックス:俺はジャム、トーマスはチーズ、トビアスはピーナッツバターとでも言っておこうか(笑)。肉はナシだな。俺がヴェジタリアンだから。リーもヴェジタリアンだし。で、ときにはサラダもあるっていう役割分担。
 リー・スクラッチ・ペリーはヴォーカルを担当してる。彼の声がトーマスと俺が作ったレコードから聴こえてくる。トビアスもヴォーカルを担当した。ヴォーカルを担当したというか、ヴォーカルを整えたといったほうがいいかな。彼はヴォーカルを汚れていない、純粋なままのサウンドに聴こえるようにしてくれた。あと、もうひとりトーマス(トム)がいるんだけど、Tom Thiel(トム・ティール)が俺たちのエンジニアだった。で、俺たちのトーマス(フェルマン)は音楽を作ったってところかな。

レコーディング中で何か面白いエピソードがあったら教えてください。

アレックス:ある日みんなでディナーを食べてるとき、そこがドイツのけっこう良い雰囲気のレストランで、ナイフとフォークがテーブルにセットしてあって、ジャズが流れてる感じだったんだけど、リーは端っこに座って、7インチのテレビでアフリカ映画を見てたんだ。で、俺が、「リー、その映画の意味わかってるのかい?」(言語がわからないから)って聞いたら、「全然! 何言ってるのか見当もつかないよ! でも最高に素晴らしい!」って言うんだよ(笑)。で、次の日はハリウッド映画を見てた(笑)。おかしいだろ(笑)?

リー・ペリーの歌っている歌詞で、とくに面白く感じたのはどれでしょう?

アレックス:「酒をいまより控えて、もっとたくさん水を飲め」、このメッセージかな。

ところで、オーブの新作は準備されているのですか?

アレックス:まだ完成はしてないんだけど、コヴェント・ガーデンのロイヤル・オペラハウスのために曲を書いている。オペラを演出してて、オペラハウスで披露されるんだよ。ちなみに、リー・スクラッチ・ペリーはこれとは全然関係ないからね(笑)。彼のことだから、やろうと思えばオペラもできちゃうのかもしれないけど(笑)。

はははは、他に何かプロジェクトはありますか?

アレックス:あるよ。実は3つくらい抱えてるんだ。4つとも言えるかもしれないけど、まずは3つだな。ひとつはスクリーン。こないだ〈マリシャス・ダメージ〉からアルバムが出たんだ。それから、HFB(High Frequency Bandwidth)。このプロジェクトでは、京都のピクセルジャンクっていうテレビゲーム会社のために音楽を作ってる。2年前は、このゲームのサウンドトラック・ミュージックで英国アカデミー賞にノミネートされたんだよ。あれはクールだった。自分たちのレーベル、〈プロジェクター・ルーム・レコーズ〉から、ニュー・アルバムの『サイドトラックス』がiTunesでリリースされたばかり。
 あとは、ルートマスターズ。俺と女性アーティスト(ニナ・ウォルシュ)とカントリー・コンボを組んで、カントリー・ミュージックをやってる。こっちはまだアルバムは出てないんだけど、EPが出ている。俺たちは超オールド・スクールだから、ヴァイナルのみだけどね。
 それに、ティー(Tee)っていうプロジェクトもあるんだ。ミスター・ガウディと俺で、ダブっぽいサウンドを作ってる。ピュアなアンビエント・ミュージックで、ピュアなノー・ビートサウンド。あとは......毎週火曜日にはラジオ番組をやってる。8時~10時まで。そんな感じかな。

音楽以外で、いまのあなたが興味あることはなんでしょうか?

アレックス:ほとんどは音楽だけど、あるにはあるよ。サッカー。

いまでもプレイするんですか?

アレックス:いや、もうしないね。昔は学校とか会社でやってたけど。でもどちらかと言えば、バスケのほうがもっとプレイしてたな。若いときはバスケのほうが好きだったんだ。もっとスポーティーだったから。プレイするには最高のスポーツだよ。サッカーは、美しくて素敵なスポーツだと思う。頭を使うんだ。

いま日本では反原発が盛り上がっていますが、あなたの原発に関する考えを教えてください。

アレックス:こっちでは全然情報がないんだよな。食べ物に放射能が含まれてないといいけど......日本に行ったら、もっと状況がわかるだろうね。この野菜は食べない方がいいとか、大丈夫とか。毎回食事するごとにもやしを食べるといいってきいたけど? あと海藻。日本って、どちらもよく食べるんだよな? 元々体にいいし、放射能対策にもなるなんて素晴らしいよね。日本ではサイドディッシュによく出てくるって聞いたから、君たちは知らずに自分たちの身体を守ってるのかも。「My body is my temple」って言葉があるけど、まさにそうだね(笑)。素晴らしい哲学だよ。
 話がずれたけど......とにかく、俺はあまりよくわかってないから、言えるのは、もやしと海藻を食べろってことだね(笑)。原発は、やはり考えないとはいけないと思う。だって、また数年以内に大きな地震が起こるって言われてるんだろ? 太陽フレアも起こるって言われてるよな。それは日本だけじゃなくて俺たちの問題でもある。科学者がそういう情報をちゃんと流して、それを想定した行動をとっていくべきだと思うね。原発に反対することも間違ってないかもしれないけど、原発を無害にする方法も考えるべきかもね。

【LEE 'SCRATCH' PERRY】
生きる伝説=リー'スクラッチ'ペリーの来日公演決定!

2012/10/5 (FRI) 渋谷 O-EAST
OPEN/START 18:00
前売 ¥6,000 (1drink 別途 ¥500)

出演:
LEE 'SCRATCH' PERRY
あらかじめ決められた恋人たちへ
PREPARATION SET
and more!!!

INFO: BEATINK 03-5768-1277 http://www.beatink.com/

【THE ORB JAPAN TOUR 2012】
10.19 FRI @ 大阪 CONPASS
INFORMATION: 06-6243-1666 (CONPASS) http://conpass.jp
10.20 SAT @ 東京 ELEVEN
INFORMATION: 03-5775-6206 (ELEVEN) http://go-to-eleven.com

取材:野田 努(2012年8月17日)

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