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interview with Derrick May

interview with Derrick May

語り継がれるもの

──デリック・メイ、インタヴュー

野田 努    通訳:渡辺 亮  写真:小原泰広   Nov 29,2012 UP

サック・マイ・ディック・サック・マイ・ディック・サック・マイ・ディック・サック・マイ・ディック!!!! 音質は良くはないけど、ファンキーで、ダーティーで、速くて......ってヤツだろ。俺、ああいうの大嫌い。

E王
V.A.(Compiled by DERRICK MAY) - MS00 / BEYOND THE DANCE ~ TRANSMAT 4
ラストラム

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■いつか感想を聞くのが楽しみだね。ところでデリック、シカゴのフットワークについてはどう思う?

デリック:知らない。

■ジュークと呼ばれている音楽だよ。新世代のゲットー・ハウス。

デリック:知らないな-。

■けっこうテンポが速い最新のダンス・バトルで、デトロイトで昔、ジッツと呼ばれていた音楽とも似ている。

デリック:ああ、ハウスというよりもエレクトロを速くした感じじゃない。(早口で)トゥクトゥクトゥクトゥク!!!! パーパパパーララパーパパパーララ!!!! トゥクトゥクトゥクトゥク!!!! (甲高い声で)プッシー・プッシー・プッシー・プッシー!!!! サック・マイ・ディック・サック・マイ・ディック・サック・マイ・ディック・サック・マイ・ディック!!!! 音質は良くはないけど、ファンキーで、ダーティーで、速くて......ってヤツだろ。俺、ああいうの大嫌い。

■〈ダンス・マニア〉は好きだったじゃない。

デリック:好きだよ。〈ダンス・マニア〉はそこまで酷くなかっただろ。もっとハウス寄りだった。

■それがもっと進化したんだって!

デリック:でも、野田が言っている意味もわかるよ。ただ、俺はもともとエレクトロがそこまで好きじゃなかった。エジプシャン・ラヴァーのような好きなエレクトロもあるよ。でもホアンほど好きじゃなかったな。

■なるほどね。エレクトロが好きか嫌いかでそこが分かれるんだね。

デリック:あんま若い人の音楽知らないんだよね。いまでもよく付き合っている若い世代は、セオ・パリッシュとオマー・Sぐらい。

■いまでも〈トランスマット〉はグラショット・アヴェニューにある?

デリック:ああ、そうだよ。

■昔は、グラショット・アヴェニュー沿いの〈トランスマット〉の隣には〈KMS〉(ケヴィン・サンダーソンのレーベル)があって、ダニエル・ベルの〈セヴンス・シティ〉があったけど、いまはもう誰もいなくなったでしょ。なんでデリックだけがいまでもグラショット・アヴェニューに居続けるの?

デリック:コミュニティのためだよ。あの辺のコミュニティにとってものすごく重要だからだ。良い写真を見せてあげよう。(iPhoneから写真を探して見せる)

■結婚式?

デリック:そう、誰かがそのあたりで結婚すると、必ずここで写真を撮るんだ。それが〈トランスマット〉がそこに居続ける理由だ。(注:オフィスのあるビルの通り沿いの壁に、デリック・メイは〈トランスマット〉に関わってきた絵描きたちに絵を描いてもらっている。たとえば壁にはアブドゥール・ハックなどの絵が描かれている。いつしか、その大きな壁画の前で近所の教会で式を挙げた新婚さんたちが記念を写真を撮るようになった)

■ああ、なるほど-。

デリック:もう〈トランスマット〉のビルは歴史の一部になったんだよ。それだけで、そこに居続ける理由が充分にある。

■デトロイト・テクノのヒッツヴィルUSA(モータウンの拠点)だね(笑)。

デリック:はははは。

■観光名所だ(笑)。

デリック:それもある。観光客が、テクノの生まれた場所としてそこを訪れて、写真を撮るんだ。

■へー、初めて〈トランスマット〉に行ったときには、地下の部屋をアブドゥール・ハックがアトリエにしていて、事務所にはニール・オリヴィエラ(デトロイト・エスカレーター・カンパニー)がいたね。そしてグローバル・コミュニケーションがかかっていたんですよね。

デリック:ニールはいま、すごい、ハリウッドで二番目に有名な弁護士として活躍している。

■えー、ホント! 映画のために大学院に再入学するっていうメールはもらってたんだけど。

デリック:もともと頭の良い男だったからね。

■ミスター・スポックと呼ばれていたほどだもんね(笑)。

デリック:そうだった(笑)。ちなみに『ビヨンド・ザ・ダンス──トランスマット4』ではニールもライナーを書いているんだよ。(......と言って、見本盤を見せる)

■ホントだ。

デリック:デリック・オーテンシオ(ニールが辞めた後のレーベル・マネージャー)にも書いてもらっている。覚えているだろ?

■もちろん。

デリック:それからジョン・マックレディ(デトロイト・テクノについてよく書いていたUKの音楽ジャーナリスト)にも頼んだ。

■へー、ホントに、歴史なんだね。

デリック:そういう意味でも、音源だけではなく、パッケージも含めて、とても良いコンピレーションになったと思う。野田、でも歴史だけじゃないんだ。とくにChronophoneってヤツの曲をよく聴いてくれよ。こいつは、若き日のロラン・ガルニエに匹敵する才能だと思う。

■わかったよ。それでは今日はありがとう。相変わらずデリックがクレイジーで嬉しかったよ(笑)。いつか幻のファースト・アルバム『ザ・ビギニング・オブ・ジ・エンド』を聴ける日を楽しみにしているよ。

取材:野田 努(2012年11月29日)

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