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interview with John Frusciante

interview with John Frusciante

完全なコンポジション、完璧な自由

――ジョン・フルシアンテ、インタヴュー

   Aug 12,2013 UP

俺にとってロック・ギターのソロを演奏することや、優れたロック・ソングを書くことは、考えなくてもできることなんだ。


John Frusciante
Outsides

RUSH!×AWDR/LR2

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 ジョン・フルシアンテは、ご存知のとおり、90年代の音楽シーンをいわゆる「ミクスチャー」と呼ばれた強烈なファンク・ロック・スタイルで風靡し、いまなお支持の衰えないモンスター・バンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズのギタリストだった男である。欠員を埋める形で中途から加入したフルシアンテは、しかし、バンドに叙情的でエモーショナルな「歌」の力を呼び込み、名ギタリストであるとともに名ソングライターとしての力量を遺憾なく発揮した。この時期からのファンも多いだろうし、バンドを出てソロになってからは多様なミュージシャンたちと関わりながら精力的にアルバム・リリースを重ねており、その求道的なまでの音楽活動に心酔する方も多いのではないだろうか。

 ギタリストとして卓越した技術とセンスを持つ彼に、あくまでギターを弾いてほしいというのは多数の意見であるだろうけれども、昨年リリースされた2枚の作品は、そうした期待からは大きく逸れる、しかし尊敬を持って受け入れられた異色作だった。 『レター・レファー(Letur-Lefr)』と『PBXファニキュラー・インタグリオ・ゾーン(PBX Funicular Intaglio Zone)』。何が異色かといえばこれまでは部分的な実験として取り込まれていたエレクトロニクスを全面的にフィーチャーし、シンセ・ポップやドラムン・ベースに彩られたアルバムだったという点だ。彼がギターをサンプラーやシーケンサーに持ち替えてやろうとしたことは何だったのか? 

 今週発売となる新作『アウトサイズ』発売に際してバルーチャ・ハシム氏が行ったインタヴューから、その点についてほぼ完全な答えを知ることができる。以下、その一部抜粋をお届けしよう。インタヴュー(というか、ほとんどフルシアンテの一人語りである)自体は3万字超の長編となり、また今回の国内盤特典の目玉ともなるため抜粋での公開になるが、RZAやウータン・クラン・ファミリーの若手たちも交えて作られたあのアルバムの次の展開を楽しむ上で、是非とも読んでおきたい内容である。
 ギター・ソロを全面的にフィーチャーしたという10分超の大曲"セイム(Same)"が、こうしたプロセスと逡巡との上に完成したものだと知ると、一層理解が深まるだろう。

エイフェックス・ツインの『アナロード』シリーズは、エレクトロニックな楽器を使ってファンクを進化させていると実感した。

バルーチャ・ハシム:『The Empyrean』のリリース後、『Letur - Lefr』からエレクトロニック・ミュージックを大幅に取り入れるようになりましたが、その理由は?

ジョン・フルシアンテ:俺は、レコードから音楽を学ぶことに人生のほぼ全てを費やしてきた。過去30年間、何よりもそれに時間をかけてきた。そうすることで、いろいろなジャンルの音楽について学ぶことができた。
 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(以下RHCP)に最後に戻った期間中も、シンセ・ポップ、90年代のレイヴ・ミュージック、ヒップホップ、コンピューターなどを使ったエレクトロニック・ミュージックを聴きながらギターをプレイしていたんだ。そういう音楽を流しながらギターを演奏していくうちに、サンプルやエレクトロニック楽器の使い方が、ギター・プレイとは全く違うアプローチだということが分かった。ギター・プレイヤーは、エレクトロニック・ミュージックのプロデューサーとは違う考え方で曲作りをしているし、そういう音符の組み合わせ方をしない。俺にとってロック・ギターのソロを演奏することや、優れたロック・ソングを書くことは、考えなくてもできることなんだ。チャレンジでなくなってしまった。

 でも過去30年間のエレクトロニック・ミュージックの歴史からは新たなリズム、フレーズ、一小節の分解方法が誕生していて、どれも俺にとって未知の世界だった。俺は熟練したギタリストであったにもかかわらず、オウテカ、ヴェネチアン・スネアズ、エイフェックス・ツインの思考プロセスが理解できなかった。ギターで彼らの曲を再現できても、同じような音楽を自分で作り出すことができなかった。彼らのような音符の組み合わせ方が俺にとって理解不能だった。エイフェックス・ツインの『アナロード(Analord)』シリーズがリリースされたとき、俺にとってはビートルズの『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』と同じくらい画期的な作品に思えた。これまで自分にとって未知の世界だった新しい音楽的試みが可能だと気が付かされた。俺にとっては新しいタイプのファンク・ミュージックだったんだよ。

 60年代と70年代にファンク・ミュージックが発展して、80年代から90年代はあまりファンクは進化しなかったけど、エイフェックス・ツインの『アナロード』シリーズは、エレクトロニックな楽器を使ってファンクを進化させていると実感した。ファンクの伝統を受け継ぎながらも、それを非伝統的な方法で進化させていた。だから303や202(訳注:RolandのTB-303やMC-202 Microcomposerは80年代に発表され、アシッドハウスの定番機材だった)のような機材を買うまでは、そういう楽器が存在していることすら知らなかった。シンセを使っていろいろな実験をしていたんだけど、シンセのプロにエレクトロニック・ミュージックを作るためにどの楽器を買えばいいか尋ねると、Nord Leadなどの使いやすいシンセを薦められた。買ってみたけど、あまりその楽器にインスパイアされなかった。でも202のようなアナログ・シンセサイザーの存在を知って、数値でプログラミングしてみたとき、とてもエキサイティングだったんだ。俺のメロディ・センスを202で活かすには、自分のメロディに対するアプローチを完全に考え直さないといけないと思った。
俺は202の使い方に慣れてなかったから、いままで思いついたこともないようなメロディを生み出せることがわかった。ミュージシャンとして、俺は同じパターンを繰り返していることに気がつかされたんだ。RHCPのツアーに出たときに、ホテルで退屈しのぎをするためにドラムマシンとシンセを持っていったんだけど、いつもと同じようにヴァースとコーラスの構成に基づいた曲を作ってしまった。そういうパターンから抜け出して、テクスチャー重視のメロディをもっと作りたかった。

取材:バルーチャ・ハシム(2013年8月12日)

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