Home > Interviews > interview with Tadzio - 150分の11の騒音
うん。怖い。渋谷とかにあるやつ怖い。「日本を元気に」とか言って......
Tadzio /Tadzio Pヴァイン |
■日本の音楽シーンはどのようにご覧になっていますか?
リーダー:えー......怖い......
(一同笑)
■ははは! 怖いっていうのはなんでしょう?
リーダー:それは......
野田:ねえねえ、ノイズ・ロックの若い女性がおじさんの萌えポイントだっていうのはさ、具体的にはどんなバンド名が挙がるの?
■ええ!? 気になりますか。いや、それこそトーク・ノーマルとかどうですか?
野田:でもあれはさ、若い子から教えてもらったんだよ。
■ああ、そうなんですか?
野田:もっと有名どころで言うと?
■私、日本のアーティストだとよくわからないですが、それこそあふりらんぽとかどうなんでしょう?
A氏:最初はおじさんだったと思いますね。
リーダー:へえー......
野田:ああ、そう?
部長:そうなんだ......
■何でしたっけ、私いますごい大事なことを......。あ、そうです。日本の音楽シーンです! 怖いっていうのは何なんですか?
リーダー:あー、怖い!
■アイドル・ユニットとかはどうですか?
リーダー:あれは、かわいい。
■AKB48とかも好きですか?
部長:好きではないですけど! かわいらしいなとは思います。
■あのなかでむかつく人とかはいないんですか?
部長:むかつく人は......ていうか、全然知らないですね。
リーダー:うん。全然知らない。
■エグザイルとかは?
部長:あれは怖い!
リーダー:うん。怖い。渋谷とかにあるやつ怖い。「日本を元気に」(※渋谷駅前の広告看板)とか言って......
部長:全然元気になれない。
(一同笑)
リーダー:なんか落ち込んじゃう。あれ見ると。
■ああ、わかるなあ......(笑)。
リーダー:だったらスマップとかがいい。
部長:うん。
リーダー:スマップは平和。聴いたことないけど。
部長:写真だけね。
■じゃ、逆に前野健太さんとかはどうですか? ひとりでギター抱えて、活動もごくインディで。
部長:あの人は好きでした。
■あ、そうですか?
部長:かわいくて。
■かわいいですか!
部長:なんか私、なんだっけ、ダックス?(※スペース・シャワー・TVの動画配信サイト)に出たときに、前野健太さんの映像も流れてて、初めて観たんですけど、かわいい。
■ははは! かわいい、と。なんか、前野健太さんが一言で収められちゃいましたね(笑)。
部長:いえ、ちゃんと聴いてないので......
リーダー:リーダー聴いたことない。
■(笑)それこそ、同じ世代くらいの方で、たとえばライヴで一緒になったりする気になるアーティストとかはいないんですか?
リーダー:いないですね。
■ははは!
部長:バンドはあんまりわからないんですよ。DJとかなら。
■神聖かまってちゃんとか、相対性理論とか......
リーダー:も、わかんない。
■わかんないですか。
部長:わかりますよ!
リーダー:わかりますよ。
部長:わかるけど、ちゃんと聴いてない。
リーダー:タイプじゃない。
部長:そう、タイプじゃない。
野田:かまってちゃんと似てるとこあるよね!
部長:ええ!!
リーダー:ええ!!
■うーん、鏡合わせに......ですかね?
リーダー:あんまり聴いたことない。
部長:私は全然だめです、かまってちゃん。
■そうなんですか。
リーダー:対バンしてかっこよかった人か......茶谷(※久土'N'茶谷)さんくらいかなあ?
■やっぱりじゃあ......自分たちが一番かっこいいってこと?
部長:ははは!
リーダー:まあ、そうなっちゃいますね。
(一同笑)
■なっちゃいますね(笑)。なんか、あえて聴かない、というよりは、バリアがある感じ?
リーダー:いや、かっこいいのはかっこいいと思う。つい最近も、なんだっけ? THE GIRL(注:日暮愛葉さんが新たに組んでいるバンド)?
部長:THE GIRLとか、久土'N'茶谷もかっこいいと思ったし。
リーダー:だから、レコ発にも久土'N'茶谷に出てもらうし。
■ああ......
部長:なんか落ち込んできちゃった。
リーダー:なんかへこんできちゃったねえ。
■いえいえ! もうちょっと「怖い」ってあたり掘り下げてお聞きしたいんですが。「怖い」のニュアンスってあるじゃないですか。べつにホラーで怖いわけじゃないですから。
リーダー:なんか、全部おんなじに聴こえる。全部おんなじに聴こえて怖い。
部長:なんか、あれをいいと思って聴いてる人の感覚が怖い。
リーダー:そこで音楽をやったら、私たちの音楽は大丈夫かしらって。
■ああ。じゃ、音楽性というよりは、立っているところ、生きているところがみんなと違うんじゃないかっていう感覚ですかね?
リーダー:変なのがチャートの一位とかになってたら怖いなっていう、「怖い」。
■そういう、ほんとにマスな音楽とおんなじ地平に立ってる感じあります?
部長:別かな。
リーダー:うん。別。
■その自分たちのいる場所でのライバルっていないんですか?
部長:いないかな。
リーダー:うん。いない。
■......やっぱ、かっこいっすね(笑)。
部長:かっこいいっていうか、ほんとに知らないんですよ!
(一同笑)
■あ、でも部長さんはDJとかなら知ってらっしゃるんですよね?
部長:あ、いや、そこは掘り下げなくても......
■いえいえ、聞かせてください。
部長:もともと自分でもやってたので。仙台とかでも。
■日本のDJ。私こそあまりわからないので、教えてください。
部長:仙台でやってたのは、常磐さんとか、二見裕志さんとか、ムードマンとか。
野田:ふーん。
■音的には......?
野田:ディスクノートっていうレコード屋さんあったじゃない、仙台に。なくなっちゃいました?
部長:あるんですけど......ていうか、私、野田さんのDJそこで観てます。
野田:えっ! あ、あのときかあ!......すごいねえ!
(一同笑)
部長:野田さんのDJですよ! でもそういうこと言わないでおいたんですけど、言っちゃった。
野田:えっ、いや......
■(笑)いまテンション上がりましたよね?
野田:いや、だって、すーごい昔ですよ、それ。
部長:中三か、高一かなあ......
■そういうところが、高校の頃のアジトだったんですか?
部長:そうですね。レコード屋さんとかは。
野田:ディスクノートってね、それこそディスクユニオンみたいなとこだよ。
部長:そうですねえ。店の感じとかも......
■あはは、きたないなあ、ごちゃごちゃしてんなあ! みたいな?
野田:ファラオ・サンダースのTシャツを勝手に作って売ってるみたいなね?
■ははは! ディスクユニオンはすごくちゃんとした会社ですよー。ではお話が戻るんですが、これからまた新たなアルバムを作っていく上で、そういったDJ的な素養はフィードバックされてこないんですかね?
部長:フィードバック......されてるのかなあ?
■いえ、次の作品の青写真、ということなんですが......
部長:うーん、フィードバックしようとは思わないし、好きな音楽を持ち込もうとも思わないし、そういうのはまったく別物なんですけど、なんか聴く人によっては、「このリズム、テクノっぽいよね」とか言われたりします。
■ああ! へえ。
部長:だからほんとに別のもので。ぜんぜん知らないことやってるから楽しいのかも。こんなふうに。
■次の展開としては、そういう方向性はないんですかね?
部長:自分からは、ないと思います。勝手に入ってきちゃうってことはあるかもしれないですけど......
取材:橋元優歩(2011年5月27日)