ele-king Powerd by DOMMUNE

MOST READ

  1. 別冊ele-king パンク50周年記念号──それは何だったのか、何でありえるのか
  2. Robert Del Naja ──マッシヴ・アタックの3D、二度目の逮捕
  3. Malaria! ——80年代初頭の西ベルリンから、ポスト・パンク/アヴァンギャルド・シーンを象徴する最重要バンド、マラリア!再発
  4. Black Marble - Life in Small Spaces | ブラック・マーブル
  5. 細野晴臣 - Yours Sincerely | Haruomi Hosono
  6. Klara Lewis - Opening | クララ・ルイス
  7. Columns 9月のジャズ Jazz in September 2026
  8. interview with Actress UKテクノ界の奇才が語るみずからの哲学 | ──アクトレス、インタヴュー
  9. Horse Lords - Demand to Be Taken to Heaven Alive!  | ホース・ローズ
  10. Columns ♯17:もしもパンクがなかったら ——その基礎知識と『パンク50周年記念号』刊行のお知らせ
  11. ele-king vol.37 ボーズ・オブ・カナダ大研究/サイケ&ドリーミー特集
  12. 食品まつり a.k.a foodman - HIKARIGASASHIKOMU
  13. Arca - XXXXX
  14. AMBIENT KYOTO ──2027年春、レイ・ハラカミの展示が決定
  15. interview with Toshimaru Nakamura 世界を魅了する、類い稀なる電子音響 | ──中村としまる、待望の初期ベスト盤リリースと超ロング・インタヴュー
  16. Cornelius - Refractions | コーネリアス
  17. Dusty - Dusty & Friends / Commodo - Deep Harbour ft. Alfa Mist / Untold - False Vacuum
  18. ボカロが世界に与えた衝撃 一億回再生の意外な背景
  19. Stones Taro ──京都のハウス・プロデューサーによる新作
  20. R.I.P. 鷲巣功

Home >  Interviews > interview with Martyn - オールド・スクールは必要とされている

interview with Martyn

interview with Martyn

オールド・スクールは必要とされている

─マーティン、インタヴュー

野田 努    通訳:宇田川さち   Jun 12,2014 UP

今回のアルバム制作をする前、自分の音がなんだか流されているような気がして、自分らしい音が何なのか模索していたんだよ。

■ところで、アメリカに移住してから、実際にデトロイトには行かれたのでしょうか? 誰か仲良くなったDJ/プロデューサーはいますか?

マーティン:デトロイトには3回行ったことがあって、1回はフェスだったね。で、2回は自分のショーをやるために行ったんだけど、とても興味深い場所だよね。あんまりデトロイトの人との付き合いはないんだけど、カイル・ホールは知ってるよ。いろいろな人に会うことで刺激を受けるのはいいことだと思うしね。

■ヨーロッパのベース・ミュージックと、アメリカで流行っているベース・ミュージックとの違いに戸惑いことはありますか?

マーティン:正直言ってベース・ミュージックがなんなのかよくわからないんだよ。もともとはダブステップからはじまって、ハウス・ミュージックにベースが乗ってるっていうことだろ?

■アメリカで流行っているトラップは?

マーティン:ごめん、これについては全くわからないや(笑)。

■5年前と比較して、ダンス・カルチャーの良くなったところと悪くなったところについて話してもらえますか?

マーティン:たくさんの音楽があるっていうのはいいことだとは思う。ただ、時代が変わって音楽が聴き手に届く速度は速くなっている。曲が完成してからリスナーに届くまで2~3日で世界中に広まる。そこはいいことだと思うよ。
 でも、たしかに悪い面もある。例えばクラブで演奏しているとオーディエンスは音楽を聴きに来ているというよりも、写真を取ることに必死で、それをFacebookとかinstagramにアップロードして、自分のステータスを周りに伝えることに重きを置いている人が目に付くようになったのは事実だ。演奏を聴いてない人が多いと思う。まあ、プレイしている僕たちも、もっと人の気を惹かせられるようにしなくちゃならないんだろうなとは思うんだけど。

■今回のアルバムのひとつの特徴として、古い機材を使って、バック・トゥ・ベーシックな音を追求していることが挙げられますよね?

マーティン:今回のアルバム制作をする前、自分の音がなんだか(時代に)流されているような気がして、自分らしい音が何なのか模索していたんだよ。そんなときに昔の機材を使ってみたら驚くほどしっくりくることがわかって、それをアルバムに反映しようと思ったんだよ。

■新作は、ダンス・ミュージックではありますけど、強制的に踊らせるような音楽ではありません。むしろ、前作以上にじっくり家でも聴ける作品になったと思います。あなたは、音楽によって、ただダンスするのではなく、もっといろんなことを感じて欲しいと考えているのでしょう? 

マーティン:音楽を制作している過程ではどういうシチュエーションで聴いてもらえるかとかは、あまり考えずに作っているんだよね。もしそれを聴いて踊ろうがベッドで静かに聴こうが、僕にとってはどっちでもかまわないんだ。良いメロディの良い曲が仕上がればそれでいいわけだからさ。

■ジャズのフィーリングは意識して取り込んだものですか?

マーティン:うん、ちょっと意識したかな。僕の家族はみんなジャズが好きなんだけど、家にはつねにジャズのレコードがあったし、自然に触れある環境下にはあったと思うよ。

■僕は、とくにアルバムの後半、6曲目の“Two Leads and”以降が、面白く感じましたけれど、あなた自身はこの作品のどんなところが好きですか?

マーティン:前半部分も良いよ(笑)。人によって前半が面白いと言う人もいれば、君のように後半が面白いと思う人もいる。みんなが好きなように解釈してくれていいと思う。僕はもちろん全部を通して好きだけどね(笑)。

■UR風のコード展開の、フォーテットとの2曲目“Glassbeadgames”は今回の目玉のひとつですが、彼とはどうして知り合ったんですか?

マーティン:フェスやライヴで何度かしか会ったことがなかったんだけど、会ったら必ず音楽の話をしていた。その話の流れで、いつか一緒にやりたいねって話になった。で、お互いにアイディアを出し合ってオンラインで素材を受け渡ししながら彼と作業したんだ。僕たちふたりとも移動が多いし、スタジオに入る日を調整してやるよりオンラインで作業した方が効率的だからね。

■インガ・コープランドを起用していますが、僕は個人的に彼女のユニークなスタンスが大好きです。あなたは彼女の音楽のどんなところが好きですか?

マーティン:彼女が書く、メロディアスで美しいメロディが好きだな。そこがいいなって思う。

■歌詞ではどんなことを歌っているのでしょう?

マーティン:歌詞は正直あんまりわからないんだ。僕にとっては、まずは彼女の声が重要であって、とくに歌詞の意味を考えたりしたことはない。彼女も歌詞について、とくに意味については多くを語らないしね。自分の内から出てくるものを反映しているんだと思う。

■あなたが最近お気に入りの音楽について話して下さい。ジャンル問わずです。家で、ひとりになったときに聴きたい音楽とか。

マーティン:90年代初頭のテクノをよく聴いているよ。その頃の〈ワープ〉の作品が大好きなんだ。オウテカ、アクトレス、LFOなんかもよく聴いてるね。他にはジャパン、YMOも大好きなんだ。だから、80年代の音楽も良く聴くね。

■ところで、ワールドカップが間近ですが、母国のことは気になりますよね? ロビン・ファン・ペリシーやロッベン、スナイデルらのこととか。

マーティン:もちろんサッカーは大好きだよ! そして自分の母国オランダ・チームを応援する。前回はファイナルで負けたから、今回こそ優勝すると思うよ!

取材:野田 努(2014年6月12日)

12

INTERVIEWS